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プロフィール
コメント数 3862
性別 男性
年齢 53歳

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841.  祇園の暗殺者 近衛十四郎というヒトは、いつも暑苦しい程に自信マンマンの表情を浮かべている印象があるのですけど(表情というより、もはや「自信」が顔の一部になっているかのような…)、別にいつもいつもそういう訳ではない、というのがこの映画。 時は幕末、京の街では彼を始めとする浪士たちが、血も涙もない人斬りを繰り返している。で、今日も首尾よく(?)、ターゲットの家に乗り込み、見事仕留めたはいいけれど、押し入れの中に不穏な空気、戸を開けてみるとそこには、恐怖と驚きに顔を引きつらせた子供の姿が。で、この映画、何がポイントかといいますと、このシーンの子供の顔が、完全に「呪怨顔」なんですね。バッチリ時代を先取りしてます。この呪怨顔を見てしまったら、さすがの十四郎フェイスも曇ろうというもの。以降、主人公は罪の意識に捉われたか、ときに殺人の幻影に悩まされ、何かと調子が出なくなっていく。そして彼に訪れる暗い運命。 終盤の、狭く入り組んだ京の路地を舞台に繰り広げられる追跡劇が見どころで、ついには鴨川べりと思しき水辺に追い詰められるのだけど、それは作品の中盤でも描かれた暗殺パターン。因果はめぐる、といいますか。 人斬りがテーマながら必ずしもチャンバラに重きを置かず、代わりに呪怨テイストを絡めてきたのが、ちょっと異色な時代劇でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-02-22 03:41:41)《改行有》

842.  薔薇の標的(1980) パルプ小説風のハードボイルド。麻薬取引の場で組織の裏切りにあい、銃撃戦の末、舎弟を失い自らも獄中の身となった舘ひろしが、4年後に出所し、組織への復讐を誓うってのが映画のツカミ。逮捕後の彼を誰かがサポートしてくれていたらしいけど、それが誰かはわからないし、舘ひろしも気にしないまま、復讐への第一歩を歩み始める。 「安っぽい犯罪小説らしさ」という骨格が、アクション映画としてうまく生かされてます。すべてが刹那的、すべてが唐突で、物語の辻褄とか何とかいったものも二の次。主人公が危機に陥れば突然助っ人が現れる、などというご都合主義も、港に佇む舘ひろしが中島ゆたかをいきなり引っ叩く唐突さも、映画の起伏や推進力に大きな役割を果たしていて、我々を惹きつけます。前半やたら女優を脱がせたり、中盤で住宅街を舞台に無茶なカーチェイスを展開したり、なんてのも、一種のご愛敬、一種の映画の華。 舘ひろしと中島ゆたかの関係を軸にしつつ、主人公の仲間である内田良平のサブストーリーみたいなものもあり、チョイ役で特別出演の松田優作も含めて、登場人物がそれぞれに印象的。 音楽はハネケンさん、ジャズが物語にマッチして、虚無的なラストに至るまで、雰囲気がよく出ています。 魅力的な作品だと思います。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-02-11 09:27:32)《改行有》

843.  舞踏会の手帖 《ネタバレ》 夫を亡くしたマダムがふと見つけた手帖。そこにはかつての若き日の思い出、舞踏会で知り合った男性たちの名前が書かれている。 という訳で、マダムは思い出を探りに、これらの男性のもとを訪れる、というオムニバスっぽい構成。この過去に思いを馳せる冒頭部分は、合成映像があったり、壁に舞踏会で踊る人々の影が映し出されたり、ちょいと幻想的な演出があります。 でもまあ、自分のこういう「恋愛時代」をホジクリ返したって、大抵、ロクなことはないんですよね。だもんで、主人公が誰の元を訪れようと、ロクな話が聴ける訳もなく。一件目の訪問先からすでにして家庭崩壊状態、幸先悪いことこの上もない。二件目、三件目と訪問を重ねるにつれ、気のせいか、相手先がだんだんエキセントリックになってきて(それにつれて主人公のマダムの存在感も薄れてきて)、最後に訪れたアヤシイ医者の家に至っては、撮影するカメラまで傾いている(笑)。どうして手帖の人物はみんなこうもヘンになってしまったのやら。 と思ってたら、医者が最後ではなくって、この後もう一軒寄った先の男性は、平凡な散髪屋のオヤジになっておりました。平凡が一番よね、でも何となく寂しい。だから言わんこっちゃないのよ、そういう過去をホジクリ返しても、幻滅以外に何がある? と思ってたら、この平凡オヤジも最後ではなくって、これがホントのラスト一軒、というオマケ付き。あきらめが悪いというか何というか。映画的にはこれでオチがつくのですが、主人公は救われたのやら、もはや救いがたいのやら。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-02-08 03:47:56)(良:1票) 《改行有》

