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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 213
性別 女性
ホームページ http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/
自己紹介 正直、生まれは平成じゃないです。かなり、昭和なムード。昔みた映画を思い出しながらレビューしますので、記憶がずいぶんあやふやかも。なにか変なところがあったら、http://plaza.rakuten.co.jp/maika888/のほうにツッコんでおいてください。

好きな女優
 「或る夜の殿様」の山田五十鈴、「近松物語」の香川京子
好きな男優
 「お茶漬けの味」の佐分利信
好きなキャラクター
 グレムリンちゃんとマシュマロマン

☆評価基準
10点:超絶。ほとんど奇跡。
9点:傑作。かつ大好きなんだもーんッ!
8点:傑作だし、好きデス。
7点:素晴らしいです。好みの映画です。
6点:まあ、悪くないと思います。
5点:なにか気になるものはあります(~~;

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61.  黒いオルフェ 《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。 原作は、ギリシャ神話の設定をブラジルに置き代えたヴィニシウス・ヂ・モライスの戯曲。「平地に富裕層が暮らし、高地に貧民層が暮らす」というリオデジャネイロの都市構造や、その両層が入り乱れるサンバカーニバルの文化を世界に知らしめただけでなく、新しい「ボサノバ」という音楽の誕生も予告した映画。そして、国際的に評価された初の黒人映画なのかもしれません。 仏カンヌと米アカデミーをW受賞していて、(大傑作とは思わないけど)文化史的にはかなり重要な作品だと思います。60年代以降のブラジル文化の国際的なイメージは、よくもわるくもこの映画に縛られたはずです。また、ギリシャ神話を黒人の物語に変換するという発想は、ヴィニシウスのたんなる思つきかもしれませんが、これはマーティン・バナールの 『黒いアテナ』によって学説にまで発展したともいえる(古代ギリシャ人は肌の色が黒かったということ)。 映画の物語は、べつにギリシャ神話をなぞっているわけでもないけど、あきらかに生命賛歌の神話的な雰囲気をまとっていて、その神秘性が最大の魅力になっています。アントニオ・カルロス・ジョビンの音楽は、いわゆる劇伴ではなく、劇中世界の実音として演奏されており、そのことが神話のリアリズムを強めている。フランス産のブラジル映画でありながら、どことなくイタリアのネオリアリズモを思わせるところもある。 ただ、原作者のヴィニシウスも、99年のリメイク作品に関わったカルロス・ヂエギスやカエターノ・ヴェローゾも、本作のことを「元の戯曲とは別物」「ファヴェーラ(貧民街)の実態を描いてない」などと批判していました。つまり、それは「ヨーロッパ側から見たエキゾチックな黒人幻想でしかない」「黒人を社会的な主体としてでなく美的な対象にしているだけ」というポスコロ的な批判なのでしょう。逆にいえば、もともとのヴィニシウスの戯曲は、一種のプロレタリア芸術だったのかもしれません。 わたしは、この映画にちなんで「イザナギとオルペウス神話と小泉八雲の関係」に興味が湧いたのですが、それについては自分のブログにでも書きます。[インターネット(字幕)] 7点(2022-09-15 12:21:07)《改行有》

62.  花筐/HANAGATAMI 《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。 最晩年にこれだけ瑞々しいアマチュアリズムと実験精神を炸裂させる自由度はなかなかスゴイ。黒澤明のカラー作品のようでもあり、鈴木清順の大正シリーズのようでもあるけれど、書き割りっぽい合成映像を多用した画面やポリフォニックな音響はかなり演劇的であって、むしろ寺山修司の映画を思わせるところがある。 20才の矢作穂香から42才の長塚圭史までを「同年代の若者」とした大胆な試みにも違和感はなく、それぞれのキャラ立ちもしっかりしていて、そこには大林宣彦の俳優起用の巧さをあらためて感じます。音楽の使い方にも彼流の美学が徹底している。 戦争の予感のなかで死んでいく若者たちを描いていますが、反戦色が強いというよりも、むしろ破滅の美学のなかに陶酔しているように見える。そういう傾向も鈴木清順や寺山修司に近似しています。[インターネット(邦画)] 8点(2022-08-29 04:59:21)《改行有》

