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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 75
性別 男性
年齢 44歳
自己紹介 昭和55年・生誕。

平成24年・レビュワー登録。

雑感を適当に投稿しつつ現在に至る。

今更ながらFacebookの利用を開始。
更新が忙しいのでしばらく休みます。
映画の感想も当面はそちらに書きます。
…が、気が向いたらたまに転載するかもしれません。

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61.  空気人形 心を持ってしまった空気人形(ペ・ドゥナ)との関わりを通じて、都会に生きる人々の孤独感や虚無感を描いた群像劇。ダッチワイフ版『A.I.』といった感じのストーリーだが、主眼となるテーマはどうやらアイデンティティ・クライシスという奴らしい。「終わりなき日常」がどーたら…とかどっかの社会学者様のご高説が聞こえてきそうなテーマだが、個人的には90年代に散々語り尽くされたトピックを今更蒸し返されている様で最後まで乗り気がしなかった。内容を要約してみても他者からの充足が得られない人間はみんな「カラッポの代用品」だと一方的に決めつけて勝手に悲壮ぶっているだけにしか思えない。そもそもこれだけ生き方が多様化している中で雑多な人々のアイデンティティの問題を押し並べて“コミュニケーション不全”というステレオタイプに収斂させてしまうのは無理がある様な気がする。昨今では若年層を中心に草食系やら絶食系やらといった新人類が台頭してきているらしいが、このまま恋愛や性愛といった生身のコミュニケーションのオワコン化が進んでいけば近い将来、未婚少子化どころか生涯童貞処女という人達さえ珍しくない時代がやってくるのかもしれない。そうなってしまえば前述の社会学者様よろしく劣等感を掻き立てるようなアジテーションをいくら繰り返した所でもはや逆効果にしかならないのは明白である。もっと普通に考えれば孤独や不安が常につきまとうのは人が生きていく上での大前提なのだから、もうそれはそういうものとして正面から見据えて受け入れるしかないように思う。結局の所どう転んでも自分自身の一番の理解者は自分自身でしかない訳で、無縁社会の到来が避けられない以上は各々で孤独を乗りこなすための生き甲斐を模索していくしかない。それは別に恋愛や性愛じゃなくても家族や他人様に迷惑さえかけなければ、趣味だろうが仕事だろうが宗教だろうがイデオロギーだろうが何でも構わないと思う。絶対主義も相対主義もクソもない。もっとシンプルに“自分の好きなもん探してそれを追いかけろ”、それでいいのではないだろうか。色々と身の丈を超えた偉そうな事を書きましたが、皆さんもおっしゃっているペ・ドゥナの脱ぎっぷり(これは日本の女優も見習うべき)と、板尾創路が風呂場で淡々とオナホールを洗うシーンの悲壮感は素晴らしかったです。あと、最後になりましたが是枝監督カンヌ審査員賞受賞おめっとさんでした。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-05-31 20:51:12)

62.  黙秘 《ネタバレ》 夫殺し・女主人殺しの嫌疑をかけられた中年メイドとその娘との絆を描いた、スティーブン・キング原作によるキャシー・ベイツのイメージビデオ的作品。サスペンスとしてはさほど目新しい点はない気がするが、キャシーをアイドル視している人間からすればまさに垂涎の一本だと思う。しょっぱなの老婆の顔面めがけて延し棒を振りかぶるシーンからしてファンサービス全開。とにかくキャシーが手斧やら鈍器やらといった身近な得物を手にする度に「待ってました!」と思わせてくれるのは流石である。まさしく世界一凶器が似合う女優の面目躍如と言った所。他にも近所のガキに悪態をつくキャシー・娘の荷物を勝手に漁るキャシー・夫にケツをしばかれて痛がるキャシー・その仕返しに牛乳瓶で夫の頭をどつくキャシーなどなど、彼女の様々な勇姿を堪能できるシーンが満載である。日蝕をバックに夫の死を見届ける顔面のアップも実に神々しい。やはり業の深い中年女を演じさせれば彼女の右に出る者はいないという事を再確認できる作品だが、中途半端に地味な邦題と微妙に爽やかな終わり方に軽い残尿感を覚えたので総評6点。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-05-23 00:23:22)

