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741.  ロスト・バケーション 《ネタバレ》 この画面一杯のクロースアップも相当きつい。 感動場面となるべきヘッドカメラの録画シーンもそれがために心はさして動かされず。 前作に続いてのスマートフォン画面の同時提示も、画面が散漫になってますます煩わしい。 これからますますこの方式が主流になっていくのかと思うと気が滅入る。 家族のドラマは如何にもとってつけたようで、オープニングの倒置法もミスリードの意義は薄い。 時折挟まれるスローモーションと併せて、いずれも尺伸ばしの手段という印象が強いのが残念。 ブイは一応期待通りの活用がされている。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-07-31 13:31:09)《改行有》

742.  団地 《ネタバレ》 『鉄拳』のクライマックスも場が月面に飛躍してしまうのだから、こんな展開でも驚くまい。 岸部一徳の物語的にも映画的にも少々脈絡に欠ける行動、加えて主に斉藤 工が担わされることごとく笑えぬギャグにも耐えよう。 それらを補って余りあるくらい、不器用な妻を演じる藤山直美がいい。 『時代』を熱唱する彼女の楽し気な夢想シーンがちょっと長いかと思うと、一転してヘルメットのショット、息子の遺影のインサートとともに現実に引き戻され、彼女を喪失感が襲う。思わず嗚咽をもらす彼女がいじらしい。 パート先のスーパーの裏口でマネージャーから叱られ、レジ係の一人芝居を演じる彼女の姿が可愛らしい。(それを大楠道代が窃視する。) テレビレポーターの質問にあっけらかんと笑う彼女の呵々大笑ぶりがいい。 そして、岸部と二人、夜を徹してひたすら漢方作りをする労働のモンタージュがとにかく美しい。 仕事の合間に柔軟体操し、おにぎりを頬張りながら夫婦協働で丸薬をつくりあげていく、その二人の不格好な姿が何故だか不思議に胸を打つ。 二人の、長年連れ添った者どうしの対話も味がある。[映画館(邦画)] 5点(2016-06-15 21:34:48)《改行有》

743.  64/ロクヨン 後編 《ネタバレ》 俳優の表情を少し不明瞭にみせる暗めの照明はギリギリの感じで、映画のトーンとなっている。 原作だと柄本祐の頑張りには彼なりのささやかな根拠があった訳だが、そうしたささやかなユーモアも削られてしまっているのは惜しい。 映画オリジナルのパートは、河川敷のロケ地もそれなりに選んで川面の反射と揺らめきを使い、オレンジの炎と淡雪を映画ならではの見せ場としたかった ということだろう。 平成と昭和を跨ぐ風物詩ともなりつつある緑の公衆電話のすり減ったプッシュボタン。小説の映画化としてはこれは要となるショットだろうが、 一方で原作の描写にもある永瀬正敏の酷使した手を印象づけるショットがあったかどうか思い出せない。それだけ印象が薄いということなのだが そちらこそ伏線なり種明かしなりでもっと活用すべき被写体ではないか。 地べたから睨みすえる緒形直人の表情変化の凄みと危うさは特筆もの。[映画館(邦画)] 5点(2016-06-12 19:29:26)《改行有》

744.  サウスポー 《ネタバレ》 失意のジェイク・ギレンホールの矮小さを俯瞰ショット、あるいは寝室の鏡、階段奥などの行き詰まりの陰影を以て表現したりもする訳だが、 ふと気を許すとまた顔面がスクリーンを占拠しだす。 画面奥の暗がりに座り込む彼から送られたピントが、娘が描いた家族の絵の方に合わされるのだが、 こうしたショットもかなり杜撰な上、肝心のファイトシーンの編集もちょっと許容出来ないレベルの乱雑さだ。 せめて音楽で盛り上げて欲しいところだが、ジェームズ・ホーナーを起用しながらほとんどメロディが印象に残らない。 新トレーナーとの交流、娘との葛藤ともども淡白すぎて劇になりきれていない感じである。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-06-09 22:25:03)《改行有》

