みんなのシネマレビュー
K&Kさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 821
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142

81.  男はつらいよ 寅次郎真実一路 《ネタバレ》 シリーズ34作目。怪獣だぁ。そのうち出るだろうって思ってたけど、ギララっていうのか。コレ当時の特撮の使い回しかなぁ?撮り直しだとしたら、お金掛かってるなぁ。 マドンナは大原麗子が再登場。だけど同一人物で別人のマドンナ役ってのは“シリーズ初”? 今回やたらと東京の風景が多い。今まで柴又と地方が舞台だったせいか、随分と時代が進んだ印象を受けてしまった。第一作から15年も経っていて、寅もとらや一家も柴又も当時と全然変わらないのが馴染んでしまっていて、急に東京が近代化してたような、そんな印象を。大都会の証券会社で働く富永にスポットが当たったのもあって『あれ?これ“男はつらいよ”だったよな?』なんて思ってしまった。差し入れのバナナのシーンは寅さんっぽくなかったけど面白かった。 マドンナが失踪した夫を心配する人妻。しかも夫は一緒に飲んだ仲ということもあり、寅でなくても全力で恋が出来ない、居心地の悪さを感じる。二人っきりの枕崎旅行も、どこか後ろめたさが先立って、観てる側としても純粋に応援できない状況。寅の恋愛成就を応援できない回って、初めてかもしれない。 冨永が家庭に戻り、寅がそのまま旅に出ることを察したさくらとの電話「良かったねお兄ちゃん」『あぁ、良かったよ』「ホッとした?」『あぁ…ホッとした』。自分の幸せのために、冨永の不幸を望むような男にならなかったことを、さくらは喜び、寅の心の底の気持ちを引き出してあげる兄妹愛が美しい。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-12-24 00:22:32)《改行有》

82.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 “Gran Torino”『フォード・トリノの一部車種の愛称』。日本だとスカイラインの、GT-Rじゃなくジャパンとか鉄仮面だと思う。 ウォルトはアメリカの輝かしい時代を生きた世代だ。'50年代に青春を過ごし、朝鮮戦争で戦ったのちフォードの工場で働き、愛する奥さんと二人の息子。郊外のニュータウンに一戸建てを持った男の余生、成れの果て。 2000年代、アメリカは様変わりしていた。ニュータウンは寂れて老朽化し、残っているのは老人とヨーロッパの移民系。金のある白人はもっと利便性の良い地域に移り住み、代わりに入ってくるのはアジア人。若者は移民や黒人のギャング。奥さんに先立たれ、息子はトヨタに勤めていて、孫はみんな馬鹿。 当時イーストウッドは78歳。いつ死んでもおかしくない年齢の男から観たアメリカの小さな街。あの街はアメリカの縮図。ウォルトは決して裕福ではない。広いとは言えない建売りの家をピカピカにして、小さな庭の芝を刈り、欠かさず国旗を掲揚している。グラン・トリノも当時大人気のマッスルカーってほどではなく、燃費の悪い中型のアメ車。ウォルトはアメリカの中流家庭の、プライドの塊のような男。 また'50年代の白人文化を過ごしてきた世代からの警告のカタチも取っている。白人中心のアメリカ社会も、アメリカ中心の世界も、今後更に変わっていく。 奇しくも公開年に起きたのが、サブプライム・ローン問題を起点としたリーマン・ショック。今の時代のウォルトのような中流以下の住宅ローン債務が焼き付いて、大手銀行が破綻するまでのダメージに発展し、アメリカ経済がどん底に落ちていった最中の公開。 この街の若い白人は、スーの友達のようなナヨナヨした白人しかいない。移民たちを受け入れて行くしかない現実がある以上、どんな人達と共に生きていくかを考えなくてはいけない。世界の警察だったアメリカは、他民族に銃を向けるのではなく、他の方法で解決をしなければいけない。 ギャングと戦う決意をしたウォルトは、白人の誇り高いスピリットは神父に残し、アメリカの輝かしいプライド(グラン・トリノ)はタオに残した。 最後ウォルトの手に残ったのはジッポーライター。これもまた、アメリカが世界に誇った古き良きアメリカ製品の象徴であり、消えゆくタバコ文化の象徴。[DVD(字幕)] 8点(2023-12-23 11:24:57)《改行有》

83.  男はつらいよ 夜霧にむせぶ寅次郎 《ネタバレ》 シリーズ33作目。本サイトでは寅さんシリーズ・ワースト3に入るくらい低い点に警戒する反面、私の好きな登が久々に登場する回(※事前に調べてた)ともあって、複雑な思いで観始めました。 当時私は中原理恵さんが大好きでした。欽ドン!毎週観てました。綺麗で可愛くて面白くて、こんな人が私のママンだったらなぁ…なんて思ったこともありましたよ。欽ちゃんブームが下火になった辺りから、彼女もあまり観なくなりましたね。今回久しぶりに彼女を観られて、そしてやっぱり綺麗な人で、なんかすごく当時を思い出せて嬉しかったです。 更に釧路(うわっ都会だ!)に根室(…田舎だ)に霧多布に中標津と道東てんこ盛りな回で、それもまた嬉しかった。あの樽の中をぐるぐる回るオートバイ・サーカス。札幌はじめ北海道の夏祭りの花形イベントでしたが、最後の一座もコロナの最中に人知れずひっそりと閉業されたそうです。 登の再登場は良かったけど、あの別れ方は悲しかったなぁ。だけど、カタギになった登と、時代に取り残された寅のフーテンぶりを敢えて観せる演出と思えば納得です。悲しいけどね。タコ社長の娘のあけみ。むか~し社長一家が出た時に、わらわら居た子供の一人なのかな?なんかぶっ飛んだキャラクターで好きです。美保純かぁ。味があるなぁ。トニー。名前からして住む世界が違う人です。ハーフ役かな?あだ名かな?思わせぶりなセリフを最後に出なくなるのは、確かにモヤモヤする。栄作。欽ドン…じゃないか、でも欽ちゃんファミリーの懐かしい顔。こちらも退場のしかたがちょっとだけど、面倒くさい旅の仲間っぷりが良いアクセントになってたわ。 マドンナ・フーテンの風子。中原理恵が好きなせいもあるけど、この後先考えずに憎まれ口叩いてしまう性格なのは、作中自分で言ってる通り。とらや&寅連合VSマドンナって図は初めてかも?最後のとらやでの言い方に怒りを覚える気持ちも解ります。みんなで優しくしたのに掌を返すようなやり方でって。その気持も解るけど、弾かれ者だった風子が、同じ境遇のトニーを嫌いになれない気持ちも解るなぁ。 最後の熊。モロぬいぐるみのニセモノ熊には失笑だけど、前作でレオナルド熊がニセモノ寅を演じた繋がりってことで、最低マドンナの烙印押されてる風子共々、許してやっちゃ、くれないだろうか? ちなみに私の中の最低マドンナは高見歌子(吉永小百合)です。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-12-17 23:00:15)(良:1票) 《改行有》

