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プロフィール
コメント数 2118
性別 女性
自己紹介 周りに映画好きな人があまりいない環境で、先日はメリル・ストリープって誰?と聞かれてしまったりなのでこのサイトはとても楽しいです。
映画の中身を深く読み解いている方のレビューには感嘆しています。ワタシのは単なる感想です。稚拙な文にはどうかご容赦を。  

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81.  マッチ工場の少女 《ネタバレ》 労働者三部作のラストはシリーズ中最も虐げられてる弱者が主人公。びっくりしたことに、今作で監督怒りでキレてる。いつもの鷹揚さはどこへやら、こういう発露の仕方もするんだなあカウリスマキは。 イリスの日々、しんどそうだもんなあ。若い女の子とは思えないほどに彼女から”はつらつさ”を感じない。カウリスマキキャラそのものの彼女は口数少なく、地味で感情は時折り流れる流行曲の歌詞で代弁されている。 給料はもちろん安い。それすら母と継父に取り上げられ自分の自由にならない。イリスの周囲の人間は彼女のお金も労働力も愛情すら搾取しておいて彼女に敬意を払わない。 いいように使われてぞんざいにあしらわれてきた者は暗い怒りを凝縮させて、ついには逆襲に出る。わたしは正直スカッとしましたよ。 弱者をなめんな。敬意を払え。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-09-09 22:37:35)《改行有》

82.  デリシュ! 《ネタバレ》 美術やセットの時代考証が行き届いている(ような気がする)、フランスの時代劇。 18世紀後半のフランスの風景、特に人々の生活の様子が垣間見られて興味深かったです。厨房での火の扱い方や、庶民の履いている革製の履物。時計がすでにマンスロンの厨房にあることにも驚いたり。やはり一流の料理人は調理にかかる時間を正確に知る必要があったのでしょうね。高価な物だったろうから、召し抱えられていた領主から特別に賜ったものかな、とか想像がふくらみました。 そして大事なのが当時の貴族と庶民が抱いていた互いへの見方。貴族らの下々への蔑視がこうもあからさまに酷いもんだったとは。 教科書を読むだけでは見えてこない実相、革命前夜の社会に流れるピリついた空気感も伝わってきます。勉強になりました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-09-05 23:13:02)《改行有》

83.  シング・ア・ソング! 笑顔を咲かす歌声 《ネタバレ》 留守宅を守る軍人の奥方らの親睦会の様子が、人間関係含め面倒くさくて厄介で洋の東西問わず普遍的なんだなあと思いました。楽しい人らだけが楽しい、というほとんど我が国のPTAやら町内会と一緒なのに変に共感しましたね。 「軍人の家族」というくくりで一つにされてもそこは年齢も考えも違う人たちの集まりなわけで、その辺の対比を若手リーダーのリサとベテランかつ夫が高位のケイトに凝縮させているのが巧くて、ちょっとひりひりしました。 やっぱりリサの方が若い感性で支持を集めるわけですよ。ケイトも年代のギャップを受け入れようと懐の深さを見せ続けるのだけど、ベテランとて心が病まないわけはなくクローゼットには未使用の通販グッズの山。 そして終盤にはついに暴発してしまう。やー、この場面あまりの言葉のとげとげしさにリサとの関係修復など不可能ではと思ってしまった。仲直りしてたけど。時々思うけど英語圏って言葉が荒くて攻撃的。そしてわりと水に流すイメージ。不思議。日本人(というか、わたし)が根に持つタイプということなんかな。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-09-02 23:55:02)《改行有》

84.  ブレット・トレイン 《ネタバレ》 ハリウッド映画を観た時の、外国人から見た日本ってこんなんなのかあという驚きが21世紀版にアップデートされた感覚でした。 いやー、参ったな。一々手を合わせる仕草とか邪悪なゆるキャラが車内にいるとかはまだしも、時々差し挟まる日本語のフォントが嫌だな。 それはともかく中盤まではクセ者だらけの暗殺者らがすれ違い、邂逅したりするプロットは伊坂作品ぽくてちょっとわくわくしました。 終盤に向かうにつれガチャガチャした凡庸なアクションムービーになっちゃったのは残念。 ヤクザに日本刀、血しぶきを盛大に上げての活劇はタランティーノに大いに影響を受けていることは想像に難くない。だけど制作センスが決定的に違っていると思う。走行中の新幹線の窓をぶち破って車内に侵入するなどといったあまりに荒唐無稽な筋はタラならやらないはずです。リアリズムと虚構のギリギリの線をつく、その塩梅はやはり感性がモノをいうのでしょう。 選曲も残念だ。真田の殺陣のBGMにHEROって。そうじゃない感が強すぎる。タラなら梶芽衣子だもん。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-08-31 22:41:34)《改行有》

