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プロフィール
コメント数 1884
性別 男性
年齢 48歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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【製作年 : 2000年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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61.  白いリボン 《ネタバレ》 第一次大戦前夜、ドイツ郊外にある平凡な田舎町。地主である横柄で嫌味たらしい男爵のもと、村人たちは日夜野良仕事に従事していた。ある日、そんな彼らの一見平凡に見える日常を不穏な出来事が襲い始める。木の幹に巡らせた針金によって村唯一の医者が馬から滑落し、小作農の妻が事故死し、復讐心から彼女の息子がキャベツ畑を無茶苦茶にする。そして、とうとう男爵の幼い息子が暴行されて磔の状態で発見されるという大事件まで発生してしまうのだった。激怒する男爵やおののく村人たちの間に次第に相互不信や悪意が侵食しはじめ、やがて更なる悲劇が村を襲う――。誰もが目を背けたくなるような、人間の悪意や理不尽な現実を圧倒的な負のエネルギーで映像化してきたミヒャエル・ハネケ監督らしい、そんな村人たちの隠された悪意や暴力衝動を美しいモノクロ映像で淡々と描き出すカンヌ映画祭グランプリ受賞作。ずっと僕とは感性が合わないと敬遠してきたハネケ監督の代表作で、しかも2時間20分もあるモノクロ作品ということで、あんまり期待せずに観始めたのだけど、予想外に良い映画でしたね、これ。中盤までは、あまりにも淡々と続くストーリー展開と誰が誰だか分かりにくい登場人物が織り成す複雑な人間関係に辟易していたのですが、どんどんと平穏だった村を侵食しはじめるそんな不穏な空気がモノクロ映像とばっちり嵌ってきて、最後は「なんて深く美しい映画なんだろう」と素直に感動です。男爵も医師も村人たちも、そして無垢だと思われていた子供たちも、それぞれに鬱屈した心を抱え込み、そんな誰かの暴力衝動がやがて酷い悲劇に繋がってゆくのに、その真相は誰にも分からない…。そんな第一次大戦前夜のドイツを覆っていたであろう暗い雰囲気を小さな村の中に象徴的に描き出すことに成功しています。第一次大戦敗北→屈辱的な国家賠償→社会の不安定化→ナチズムの台頭→日独伊同盟→第二次大戦勃発→そして、悲劇的なホロコースト…。誰も全体像を把握できないまま、何かとても悲惨な出来事が起こっていることを誰も正面から認識せずにそんなかつてない悲劇へと突き進んでいったドイツの、萌芽と呼ぶべきものがここにはある。正直、もう一度観るにはかなりのエネルギーがいりますが、淫靡で不穏な美しさに満ちたなかなかの良作。[DVD(字幕)] 8点(2014-04-15 19:48:44)

62.  エスター 《ネタバレ》 三度目の妊娠で子供を死産してしまったショックから、アルコール依存症となってしまったケイト。だが、愛する二人の子供たちと夫の支えによりなんとか立ち直れた彼女は、生きて産まれることが出来なかった子供へと罪滅ぼしするかの如く、孤児院からエスターという名の9歳の女の子を引き取ることに。家族も増え、更なる幸せへと向かうかと思われたケイトだったが、徐々にそんなエスターの奇行が目立ち始めるのだった。彼女のことをイジメていた女の子が滑り台から転落し、怪しんでいた孤児院のシスターが謎の死を遂げ、そして耳に障害のあるケイトの娘マックスにまで…。謎の少女エスターに追い詰められ、どんどんと崩壊していくケイトの幸せな生活をねちっこく描いた異色のスリラー作品。いやー、胸糞悪かったっすね~。観ながら、こんな理不尽なことが許されていいのか!と叫びだしそうになっちゃったし。でも、そんな胸糞悪い感じもけっこう嫌いじゃない僕としては、この全編を覆う常に何かいや~なことが起こりそうな雰囲気、なかなか楽しめました。とにかくエスター怖すぎっす!単純なサイコキラーとしてだけじゃなく、ちゃんと女の子らしい心理描写も随所に差し挟んでくるところとかも、いや~な感じをますます増幅させてましたね。それにエスターの描く、蛍光色を多用したグロテスクな絵の描写とかにもけっこうセンスを感じました。うん、なかなか面白かったっす(後味めっちゃ悪いですけどね笑)。あと、自他共に認めるロリコンの僕ですが父親を誘惑しようとするエスターの妖艶なドレス姿には何故か全然グッときませんでした。その後に明かされる、エスターの驚愕の真実を知って、僕のロリコンレーダーはやっぱり間違っていなかったんだと納得(笑)。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-13 00:22:24)(笑:1票)