84.  ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 “What's Eating Gilbert Grape”『何でそんなに苦しんでるの?ギルバート・グレイプ』。他にも『~イライラしてるの?』や『~悩んでるの?』なんて訳もある。そうだったんだ、モトのタイトル、主人公の名前だけじゃなかったんだ。 私の中の第二次映画鑑賞ブームで出会い、こんな繊細な内容のアメリカ映画もあることに驚きました。 時代のプリンス・ディカプリオが知的障害者の子供を。幸薄い役ばっかりだったジュリエット・ルイスがキラキラ輝いてるのも印象深い作品。 このエンドーラって町の閉塞感。ギルバートはまるでこの町に閉じ込められてるように観えます。実際、家を出た兄を除いてグレイプ家の3兄妹は、過食肥満の母と知的障害者のアーニーの面倒を見るため、町を出ることが出来ません。物語はアーニーが18歳を迎えるまでの6日間のお話です。 不思議なことにギルバートの周りは、この町で死んでいく年寄りと小さな子供しか居ません。買い物も巨大なショッピングモールと潰れそうな食料品店。極端な話、“生”と“死”しかない町で、中間が無いんですね。 友達もバーガー屋(=食べること=生きること)を夢見るタッカーと、葬儀屋(ズバリ死)のボビーの間で、ギルバートは未来の選択を迫られています。 選択と言っても、家族も周囲の人たちも、みんなギルバートに頼って生きています。食料品店の店長なんて、フードランドの勢いに恐怖しながら、ギルバートに慰められて商売を続けてます。 この町にはどうしてかギルバートと同年代の女性が居ないので、若い人妻ベティとの不倫のスリルを楽しんでいます。ベティもまた、この町で年老いて死んでいく側の人でした。そこに新たな存在ベッキーが町の外からやってきて…。 お母さんは最後どうして??ですが、彼女は最後、アーニーを無事18歳にしたことと、ギルバートがベッキーとの未来を見せたことで、ギルバートに頼る生き方をやめる決意をしたんでしょう。それが、2階のベッドで人間らしく寝ることだったんでしょうね。彼女が前向きに生きる決意をした矢先の事故死。自殺ではありません。「光り輝く甲冑を着た王子様」の話は、彼女の遺言ではなく、近々出ていくギルバートへの“贈る言葉”だったんでしょう。アーニーにも何か言葉を贈ろうとしましたが、その前に彼女は力尽きてしまいました。 何ともあんまりな話ですが、この町では死は滑稽なカタチでやってきます。元気だったカーヴァーさんは子供用プールで溺れ死にました。もちろんベティによる他殺ではありません。お母さんの死はそれと一緒。※余談だけどカーヴァーさんが子供に買い与えたトランポリンがアーニーの誕生会の場に置いてあるのがなんか微笑ましい。ベティからアーニーへのプレゼントだったんでしょう。 奇遇にもベティもギルバート兄妹も、自分を縛る存在(夫・母親)が死ぬことで、エンドーラを出て新しい生き方を始めます。 母の死からから1年後。少しも変わらないアーニー。少し髪が伸びたベッキー。なんてワクワクする終わり方でしょう。[CS・衛星(字幕)] 10点(2023-12-17 21:51:32)《改行有》

85.  男はつらいよ 口笛を吹く寅次郎 《ネタバレ》 シリーズ32作目。夢の中のニセ寅を観て、この人知ってるけど、誰だっけ?ってなったわ。あぁレオナルド熊か、懐かしい。 博のお父さんの墓って話が出たとき全然ピンとこなくて。あぁ、“ん゛ん゛一郎”さん亡くなってたんだ。その作品のみの登場人物で亡くなった人はいたけど、過去に出た人で亡くなったのって、飃一郎さんが初かなぁ?でも三回忌の年のお話として、湿っぽくならない創り方が上手い。 坊主に扮する寅。どんなミスするかワクワクしてたら上手いこと乗り切ってしまうのが逆に面白い。お経をどう乗り切ったか不明だけど、その後の御法話に人相の啖呵売を混ぜるのがさすが。その後の飃一郎の法事は思い切った悪ノリっぷり。青い顔のさくらと困ってる博。「兄さん」「「ん~??」」に吹き出してしまったわ。 当時の杉田かおるは、ホントあどけなくて可愛い。ひろみが寅に相談した後、滑って落っこちそうになるシーンの、二人の動きの大きさが名人芸。精一杯のおしゃれをして東京に出てくる姿もまた可愛い。この当時の杉田かおるの作品をもっと観たかったけど、本作以降しばらく映画には出て無いそうで、後から知った芸能界の闇が怖い。キスシーンはあったけど、そこから先はおいちゃんにストップさせたのが、山田監督による彼女の使い方の良心に思えたわ。 竹下景子の“町で評判の美人”っぷりが良い。表向きの顔と、父との会話からチラチラ観える内面が彼女の魅力を引き出している。 とらやに来た朋子が積極的で、これだけ自分の気持ちを出してくれる中、柴又駅での延長戦は手に汗握った。距離を置くさくら。『頑張れ寅!ここは頑張れ!』って応援してしまった。佃煮だのと逃げ道を探す寅にヤキモキしながら、あぁ、冗談にしてしまうのか。と落胆。東京駅で更なる延長戦もあるのか?って思ったところの試合終了。さくらの横を素通りせず「ヘヘへ…と言うお粗末さ…」と言い出す寅の背中が切ない。 タコ社長と博の経営方針の違い。飃一郎の死。一道が持つひろみの写真はカラーで、寅が持つ朋子の写真はモノクロ。世代の違いと時代の流れを感じさせる一作でした。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-12-17 14:09:46)《改行有》

