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【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
61. リバー・ランズ・スルー・イット 人間の生涯にわたる喜びも悲しみも愛憎も、悠久の大河に比べれば「夢幻の如くなり」といったところでしょうか。その境地に達するまで、少なくとも私はまだまだ時間がかかりそうです。美しい景観を主役に据えるのもいいですが、もっと人間のドラマを丁寧に描いてくれよと。[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-08-04 19:53:32) 62. 日の名残り 予備知識ゼロで、ほとんど期待することなく見たのですが、これは傑作。第二次大戦直前というややこしい時代背景と、主人公の心の葛藤の絡み具合が見事です。「執事」という、少なくとも自分の人生においてまったく接点のない職業でありながら、その言動や表情にはひたすら共感するばかり。誰でも社会的な立場というものがあり、それゆえに忠誠を尽くしたり、屈辱を味わったり、言いたいことをグッと堪えたりするわけで。それによって何か報われるかといえば、けっしてそうではなく、ままならない思いを抱えたまま人生を終えていくのでしょう。 「老いらくの恋」ですらないささやかな再会が「1日のうちでもっとも美しい夕暮れ時」であり、しかもその後でどしゃ降りの雨に見舞われるという皮肉も滲みます。寅さんよりも健さんよりも「男はつらいよ」でした。しかし全体として暗くならないのは、ときどき繰り出されるユーモアのせいでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-07-28 10:11:13)《改行有》 63. ジャンヌ・ダルク(1999) 《ネタバレ》 知ってるようで知らなかったジャンヌ・ダルクについて、少しだけわかったような気になれたことが収穫。 しかも、かならずしも神がかり的な存在としてではなく、「見たいものを見ているだけの少女」だったのかもしれないという冷静なツッコミもあって、およそ宗教とは無縁な私でも共感できました。 しかしその分、ストーリーとしてはやや一本調子でしたが。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-27 22:48:35)《改行有》 64. ボルケーノ 大都市の地下で火山爆発という発想が面白い。そうかこうなるのかと、実際にあり得るのかどうか知りませんが、妙に感心しました。 あとはパニック映画の定番ネタのてんこ盛り。無名の人々による献身的な活躍ぶりもいいですが、興味深いのはテレビのレポーターの面々。状況の語り部として必要だけどかなりウザいという設定だったように思います。やはり定番キャラですが、こういう感覚は洋の東西を問わず、またフィクションでも現実でも共通するんだなと、これも妙に感心しました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-19 01:32:53)《改行有》 65. さらば、わが愛/覇王別姫 《ネタバレ》 今さらながら初見。しかし最終盤の展開に驚きました。そりゃないだろうと。 前半の児童虐待編はともかく、中盤の成人編からはストーリーもキャラクターもずいぶん極端に振れる作品だなあと思っていました。絢爛豪華な舞台の後に、うらびれた格好でスイカを売っていたり、髪を振り乱してアヘン中毒になっていたり。急に怒り出したり、優しくなったり、情けなくなったり。「激動の時代」に翻弄された人生を表現するため、それなりに仕方がないのかなという気もします。 ところが最終盤、文化大革命で自己批判させられるシーンはひどい。主人公3人がなぜか急にお互いを批判しはじめて、関係をあっさり崩壊させてしまいます。巧妙な言い訳でお互いを庇おうとしていると思いたかったのですが、どうやらそうではないようです。あるいは伝統芸能としての京劇を守ろうとしたという感じでもない。嫉妬や愛憎を越えて、単に保身に走っているように見えました。ならば最初から、そういう人物として描いていればいいのに、そうではないからものすごく違和感があります。 このシーンのおかげで、人間関係やキャラクターだけではなく、ドラマとしても崩壊したような気がします。俗に「ちゃぶ台返し」という言葉がありますが、この作品は「ちゃぶ台壊し」という感じです。[CS・衛星(字幕)] 3点(2019-06-07 23:39:33)《改行有》 66. ギルバート・グレイプ ミスチルが録画したのはこの作品ですね。大昔に見た「大草原の小さな家」のような、健気に生きる家族にトラブル続出みたいな話ならイヤだなと思って避けていたのですが、案外ほのぼの系でした。どちらかといえば、やはり大昔に見た日本のATG映画から熱気と湿気とエロを削ぎ落とした感じ。