63.  アフターライフ 《ネタバレ》 長年付き合ってきた彼氏と、現在酷い倦怠期を迎えている女教師アンナ。会えばいつも喧嘩ばかり、セックスだってマンネリ気味。そんなある日、レストランでとうとう彼氏と大喧嘩したアンナはディナーの最中にも関わらず、彼を一人残し車で帰宅の途につくのだった。だが、怒りのあまりつい荒い運転となってしまった彼女は、目の前を走るトラックと衝突事故を起こしてしまう。昏睡状態に陥ったアンナが次に目覚めたとき、何故か幾多の死体が並ぶ葬儀社の作業台の上に寝かされていたのだった。「まだ信じられないだろうけど、残念ながら君はもう死んだんだ。ほら、ここに医者の書いた死亡診断書だってある。それに自分で確認してごらん、脈だってないだろう…」と、冷徹に宣告する目の前の葬儀人。戸惑う彼女を無視して彼は死後硬直を和らげるためだと注射を射ち、ハサミで淡々と服を切り裂いてゆく。果たして、アンナは本当に死後の世界へと迷い込んでしまったのか、それとも…。ぶっちゃけて言うと、そんな生と死をテーマにした深い人間ドラマなのか、怪しげな雰囲気漂うエロティック・ミステリーなのか、身も凍るような殺人鬼を描いたサイコ・スリラーなのか、人智の及ばぬ霊的存在の恐怖を煽るゴシック・ホラーなのか、最後まで軸がぶれぶれでなんとも散漫な映画でありました。何より作品の胆となるであろう、怪しげな葬儀人役にリーアム・ニーソンを起用したのは明らかな失敗。だって、ミステリアスな雰囲気など皆無の普通の頑固親父顔ですもん(笑)。冒頭の淫靡でダークな雰囲気から、もっと異常なネクロフィリアっぽいグロエロティックな世界を期待していたおれとしては完全に肩透かしでした。これだけ煽っておいての最後のかなり強引でグダグダなオチも何だかな~。でもまあ、クリスティーナ・リッチのとってもおれ好みの小振りで可愛いおっぱい&お尻に免じて5点っす![DVD(字幕)] 5点(2014-03-10 00:48:12)

64.  バトル・イン・シアトル 《ネタバレ》 1999年11月29日、アメリカの大都市シアトルではWTO(世界貿易機関)による定期会合の開催を明日に控え緊張していた。弱者を切り捨て利益のみを追求する資本主義社会の暴走を食い止めるため大規模なデモを実行しようと世界中から市民活動家たちが集まっていたからだ。警官隊は混乱を最小限に押さえ込むために綿密な計画を立てて不測の事態に臨んでいた。夜があけ、不穏な空気が徐々に街を支配していくなか、情熱的な活動家のリーダーや職務に忠実な警察官、偶然暴動に巻き込まれた妊娠5ヶ月の彼の妻、中立の立場で事実を伝えようとする女性ジャーナリスト、将来のための実績作りに余念がない市長など、様々な立場からそんな拡大するグローバリゼーションの現実を見つめたアクション色の強い群像劇。冒頭から、あくまで客観的に描かれたそんなシリアスな人間ドラマにけっこう期待して鑑賞していたのだけど、中盤辺りから、やたらと反グロ団体(もはや死語?)の主張へとどんどんと肩入れしていく展開に嫌な予感を募らせていたら、とうとう最後はそんな市民活動家たちの単なるプロパガンダ映画となってしまいました。デモ集団のなかに「絶滅寸前の海亀を守れ!」って主張する団体も居たりなんかして胡散臭さ爆発だし(これが鯨ならもはやシーシェパードだねっ笑)。なのに最後は「そして私たちの弱者を救う戦いはこれから先も続いてゆく…」というヤな感じのメッセージを残して終わっちゃいました。べつにそんなメッセージを主張したい監督の意欲は大いにけっこうなのだけど、あまりにも活動家の人たちを美化しすぎていませんか、これ。妊婦を襲って流産させたのも実は警官でしたって設定もあざと過ぎます。もっと活動家側の闇もきちんと描かなければ、フェアではないと思います。21世紀に入っても、相変わらず繰り返されるサブプライムローンやリーマンショックなどという現実とその度に催される無力なデモ活動のことを思えば、なんとも薄っぺらい作品と言わざるをえません。豪華な俳優陣はなかなか見応えがありましたけどね。[DVD(字幕)] 5点(2014-02-11 08:16:53)

