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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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61.  ヴィレッジ(2023) 《ネタバレ》 しんどい。兎に角しんどいです。オチも物語の構成的には綺麗ですが、偏見や差別を助長しかねない結末なので滅入ります。本作では袋小路・視野狭窄の象徴として「村」が選ばれていました。しかし、田舎が悪い訳でも、廃棄物処理施設が悪い訳でもありません。問題は器ではなく中身の方。お間違いなきようお願いします。 主人公は能面を付けて心を落ち着けました。彼女の魔法の言葉付きですから効果もてきめん。応急措置的に有効だと思いますが、外界から遮断され内に籠もる副作用もありそうなので注意が必要です。個人的には空を見上げるのがオススメ。飛行機から地上を眺めるのもいいでしょう。自分の悩みがちっぽけだと錯覚させられればしめたもの。解決策が見つからなければ、一番後悔しなさそうな手を打って後は運任せです。もっともそれが出来たら苦労はないんですけど。 それにしても何でもっと深く掘らなかったのでしょうか。あるいは燃やすとか。本当は見つけて欲しかった?でもそれなら発覚後は潔いはずです。隠蔽に慣れ過ぎたのか、あるいはゴミは埋めるのが常識だからでしょうか。いずれにしても不条理も慣れれば条理に変わるということ。理不尽に囲まれながら正気を保つのは困難を極めます。簡単に腐る。だから環境って大事。本当に大事です。変えられぬのならば、逃げるより他ありません。それがエンドクレジット後に示された「解決策」であり「希望」です。遣りきれませんが。[映画館(邦画)] 7点(2023-05-07 08:41:44)(良:1票) 《改行有》

62.  プリデスティネーション 《ネタバレ》 もし本作が『フォレスト・ガンプ/一期一会』と同じ日本の配給会社だったら『プリディスティネーション/一人相撲』だったに違いない。[インターネット(字幕)] 8点(2023-05-05 11:18:43)(笑:2票) (良:2票)

63.  “それ”がいる森 《ネタバレ》 ジャンル的にはホラーだそうですが、コメディと捉えて問題ありません。殺害者数ランキングがあれば歴代邦画史上トップテン入りしても可笑しくないくらい沢山の人が殺されますが、何故か悲壮感はありません。そこそこ上手いはずの役者さんも含め全員が棒演技に見える謎の現象もあります。要するに"あれ"な映画ってことです。[DVD(邦画)] 2点(2023-04-30 06:59:52)(良:1票)

64.  パーム・スプリングス 《ネタバレ》 SFギミックは元ネタありきなので評点に加えませんが、それを差し引いてもやっぱり面白いと思いました。テーマ、メッセージ性は素晴しく胸を打ちます。基本的に人生賛歌なんですよね。コメディとしても悪くありません。ただ、個人的な好みを言えばもう少しエッジを効かせても良かった気がします。エロでもグロでもナンセンスでも。この設定なら何でもありですから。エンドクレジット途中で供されるエピローグは大変気が利いていて心スッキリでした。ただし時の牢獄から出たあと、普通の生活に戻れるかは疑問。うっかり死んでしまいそう。慣れというのは恐ろしいものです。[インターネット(吹替)] 7点(2023-04-30 06:28:10)