63.  洲崎パラダイス 赤信号 《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。すばらしい。他には見たことがないような非凡な傑作。 これは「入り口」の物語なのですね。赤線地帯の内側の様子は一コマも出てきません。何もかもが外側のギリギリの地点で繰り広げられる。そのことが、煮え切らない付かず離れずの男女の物語を何ともいえずスリリングにしています。 主人公の二人は突出して魅力的というわけでもないし、物語がそれほど面白いわけでもなく、原作を読んでみようという気にもならないけれど、やはり内と外の境界という絶妙な設定が効いていて、そこを出入りする人々や、その周辺で働く堅気の人々や、土砂を運ぶトラックや、水辺でボート漕ぎに興じる人々や、たわいもなく遊ぶ子供まで、すべてがスリリングに見えてしまって飽きません。 撮影所の技術に裏打ちされているとは思うけれど、まるでヌーベルバーグのようなしなやかさと軽さもあります。川島雄三の技ありの一本。[インターネット(邦画)] 9点(2022-08-25 03:26:14)(良:1票) 《改行有》

64.  蒲田行進曲 《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。面白くないわけではないけど、好きかと言われると好きではない。 兄貴やら親分やらへの忠誠のなかで生きることしかできない芸能ゴロツキの破滅型の人生を、つかこうへいの在日パワーと深作欣二のヤクザパワーを掛け合わせながら、ひたすら力業で押し切ってる感じで、最終的には安っぽいメロドラマの域を出ない。 つかこうへいの戯曲が、当初の予定とはちがって、松竹ではなく東映の話になってしまったらしいのだけど、なぜ『銀ちゃんのこと』というタイトルのまま東映で映画化しなかったのかが理解できない。まあ、そんなタイトルじゃヒットしなかったのかもしれないけれど。 和田誠のデザインしたタイトルをバックに「蒲田行進曲」を歌ってみたものの、実際には松竹蒲田とは何の関係もないし、桑田佳祐のお洒落な歌を挿入してみたものの、実際には湘南とは何の関係もないし、どこまでいっても東映京都の芸能ゴロの話だというところに不可解なモヤモヤが残ってしまう。[インターネット(邦画)] 7点(2022-08-18 21:23:09)《改行有》

65.  大魔神 《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。素晴らしい!美しい傑作。 大映時代劇の様式的なドラマの文体こそが、特撮部分のリアリティを裏支えしています。「ゴジラ」や「ウルトラマン」のようなサイエンスフィクションの場合、特撮のスペクタクル部分に比べて、ドラマ部分が説明的すぎて弱いのが常だし、その結果としてリアリティを損ねがちだけど、そういう意味では本作の神話的なリアリティのほうが優っている。怪物の15尺(4.5メートル)という大きさにも臨場感と緊迫感があり、巨大すぎてかえってドラマ世界から乖離してリアリティを損ねたりはしていない。鉄鎖を用いて怪物の捕縛を仕掛けたり、枯れ木を乗せた荷車を燃やして火攻めにする戦法なども、よく考証されていると思う。 結末はやや呆気なく、欲をいえば城下の平穏な暮らしが再建されるまでを描いてほしかったけれど、84分であっさり語り終える簡潔な筆致こそが叙事詩的なリアリティにふさわしいのかもしれません。市川雷蔵の「眠狂四郎」や勝新太郎の「座頭市」のような時代劇美学と比べられることもあるでしょうが、わたしはむしろ溝口健二の「雨月物語」や「近松物語」に匹敵するような叙事詩的な説得力を感じました。[インターネット(邦画)] 9点(2022-08-12 13:20:19)(良:1票) 《改行有》

66.  パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト 《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。すこぶる痛快で面白かった。ただし、パガニーニの伝記的な半生を知る目的で観ると、ちょっとアテがはずれますが。 これはあくまでイギリス人の監督がロンドンを舞台にして、英国のロックスターに類型的な破滅型の人生を19世紀のイタリアの音楽家に投影してケン・ラッセルに捧げた、きわめて現代的かつ英国的な英語の映画です(製作はドイツで主演もドイツ人だけど)。主人公に群がる女の子たちにもロック全盛時代のグルーピーの姿が投影されていると思う。 たしかに史実からエピソードを引いたところはあるでしょうが、ここに描かれている話はまったくの創作というべきだし、19世紀のイタリアらしい雰囲気はどこにも感じられないし、パガニーニの音楽に特有の異教的な感覚にも乏しい。 とはいえ、敏腕マネージャーが無名の演奏家の才能を引き出しつつ、社会規範を逆撫でするような悪魔的演出と炎上商法によって全欧的スターにまで育てたのだという解釈は、いわゆる「パガニーニ伝説」を理解する上で合点が行くところもあるし、第4コンチェルトの二楽章を扇情的なテーマ曲に仕立てたアイディアもなかなかだと思います。[インターネット(字幕)] 7点(2022-08-04 03:54:25)《改行有》