65.  フィービー・イン・ワンダーランド 《ネタバレ》 「不思議の国のアリス」が大好きで夢見がちな少女フィービーは、絶対にやっちゃいけないと教えられたことを必ずやってしまったり、怒ると誰彼構わず唾を吐きつけたり、空想上のお友達とお喋りしたり、さらにはストレスを感じると自傷行為にまで及んでしまう精神的に問題を抱えた9歳の女の子。しかし、自分にしか見えないお友達のアリスに促されるようにして学校の文化祭で行われる舞台「不思議の国のアリス」のオーディションを受けてみると、奇跡的にアリス役へと抜擢されてしまう。戸惑いながらも仲間たちと一緒に練習を始めるフィービー。すると、同時に受けていた精神科医のカウンセリングと投薬治療の成果もあって、彼女の問題行動は徐々に改善されていくのだった。悩んでいた両親も素直に安堵の表情を見せ始めるのだが、しかし重役へのプレッシャーから、フィービーの問題行動はまたもや再発してしまう…。精神的に不安定な女の子フィービーが迷い込む悪夢のような精神世界を描いた子供版「ブラックスワン」といった趣きのとってもシリアスな人間ドラマ。と言うか、この作品のパッケージやタイトルロゴのデザインだけ見ると現実感なんて欠片もないおもいっくそゴリゴリのメルヘンファンタジーっぽく思わせといて、この内容って(分からない人はビデオ屋さんでパッケージを確認することbyルイス・キャロル)、日本の配給会社の方、これはもう詐欺行為に等しいっすよ!胸踊るファンタジーを期待して手に取った多くの子供たちにとっても、子供の心の闇と家族の葛藤を真面目に描いたこの作品にとっても非常に残念な宣伝手法だと思います!!そして肝心の内容のほうですが、周りのみんなにただ認めてもらいたいだけなのになかなかうまくいかない少女の繊細で今にも壊れてしまいそうな心情が、アリスをモチーフとしたシュールな映像を交えて丁寧に描かれていて、素直に良かったと思います。難を言えば、フィービーが入り込む空想世界の描写が圧倒的に少ないことと、その世界観にいまいちセンスを感じなかったところが残念ではありましたけど、家族の絆を描いた人間ドラマとしてなかなか見応えありました。それだけに作品の内容と掛け離れたあのパッケージのせいで間違った評価を下されないか、つくづく心配です。[DVD(字幕)] 6点(2014-02-05 09:34:43)

66.  ホット・ファズ/俺たちスーパーポリスメン! 《ネタバレ》 ニコラス・エンジェル巡査、カンタベリー大学を首席で卒業、次に入った警察訓練学校でも実習で優れた才能を見せ、卒業試験ではトップの成績でバトン賞を受賞、輝かしい経歴を引っ提げてロンドン警察へと赴任すると、献身的に地域社会に奉仕しすぐに人気者になったばかりか、高度な車両運転技術も習得、あらゆるクラブ活動へも積極的に参加し、体力テストで行われた100m走では警察記録を更新、そして満を持してエリート武装班に配属されると、そこでも八面六臂の活躍をみせ勇敢賞(なんやそれ?)を受賞、過去1年で9度の特別表彰を受け、検挙率では断トツの1位、勤務中の名誉の負傷は3度、最近襲われたのは12月、犯人は何故かサンタの格好をした泥棒(知らんがな!)、目にした犯罪はたとえそれが立ち小便であろうと路上で寝てるだけの酔っ払いであろうと決して許さない、そんなあり得ないぐらい優秀でクソ真面目(失礼!)なエリート巡査が当然のように周りの同僚や上司からウザがられ、クソ田舎(失礼!)へと左遷させられたことから巻き起こる騒動を描いたドタバタコメディ。最近観た「ショーンオブザデッド」というゾンビコメディ映画がすこぶる面白かったので、同じ製作陣で作られた今作も期待して鑑賞してみました。うーん、ちょっと期待が高すぎたからかそこまで笑えなかったかなー。僕が、ゾンビ映画にはかなり思い入れがあるものの、警察映画にはそこまでということもあるんだろうけどね。ショーンではどうしようもない駄目男を演じていた主人公が今作では、“超”が幾つも付くくらいのエリート警官って設定も面白いけど、やっぱり彼は“馬鹿”が幾つも付くぐらい駄目男のほうが合ってると思う。それにちょっと時間が長いところも若干気になりました。相変わらずのやり過ぎグログロ描写とかは良かったけどねー。うん、これはもう完全に好みの問題っす。[DVD(字幕)] 5点(2014-01-26 07:59:45)(良:1票)