844.  カイジ2 人生奪回ゲーム いくらなんでも、どうしてここまで、説明的、なんだろう。最初から最後まで、ことごとくが、説明。 それをわざわざセリフで言うか、というムダなセリフの連続。演じている俳優さんたちも好きなだけ熱弁をふるって、存分に「演技」しまくってます。 こういう仕掛けです、この後こうなるんです、等々、説明に説明を重ねた挙句、敵役の伊勢谷友介までもが誰も訊いちゃいないのに身の上話みたいなのを勝手に「語り」始めて、もはやここまでくると、ビックリです。[地上波(邦画)] 3点(2020-02-03 20:41:15)《改行有》

845.  ミネソタ無頼 どういう作品かというと、(1)主人公は勿論、凄腕ガンマンである(らしい)。(2)主人公は刑務所に入っているが勿論、無実である。(3)勿論、脱獄する。(4)主人公が向かった先には勿論、悪党どもに苦しめられている町がある。さらに嬉しいコトには、悪党どもに立ち向かう保安官もまた、悪徳保安官なんだってさ。(5)これは「勿論」とは言い難いのだけど、主人公は目を病んでいて、失明しちゃうかも。(6)さらに「勿論」とは程遠いのが、この主人公、実に実にパッとしないフツーのオッサンなんです。いや、馬に乗ってる姿は結構、サマになってるんですけどね。でもとにかく、風貌があまりにも凡人然としていて、とてもマカロニの主役とは思えません。 別に男前でなくっていいんですよ、リー・ヴァン・クリーフみたいな顔のヒトもいますから。でも、凡人顔ってのは、イケマセン。 ま、それはともかく、悪党と保安官の対立はついに佳境を迎え、その勝者がクライマックスで主人公と対決する、という寸法。ヒーローがトーナメントのシードなんですね。実に横着です。しかし主人公は目を病んでいる訳ですから、勿論、肝心なところで目が見えなくなってしまいます。目が見えなければ暗がりで戦え、ってのがセオリー。『暗くなるまで待って』の先駆けみたいですな。さらには、この対決の場では「音」が重要な役割を果たしていて、なかなか心憎い。 いや、本来なら「なかなか心憎いシーン」のハズなんですけど、やっぱりここで主人公のダサさが足を引っ張ってしまい、せっかくのシーン自体もダサくなってしまってるのが、つくづく残念です。いや、演出の方の問題のような気もするけど。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-02-03 20:23:32)《改行有》