67.  ルートヴィヒ(1972) 批判的な視点で淡々と史実だけを綴ったジャーナリスティックな伝記映画。けっして美しい映画ではありません。むしろ、美しさからはもっとも遠い世界だと思います。ヴィスコンティ自身は、ワーグナーはおろか、ルートヴィヒのことも、まったく愛していないのでしょう。ひたすら冷たい眼差しで、その哀れで無様で滑稽な人生を描いています。ヘルムート・バーガーもロミー・シュナイダーも美しいとは思えません。むしろ露骨なくらいに醜悪でした。あえてドイツ文化のグロテスクな面をあぶりだしているのでしょうか。個人的には、幻想的な映像美とワーグナーの音楽に耽溺できる内容に期待していましたが、そうした要素は皆無でした。安っぽいだけのデカダンが、悲しく虚しい。 個人的な好みとしては6点ぐらい。伝記映画としてなら7点。[DVD(字幕)] 7点(2022-07-02 18:23:52)《改行有》

68.  ジュラシック・ワールド/炎の王国 《ネタバレ》 このシリーズの作品をまともに見たのははじめてです。 食われそうでギリギリ食われない、というのが定番の「芸」というか「ネタ」なんですね。最初からそれがやりたくて島に行ったとしか思えない。はじめのうちは、延々とそればかりやってるので、いいかげんウンザリしましたが、そのうち「そういう芸風なんだな」と割り切って笑えるようになりました。 一方、この映画には、科学倫理や生命倫理を問うような真面目な側面もある。一般的な問題として、遺伝子技術で復活させた生物は保護されるべきなのか否か。いまや絵空事とはいえない話だし、けっこうシリアスな問題だと思います。でも、「人間と恐竜の平和共存」だとか「恐竜たちの平和な暮らし」だとか言われると、いまいちピンとこない。そもそも恐竜って、たがいに食ったり食われたりしてるような生き物じゃないの? 「恐竜の平和」なんて考えたこともなかったです。そんなものあるかしら? 映画の終盤には、人間と恐竜がたがいに心を通じ合わせる『E.T.』じみた展開になってましたが、もはやファンタジーすぎてついていけません。ほぼ『のび太の恐竜』になってますよね。これこそが元祖スピルバーグの芸風ってことでしょうか。『ジョーズ』と『E.T.』をかけあわせて恐竜映画に仕立てたら、こんなふうになるのかも。[地上波(吹替)] 6点(2022-07-02 18:22:09)《改行有》

69.  今日も嫌がらせ弁当 《ネタバレ》 「親子愛」というよりも「共依存」のように見えた。子供とコミュニケーションが取りたい母親の気持ちも分かるけど、過干渉にさらされる子供が気の毒に思える。母親自身の楽しみとしてお弁当を作るのならいいですが、結局は子供に何らかの期待や依存をしているようにしか見えません。いちばん気の毒なのは、お弁当による嫌がらせではなく、結果的に親の期待を意識させられて子供の人生が委縮していくことです。当事者に罪があるとは思わないけど、映画作品にする場合、これはたんなる「美談」というよりも、むしろ現代にありがちな「症例」として扱うべき題材じゃないでしょうか。一般に、母子関係を安易な美談として描くことには注意を要する時代だと思います。[地上波(邦画)] 5点(2022-07-02 18:21:24)