67.  ショーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 何をやってもうまくいかない冴えない男、ショーン。幼馴染みで同居人のこれまたどうしようもない駄目男エドのことが原因で彼女にフラれてしまった彼は、とことん大酒喰らって憂さ晴らしすることに。しかし、翌朝酷い二日酔いで目覚めてみると、いろいろあって街はゾンビで溢れ返っていた!未練たらたらのショーンは、すぐさま元カノを助けに行き近くに住む母親も救いみんなで行き付けのパブへと逃げ込んで襲いくるゾンビどもを撃退しビール飲みながら誰かが助けに来てくれるの待つという完璧な計画(?)を立てると、一緒に飲んでいたポンコツ人間エドと共に決死の覚悟で家を飛び出すのだった!いやー、良いですね、これ。久々におれの好みと見事に合致した、とことん馬鹿馬鹿しい映画と出合ってしまいました。ゾンビが次第に侵食して街がどんどん危機的状況に追い込まれていくのに、それに全く気付かないショーンの鈍感っぷりと、どこまでもお馬鹿なのだけどなんか憎めないエドとの呑気な遣り取りがめちゃツボでした。全編に散りばめられたくだらない(褒め言葉!)ギャグの数々もいちいち笑えます。大量のゾンビの群れのなかを、ゾンビのふりして遣り過ごしちゃうって、おい!そんな徹底的にコメディかと思いきや、後半、パブに辿り着いた登場人物たち各々に細やかな設定が創り込まれていて人間ドラマとしても意外に見応えありました。結局、パブに行かなければ全員助かってたじゃん!というブラックなオチ(ミストにも通じる?笑)とかもナイス!うん、面白かったっす!もっと早く観れば良かったなー。[DVD(字幕)] 8点(2014-01-21 08:48:46)(良:1票)

68.  クロッシング・デイ 《ネタバレ》 暴力と貧困の連鎖が色濃く残る街サウスボストンで、物心つくまえから犯罪と隣り合わせの生活を送ってきた幼馴染みのブライアンとポーリー。昔からそんな二人の面倒をずっと見てきたチンピラたちの元締めであるパットのもと、彼らのヤバい仕事はどんどんとエスカレートしていく。当然のようにそんなロクでもない生活が長続きするはずもなく、とうとう二人は警察に捕まり刑務所へと服役することに。先の見えない自分の人生に心底嫌気がさした二人は、それまでの仕事から足を洗い、愛する人のために再起を誓うのだったが…。マーク・ラファロとイーサン・ホークが貧困に追い詰められ野獣のような迫力を漂わせる男たちを熱演したクライム・アクション。と、聞けば誰もがアントワン・フークワが数年前に製作した同じくクライム・アクションの佳品「クロッシング」を髣髴とさせるのだけど(え、それっておれだけ?笑)、そんな作品の邦題が「クロッシング・デイ」というたった二文字を付け足しただけって、いくらなんでもこれってどうなんですか?そして肝心の内容のほうもフークワ作品に比べていまいち演出にキレがありません。いまクローズアップするシーンはそこじゃないだろー!てところが多々あり、特に最後のイーサン・ホークがその後どうなったのかというのをただナレーションで説明するというのは完全に肩透かしでしたね。とまあ、いろいろと文句を言いながらも底辺を這いずりまわる男たちを重厚に描き出した犯罪ドラマとして(ベタではありますけど)そこそこ楽しめました。イーサン・ホークの相変わらずギラギラした目付きの危険な男っぷりもナイス!それだけにこの安易な邦題は、やっぱり損をしているなぁとあらためて思います。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-19 21:40:25)

