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781.  男たちの挽歌 《ネタバレ》 今回が初見。ほほう、タイトルが三つも… ~英雄本色~本物の英雄。 今回が初見。裏社会の住人だが家族思いのホーと、チャラいマーク。父との約束でこれが最後の仕事という所で捕まってしまうホー。一人復讐を果たすマーク。レストランでクルクル回って敵を撃つ。 ~A Better Tomorrow~より良い明日。 出所からカタギになる努力をするホーだが、弟キットは冷たくあしらう。一方足を怪我して落ちぶれたマークは、かつての部下シンの下で運転手をしている。兄のせいで父が殺され、出世も出来ない刑事キットは、手柄を立てようと躍起になっていた。昔を思い出し再起を図りたいマークと、キットの未来のために自分を犠牲にするホー。ホーとマーク、そしてキットはシンと最後の戦いの舞台へ。 ~男たちの挽歌~『挽歌』は葬式の時の悲しみを歌った送歌、エレジー。 …後付けの邦題を除いても、ちょっと欲張りすぎている気がするタイトル。 序盤のレストランのガンアクションがクライマックスと思っても良いくらい、今見ても格好いい。 最後の決戦、何故かマークは普通に走ってるけど、もうストーリーとかどうでもよくて、女性の持つ美しさで映画が作れるように、男の持つ男らしさで映画を作っても良いじゃないかって映画。 画面が切り替わるとき、コンマ数秒『一時停止』みたいになるの、何だろう? ピーター・ガブリエルが映画『バーディ』に作った曲が頻繁に流れるけど、サントラに入ってるのかな?版権とかどうなって…[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-02-11 22:08:45)《改行有》

782.  THE END OF EVANGELION 新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に 《ネタバレ》 当時のDVDを中古で購入したら、最後の巻が劇場版とTV版のセットだった。 劇場版シト新生が未完。量産型エヴァンゲリオン9体に囲まれる絶望的な状況。まさに最終決戦。ここからどんな逆転劇が見られるのか?真のエンディングとはどんな内容だったのか?を楽しみに、またまた数ヶ月待たされての本作。 25話『AIR』と題された前半は、前作REBIRTHと同じ内容をなぞって、魂のルフラン無しに決戦に入る。戦自との戦いに続き、こちらもかなり過激な描写が展開する。 全然戦わない主人公シンジ。元気を通り越して鬼気迫る表情のアスカ。やっと初号機が動き出して、26話『まごころを、君に』へ… シンジ磔にされて叫ぶだけかい…デカい綾波、意味がわからん。人がドロドロ溶けるって何? あ、実写に逃げた。劇場の観客?試写会とかかな。コスプレの後ろ姿とか…何これ? 幼少期のシンジだ、やっと話が進むのかな?…てか、何かもう飽きてきた。あ〜、お金払って何を見せられてるんだろう? なんかジメジメしてんなぁ、早く終わんねーかなコレ。あ、アスカ生きてたんだ。…え?…え終わり? 『おめでとう』「ありがとう」と意味不明に終わったTV版と、同じような意味不明さで、映像は進化、内容は劣化したように感じる。 アニメを観る大人も増えた時代。社会に馴染めないアニヲタが増えた時代。そんな社会から取り残された大人未満を、子供部屋から引きずり出して、金を払わせて、観たくないモノを観せ、最後に「気持ち悪い」と言い放つ。 伝えたいことは何となく伝わる。この映画でエヴァのファンを辞めた人も多いと思う。でも残念ながら(?)アニヲタを辞めた人は少なそう。 もしこの映画が劇場公開のみ、以降エヴァは作らない。というならともかく、「気持ち悪い」と言い放った側が、DVD/BDはもちろん、パチンコや新作映画と、未だにエヴァで商売してるのって、どうなんだろー?と思いながらも、結末がオカシナ事になっている意外、一時代を築いた魅力的な作品だと思う。[映画館(邦画)] 2点(2021-02-08 23:10:50)《改行有》

783.  ムトゥ/踊るマハラジャ 《ネタバレ》 ムトゥ~踊る領主~邦題サブタイトルでネタバレしとる… インド映画は初見。最初のほう辛いです。いやかなり辛かった。私のコメディ映画のDNAがハリウッドと香港基準なので、ノリが馴染まない。 ドラマ・パートで役者さん何かして、そのうちミュージカル・パートに入り、またドラマ・パートなんだけど、歌の一曲一曲が長い。5分以上ありそう。『ベジタリアンの鶴が魚を見て主義を変えた』???さっきのストーリーとこの歌、何か関係があるの?? 長い歌でさっきまでのストーリーを忘れる。ドラマ→歌→ドラマ→歌…160分もコレが続くのか……… そんな負のイメージで観ていたが、ムトゥとランガナーヤキが言葉の通じない地域に行く辺りから、笑いのツボが心地よくフィットしてきた。ドラマの内容とミュージカル歌詞のシンクロ率も高くなってきた(ように感じた)。 ムトゥが叔父さんに嵌められて追い出される辺りには普通に物語にハマってて、出生の秘密に涙して、急展開のハッピーエンドにスカッと出来た。こりゃ後味良いわ。ノリが解れば前半も楽しめそうだから、リピートしたくなる気持ちもわかる。 ムトゥのタオルアクション、無駄格好いい。泣いてるかシャックリしてるかのパドミニが幸せになって良かった。 エキストラの多さも目を引く。道の両脇にエキストラが沢山いて、その真ん中を無人の馬車が走るシーンなんて、よくあんな危ないの撮ったよな。 面白かったけど、この長さは何だろう。90分くらいで小気味良く終わった方が良いのでは?と思うけど…インドの人は『わざわざ映画館に行って、貴重なお金と時間を使うんだから、長く楽しめないと損した気分になるじゃない?』って感じに、上映時間が長~くなっていったんじゃないだろうか? 当時日本ではムトゥからボリウッド映画が短期的ブームになったが、ヒットは実質この一本で終わってしまった感がある。 それだけこの映画が良く出来ていて、満足度が高くて、みんなお腹いっぱいになってしまったんだろうか? 私は未見だが、こののちロボットとかバーフバリとかインドの話題作も見られるようになったのも、このムトゥが日本で紹介されたからだと思う。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-02-08 23:08:47)(良:1票) 《改行有》

