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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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81.  コマンドー 《ネタバレ》 昨年、ちょっとした大事件があった。 コマンドーの日曜洋画劇場版吹き替えバージョン(玄田哲章版)収録盤DVDが発売された。それはコマンドー伝説が地上に現れ、4半世紀を経て神話として結実した瞬間であり、コマンドーを心の中どこかに置き忘れたすべての人にある種、警告として権現した瞬間であった。 だが忘れてはいけない。伝説は神話となったが、それを収める聖典は不完全なものだ。完全なHDソースと日本語吹き替えを収録したBD盤がリリースされることで我々はすべてを備えたそれを手にすることができる。2010年現在、売られているBDはDVD盤に劣る模造品であり、文明的な価値は薄い。 しかし、やがて地上に現れるであろうそれを購入したとしてもテレビ放映を高ビットレートで録画しながら、リアルタイムで見てしまうのだろう。[地上波(吹替)] 7点(2010-04-04 18:54:28)(笑:1票) 《改行有》

82.  ドラえもん のび太の海底鬼岩城 《ネタバレ》 ものすごい小さい頃にみて、未だに筋を鮮明に覚えている。ドラえもんの映画でそう言う記憶があるのはこれと鉄人兵団だけだ。 この作品は、おそらくえらくマッタリしていて、説明的過ぎるのだろうと思う。けど、子供に楽しんでもらおうというビームがバンバン出ていて、夢中で見た。今この話をもう一度見てみようかなという気持ちには積極的にはならないと思う。けど、楽しかったという覚えがあるしこのままの方が良いだろうと思う。 絶望的に感じたあの雰囲気や、どうにもならないかもしれないあの状況が凄い。この作品を不意に思い出して、ほかのドラえもん映画をちょっと見てみようかな。などとふと思ったりした。[地上波(邦画)] 7点(2010-03-07 19:40:06)《改行有》

83.  となりのトトロ 《ネタバレ》 夏になると、夜4チャンで知らずのうちに始まっている。何回見たかわからないけれど、何度でも何回見るかわからないくらいの回数を見続けるんだと思う。 苛烈な事件や出来事は何も起きない。どうと言うことのない出来事が起き、静かに収束する。だけど、そのどうと言うことのない出来事は、サツキたちや私たちにとって大変な事件でありとてつもない瞬間であったりする。それを何度でも眺めてその世界に残っていたいからきっと何度でも見るのだろう。 魔法やお化けが出てくる童話よりも、現実世界の童話の方が難易度が高く、それでいて、おもしろさの価値というのは等価であるからさらに難しい。難しい仕事をしたからといってつまらなかったら、再発売されることもなくネット上で笑いの種になるようなアニメが残るのだろう。しかし、こういう話をスッと作ってのけるあたりに宮崎駿の凄さを感じずにいられない。 完全に現実路線にせずむやみに小難しい話を曲芸のように作ることをせずに、トトロや猫バスといったファンタジーの類をもしかしたらいるのかも、と思わせるギリギリのところで使う技量に感嘆してしまう。感嘆しすぎてテレビでやるたびにかぶりついている。 見終わった後、「ウワァ面白かった!」と日常生活のさっぱりしたとても良い気分転換になる。とにかく秀逸。 どれくらいフィクションの中にある疑似哲学や疑似問題提起に毒されているかを、チェックする良いバロメーターにもなる。[地上波(邦画)] 9点(2010-03-06 13:24:31)《改行有》

84.  フィールド・オブ・ドリームス 《ネタバレ》 何回見たって面白い。 ケビンコスナーってこういう普通のお父さんを演じさせてると最高。ちょっとずれてるけど、そのズレ方が心地良い。 主人公の決意は見ず知らずの作家を巻き込むが、そこに至るまでの出来事が家族の野球を楽しむことに対する情熱と、それを大切にしたいという気持ちが、引退した作家を引きずり込む事に疑問を抱かせない。 この作品には親子の再会が下敷きになっているけど、そちらの感動よりも大事にしていた野球という物を自分が望む形で手に入れるという、その過程に心を大きく揺さぶられる。その大事に作り上げた球場の中で、大事な存在にであって邂逅を果たす。二重の揺さぶりにもう胸がドックンドックンするわけだ。最高。 もうダメだ、と思われるような状況で冷たかった親類が彼に感化される下りなど、あのスピード感が良い。凄く良い。誰も悪者がいない、球場に向かってくる大勢の人たち。この後球場を目の当たりにした観客と、そのマネージャーたる彼の家族とその親類たちはとんでもないエンターテイメントを目にするわけだ。その様は具体的に表現しなくても良い。幸せな空間がそこにあるのだろうと確信できるだけで良い。あのラストは最強の一手だった。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2010-01-23 21:20:52)《改行有》