745.  シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 《ネタバレ》 中盤の空港での大乱戦を何と形容したものかと思案していたら、他所のサイトで適切な表現を見つけた。曰く、「単なるバカ騒ぎ」。 フルメンバーに拘らずに不要な常連キャラクターは潔く削り、さらにクライマックスも舞台とキャラを限定したのはいいが、 結局は新規キャラとのプラスマイナス。 オールスターということらしいが、そもそもそれほど有難味を感じるキャストか、という話である。 いわゆるハリウッドスター映画のシステムとはいえ、ドラマパートは当然の如くアップショットの連発、アクションパートも毎度お馴染み エフェクト過多の小刻み編集。相変わらずである。 この一連のコミック映画、一昔以上前の日本アニメのような愛とか正義とか世界の平和とかの所謂「大きな物語」を語るのにうってつけらしい。 程よく紛争情勢や現在的な課題なんかを織り込んでシリアスを気取るが、やはり「単なるバカ騒ぎ」である。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-05-17 00:02:52)《改行有》

746.  マクベス(2015) 《ネタバレ》 ウェルズ、黒澤、ポランスキー、それぞれ構図やカメラワークへの拘りによって独自の作品としており、物語的にはラストシーンのマイナーチェンジ等に 各々の特色がよく出ているが、このジャスティン・カーゼル版もまた過去の『マクベス』3作品とは微妙に違ったラストで悲劇に含みを持たせている。 玉座の俯瞰ショットはウェルズ版を、森の中の疾走や濃霧は黒澤版を、凄惨な流血描写はポランスキー版を、それぞれ思わせたりしつつ クロースアップや自然光主体のロケーション撮影をふんだんに採り入れて映画としての差別化をしている。 もっとも、その為に無駄にショットを割ってしまっているシーンも多いが。 CGの濫用は避けられているものの、合戦シーンのスローモーションやクライマックスでの象徴性の強い色使いなどはあまり感心しない。 火あぶりの炎は実に印象的だが、バーナムの森の炎上から始まる「赤」の氾濫はまるで張藝謀的である。 その森がどう動くか、『蜘蛛巣城』とまではいかなくとも、もう少しスペクタクルを期待したのだが。 男優側は顔貌の相似が災いし、その分マリオン・コティヤールが得をしている。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-05-15 21:49:36)《改行有》

747.  追憶の森 《ネタバレ》 差しっぱなしにされた車のキーの強調や、手荷物を巡るやり取りなど、如何にも説明的で諄い感じの冒頭である。 語りに入ると流れ出す劇伴も、シーンの解釈を狭めてしまう。 キイロとフユのキーワードがドラマの中で効果的に決まってこないのも、視覚的な段取りが不十分な為ではないだろうか。 もっとその二つの意匠を種明かしに至る過程のどこかに仄めかしておくべきだと思うが。 焚火の傍で科白で語られる紅茶やシャツのエピソードについても、それらをナオミ・ワッツの不在の中で具象の画面として再提示させることで 影の気遣いと情愛を印象づける、そういう段取りも本来なら欲しいところである。 映画なのだから。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-05-07 22:23:37)《改行有》

748.  テラフォーマーズ 《ネタバレ》 日本人のカタコト英語とか、日本政府の軍事的陰謀とか、格差社会とか、拝金主義とか、「500年後」を建前にしたマイルドな風刺がチラホラと感じられる。 微苦笑含めて、真剣な馬鹿馬鹿しさに結構笑えた。 武井咲は『愛と誠』でも散々な目に会わされていたっけ。 「来た仕事は絶対に断らない」(押井守『監督稼業めった斬り』)という三池監督だが、 監督も俳優もスタッフも真摯に取り組んでいて感動すらする。 かなり多彩なキャストだったことをエンディングで知る。[映画館(邦画)] 5点(2016-05-02 04:33:06)《改行有》

