みんなのシネマレビュー |
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861. 赤い文化住宅の初子 《ネタバレ》 ストーリーは非常に過酷で痛々しいのですが、希望と絶望の間を絶えず行き来している主人公役の東亜優の演技に惹き込まれてしまいました。 それにしても、やるせない話でしたね・・・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2008-03-15 21:28:08)《改行有》 862. 微熱 愛と革命の日々 《ネタバレ》 一組の男女を通じてノルウェーから見た70年代という時代の姿を描いたドラマです。左翼運動が盛り上がっていき、そして衰退していく流れは、日本とも相通じるものがあるので非常に興味深かったです。正直、ノルウェーという国自体そんなに知らないですから(サーモンとか名古屋のヨンセン位ですかね・・・)。 しかし、毛沢東思想がここまで世界的だとは・・・・ [DVD(字幕)] 7点(2008-03-15 21:27:13)《改行有》 863. コウノトリの歌 《ネタバレ》 ベトナム(北ベトナム)側からベトナム戦争を描いた作品は、あまり見る機会が無かったので非常に新鮮でした。 ベトコンの兵士達もアメリカ映画ではショッカーの戦闘員のような描かれ方しかされていませんが、この映画を見る限り恋の悩みを抱えていたり、戦闘への恐怖を感じていたりするような普通の若者たちなんですよね・・・・(まあ、当たり前なのかも知れませんが)。 また、この作品では内戦としてのベトナム戦争のエピソードも描かれていてそれも興味深かったです。 [地上波(字幕)] 7点(2008-03-15 21:25:37)(良:1票) 《改行有》 864. 化身(1986) 《ネタバレ》 藤竜也が弱く愚かな男の姿を悲哀たっぷりの演技で表現しています。前半はちょっと彼の粘っこさが気持ち悪いところもありましたが、後半で黒木瞳に翻弄されるようになってからの演技は中々良かったと思います。 まあ「男の甲斐性」なんて言葉が通用していた時代の終焉を描いた物語というところでしょうか・・・・・[地上波(邦画)] 6点(2008-03-13 19:09:23)《改行有》 865. オペレッタ狸御殿 《ネタバレ》 アヴァンギャルドに暴走する清順ワールドを、ただ口をポカーンとあけて見送ることしかできませんでしたね・・・・。ストーリー自体は比較的シンプルなんですが、とにかく独特で摩訶不思議な映像美と展開が非常に印象的でした。ただ、凄さは感じましたが面白かったかと言われると・・・・。 まあ、まさに狸に化かされたような気分にさせてくれる映画でしたね [地上波(邦画)] 5点(2008-03-12 17:25:50)《改行有》 866. デトロイト・ロック・シティ 《ネタバレ》 最高におバカで楽しくロックな青春映画ですね。とにかく面白かったし、最後のKISS(本物!)のライブシーンが、これまたド派手でいかがわしくて、尚且つめちゃめちゃ格好良くて素晴らしすぎます(ここだけ何回も観返してしまいました)。 KISS以外の音楽も、シン・リジィやヴァン・ヘイレン等とても良かったです。サントラ欲しいです。 何というか、学生時代ロックを聴き狂っていたので、その頃の「熱さ」を思い出させてくれる作品でしたね。 まあ、合わない人も多いとは思いますが、私にとっては10点満点の最高な作品でした。[地上波(字幕)] 10点(2008-03-11 12:56:21)《改行有》 867. それでも生きる子供たちへ 《ネタバレ》 オムニバス映画というと、大抵は顔見世興行的な感じで内容は二の次という印象が強かったのですが、この作品は違いました。それぞれのエピソードがどれも印象深いもので、それを名監督達が見事に映像化していて非常に素晴らしい作品になっています。(個人的には、スパイク・リーとクストリッツァの作品が好きです。) ラストの 「大人は誰も、昔は子供だった。でも、そのことを忘れずにいる大人はほとんどいない」(サン・テグジュペリ「星の王子様」より)という言葉が強く印象に残りました。 [DVD(吹替)] 8点(2008-03-05 18:39:00)《改行有》 868. ナッシング・パーソナル 《ネタバレ》 題名の「Nothing Personal」という言葉が全てを表していると言っても過言ではないですね。 