85.  未来世紀ブラジル 《ネタバレ》 学生時代に深夜放送で何回も見た記憶がある。何回みても良さがわからない。ストーリーが、壊れたプロット上何食わぬ顔で進んでいくのにいつもイラッとさせられた。この壊れ加減が心地良いか不愉快なのか、そこで印象は変わるだろう。 ただ、激しく不愉快だけどもとりあえず観る。ここがむかつくんだよ、ここがあざとい。ここはオマケだろ。等々、内容の詰まった観賞が出来る。これは楽しめているって言うことだよ。そういうことを言ってくれる人もいるかとは思うが、好きじゃない。 そう言ってはいるが、深夜にでもやっていたらまた観てしまうんだろう。[地上波(字幕)] 3点(2010-01-08 21:45:00)《改行有》

86.  木を植えた男 《ネタバレ》 一生忘れないだろう、そういう作品にはごく希、希どころか何かの手違いのような偶然で出会うことがあるのだろうけど、この作品は誰でもいつか出会うだろう。どんなに入手困難になろうと、多くの人の記憶から一時、薄れてしまおうと消えることはない。じっと正しく生きていれば、いつか出会うはずだ。 作中、二人の男は偶然であう。旅する男が水を求め歩き続けると、木を植え続ける男は彼と出会う。この出会いはほんの偶然でそれ以上でも以下でもない。それがきっかけで何かが動き始め芽吹くわけでもない。出会った旅人は、後に森となったその土地に何かを与えたり奪うわけでもない。 しかし、傍観者であり木を植える男の友人である彼はこのお話を思いを込めて語った。ジャン・ジオノという作家が作った架空の人物は、バックが描いた実像を伴って映画になった。 プロヴァンス地方に彼らが遠い過去、現実の世界にもしかしたら存在していたかもしれない。この映画に出会う誰だって、そう信じることができると思う。[地上波(吹替)] 10点(2010-01-06 22:08:03)《改行有》

87.  死霊のはらわたII 《ネタバレ》 ああぁあオモシレー。っていう、ホラーで一番笑える映画だった。 なんて言うかね、壊れちゃってるの。大事なところが。大事なのはね、大事に扱ってたはずなのによく見たら豪快にものっそい壊れちゃってて、一瞬直そうかなって思ったけど、やっぱムリ。みたいな味わいが良いの。 で、壊れちゃってるのが演技過剰なアッシュさんだけじゃないところがポインツ。[地上波(字幕)] 8点(2010-01-04 20:17:59)《改行有》

88.  エイリアン2 《ネタバレ》 キャメロンは2本しか2を撮っていない。にもかかわらず、1がどんなスタイルでもキャメロン味にしてしまうというイメージがある。T2とエイリアン2の2本でそういうイメージを作ってしまったのだから凄い。キャメロンがキャメロン味であるという宣言をした最初の映画であり、これ以降がより高度なキャメロン味であることは全然おかしなことではない。 基本的にこの監督の映画は、出てくる人物は表面的には悩まない。設定の穴を追い込まない。特殊効果に妥協しない。この3本の柱がびくともしない。悩まない様に見える人物は、巧妙に悩みがあると言うことを明示しており、設定の穴をわかりやすく残すが、それを伏線ともトリックともつかない方法で鑑賞中に気づかせない技法が確立している。さらに特殊効果。本作でも半端ではない。金をかけただけではダメよというメッセージがズビズビ伝わってくる。 こういうことができるのはやはりアメリカだからだろうが、これだけの金が関わる仕事とは、その責任の大きさかどれくらいのものになるのだろうか。想像もつかない。だけど、この映画に登場するキャストからスタッフまで、おそらくは妥協のだの字も無かったのであろう完成度にはうんざりするほど手に汗握る。 欧米亜問わず多くの文芸作品は、はっきり言って逃げている。さも文芸作品であれば、人が悩んで人生がうまくいかなければ、困難な恋愛であれば、ハリウッド資本の特殊効果映画よりも魂が上級であるとでも言わんばかりのものを量産し続けている ところが、この映画の様に徹底的に作り込んで楽しませて、感激する様な作品はどれだけあるだろう。単に悲惨なカタログに落ち着いちゃっているのを文学青年にちやほやされてるだけのクオリティの映画がどれほど多いかを考えると、仮に文芸がアクションより上だとしても、関わっている多くの職業人が職業人として上だとは思えない。[地上波(吹替)] 9点(2009-12-29 22:49:44)(良:1票) 《改行有》