86.  キック・アス 《ネタバレ》 “kick ass”ケツを蹴る≒『ボコる』って名前のヒーロー名。 特殊能力を持たないへなちょこヒーロー映画。まぁ痛みを感じないのも特殊能力と言えばだけど。 映画観る前にYou Tubeでヒットガールのアクション動画を観てしまったわ。躍動感のあるスピーディな銃撃戦とクロエのカッコ可愛さに魅了されました。 “本編はもっと凄いんじゃないか?”って思って観た結果、やっぱオイシイところはヒットガールが持って行ってしまったかな? 主役のキックアス。マーベル&DC系ヒーローとは違って、普通の人が普通のままヒーローになるっていうのが、なんかすごく馴染める設定。日本はアメリカ以上にヒーロー大国。ライダーとか戦隊とか以外にも、地方自治体や企業のマスコットとして、ゆるキャラ並みにたくさんのご当地ローカルヒーローが存在する。私の地元だとホワイト・ストーンズってのが…まぁそんなローカルヒーローと、ビッグダディたちリアルヒーローが融合する妙は楽しめました。ギャングにボコられるチンピラを勇気を出して助ける姿はカッコよかったわ。普通の人らしいカッコいい戦い方。 キックアスが、最後まで努力と勇気だけで悪に挑むへなちょこヒーローだったら…私はそっちを期待していたんだろうか? 凄い可愛い彼女と普通にラブラブしてるデイブ。ゴミ箱にティッシュの山を作るオタク丸出しのオープニングからは想像できないリア充っぷりに、なんか調子が狂ってしまった。事前に観てしまったヒットガールの活躍は本作の最後を飾るメインアクションとも言えるシーンで、ここにどうキックアスが絡んでくるか期待したところ、まさかの空飛ぶガンキャノン。もう普通のヒーローじゃん。これビッグダディ(脇役)の登場のしかただよなぁ。メイン(キックアス)とサブ(ヒットガール)の活躍のしかたが入れ替わってる。 へなちょこヒーローが本当の(悪く言えば普通の)ヒーローになってしまうと、やっぱ『ヒットガールが良かったね』って感想に落ち着いてしまうかな。[DVD(字幕)] 6点(2023-12-16 15:13:02)《改行有》

87.  キングダム/見えざる敵 《ネタバレ》 “The Kingdom”『王国』。…なんだけど、自然界を三大区分(動物界、植物界、鉱物界)した『界』という意味があるんだと。 アメリカとイスラム。どっちが偉いとか、どっちが正しいとかでなく、お互いに交われない存在って意味なんだろうなぁ。 アメリカとサウジの関係を綺麗にまとめたオープニングが秀逸。情報量が多いから何度も見返したくなるけど、センス良い。 お気軽な戦闘アクション映画だと思っていたら、事件勃発がエゲツナイ。無抵抗で非武装の市民を標的にするなんて、観ていて気持ちの良いものではないわ。攻撃第2段もまたエゲツナく、被害の大きさ&観ている私の犯人への怒りがデカくて効果絶大。首謀者アブ・ハムザが安全なビルの屋上で一連の事件の経緯を孫に見せるのも、私達と彼らイスラムの住む世界の違いを感じさせる。 映画だから主人公側に感情移入するように創られているのは解るけど、イスラム側があまりに非常識な悪の世界として描かれている。 テロリストを撃ったハイサム軍曹は味方から拷問を受け、ファリス大佐はFBIの越権行為にも協力する。映画の流れからつい『イスラム教徒にもイイ奴いるんじゃん』って思ってしまう。いやいや、そもそも主人公たちの行動原理が“仲間のフランを殺された復習”で、『フランを殺した連中をぶっ殺す』っていう、個人的な恨みを晴らす戦いなんだよなぁ。 カメラワークは切り替えが激しく揺れも強めで苦手なタイプ。最初のテロの衝撃と地味だけど緊張感がある捜査。最後の銃撃戦から急にトトトンと達成フラグが立っていく。前半と後半で作品の色が結構変わる作品。[DVD(字幕)] 6点(2023-12-12 00:07:10)《改行有》