70.  劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜 《ネタバレ》 前半は楽しめましたが、後半は致命的にダメです。途中から別の映画になったかのような落差。前半は8点でもいいけど、後半は4点以下です。 「おっさんずラブ」というのは、同性愛の物語を通常のラブコメと同様に違和感なく見せることに成功した優秀なコンテンツだし、社会的な貢献度も高かったドラマです。しかも、本来なら、国内市場だけでなく、海外市場にもアピールできる独創性をもっていると思います。「賭ケグルイ」などの場合もそうですが、東宝は、そうした独創的なコンテンツを生かしきれておらず、国際的な市場にもまったくアピールできていません。 この映画を見るかぎり、おそらく企画の段階から国内市場のことしか念頭に置かれていないし、テレビドラマの続編で漁夫の利を得ようという安っぽい意図しか感じられない。テーマ性を掘り下げてもいないし、世界観を深めてもいない。いかにも東宝にありがちな失敗です。 海外ロケや大規模爆破シーンを取り入れて「巨大都市開発」だの「中国マフィア」だのの話に盛れば、とりあえずは劇場的なスケールになるだろうという陳腐な発想が、かえってコンテンツそのものの魅力を殺しています。予算の使い方を間違えている。 韓国の映画や音楽が世界進出しているのを見れば分かるように、もはや「アジア産」であること自体はハンデではありません。とくに近年の日本人の男の子や女の子は、昔とは違って、欧米人と比較しても十分すぎるほどお洒落で可愛いのだし、そのことを考えれば、国際的に通用する日本映画のコンテンツは、べつにアニメとゴジラだけじゃないはずです。東宝は、もっと国際的なマーケティングにも取り組んで、世界市場に版権を売っていくためのコンテンツを開発すべきです。現状では、かえってコンテンツの潜在力を摩耗させてるだけに見える。[地上波(邦画)] 5点(2022-07-02 18:20:54)《改行有》

71.  ボヘミアン・ラプソディ 《ネタバレ》 なんの挫折も苦悩も紆余曲折もなく、映画の冒頭わずか30分でロック界の頂点に駆け上がってしまう展開には驚き呆れました。伝記映画としては何ひとつ面白くないのですね。そして、その後は、ロックスターらしい身勝手な振舞いと裏腹な繊細さによって孤独に陥り、やがて身を持ち崩していくのですが、そこにも、これといって観客を感動させるような要素は見当たりません。たんに出っ歯でゲイのアジア人が、生まれ持った才能を使い果たして、最後はエイズで死んでいく…というだけのクソみたいな人生なのです。 そんなふうに、さほど面白みもないアーティストの伝記物語を、目立った美化も脚色もせずに描いているのですが、しかしながら、そんなクソみたいな人生を歩んだ男が、最後にこぶしを振り上げながら「俺たちが勝者だ!」と歌いあげる姿には、やはり絶対的な"肯定"のメッセージがあり、それゆえにこそ魂を震わせる力があります。 つまり、これは伝記というよりも、その楽曲のメッセージを読み解くための優れた「クイーン論」であり「フレディ・マーキュリー論」なのでしょう。物語としてはつまらないけれど、ひとつの音楽論として評価できる映画だと思いました。[地上波(字幕)] 6点(2022-07-02 18:18:29)《改行有》

72.  サムライ(1967) 《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。 雰囲気はやたらとカッコいいのですが、はたして脚本が緻密といえるのかどうか。Wikipediaに詳しいストーリーが書いてあって、それを読んだら納得できた部分もあるけど、映画を観ただけではそこまで読み切れません。のみならず、たとえば「いくらアリバイが完璧だとしても、あっさり警察に確保されるってどうなの?」「黒人ピアニストの偽証を疑うなら、警察はまず彼女を捜査すべきでは?」「いくら車だけ乗り換えて地下鉄の構内で尾行を巻いても、同じ場所に出入りしてたら意味ないでしょ」「四方八方から銃を撃ったら周囲の客に流れ弾が当たるのでは?」などのツッコミどころは払拭されません。 主人公は、なにやら鳥と心が通じ合ってる設定のようですが、はげしく鳴きながらバタバタしてる鳥を見ても、たんに「カゴから出たがってるのかなあ」と思うだけでした。手乗りインコだったら、もうちょっと説得力があったかも。 新渡戸稲造の本から一部分だけ引用すると、このように「サムライ=寡黙・無頼な生き方・死を潔く受け入れるダンディズム」みたいな解釈になるのでしょうけれど、これは忠義の武士というより時代劇に出てくる浪人や渡世人のイメージに近い。まあ、新渡戸の理念そのものが彼自身の「創作」だろうと思うので、フランス人の解釈を笑ったところで仕方のないことだけど。[インターネット(字幕)] 6点(2022-07-02 18:17:55)《改行有》