69.  プライドと偏見 《ネタバレ》 19世紀、女性にとって結婚だけが幸せに繋がるという価値観に支配されていたイギリスの華やかな社交界。年頃を迎えた、貧しいながらも仲の良さだけは誰にも負けないベネット家の5人姉妹にとっても、それは何にも増して切実な問題だった。恋に悩み、時に傷付きながらそれぞれに幸せになろうとする姉妹たち。そんななか、どんなときも凛としたプライドだけは決して失わない次女のエリザベスは、無愛想な貴族ダーシーと出会う。「あんな感じ悪い人のことなんか絶対に好きになるわけないわ」と心に誓うエリザベス。だが、プライドと偏見ばかりが幅をきかす窮屈な社交界において、ダーシーの隠されていた優しさに気付いたエリザベスは次第に彼に心惹かれてゆくのだったが…。最近、同じ監督&主演女優で製作された「アンナ・カレーニナ」という作品を観てみたら、これがなかなかの良品だったので、見逃していた今作もといまさらながら鑑賞してみました。いやぁー、まさかこんなに女性向けのごりごりラブロマンスだったとは…(笑)。不倫の恋に苦しむ若い人妻というアンナのテーマは普通に男性の僕でも興味深く観れたのだけど、さすがにここまで恋愛に特化されると男性にはちょっときついっすね~。エリザベスにフラれた背の低いおっさんが嫉妬心爆発して暴走しちゃうとか、姉妹同士で狙っていた男がかぶって取り合いになっちゃうとか、そんなドロドロ展開してくれたほうが個人的に好みっす。それでもアンナでも見られた、華やかな社交界や田舎ののどかな田園風景などをセンス溢れる美しい映像で描き出した、この監督の見事な手腕は今作でも遺憾なく発揮されておりました。そこは素直に良かったと思います、はい。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-19 19:58:40)

70.  囚われのサーカス 《ネタバレ》 1961年、テルアビブ郊外にあるユダヤ人専門の精神科病棟へアダムという男が帰ってくる。入所している様々な患者らと共に奇異な行動を取り続ける彼は、戦前、ドイツでサーカスの道化師として働いていたという過去があった。そこで当然のようにナチスによって家族もろとも収容所へと送り込まれたアダム。物語は、そんなアダムが精神を病むきっかけとなった収容所でのとある将校との屈辱的な遣り取りを織り交ぜながら進行してゆく。恐らく、デビット・リンチやテリー・ギリアムのようなシュールな世界を目指して製作されたのだろうけど、いかんせん両者に比べて余りにもセンスが不足している感が否めません。リンチのような一度観たら忘れられない悪夢のような映像美もなく、ギリアムのようないつまでも記憶に残る個性豊かなキャラクターも登場せず、最後までなんとも地味な映画となってしまってます。自分を犬と信じ込んでいる少年のエピソードも主人公の狂気とうまく絡んでこないし、やたらとアダムといちゃつく看護婦も意味不明だし。うーん、ゴールドブラム&デフォーのかなり濃ゆ~い顔面だけがいつまでも印象に残りそうなそれだけの作品でありました。ホロコーストという歴史の狂気を象徴的に映像化しようという試みは良かっただけに、残念っす![DVD(字幕)] 4点(2014-01-09 21:50:50)

71.  メッセンジャー(2009) 《ネタバレ》 退役を3ヵ月後に控えイラクから帰還したモンゴメリー曹長は、突然上司から損耗兵告知班という部署へと配置換えを命じられる。そこでの任務は、戦地で死亡した兵士たちの家族の元を訪れ、ただ黙々と戦死という事実を遺された彼らに伝えるというものだった。アルコール依存症から3年間、禁酒しているストーン大尉の下、戸惑いながらもただただ事務的に見知らぬ家族たちへ愛する人ともう逢えなくなったことを告知し続けるモンゴメリー。しかし、子供を抱えながら急に未亡人となってしまった一人の女性と知り合ったことから、彼は苦悩の色を深め次第にストーン大尉へと不信の目を向け始めてゆく。映画の前半部分は、そんな主人公たちによって告げられる理不尽な現実にただ嘆き悲しむ人々が淡々と描き出されていきます。感情を露わにして怒り狂う父親、号泣して崩れ落ちる母、静かに涙を流しながら現実を受け入れる妻…。見れば見るほど遣り切れなくなるストーリーなのですが、ウディ・ハレルソン演じるストーン大尉の「嫌な仕事だが誰かがやらなければ」と常に前向きに取り組む姿勢に終始救われます。アカデミー助演男優賞候補になったことも頷けるなかなかの存在感でした。最後まで淡々と続くストーリー展開は少々冗長でもありましたけれど、愛する人を失う哀しみという普遍的なテーマを真正面から取り上げたその着眼点は良かったと思います。 いったいなんのための戦いだったのか、イラク戦争の理不尽さがあらためて思い起こされます。[DVD(字幕)] 6点(2014-01-07 10:54:35)