88.  男はつらいよ 旅と女と寅次郎 《ネタバレ》 シリーズ31作目。マドンナが都はるみ。チラッと出てくる細川たかし。ターゲットの若年化は諦めたのかな?ってくらい、中高年が喜びそうなゲスト回です。 前回のジュリー回がそれなりに手応えがあったのか、今回はもっと思い切りよく、マドンナの職業が人気演歌歌手。ヒット曲もそのまんま。名前がまんま京はるみ。歌の時間も長いです。更にお話がよくある『ローマの休日』ベースのお手軽脚本なのも含め、あまり力が入ってない回に思えます。こういうのも、たま~になら良いでしょうけどね。 でも見方を変えると、都はるみのプライベートビデオの風合いがあります。中高生に人気のアイドルだったら解るけど、中高年に人気の演歌歌手だと、こういうの無かった時代だったと思うなぁ。 ニッセイのおばちゃん!あの歌と共に自転車乗ってたなぁって記憶があったけど、本作でも自転車乗ってて嬉しかったわ。 プライベートコンサートで盛り上がるとらやメンバーと、一人2階で失恋を噛みしめる寅が切ない。 3枚のリサイタルチケット。なんで3枚?しかも寅とさくら夫婦でとご指名付き。とらや一家全員呼べば…なんて思う部分もあるけれど。はるみはステージのあと、自分を含めた4人での宴席でも考えていたのかもしれない。歌手とファンの関係じゃない、プライベートな席。 ステージで寅との思い出を語った後に歌ったのは、楽しい思い出『佐渡おけさ』ではなく、失恋の旅路の唄『おんなの海峡』。[CS・衛星(邦画)] 5点(2023-12-09 20:02:40)《改行有》

89.  キューティ・ブロンド 《ネタバレ》 “Legally Blonde”『法律的金髪女』って、なんか中国の怪しい店みたいな。アメリカにはブロンド・ジョークってのがあるくらいで、金髪女ってだけで頭が空っぽって意味になるそうです。なので、天才バカボンっぽいニュアンスのタイトルでしょうかね?でも日本では金髪女にそんなイメージがないから、分かり易い邦題にして正解だと思います。 ゆったり気軽に観られる、お洒落なコメディ。キャーキャー言いながらドレスを買いに行って、ズルい店員を知識で言いくるめるスカッと展開から、頭はいいけど馬鹿でドジなエルのキャラが良く伝わります。失恋を糧に猛勉強してハーバード大学にギリギリ合格。知識は身についても服装も趣味もギャルのままなのは変わらず。あぁ漫画っぽいなって思ったら実話ベースの小説原作なのに驚き。まぁ東大とかにもすごい格好の人って居るからなぁ。 エルは学生のまま本物の裁判に参加して成果を上げるけど、プール係の秘密や、最後のアリバイ崩しなんか、終始女の子らしい着眼点を貫き通していて、一つの作品として上手くまとまっていたと思います。 リース・ウィザースプーン。日本人が考える定番の金髪美人ではないかもしれません。喜怒哀楽がハッキリしていて、角度や表情によってエリザベス・モンゴメリーやシガニー・ウィーバー、時にはウィレム・デフォーにも観えて面白い人です。[DVD(字幕)] 5点(2023-12-08 21:11:38)《改行有》

90.  男はつらいよ 花も嵐も寅次郎 《ネタバレ》 シリーズ30作目。オープニングは子供の頃ザ・ベストテンなんかで観たジュリーのショータイム。アメリカンな衣装を着たとらやのみんなが、なんかシュール。 いつもひっそり、とらやの背景を演じてきたお向かいさん・江戸家さん。挨拶以上の絡みを観せたのも、親父さん登場も、今回初かな?そんな江戸家さんから、ついにマドンナ登場!しかも派手派手な朝丘雪路って力の入りよう。この一瞬で花咲いて一瞬で終わる恋を入れたのは、この先寅さんが完全に恋の脇役に徹するからだろうか? 『シートベルト着用運動参加車』なんて書いてるけどシートベルトしない三郎青年。まぁ、友人に借りた車だしね。今回、大分県がスポンサーなのかな?温泉街、お寺、神社、グライダー、サファリパーク、ホーバークラフトと、いつもより観光色が強く、そこに割く時間も長め。 二枚目だけど恋に不器用な三郎青年。寅が青年に恋のアドバイスする回は過去にもあったけど、どうにも上手くいく気配がないのも珍しい。デートでもチンパンジーのベベの話しかしない三郎との時間に退屈してしまう螢子。寅とだったらいつまでも一緒に入られるのに。って素直な気持ちが辛い。 観覧車デート。あぁやっぱりここでもチンパンジーの話か…って、退屈そうな螢子がいい味出してる。 「子供のように思ってたベベが、螢子さんに出会ってからもう、ただの動物でしか無い」ここで求婚に飛ぶけど、螢子の中できっと『三郎さんのチンパンジーへの思いは、私の寅さんへの思いと一緒なんだ』って思ったんじゃないかな。三郎が好きだと言ったら説教した寅と、三郎に好きな女がいるのを感じて引っ掻いたベベ。居心地の良かった相手と、好きで結婚する相手の違い。だから螢子も一歩踏み出す決心ができて、結婚を受け入れたんだろうなぁ。 寅にしてみれば、三郎は最後フられて終わるところ。だって自分がずっとそうだったから。でも三郎が上手く行ったのは、自分と違って二枚目だから。って、寅の中の結論がまた痛々しい。ここのところ4作続けて寅の心を抉るような、可哀想な結末だなぁ。[CS・衛星(邦画)] 5点(2023-12-03 13:35:17)《改行有》

91.  ELEVATED(エレヴェイテッド) 《ネタバレ》 “ELEVATED”『上昇』。ヴィンチェンゾ・ナタリ監督の最高傑作がCUBEなら、本作は次点。 CUBEのDVDの特典映像に入ってるんだけど、あれ?私はコレいつ観たんだ??CUBEのビデオにも本作入ってるんだっけ? まぁ、前情報無しにあんな凄いモノ(CUBE)観せられて、そのあとこんなの(ELEVATED)入ってたら、嬉しさ2倍以上だよね。 CUBEから箱を1つに減らして、登場人物も半分に減らした本作。 制作順はこちらが先だけど、観る順番としてCUBEの後に本作を観るのがベストだと思います。 最上階の44階から最下層の地下4階に降りるエレベーター。38階でエレンが乗り、22階?(不明)でベンが乗る。ハァハァ言って怪しいベン。そもそもペンか何かでボタンを押そうとしたのが、指紋残さない為みたいで怪しい。4階でハンクが乗って、エレベーターが上昇して、物語が動き出す。 ベンが悪いやつかは解らない。ハンクが信用できるか解らない。そんな箱の中のシチュエーションをエレン目線で描く。さぁ39階で止まったけど、どうする? エレンがゆらりと回転したり、刺すところでサブリミナル映像?入れたり、ミュージックビデオみたいな実験要素が盛り込まれている。 この内容で普通の長さの映画ならダレるかもしれないけど、アイデア勝負の短編だから勢いも感じられて面白い。[ビデオ(字幕)] 6点(2023-12-02 12:47:56)《改行有》