749.  IAM A HERO アイアムアヒーロー 《ネタバレ》 突然の奇襲で登場人物共々に観客を驚かす。ショックとサプライズの類が主であって、ヒッチコックが語るところのサスペンスのように、 ある種の感情を揺さぶってくるものではない。前半の、複数の人身事故を組み合わせた長廻しモブシーンなどはその状況に引き込んでいく上で 有効だと思うが、後半もそればかりでは単調にならざるを得ない。 折角、有村架純が手渡すお守りのエピソードををつくりながら、それを有効活用させないのは怠慢だし、 そこで流れる歌曲の用い方もさして芸がない。大泉を危機から救うのはブランド時計などではなく、こじつけでもあのiPodであるべきだろう。 そんなだから、三者の間にもドラマが生起せず感情を刺激されることもない。 ドラマを小状況に限定したのはいいとして、モールの構造や空間・設備も十分に活かしきれていない。それは屋上から地下駐車場までの位置関係と経路、 ラストの三つ巴状況の位置関係とギリギリの距離感をレイアウトの中で明瞭に示せていないという事であり、これまたサスペンスを生めていない。 同様に、劇中でのZの群れを有限でカウント可能なものとしてしまうのなら、残弾数のカウントダウンでもってサスペンスを演出すべきかと思うが。[映画館(邦画)] 5点(2016-04-28 23:16:27)《改行有》

750.  あやしい彼女(2016) 《ネタバレ》 すべり台からフラフープまで、多部未華子が若さ爆発のくねくねダンスと弾けた顔芸を披露し、 アーケード街を梯子しながら髪型と衣装を替えていく横移動など、フィジカルな楽しさのある前半がいい。 ヘップバーンになりきっての溌剌ぶり・お転婆ぶりをもっと見せてくれると尚良かった。 日韓相通ずる親子の感傷劇が基調となる後半になると、台詞頼りのシーンも増え、BGMの出張りや脚本の粗も気になりだしてしまう。 小林聡美、志賀廣太郎ら脇役陣も好演しているし、 ソファで酒盛りする多部と要潤の長廻しの芝居など、ユーモアと情緒が調和したいいシーンもそれなりにあるのだが。 多部の歌唱の巧拙などは全く問題ではなく、そもそも音楽自体がここでは単にドラマの装飾に留まっているのが惜しい。 ライブシーンも、観客の段取り臭い整然とした熱狂ぶりに興ざめしてしまう。[映画館(邦画)] 5点(2016-04-02 23:59:26)《改行有》

751.  ザ・ブリザード 《ネタバレ》 冒頭の車内の会話シーンから、3D映画らしからぬ深度の浅いショットとダサいピント送り、そして光量・光源不足の画面に萎える。 (ナイトシーンが多い事とは全く関係ない。) 2、3ショットで済むシーンに5、6ショット用いる不経済にも気が重くなる。 ホリデイ・グレインジャーを特権的に撮っているのは、公衆電話口で振り返らせる印象的な出のショットからして明らかだが、 彼女の出番が多い分、活劇の進行も鈍っている。だから陸のシーンは総じて退屈だが、海に乗り出して以降はようやく映画も動き出す。 ワッチから操舵盤のケイシー・アフレックまで、乗組員らが伝言を繋げていく縦移動ショットなどはなかなかの盛り上がりだ。 前半の露出アンダー気味の画面も、ようやくラストの暗闇に瞬くヘッドライトの光で報われる。 ライトを一旦消して点け直させるのは間抜けとしか思えないが。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-03-03 23:22:51)《改行有》

752.  残穢 -住んではいけない部屋- 《ネタバレ》 特に前半は劇伴音楽を控え、静寂と衣擦れの音を存分に聴かせてくれる。 コンピュータ処理もあるだろうが、出来る限り曇天を選んでムードも出しているし、 ゴミ屋敷や九州の廃屋内部の美術も凄みがあっていい。 「根っこは一つ」の真相探しの物語だが、バラバラの事件がドラマの進行に伴って集約していくのではなく、 一つの事件から派生し場が拡散していく作劇スタイルは後半の散漫さを招いたか。 CGらしさ全開の黒い人影があまり怖くない。[映画館(邦画)] 5点(2016-02-08 15:40:46)《改行有》

753.  パディントン 《ネタバレ》 いかにも、ヨーロッパ各国の抱える現在的なテーマが背景に仄めかされてはいるが、先ずは愛嬌あるキャラクターの表情や動きが目を惹きつける。 パディントンが引き起こすドタバタアクションもいろいろと趣向を凝らしてはいるし、垂直空間での高低のアクションもいろいろと取り入れてはいるのだが、 それらはスリル以前に『ブレードランナー』やら『MI』シリーズのパロディに留まっているのが惜しい。 その緩さがファミリー向けのテイストかも知れないが。 クライマックスの博物館では、家族がそれぞれの個性やキャラクターを活かして伏線に準じた活躍を披露もするが、ここでもっと博物館の特性を活かして アクションを展開して欲しいと思う。 家族が彼を見直し、受け入れていく展開も少々食い足りない。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-01-29 23:49:59)《改行有》