63.  曼陀羅(1971) 《ネタバレ》 カルト化したユートピア社会主義・原始共産主義的コミューンに関わった2組の男女の思想的葛藤とその行く末を描いた映画。CSチャンネルで予告を見て面白そうだったので観賞。予告編の印象からして70年代和風ドラッグムービーかと思いきや、意外と真面目な内容の作品だったので良い意味で裏切られた気分。繰り返し出てくる奇矯な演出やエロシーンは割と観てて飽きないが、映画として面白いかと問われれば「微妙」と答えざるを得ない。良くも悪くもユートピア思想が幻想である事を再確認するための一本。ただし、この映画の公開後しばらくしてカンボジアでポル・ポト政権が誕生したのはまさに皮肉としか言いようがない。[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-05-11 17:28:17)

64.  ゴールデンボーイ(1998) 《ネタバレ》 アメリカで遁世している元ナチスの高官である老人と頭脳明晰な男子高校生との交流と駆け引きを描いた「裏グラン・トリノ」的なサスペンス映画。老人を通じてホロコーストの真実を探ろうとする主人公がその狂気を呼び覚ましてしまい、やがて自らもその狂気に染まっていくという話はそこそこスリリングではあるのだが、ナチスやホロコーストをある意味オカルト的事物として扱っている姿勢に若干の違和感を感じた。そもそも収容所の昔話やSSのコスプレをした程度で芽生えてしまう狂気に、『ひっとらぁ伯父サン』並のデフォルメ感を覚えてしまったのは自分だけだろうか。その片鱗に触れただけで気が狂ってしまう様な禍々しい呪物としてホロコーストを描きたいのは分かるが、別にナチスは特別に頭のおかしな人達だけが集まって出来た組織ではないはずである。おそらくナチスの末端でユダヤ人狩りをしていた人間の多くは、命令に従っただけの小心な役人に過ぎなかったに違いない。つまりそれは、誰だって条件さえ揃えばホロコーストの当事者になり得る可能性があるという事である。現に戦後の日本でも小規模なホロコーストと思わしき事象はいくつも発生している。連合赤軍山岳ベース事件・女子高生コンクリート詰め殺人事件・一連のオウム事件、まだ記憶に新しい尼崎の連続変死事件だってそうだ。ホロコーストはオカルト現象ではなく現実に起こった出来事だし、これからもいくらでも起こり得る可能性のある事象である。この映画の様にホロコーストを記号化・特別視して忌諱の対象にしてしまうのは、否定はしないが個人的には余り感心しない。むしろ、もし身近に横暴な独裁者がいるなら、その価値観を徹底的に相対化させて鼻で笑ってやるべきだろう。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-04-09 19:04:12)(良:1票)

65.  ウォーク・ザ・ライン/君につづく道 《ネタバレ》 アメリカのカントリー歌手であるジョニー・キャッシュの半生を描いた伝記映画。2番目の妻であるジューン・カーターとの恋愛話を軸に描かれており、2人が結婚するあたりで映画本編も終わってしまうので、これだけでは単なるヤク中の不倫男にしか見えない(それはそれで事実だが)のが残念。その一方で、一応フォルサム刑務所での慰問ライブのシーンは最後の方で付け足した様に出てくるのだが、犯罪者・貧困層・マイノリティの代弁者でありアメリカの暗部を歌い続けた男という側面が余り強調されていない点は輪をかけて残念。だもんで、これを観るくらいなら亡くなる前年に撮られたという『Hurt』(ナイン・インチ・ネイルズのカバー)のPVを観ましょう。本作が2時間以上かけて描き切れなかった彼の生涯をたったの4分弱で追体験できてしまいます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-03-20 00:16:42)

66.  嫌われ松子の一生 《ネタバレ》 中島監督の2006年作品。目下の最新作である『告白』が意外にも良かったので本作を再度観直してみたが、やはりお家芸であるデコレーション仕様の過剰演出がやや鼻につくものの、大胆ながらも丁寧に作り込まれたシーンが多い事に改めて気付かされた。ただし、全体的な作風はミュージカル調とかゴア描写とかの演出も含めて、ティム・バートンの手法をサンプリングして和風にアレンジしてみました、という感じ。ちなみにこの路線の作風は次作の『パコと魔法の絵本』にも引き継がれているが、あちらはそういった小賢しい作為性がほとんど空回りしている失敗作だと思うので、それに比べれば本作は純粋にエンターテイメントとしてかなり成功していると思える。しかし、私のいごっそうなバイアスを通してこの話を要約すると、父親に愛されたい一心から男の顔色ばかり窺う性格になってしまった主人公が、結局色んな男に振り回されて都合の良い女扱いされ続けた挙句、最後は「愛などいらぬ」と開き直って独りでボロボロになって死んでいく、という話である。そんな不幸にまみれた女の悲惨な一生を砂糖細工みたいにゴテゴテに飾り立てて、「最後までとことん不器用でとことん不幸せだったこの人は神様」って、そんな深イイ話方向の結論に持っていっていいのかと思ってしまった。要は「男にとって都合の良い女って神様だよね」と男の原作者と男の監督が言っている訳である。フェミニストの人とかもっと怒らなくていいんですかね?[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-01-20 17:20:00)(良:1票)