784.  新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生 《ネタバレ》 社会現象になった新世紀エヴァンゲリオン。テレビ版最終回の25話と26話が意味不明で消化不良な終わり方をしたため、改めて時間を掛けて作られた劇場版。 DEATHは1〜24話の総集編というか、リミックスバージョンというか、“雰囲気”を味わえる作品になっている。 REBIRTHは短いけど新規作画で力も入っていて見応えがある。ネルフ本部と戦略自衛隊の戦い…というか一方的な虐殺。ウルトラマンの科特隊のような、言わば正義の組織扱いのネルフが、同じ人類から敵扱いされて血みどろの白兵戦を強いられるのは、やりきれない気持ちになる。 テレビ版で廃人になっていたアスカが復活し、元気に戦っている姿が見られて良かった。エヴァ弐号機の巨大さ、敵に回す怖さも良くわかった。 アスカは戦自に対し圧倒的な強さを見せるが、量産型エヴァンゲリオン9体が登場する絶体絶命なシーンで終わる。魂のルフラン♪ …あれ?終わっちゃうんだ!?︎ 完結しなかったのは引っ張りすぎだと思うが、ちゃんとしたエンディングに向けて、観たかったものが観られたので、満足感は高かったかな。 DEATHの最後に掛かる四重奏『カノン』当時うろ覚え程度に知ってる曲だったけど、こんなに綺麗な曲だったんだと再認識。[映画館(邦画)] 5点(2021-02-08 22:35:07)《改行有》

785.  怪獣大戦争 《ネタバレ》 ドラマパートはなかなか良く出来ていて、冒頭に出て来た発明品レディガードがX星人の弱点で、国民みんなでラジオの音量を上げて戦うなど、勇ましいマーチとともに盛り上がる。またニックの脱出劇はまるで007のよう。 ニックと波川の恋愛は、子供向け怪獣映画らしくない悲しい結末を迎える。X星には彼女と同じ顔の女性がたくさん居るのは斬新。 木星圏までを2往復と物凄い距離の話だが、主な登場人物は宇宙飛行士2人と妹と彼氏、彼女の浪川とコンパクトだ。 怪獣パート、キングギドラは見た目が美しいが、今回2作目の登場だからか解らないが、今回目立った活躍はしていない。 シーンによってゴジラの動きがあまりに軽快で、シェーはもちろんだが、仕草がいちいち人間臭く、50m級の怪獣とは思えないのがちょっと残念というか…X星人が本性を表した時、座ったゴジラがアゴを拭うんだけど、休憩中のオッサンそのままだ。 ミニチュアの街が破壊されるが、材質や壊れ方が良く考えられていて素晴らしい。特に屋根瓦が吹き飛ぶシーンは素晴らしく精巧だった。ただ過去の作品の使い回しも多いらしく、どのシーンが今作オリジナルかは分からなかった。 年末年始に映画館の大画面で、子供が喜んで観るための映画だから、コレで良いんだろう。[CS・衛星(邦画)] 4点(2021-02-04 22:52:55)《改行有》

786.  ウエスト・サイド物語(1961) 《ネタバレ》 初見はテレビの吹替版。30年ぶりくらいの視聴。 (Upper) West Sideはマンハッタンの地域名。あまり治安が良くない貧しい街として描かれてる。日本だと…西成? これは多感な時期の少年・少女目線の作品だから、ミュージカルパートに大人は入ってこない。先に住んでいたヨーロッパ系移民と、来たばかりのプエルトリコ移民。彼らは同郷の仲間でグループを作り、どうでもいい縄張り争いに一生懸命だ。 ジェッツもシャークスも若者たちは鮮やかな色の服を着ている。対する大人は白、グレー、茶に制服。 街並みは、ウエストサイドだけに西日が当たるのか、カラフルだけど色褪せている。対して夜の灯りや濡れた路面はどこか輝いて見える。 ミュージカルパートは素晴らしいものばかりだが、特に『クインテット』の疾走感が物凄い。 夜の闘いを前に昂るジェッツとシャークスのコーラス、普段と変わらずベルナルドの帰りを待つアニタ、トニーとマリアのお互いを求め合う歌声は伴奏を飲み込むように溢れ出る。5組の歌の混ざり合いは息を呑む美しさだ。 全てを染める真っ赤な夕焼け。大人たちには普通の夕焼けも、若者たちには燃えるような赤に見えているんだろう。 トニーが死に、抗争も愛も終わり、一人、また一人と運動場から立ち去る薄汚れた服装の若者たち。あれほどみんなが待ち望んだ『トゥナイト』。夜はただ暗く、街灯は虚しく地面を照らす。街が真っ赤に染まった『クインテット』とは対照的に、暗いモノトーンの運動場を赤色灯の赤い光だけが無機質に点滅するラスト。60年経っても学べるものが多い作品。[地上波(吹替)] 8点(2021-02-04 22:32:58)《改行有》