65.  ベイビーわるきゅーれ 《ネタバレ》 気分次第で10点もあり得たくらい個人的にドストライクな映画でした。何と言ってもアクションがずば抜けて素晴しい。喩えるなら、ジャッキーチェンのカンフーにUWF系のグラウンドの攻防(俗にいうUの回転体)を融合させたような格闘ムーブに見惚れました。主要キャストでも躊躇なく唐突に殺されるお約束無視な脚本も素敵。主役2人のナチュラル過ぎる演技は賛否が分かれそうですが、キャラに合っているのでこれも味のうちでしょう。本当に痺れました。大好きです。しかし皆さんにオススメしたい傑作かというと些か躊躇します。例えばアクション好きな方であっても、好き嫌いが分かれそうというか。その辺りがアクションエンタメとして高い完成度を誇る『キック・アス』や『ファブル』との違いかと。とことんマニアック志向なのです。好きな人にだけ刺さればそれでよいという潔ささえ感じさせます。たとえば主役2人が銃を構えるパッケージデザイン(ポスタービジュアル)。全くぱっとしません。でもスクリーンの中で動く彼女らは凄く魅力的なのです。べつにアクションシーンでなくても。こうなるとプロモーションに問題があるのではと思ってしまいます。あまりに勿体ない話。エンタメは大衆に支持されてこそと思うのです。喩えが合っているかどうかアレですが、まるでAマッソを見ているような。本作が大衆性を身に着けたら鬼に金棒に違いありません。勿論魅力が半減する可能性も否定できませんが。さて続編の出来や如何に。正座してお待ちします。[DVD(邦画)] 8点(2023-04-27 00:47:48)

66.  クローゼット(2020) 《ネタバレ》 『リング』や『呪怨』等ジャパニーズホラーの経験則から「霊は場所に憑くもの」(いわゆる地縛霊)との先入観があったため、てっきり主人公が越してきた家のクローゼットに何か因縁があるものと思っていたら、これが的外れ。基本的には悪霊のターゲット(虐待されている子ども)の波長に合わせて霊界の扉が開く仕組みであり、多分どこの家のクローゼットでも霊界の入口となり得たのでしょう。どこでもドアならぬどこでも霊界クローゼット。斬新な、そして結構恐い設定です。霊媒師は御札や蝋燭、人形といったクラシカルなアイテムに『ゴーストバスターズ』チックな現代科学をミックスさせて悪霊に立ち向かいます。個人的には好きなテイスト。クライマックスは悪霊に連れ去られた我が子の救出劇。父は命を賭して霊界に赴きます。言わずもがなここが最大の見せ場であり、テーマ(親の愛)を掘り下げる格好の舞台であった訳ですが、特段ひねりもなくあっさり処理されました。やや拍子抜け。同じ主題を有する『仄暗い水の底から』と比べると踏み込みが浅く、残念ながら見劣りします。ただ全体的には綺麗に纏まっており観易い映画ではありました。それが必ずしも褒め言葉にはならないのがホラージャンルの面白いところですが。[インターネット(吹替)] 6点(2023-04-27 00:28:46)

67.  BECKY ベッキー 《ネタバレ》 『ホームアローン』か『ダイ・ハード』いや『ランボー』の趣き。ローティーンの少女がたった一人で多数の敵と対峙します。全体構図としては『キック・アス』が一番近いかもしれません。復讐劇でもありますし。ただ徹底したエンタメ志向で馬鹿映画(もちろん褒め言葉)に昇華したキック・アスと比べると、本作は振り切れ方がいまいちです。いっそのこと復讐なんかそっちのけで快楽殺人に目覚めた『サイコキラー』を描いてくれた方が割り切って楽しめた気がします(後日談となる事情聴取からはその片鱗が伺えます)。コンプライアンス的にNGですか?善人ぶってた大男を有無を言わさずアレしたシーンはスカッとしましたが。 ちなみに戦いで重要なのは兵力より勝機と言ったのは寄生獣のミギー。まさにベッキーちゃんの戦い方がこれに当てはまるものだったと思います。[インターネット(字幕)] 5点(2023-04-27 00:26:23)《改行有》

68.  アオラレ 《ネタバレ》 端的に言うならスピルバーグの『激突』+『スマホを落としただけなのに』なサスペンス。恐いというより胸糞悪くて参りました。 主人公の性格や行動は褒められたものではありませんが、因果応報というにはあまりにも罪と罰の重さが釣り合っていませんでした。犯人を倒せたからハッピーエンドでは決してなく、特大の貧乏くじを引かされたことに変わりはありません。結果的には犯人の思惑通りに一生物の心の傷(後悔と自責の念)を負った訳ですから。これは萎えます。私ならちょっと立ち直れないかも。本当に、真剣に、危機管理は重要だと思い知らされました。『君子危うきに近寄らず』『スマホは命の次に大事。ロックは必須。いつ何時も手放さないこと』この2点は常に目に付くように手の甲にタトゥーすることに決めました(嘘)。[インターネット(吹替)] 6点(2023-04-25 00:16:04)《改行有》