結局、紛争というものは、基本的に己の主義主張と反し自分またはその身内に害を及ぼすものに対して生じるもので、必ずしも敵対する考えを持つ個人同士が憎みあっているばかりでは無いんですよね。 この物語は、そこで生じた「ねじれ」が、第三者の思惑等により更に複雑化し悲劇を引き起こしてしまいます・・・・・。 非常に考えさせられる映画でした[ビデオ(字幕)] 7点(2008-03-04 15:44:03)《改行有》 869. トランシルヴァニア 《ネタバレ》 情熱的なジプシー音楽と幻想的なトランシルヴァニアの風景が印象に残る作品でした。しかしまあ、アーシア・アルジェントやビロル・ユネルの情熱漲る激しい演技に口がポカーンとなってしまっていたというのが正直なところです。 [DVD(字幕)] 6点(2008-03-03 14:49:10)《改行有》 870. 橋のない川 第二部 《ネタバレ》 米騒動までの展開は面白かったんですが、その後から水平社設立のラストまでが急にとってつけたような雑な感じになってしまい、全体としては残念ながら出来が良いとは言えない作品となってしまっています。 ただ、前作に引続きどのような差別があったのかということと、教科書の数行の説明程度の理解しかなかった「米騒動」がどのようなものであったのかを知ることができ、非常に勉強にはなりました。 しかしまあ、北林谷栄と伊藤雄之助の圧倒的な存在感は本当に凄いとしか言いようがありませんね・・・・・。 [DVD(邦画)] 7点(2008-02-29 18:17:40)《改行有》 871. ああ爆弾 《ネタバレ》 歌舞伎や浪曲、狂言などの邦楽や念仏までも取り入れた、実験作とも言える和製ミュージカル喜劇です。 ただ、奇抜な演出のインパクトは強烈なんですけど、なんかそれだけというか、全体的にはそれ程面白くなかったというのが正直な感想ですね・・・・。 [DVD(邦画)] 6点(2008-02-26 18:20:53)《改行有》 872. 東京オリンピック 《ネタバレ》 「人類は4年に1度、夢を見る。しかし、これを夢のまま終わらせていいのだろうか」というメッセージが非常にグッと来ましたね・・・・。 まだ、商業主義に毒されておらず、純粋にスポーツの、そして平和の祭典であったオリンピックを芸術的に記録しています・・・。 開会式の入場行進、東洋の魔女、マラソンの円谷等々、当時まだ生まれていない私でも、胸に熱いものがこみ上げてきましたね。 [DVD(邦画)] 7点(2008-02-25 21:20:55)《改行有》 873. 偽大学生 《ネタバレ》 体制側も反体制側も目指す目的は違えど、やっている事にそう変わりはないと言う事を辛辣に描いた作品ですね。 結局のところ、人間なんて所詮己の欲望から逃れることの出来ない不完全な生き物な訳ですから、様々な目的や理想に対し純粋さを保つことなんて出来るわけがないんですよね。だから、純粋であるように振舞うためには、虚構の世界を作り上げるか、もしくは狂気の世界に身を置くことを選ぶしかないのかなと思いました。 ジェリー藤尾の迫真の演技がとても印象に残りました。 [映画館(邦画)] 9点(2008-02-25 21:02:40)《改行有》 874. 耳をすませば(1995) 《ネタバレ》 観ていて気恥ずかしくなってくるような、ストレートでファンタジックな青春アニメでした。まあ、とりあえず立花隆の声優起用はどうかと思いました。それと、主人公達に「人生は長い。結論を急ぐな」とアドバイスしてあげたいですね。 [地上波(邦画)] 6点(2008-02-25 21:00:51)《改行有》 875. プーサン 《ネタバレ》 文章ではなかなか把握することができない、戦後まもない昭和20年代後半の世相が描かれていて非常に面白かったです。(朝鮮特需、女性の地位向上、血のメーデー、自衛隊の前身組織等々) なんというか、日本が戦前・戦中の姿から徐々に変わっていきつつあるところが見えて興味深かったですね。 悲哀に満ちていながらどことなくユーモラスな伊藤雄之助の演技が非常に印象的でした。 [映画館(邦画)] 8点(2008-02-24 22:50:21)《改行有》 876. ビルマの竪琴(1956) 《ネタバレ》 戦争がいかに虚しいものであるかが、美しい竪琴の音色や歌声と共に伝わってくるような映画でした。 