787.  プリティ・ウーマン 《ネタバレ》 今回が初見。ビビアンが普通の女性なのが良かった。特に何かの才能がある訳でなく、デッカい夢に向かってる訳でもない、返せないくらいの借金なんかもなく、単に食べていく手段として娼婦に身を落としてるビビアン。エドワードに奇想天外なアイデアで利益をもたらすでもない、もちろん大失態をして足を引っ張るでもない、そんな、bestでもbetterでも、もちろんbadでもなくpretty good(まぁ悪くないね)の女。 冒頭ビビアンはエドワードの車を“ロータス・エスプリ”と言い当て、滑らかな運転を見せる。並の映画なら車の話で盛り上がって気があったり、中盤ビビアンがリムジンをドリフトさせながら大事な会議に間に合わせたり、ラストに『実は運転手を雇おうと…』とかってプロポーズされたりするところ、車に疎いエドワードとは何の盛り上がりも見せない。世の女性の多くはこんな車の知識も運転テクニックも持っていない。 モース親子との会食。ビビアンは意見を求められたりしない。ドレスは選んでもらったし、テーブルマナーもさっき教えてもらった。難しい話は彼に任せて、ただ笑ってエスカルゴと格闘する。それくらいなら私にも出来るんじゃないかな。…と、世の多くの普通の女性に思わせ安心させた、現代のおとぎ話。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-02-02 00:08:36)《改行有》

788.  花のあと 《ネタバレ》 真面目な孫四郎が藤井に嵌められるんだけど、こういう手順、他の人に確認しないのかな。孫四郎も藤井と加代の不倫を感づいていたらしく、そんな相手からの怪しい助言を真に受けるだろうか?…とも思うけど、藤井には名前を呼び上げる仕事で庇ってもらってるし、案外『騙されてると思うけどその通りやるしかない』立場だったかもしれない。時代は違うけど公務員の世界だ。 以登は和服の日本髪より、剣士の姿が似合っていて、孫四郎が訪ねてきたとき日本髪だったから、それで戦うのか?と思ったら試合の時には下ろしていた。そんなに簡単に下ろせるのかな?というか、前の日に来るのが解っているなら最初から髪下ろしとけばいいのに…そもそもお父さんも前の日の晩御飯の時に来ること伝えるなんて、以登に準備期間与えないのか。 男前の孫四郎に対し片桐の図々しさ、不細工具合を散々見せておいての、情報収集の巧みさから、最後以登の手助けの手際良さ。人は見かけによらないね。登場からずっと不機嫌顔してた以登が、最後に笑って片桐についていったから安心できた。花(恋)のあとにこんな男と添い遂げる以登は、幸せな一生だったんだろうな。 また、いい歳をして武芸の才ばかり秀でて、婚期が遅れてる以登。平穏の時代に剣術は秀でていても、仕事では埋没していた孫四郎。時代遅れというか、大人社会で認められる行いをしていない二人が、引き合うのは解る気がする。これもまた題名の『花(やりたいこと、自分が輝けること)、…のあと』なんだろうな。と思ったり。 あ、片桐が居酒屋で酒のおかわりを注文して「…早いな」って言う場面好き。『作り置きじゃないか?』って意味にも、女中さん役の人への『もうちょい間を開けなさい』って演技指導にも見える。 この前見た山桜と雰囲気が似ているので、同じ監督かと思ったら違った。でも雰囲気似ているなぁ。 調べたら制作陣とか結構同じ人がやっていて、原作は同じ藤沢周平で、同じ架空の海坂藩のお話…ということで、まぁ似るのか。 主題歌も同じ一青窈だったわ。[CS・衛星(邦画)] 4点(2021-01-31 14:35:34)《改行有》

789.  ガンジー 《ネタバレ》 いきなり本題からそれるけど、北斗の拳でガンジーを模したであろう“無抵抗の村”というのが出てくるが、拳王に論破・一蹴される。ガンジーの無抵抗イメージを誤解釈してた人も多少居たんじゃないかな?と思う。ガンジーの非暴力・不服従はむしろ、拳王の焼印を拒否して鉄板に向かうリンの行動が近い。 映画は、暗殺から始まり、若き頃の南アフリカの公民権運動まで遡り、人生を捧げたインド独立運動から、最初の暗殺場面と、ガンジーの生涯を走馬灯のように振り返る。宗教家・思想家だと思っていたけど、本職は弁護士だったんだな。 暴力に対し暴力を使わない戦い。非暴力は有名だけど、非協力が彼の武器だということが判った。イギリスから服や布を買うのを拒否し、塩を自分たちで作る。イギリスにとってインドは儲かるから価値があり、何も買わない、儲からない、言うことを聞かないインドは支配下に置く価値がなくなる。あれこれと植民地のメリット、独立のデメリットを話すイギリスに「それはインドの問題だ」と突き放すバプーは素直に格好いい。 当時欧米の列強国が世界を支配していたが、ヨーロッパだけでなくアジアや中東もゴチャ混ぜになっていたインドは、世界の中心、人種の縮図だったと思う。そんなインドの独立には太平洋戦争が大きく影響していると思うが、日本のことはあまり触れられていない。戦後、国を立て直すのに忙しいイギリスが、インドから手を引く形で独立が成立するが、今度はパキスタンの問題が出てくる。 宗教を超えた一つの国家を目指し精一杯の譲歩をするバプー達。少数派イスラム教徒を守りたいジンナーは「それはパキスタンの問題だ」と譲らない。イギリスの国旗に変わりインド、パキスタンでそれぞれの国旗を掲げて独立の式典が行われるが、バプーの住まいの国旗掲揚台にはどこの国旗も掲げられていなく、独りただ糸車物欲や宗教観をを動かすバプーの姿が印象深く描かれていた。[CS・衛星(字幕)] 6点(2021-01-30 13:38:14)《改行有》