69.  YUMMY ヤミー 《ネタバレ》 コメディ系ゾンビ映画としてすこぶる良い出来だと思いました。設定はよく練られていますし、ゾンビものお約束の展開や演出も芸が細かく気が利いています。スプラッターやゴア描写も容赦なく、キャラクター造形もいい感じ。ゾンビパロディの最高峰『ショーン・オブ・ザ・デッド』とはまた違うアプローチで大変満足しました。ただ、最後だけが戴けません。ホラーですからバッドエンド上等ですが、納得感が欲しいところ。それまでの脚本が丁寧だっただけに雑な印象を受けました。コメディならば奇をてらわず後味良く終っても良いのでは。やはりハッピーエンドは正義だと思います。そういう意味で前述した『ショーン〜』のオチはひねりのあるハッピーエンドで、絶妙でした。「終わり良ければ全て良し」とはよく言ったものです。[インターネット(吹替)] 7点(2023-04-23 22:28:39)

70.  レリック -遺物- 《ネタバレ》 観終えて暫し「なんじゃこりゃ」。まるで意味不明でしたが、侵食をイメージさせる意味深なエンドクレジットを眺めながら推理(というより妄想)したことを書き留めます。参考程度にお読み頂ければ幸いです。 まず間違いなく最大のヒントはタイトル。レリック=遺物って何?って話ですが、人工遺物や自然遺物など、数ある使い方のうち『残存生物』が一番しっくりきました。いわゆる『生きている化石』シーラカンスなども遺物のうちだそうで。婆さんの黒い中身はそういう類のモノかと。今は絶滅した古代の生物。さて、彼らは何処から来たのでしょうか。あるいは生まれた時からずっと身体の中で眠っていたのかも。前者だとすれば、ウイルス又は寄生虫が疑われます。後者であれば、婆さんは見た目は人であっても人でない別の生き物ということになります。加齢と供に発現、いや変態するのかもしれません。芋虫が蛹に、そして蝶になるように。いずれにしても、発症と同時に認知機能に異常がでるようです。空間が歪み、まるで迷路に迷い込んだ状態になった孫や黒い痣が出来た娘も、いずれ婆さんと同じ道を辿ると思われます。死んだ爺さんもそうでした。この一族はいずれ別にの生き物に変わる運命にあるのでしょう。恐ろしい話。何が恐ろしいって自分が自分でなくなること。でも考えてみたら認知症で自我を喪失するのと何ら変わらないという気もしますが。 本作はオカルトやホラーではなく寓話と捉えるのが適切と考えます。[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-17 23:27:50)《改行有》

71.  サマーフィルムにのって 《ネタバレ》 どこから見ても『時をかける少女』+『映像研には手を出すな』です。かの作品に対するオマージュを隠す気も無さそうです。また、映像研が商業アニメ製作のリアルを体現したシリアスな格闘技だとすれば、本作は真っ当な高校部活動の範疇であり「ものづくり」に対するガチさを物差しとするなら、さしずめ学生プロレスと言ったところでしょうか。だいぶヌルい。しかしプロレスにはプロレスの良さがあります。いいトコ取り、何でもあり。時かけの切なさ、映像研の産みの苦しみをブレンドした物語は注文どおりの面白さでしたし、クライマックスの破天荒ぶりには度肝を抜かれました。映像研の浅草氏なら(プロの映画監督なら)絶対にあんな展開は選びません。「ものづくり」のルールに反するから。しかしプロレスなら出来るのです。「何時だってやり直せる」が綺麗事ではなく現実に起きる奇跡を目の当たりにして涙が溢れました。未来人がタイムマシンでやってくるなら、ホウキくらい日本刀に変わるでしょう。どさくさに紛れて散々ディスってきたラブコメまで肯定してしまう力技もまさにプロレス的であります。消えて無くなるものに全力を尽くし、思いを繋げることで夢を託す。私たちが生きる意味は青春の中に詰まっています。 主演のハダシこと伊藤万理華さんが実に魅力的でした。少年っぽいというか、無垢なラランドサーヤというか、バカリズム的というか。まあめんこいこと。オタク魂が宿った一挙手一投足に釘付けで、ずっとニヤニヤしながら眺めてしまいました(特に曲がった口元がチャーミングで『キック・アス』のヒットガールや『女子―ズ』の桐谷さんのように美人が口を歪める様に個人的に弱いみたいです)。実写の浅草氏も彼女が適任なんじゃないかと。2代目水川あさみ?こと祷キララさんも『ファンファーレが鳴り響く』から更生したようで何より。もう一人の女監督(花鈴さん)も可愛かったなあ。そして忘れてならないのは影の主役・ダディボーイ役の板橋駿谷氏。熱演でした。実年齢30代半ばの老け顔高校生お見事でした。それにしてもブルーハワイとかビート板とか、ニックネームがもはやスパイ映画のコードネームのようです。[DVD(邦画)] 10点(2023-04-11 23:20:03)(良:1票) 《改行有》

72.  ポゼッサー 《ネタバレ》 雰囲気は80年代のSFサスペンス。レトロ感さえ漂うアナログチックな設定と映像表現に容赦ないグロテスクな殺傷シーンの相性は抜群で、個人的に大好物の作風でした。ハイセンスな映像美だけでなく物語の方も魅せます。本来主人公は蝶の標本作りにさえ罪悪感を覚えるタイプの女性。それなのに暗殺を生業としていることが悲劇の種になっていました。救いの無い結末ですが因果応報としては極めて正しい。それゆえにやるせないのです。地獄映画で気分が落ちること必然ですが、虚無感を味わう映画があってもいいでしょう。ところでブレインダイブ(?)はWiFiですか。[インターネット(字幕)] 7点(2023-04-11 22:44:35)

73.  ゲーム・オブ・デス(2017) 《ネタバレ》 ※はじめに注意!こちらは2010年制作の同名映画ではありません。スプラッタージュマンジがこちらです。再度ご確認くださいませ。 『N人殺すまで終わりません』な殺人ボードゲーム。代数はたぶんランダムで今回は24でした。つまり24人を殺さない限りプレイヤーは生き残れないルール。無理ゲーかつ糞ゲーここに極まれり。ゲームクリアはほぼ望めません。ゲームバランス(設定)が滅茶苦茶なのです。一番の害悪は時間制限が極めて短いこと。おそらくインターバルは15分から20分程度。もし時間の猶予があれば、血の契約を破棄する方法を探すことも出来ますし、対処療法的に殺す相手を吟味することも可能でしょう。しかしこの短時間ではどうしようもありません。諦めて死ぬか無差別殺人くらいしか選択肢がありません。まあ対策を取られたらゲーム制作者(悪魔又は死神)が困るんでしょうけど。結果、ただ悪趣味なだけのスプラッターが一丁出来上がりと。希望が皆無なので、サバイバルとしてもスペンスとしてもぱっとしません。ただしスプラッター祭りと割り切れば不満はありません。血飛沫は特盛ですが、不思議と汚らしい感じはありませんし(あまりに浮世離れした設定だからかな?)プレイヤー最後の演説は、達観した者の凄みがありました。なお特徴的なテレビゲーム演出は惨殺シーンの省略(制作費削減と刺激低減の両方)の意味合いがあったように感じますが、どうせ馬鹿映画なのですから小細工なしで殺しまくった方が潔くて良かった気がします。[インターネット(字幕)] 6点(2023-04-05 22:18:08)《改行有》

74.  こちらあみ子 《ネタバレ》 『風変わりな女の子・あみ子が純真過ぎる言動で周囲を翻弄してしまう様を優しく見つめた』これは某サブスクのイントロダクション。このスタイルに則すなら『オーメン』は次のように訳せるでしょう。『外交官夫婦は孤児を譲り受け大切に育てる。夫が駐英大使に任命され息子が5才になったころ、その子の廻りで不思議な出来事が起こりはじめる。周囲を巻き込むてんやわんやに皆んな大興奮!さて息子ダミアンに隠された意外な秘密とは?』この説明を鵜呑みにしたら痛い目を見ますよね。本作もまさにそんな感じ。ハートウォーミングなホームドラマを想像していた為、シリアス過ぎる展開に面食らいました。いや、だから駄目って訳ではありません。ただ覚悟なく観始めると大変ですよと。心身共に万全の体制でご覧くださいという意味で警鐘を鳴らしてみました。 (以下ネタバレしています。ご注意ください。) 実はちょっとしたミステリー仕立て。言い回し、仕草や態度にみる親子の些細な距離や違和感は見事な伏線となっており、後半家族の秘密が明かされて膝を打つ仕組み。そして想像以上に状況は深刻であることに気付かされます。「自分の気持ち悪いところをイチから教えて欲しい」と級友に尋ねるあみ子。生気のない少女の顔に胸が潰れます。ネグレクトは大罪に違いありません。しかし両親を責めてもどうにもなりません。壊れた家族の行き着く先はもれなく絶望です。ただ僅かでも希望があるとすれば、あみ子は最後に「だいじょうぶじゃ」と言ったこと。もちろん大丈夫なはずありません。でも諦めなければ道は続きます。そこが諦めてしまった両親と違うところ。応答先のないトランシーバーだとしても、粘り強く語りかければいつか何処かに繋がるかもしれない。 凛々しい眉、大きな鼻。芯の強さを感じさせる瞳。あみ子はまるでライオンのようでした。どうかライオンのように強く生きてください。そしてライオンのように仲間を、家族をつくってください。自分の居場所を確保することは人生をかけて挑む価値がある最重要課題です。[インターネット(邦画)] 7点(2023-04-05 00:56:43)《改行有》

75.  シン・仮面ライダー 《ネタバレ》 庵野監督がイニシャル『シン』で仮面ライダーを創ったら、まあこうなるわなという映画。基本的に納得しかありません。おそらく歴代シンシリーズの中でも圧倒的に間口は狭く肩幅ほど、ハードルは棒高跳びレベルと推測しますが、案外「こんなの楽しめるのは俺だけだろ」な層も相当数いるのでしょう。じゃなきゃこれだけ大掛かりなメディアミックス企画は成立しないですもんね。あるいは多くの大人が「儲かりまっせ」の口車に乗っかたのか。どうなんでしょう。 あれこれ考察を楽しむのが庵野映画の鑑賞流儀かもしれませんが、個人的には「仮面ライダーが死ぬ程カッコよくて」「浜辺美波さんが神がかり的に美しい映画」という理解で十分という気がします。特に浜辺美波さんファンは爆増したに違いありません。『最優秀キャメル革ロングコート女子』と『気絶担がれ女神オブ・ザ・イヤー』の2冠受賞の快挙は史上初なのでは。 (以下余談)ついに買ってしまいました変身ベルト。2号バージョンを。コミュ障で陰キャの本郷猛にはシンパシーを感じますが、惚れるのは一文字隼人の方。陽キャの仮面に隠された孤独や愁いに惹かれるのかなあ。一文字の笑顔はライダーキック以上の破壊力があったようです。[映画館(邦画)] 8点(2023-03-31 00:02:51)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

76.  エスケープ・ルーム2:決勝戦 私はレビュワー登録して以降観た映画全ての感想を本サイトに投稿するようにしていますが、たまに例外もあります。感想を下書きしたが投稿していない場合。あるいは下書きすらしていない場合。前者はそこそこあって、内容が薄かったり、芯を食っていないと感じる場合は投稿保留となっています(かといって投稿した感想は自信満々なのかというと全然そんなことないのですけど。)で、前作について調べたところ後者のパターンでした。鑑賞済みですが下書きなしの未投稿。正確には書きたい感想が無かったことを思い出しました。本作も基本的には同じです。暇つぶしには持って来い。おわり。刺激的な展開の連続で退屈はしないもの、キャラクターと一緒になって心を震わすこともありません。傑作や佳作秀作の類ではなく、テンポが良いだけ。B級映画ともまた違うのです。ファストフードやファストファッションみたいな。そう、これがホントのファスト映画では。間とか余韻とか無縁。観客の心のエネルギーを消費させることもなければ、補充することもない。こういうスタイルのエンタメ映画に需要はあるでしょうし否定する気はありませんが、こんな映画ばかりになっても困るとも思います。ひとつ前に感想を投稿した『弟とアンドロイドと僕』の対極に位置するような映画です。[インターネット(吹替)] 5点(2023-03-29 20:43:57)(良:1票)

77.  弟とアンドロイドと僕 《ネタバレ》 (以下私なりの解釈です。誤読の場合ご容赦ください) 主人公が片足を満足に動かせないのは脳が身体を認知していないからだそう。また彼は自身の姿が鏡に映らないとも言いました。この症状はアイデンティティの喪失を意味すると考えます。母は焼身自殺。その原因をつくった父は自分を捨てた。自我を獲得すべき思春期に親のサポートを受けられなかったことが、主人公のアイデンティティ獲得を阻害したと思われます。 子の成長を見届けることなくこの世を去った母の遺言「もうひとりの自分を見つけなさい」。これが指すのもまさしく「自我の確立」でしょう。この言葉の真意を汲み取ることなく額面通りに受け取った、というよりある種の呪いにかけられた主人公は、自分そっくりのアンドロイドを自作したと推測します。もうひとりの自分=自分型アンドロイドを通じて遅れ馳せながら自我を見つけようとしたのではないかと。そんな矢先に出鼻をくじいたのが弟でした。腹違いの弟。彼もまた遺伝子的には「もうひとりの自分」に違いありません。分身が分身を、自分が分身を殺し合う地獄絵図。でもこれがこの世の理かもと思ったり。いずれにせよ主人公はアイデンティティを獲得することなくこの世を去りました。 「僕(私)はいますか」そう口にしたのは主人公のほかにもう一人居ました。おそらく身重の、アンドロイドと同じ瞳を持つ少女。彼女もまた主人公同様アイデンティティを喪失していたと思われます。そんな彼女を優しく抱きしめる主人公型アンドロイド。自分を自分たらしめる存在は、もうひとりの自分ではなく、むしろ他者なのかもしれません。 多分に哲学的でどこか禅問答のよう。出来ればハッピーエンドが見たかったですが、希望が無いわけでもありません。これもまた一興。止まぬ雨、アンドロイドの謎テクノロジーなど、現代日本に似て非なる世界。別次元と解釈してよい気がしますがどうなんでしょう。こんな面倒くさい映画ばかりは勘弁ですが、たまには小難しいテーマで頭を悩ませるのもいいのでは。[インターネット(邦画)] 7点(2023-03-28 22:36:45)《改行有》

78.  ブラック・フォン 《ネタバレ》 正統派オカルトサスペンスであり、王道のジュブナイル。同類映画は『イット』でしょうか。諸先輩方からアドバイスを貰い試行錯誤しながら困難に立ち向かう主人公。助言が的外れだったり、役に立たなかったり。現実とあまり変わらない気がします。そこがいい。それでも選択しなくてはいけません。成功しようが失敗に終わろうが最後に決断するのは自分自身です。より重要なのは実行力より決断力かもしれません。少年の成長物語として過不足ない内容で満足できました。惜しむらくは乗り越える壁が少々低かったこと。誘拐犯は小物で人間力は大したことありませんでした。だからこそ自らを大きく(恐ろしく)みせるために仮面が必要だったのでしょう。しかし現実の課題だって、不安から勝手に高く見積もっているだけで、案外そうでもなかったりしますものね。恐怖に打ち勝つ勇気が少年を大人にするのだと思います。[インターネット(吹替)] 6点(2023-03-25 00:26:28)

79.  ガンパウダー・ミルクシェイク 《ネタバレ》 極めて個人的な感想ですが、本作は『スカジャン』の映画でした。スカジャン。それはどんな紳士淑女でもヤンキーorチンピラに変身させる魔法のアイテム。ファッションとして着こなせるのは余程の上級者か、浜ちゃん所さんくらいのものです。しかも本作で主人公が着用したのはサテンのオレンジ色で、バックプリントにかわいい虎ちゃんのイラスト入り。完璧な仕様です。劇中で主人公がぼやくように客観的にダサいのは間違いありません。しかるに主人公が着ると化学変化が起きました。好き好んで着ているのではなく「着させられている」という背徳感が謎のエモさを醸し出していたように感じます。考え過ぎですか。そうですか。いずれにしても、バタフライナイフで自身の指を切るか、鉄パイプを振り回すくらいしか能がない(失礼)チンピラが、ハイスパートアクションを披露するのですから、見た目とのギャップに魅了されるのも仕方ない話かと(凄腕の殺し屋だってことを忘れさせる)。子どもドライバーとのコンビカーアクションもお見事で私の趣向にドンピシャとハマりました。図書館司書の皆さんも個性豊かで実にチャーミング。そして格好いい。パッケージに注文をつける要素はありません。ただ難点があるとすれば後半メインとなった格闘戦に必然性が感じられなかったこと。閉鎖空間では銃に圧倒的なアドバンテージが無いのかもしれませんが、銃器所持の敵に対して同じく銃器で対抗しない方針に首を傾げました。実際は銃撃戦に終始するより肉弾戦の方が見栄えがするのでエンタメ的にはオーライですが「必然性」を担保して欲しかったと思います。それこそスカジャン着用にはきちんと必然性がありましたし。『キック・アス』とか『キングスマン』が好きな人なら基本的に好きなタイプの映画だとは思います。[インターネット(吹替)] 7点(2023-03-19 08:24:46)

80.  エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス 《ネタバレ》 松本人志に『新春かくし芸大会』用に長編コントを一本お願いしたらこんなん出来ましたみたいな作品(※あくまで表面的には。また映画監督としてお仕事をお願いしたら絶対こうはならないはずです。ここ重要!)何と言いますか、要するにやりたい放題でした。最初は眼の前で繰り広げられる『狂気の祭り』をどう受け止めたらよいのか戸惑ってしまいましたが、途中から馬鹿負 けした気がします。“小指の力こぶ”で私の中の常識や羞恥心のタガが外れました。こうなれば締めたもの。あるがままにわがままに我が身と心を狂気に委ねることができました。たぶん百回観ても理屈を理解できる気はしませんが、大した問題ではないでしょう。自分の人生を愛おしく思え、パートナーにキスしたくなったなら、この映画のメッセージをきちんと受け取れていると思います。最近私が観た映画の中だと『映画大好きポンポさん』と基本的に言ってる事は同じですかね。大好きな映画には違いありませんが、とても他人に勧められる作品でないのが辛いところ。それでもアカデミー賞受賞とか関係なく満点を差し上げたい気分ですが、社会風潮に配慮し過ぎなところやマグナム○ィルドを振り回したハイセンスを装った悪ふざけの分、点数を差し引いておきます。[映画館(字幕)] 9点(2023-03-19 06:46:00)(良:1票)

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