73.  殺人遊戯 《ネタバレ》 GYAOの無料動画で視聴。オシャレでユーモアもあって、カッコよくて、安定的に面白い。大野雄二の音楽も相俟って、まるで実写版のルパン三世のようにも見えます。 ただし「蘇える金狼」もそうだったのだけど、なぜ最後に女を殺すんでしょうね。この結末がいただけない。脚本の必然性の有無にかかわらず嫌悪感をもよおします。そのせいで最後のおちゃらけたシーンも後味が悪く見える。村川透×松田優作のコンビによる作品は国際的な評価に値すると思うけれど、こうした「女の扱い」はその足枷になるだろうと推察します。[インターネット(邦画)] 6点(2022-07-02 18:17:03)《改行有》

74.  サウンド・オブ・ミュージック 《ネタバレ》 修道院で手がつけられないほどのお転婆で、なおかつ自然児でもあった主人公が、厳格な父の規律に縛られて生活している子供たちを解放してあげようと奮闘する前半。そして後半では、人間らしい気持ちを取り戻した子供たちの父親が、今度は市民たちを規律で縛ろうとするナチスに抵抗して、祖国オーストリアに培われた自由な文化や誇りを守るために、その支配下から逃れようとする。前半部と後半部の、このテーマ上の有機的なつながりが、あまりに歌や踊りに比重が置かれすぎるためか、やや見えにくくなってしまってる気もする。前半は楽しいのに後半が暗くて重たいだとか、逆に後半は見応えがあるのに前半部が漫画じみているだとか、あるいは、お転婆な設定のわりに主人公はかなり理知的なんじゃないの?とか、そのへんが破綻してるように見えてしまっても仕方ないかも。とはいえ、ミュージカルが苦手な私でもとりあえず楽しむことはできました。なによりトラップ大佐がとても魅力的!実際のオーストリアでは、ナチスの併合に対する抵抗はそれほど強くなかったらしいし、トラップ大佐の人物像がよくもわるくも現実とずいぶん違っているとかいう話もあるらしいけど、かりにそれらがフィクションだとしても、祖国の文化や自由を愛し、芸術的な素養にも富んだ誇り高い男性像はとても素敵で、素直に惹かれました。前妻を失った彼の傷心が、なぜ子供たちを規律で縛ることになってしまったのか、そのあたりの彼の心情を少し垣間見せてほしかった気もしますが・・。大佐を演じたクリストファー・プラマーが当時若干36歳だったというので驚きです。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-02 18:14:31)(良:1票)

75.  スティング 《ネタバレ》 ラグタイムの音楽とともに描かれる、猥雑ながらも洒脱な感じのシカゴの町はとても魅力的だし、演出も見事で、役者の演技も素晴らしい。楽しめる映画ではある。ただ、こういう「技巧的な脚本」をどう評価するかについて、私はちょっと微妙ですね…。カラクリを弄するあまり、人間描写の深みはほとんど感じられないし(たまたま一緒にレンタルしたのが「第三の男」だったので、つい比べてしまったってのもある)、観客に疑問をもたせたまま、最後の最後まで真相を明かさないわけですが、最後になってすべての疑問が晴れるのかというと、けっこう色んなモヤモヤが残ってしまう。見終わった後であれこれと振り返ってしまうぶんだけ、かえって脚本の疑問点が浮かび上がってしまうんですね(脚本の緻密さという点でも、つい「第三の男」と比較してしまいました)。たとえば、サリーノは自室ではフッカーを殺害しなかったわけですが、なぜ白昼堂々、通りの真ん中で、ボディガードにも目撃された状況の中で殺害を試みるのか解せないし、ボディガードの側から見れば、それ以前にも殺し屋を排除しなければならないシチュエーションはあったんじゃないかとも思えてくる。あと、これはよく指摘されることだと思うけど、ロネガンは殺し屋のサリーノを差し向けてまでフッカーの殺害に固執しているのに、目の前にフッカーがいることには最後まで気づかないんですね。フッカー殺害の進展状況については報告が逐一あがってきているはずだし、直近の者もいつも傍にいるんですが、誰も目の前にいるのがフッカーだと気づかないのは、ずっと不自然に感じるわけです。その疑問が最後まで晴れない。むしろ、正体がバレた上で、あらためてフッカーとロネガンが手を組むという展開のほうが納得しやすいんじゃないかと思えます。そのほうが、ラストの「死んだフリ」も効果的に生きる気がするんですね。そうじゃないと、レッドフォード(フッカー)はいつまでたっても殺し屋に追われ続けるんじゃないかしら?と心配になります。[DVD(字幕)] 6点(2022-07-02 18:13:59)(良:1票)

