みんなのシネマレビュー |
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921. 続・荒野の用心棒 《ネタバレ》 西部劇で機関銃は反則だ。 棺桶を引きずって歩くガンマン、両手を潰された上での最後の決戦など、アイデアはユニークで印象に残る。 『荒野の用心棒』の続編かと思えば、まったくの別物。[DVD(字幕)] 5点(2014-03-31 18:46:48)(良:1票) 《改行有》 922. 海の上のピアニスト 《ネタバレ》 ヒューマンドラマと思っていたらファンタジーだった。 主人公の生き方や言葉は、寓意に満ちて哲学的でもある。 現代なら引きこもりに分類されそうではあるが。 船を下りずに死んでいくことに共感できるくらいの何かがあればもっと感動できた気がする。 やりようによっては傑作になりそうなアイデアだったのに惜しい。[ビデオ(吹替)] 5点(2014-03-30 02:18:06)《改行有》 923. アパートメント(1996) 《ネタバレ》 時間軸が行ったり来たりで混乱する。 ただ、そのおかげでサスペンス性はうまく演出されている。 謎解きで引っ張られるが、ストーリーの内容自体は物足りない。 以前恋人だったリザを追いかけていた男が最後にアリスを選択したかと思えば、婚約者とって何じゃそりゃ…。 婚約者のいる男の節操のなさに引いてしまう。 モニカ・ベルッチは綺麗だった。[DVD(吹替)] 5点(2014-03-30 02:06:58)《改行有》 924. デーヴ 《ネタバレ》 「君のためなら死ねる」というSPの言葉は、ともすればコントのように浮いてしまうセリフ。 なのに前フリが絶妙に効いているので素直に心に響く。脚本がうまい。 真心のある素人が利権を貪るプロの政治屋をやりこめ民衆の声に応えるあたりは、「スミス都へ行く」を思い起こさせる。 シンプルでベタなストーリーでリアリティのない夢物語だけれど、こんな政治家がいればと思わせてくれる。 大統領夫人がもう少し魅力的だとラブロマンスにももっと入り込めたのだが。[DVD(吹替)] 6点(2014-03-28 00:48:58)(良:1票) 《改行有》 925. 17/セブンティーン 青春ものは嫌いじゃないけど、この作品は最後までピンと来なかった。 レンフロの整った顔が印象に残ったくらい。[ビデオ(吹替)] 4点(2014-03-26 22:55:52)《改行有》 926. デッドゾーン 《ネタバレ》 事故以降に身についた超能力が、触れた相手の過去を知るのか未来を予知するのか、その時々によって違うのが少し気になった。 スティーヴン・キングの原作だが、2時間の枠に詰め込まなければならなかったのでじっくり描ききれなかった嫌いはある。 クローネンバーグ監督には『クラッシュ』『ヴィデオドローム』で苦手意識を持っていた。 でも、この作品は監督のアクの強さのようなものは感じずに済んだ。[DVD(吹替)] 5点(2014-03-26 22:54:28)《改行有》 927. 恋はデジャ・ブ 《ネタバレ》 もし同じ1日を何度も繰り返すことになったら――。 やり直しが何度もできるメリットと、明日につながらないデメリット。 おもしろいアイデアだったけれど、少し中だるみがある。 ラストのオチは読めたが、生まれ変わったから次の朝を迎えられたということに説得力が伴っていない。 SFだからそれでいいのかもしれないけど。[DVD(吹替)] 6点(2014-03-26 22:53:08)《改行有》 928. 偽りなき者 《ネタバレ》 善意の勘違い人間が一番始末に終えない。 子どもの嘘を真に受けて、無実の男の人生や家族をメチャクチャにしてしまう。 特別なストーリーではなかったが、誰にでも起こりうることだけに身につまされる。 邦画では『それでも僕はやってない』に誰にでも起こりうる冤罪の恐ろしさを感じさせられたが、本作はさらにインパクトが強い。 誤った情報に扇動されて、その思い込みによる「正しい」信念に基づく攻撃的行為は、本人に悪意の自覚がないだけにタチが悪い。 園児を守ろうとした園長や園長に依頼された専門家が、ルーカスを犯人と決め付けていく過程がリアル。 専門家の誘導尋問にかかれば子どもの口から聞きたい答えを引き出すのは簡単だ。 ルーカスの冤罪が親友のテオの娘クララによって生じたことから、人間関係が一変してしまう。 親は子どもの言うことを信じるもの。 でも、子どもは嘘をつかないなんて幻想でしかない。 それでも遅まきながら、テオがボロボロになったルーカスの訴えに耳を傾けたのが救い。 