89.  プレデター 《ネタバレ》 なかなか面白い。 現在、プレデターという名称がこのプレデターで固有名詞化していて、何がおそってくるのか、という点で非常に損をしている。子供の頃10ちゃんかどっかで夜放映されていたこれを見たとき、非常にラッキーだったのはテレビをつけたらすでに10分くらい経過していてその日やっていた映画がなんなのかよくわかっていないまま見続けることができたことか。 そのおかげで、この映画の最大の特徴である「誰と戦っているのかよくわからない」ことと「それなのに戦わなければ問答無用で殺される」という不条理的でミステリー的な要素を存分に味わうことができた。 この映画の面白いところは、それまでのコマンドもののアクションには無かったそういう要素を上手に取り入れたことにあると思うけど、それだけに後年の作品と比べると粗が目立つというのは仕方ないだろう。当時のパワーバランスの表現が銃器の火力表現に重点が置かれていたためか、戦術的な説得力を持たせる描写を排除している。 そこがこの時代の味わいといえばそうだが、そのせいで終盤に入るあたりからの各キャラクターの戦闘シーンがホラー映画の雑魚キャラ惨殺シーンのように、ルーチンになってしまっている。スプラッター映画の標準的なプロットを使っているためか、そこで味わいが損なわれてしまっているのが惜しい。このシークエンスでホラー映画的な圧迫感が出てしまっていて、そのストレスの量を作っている側が気にしてしまっている感が残念。 とはいえ、この時代には正体不明の敵との不条理な戦闘を提案すること自体が意外だっただろうから、それ以上に突っ込んだパワーバランスバランス描写は存在しなかっただろう。そういうわけで仲間とハイテク肉食獣との戦闘で彼らがそれぞれどのような逡巡を見せ、どのような傷を負い、それがどう筋を作るかというところは後の技術に譲ることになるのは仕方ない。 しかし、それを逆手にとって、ハイテク肉食獣に近代兵器をあきらめ頭脳戦での原始的な決闘に持ってくのは巧い。筋肉男の筋力も、最新の火器も通用しないとき、太古のブービートラップで猛獣を捕獲するっていう記号性が何とも良い。 20年以上前のアクション映画の筋書きだが、あんまり時代関係なく楽しめるのは、作り込みがしっかりしているからだろう。[地上波(吹替)] 8点(2009-12-20 21:08:42)《改行有》

90.  ダイ・ハード 《ネタバレ》 もう、ホント素直に面白い。 絶妙のバランス感は、よく言われていることではあるけれど、よく言われている以上に寝られているように感じる。冷静に、何か作業をしているときのBGVになってさえ発する重圧は、生理的にそう感じさせるほどに洗練されている。 主人公と敵の距離感だけではない。主人公と奥さんの距離感、主人公と顔もわからぬ相棒との距離感、主人公と建物の位置関係、小道具との位置関係、さらには観てる客との位置関係。これが巧妙に計算されている。すべてが同時に変わる。スゴイ。 次々と、舞台の大きさを換えていく続編だが、大きさと難易度の比率がもっとも優れているのは言うまでもなく1だ。確かに密室を大きくした方が完成に要求される難度は高まる。間違いない。が、かといってそうする必要性って実際は無い訳で、ダイハードの自己同一性をブルース・ウィリスだけでなく、密室劇であるというところに安易に置かせてしまうほどの完成度だったということか。 80年代の映画の質感と、この味わいがダイ・ハードをとんでもないところに押し上げてしまった。予備知識ゼロで観たターミネーター2を観るまで、まさかこの映画より面白いアクション映画があり得るなんて想像すらできなかったほどだ。[DVD(吹替)] 9点(2009-12-07 22:02:13)《改行有》