846.  ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル 見てると、ああ、きっと撮影現場は、出演者たちが和気あいあいとして、さぞかし楽しかったんだろうなあ、などと思えてきて、そういうのは別に悪くはないと思うんですけど、でもここまで来るとちょっとついていくのに難アリかと。 飲み屋に入ったら、隣のテーブルにはすっかり出来上がってしまった先客がいて、大いに盛り上がっているんだけど、まだ素面の人間からすると、一体何をそんなに盛り上がっているのかまったく意味不明。という状況に近いものを感じます。ちょっとメンド臭いタイプの疎外感。 95年の『ジュマンジ』はまだ『ジュラシック・パーク』(93年)がCGクリーチャーを世に問うてから間もない段階の作品で、毛の生えた哺乳類を登場させた(CGのデータ量も増加する)のが驚きだった、そんな時代。それと比べると本作は、特殊効果の進歩の点では確かにずっと先を行っています(ところどころヘンな部分もありますが、まあ、ご愛敬。こういう映画ですから)。しかし一方、『ジュマンジ』ってのは、ゲームの世界に入り込む話ではなくって、逆にゲームの世界が現実世界に飛び出してきて、どこまでも広がって行ってしまう、ってのが面白かったんですが、本作は登場人物たちがフツーにゲーム世界に入り込んでいて、面白さもスケール感も半減。路線を変えたのはいいとしても、この点では退歩してしまった印象が。[地上波(吹替)] 5点(2020-01-28 21:32:33)《改行有》

847.  悪党に粛清を クラマックスの決闘が、何ともシビれるんですけどね。ただ・・・。 駅馬車でチンピラと同席してしまったばかりに妻子を殺された男の復讐。しかし復讐は復讐を呼んで、やがて訪れる、対決の時。追い詰める者たちと、それを待ち受ける者、まさに「人間狩り」vs「人間狩り」とも言うべき銃撃戦が展開されて、手に汗握るクライマックスとなっています。 ただ全体的に、作り物めいた映像が、どうもいただけません。そもそも西部劇というジャンル自体がこれまで「雄大なる自然」を背景に描かれまくってきた歴史があるだけに、この映像には違和感を拭えません。そもそも、西部劇とCGの食い合わせの悪さ、ってのが露骨に出てしまっています(まあ、過去にはSF仕立ての西部劇もありましたけど、そういうのとは違う、根本的な違和感)。 非常に残念です。[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-01-28 21:11:02)《改行有》

848.  ユリシーズ(1954) オデュッセウス(ユリシーズ)の英雄譚を映画化した、イタリア製ファンタジー超大作(?)。製作者として、ディノ・デ・ラウレンティスとカルロ・ポンティが名を連ねてます。と聞けば、何となくスゴそう。 だけどどこかチープに見えてしまうのは、どうしてなんでしょうねえ。 エピソードのつまみ食いみたいな展開で、ふと気がついたら次のエピソードに移っており、え、もう別の話題なの、とか思っているうちに大団円。そんなに長い作品でもないしね。 一つ目巨人が登場するのですが、こういうのをストップモーションアニメではなく、特殊メークしたおっちゃんが演じていて(ちゃんと一つ目が少し動いたりしてる?)、なんだかおっちゃん臭いのです。その分、何となく愛嬌がありますが。 いかにも何も考えていなさそうなカーク・ダグラスの暑苦しい顔も、こういう世界観にマッチしているように思われます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-01-26 11:04:39)《改行有》

849.  ジャッジ・ドレッド(2012) スタローン映画のリメイクではない、ってコトなんですが、その代わり、インドネシア映画の『ザ・レイド』のリメイクみたいになっております。外部から遮断された高層ビル内で、襲い来る刺客たちとの戦いが繰り広げられ、残酷描写を多用している点もザ・レイドと共通ですが、ただしコチラの方は残酷というより、キタナくてバッチい感じです。よりトホホ感が感じられます。 法の執行人・ジャッジドレッドは、マスクを被ったままで表情を見せず、この出で立ちをカッコイイと言ってよいのやらどうなのやら、そこは好みによるとしても、少なくとも、表情も無ければ仕草も単調で、彼自身は物語の緊張感や盛り上がりに対し、何も貢献していません。強いて言うとこの格好、「自分が優勢な間はカッコがつくけど、敵の攻撃から逃げ回る姿はちょっとマヌケ」といった程度のアクセントは、感じられなくもないですが。 一方、彼とともにビルに閉じ込められた女性ジャッジ、こちらはマスクを被ってませんが、その理由、「超能力者だから」という建前だけどホントのところは「美人だから」が正解でしょう。まあ、一種のサービスなワケですが、だったら撮る側ももうちょっと、美人に撮るような努力をしてあげてもよいと思うのですが。 いずれにせよ、彼女が超能力者という設定には微妙なところがあり、設定上無意味とは言わないまでもあまり有効ではなく、さらに彼女の成長物語の側面があるはずのこの映画、なのにこれといって成長を感じさせる要素も無く。 映画の中に「決断」のひとつでもあれば、空気が変わったと思うのですが。 特に起承転結らしきものもなく何となく戦いが続く中(撃たれて重傷かと思いきやインスタント治療であっという間に復活、だなんて悪い冗談としか思えない)、はたまたその度に悪趣味な血しぶきと肉片が飛び交う中、ときどき、やたらとポエムな「超スローモーション映像」が登場し、ああ、作り手も結構ヤケクソなんだな、と。「映画を見て大いに苦笑してみたい」という方にオススメ。[CS・衛星(字幕)] 4点(2020-01-26 10:27:04)《改行有》