世間的には誰も関心を払わないが、本人たちにとっては一大事という私小説的な悲喜劇でした。劇的に何かが変わるわけではなく、どこまでもナイーブなところがいい。 例えばジョニー・デップが父親について話し、ジュリエット・ルイスが「似た人を私は知っている」と答えるシーンなんて、何気ない会話のようですがけっこうグッと来ます。そこまで2人の距離が近づいたというか、慈愛に満ちているというか。 邪道ながら、ジョニー・デップの「シザーハンズ」は3年前の作品、ジュリエット・ルイスの「ナチュラル・ボーン・キラーズ」は翌年の作品。カルトな作品に挟まれて奇跡的に交錯したのかと勝手に想像すると、また感慨深いものがあります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-05-09 02:39:35)(良:1票) 《改行有》 67. パッチ・アダムス 《ネタバレ》 大学医学部の「道徳」の時間(なんてものがあるかどうかは知りませんが)に教材として見せられそうな作品。たしかに主人公は偉いと思いますが、とにかく「感動させよう」「泣かせよう」という演出が鼻につきます。それに、最終的にだた1人の悪玉となった学部長が気の毒で気の毒で。〝ヒューマン攻め〟はタチが悪いです。 無償の病院を設立したとのことですが、そこにはきれいごとでは済まされないしがらみや問題が多々あったはず。大学卒業後、その中で悪戦苦闘する姿をもっと見たかったかなと。[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-03-26 01:38:12)《改行有》 68. ファイト・クラブ 《ネタバレ》 できることなら、1日の3分の1くらい、ブラッド・ピットになってみたいものです。[インターネット(字幕)] 7点(2019-02-17 01:06:59) 69. 永遠に美しく・・・ ある意味で〝ダイ・ハード〟な作品ですが、かの作品よりずっと情けなくて頼りないブルース・ウィリスがいい感じ。ナンセンスなグロでも、名優たちが演じると気品が出るから不思議です。しかし若いメリル・ストリープを久しぶりに見ましたが、この人は男顔ですね。どんなにセクシーな衣装を着ても、あまり似合わない気が。まあとにかく楽しめるのでok。[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-02-09 03:01:51) 70. 張り込みプラス 一緒に張り込む女性検事が、観る者に現実を思い知らせます。そう、仕事で組む女性というのは、だいたいこういうレベルなんです。われわれの住む世界にはアン・ハサウェイもスカーレット・ヨハンソンもいません。しかしそんなことを再確認するために、わざわざ映画を観る必要もないわけで。[CS・衛星(字幕)] 3点(2019-01-24 00:51:07) 71. ハード・ウェイ(1991) オープニングのクレジットでクリスティーナ・リッチの名を発見し、登場を楽しみに待っていたのですが、まさか子役とは…。たしかに約30年も前の作品だから仕方ないが、私の下心は急速に萎みました。マイケル・Jは相変わらずの巻き込まれ型キャラで、良かれ悪しかれ安心して見ていられます。ジェームズ・ウッズがこんなコメディもやるというのが、ちょっと驚き。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-23 01:02:34) 72. ギャラクシー・クエスト 設定だけでワクワクさせてくれますが、中身もそれを裏切りません。役者とは何か、芝居と嘘はどう違うのかといった深遠なテーマにまで迫っていた気がします。一見するといかにも荒唐無稽なB級作品でありながら、アラン・リックマンとシガニー・ウィーバーがA級な気品を漂わせています。カブリモノと胸元がだんだんボロボロになっていくあたり、演技から本気になっていく様子を演出しているわけで、バカバカしいけれどよく練られているなぁという感じです。なお、シガニー・ウィーバーがこんなに美人だったとは、この作品で初めて認識しました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2018-11-28 03:33:56)(良:1票) 73. エンド・オブ・デイズ 怖がらせよう、驚かせようという意図は伝わってきます。爆発・炎上もやたら派手。しかし、この手の作品は星の数ほどあるわけで、そこから一歩も出ていません。もう何が起きても「またか」という感じ。人間の慣れの感覚とは恐ろしいものです。というわけで、万人納得の低評価作品。ガブリエル・バーンの悪魔役はピッタリな感じでしたが。[CS・衛星(吹替)] 4点(2018-11-18 01:45:43) 74. アンカーウーマン ニュースキャスターというのは、別に教養や経験や訓練がゼロでも、それなりに力のある男に見初められれば就ける職業らしい。そんなアホなと思う反面、案外そんな実例も散見されるようで…。