ビルマの風景がとても印象的でした。ただ、白黒なんですよね・・・・。「ビルマの赤い土をどうしてもカラースクリーンに描きたかった」と30年近く後にリメイク作品を撮った市川監督の気持ちが良くわかります。 北林谷栄が、この切ない物語の中で一服の清涼剤の役割を果たしています。 [映画館(邦画)] 7点(2008-02-24 22:25:20)《改行有》 877. 選挙 《ネタバレ》 この作品は市議会選挙という国会議員の選挙よりも人々の生活に身近な選挙(まあ身近に感じてない人も多いと思いますが)、しかも選挙区は多摩田園都市という現在の日本の「普通」の姿を描くにはもってこいの場所ということもあり、日本の選挙の実態を描くだけでなく、選挙という「非日常」的なイベントを通じて「日本の日常」をも描き出している貴重なドキュメンタリー作品です。 結局のところ日本の政治(どこの国も似たりよったりだとは思いますが)は、利権としがらみの中で動いていることが実に良くわかる作品に仕上がっていますね。 政治家は、選挙区内の利権としがらみに入り込むことにより票を固めていき、それ以外の浮動票はあくまでもイメージとインパクト勝負。そりゃ、政治離れも進みますよ。 「観察映画 第一弾」と銘打たれているように、余計な音楽やナレーションを排除してひたすら選挙活動を観察している作り手側の姿勢も良いと思いました。 しかしまあ、田園都市線の混雑ひどすぎ・・・・[DVD(邦画)] 9点(2008-02-24 22:05:52)《改行有》 878. さよならみどりちゃん 《ネタバレ》 星野真里の演技はとても良かったし、ストーリーも悪くはない・・・・。でも、やはり男の私としてはここまでしょうもない男連中の生態を延々と見せられるのは苦痛以外の何物でもありませんでした。特に西島秀俊が演じる男のスッとぼけた態度が腹立たしくて・・・・。 まあ、一言で言えば「合わなかった」映画でした。[DVD(邦画)] 3点(2008-02-24 21:21:16)《改行有》 879. ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習 《ネタバレ》 サシャ・バロン・コーエンが、馬鹿をやっているように見せておいて実は非常に計算された「挑発芸」を見せてくれています(そうでない部分もあると思いますが)。彼の分身であるボラットにより、次々と暴き出されるアメリカの「本音」が非常に興味深かったですね。 単純にコメディとしても、ロデオ会場でインチキ国家を歌うところとか(しかも、ややビビッているところが可笑しいです)、黒人の若者から教わったスラングをホテルのフロントで使って追い出されたりするところ等笑えるシーンが多く楽しめました。まあ、ペンテコステ派の教会のシーンなんかは最初は架空の設定なのかと思ったら、実在するんですね・・・・インパクト強かったです。 まあ、ただあまりにも自虐的なユダヤ人ネタや、下品すぎる下ネタはやや行き過ぎのような気がしましたね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-24 20:38:10)《改行有》 880. 亀も空を飛ぶ 《ネタバレ》 イラク戦争時のクルディスタンの状況、人々の暮らしぶりをドキュメンタリータッチで描いた非常に貴重な映像作品です。 正直言って、この映画について簡単に感想を表現する術を私は持っていません。ただ、何とも言えないやりきれなさを感じてしまうだけです・・・・。 アメリカはイラクをフセインから解放すると言っているが、イラン・イラク戦争時にフセイン政権を支援しクルド人虐殺を黙認したのは一体どこの国なのか?結局のところ、この作品に出てくる子供達はアメリカという国の利己主義が産んだ犠牲者とも言えるのではないか(もちろんアメリカだけが悪いわけではないですけど。アメリカに対する大人と子供の感じ方のズレも興味深かったです。)?というような事をいろいろと考えさせられました。 鑑賞後、DVDに収録されているメイキング映像を見てちょっとホッとしました。その位、重い内容の作品でしたね。 [DVD(字幕)] 7点(2008-02-19 18:30:03)(良:1票) 《改行有》
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