85.  すべてが変わった日 《ネタバレ》 これはいろんなポイントで驚いた映画でした。まず主演の二人、初老の夫婦を演じるコスナーとD・レイン。30年前、スターの絶頂期に輝いていた二人がいい感じで年齢を重ねている姿にちょっと感動を覚えました。佇まいからして抜群の安定感と演技力。彼らと共に時代を生きてきたわたしなんかの世代はこの夫婦にぐっと興味と共感を覚えるのでした。 このご夫婦、“婦唱夫随”なスタンスで年月を過ごしてきたみたいで。妻の意見が強くて夫が彼女の意を汲んで(しぶしぶ)従う、とよく見る夫婦の形態笑。 傍から見たら妻の「孫を取り戻したい」願望はちょっと暴走気味。手に負えないや、という困り顔のコスナーになんとなく肩入れしつつ、まあ結局のところは奥さんも現実と折り合ってあきらめざるを得ないのだろうな、人生の後半に喪失を経験した夫婦の心の整理を描いた物語なのだろう・・とアタリをつけて鑑賞してましたら驚きその2。 まさかまさかのタランティーノばりのバイオレンスムービーに展開するとはねえ!演出と言い、緩急をつけたカット割りといい、本当に恐ろしくて肝を冷やしました。 米国の田舎の排他的な陰気さ。ヨソ者が来たことがすぐに噂になる不気味さ。ラスボスに暴力女帝登場と、気が抜けない中盤以降の怒涛の展開。予想だにしなかった結末。 残念な邦題が足を引っ張ってるけど、”2時間サスペンス”として書き上げた脚本にしてはかなりの熱量が注がれている作品です。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-08-30 23:11:31)《改行有》

86.  オールド 《ネタバレ》 シャマランらしい不可思議アイデア一点突破モノ。謎は十分魅力的だけど、そこからの広がりや深みがやや足りなくて映画作品というよりはテレビのドラマ感が強い。 だけども観ている間はずっと怖かった。「人は死について考えることを棚上げして日々生きている」と言った作家がいた。このビーチでは突如として老いと死に向き合わなくてはならなくて、その恐ろしさといったらもう。 だから、人生のいろんなもやもやにきちんと落とし前をつけることができた夫婦の穏やかな表情には救われた思いがしました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-08-29 23:10:47)《改行有》

87.  コレクター 暴かれたナチスの真実 《ネタバレ》 山ほどあるナチスの戦争犯罪モノはどれも気が塞ぐ。人間が人間に対してこんなことができるなんて、のオンパレード。本作もピーター・メンテンの犯した村民虐殺の酷さに、その場面だけが印象に残ってしまいそう。 のらりくらりと戦後罪から逃れてきたメンテンを再度法廷に引っ張り出して罪を確定させたい。 主人公のジャーナリストが地道に証拠を集めるストーリーは実話ならではの実直な運びだけれど、欲を言うともうちょっと山場演出が欲しかった気もします。主演の俳優もあまり引きの強いタイプじゃないですし。 ところで調べてもよく分からなかったんだけど、“ナチ親衛隊と親しかった一(いち)オランダ人”が何故親衛隊の制服を着て銃を携えた部下共を引き連れることができたのかしら。戦後ナチス追及機関のリストにも載ってなかったそうですし。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-08-22 22:22:33)《改行有》

88.  ザ・フォッグ(1980) 《ネタバレ》 舞台がカーペンターらしからぬリアルな海沿いの街なんですね。小さくてちょっと田舎で皆顔を見知っていたり、教会が地域の拠点だったり。住民挙げての〇周年イベント規模の絶妙な「中くらい感」が、街の印象を決定付けます。 ちょっと寂しめの地方の街。そこに変な霧が漂ってきて怖いことが起こる。街も人も平凡な佇まいなだけに、白い霧が確実に迫ってくるという気持ち悪さはなかなかの臨場感でした。 人々に連絡する手段が地方のミニFMというのも、もどかしくて良いです。 80年代にありがちな「血にまみれた死体」を映さずにいるのも好感します。見えない方が怖い、ということを分かっているカーペンターさすがです。もっとも霧の中に鉤爪人型が現れるのにはちょっとがっくり来ちゃったりもするのですが。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-08-19 23:57:47)《改行有》