ただ、一度思い込んでしまうとその考えに固執してしまう人もいる。 狩りの最中にルーカスを狙った銃口が憎悪の根深さを感じさせる。 真実は一つのはずだが、それを見極めるのは難しい。 ここでは性的虐待という濡れ衣を大人が着せられていたが、現実の世界では大人が性的虐待をしながら自己保身で否認しているケースの方が多いだろう。 だから、訴えられたほうがやっぱり疑われてしまう。 監視カメラが街中に設置される時代になったが、「神の目」のようにどこであろうと真実だけを映し出すカメラがあればいいのに。 この映画を観ると、そんなありえない空想を抱いてしまう。[DVD(字幕)] 8点(2014-03-23 14:12:17)(良:2票) 《改行有》 929. ショーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 ホラーとコメディは本来うまく噛み合わないものだと思っていたが、これはうまく融合していた。 ホラーの緊迫感がある中での間の抜けた行為が、緩和剤になってクスリと笑わせてくれる。 ゾンビの大群に囲まれた絶体絶命の状況で、ゾンビのふりをして切り抜けようとする発想がバカっぽくていい。 かと思えば、ゾンビとなった肉親を撃たなければいけない葛藤など、シリアスなドラマも織り込んでいる。 生身の人間に精気がなくゾンビのように見えるところもあり、皮肉とブラックユーモアが効いていておもしろい。 同じエドガー・ライト監督&サイモン・ペッグ主演の「ホット・ファズ」がまったく合わなかったのに。 わからないものだ。[DVD(字幕)] 7点(2014-03-23 10:13:58)(良:1票) 《改行有》 930. 世界の涯てに(1996) 《ネタバレ》 白血病の女性がある男に出会って最後の恋に落ちて――。 恋する相手のどんでん返しはあったものの、大まかにいえば難病ものによくあるベタな設定。 映像やストーリーがロマンチックな女性向けか。[ビデオ(邦画)] 3点(2014-03-18 20:44:18)《改行有》 931. ヤングガン2 《ネタバレ》 無鉄砲でいきがった不良中学生のような未熟さを持つビリー。 こんなのをリーダーに持った仲間はたまらない。 堅実な道を歩もうとしていたドクも、ビリーに憧れた少年も、関わった者はみんな殺されていく。 そんなビリーの生き方は、その高笑いに象徴される態度も含めて苛立たせる。 悪党にも愛すべき悪党とそうでない悪党がいるが、自分の中では愛すべき悪党にはならず。 好戦的なビリーは死ぬべくして死ぬ人間だけど、ドク、チャべス、少年らビリーに付いて行った人間が哀れで、ビリーから離れて敵役に回ったパットの方にむしろ共感できる。[インターネット(字幕)] 6点(2014-03-18 20:38:53)《改行有》 932. バウンド(1996) 《ネタバレ》 レズビアンという設定で濡れ場もあるが、ケバくてあまり魅力が感じられないのが残念。 マフィアから200万ドル横領しようとした男が殺されるが、その金を二人が横取りしよう計画しての攻防戦。 罠に嵌まって追い詰められたシーザーの暴走ぶりが真に迫っていて、緊迫感のある展開に結構引き込まれる。[ビデオ(吹替)] 6点(2014-03-16 21:01:24)《改行有》 933. ヤングガン 《ネタバレ》 アウトローの群像劇はそれなりにおもしろいのだが、肝心の主人公に好感が持てない。 ビリーは人を殺すことに躊躇がなく楽しんでいるようで、新入りのくせにボス気取りで生意気なキャラも鼻に付く。 あくまでもグループのトラブルメーカー、はねっかえり的末っ子というサブ的な扱いならしっくりくるキャラ。 リーダーとして仲間がついていく器量とは思えない。 ドクやディック、チャべスらのほうが魅力的に映った。 敵役だけど六人のヤングガン相手に戦った老雄ロバーツの猛者っぷりもカッコいい。 ビリーを愛すべきならず者と感じるか感じないかで作品全体の印象が違ってきそう。[DVD(字幕)] 6点(2014-03-16 11:58:32)《改行有》 934. フォー・ザ・ボーイズ 《ネタバレ》 最初はどこにでもいるオバサンに見えたベット・ミドラー。 これが主演だとちょっと厳しいかなと思っていたら、どんどん存在感を放ってくる。 ベトナム前線基地の慰問で若い兵士たちを前に歌った「In My Life」は鳥肌もの。 いわゆる反戦映画だが堅苦しいところはまったくなく、ディクシーとエディのコンビを中心に味わい深いヒューマンドラマになっている。 二人のかけあいは長年連れ添った夫婦漫才のよう。 