754.  白鯨との闘い 《ネタバレ》 画面手前に小道具類を大きく配置した構図がやたらに多いのは3Dを意識したのだろう事はわかるが、2Dでみるとかなり煩わしい。 時代を再現した折角の美術や小道具なのだろうからもう少しじっくり見せて欲しいところなのだが、ショットは短く忙しない為、それらを味わう暇もない。 そして、例によって多すぎるアップショット。流れを幾度も遮る時制の往還。回想ドラマの難しいところだ。 ロケ・バニョスのスコアは漁のシーンを美しく盛り上げもするが、 ヘムズワースが全神経を集中して白鯨を察知するシーンに音楽はどう考えても不要だろう。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2016-01-17 22:02:16)《改行有》

755.  ピンクとグレー 《ネタバレ》 例えば、聖女と悪女と演じさせて女優を売り出すシステムが旧来からあるように、 ここでは中島・菅田・夏帆それぞれの役柄の転換が、演者の多面性を見せつけて映画の妙となっている。 首吊りや街頭の広告パネルなど、前半の菅田将暉は常に中島裕翔を見上げる形で描写されており、 中島の舞台挨拶シーンと夏帆を押し倒す菅田のシーンのクロスカッティングも、中島が二人を見下ろす形の視線で繋ぐモンタージュが象徴的だ。 映画化にあたって演出として意識したのがその見上げる、見下ろす、階段を上る、段上から落ちる、の高低差だろう。 映画のラスト、朝の自然光の中、今度は中島がを歩道橋の階段を駆け上り、柳楽優弥を見上げ、ライターを上空へ放り投げる。[映画館(邦画)] 5点(2016-01-17 00:19:48)《改行有》

756.  杉原千畝 スギハラチウネ 《ネタバレ》 予告編から想像した通り、心理的表情と観念的ダイアログがくどい映画。 諜報のプロとしての側面や家族のドラマなど、内容をいろいろと欲張ったのも冗長さの原因の一つだろう。 その割に、帰国後の顛末はほとんど省略というのも物足りない。祖国からの迫害には極力触れないという配慮か。 外務省を追われて以降こそ、夫婦のドラマの見せどころではないか。 襖を介しての語りかけが二人の出会いのきっかけとなるが、そこでの一方向的な会話が 後の領事館での対話に活かされる形となる。であればその出会いの瞬間はもっと繊細に 映像で印象付けて欲しいし、 『ゴッドファーザー』もどきのダンスに時間を割くくらいなら、要である二千通のビザ発給を映画らしく肉体労働として描写しつつ、 それを支える妻の姿をこそ描いて欲しいところでもある。 ともあれ、エンディングの杉原一家の家族写真が最も感動的である。 戦後70年を主題とする今年の邦画も、残すところ山田洋次のみ。[映画館(邦画)] 5点(2015-12-06 22:54:31)《改行有》

757.  グラスホッパー 《ネタバレ》 阪本善尚のカメラがいい。男たちの首筋を流れる汗が夏の暑苦しさを伝え、ふっと影が差していく屋内が人物の細やかな心情変化を伝える。 浅野忠信をはじめとする俳優たちの見栄えのよさも、その陰影を浮き立たせる撮影の素晴らしさゆえである。 尾行する生田斗真と、その対象である吉岡秀隆がホームであわや接近遭遇するショットの緊迫感。 囮として潜入した女性が手錠を外して凄腕を披露していくその凛々しい表情など、なかなかの見所である。 それぞれのドラマが絡んでいくうねりは淡白だし、 回想によるもたつき、案の定出てくるラストの種明かし説明などがやはり蛇足なのだが、 ラストの波留の笑顔で帳消しにしても良い。[映画館(邦画)] 5点(2015-11-08 09:15:02)《改行有》