850.  ライフ(2017) 国際宇宙ステーションという閉鎖空間の中で、コンニャクに襲われるお話。いや、成長するとイカとクリオネの中間みたいになってきて、要するに、火星人ってのはてっきりタコ星人なのだと思っていたら、実はイカ星人だったのでした。これはなかなかの新機軸。って、どこが? 何と言いますか、地球上にもその辺に転がってそうなフォルムなもんで、もう一つ、オドロオドロしさが無いんですけどね。 でもこの作品、無重力の描写はなかなかのもので、人間がフワフワ動き回るかと思えば、それを追いかけるカメラも無重力を感じさせ、雰囲気がよく出てます。迷路のような宇宙ステーションの中で、モンスターに襲われた乗組員の死体が宙を漂い、そして神出鬼没のモンスターが襲い来る。っていうのがちょっと、ミステリにおける「吹雪の山荘モノ」みたいなテイストも、感じさせている、かも(←こじつけめいているので自信の無い表現になってます)。 ただ、結構ストレートに犠牲者を出しまくった展開の割には、終盤、完全にもたついてしまって大失速。変にオチをつけようとするから、こんなコトになっちゃうのよね。[CS・衛星(吹替)] 5点(2020-01-25 13:55:54)《改行有》

851.  森の石松鬼より恐い 「森の石松」の舞台演出に悩む演出家が、ある日タイムスリップして石松本人になっちゃう、というSF超大(?)作。 という訳で、演出家役の錦之助がカツラ無しで登場し、なかなかレアです。しかし錦之助、時代劇カツラをかぶっていないと、結構、フツーのおっさんで、こんなにもオーラが無いのかと。いや失礼。 それが、目が覚めると自分が森の石松本人になっていて、その事実を飲み込むまでがドタバタの連続。そのネタでここまで引っ張るかと思うくらい引っ張るのですが、この石松ワールドの配役が、冒頭の現代のシーンと被っているせいで主人公も混乱する、ってのがどうにも可笑しく、ああ、あのヒトがこの役で再登場するのか、と大いに楽しませてくれます。そんじゃあ寿司屋の大将・鶴田浩二もきっとどこかに再登場するよね、と期待していると、まあ再登場はするものの、これはちょっと肩透かしですが。 とにかくこの前半の引っ張りで、主人公が簡単にこの世界に入り込めない、ってのがあるからこそ、あれやこれやの事件に巻き込まれ、彼自身も「石松」としての自分にめり込んでいく後半が、冴えわたるんですね。ただのドタバタに終わらず、クライマックスではしっかり、森の石松譚を堪能させてくれます。 例によってというべきか、屋外ロケシーンとスタジオセットシーンで、あまりに声の響きに差があり、これ何とかならないもんですかね。[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-01-25 03:06:08)《改行有》