67.  愛のメモリー デ・パルマ先生の1976年作品。そんなに長い映画じゃないのに、諸々の既視感に悩まされて集中して観る事が出来なかった一本。私の様な思いをしたくない人は、『めまい』(アルフレッド・ヒッチコック/1958年)→本作→『オールド・ボーイ』(パク・チャヌク/2003年)の順番で観る事をお勧めします。[CS・衛星(字幕)] 6点(2013-01-07 00:11:51)

68.  プレステージ(2006) 《ネタバレ》 ヒュー・ジャックマン(ウルヴァリンの中の人)とクリスチャン・ベール(バットマンの中の人)、ライバル関係にある2人のマジシャンが過去の遺恨から角逐をエスカレートさせていく姿を描いた映画。相手のステージに上がってまでの妨害行為をお互いにやり合う所とか、双方の手記を通して過去と現在を交互に描いていく所とか、途中まですごく良く出来てると思いながら観てたのに、タネの探り合いの果てにガチの複製装置が出てくる所で全部が台無しに。あんなのでクローン人間が出来てしまうとか明らかに飛躍しすぎだろ。キテレツ大百科じゃねえんだから。それで結局、「タネが無いマジックなんて無粋だよね」的な結論?俺のワクワクを返せ!一方の双子のトリックとか悪くなかったのにすべてが後の祭り。まあ、原作に沿った内容らしいので仕方ない部分もあるのだろうが、あくまでマジック対マジックで最後まで勝負して欲しかった。でもノーラン映画のこういうお利口さんに見えて馬鹿っぽい所とか実は嫌いじゃなかったりする。ノーランかわいいよノーラン。[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-29 02:59:59)

69.  アナザー・カントリー 《ネタバレ》 1984年公開のイギリス映画。まったくの予備知識なしに見始めたら亡命者っぽいジジイの回想から突如として繰り広げられる薔薇展開に唖然。基本的には1930年代のパブリックスクールの寮生活におけるエリート学生達の人間模様を描いた内容なのだが、公開当時には英国男子萌えの腐女子の皆様方がキャーキャー騒ぎ立てたという伝説的なBL作品でもあるらしい。更に主人公のモデルはのちに「ケンブリッジ・ファイブ」と呼ばれる旧ソ連に仕えた実在のスパイの一人であり、2011年のサスペンス映画『裏切りのサーカス』の前日譚的な話でもあるという事をあとで知ってびっくりした(その両作ともにコリン・ファースが結構重要な役回りでキャスティングされているのは偶然ではないのかも)。主人公達は同性愛や共産主義といった「異端者」である事を理由に寮内におけるポスト争いからパージされ、それを契機に更に革新思想にのめり込むようになった彼等はやがて祖国を裏切るスパイへと身をやつしていく。そこには上流階級出身でかつ性的マイノリティであるというコンプレックスが根底にあったという事なのかな。全英を震撼させたスパイ疑獄事件にこんなホモホモしい背景があったとは…いやーとても勉強になりました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2014-09-07 17:50:01)

70.  戦国自衛隊 《ネタバレ》 言わずと知れた伝説のトンデモ映画。ある程度は分かってたつもりだが、予想以上におかしなシーンが多い…というか全編通してツッコミ所しかない。とにかく兵隊のくせに勝手な行動を取る奴が多すぎる。勝手に「天下を獲る」とか言い出すサニー千葉。勝手に投げナイフで同僚を仕留める渡瀬恒彦。勝手に駆け落ち相手に会いに行くスターにしきの。勝手に農民と戯れるムッシュかまやつ。これは一体どういう事なのかと思いながらWikipediaを見ていたら、制作発表時に角川春樹が言い放ったという衝撃の発言を発見。「映画『アメリカン・グラフィティ』の日本版を目指す」!?もしかしてこのフリーダムさはアメグラを意識したものだったのか!?「戦国時代」と「自衛隊」と「アメグラ」の邂逅、恐らく思いついたとしても誰もやらないであろう事を大金かけて実現させてしまった男たちに乾杯。[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-10-27 18:53:59)(笑:1票)