758.  俺物語!! 《ネタバレ》 カメラに正対しての顔芸のアップに頼りすぎ。カメラに向かってヒロイン微笑むの図も映画というよりもテレビコマーシャルのよう。 コミックのキャラクターが映画によって動きを得たというのに、アクションシーンも動感に乏しく硬直気味。 火事の中、棺桶を支えるシーンは状況の提示が絵解きとして不適格。意味を伝えるだけならフィルムコミックで十分である。 特にこの遊園地のシーンは演出全般の粗雑さが目立つ。おそらく原作エピソードの継ぎ接ぎだろうが、キャラの感情の流れが一貫していない。 永野芽郁が懸命に主人公のカッコ良さを訴える場面の人物配置が不適当。鈴木亮平は影となる位置に置くべき。 鈴木が永野にかけてやったブレザーの扱いが雑。汚れたブレザーを何故そのまま返させるのか。何故、それを抱きしめさせないのか。 永野の友人たちが鈴木を見直すのは「惚れそうになった」という科白ではなく、具体的なカットバック等による表情で示すべき。 といった具合である。 メインの恋愛ドラマもまたヒロインの作るスイーツのように大甘だが、ドラマの進行と共に脇役を含めた人物たちに次第に血が通っていくのがいい。 チョイ役であるパン屋、ケーキ店の店主たちがみせる人柄の良さ。彼らの言葉を介して伝わるヒロインの真情。 そんな細部もまたクライマックスを盛り上げる手助けをしている。 クレジットによるとロケ地は杜の都、仙台らしい。鈴木亮平が夕陽を見る高層階のベランダや校舎の屋上や、風が緑を揺らす橋と川の俯瞰ショットなど、 開放的で見晴らしの良い景観がところどころにあり、少女漫画のファンタジーと登場人物たちの清潔感とによく馴染む。 それだけに、ラストの告白シーンの橋は爽やかな快晴で撮って欲しかった。[映画館(邦画)] 5点(2015-11-02 23:17:37)《改行有》

759.  太平洋戦争と姫ゆり部隊 《ネタバレ》 まるでキング・ヴィダ―の『戦争と平和』(1956)に対抗するかのような70mm戦争スペクタクルである。 広大なロケーションとエキストラを駆使してLVTによる米軍上陸、艦砲射撃、嘉数の対戦車戦、52高地戦まで再現している。 1971年の東宝作品『沖縄決戦』と比べても段違いなスケールは、米国同様にテレビとの差別化を模索していた時代をうかがわせる。 内地側、日本軍、沖縄県民、そして岡本版ではほとんど表象されていない米国軍側のドラマまで、盛り込みすぎなくらい盛り込まれ、 各々の劇は都度寸断されて散漫な印象である。 これも叙事詩的リアリズムと呼ぶべきだろう。 戦争スペクタクルの中に肝心なひめゆり部隊のドラマが埋没してしまっている。 内地側の都合によるキャスティングも、内地側の論理に従ったナレーションも、時代を超えることは出来ない。[DVD(邦画)] 5点(2015-10-17 17:06:40)《改行有》

760.  罪の余白 《ネタバレ》 梗概的には心理戦が物足りないとか捻りがないという事になるし、絵面的には表情とダイアログ中心でロケーションや美術の魅力もまるでないという事になる。 無論、捻った展開がないから、表情アップが多いから悪い映画という訳でもない。饒舌すぎる音楽ははっきりと邪魔だが。 取り調べ室のシーンを始め、仮面の表情と素の表情を1ショット内で行き来する吉本実憂。 ラストショットが象徴するように、彼女の「凝視」こそ主題ともいっても良い。 芸能事務所での面接で加藤雅也から質問を受ける吉本実憂のシーンには何やらアドリブ混じりのような緊張感が漲り、 そこには彼女の生々しい「非ドラマ的な顔の露呈」(『アンドレ・バザン』)があって迫真である。 「映像の優位」ではなく「対象の優位」として彼女の表情はそこにある。 吉本と葵わかなが、学校の廊下で触れ合わんばかりの距離で対峙する顔と顔の距離感もいい。 ラスト、共に顔面に瑕を負うことになった内野聖陽と谷村美月の表情が救いとなる。[映画館(邦画)] 5点(2015-10-08 22:48:30)《改行有》

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