72.  サミュエル・L・ジャクソン in ザ・チャンプ 伝説のファイター 《ネタバレ》 スランプに陥り、ロクな記事が書けなくなってしまった新聞記者エリック(ジョシュ・ハートネット)は、ある日の帰宅途中、若者たちの悪質な嫌がらせに遭っていたホームレスのボブ(サミュエル・L・ジャクソン)と出会う。「俺は昔、ボクシングで世界王者寸前まで昇り詰めたチャンプなんだ!」と豪語する彼に半信半疑ながら次第に興味を惹かれていくエリック。しかし、彼のことを書いた記事が編集長の目に留まったことから、息詰まっていた二人の人生は大きな転機を迎えてゆく。常にぼさぼさの小汚いドレッドヘアとむさ苦しい髭面、そして終始甲高い掠れ声で大言壮語するサミュエルの相変わらずの怪演でみせる、そんなオーソドックスな人生再生の感動物語だと思いきや、中盤からそんな物語はあっと驚く展開を見せていきます。人間、特に父親としての弱さを大きくクローズアップしていくその考え抜かれた設定には見事に惹き込まれました。最後は確かにベタと言えばベタですけど、子供を持つ父親なら誰もが共感できる普遍的なテーマを扱ったなかなかの良作だと思います。仕事で心が折れそうになっている、全ての世の中のお父さんにお薦め。[DVD(字幕)] 7点(2014-01-06 22:06:19)

73.  ラースと、その彼女 《ネタバレ》 人と上手く関わることが出来ない内向的な青年ラースが、兄夫婦の家に彼女として連れてきたのはリアルなセックスドールだった。当然のように動揺する兄夫婦。そして小さな町に彼の噂は瞬く間に拡がってしまう。周りの同僚、友人たちの当然の心配や嘲笑をよそにラースとその彼女はどんどんと愛を深めていくのだが、やがてそれは小さな奇跡へと繋がってゆくのだった。うーん、設定自体は秀逸だと思うのですが、それを巧く活かしきれていないという印象を持ってしまいました。こんなに奇抜な設定なのに、肝心のストーリーのほうはあまりにも淡々と進むため、少々退屈。もっと笑いの部分があっても良かったと思うんだけどなー。それに、ラースが心を病んでしまった原因は自分の出産のせいで母親が死んだという罪悪感と、妊娠している義理の姉もそうなってしまうのではないかというストレスのせいなのだから、当然最後は彼女の出産が絡んでくると思ったらそこにまで至りませんでした。やっぱり、最後は義理の姉が無事に出産してくれなきゃすっきりしないですって。それに、ラースの周りの人々がそろいもそろって皆良い人ばかりなのも僕には合わなかったです。うん、4点!ごめんなさーい。[DVD(字幕)] 4点(2013-12-23 11:49:59)

74.  こわれゆく世界の中で 《ネタバレ》 都市開発を請け負う会社の共同オーナーとして、表面上は満ち足りた生活を謳歌しているように見えるウィル。ボスニア移民の子として貧しい母子家庭に育ち、街のチンピラたちの誘惑によって今まさに犯罪者の仲間入りを果たそうとしている青年ミルサド。ある日、ミルサドがウィルのPCを盗んだことから、決して交わるはずのなかった彼らの人生が、お互いの様々な問題を抱えた家族たちをも巻き込んで複雑に交錯してゆく。いかにもアンソニー・ミンゲラらしい淡々と描かれたヒューマン・ストーリー。なんだけど、軽度の精神疾患を患う娘ビーのことで崩壊の危機に瀕したウィルの家族の再生の物語なのか、貧困の連鎖から抜け出せない青年ミルサドの葛藤の物語なのか、それともウィルの不倫の物語なのか、ミルサドを想う母の愛情の物語なのか、それとも理不尽な格差社会の矛盾を突いた社会派物語なのか、何をメインに描きたかったのかが途中から軸がブレブレでなんとも散漫な映画となってしまってます。車盗む売春婦のエピソードも、いったい何のために出てきたのかさっぱり訳分からんし。それに「いまのところ家族がとっても面倒臭い状態だから、取り敢えず他の女とHしてリフレッシュしたかっただけだろ、お前!」としか思えないジュード・ロウ演じる主人公ウィルが、最後に懺悔してミルサド救ったからOKとばかりにちゃっかり元鞘に収まっちゃうトコにちょっぴり(いや、かなり?笑)ムカついちゃいました。ということで4点![DVD(字幕)] 4点(2013-12-20 23:28:25)