852.  大いなる西部 《ネタバレ》 まずはお馴染みの音楽で「ああ西部劇だなあ」と思い、これでもかと登場する雄大な自然に「やっぱり西部劇だなあ」と思う。馬の隊列も大自然の中にスッポリ収まり、主人公たちの二人の殴り合いにいたっては、もうただただ、大自然の中で転がされているだけ、のような。 という、いかにも西部劇な雰囲気が充満してはいるのだけど、実際には、西部劇の世界の終焉、みたいなものを感じさせるオハナシでもあります。 東京の男性が関西の女性と知り合って彼女の故郷に行ってみたら、そこにはいるのはどう見てもカタギと思えない皆さんばかりだった、ってのを数十倍スケールアップしたようなオハナシで、アメリカ東部出身の主人公からしたら西部の開拓地は別世界もいいところ。しかし、主人公は涼しい顔で自分自身を最後まで貫き続け、その点はドラマとしてどうなのよ、と思ったりもするのですが、いずれにせよ物語は、彼をよそに西部の世界同士が「最後の戦い」を繰り広げ、新しい世界の到来を示して幕を閉じます。 実は結構、「らしくない西部劇」という気もいたします。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-25 02:44:45)(良:1票) 《改行有》

853.  踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望 最終作なのか、これから新シリーズを始めようというのか、よくわからんタイトルですが、前者だとして(多少、疑心暗鬼)、まあ、有終の美と言ってよいのではないでしょうか。 ビール騒動を始め、細かいギャグがふんだんに盛り込まれて、ちょっと悪乗りし過ぎかとも思うのですが、それでも物語の中心となる事件の魅力で、グイグイ引っ張ります。今回の事件においては、いわばこのシリーズを特徴づける「本庁vs所轄」「会議室vs現場」といったテーマがズバリ、軸となっていて、そういう意味でも、シリーズ総決算、という趣きがあります。ゴタゴタした署内の描写とか、大規模な展示会の描写とか、スケール感には事欠かないし、物語における伏線の数々にも唸らされたり。 しかし最終作の最終作らしさというと、青島クン、ここでも颯爽と走って見せる、のかと思いきや、コケちゃうのよね、腰痛だから。長年の現場生活で、彼もボロボロなら、すみれさんもボロボロ。いや私もボロボロなんですけどね、ははは。 深刻な事件を荒唐無稽な展開でぶった切って見せた後、このラストにはいささかコソバユイものがありますけれど、また新しい一日が始まるんだなあ、という訳で、気持ちよくシリーズを締めくくってくれました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2020-01-23 21:40:17)《改行有》

854.  タイム・トゥ・ラン 正直、最初の方は、例によって例のごとく画面がチャカチャカしたタイプの映画で、こりゃダメかと思ったんですが、スミマセン、大変に面白かったです。失礼しました。 冒頭、謎の一味がバスジャックするところから始まって、物語はいったん過去に戻ってそれまでの経緯を描き、中盤以降はバスジャックの顛末を描く、という二度美味しい趣向。それぞれがしっかり見せ場になってます。意外な展開も見どころ、ですが、その点については見てのお楽しみ、ここでは語らないことにしましょう。 こういうちょっと安そうな映画にロバート・デ・ニーロが出演しているとなると、さぞかし一人で目立った演技でもしまくるんじゃないか、と心配になりますが、意外や意外、そんなことはありません(それでもやっぱり若干浮いてる気がしてしまうのは、スターの面目躍如?)。彼だけではなく、それぞれの登場人物がそれぞれに存在感を出していて、物語に貢献しており、それぞれの印象をしっかりと残します。例えばジーナ・カラーノ。持ち前の格闘路線で暴れ回る訳でもなく、女性警官役を淡々と演じてますが、強そうな意志を感じさせるその表情は、まさに彼女ならではのものと言えるでしょう。 あと、作品の中に、「通常のタバコ」と「電子タバコ」とが登場して、その両者が、心の動きみたいなものを暗示していたりするのですが、これが意外な効果をあげているように感じられました。何故って、通常のタバコは火を灯されて赤く光り、電子タバコは電子タバコで奇妙な黄緑色の光を発する。暗がりの中で光を発するアイテムって、映画の中では非常に印象的なんですね。我々の意識を惹きつけ、ハッとさせる、その光。いやはや、こうやって結局、デ・ニーロがおいしいところ持って行っちゃうんだなあ。[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-01-21 21:23:56)《改行有》