89.  さまよう魂たち 《ネタバレ》 脚本のこなれた上手さとマイケルの醸すとっつき易さ。観てて楽しい。 出てくる人物が幽霊含めてアクが強めでにぎにぎしくコミカルパートを盛り上げ、話の核心たる過去の殺人事件ではその真相で客を驚かせる。 シリアスな中にまぶすユーモアも絶妙。妻が死んだ夫に問うて曰く「私のお金をどこにやったの」には笑った。 並みの脚本なら持て余しそうなキテレツFBI捜査官をもそれなりに話の中に収めたのには感心すらしてしまった。 設定も構成もよく練られたハリウッドらしい脚本能力を感じる一本であります。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-08-15 22:32:04)《改行有》

90.  スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム 《ネタバレ》 わたしはマーベルのファンというわけではないし、MCUの「一見さんお断り」な制作姿勢はどうかと思う。懐古趣味が炸裂している本作も一緒にノレるわけではなくてちょっとヨソ者の気分。 そうはいってもこのスパイダーマンホームシリーズは娯楽作として良く出来ていて、それって人物のキャラ作りが上手くて物語の厚みを増しているからと思うんですよね。 高校生らの普遍的な青春っぷりと彼を支える周囲の大人たち、皆いい味出してて親近感を覚えます。特にトム・ホランドの“善良なフツーの10代”な雰囲気がスパイダーマンの「無敵に強いわけではない」感にぴったりなのでした。 すぐ友人に頼る、超人の仕事より恋や学業とかの日常を優先したい、そんな彼が厳しく悲壮感漂う決意をするとは。 ヒーローとは孤独なもの。マルチバースの先人らと同様、トム・ホランドのピーターも温もりを捨てて一人で歩み出す。ラストシーンは泣けました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-08-14 23:08:06)《改行有》

91.  夕陽の群盗 《ネタバレ》 見てくれは西部劇だけど、ドンパチ中心の勧善懲悪という所謂西部劇とは全然違いました。これは粉うことなき70'sニューシネマ。ちょっとびっくりしました。 タッチは陽気で主役二人も元気があるので、うっかり明るいノリのつもりでいると彼らもろとも厳しい局面に突き落とされます。そりゃもうえげつないほどにキツイレベルで。その繰り返し。 各エピソードの内容が濃く、19世紀のリアルを感じさせる話ばかりで時代への洞察の深さには唸りました。一日を生き切ることで精一杯の西部放浪者にとっては、目先の金銭のためなら友情も女房の貞操観念も無い、ときた。 ジェイクとドリューの人物像も良くできています。不良チームのリーダー、ジェイク。粗野だけど裏切った仲間の遺体を埋めてやったり、己には無い教養に惹かれる精神性があって文学作品の内容を知りたがったりする。(でも自分で捕った食料は分けてくれないんだな、そこは)。 ドリューは真逆のエエとこ育ちなので、女を買うことにも強盗することにも一貫して抵抗していた・・はずだったのに。ああ、西部の非情さはついに一人の若者を犯罪者に落としてしまった。 ラストショットはいかにもベントン、といった苦い幕切れ。その先の展開を予想すると二人の未来に明るい展望が望めそうにありません。 そうだピアノ単器の音楽も強く印象に残りました。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-08-03 23:17:57)(良:1票) 《改行有》

92.  ゴースト・ハンターズ 《ネタバレ》 や、ちょっと待ってくれ。80年代てこんなチープやったっけ?うそだCGだってもう少し頑張れたはず。この脱力系の安っぽさはやっぱカーペンター御大の独自のセンスによるものだろうな。 作り物感丸出しのセットはともかくも(いつものことだし)、CG演出には手を出さない方が良かった。あのTVアニメみたいなバリバリって電気描写は一体。 虚無僧笠みたいの被ったいで立ちや、アイイイッという気合といい「中国人」への西洋人の見方を知りました。日本人の描かれ方もたいがいだったけど。いや、でも西洋人のカート・ラッセルだってけっこうひどい目にあってる。タンクトップの妙なキャラ絵が気になって仕方ない。女性陣のファッションも絶妙にダサい。特に記者の彼女。 時空を超越した規模の冥界(?)への入り口をネオン管で縁取るのもやめた方が。格安バーじゃないんだから。 ストーリーなんかもうどうでも良くなってツッコミ疲れしたところにエンドロールで流れるは監督自前の歌声ではありませんか。とどめ刺された。[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-08-01 23:23:20)《改行有》