92.  CUBE 《ネタバレ》 “CUBE”『立方体』。この映画も私の中の『第二次映画鑑賞ブーム』の時に、衝撃を与えてくれた作品です。こんな低予算で、ここまで面白い映画が創れるんだ!って。 オープニングの前に、男が目覚め、周り(置かれた状況)を見回し、扉を開けてみてその先に何があるのかを観せ、残酷に殺して観せる。ここまで説明もセリフも一切なし。だけど、何が起きてるかが伝わる。『わかんない状況に置かれているぞ!?』って状況が伝わる。 オープニング後も自分がどうしてここに居るのか解らず、周りの人が誰かも解らず、ただ目的はシンプル(ここから出たい)で、限られた時間の縛り(食料がない)があって、移動するたびにワナがあって、まるで自分も一緒にキューブの中に入ってしまったような、そんな作品。 前置きなしに“この世界に放り投げられた感”は、同じ低予算なのもあってか、私には『激突!』以来の衝撃で、続けて4回くらい観たと思います。 主人公は頼れる男クェンティンか、ヒロイン・ポジションのレブンだと思って観たと思います。脱出の希望と思えたレンがアッサリ退場する絶望感。絶望の後に希望あり。数字に意味があることで前進できる。そして行き詰まる。 徐々に観えてくるクェンティンの裏の顔。レブンも自分が頼れる存在だと知ると、少し横柄になります。極限状態に置かれた人間がどれだけ変わっていくか。ルールのないコミュニティで、人はどんな対応をするのか。観ていてどんどん引き込まれたわ。自分だったらどうするか?どう変わっていくのか?そんな事考えながら。物語は『どうトラップを回避するか?』から『コイツ信用できるのか?』に変わっていく。人間の敵は人間。些細な言い合いから徐々に壊れていく人間関係。小さなコミュニティはエゴのぶつかり合いに。 最後の部屋(通路)を赤にしたのも上手い。色々ある部屋の色で、やっぱり赤が一番禍々しい。カザンが赤が嫌いなのも、観る人に赤=悪いものの印象を植え付けてる。赤が強調されてるから、その対比として出口の眩しい光が映える。 そして自分が助からないのを知った人が最後に選んだのは『誰を生かし、誰を殺すか』。それもまた人間社会に対するエゴなんだよな。 シンプル故に色々なことを考えさせられる映画。[ビデオ(字幕)] 10点(2023-12-02 12:06:36)《改行有》

93.  男はつらいよ 寅次郎あじさいの恋 《ネタバレ》 シリーズ29作目。寅さんでスズメのアニメーション(白組作画!)が観られるとは。まるでメリー・ポピンズみたいになめらかな動き。 オープニングの歌の間に台詞のある本編ドラマが入っているのも新しい。 そして前作に引き続き、どこか哀愁のあるメロディ。う~ん、今回も悲しい終わり方するんだろうな。 片岡仁左衛門さんは歌舞伎役者か。映画主演作がほぼ無い中、劇中に馴染んだ演技を見せてくれる。貴重な茶碗をもらった寅の雑な扱いにワタワタする姿が面白い。寅が高齢になるにつれ、年齢の釣り合いの取れる(&お客さんの関心を集められる)マドンナとなると選択肢が減ってくるんだろうなって思う中、ゲストで豪華さを見せるのも上手いところ。 あといしだあゆみと吉岡秀隆の北の国から親子共演に思わずニヤニヤしてしまう。 そのマドンナいしだあゆみが、シリーズに異色な印象を見せる。顔より先にカメラが捉えるのは足。加納の家で寝込んで、朝方寅の寝室に入るかがりの足。丹後の実家で再会の時も、階段から降りてくるかがりの足から入る。寅とサシ飲みの俯瞰図もかがりの足がきれいに収まり、子供を寝かしつける時のふくらはぎは、寅でなくてもついドキッとしてしまう。そして階段を登る足。どうしちゃったんだろう?寅さんにこんなにエロ要素入れてくるなんて。 でもね、寅の寝室に入る時は意図的に足を映さないの。もう全身からフェロモン出てるから足は映さないの。寝たフリをしてやり過ごす寅。かがりが出ていく時にようやく足を映すのも上手い。徐々に盛り上がって、頂点迎えて取り逃して、クールダウン。ここで寅の恋は終わってます。 かがりから誘われたあじさい寺デートは、あまりに寅が可哀想な展開。そしてとらやの寅と旅先の寅の描き分けがハッキリしていて、一応旅先に含まれるあじさい寺に、とらやの満男を連れて行ったらどうなるかが初めて観られた。あぁ、こうなってしまうんだ。 そして、こうなることが解っていて、満男を連れて行ったのは、やっぱり丹後で燃え尽きていた自覚があったからなんだろうな。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-12-02 10:56:58)《改行有》