790.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 半地下の家に驚いた。生活スペースより上にトイレがあるなんて…たぶんあの高さでないと汚水が逆流するとかなのかな。と思ったら洪水で逆流してた。 家族公認で上の住人のWi-Fi盗んだり、食事もジャンクで、バイトのピザの箱組みも雑。ピザ箱は4個に1個失敗してるから、家族の誰かが雑なんだけど、他の三人が修正したりしない。アレでは家族揃って不景気の波をモロに浴びても仕方ないと思える。 奥様の家庭教師審査をあっさりクリアするギウ。芸術に関してもっともらしいこと言って奥様の共感を得られたギジョン。彼女は嘘の演技も証明書の偽造もうまい。メルセデスをスムーズに運転する寡黙なギテク。何でこの才能溢れる家族が揃って失業してるんだろう?ピザ箱くらいきちんと折れよ。 チュンスクの家事料理の腕前まで合格となると、ちょっと話がうますぎる。この奥様(ヨンギョ)はギウ達の話を鵜呑みにしてばかりで、自分で調べたり友人から紹介受けたりしないのか?まぁ、テンポよくサクサク進む小気味よさもあるけど。逆に、韓国の金持ち家族は他人とコミュニケーションを取らないのかもしれない。主にダヘだが弟や家政婦の秘密をべらべら話してしまう。最後のパーティで急に友人たちがたくさん出てきたけど、きっと上っ面の付き合いばかりなんだろう。 地下室が出てきたときは驚いた。北朝鮮との戦争対策か、なるほど納得そういうモンかもな、説得力がある。元家政婦さんの北朝鮮ギャグ面白い。 洪水で避難したときの、ギテクの『計画とは?体育館で泊まる』の話。これは災害とかで日常生活を突然に奪われた経験のある人は、そうだよなって思ったんじゃないかな。 そんな災害なんて他人事、誕生パーティの準備が楽しそうな奥様。これも仕方ないよな、住んでる世界が違うんだから。 妻を殺された地下男の復讐。家庭教師なんて良いから鍵をよこせというご主人。これも、仕方ない。と思う。この子の親だからな。 出来れば、地下夫婦も半地下夫婦もそこそこ幸せな最後になればと思っていたけど、この悲しい結末も納得できた。 父のモールス信号から、将来金持ちになって父を助けるなんて、また計画を建ててるギウ。無計画という父の最後の晩の言葉はどこへ。 結構、国民性を自虐的に(開き直って?)表現してるのに好感が持てた。 のっぺり顔の主人公キム一家と、俳優やアイドルみたいに整った顔立ちのパク一家。整形が普通の国なので、お金のある人は良い顔も手に入れられるんだろう。血まみれ展開は想像できたが、金持ち夫婦の結構生々しい性描写、万人ウケを狙って保守的になってないのが良い。見といて良かった。[地上波(吹替)] 8点(2021-01-29 18:08:55)(良:1票) 《改行有》

791.  バルカン超特急(1938) 《ネタバレ》 ~The Lady Vanishes~消えた女。 調べたらバルカン半島から東欧経由ドイツ行を『バルカン列車』といったそうで、映画のはロンドンまで行く(ドーバー海峡はどうするんだ?)そうだから、架空の超特急だと思う。 ドイツ圏の架空の国バンドリカ。オープニングのミニチュアの街が結構よく出来ている。世界大戦直前の1938年だから雪山ロケなんて出来なかったんだろう…というか舞台はホテル内、田舎の駅、車内、森の中、都会の駅くらいか?お金掛かってないなぁ。走る列車もミニチュア模型だ。 メイド部屋で1枚のパジャマを上下に分けるイギリス紳士2人、キャラが立ちすぎている。でもまさかの『お色気担当』と思ってたワガママ自己中金持ち女の1人が主人公。 さっきまで話してた人が消える。周りの人は“そんな人いなかった”という。昨日のいけ好かない男が助けてくれる。席に戻ってきたという女性は別人だ。なぞなぞみたいにシンプルな謎だけに興味が湧いて先が気になる。 自分の記憶違いか?と思うようになるアイリス。ハーブティーの件と窓のFROYを見つけるがギルバートに見せる前に消え、絶叫と汽笛が重なる辺り、独りアウェイなアイリスがちょっと可哀想になる。 貨物車両辺りからテンポが良くなる。子牛、魔術師ドッポの看板、消える箱、ホームズとワトソン。掛け合いが楽しい。協力者ギルバートがどんどん良いやつになって、アイリスはどんどん可愛く見える。薬を盛られたと思って背伸びの運動してるアイリスの微笑ましいこと。あーコレTRICKだ。山田と上田コンビに感じた面白さだ。 格闘とか銃撃戦とかあって、ゆるーい空気で事件は解決、敵側の良い人修道女も無事、フロイも生きててハッピーエンド。良かった、良かった。…あれ?車内の敵士官はどうした? 勢いで作った映画っぽいけど、お金掛かってないけど、粗探せばボロボロ出てくるけど、すげー面白かった。[CS・衛星(字幕)] 7点(2021-01-29 17:33:25)《改行有》