91.  時をかける少女(1983) 角川クオリティにはイラッとさせられる。 雰囲気はツボにはまる人もいるのだろう。だからこう言う様式が存在するのだと思う。が、これが本当に映画フォーマットにマッチしているのか少々疑問だ。書籍フォーマット的な間がそれにそぐわないということは、最近の映画化作品を観ると認識があるということが理解できるが、その前の時代であるから仕方ないのだろう。 それでも、やはり金が余って余って仕方なかった時代なんだろう。とにかく高みが好き、という作りには嫌味が漂っていて時折不愉快になる。現在の中国のような、水準にないことを出来ていると力説するような印象を持った。 やっていればとりあえず観てしまう映画ではあるが、芸術性や感動はあまり感じない。[地上波(邦画)] 4点(2009-11-23 15:38:07)《改行有》

92.  グーニーズ 思い出補正っていうのも、それほど悪くはないんじゃないか。そういう気持ち。 最初に見たのは「児童」のときだが、最後に見たのは「学生」の時だ。初見では気にならなかった荒っぽさや物語を進ませるための都合も、最後に見たときにはかなり浮き上がってしまっていた。 この映画は、生きていけば生きていくほど増えていく余計な知識を、意図的にそぎ落としたキャラクターたちで作られているのだと思う。年月がたてばたつほど現実世界の人間が持つ当たり前の感性が、登場人物たちとの距離を作り出す。そして彼らと現実性との乖離は進み、ついには見られなくなってしまうのだろう。 そうであれば、子供の頃この映画を見ていた時に一緒に見ていた大人たちは、おそらくこの映画を見ていたんではなく、この映画を見て無邪気に楽しむ子供たちを見て楽しんでいたのではないか。 子供ではなくなってしまった人間が、子供時代を懐かしむときに、子供時代の自分だけではなく周辺の大人の気持ちなんかを考えると、とっても優しい感じの記憶になってよみがえるだろう。この映画自体にはノスタルジーを喚起する仕掛けが施されていないのに、不思議な作品だと思う。[DVD(吹替)] 8点(2009-11-20 21:34:10)(良:2票) 《改行有》

93.  ザ・カンニング〔IQ=0〕 《ネタバレ》 面白い。テレビでやってるとボーッと必ず観てしまう型映画だ。 くだらないとしか書きようがないイタズラでグイグイ引っ張っていって、中盤で爆破! 中盤で爆破クライマックスしてしまう。子供心、フランス映画のセンスに慄然とした瞬間である。 このシーンの笑って良いのかいけないのか分からない、ギャグの調合具合に初見では凍り付いた。そのあとプププだ。「ありましたー!」ボーン!である。あの骨の有り様はドリフだ、これの根底にあるのははドリフだたぶん。 この後カンニング作戦と相成るが、実は中盤までの流れが美しすぎてこの部分が後日談のようになってしまっている。やっぱりハリウッドの方が構成が巧いんじゃないかって思った。 とはいえ、頭空っぽにして観られる非アメリカ映画としてかなり貴重だ。もう一度12チャンで昼間にでも放映してほしい。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-15 21:59:11)《改行有》

94.  台風クラブ 可もなく不可もなく感じた。が、受け手に背伸びを求める作りは少しイラッとする。 正直、冗長さに耐えられない演出は当時の日本映画独特の間ではあるのかもしれないが、それを技法である、というところまで持って行けているだろうか。そう思えない。 せっかく動画フォーマットなのに、文字で書かれた情景をそのままの時間換算で動画にしただけではないのか、と思えてしまう。閉塞感や鬱陶しさのような感覚は生まれるが、生まれてしまったそれらが、生もうと思って生まれているような感じがしないのは、どういう訳だろう。 うまく受け手それぞれの記憶に、進んでいく物語をシンクロさせようという試みなのかもしれないが、その思惑にうまく乗っかることが出来なかったら大変な苦痛を味わうかもしれない。[地上波(邦画)] 5点(2009-11-15 20:32:31)《改行有》

95.  レッド・スコルピオン 《ネタバレ》 意外とおもしろくない。期待していなければもしかしたらね。という感じ。 アフリカ諸国の社会主義国家の抱える不安定性というものを、巧く取り込んでいる。が、当時の時事ネタを映画にする脚本技術の限界なのか、そういう風に見えてこないのが何とも残念。 スタローンやシュワルツェネッガーが敷いた、コマンドモノがベースにある(というかそういうのを期待している客をターゲットにしているモノ)から、どうしてもシリアスさに限界が生じるのだと思うが、やむを得ないか。 見せ場のアクションシーンの完成度も高く、それが故にソ連という設定、アフリカという設定、部族に認められるという設定が共食いを初めてしまう。B級映画はこのあたりが共存してしまうせいで満足感が高いが、この映画はB級になるチャンスを逸してしまっている。 題材がいいことは、何も悪いことではないが、それを何とどう組み合わせるのかを間違えるととたんにすべての材料の味が薄い映画になってしまうと言うことがよくわかる。[映画館(字幕)] 4点(2009-11-14 00:42:08)《改行有》

96.  デューン/砂の惑星(1984) 《ネタバレ》 なかなかおもしろいと思う。 世界観とか美術はそんなに悪くないんじゃないだろうか。グロテスクな見せ方はたぶん今見ても気持ち悪いんだと思うけど、スパイスとしては悪くなんじゃないだろうか。 SF的な設定としても結構細かいところがあったりして、オっと思わせるけど、そんなどうでもいいようなことに細かい時間を積み重ねるから尺が足りなくなるんじゃないか?原作にある程度親しみがないとゾッコン惚れ込むということは難しいかもしれない。 とはいえ、大学生がどうしようもなく暇なときに、何となくテレビつけたらやってた的なシチュエーションで見たとしたら1000円拾って届けでたら、半年後もらえた位の幸運では。 話自体は作りかけ、という気がする。というか投げちゃったとかそんな感じか。画的にはリンチでいいのかもしれないけど、言われてみるとなるほど、バーホーベンというのもアリだと思った。なるほど、こういう映画って確かにバーホーベンだ。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-10 23:14:49)《改行有》

97.  ダーティファイター/燃えよ鉄拳 《ネタバレ》 この緩さ、たまらん。子供の頃、テレビでやっていると必ずかじりついた。 前作同様の強いけど弱い男とそれを支える仲間、とあの猿。ほんとに心が温まる。 ファイロを執拗に追いかける弱すぎる暴走族は、今度も感心するほど弱いが、彼らもこの映画の良さを十分に引き出すスパイスだ。彼らが出てくるだけで笑ってしまう。吹き替え台詞のセンスも抜群で、実に良い。 宿敵との心温まる交流や、イーストウッドの存在を食ってしまいかねないオランウータンの活躍、痛くなさそうなパンチなど、完璧にお約束なのに高度に完成されているためとにかく味がある。こういうキャラたちの作用で、主人公の生き様のようなものが実にすがすがしくあこがれの対象に昇華する。 最後は何となく胸が切なくなるおとぎ話のような話だが、こういう映画を同年イーストウッド自身が撮っている。ブロンコビリーでは、なんとなく同じような話でいてダーティファイターの主役像とは違う人生に破れかけたキャラを切なく演じる。 こういう変な味わいだが心が優しくなれる映画がテレビで放映され、偶然それを観られたときは本当にうれしくなってしまう。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-09 01:11:08)《改行有》

98.  エイリアン・ネイション 《ネタバレ》 なかなかおもしろい。他人に勧められなくもない。 何だろう。このテレ朝感。テレ東とも違う、ふざけている感じが一切しないテレビ放映選択眼は。つまりはストレートに映画的で、面白い。ということになるのか。20年前の映画であり、同時代のB級SF映画としては有名どころで「ヒドゥン」「ロボコップ」があげられる。 「ヒドゥン」はファンタスティック映画祭でグランプリを獲る。その後アーあの名作ねとすぐ出てくる映画となり、「ロボコップ」はシリーズ化され長く親しまれている。一方で同様の完成度を誇る本作も、アメリカでは人気でテレビシリーズまで作られていたよう(淀長氏による)。 この時代の突発的Bムービーの質には驚かされる。どこかふざけた感じと末世感がうまく混ざり合うことで何となく脳内にほんとにあるかも、と一瞬でも思わせる技巧に富んでいる。そのあたりの味わいがこの時代の映画の持つオリジナリティかもしれない。 3作すべて刑事(一つは巡査だが)物だが、上記2作がヒーローとしてかっこよさを押し出しているが、本作はどこか不細工でユーモラスな設定となっており、ストーリーの流れもバディものの基本を忠実に踏襲している。刑事物としての設定も芸が細かいところがあり、なるほどちゃんと作り込まれているなという雰囲気がいい。気楽にみられる3作だが、エイリアンネイションはさらに気楽にみることができる映画で、テレビ放映されていれば必ず見てしまうものの一つだった。 テレ東あたりでまたリピートされればインターネットでも流しながらぼーっと楽しんでしまうんだろう。テレ東が12チャンでなくなってから久しいが、それでもテレ東は12チャンといってしまう。同時に10チャンは10チャンであり、その思考回路は常にこうしたB旧映画や西部劇とリンクしているのである。[地上波(吹替)] 7点(2009-11-03 18:02:23)《改行有》

99.  デビルスピーク 《ネタバレ》 いや、そんなにつまらなくはない。もしかするともすかするかもしれない。 面白いかどうかは別として。 この映画、なんか深夜に何回も見てる気がするのだが、そのたびに失笑できる。良い感じな軽さの失笑。さらに、クーパースミスだ。あのクーパースミスが、ものすごい形相で復讐する。なんかトロくて気持ちが悪いクーパースミスがものすごい形相で宙に浮きながら剣まで持ってる。そんなクーパースミスが暴れると軽く失笑ですよというのがポインツだ。 この映画の面白い部分というのは、やはりニコイチサンコイチでは決して済まさないその貪欲さにある。エクソシストやオーメン2とか、キャリーとか。さらにははやりコンピュータで悪魔を召喚するという設定。81年にどうやってそんなの思いついたんだ?そういうところがすごい。今やってればものすごい素材だが、こういう形でその発想は消費されてしまった。 が、なんだかんだ言って、だらだらとした雰囲気が割とちゃんとホラーっぽかったりして、ネット上でおもしろおかしく紹介されているほどには笑えない。といっても名作と言うほど完成度が高くなかったりもして、その微妙な塩梅がこの映画の最大の味か。 昔、子供の頃はなぜか夜の映画番組で放映されていたりしたが、最近はとんと見かけない。案外この映画(の特に吹き替え版)が好きだ、という御仁は多いのではないだろうか?私もそんな一人だ。[地上波(吹替)] 4点(2009-10-11 00:44:11)《改行有》

100.  パパは、出張中! 《ネタバレ》 相当おもしろい。 鑑賞後、ちょっとユーゴをWikipediaで調べるとさらにおもしろさが増す。鑑賞前に調べるのもおすすめだが、鑑賞後にも確認するとおもしろさが増す。 出張する父親は会社勤めをしている。ある程度普通に企業が存在し、出張までしていて、ビジネスも順調だという。特殊な社会主義のありようが伝わってくる。 国家警察の義兄がどうやら愛人が原因のアル中でクビになっており、それでも普通に生きているというのも不思議な世界だった。社会主義というとソビエトを連想するが、ソビエトを拒絶した社会主義という、いかにもよく分からない社会がピリピリっとくる。 主軸になっている、強制連行による家族の崩壊と愛情に対して、どういう訳か父親の性癖をおもしろおかしく描いてしまう。この絶妙な配分のせいで、もの凄い悲劇なのに全然悲劇性が感じられないというのが巧い。父親の情事を目撃してしまう息子の父親とその行為に対する視線や悪戯なんて笑ってしまう。よく思いつくなこれ。 感動パートとして少年少女の出会いと別れが描かれるが、語り部自身の思い出話も挿入してしまう。力業だ。しかし、少女がくれたやつにはなんて書いてあったんだなんて忘れてしまう息子パート直後の結婚式、もの凄い。ここでの父親はいつも通りに見えたのだろうか。いつも通りの生活に戻ったら安心してしまったのだろうか、まだ明るいうちに本当の眠りにつく息子が、夢遊病で出歩く。また出歩いているかと思ったら笑っている。どうやら夢だったらしい。 やっと日常が帰ってきた様だ。いろいろな風刺が込められていて、日本人には資料なしには理解できない台詞や設定がいっぱい入っている。「金がすべてだ」という台詞一つとっても、日本人が想像する「金がすべて」とは意味合いが違う雰囲気がありありと伝わってくる。いろいろな要素と、主張に大変満足できた。 残念なのは、ユーゴスラビア紛争で原盤が消失してしまったこと。現物のきちんとした雰囲気で鑑賞すればさらに満足度は高かっただろうことを考えると無念。[DVD(字幕)] 8点(2009-09-13 19:04:44)《改行有》

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