94.  カラー・オブ・ハート 《ネタバレ》 “Pleasantville”『プレザントヴィル』ってドラマのタイトル。地名で『愉快な町』とかって意味で、実際アメリカに幾つか同名の町があるので、きっとよくある田舎町の名前。 現実から異世界に行く&小さな町が主人公の影響で変わっていく映画というと、もう結構出尽くした感があったけど、こんなのも創れるんだって、かなりショックを受けました。私はケーブルテレビで遅れて観たけど、この作品、公開当時はどれくらい話題だったんだろう?もっと認知度高くても良いような、そんな印象です。 BTTFのように過去に行く物語の亜種として、視覚的にはカラーからモノクロの世界に行くんだけど、過去のドラマの“中の”世界。というのは面白い着目点です。紙は燃えないし、本は真っ白だし、メインストリートの先はメインストリートの始点。“本当の赤”みたく、お互いにモノクロなのも理解してます。カラーになったベティをファンデーションで助けるなんて、この世界観だからこそのアイデア。 デイビッドはバッドを演じ、ジェニファーはメアリー・スーを演じます。パターンとして、二人が時間が止まってる世界を壊さないように役を演じて、あれこれトラブルが有りつつも、最後は自分たちもモノクロ世界も壊さずに、無事現実に帰ってくるのが定石…だと思ってたところ、どんどんカラーが入ってきて、取り返しの付かない展開になっていきます。それも最初はカラーになっていくのがスカッと爽快で、だけどどんどん歪みが生まれていくのも上手いです。最初から最後まで『この先どうなっていくんだろう?』の連続でした。 最後も綺麗でした。古き良き'50年代から、世界が広がる'60年代へ。銀色の都市間高速バスが時代の変化を感じさせます。その後は退廃の'70年代に向かうのが想像できるけど、ドラマの世界の彼らはそんなこと知りません。一人残ったジェニファーも、たぶん詳しくは知りません(※今まで勉強してなかったのと、あの世界に未来の本は無いから)。だけど彼らの世界は私たちの世界とは違うので、同じ道を辿るとは限りません。プレザントヴィルがデイビッドが暗記するほど観てきたドラマの通りにならなかったように、彼らが向かう世界は素晴らしい'70年代かもしれない。 そして現実に戻ったデイビッドも成長しているのも嬉しいおまけで、あんな世界を体験しただけに、そこに説得力もあります。消えたジェニファーをどう説明するのか。あっちの世界もこっちの世界も、先のことはわかりません。だけどとても希望に溢れた終わり方でした。 結構完璧な作品です。完璧過ぎてアラが少ないのが、かえって“創りもの感”を感じます。エンディングのジョージがビルに変わるとことか、こういうのリメイク作でやるなら解るけど、ちょっと捻り過ぎかも。 あのテレビ修理の爺さんが何度か出てくるのは蛇足だった気がします。「おめーがリンゴ食ったからだー!」って言われても、いまいちピンときません。最初すぐ現実に戻ろうとしたけど戻れなくて、最後アッサリ戻ってしまうのは、リモコンの問題でなく爺さんの気分次第?1~2週間経ったから?う~ん… 『この先どうなるかわからない』映画なんだから。爺さんは最初と最後(帰っていくところ)だけで、あとは自分たちの選択した結果にしてほしかったかな。 ゲイリー・ロスの初監督作品。そのため力が入りすぎて、作品愛が溢れてしまったんだと思うところ。かなり好きな映画です。[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-12-02 09:50:10)《改行有》

95.  カンナさん大成功です!(2006) 《ネタバレ》 “미녀는 괴로워”『美人はつらいわ』。ちなみに200ポンドは90.7185kgなんだって。 デブでブス。どっちも整形で解決しちゃうんだな。脂肪吸引だけして痩せたらアラ私って綺麗…とか、美容整形だけして体型は根性で痩せるとか、どっちかでも良かったような。声だけはそのままなのね。 サンジュンが良い奴なのかが掴めず。なんでカンナのことを悪く言うシーン入れたのかな。あんな男、整形で綺麗になって見返す対象程度で良いんじゃない? 犬を捨てるシーン、カンナ身勝手だなぁって思ったけど、その後サンジュンが飼ってるのはナイス。嬉しそうなカンナが良い感じ。三ジュン、悪ぶってるけど根は良い奴ってことか? アミが意地悪で嫌なヤツなんだけど、地道に歌の練習してるのに感心したところの、鬼の首を取ったかのような嫌がらせ… ジョンミンが安定の良心キャラなんだけど、最後整形しちゃうんだぁ…韓国では美しいことが、いろんなモノを手に入れる条件の一つなのかなぁ? どうにも、表も裏もどっちも好きになれるキャラクターが居なかった。サンジュンのカンナのホンネ、秘密を知ったアミの嫌がらせは、もう少しキャラを許せてしまうようなフォローを入れてほしかったかな。それが無いから『あの件は置いといて』って感じで、もう一歩感情移入できないままだった。 最後の方FOするアミより、ピンク髪の娘がカンナを認めててほっこりしたわ。 一時期、韓流ブームの時って、向こうの美人はみんな同じ顔(整形顔)してて不思議だったわ。美に対するベクトルが一緒だから、目指す目標も一緒になってしまう結果、同じような顔になるらしい。そんな中カンナは自然な整形をしていたってことなのかも? あれだけ整形が浸透している韓国で、整形した女を悪く言う風習があるのも意外だったかな。お互い納得して整形を認める文化だと思ってた。 ブロンディのカバー曲が良かったわ。[インターネット(字幕)] 5点(2023-11-24 23:25:50)《改行有》