だから「ゴミ」とバカにされるんだよと、妙に納得しました。 だいたい人が亡くなっている現場に駆けつけて、いいコメントができたという理由で笑顔になってしまう主人公2人の感性が、もう常軌を逸しています。偏見を持っているわけではありませんが、どうにも胡散臭い世界のお話でした。[CS・衛星(字幕)] 3点(2018-11-14 02:13:46)《改行有》 75. 追跡者(1998) 《ネタバレ》 可もなく不可もなく定番のサスペンスものという感じ。なんだかんだで内輪の話に帰結するのも、よくあるパターンです。 ただしちょっと違うのは、追いかける側のヒーローが1人ではなく、コンビでもなく、複数のチームだったこと。なんとなく日本の「七曲署」や「西部警察」を見ている気分になりました。もちろんトミー・リー・ジョーンズだけ突出した存在であることは間違いないのですが、それは石原裕次郎的または渡哲也的または古くは丹波哲郎的ポジションで、見せ場を部下に適度に分配していたように思います。アメリカの事件ものとしては、案外珍しいんじゃないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-11-08 01:52:52)《改行有》 76. 木と市長と文化会館/または七つの偶然 ドキュメンタリーかと思うほど、自然で饒舌な会話の繰り返し。7つの「章タイトル」も、長文で格調高い(妙な)仮定形で、意味がわかるようなわからないような…。こういうのを「芸術映画」と呼ぶのかなぁと思いつつ、後学のためにガマンして最後まで見続けました。まあ丸く収まったようで、よろしかったんじゃないでしょうか。 この手の話なら、個人的には汚職と利権と色と裏切りと憎悪にまみれたドロドロ設定のほうが好物です。[CS・衛星(字幕)] 4点(2018-11-03 01:24:03)《改行有》 77. シックス・センス 《ネタバレ》 今さならながら初見。「感動の怪談」といったところでしょうか。見たくもないものが見えてしまうというのは、特殊能力とはいえ日々ストレスだろうなという気がします。なーんにも見えない・感じない自分にあらためて感謝。 しかし幽霊にもそれぞれ言い分があるはずで、言い残したこと、やり残したことがあれば死んでも死にきれないしょう。日本にも「成仏」という言葉がありますが、このあたりの感覚は宗教も人種も文化も関係なく共通するのかなと。人類は皆兄弟ということか、あるいは洋の東西を問わず、案外現実に起きていることなのかもしれません。とはいえ単なるファンタジーにはせず、しっかりホラーしているところも好感が持てます。 そして何より、このレビューの極端な多さがホラーです。死にきれない人も加わっているんじゃないかと。[インターネット(字幕)] 8点(2018-09-22 09:56:03)《改行有》 78. デビル(1997) 冒頭のドンパチはその後の展開にけっこう期待を持たせてくれたのですが、渡米後は期待はずれ。B級映画としてはそこそこ面白かったと思いますが、なまじA級役者が2人も出てしまったために、期待値が余計に上がってしまった感があります。得体の知れないB級役者が演じていたら、もっと評価は高かったかもしれません。しかしそれでは客を呼べないし、そもそも企画が通らないか。ショービジネスは難しいですね。[CS・衛星(吹替)] 4点(2018-09-15 01:57:53) 79. リーサル・ウェポン4 回を追うごとにアクションシーンはいよいよエグくなり、命がいくつあっても足りないような状況の連続。また回を追うごとに友情シーンはいよいよベタベタになり、甘ったるくて見ちゃおれんという感じ。要するに「もっと、もっと」を追求しているうちに、限界まで来てしまったということでしょう。その意味では、まさに欲望の資本主義を体現したような作品です。それで結局、「リーサル・ウェポン」の意味は最後までわからないままでした。もしかしたらジェット・リーのことたったのか?[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-08-22 01:08:12) 80. リーサル・ウェポン3 結局、最初と最後のビル爆破シーンが最大のハイライトかなと。特撮ではなさそうに見えたのですが、だとすればすごいです。 肝心の中身は可もなく不可もなく。ご苦労さんという感じ。だいたいコンビものの宿命ですが、本作は特に、2人の友情物語が鼻につきます。それと、警察署内におけるフレンドリーな職場環境も嘘くさい。「ボウリング・アローン」なアメリカ人の願望が反映されているのかもしれません。 で、やっぱり前2作と同様の疑問が残ります。「リーサル・ウェポン」とは何を意味するのでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 5点(2018-08-01 03:52:19)《改行有》
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