76.  七瀬ふたたび 「出来のいいTVドラマ」と言ったら、あまり褒め言葉とはいえないかもしれないけど、けっこう満足して観ることができました。やたらと描きすぎず、物語の前提部分を思い切ってカットし、回想によって断片的に見せていくという手法の脚本は、シャープな感じで好きです。ただし平泉成の役どころはちょっとあっさり描きすぎかなあ、とは思う。テレパシーを文字イメージで表現したり、パラレルワールドを図解したりする映像については、違和感というほどのものはないけど、テレビっぽいのは否めない。映画的な表現としては、評価しにくい。また、CGの出来不出来とかはそんなに私は気にしませんけど、さすがに空を飛ぶシーンにはちょっと笑ってしまいました。せめて役者さんの表情だけでも、もう少し「飛翔感」が出せてればよかったですね。物語のメッセージを限定しすぎて押し付けずに、多様な読み方ができるように作ってあるのは良かったと思います。[DVD(邦画)] 6点(2022-07-02 18:13:20)

77.  ジャングル・ブック(2016) 《ネタバレ》 『もののけ姫』のディズニー版かと思って見はじめたのですが、内容的はまったく違っていました。わたしは原作のことを知らなかったのですが、なんと19世紀の小説だったのですね。自然保護のような理念がまだ存在しなかった時代の冒険ファンタジーです。どうりで物語の価値観が理解できないはずですよね…。パディントンやキングコングが歌い出したり、絶滅危惧種のトラを焼き殺したりする物語のなかに、現代的なエコロジーの視点は見あたりません。動物たちは「生態系の均衡」を守ろうとするのではなく、むしろ「義理と人情」を守ろうとしているようです(笑)。文明批評の要素も感じられません。 そんな前時代的な空想小説が、何故いまもアニメ化されたり映画化されたりするのか知りませんが、それほど英米では愛されているのかしら?さすがに現代の価値観には通用しない題材じゃないかと思えてなりません。 でも、CGのスペクタクルとしてはかなり楽しめたし、エンターテインメントとしては成立してました。そこを高めに評価して7点にします。日本語の吹き替えは、CGのリアリティを損ねていたので、原語の音声と字幕で鑑賞しました。[地上波(字幕)] 6点(2022-07-02 18:12:17)《改行有》

78.  バック・トゥ・ザ・フューチャー 《ネタバレ》 のび太君がタイムマシンで過去に戻って、ちゃんと自分が生まれてくるようにパパとママをくっつけて、ジャイアンのこともやっつけてくるという物語。現代に帰ってきたら、パパとママはグレードアップしていて、家族はお金持ちになっていて、ジャイアンは家族の手下になっていて、しずかちゃんともよろしく結ばれました!って感じのマンガです。タイムマシンを開発したのは、(アインシュタインという名の犬型ロボットじゃなく)いかれたマッド・サイエンティストだったけど、テリー・ギリアムの描くようなブラックな世界観ではありません。ただ、北アフリカのテロリストからプルトニウムを盗んでくるという設定が、当時の米国人にとってどれほど切迫感があったのかは、ちょっと気になるところです。登場人物たちの服装も、ヒューイ・ルイスの音楽も、ゴチャゴチャした映像のセンスも、いかにも80年代らしい俗っぽさを見せていて、率直にいえばダサいです。チャック・ベリーがロックンロールを生み出した時代から黒人の市長が活躍する時代へ、ロナルド・レーガンが俳優だった時代から大統領になる時代へ、という米国の歴史もいちおうは織り込んでありますが、とりたてて上手いというほどでもありません。この映画をもって歴史的な名作だとは言いがたいけど、まあポップコーンを食べながら家族でバカ笑いできる子供向けのアメリカ映画としてなら、だいぶ出来がいいとは感じます。ここまで底抜けだと、たしかに意味もなく笑えてきますよね。[地上波(字幕)] 6点(2022-07-02 18:11:56)