75.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 僕のこよなく愛する『エターナル・サンシャイン』の監督作ということで、ずっと借りたいと思っていたのだけど、毎回ビデオ屋さんに着く度に「あれ、あれってどんなタイトルだっけ?ま、いっか。今度借りよー」というのを繰り返してずっと延び延びになっていた今作、今度こそ忘れないようにとタイトルを書いたメモを手にようやく借りることが出来ました。誰がつけたか知らないけど、この邦題、それっくらいセンスが無いと思うんですけど!(僕の記憶力が悪いだけかもですけどね笑)で、肝心の内容ですが、確かに全編に横溢する映画愛は良いとは思うのだけど、うーん、ちょっと主役のお馬鹿コンビにあんまり魅力を感じなかったかなー。それにストーリーの重要な鍵となるあのジャズシンガーのこともいまいちピンとこなかったし。まあ面白いとは思うんですけど、わざわざビデオ屋さんでメモを手に「あれを借りるぞー!」と意気込んでまで観るほどの作品ではありませんでした。残念っす!エターナル・サンシャインはやっぱり奇跡の一品だったのかなー。[DVD(字幕)] 5点(2013-12-19 13:44:16)

76.  サイレントヒル 《ネタバレ》 夜な夜な何かに引き寄せられるかのようにベッドから抜け出す少女シャロン。「サイレントヒル…」そう呟く娘の謎の言葉を手がかりに、母ローズは過去に起きた炭鉱事故によって廃墟と化した街へと辿り着く。だが、そこは人智を越えた存在が支配する恐ろしい街だった。すぐに姿を消してしまったシャロンを捜して、ローズは男勝りの婦人警官と共に灰燼渦巻くサイレントヒルのそんな怪しい世界へと踏み込んでゆく――。すみません、元ネタとなったゲームのことはほとんど知りません。確かにゲームを原作にしただけあって、このダークでおどろおどろしい世界観はなかなか秀逸でした。プレイヤーとしてこんなゾクゾクするような気持ち悪~い世界へと入っていったら楽しいだろーなー。ただ、映画としてみたらどうなんですかね。後半になるにしたがって、見事なまでに破綻する設定の数々にはさすがに苦笑しちゃいました。謎の宗教集団もいったい何がしたいのか意味不明だし。そして「で、結局、どういうこっちゃねん!」という観客の疑問に一切応えないまま、かなり投げやりなラストを迎えてしまいました。うーん、なんという薄っぺらいストーリー(笑)。それでも、常に白い灰が雪のように舞う幻想的で美しい街サイレントヒルに、突然重厚なサイレンが鳴り響いたかと思うと瞬く間に悪夢のような世界へと変貌を遂げ、そうして現れた淫靡でグロテスクな怪物たちが容赦なく襲ってくるという、「ひえぇぇ~」な映像はなかなか見応えがありました。こりゃ、こえーよ!![DVD(字幕)] 7点(2013-12-19 08:53:05)(良:1票)

77.  パフューム/ある人殺しの物語 《ネタバレ》 18世紀、悪臭渦巻くパリの下町のゴミ溜めで生を受けたジャン・バティスト。しかし彼は類稀なる天才的な嗅覚の持ち主だった。成長して革なめし職人となった彼は、街で偶然出会った一人の女性の匂いに衝撃を受け、衝動的に彼女を殺してしまう。なんとか逃げ延びたジャンは、死んだ彼女の匂いを甦らせるかのような情熱でもって香水職人となり孤高の道を歩み始めるのだが、しかし彼は誰にも言えない歪んだ欲望を胸に秘めていたのだった。こってり濃厚な映像で描かれた、ペドロ・アルモドバル作品を髣髴とせるそんな変態的ストーリーに否が応にも期待が高まっちゃいました。捻れた欲望がどんどんとエスカレートし、犠牲となる美しい処女たちをまるで物を愛でるかのように愛する主人公のいかにも変態っぽい気持ち悪~い顔つきに「これは凄い映画になるかも!?」とドキドキしながら観ていたのだけど、最後の30分で拍子抜け。主人公はいったい何がしたかったの?幾多の女性を犠牲にし、自らも絞首刑にまで追い込まれながら創り出した香水の匂いを嗅ぐと、何故か人々が彼に平伏ししかも無茶苦茶エッチしたくなっちゃったので皆でヤリまくったのでしたって薄っぺら過ぎるって!普通にあのフェチ路線をどこまでも突き詰めてくれたら良かったのになー。こういう映画を観ると、いかにアルモドバルが芸術的なまでの変態映画作家なのかが実によく分かる。残念ながら、今作は変態のふりをした凡人が無理に変態を装って撮った、奇をてらっただけの凡作でありました。途中までは、そこそこ良かったけどね。[DVD(字幕)] 6点(2013-12-17 18:21:47)