792.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 高校に入りレンタルビデオで借りたが、テープが古くワカメになっていて見られなかった。古い映画でそれ一本しか在庫がなく、返金は受けたけど、見るのは諦めた。そんな過去があり、今回が初見。 ~The Godfather~名付け親とか後見人って意味もあるようだ。 偉大なるゴッドファーザー、ドン・コルレオーネがずっと主人公かと思いきや、割と早くにマイケルの物語になる。カタギの生活をしていたチャラくて大人しそうなマイケルが、自分の意思でファミリーの為、ビジネスの為に手を汚していく様が壮絶。 病院の入口でパン屋と見張りのフリをする。ガクブルのパン屋だけでなく、マイケルも怖かっただろう。そんな、一般人感覚のマイケルが、知恵と勇気でマフィア界で生きていく物語かと思いきや、それもちょっと違う。 シチリア島から帰ってからのマイケルの目が凄い。ヴィトーの、厳しくも慈愛が感じられる表情と違い、冗談や言い訳なんて通じっこない冷たい表情、心の裏側まで見られてるような、感情を感じさせない渇いた目。コニーの結婚式で軍服を着ていた時と全然別人のようだ。 殺しの相手は取引先、ミスをした身内、裏切った身内…見知った人を殺す決断をするというのは、どういう気分なんだろうか。突然殺される身内の驚いた表情。これから殺されるのが解ったテシオの「昔のよしみだ、見逃してくれないか?」何とも切ない。そんな世界。 コニーにカルロの事を問い詰められ、ケイからは本当はどうなのか尋ねられるマイケル。ドン・コルレオーネは表情を崩すことなく「ノー」と言う。嘘だってわかるけど、ホッとするケイ。あの空気から開放されてこっちまでホッとした。[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-01-29 14:47:10)(良:1票) 《改行有》

793.  昼下りの情事 《ネタバレ》 ~Love in the Afternoon~情事ではなく『午後の恋』くらい可愛らしいタイトルでも良いかもしれない。 でも『午後の愛』じゃないと思う。身体の関係を持たずにエンディングまで行けばお洒落に感じただろうけど、プレイボーイなら最初のベッドでアリアンヌがどのくらい遊んでるか解っただろうに… X氏の「お゛お゛お゛お゛ぉ」って悔しいため息が可哀想だけど可笑しい。あとアリアンヌがパンチ一発で金庫開けるの可愛かった。 一番印象的だったのは4人の楽団。キャスター付きワゴンで無言のおかわり催促なんて、あーもうトモダチじゃん。 19歳の女学生が大富豪に一目惚れするんだけど、やはり年齢差が不自然で素直に入り込めない。フラナガンは何歳なのか?60近くに見えるが…何とも痛ましい。 精一杯背伸びをするアリアンヌ。自分の胸くらいの高さのチェロを持ち歩き、高級品だからって夏場に毛皮のコートを着るような娘だから、初老のフラナガンにも恋ができるのか? 劇場で再会した時、遠くの後ろ姿で気がつくアリアンヌに対し、フラナガンは目の前でも気が付かなかった。彼にとって彼女の印象はそんなくらいだったんだろう。 資料の山のフラナガンと紙切れ一枚のアリアンヌ。ホテルからチェロを持って帰るお父さんが何故か切ない。 最後笑顔で見送るお父さん。『フラナガンとアリアンヌは結婚した』の後『彼女はニューヨークで終身刑になるだろう』だって。 お父さんの調査ではフラナガンは女が本気になると逃げる。今さら彼の浮気癖は治らないだろう。X氏やパリのホテルの4万室がそうであるように、一途なアリアンヌはそのうちフラナガンを撃ち殺して終身刑になるだろう。それまではお幸せに。[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-01-26 00:44:07)《改行有》

794.  おっぱいバレー 《ネタバレ》 読み終わったエロ本は雨に濡れないよう物陰に捨てて、次世代に引き継ぐ優しさ…こっそり11PMを見て、エロ回じゃなくてガッカリした思い出…今ほどエロが手軽じゃなかった時代設定にしたのは正解だったと思う。 1979年の再現にこだわりが感じられる。当時の乗用車が置物でなく何台も走ってるのが凄い。スーパーカーライトの自転車、部室やアパートの小物。電車や街並みなんかCGには見えなかったけど、集めるのも動かすのも大変だったんじゃないかな。 本作は寺嶋先生の教師としての成長を描いた物語。…美人教師に道程をあれだけ連呼されたら、中学生ならあぁなるよな。 美香子は前の学校で保身の為に嘘をついたトラウマがある。そんな彼女が教師を目指すきっかけになったのは感想文。金賞受賞の達成感と、恩師の原田先生。 原田先生の補習最後の本は、初めから道程に決めていたはず。ちょっと道を踏み外した生徒の将来のため、日々彼女の読解力を見ながら、易しい本にしたり難しい本にしたり、興味を持って読書を続けさせて、最後の道程を素直な気持ちで読めるように、悩みながらの本選び。 ベテラン原田先生でさえ、日々悩みながら生徒と接していたこと。雲の上の存在の恩師も、当時は今の自分と同じだったんだと気が付いた美香子の涙に、こっちまで涙腺が緩んだ。道程のあるあるネタをこんな型で回収するなんて。 教頭に詰められる寺嶋先生を庇う優しい生徒たち。 バレーの第2試合、寺嶋先生の応援で1ポイント取ったけど、実は相手は2軍でしたオチ…からの強豪校1軍相手にスコアボードに刻まれた4点。本当にすごい、頑張った。 でもそんな生徒たちに金賞受賞のような達成感を与えられず、引っ越していく寺嶋先生への最後の手紙。おっぱいの感触。 おっぱいを見たいばかりにミスリードさせてたが、ここでオープニングの空気圧おっぱいの伏線を見事に回収。 『寺嶋先生からちゃんと達成感も貰ったよ』って生徒達のエール。ホント優しい子たちだ。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-01-22 22:48:08)《改行有》

795.  アラン・ドロンのゾロ 《ネタバレ》 むか~し、テレビの洋画劇場で観て、凄い楽しかった記憶がある。週末の映画をクラスの多くが観てた時代、月曜日は学校で木の枝持って『 ̄/_』ってZの文字を刻んで遊んでたわ。 今回数十年ぶりの鑑賞。勧善懲悪の古いヒーローもので、ディエゴは黒いキツネの化身・ゾロに変身(変装)するけど、超能力とか無しに剣技で戦う。変身前のナヨナヨっとしたダメ総督とのギャップも活きていて、最後にウェルタ大佐に正体を明かすところとかスカッとする。 悪を倒して、その後どうなったとかの説明は無くアッサリ終了。そう言えば子供の頃流行ってたジャッキーチェンのカンフー映画なんかも、終わりはアッサリしてたな。最近の影のある悩めるヒーローを多く見ると、ゾロのような単純明快なヒーロー像がとても清々しく思える。 オルテンシアが凄く魅力的だった印象があったけど、いま見返すとそれほど活躍もしていなくて、何で当時はそんなに魅力的に映ったのか不思議。もしかしたらナヨナヨな総督と共に、オルテンシアも吹替の力で魅力が増してたのかもしれない。改めて吹替版で観てみたいな。[地上波(吹替)] 6点(2021-01-21 01:31:09)(良:1票) 《改行有》

796.  機動戦士ガンダムNT 《ネタバレ》 ガンダムUCの外伝的作品だけど、ゾルタンの引き起こす被害予想はコロニー落としよりかなり大きく、外伝という小さな枠に収まらない、宇宙世紀の歴史的に大きな事件になっていた。 ガンダムにはトンデモ科学が結構出てくるが、この映画ではガンダム屈指の謎アイテム、サイコフレームに焦点が当たっている。 サイコフレームを介して死者とも意思が通わせるようになるかもしれない…ミノフスキー粒子やサイコミュといった未来の技術っぽい兵器に比べて、かなりオカルト寄りなアイテム。そんなサイコフレームと関わったヨナ、ミシェル、リタの三人の、死を乗り越えた友情を描いた物語。セリフによる説明が丁寧で多いので、これが初めてのガンダム作品でも、意味が分からず置いてきぼりにはならないと思う。 物語の途中でリタは既に死んでいる事が暗示されていて、それを確かめるかのようにストーリーは進んでいく。もしリタが生きてる体で物語を引っ張って、最後に『実は死んでました』とオチに持ってきていたら、きっと興覚めしていたと思うので、この作品単体の仕掛けとしては充分に納得出来るものになっていると思う。 死者の魂が無人のモビルスーツをメンテナンスも補給も無しに動かし、最後は光速に近い速度で飛び去る…宇宙世紀の物語としては急に技術が飛躍しすぎている気がする。 アムロが死んだララアと話したり、地球に落ちるアクシズをモビルスーツで押し返したり、グフの腕から太い鞭が出てきてガンダムの足の甲を切ったり…不思議だけど、何とかギリギリ説明出来そう…な気がするのが宇宙世紀の技術。フェネクスにもそんな余地は残してほしかった。 最後にヨナとバナージが話すところとか、ライトノベルやSFファンタジーもののようだけど、40年も続くガンダム世界の色々な試みの一つとして、こんなガンダムもアリなんだと思う。[CS・衛星(邦画)] 4点(2021-01-19 23:28:13)《改行有》