71.  3時10分、決断のとき 《ネタバレ》 1957年の西部劇『決断の3時10分』のリメイク作品。強盗団のボス(ラッセル・クロウ)と、その護送を引き受ける事になった牧場主(クリスチャン・ベール)との間に芽生えた友情を描いた映画。アクションシーンはなかなか迫力があるのだが、ストーリーやその他の部分で気になった点が多いので箇条書きで挙げていく。①.直前に腹を撃たれているのに囚人護送に乗り出す賞金稼ぎのジジイがアクティブすぎる。②.①のジジイのためにわざわざ医者(しかも獣医)が同行。③.酒場の女に欲情してる間に手下に置いていかれて一人だけ捕まるボスがドジっ子すぎる。④.序盤でボスに伏線ぽく意味ありげに殺されなかった賞金稼ぎのジジイが中盤で割と脈絡なくあっさりと殺される。⑤.④でジジイが死んでお役御免になったのにその後もなぜか付いて来てあえなく殺される医者(獣医)。⑥.命懸けでボスを助けに来たのに最近知り会ったばかりの奴(主人公)のために皆殺しにされる手下。⑦.クリスチャン・ベールの顔立ちが端正なので主人公があんまりダメ親父に見えない。⑧.強盗団の2番手の人のガンアクションが中二病っぽい。以上ここまでを要約すると、①②⑤から「ジジイと医者(獣医)が無理しすぎ」、③④⑥から「強盗団のボスが行き当たりばったりで自分勝手(手下が可哀想)」、⑦⑧から「ベールは男前で2番手は中二病」という結論になる。総評5点。で、何でこれ傑作とか言われてんの?[CS・衛星(字幕)] 5点(2013-04-30 21:45:04)

72.  SR サイタマノラッパー (Hook)/Yo!覚悟しな標的はお前だ入江悠 /建立してやるぜ豪華絢爛な慰霊廟/おっさんラッパーに囲まれ匂い立つ加齢臭/過剰評価に乗せられて起こるハレーション/(Verse 1)/さすがに低予算で作られた自主制作映画/チープな作りと稚拙な演技は致し方ねぇが/台詞からラップになる度にオンドゥル語に劣化/肝心のリリックが聞き取れねぇのは不穏当な欠陥/内容はヒップホップに打ち込む若者の青春ストーリー/片田舎でうらぶれながら吹き溜まるホーミー/夢と現実の狭間で葛藤するトムとイック/極力カタルシス排除した話はかなりストイック/(Verse 2)/だが田舎モンのラッパーは痛いという先入観/偏見をひたすら助長してあとはペンディングか?/勝手に矮小化してんじゃねぇよこの短小が/シーンを卑下するほど離れてくだけの銭商売/確かに悪くはなかったぜ最後のフリースタイル/でも説得力持たせるにはそれなりのスキルが要る/痛々しさ強調するだけじゃ遠く及ばねぇ8マイル/茶化してしか描けねぇなら俺はヘイターに回る/(Verse 3)/あと映画出てキャリアアップか売名AV女優/ものは言い様だなまるでああ言えば上祐/でもタレント転向に失敗した所詮は半端者/志村けんのアレでもしゃぶってろこの売女モドキ/総評するとダサいラップに無責任なテーゼ/間違ってもランキング1位って代物じゃねぇぜ/「号泣」ってマジかよそこのグラサン提灯ハゲ/涙腺と尿道がつながってんだろ病院行け Blahhh!![CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-28 20:50:08)