93.  クリスティーン 《ネタバレ》 クルマが人を襲うって設定からして荒唐無稽ながら、けっこう見せます。なんか狂い方が腹が座っているといいますか、あ、コイツは全く話が通じないという怖さがあります。それがクリスティーンとアーニーの二人(?)がかりで狂気を加速させるものだから、怖さが二乗されるのです。(計算間違ってるかも) 古い髪形や幼稚すぎるいじめっ子らの造形など80年代の野暮ったさ全開。けど、その古臭い環境の中、まるでトランスフォーマーのごとく自らの形を再生してしまうアメ車という画ヅラが妙にハマってちょっとした中毒性をはらみます。カルト作品として生き残っているのも納得です。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-07-30 22:56:38)《改行有》

94.  ミスター・ガラス 《ネタバレ》 第一章の「アンブレイカブル」からずいぶんと間が開いたのは、いろんな大人の事情があったのでしょうか。20年近いブランクを経ても三部作のラストたる本作を丁寧に作り上げたシャマラン監督の熱意には敬意を表したくなります。 監督、アメコミ好きなんだねえ。S・L・ジャクソン扮するミスター・ガラスの持論「アメコミは人の歴史の記録」説には納得しかねるけども。 実在する(かもしれない)ヒーローたちの人権(?)を擁護しようというシャマラン監督には確実に愛がありました。 ヒーローの存在を消し去る勢力と一人で闘っていたガラス氏。彼の意志は母親のみならず、ほか二名の擁護者にも受け継がれ“この世の奇跡”が世界中に驚きとなって波紋のように広がってゆくラストシーンはなかなか感動的でした。 三部作といっても一、二作目は単品としても成立しているし、三作それぞれにシャマラン印のどんでん返しシナリオが活きているのも偉い。あ、それと出演者。一作目の子役に至るまで全員同じ役者を揃えることができたのは良かったですねえ。時間が経ってみんなに再会できるとうれしいもんです。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-07-29 10:27:08)《改行有》

95.  アンブレイカブル 《ネタバレ》 かの「サイン」の次作ともなれば厳しい評価を受けるのも仕方ないのかも。オチの驚きは前作の鮮やかさとは比べるべくもないし。 B・ウィリスのおっさんがアメコミ的超人ヒーローだったからってどうだっていうんだよ、と公開当時に観ていたらそう思っただろう。 やはりこの作品は三部作の第一章として鑑賞するのが正解。(もっとも第二部まで15年はさすがに空きすぎ) 「スプリット」「ミスター・ガラス」と続けて観ると、アメコミの世界線に監督が注いだ情熱が結構な熱量でもって伝わってきます。 「ミスター・ガラス」の公開にあたってもう一度本作を観に戻ってこられてはいかがでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-07-25 22:16:48)《改行有》

96.  真夜中の虹 《ネタバレ》 勤め先の炭鉱は閉鎖、父親は自殺するわ出てきた都会で強盗に遭うわ、仕事は見つからないトコロに情状を一切酌量してくれない司法によって牢屋にぶち込まれるわ。 こう書き出すと目も当てられないほどに悲惨な主人公の境遇なのに、なぜこんなにユルくて悲壮感ゼロなのでしょう。 不運は呼んでもないのに来る。けれど幸運も「ちょっと気が向いたので」的にやってくるんですなカウリスマキワールドは。 “こんなことがありました”と、ぼそっとエピソードを差しはさんですぐ画面が切り替わる独特のリズム。会話より行間を汲んでコミュニケートする寡黙な人物たち。全部がザ・カウリスマキと呼びたくなる唯一無二の空間。 なんもかもパッとしないのよ。のっけから譲り受けたコンバーチブルの幌は北欧の冬だっていうのに閉じない(!)し。子持ちの彼女と3人でドライブしに出かけた先の海辺も岩場ばっかりの岸に波が愛想無く打ちつけるような映えないロケーション。音楽も絶妙にダサい。 だけどもね。収監された先で出会う妙な先輩マッティ・ペロンパーはもちろんのこと、外でも本を手放さない連れ子の男の子も愛さずにいられない。 人生の上手く行かなさも野暮ったさも何もかもが近しく親密に感じられる、好きすぎる一本。[CS・衛星(字幕)] 10点(2024-07-18 18:44:46)《改行有》