79.  キングコング: 髑髏島の巨神 《ネタバレ》 前半部分は、70年代のワシントンやサイゴンの雰囲気が良かったし、前作『GODZILLA』との作風の違いも楽しめたし、軍用ヘリが嵐に突入していくあたりのスペクタクルにも迫力がありました。 ただ、相変わらずトルーマンの水爆実験を正当化している前提や、わざわざ白人を正義にして黒人を悪者にしている図式や、自然界を善悪に分離するような設定が出てくると、根本的な違和感を拭えません。そして、やっぱりガッツ石松が登場するやいなや、その表情や動作があまりにも人間的すぎて、リアリティを失ってしまう。島の原住民の描き方も、あまりに紋切り型すぎて安っぽいです。 そもそも、人間が飼い慣らしでもしない限り、自然界の生き物が自主的に人間の味方をするはずがないですよね。むしろ人間の側こそが、生態系とどうやって折り合いをつけるべきかを模索しなきゃならないはず。そのあたりの基本的なコンセプトが本質的に間違っているし、あまりにも漫画じみている。日本の漫画でさえ、これほどバカな認識で自然のことを描いたりはしないと思います。 今後、このシリーズには、ゴジラだけでなく、モスラやキングギドラも出てくるのでしょうか? かなり日本のことを意識していますよね。冒頭にも日本兵が出てきましたが、ちょっとジャパニメーションっぽかった。今のハリウッドは、日本のアニメや映画の雰囲気を醸し出すのがカッコいい、みたいな価値観をもってるのでしょうか。そのくらい日本のアニメや映画は一定の文化的支配力をもってるのかもしれませんが、そこで日本がどんな風に表象されているかについては、注意ぶかく見ていくべきだと思います。 ストーリーは4点ぐらい。スペクタクル要素に加点して6点です。[地上波(字幕)] 6点(2022-07-02 18:11:28)(良:2票) 《改行有》

80.  E.T. 《ネタバレ》 じつに38年ぶりの鑑賞です。これが、ほぼ最初の洋画体験だったし、個人的に特別な映画でもあります。当時は、E.T.のお人形や、ヘンリー・トーマスのポスターを部屋に飾るほど好きになりました。 そんな38年前の自分には申し訳ないのだけれど…、あらためて見直してみたら、E.T.も、ヘンリー・トーマスも、思っていたほどには可愛くないし、むしろドリュー・バリモアのほうが可愛いです。映像的な魅力にも乏しく、総じていえば、ほとんど映画的に誉めるべきところが見当たりませんでした。 …にもかかわらず、この映画のどこかに何ともいえない「名作感」が漂っているのも事実です。わたしが思うに、これはジョン・ウィリアムズの音楽の力技なのだと思います。とにかく最初から最後まで、ひたすら音楽が鳴り続けています。場面によってはウルサイくらいです。映像に音楽を付けたというより、まるで音楽に映像を付けたような感じ。つまるところ、これは「スピルバーグの映画」じゃなくて「ウィリアムズのオペラ」なんじゃないかしら? もし、これがオペラだとすれば、もはや理屈も設定も、辻褄もリアリティもなく、ひたすら音楽に合わせて大味な物語が展開すればいいのですよね。実際のところ、E.T.は何だか知らないけど生き返ってしまうし、お別れの場面では、何だか知らないけど家族と友人だけが顔をそろえている。何だか知らないけど、NASAの科学者たちはご都合主義的に退場している。 いちいち細かいことにこだわらず、とにかく音楽に合わせてE.T.が生き返り、音楽に合わせて空を飛び、音楽に合わせて最後のお別れをして、そして宇宙船が夜空に消えるところで音楽が終わる。そういう問答無用の力技で成り立っている作品だと思います。それが名作たらしめる理由かもしれません。 当時は、皺くちゃの爬虫類のようなE.T.の造形が、異様なリアリティを感じさせていましたが、逆にそれがなければ、ほとんど「ドラえもん」のような話です。いじめられっ子の主人公の家に、超能力を用いる知的な存在が入り込んで、純粋無垢な子供たちと交流する物語なのです。『バックトゥザフューチャー』もそうでしたが、スピルバーグのSFファンタジーは、ほとんど藤子不二雄です。 82年の米アカデミー賞では、ジョン・ウィリアムズの音楽と、カルロ・ランバルディの造形などが評価されただけで、作品賞や監督賞は与えられなかったのですが、きわめて真っ当な判断だったと思います。[地上波(吹替)] 6点(2022-07-02 18:09:54)(良:1票) 《改行有》

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