96.  カンフーハッスル 《ネタバレ》 “功夫”『カンフー』。これは良いとして英題“Kung Fu Hustle”『カンフーぺてん師』??…ハスラーのハッスルだと思うんだけど、こんな訳で良いのかなぁ?まぁ、シンはハッタリだけのチンピラ。豚小屋砦の達人5人も正体を隠してた。最強の火雲邪神も奥の手はインチキ。シンに秘伝書を渡した仙人も…だからまぁ、これで良いのか。 少林サッカーが大好きなので、この作品も素直にハマれました。斧頭会に囲まれて絶体絶命の場面で3人の達人が立ち上がるシーンは鳥肌ものの格好良さ。DVDでここばかり何度もリピートしてしまいます。シンと相棒も安定の面白さ。痛面白いナイフ投げのシーン最高。アイス売りの娘から小銭を奪うところ、相棒がラムネを差し出すところで胸がジーンとなってしまう。 少林サッカーと比べ、序盤のボス殺害シーンがちょっと残酷で少々鼻に付いてしまうけど、琴の暗殺者が猫を切るシーンがまたセンス良くて、ここは良い意味で裏切られた気分。このシーンのミスリードのために序盤に残酷シーン入れてたのかなぁ?って思えるくらい。猫上手い。 漫画チックに脚をクルクルさせてのチェイス・シーンとかは、まぁ、私はあまり得意ではありません。気持ちがすとんと落ちたところで唇ブルブルのシン。こういうのも、ちょっと…達人3人のカンフーは素晴らしかったけど、それを凌駕する大家夫婦のカンフーが体技ではなくCGメインなのも、最初ちょっと残念に思ってたっけ。今ではそんなに嫌いじゃないけど。 火雲邪神は強敵感があっていい味出していたわ。シンとの対決もアツいものがあったけど、やっぱ最後はCG合戦かぁ。 シンは大家夫婦の死んだ息子。って訳じゃないんだよね?たぶん。 ただね、ツッコミどころはいっぱいあるけど、キラリと光るセンス。他の映画じゃやらないであろう、ウケるかスベるかギリギリのギャグ。観終わった後の満足感。笑いあり涙ありの99分間。少林サッカー同様、当時のチャウ・シンチー映画には不思議なパワーがあるんですよ。[地上波(吹替)] 7点(2023-11-22 22:52:45)《改行有》

97.  男はつらいよ 寅次郎紙風船 《ネタバレ》 シリーズ28作目。きちんと出るには出たけど、あまりに本作に絡まない紙風船の小道具っぷりよ。 寅の夢にマドンナ2人が出てくるのは、シリーズ初かな? ガードが硬そうで、いったん心を許すとノーガードな愛子が可愛い。そんな愛子に、相部屋なのに変な気を起こす気配も感じさせない寅の落ち着き具合。この2人はそれはそれでイイコンビ。マグロを抱えた兄の登場が、これまた勢いがあって好き。 一方でマドンナの光枝は可愛らしい大人の女。それでいてどこか影があって。どうして歳の差もあるテキ屋の常三郎と一緒になったんだろう?って女性。だけどなんか、この夫婦に説得力を感じてしまった。 旅館で働き出した光枝。寅と話してる最中、ガラッと窓を開けて掃除する、同僚の視線に背を向ける光枝。察した寅が「何か辛ぇ事ないのか?」に「大丈夫、仲居みたいな仕事は前にやったことあるから」って。あぁ、この人同僚なんかと上手くやれないタイプなんだ。だから夫の仕事仲間の愚痴も出るんだ。 駅前の別れのシーン。光枝の方から話を振ったくらいだから、寅の回答次第だったんだよな、ここは。病人相手だから適当に相槌打ってた事にする奥手の寅と、それ聞いて安心した事にする人付き合い下手な光枝。なんでか常三郎を悪者にして話をまとめる二人。常三郎はこの不器用な二人が大好きだったんだね。 失恋に追い打ちを掛けるように、不採用になった寅の乾いた笑いが忘れられない。 何より全編通して流れる笛の音のテーマが物悲しい。でも嫌いじゃない一作だなぁ。[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-11-21 01:00:13)《改行有》

98.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 ゴジラは“日本を襲う破壊の象徴”です。初代ゴジラは原爆。シン・ゴジラは東日本大震災。そして本作のゴジラは太平洋戦争(※書き方として東京大空襲と迷いましたが)でしょうか。 圧倒的な物量を誇るアメリカ軍を相手にした戦争は、まさにゴジラを相手に戦うようなものだったことでしょう。 最初のゴジラは軍人だけの基地に出てきました。そしてより巨大になって本土に上陸し、街を壊して人を踏み潰します。 戦争は軍人同士が海の向こうで戦うものだと思っていたのに、空襲で自分の家が焼かれ、家族が殺される。アメリカ軍の無差別爆撃とゴジラの破壊行為。両者にどんな違いがあるだろうか。 三丁目の夕日の、少し前の日本が舞台。帝国海軍も警察予備隊も無い、自衛能力のない時代の日本とゴジラの戦い。役目を終えた軍艦が呼び起こされ、日の目を見ることのなかった戦闘機が空を舞う映像は、過去のゴジラ作品のどんな秘密兵器よりもアツい展開でした。 焼け野原から徐々に復興していく東京の町並みと、少しずつ生活も安定してきて、家族になっていく敷島と典子。ようやく前を向いて生きていこうとした矢先…自分が死ぬのが怖くて特攻出来なかった敷島。彼が特攻しなかったから家族が死んだわけではないけど、戦うべきときに戦わなかった報いが、後々重くのしかかる。因果応報。終わらない戦争。 人間ドラマに重点を置いた本作、後半涙腺緩みっぱなしでした。説明が丁寧だから、展開は読めるんです。それでも涙が出てきます。ありえない最後も全然受け入れられました。エンドロールが始まっても、ほっぺが涙でベチャベチャです。想像以上に良いものを観せてもらいました。 さて。彼女に何があったのか。彼を突き飛ばした後、あの勢いで吹っ飛んだんだから、五体満足なハズはない。 街に飛び散ったゴジラの肉片には、強い放射能だけでなく、強い再生能力も有している。首筋のアレは、飛び散ったコレなんだろう。 何か不吉な未来を暗示しているようにも思えるけど、私は“マイナスを乗り越えてきた日本人”を表しているんだと思った。 どんなに傷つき、どんなに破壊されても立ち直ってきた日本。過去の被害を隠すこと無く、むしろ吸収して乗り越えてきた日本人。戦争、原爆、大地震も乗り越えた日本人は、ゴジラによる未曾有の破壊を受けても、それさえも吸収して乗り越える力があるんだ。という意味だと解釈しました。 …ただもし今後『ゴジラ・ゼロ』とか続編があるなら、解釈変わるだろうけど。[映画館(邦画)] 8点(2023-11-21 00:00:20)《改行有》