97.  L.A.コールドケース 《ネタバレ》 世間を騒がせたラッパー二人の射殺事件とLA警察の腐敗ぶりを線でつなげた攻めの脚本と思う。制作の意欲は買いますよ。 だけどもいかんせん米国ラップミュージック界隈に興味のない人間にとっては初耳の事件なので、登場人物からしてなじみゼロ。J・F・ケネディ暗殺とはわけが違う。 出てくる人物の多いこと多いこと。しかも一人につき三通りの呼び名で話が進むのには参った。非英語圏の観客は面食らうよね。 黒人警官らも入れ代わり立ち代わりなので顔を識別するのに正直相当労力を割きました。そこそこハリウッド映画を数観てきてるけど、ここまでわかりづらいのは そう無いと思う。 なので各情報を頭の中で整理するのに忙しく、映画を楽しむ感じじゃなかったな。うっすらぼんやりと、こんな話だったんだろうという手応えに終わりました。主演二人の熱演に引っ張られてなんとか最後まで付き合った感じです。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-07-16 23:11:06)《改行有》

98.  レッド・スパロー 《ネタバレ》 スパイエンタメとしては悪くない出来と思います。ラストの種明かしには少なからず驚かされますし、ロシア国家の恐ろしさは監視・拷問のみならず“行動強制”という描写で強調してますし。 ハニートラッパー養成所がほんとにあったのかは知らんけど、何がリアルってM・スーナールツその人ですよ。完全に本物に寄せてるよね。絶対笑わない目が怖い。 ストーリー展開がやや説明調なので集中が途切れてしまいそうになるのが惜しい。それと個人的にジェニファー・ローレンスをあまり買ってないのでヒロインに入れ込めなかった。この人ってお人形さん型女優で表情筋を30%ほどしか使わない印象。まあその無表情がスパイ役にはハマったかもですが。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-07-15 22:36:37)《改行有》

99.  サウンド・オブ・メタル -聞こえるということ- 《ネタバレ》 ラストの1カット、あそこで我々はルーベンが新たな人生の次元に立ったのだと知るのでした。彼が音を失ってから、そこに至るまでの歩みに付き合って、いろんな思いを共有してきました。共有という言葉を使ったのは、音響効果がとても巧みに我々の耳にルーベンの現実を届けてくれるので彼の心情を測りやすかったからです。 難聴になったショック、怒り、ろう者コミュニティでの戸惑いと反発。それらを乗り越えてコミュニティでの信頼を得たときは嬉しかった。でも彼はそこに留まる選択をしなかった。意外に感じたけど、ミュージシャンだものね。音に対する気持ちの大きさは常人のそれとは比べ物にならないほどだったのだろうと推察します。 戻りたかったけれど、もう無くなっていた過去の居場所。それを理解した到達したラストの表情。何とも言えない気持ちになりました。ルーベンがこれからどこへ向かうのかと考えたとき、コミュニティに戻るとは思えなかったです。新しい地平を切り開けるような強い意志が表情から窺えた気がしました。[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-07-04 22:44:40)《改行有》

100.  ロスト・チルドレン 《ネタバレ》 濃密に完成された世界に魅せられてしまった。実はジュネ監督の「アメリ」も「デリカテッセン」も肌に合わなかったので全く期待しないでの鑑賞だったのですが。 なんて毒々しいまでに甘いんだろう。描きこまれた絵本をパラパラとめくるのに近い心持ちでした。輝くリンゴ。海の緑色。女の子の赤いスカート。金糸銀糸で織り込まれた大ボスのジャケット。暗いけれど艶がかってるような、あの画面はどうやって撮るのだろう。 クリーチャーと言った方が近い大人たちと、対比をなすように天使のように美しい子供たち。 気色悪くて魅惑的で映画酔いしそうです。好きな人とそうでない派に二分される作品でありましょう。 だいたいね、向こうのオモチャってそもそも可愛くないというか。冒頭から登場の近衛兵の人形、あの顔怖いなあ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-07-01 22:34:36)《改行有》

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