855.  ウィンター・ウォー/厳寒の攻防戦 フィンランド製の戦争映画、オリジナル完全版197分。長いですよ。って、言うまでもないけれど。 特に物語らしきものもなく、これといって背景が語られることもなく、ただただ、どことも知れぬ雪原での戦闘が続きます。家庭では普通の男たちであったものが、戦場では兵士となって、そこには兵士としての彼らの日常がある。日中は弾が飛び交い、戦車が迫ってくる一方、夜には束の間の休息があって。また時にはサウナにも入ったりして。そしてまた戦闘が始まれば、塹壕に身を潜め、戦車に立ち向かい、吹き飛ばされた仲間が肉塊と化すしていく、そういう日常。どことも知れぬ雪原で死んでいく仲間たち。 そんでもって、延々と描かれた戦闘が、突然終わりを告げるラスト、ってのはなかなか衝撃的です。もはや、この映画の長さ、戦闘シーンの長さ自体が、完全版ではひとつの意味を持っているとも言っていいのではないでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-12 11:34:29)《改行有》

856.  空母いぶき 《ネタバレ》 この作品、観てると、あれやこれやのシーンで「そりゃアカンでしょ」とケチをつけたくなり、次から次に不満が続出するもんでメンド臭くなって、何に不満だったのか、忘れてしまいました。ゴメンなさい。 それは無責任だろうって?おっしゃる通りですスミマセン。では頑張って何とか思い出してみると。 まずこの空母いぶき、何人くらい乗ってるんですかね。いやはやこの、スケール感の無さ。ホントは大勢乗ってるんでしょ? 国家の危機とかいうのもあるけれど、まずこの現場において、大勢の命がかかってるんでしょ?ホントは。 他の艦も同様。何人乗ってます、何人の命がかかってます、という、単なる数字。 まるで数人しか乗っていないような空母いぶきとは言え(笑)、その内部をさまざまな形で描いてスケール感を出してくれたら、あるいは舞台であるこの空母の魅力を描き出してくれていたら、見てて嬉しくもなりますが、そういう描写も貧弱で。空母に乗り込んだ記者たちが行動を制限されていることを言い訳に、描写もチャッカリと制限しちゃってる? 今回たまたま乗艦していた記者(本田翼)は、「私はすべてを目撃した」みたいなコトを言うけど、一体何を目撃したんでしょう? 映画見てた私は、何の悲惨な光景も見てませんよ? いかにもCGな炎上シーン(どんな被害なのかサッパリわからない)は確かに見た気がしますけども。あるいはあの不自然にとってつけたような人道シーン? これでは、どっからどう見てもこの記者、自衛隊の都合のいい広告塔にしか見えなくって。 西島秀俊と佐々木蔵之介との間の緊張感、ってのが物語の軸なんだろうけど、サスペンスにはおよそ程遠い中途半端なもの。西島秀俊の顔に安心印がついてしまってます。 そもそも敵の攻撃が場当たり的過ぎるのも、盛り上がらない点。相手が何を考えているかわからない時の不気味さ、ってのは、確かにあるのかも知れませんが、さすがにこれほどの拙攻では、コワくないですよね。 以上、このくらいは何とか思い出したので、勘弁してください。[ブルーレイ(邦画)] 4点(2020-01-12 10:47:50)《改行有》