73.  悪人 《ネタバレ》 九州の片田舎で暮らす無口で不器用な土木作業員が、出会い系サイトで知り合った保険会社のOLを痴情のもつれから殺してしまい、同じく出会い系サイトで知り合った紳士服店に勤める内気な女店員と結託して、ゆきずりの逃避行を繰り広げるという社会派クライムサスペンスラブロマンス。まず役者の皆さんはそれぞれの持ち場で相当がんばっていると思うのだが、この映画の押し付けてくるメッセージらしきものが全くもって気に食わない。私のおしゃまなバイアスを通してこの話を要約すると、地方都市の閉塞感に耐えながら心を閉ざして生きてきた可哀想な妻夫木君は、出会い系を使った買春まがいの行為でガス抜きをやってきた中で、勢い余って小面憎い銭ゲバビッチを1人ぬっ殺しちゃったんだけど、深津さんという「大切な人」と出会って「失うもの」が出来たんだからもう悪人じゃないよね、と言っている様にしか思えないのである。そもそも「大切な人」がいなくて何が悪いのか?「失うもの」が無くて何が悪いのか?そんな人間はみんな犯罪者予備軍か人殺し以下の悪人だと言いたいのか?とんでもない暴論ではないか。余りに馬鹿馬鹿しくてテーマに関してはこれ以上触れても不毛なので、私の個人的嗜好のバイアスを通してこの話を更に要約すると、車から蹴り出された満島ひかりが鉄製のガードレールに顔面を強打するシーンの為だけに存在する映画である。愛の逃避行の行く末とか心からどうでもいい。ちなみにこの顔面強打シーンは短いのだが、角度を変えて2回出てくる所がポイント。蹴り出されるタイミングと速度、ガードレールに当たった時の音、当たった後のリアクション、どれをとっても完璧という他ない。最初に地上波で観た時に大笑いしたので、このシーン観たさにCSで録画し直して、このシーンだけを何度も巻き戻して繰り返し観ている。落ち込んだ時とかにこのシーンを観ると、鬱屈が晴れて明日もがんばろうという気分になれるのである。[CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-16 14:49:48)(良:1票)

74.  イエロー・ハンカチーフ 高倉健に哀悼の意を表して『幸福の黄色いハンカチ』…のハリウッドリメイク版である本作を観賞。1970年代の日本→2000年代のアメリカという大幅な舞台変更の割にはかなりオリジナルに忠実なストーリーのため、製作側のリスペクトは多分に伝わっては来るのだが見終わってみるとやはり言い知れぬ「コレジャナイ感」に襲われる。健さん役の俳優がなぜかハゲ散らかした中年太りのオッサンだったりするのもこの違和感の一因ではあるのだろうが、やはり西洋的な価値観からすると日本的な義理人情の世界というのは理解してても表現するのはなかなか難しいのかも。あと日本版は共演が武田鉄矢と桃井かおりという反則級の濃厚キャストなのでそこを比べるのもちょっと酷ではあるかな(ちなみに桃井かおりは本作にもモーテルのフロント役でカメオ出演しており「野良ワニと戦う」素敵なシーンは必見)。[CS・衛星(字幕)] 4点(2015-01-12 04:38:30)

75.  ピアノ・レッスン 《ネタバレ》 映像と音楽は荘厳な雰囲気だが、要はウェルメイドな皮を被ったスイーツ映画ですな。口がきけない主人公にとってピアノはコミュニケーションツールであり、それを理解し受け入れた男との関係を通じて癒される話なのは分かる。しかし、そこまで切実にピアノの重要性が描かれているとも思えないので、そこに固執する主人公の身勝手な振る舞いには終始イライラさせられる。前夫を事故で失った事や望まない縁談を押し付けられた事には同情するが、じゃあ精神を病んでおれば何をしても許されるという事なのだろうか?どうもそんな手前勝手な甘えたメンヘラ思考がこの映画全体を覆っている様に思えてならない。まだ百歩譲って不倫までは許せるとしても、自分の子供を不倫のダシに使う所とか最悪。自分だけで貫徹できないのなら最初から不倫なんかするなと言いたい。人を(しかも自分の娘を)巻き込むな。しかも失敗してるし。嫌がる娘に無理矢理メッセンジャーをさせる→怒った娘が夫に不倫をバラす→激昂した夫が主人公の指を切断、までの流れはコントかと思った。そして何より終盤の船上での自殺未遂(疑惑?)のシーン。だから他人様を危険に巻き込むんじゃねえよバカ。死ぬなら独りでこっそりと死ね。そこからラストへの展開は予想通りだったが、スタッフロールまで舌打ちが止まらなかった。本来なら映像と音楽1点ずつで合計2点と言いたい所だが、「あんなところ生きて通れねぇ」の空耳とハーヴェイ・カイテルの全裸に免じてプラス1点で合計3点献上。[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-12-08 12:08:41)

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