お互い自己主張が激しいので始終ぶつかってしまうが、切っても切れない絆が感じられる。 おかしかったのは、エディが勝手に朝鮮戦争の慰問を発表し、その仕返しにディクシーがエディの10万ドル個人献金を発表したシーン。 オンエア中なのでお互い否定するわけにもいかず笑顔でステージを終えたものの、幕が下りた瞬間に幕越しに喧嘩している二人の姿が笑える。 こうしたユーモラスなシーンも物語に配置されているので、戦争がらみの重い話の緩和剤になってくれる。 ディクシーの毒舌とユーモアはどこかミヤコ蝶々に通じる味わいがあっていい。[ビデオ(吹替)] 8点(2014-03-16 00:43:16)《改行有》 935. 下妻物語 《ネタバレ》 いい意味でバカっぽくて楽しい。 演出が『嫌われ松子の一生』と似てるなと思って観ていたら、同じ監督の作品だった。 あちらはとても切ない気分にさせる良作だったが、こちらは同じ良作でも爽快で痛快な青春もの。 小ネタのセンスが良くて何度もニヤリとさせられるし、なにより主演二人のキャラがいい。 深田恭子と土屋アンナがロリータ少女とヤンキー娘にこれ以上ないくらいハマっている。 特に深田恭子の魅力がたっぷり。 勝手な先入観で今まで見るのを敬遠していたのだが、漫画チックなおもしろさで予想外に楽しめた。 幹となるストーリーに少し物足りなさは感じるものの、キャラと演出のセンスの良さで補えた。[DVD(邦画)] 8点(2014-03-13 22:25:06)(良:1票) 《改行有》 936. ビッグ シンプルで深みはないものの、理屈抜きで楽しめるファンタジー。 スーザンが大人のアプローチをしようとするのに、子どもっぽくあれこれ車内をいじくり回すジョッシュ。 スーザンの戸惑う姿がクスリと笑える。[ビデオ(吹替)] 7点(2014-03-13 00:43:13)《改行有》 937. キャスト・アウェイ 《ネタバレ》 バレーボールを友人(ウィルソン)にしないと正気を保てない孤独の中で生き延びた主人公。 命がけで奇跡の帰還を果たしてみれば、愛する人は人の妻。 あまりに切ない結末だけど、これが現実。 それでも受け入れて進んでいけばいい。 二人が元鞘に戻るという能天気なハッピーエンドじゃなくて良かった。 島からの脱出は『パピヨン』を彷彿させる。[ビデオ(吹替)] 7点(2014-03-13 00:41:07)《改行有》 938. カリートの道 《ネタバレ》 同監督の『スカーフェイス』よりこちらのほうがいい。 生え際の後退した弁護士がショーン・ペンだとはまったくわからなかった。 薬中のイカレた悪徳弁護士を好演し、主演のアル・パチーノを引き立てている。 身内からも裏切りが当たり前のようにある汚い世界は『仁義なき戦い』のよう。 そんな中で、借りは返さずにはいられない義理堅い男カリートの不器用な生き方は応援したくなる。 カリートの夢は足を洗ってレンタカー屋になって愛する女と平穏に暮らすこと。 その夢が裏切りによって潰える最期は哀れを誘う。 悪の道にいったん浸かってしまうと抜けられない定めか、それも所詮は自業自得ではあるのだけれど。 マフィアからの逃亡劇は見どころの一つだが、追っ手が超肥満男や年くったオヤジでは間が抜けていて少し滑稽だった。 ああいうのは普通もっと若くて動きのいい兵隊にやらせるだろうに。[DVD(字幕)] 8点(2014-03-12 18:14:20)(良:1票) 《改行有》 939. Shall we ダンス?(1995) 社交ダンスにまったく関心のなかった人にもちょっとやってみようかという気にさせる映画。 草刈民代のような人に教えてもらえるなら。[地上波(邦画)] 7点(2014-03-11 17:40:55)《改行有》 940. トレインスポッティング 《ネタバレ》 どうしようもない薬中たちの青春グラフィティ。 ドラッグには縁のない人生を送ってきたので共感はできないが、別世界を覗き見るようなおもしろさはある。 不気味な禁断症状の幻覚にも軽快な音楽が疾走感を醸し出す。 泥舟から抜け出すように仲間を裏切って逃亡する主人公。 ラストで堅気になる決意を表すモノローグに、棘のようなものを感じて余韻を残す。 「そうやって平穏に暮らすのさ。寿命を数えながら」 自分たちをクズとしか見なさない、世間の一般常識から外れない人たちへの皮肉も込められているようで。[ビデオ(吹替)] 6点(2014-03-10 20:26:26)《改行有》
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