797.  ノッティングヒルの恋人 《ネタバレ》 ~Notting Hill~主人公の住む街の名。高級住宅地だそうで、白金とか成城みたいな感じかな?違うかな? 世界的な映画スターがたまたま自分の店にやってきて、その後たまたま再会してジュースを掛けてしまい、家に招いたらついてきて、帰り際に突然キスされた…誰もが夢見る『宝くじに当たったらどうしよう?』と同じくらい、考えるだけ無駄な奇跡が起きてしまったウィリアムの物語。突然のキスに十分な説明やリアリティが無いのは、コレはあくまで男の願望だからだろうか?「なんか…ワカンネーけどキスされるんだよ。何でって?ワカンネーよ」男にとって夢なんだから、クドクド理由がないのがかえって良かった。 そこからは映画女優と一般男性の、普通の恋愛として見られる。 いい人なのに三枚目に描かれるウィリアム。家族や友人を大事にする性格が、ハンサムだけど嫌味がなくて好感が持てる。 一方マスコミに囲まれたアナがあまりにヒステリックでびっくりした。 ダイアナ妃の悲劇から2年後の作品。過去のヌード撮影をほじくり返されて追われる様子は、有名人のスキャンダルや暴露が過激になっていた当時の時代背景が伺える。この映画のメッセージかな。 宇宙SFのクルーや潜水艦の艦長役とか、そんな配役なのにオスカーを取るアナ。有名人の彼氏がいて、ヒステリーであんな一方的な振り方をして、本心じゃないにせよ“過去の人”発言を聞かれてて、それでも追いかけてきてくれる理想の男。アナの願望かな?色々あっても最後は自分を見てくれないと。世の中そんな都合よく行くわけがないけど、これは全ての働く女性の夢。 OPがシャルル・アズナブールの「忘れじのおもかげ」で、EDがエルヴィス・コステロの「Shi」なのは、いつか聞いた夢物語、そんなの他人事だったのが、いつのまにか自分に起きた物語になった…なんて使い分けかな?[CS・衛星(字幕)] 5点(2021-01-16 12:22:21)《改行有》

798.  若草物語(1964) 《ネタバレ》 昭和の大人気女優たちと、東京オリンピック当時の東京観光を楽しめる映画。 観光名所の空撮に街なかのロケ、喫茶店からデパートの作りまで、1964年当時の本物の東京の風景が、何ともお洒落で綺麗で魅入ってしまう。 当時アメリカに行くには幾ら必要だったかとか、新卒女子の月給が幾らくらいだったかとか、とても勉強になった。労働組合の活動も活発だったのかな。セルフサービスって言葉、当時から使ってたんだ。由紀としずかが勤める銀座松屋は、この年に大改装しているそうな。 物語は大阪の4姉妹の青春&恋愛物語で、4姉妹ってこと以外、本家の若草物語とは関係がないようだ。お父さんのすっとぼけた性格が面白かった。 1964年の作品だけど、イメージカラーってものは当時からあったんだろうか? 次女由紀は、自分に正直で真っ直ぐに突き進む赤。三女しずかは一歩引いてクールだけど内に情熱を秘めた青。末っ子チエコは自由奔放で天真爛漫な黄。 OPで空港を歩く3人の衣装。家族5人が揃ったときの衣装。後のゴレンジャーなどに通じるイメージカラーとキャラ設定だ。 由紀としずかの雨の別れ。傘の色もそれぞれ赤と青。チエコの別れは雨でもなく黄色い傘でもなく、黄色いメロンなのは、健吉とチエコの関係がまだ恋愛未満だからか? チエコが模型の組み立ての内職をしてるのが、さすが模型屋の娘。きめ細かい設定だ。 ちなみに長女早苗は結婚しているから冷静沈着な黒。あの色は緑というよりは黒かな。司令官的な立場だろうか?親の言う通り結婚した早苗、当時はまだ女は女らしくの時代だったから、結婚前は昭和男の理想の女、桃だったに違いない。 4姉妹それぞれ魅力的だけど、今の目で見ると芦川いづみって美しすぎるね。出番が少ないのが残念だけど。 夫が気になって映画を観ないで帰ってしまうところで、昭和生まれの私の心は、最後全部彼女に持っていかれた。[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-01-16 10:12:05)(良:1票) 《改行有》

799.  こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話 《ネタバレ》 鹿野靖明さんの事はよく知らない。この映画を観ただけの感想。 宣伝で何となく中身は知ってたから、ムカついたら負けかな。と思って観てみた。 映画を観てる側の気持ちは美咲が代弁してくれた。そうだ、もっと言ってやれ! 田中は役割だから仕方なく対応してやってるように見える。そりゃそうだ、本音はやりたくないわ。 私から見てまともな反応の2人に対し、ボラのメンバーは呆れ笑いしながらも鹿野の要求に律儀に対応する。何でだ? 現実には、美咲のようにアタマに来ても、田中のように仕事だから仕方なく介助する人も多いだろう。 講演会とかで注目される障害者なら、金の為に我慢する人も居るかもしれない。でもこのボラの人たちは、そういうのとは違うように描かれている。 鹿野は英検2級に受かってアメリカに行くという高い目標、夢がある。 でもアメリカに行くだけなら行けたハズ。鹿野もプロ障害者になれば、きっとプロ市民やマスコミが鹿野を利用して後押ししたハズだ。 そんな楽な道を選ばないで、自分に『英検2級に合格して』という高いハードルを設けて、結局アメリカに行けなくなるような人。 こんな人だからボラの仲間も「ハハハ、しょうがねぇなぁ」と世話をする。大変だしお金にはならないけど、世話しないと鹿野死んじゃうから。 この映画が伝えたかった“対等”の意味がわかった気がした。 鹿野との関係を問い詰められた美咲の戸惑い方と、思ってても言っちゃダメな事を言ってしまう田中。 突然のプロポーズを言葉を選びながら断る美咲と、それをジッと聞くしかない鹿野。 辞める決意の固まった追い詰められた田中と、それを引き止めようと息が詰まりながら話す鹿野。 主演の3人ともナチュラルな演技がムチャクチャ上手だから、特に大事な会話のシーンはとても引き込まれた。[地上波(邦画)] 6点(2021-01-12 23:52:27)《改行有》

800.  機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編 《ネタバレ》 初見は劇場公開時、人生初の単独上映観賞作品。 新規作画多数。新設定でナンバリングされたガンキャノンが2機に。ギレンに美人秘書が、ララアの軍服、セイラの入浴シーンと見どころが多い本作。 オープニングのキャメル艦隊戦、スクランブル発進の慌しさに対し静かな音楽、やけに落ち着いたアムロと鳥肌モノの演出が映える。 ただ、初期の第2次世界大戦みたいな世界観から、ニュータイプが連呼されてオカルトっぽさが増してきたのと、登場人物がほとんど軍属で、戦場が舞台になっているので、サイド6編はあるけど、一般人目線での楽しみは少なく思う。 “白い奴”。敵が恐れる程の怪物となったアムロは、行方不明だった父と再会するが、父は自分や母への関心をすっかり失っていた。 守るべき人も故郷もなく、ようやく出来た愛する人を殺してしまったアムロは、自分の能力を戦争を終わらせるため、ザビ家を倒すために使うことにする。 一方ララアを失い、アムロにも勝てなかったシャアにとって、キシリアを殺すことは目的ではなくなっていた。ザビ家を倒すことよりニュータイプの未来を見てみたいというのはシャアの本音だったと思う。 若者が社会で突出した能力を発揮すると、自分よりちょっと劣るが有能だった先輩に、突然ヤキを入れられることがある。最後にシャアがアムロに挑んだ白兵戦がそれかもしれない。『究極のセールスマンは、落ちている石ころすらも売れる』と言うが、言い換えると『商品・売り物に依存しない』と言う意味らしい。ガンダムの操縦能力だけがアムロの考える自分の存在理由だったから、それを使って世の中の為に戦争を終わらせ、ララアのもとに行く。まるで社会人が、退職後のハワイ旅行だけを楽しみに休みも取らず会社のために命を削るようなもの。戦争の元凶が滅び、アムロは父の作ったガンダムを捨て、母に会いに行ったコア・ファイターすらも捨てて、生きて帰るべき所、自分にとって本当に大事なものを見付けられたエンディング。『ビギニング』そして『めぐりあい』と、挿入歌のタイミングも神がかっている。 アムロの脱出を誘導するカツ・レツ・キッカ。戦場で能力に目覚めたという解釈が一般的だろうか?彼らはこの誘導以前に、Ⅱでガンダム工場の爆弾を全部外したり、アムロに爆発のタイミングを叫んだり、脱走するコズン少尉を先回りしてトラップ仕掛けたり、そもそもⅠのサイド7で一緒に行動していた親が死んだのに、この歳の子どもがピンピン生きていたことも、彼らこそが本当の意味(殺し合いの道具じゃない)での生まれながらのニュータイプだったからだと思う。ジオン・ダイクンが提唱し、両軍が研究している謎の新人類ニュータイプ。アムロら少年少女が、悩み苦しみながら覚醒する能力。でも次世代の幼い子どもたちは、当たり前に、生まれながらのニュータイプ(しかも無自覚)だった。というのがこの作品最大のオチだと思う。 『宇宙世紀0080、この戦いの後 地球連邦政府とジオン共和国との間に終戦協定が結ばれた』 TVと共通のナレーションが、戦争の終わりをアッサリと伝える。これでガンダムの物語は終わった。その後は戦争(グリプス戦争とかネオ・ジオン紛争とか)の無い、ニュータイプの作る平和な世界が生まれた。 …だけど再放送から爆発的な人気になり、アニメを見ない大人までも巻き込んで社会現象になる。ガンプラ、グッズ、SF考察、コスプレ集会。そんな中で作られたこの三部作映画の最後、富野監督から英語のメッセージが入る。 ~そして、今は皆様ひとりひとりの未来の洞察力に期待します~ という意味だそうだ。大人にまで広がったこのブームは、監督には予想外だったんじゃないだろうか?少年少女の成長のために作ったものを、大人の事情でほじくり返して、また作らされる。自分の意図しない売れ方は面白くなかったに違いない。 だとしたらあの英文は「みんな誰でもアムロみたいなニュータイプになれるんだよ」と言う優しい言葉というより、「さぁガンダムブームは終わったよ。アニメに夢中になるのはやめて、学校や会社で頑張るんだよ」という、歪んだ社会現象に対する監督からのメッセージに思える。 当時は今以上に英語が生活に浸透してない時代。辞書片手に英語が読める歳になったら、俺の言いたいこと解るだろう。というメッセージ。 だから、富野喜幸(本名)が作りたかったガンダムは、ここで終わり。 以降作られる富野由悠季(ペンネーム)のガンダムとは、切り離して観てください。[映画館(邦画)] 9点(2021-01-10 00:10:03)《改行有》

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