857.  殺しが静かにやって来る 《ネタバレ》 マカロニとかスパゲッティとかいう西部劇のタイプとはだいぶ印象が異なって、雪に囲まれた町と山岳地帯が舞台。音楽もノリのよいマカロニ調ではなくって静かなものが多く(酒場ではショパンが流れてます・・・?)、抒情的です。むしろ、もはやオカルト映画のテイストに近いかも。ときに、大胆な、というか、乱暴な、というか、単に「雑な」というか、そういうカメラワークが、どこかオドロオドロしい雰囲気にも繋がってますし、やってることも結構エゲツない。実際、保安官が馬車の窓から外を見たらそこに逆さ吊りの死体の顔、なんていうシーンは、犬神家もビックリです。 オハナシの方は、途中までは正直、よくワカラン。っていうか、一体誰が主人公なんだよ、と。誰がと言えばそりゃ、トランティニャンなのでしょうけれど、そもそもの印象が強くない上に、役どころはサイレントサムライならぬ、サイレントガンマン。セリフが無く、出番も多くなく、さらに印象が薄くなっちゃう。敵役の方がむしろ、クラキンみたいな強烈な人相で(←本人です)存在感を示しまくってます。しかし、どんなに女優の顔が怖くっても物語の中心にいればそれはヒロインなのであり、ヒロインとラブシーンを繰り広げてそこにとってつけたように情熱的なBGMが被されば、残念ながらこのトランティニャンが主人公なんだろうと認めざるを得ないわけです。 とか何とか、ボロクソ書いてますけれど、物語の進行とともにちゃんと焦点が結ばれていくのは、さすが(カメラの方は、ときどき焦点がボケてますが・・・)。人質をとった敵が待ち受ける死地へ、ひとり赴く主人公。この場面、ヒロインが敵の伝言を主人公にまるまる伝えた上で「これは罠よ、行かないで」などというくらいなら、そもそも伝言を伝えるなよ、と言いたくなるのですが、まあこれは、こんなヒロインと結ばれてしまった主人公が不幸だった、ということで。 まさかまさかのラストです。いや、まさか。[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-12 09:49:07)《改行有》

858.  ランペイジ 巨獣大乱闘 ゴリラとオオカミが巨大化して、ワニがさらに巨大化して、街中で大暴れする。というシンプルな怪獣映画。ドウェイン・ジョンソンは巨大化しませんが、一緒に大暴れ。 とことん暴れ回ってくれるので、怪獣映画としては上出来でしょう。ひたすら破壊が繰り広げられるハチャメチャの中で、瓦礫が上から降ってくる描写などの芸の細かいところもあったりして、こういうのが結構楽しかったりします。 同じく街が破壊されるドウェイン・ジョンソン映画でも、かつて『カリフォルニア・ダウン』などというツマラナイ映画があったけど、コチラの方が数段面白いわい、と思ったら、実は同じ監督だったのね。残念。って別に残念がることでもないけれど。 いずれにせよ、レジェンダリーが、次はゴジラとキングコングを映画の中で戦わせるんだとか何とか言ってるけれど、本作ほどは盛り上がらないと思うよ、きっと(という予想が裏切られるに越したことはないけれど)。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-01-08 21:23:59)《改行有》

859.  スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け スターウォーズってのは結局エピソード4~7で終わってた、ってのは少なくともある世代以上の人たちは皆、感じていることなんだと思うのですけれども。エピソード1に「なんじゃこりゃ」と思いつつも、「でもスターウォーズってもともと、こんなもんだよなあ」と思った時点で完全に終わっていて。で今回、ついにエピソード9、何だかんだ言っても今までお世話になったこのシリーズ、ラストがどう締めくくられるかには何の興味も無くっても、やっぱり皆で最期を看取ろうか、という気持ちにもなりますわな。 で本作。まあ、やっぱり、スターウォーズって「こんなもん」でした、という印象。そういう意味では、小さい不満はあっても、大きな失望なんてものは「あろうはずが無い」んですけどね。で、「ありがとう」と言いたい気持ちはあるのだけれど、ルーカスの手を離れた今、もはや誰にお礼を言ってよいのかもわからない・・・。 最終作でついにC-3POがマスクを脱ぐのか?という事に関しては、ネタバレして申し訳ないですが、脱ぎません、ハイ。C-3POを演じるA・ダニエルズはかつて、誰にも顔を知られていなかったのでアカデミー賞授賞式の会場から摘まみ出されかけたことがある、という噂がありますが、ついに全作出演を達成。お礼は彼に言っておくべきですね。ありがとう。 それはともかく。 悪い予感ってのはやっぱり事前に無い訳ではなくって、ああ、やっぱりそうなっちゃったか、というのが正直なところ。ミニチュア撮影がメインだったエピソード4(これが結果的に奇妙な非現実感を出していた)でもごく一部に試験的とでもいうべきCGが導入されて以来、エピソード7で「CGでここまでできるのか」と感心させられた時点で、「観る驚き」としてはほぼ飽和。今回は最終作だからきっと、宇宙空間での一大決戦が描かれるのだろう、だけどその際、スケール感はうまく表現しきれないんだろう、と思ってたら、まさにその通り。いや予想をやや下回ると言っていいかもしれない、大味な描写。 ストーリーも詰め込み過ぎ、というほど中身が濃い訳じゃないけれど、映画全体が描写を端折り過ぎている印象で、思い入れの乏しいシーンが次々に垂れ流しされていってしまう。別に我々は「最後どうなるか」だけを楽しみに見ているわけじゃなくって、例えばあの嵐の中、大きくうねる波の中を船出すると、どんな危機的な事態に陥るか、ってのだって、もっと見たい訳です。CGが一瞬、目を引くけれど、どれもこれも一瞬しか目を引かない。 その点、ライトセーバーでのチャンバラは、とことん見せてやろうというこだわりが感じられ、主演二人も見事に演じていますが、チャンバラを長々とやることばかりが能でもないでしょう。日本の時代劇なら、剣を合わせるまでのタメの部分にこそ見せ場があったりするしね。 エピソード8は賛否両論あるらしいですけれど、登場人物たちをバラバラにして並行に物語を進めた点ではエピソード5や6をうまく踏襲した感が、ありました。本作はもはや同様の路線を歩むこともできず、登場人物たちがつかずはなれず微妙な位置関係に終始しており、物語の広がりもあまり感じられません。 とかなんとか文句をいいつつも、エンドクレジットの背景にあのテーマ曲が流れてくると、ああ、これで終わりなんだなあ、としみじみしてしまう。もはや「ゆく年くる年」を見ているような気分ですかね。 それでは、次回、エピソード・ゼロでお会いしましょう。[映画館(吹替)] 6点(2020-01-03 08:26:23)(良:1票) 《改行有》

860.  スノーピアサー これは一種のシベリア超特急? 極度の階級社会である未来のディストピアを、走り続ける一本の列車内に設定している、というのが、誇大妄想というか、それとも誇小妄想とでもいうべきか、すでにやや陳腐なニオイを感じてしまうのですけれど、それはともかく。 この列車内という世界に、革命の動きが起こる。しかし、疾走する列車内、という感覚は、音からも揺れからもまるで感じられず、なのにいざ暴動が発生すると、これでもかと義務のようにカメラを揺らしまくり、ここまで律儀に揺らしてくれると、つい笑ってしまいます。 途中、段取り良く登場人物たちが一人また一人と斃れていくのは、『ポセイドン・アドベンチャー』も同じようなシステムでしたけど、あちらはそのシーンすべてが印象的だったのは、人物の描き方のうまさでしょう。本作のこの雑なキャラたちの雑な死に方とは大違い。一方では、死んだのかと思った実はヤツが生きている、どころか、自分がさっき刺されるなり撃たれるなりしたことを憶えてないんじゃないのか、と思えてくる場面もあったりして。 列車映画の楽しみってのは、列車の上を歩くとか・列車の側面にしがみ付いて窓から窓へと伝っていくとか・流線形の機関車前面にへばりつくとか、そういうシーンのヤミクモなカッコよさにあったりする訳で、せめてそういう楽しみが本作にあればもうちょっと見どころもあったのでは、と思うのですが、登場人物たちが車内に居続けて(しかもあまり車内には見えない)、列車の疾走する「勢い」のようなものがまるで感じられない本作、勿体なあとも思うのですが。[CS・衛星(字幕)] 3点(2019-12-30 10:35:28)《改行有》

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