78.  リトル・フィッシュ 《ネタバレ》 トレイシー、33歳、ビデオ店勤務、独身、母親と共に借家生活、子供なし、犯罪歴あり、そして薬物中毒だったという過去あり。そんな彼女のロクでもない家族との閉塞感漂う生活を淡々と描いた人間ドラマ。麻薬によってひたすら堕ちてゆく人たちを描いた、「レクイエム・フォー・ドリーム」のような悲愴感漂う映画だと思って鑑賞してみたのだけど、こちらは徹頭徹尾、人間的魅力に乏しい登場人物たちの、はっきり言ってどうでもいいお話がダラダラと最後まで続くという、とっても残念な作品でありました。恐らく意図して、彼らの悲惨な過去の出来事をぼかして描いているのだろうけど、完全に失敗。主人公のヤク中だった過去も、弟の事故のことも、親父が落ちぶれていく原因もなーんにも分からないままだから、まったくストーリーに集中できなかったし。地味に豪華な役者陣が非常に勿体なかったです。[DVD(字幕)] 3点(2013-11-25 00:05:43)

79.  マーターズ(2007) 《ネタバレ》 下の方が仰られているとおり、映画としての出来は大したことないのだけど、なんだか妙に心に残る「トールマン」という作品を観て、ちょっと気になって同監督の出世作である今作も鑑賞してみました。ひ、ひええぇ~~、なんじゃこりゃ(笑)。全く先の読めないストーリー展開と、ひたすら続くグロ痛いシーンの連続に終始唖然。観終わるころには顎が外れそうになっちゃいました。あの全身傷だらけの少女が逃げ出す冒頭部分から、こんなぶっ飛んだ驚愕のラストを迎えるなんていったい誰が予想できたでしょうか。演じてる俳優もカメラを廻してるカメラマンも「いったい自分は何をしておるのだろう」って感じだっただろうね、これ。いやぁー、この監督、完全に頭の何処かがイカれてるって(褒め言葉です笑)。確かに、一本の映画としてみれば完全に破綻しているけれど、常人の発想を遥かに超えた狂気の世界を見事に映像化してみせたこの監督、もしかしたら将来ばけるかもしれないなぁ。パスカル・ロジェ、覚えとこっと。[DVD(字幕)] 8点(2013-11-02 17:44:22)

80.  くるみ割り人形(2009) 《ネタバレ》 せっかくのクリスマスの夜なのに家でお留守番をすることになった少女メアリー。不貞腐れながらも伯父さんから貰ったくるみ割り人形と共にベッドで眠っていたら、突然、その人形に話しかけられ、そして夢とも幻想ともつかないネズミに支配された王国へと迷い込んでしまう。という、いまどきディズニーだって創らないだろう、何処にも新しい部分の全くない恥ずかしいくらい超オーソドックスなメルヘンファンタジー作品でした。こういう作品って、現実から幻想世界へと移行する描写が肝となるもんだけど、この作品はその部分がとにかく弱い。くるみ割り人形と一緒に部屋のドアを開けたら、クリスマスツリーが大きくなっていて部屋の天井もなくなってて、ただそこを登っていくだけって安直過ぎるって。それに魅力的な登場人物がほとんど居ないってところがもう致命的。ピエロとドラマーなんて完全に普通のおっさんじゃん(笑)。こういう作品を観ると、いかにティム・バートンが才能に満ち溢れた映画作家なのかが実に良く分かる。でもまあ、お金をたくさん集めて頑張って良い映画を創ろうとした監督の情熱(センスはないけど)と、ナチスという歴史的汚点のメタファーとしてネズミ軍団を描こうとしたところ(成功してないけど)は好感が持てたので5点。[DVD(字幕)] 5点(2013-10-27 19:54:17)

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