99.  仮面の男(1998/ランドール・ウォレス監督) 《ネタバレ》 “The Man In The Iron Mask”『鉄仮面の男』おぉ、スケバン刑事2とかの元ネタで、実際にそういう人物が存在したんだ、へぇ~~。三銃士のその後、鉄仮面伝説、ルイ14世の秘密。複雑になりそうなお話なのに、とても分かり易い娯楽映画でした。 何度か映画化され、テレビアニメにもなっていた『三銃士』。私も基礎知識としてどこかで観ておくと、よりこの映画を楽しめたんだろうなぁ。よく知らないんだよなぁ…。時の人ディカプリオが、横柄な悪人ルイ14世と、心優しいフィリップの2役を演じますが、ホント顔つきを観ているだけで、どっちの役か解るくらい、見事に演じ分けています。この一本でディカプリオを2倍楽しめる構成になっています。 さて、三銃士の筋を知らない私は、この物語の主人公が誰だか解らないのです。この映画のウリ(主演俳優)は間違いなくディカプリオなんですが、ルイが主役というのは違う気がしますね。じゃあフィリップか?ってなりますが、彼は自分の意志で動くというより、両陣営の操り人形な感じです。なので三銃士(四銃士)が中心人物になるんでしょうけど、ダルタニアンが主役か?というと、どちらかというと悪に加担する側なので違うような…。 映画の中の悲劇としては、ラウルとクリスティーヌの悲恋なんだけど、どちらもアッサリと最後を迎えるため、印象が薄いです。クリスティーヌももっと抵抗してほしかったし、ルイももっと威圧的に悪党らしくがっついてほしかった。アトスが一時期フィリップの父親代わりになりそうですが、主役かというと、どうも違う。ポルトスは主役ってガラじゃないから、消去法でアラミスになるのかなぁ?うぅ~ん… 歴史モノにしてはライトな創りで、クソ真面目な作品でも無いんだけど、かといってコメディ要素が強調されるでもない。好き嫌いは結構ハッキリ出る作品かもしれません。見せ場とか演出とかが、近年のマーベル系ヒーロー映画に近い気がしました。 忠臣ダルタニアンの秘密。これはマズいでしょう。物語上、ダルタニアンが一番悪い人になってしまっている気がします。[DVD(字幕)] 5点(2023-11-16 23:09:50)《改行有》

100.  男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎 《ネタバレ》 シリーズ27作目。オープニングの夢は、過去一番の脱力系の夢でした。タコ社長のタコの着ぐるみ、よく着る気になったなぁ。 タイトルの河川敷ではサイクリング仲間が女の子の取り合い。今までなら寅が引き金になってドタバタが起きるんだけど、今回寅は単なる傍観者。おぉ前作同様、寅は一歩引いたスタンスで若者を見守る話かな?と思いきや、結構スタンダードな一目惚れ回でした。 満男が吉岡秀隆になってた。さくらのノーヘルスクーターにビックリ。そういう時代だったの?気にしたことのなかった源ちゃんの意外な過去。 この作品も以前テレビで観ていた記憶があって、マドンナふみの弟の死が印象深かったです。本作では特に、とらやでの子供みたいに馬鹿でワガママな寅と、旅先での大人としてしっかりした一面を見せる寅の両面が観られます。 神社の絵馬にさくら一家の幸せを祈願する寅。一方で弟のみを案じるふみ。たった一人の姉弟がために、寅も自分に重ねてふみに協力したんでしょう。心のこもった葬儀をあげてくれた会社の人々への、寅が発した感謝の言葉がもう、こんな事言える大人って格好良いなって思ってしまいます。 一方のふみ。「何で一言言ってくれなかったんです!?」と弟の上司に怒りをぶつけます。幼い頃別れてから、一度も会ってない弟。父方と母方に別れてそれっきりと思いきや、務め先は知ってる(どこでそれを?)。お骨は若狭の叔母さんが持って行ったのに、その叔母からふみには一言もない(※その叔母さんがふみのことを知らない可能性も少々)。ふみに怒る資格はないように思えるけど、まぁけっこう表裏が激しい、自己中な女です。 絵馬のところで「寅さんに、ええお嫁さんが…(はぁと)」と言いつつ、弟のことを書いてる。まぁ照れ隠しって感じだけど、芸者さんの職業病らしく、寅が喜ぶ事を言っただけに思えました。 旅館で一晩共にしたあとの置き手紙についても「“1人で”考えてゆきます」なんてあたり、男の気を引いてナンボの芸者さんらしいなって思いました。 とらやに来て、いきなり接客始めるのも、日常と仕事の境界線が曖昧だからかなぁ?って。ある意味アイドルタレントと似ていて、仕事(撮影中)と、日常生活(インスタとか)と、その裏に人に見せない私生活があって、だから結婚っていちばん重要なキーワードを、あんな残酷なカタチで言えてしまうんだなって思いました。「こっちの気持ちにもなってくれっていうんだよ。」寅がさくらにマドンナの愚痴(というか恨み節)を言うのは初めてかも?いつもと同じようなフラレ方に観えて、今回ばかりは寅が可哀想。[地上波(邦画)] 6点(2023-11-16 01:14:19)《改行有》

000.00%
120.24%
2111.34%
3182.19%
4728.77%
515719.12%
617621.44%
716319.85%
813616.57%
9526.33%
10344.14%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS