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プロフィール
コメント数 2663
性別 男性
ホームページ https://tkl21.com
年齢 44歳
メールアドレス tkl1121@gj8.so-net.ne.jp
自己紹介 「自分が好きな映画が、良い映画」だと思います。
映画の評価はあくまで主観的なもので、それ以上でもそれ以下でもないと思います。

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981.  トロピック・サンダー/史上最低の作戦 《ネタバレ》 とても悲しいことがあって、こういう時だからこそ敢えて理屈抜きに大笑いできる映画を観ようと思った。 普段は積極的にこの類いの“コテコテ”のコメディ映画は観ない。だからベン・スティラーの映画を観るのも本当に久しぶりだった。 どのジャンルの映画においても同じことが言えようが、コメディ映画というジャンルは特に観る者によって好き嫌いが大別される。故に笑いどころのポイントが合わなければ、その人にとっては駄作以外の何ものでもなくなってしまう。 それはもう丁半博打のようなものだけれど、幸運にもこの映画は大笑いできる映画だった。サイコーである。 ある程度あらゆる映画を見続けている人であれば、映画の冒頭から本当に可笑しくて仕方なくなってくるのではないかと思う。 戦争映画のパロディというよりも、ハリウッドの映画産業自体を風刺しパロディ化した映画世界は、凄まじいほどにきちんと作り込まれていて、笑いと同時に大いに感心してしまう。 数多の戦争映画で描かれてきた戦場における狂気の様と、ハリウッドのメインストリートの住人たちの滲み出る狂気が絶妙にリンクしていく描写は、ストーリーとしてもとても優れていた。 世界中にコメディ映画は溢れているが、本当に優れた可笑しさは、ストーリー的にも映像的にも徹底したクオリティーの高さの中にこそ生まれるということを、この映画の作り手は熟知しているのだと思った。 ブラックで時にどギツイシーンも連発されるが、豪華な出演陣のパフォーマンスをはじめ、常に“中途半端”であることを避け、すべてにおいて“振り切っている”ことが、決して居心地の悪さを感じさせない理由だろう。 鬼畜豪腕プロデューサーの意味不明な“ラストダンス”も含め、問答無用にテンションを上げてくれる“今の自分”に相応しい映画だったと思う。 個人的に惜しむらくは、鬼畜豪腕プロデューサー役のキャスティングに最後のクレジットまで気付かないでいられたなら、最終的なテンションの上がり方はもっと劇的になっただろうなと思ったこと。 某スパイ映画の最新作を含め、「彼」の映画を最近立て続けに観たばかりだったので、“眼”と“動き方”から気付かずにはいられなかった……。[ブルーレイ(字幕)] 8点(2012-01-14 16:17:03)《改行有》

982.  素晴らしき戦争 世に存在する「戦争映画」の全ては例外なく「反戦」を描いているだろう。 もちろんこの戦争映画もその例に漏れないが、これほどまでに高らかに「戦争」そのものを歌い上げ、それが巻き起こっている世界そのものを“テーマパーク”として表現しエンターテイメント化することで強烈に批判した映画は他になかろうと思う。 あたかもボードゲームに興じるように私利私欲を満たすために戦争を展開する上層部の人間たちの愚かさや、その駒のように盲目的に戦乱に巻き込まれ命果てていく民衆の虚しい様が、ミュージカルの中に盛り込まれその本質が露になってくる。 流行曲や賛美歌の替え歌の中で表現される「本音」の部分が、戦争におけるすべての愚かさをつまびらかにしていくようで印象的だった。 ある狙いを持ってのことだが、今作では第一次世界大戦の情勢が時に隠喩的に表現されるので、当時の世界情勢に詳しくない者にとっては正直分かり辛い部分も多く、退屈感に繋がってしまう要素も大いにある。 誰しもが映画として全編を通して楽しめる作品とは言えないが、明確で力強い「意思」をもって描き出された映画であることは間違いない。 監督のリチャード・アッテンボローは、今作が長編映画処女作らしいが、とてもじゃないが普通処女作で手にかけられる映画世界ではないだろうと、圧倒的な世界観に唖然とした。 ラストシーンでは、美しい緑の高原を文字通りに“埋め尽くす”無数の白い十字架の墓標が映し出される。 神々しいほどに静かで美しいシーンだけれど、そこにはこの映画でももっとも明確な“怒り”が表れていると思った。[DVD(字幕)] 7点(2012-01-12 14:02:37)《改行有》

983.  インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア 《ネタバレ》 まず感じたことは、これほど“つかみどころ”のない映画も他に覚えがないということ。 それは面白味が見出せないということではなく、「ああこういう映画か」と認識するや否や、つかみかけた映画の世界観のテイストがするりと手の中から抜けていく感じを冒頭からエンディングまで終始受け続ける作品だった。 序盤は、ハリウッドのスター俳優としてこれからどう転じていくかという一つの岐路に立たされていたトム・クルーズと、その後釜を虎視眈々と狙い始めたブラッド・ピット、二人のスター俳優の新旧の“色気”が画面に映し出されるままにせめぎ合う完全な“女性の欲求くすぐり映画”だった。 そういう映画だろうという予想が、この映画を無意識に敬遠していた要因でもあったので、「ああやっぱりこういう映画か」と若干テンションが下がり始めた頃、掲題の女優が登場。一気に“ちっちゃいキルスティン・ダンストの才能爆発映画”に転ずる。 キルスティン・ダンストがこれほど子役の時代に出演している映画とは知らなかったので、前述の二人のスターをも凌駕する衝撃的な存在感を目の当たりにして驚きが隠せなかった。 その後映画は、ヴァンパイアたちの悲しく激しい対立と運命が描かれつつ、シリアスにそして切なく深まっていく。 「ああ、なかなか悲哀深い映画だった」と結論付けようとしたところ、ラストで更につかみ損ねた。 延々とインタビュー形式で綴られたヴァンパイアの悲しい運命の物語が、何百年に渡る“ぼやき”として軽快なロックと共に一笑に付せられた瞬間、映画ファンとしては幸福なほくそ笑みを浮かべずにはいられなかった。 豪華過ぎるキャスティングの印象が強かったせいか、ミーハー女子好みのある種ベタで王道的な映画世界が展開されるのだろうと思っていただけに、想定外に毒っ気が強く、カルト的な映画世界に最終的に圧倒された。 結局のところ最後まで“つかみ切れない”映画で、美しい部分はとことん美しいし、悲しい部分はとことん悲しいし、馬鹿馬鹿しい部分はとことん馬鹿馬鹿しい。 とにもかくにも、ちょっと他にない類いのユニークな映画であることは間違い。 ああ、生き血をすすりたい欲望を抑えるルイよろしく、なんだかじわじわと滲み出てくる「愛着」を抑え切れない……。[ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-01-09 02:51:59)(良:1票) 《改行有》

984.  聯合艦隊司令長官 山本五十六―太平洋戦争70年目の真実― 今年初めての映画鑑賞を終えて映画館を出た。映画館の屋上の駐車場から沈み始めたばかりの夕日が見え、その輝きの思わぬ美しさにしばし見入った。 様々な価値観はあろうが、僕自身のこの人生が、同じようにこの国に生きた数多くの生命の上に成り立っていることは疑いの無いことで、こうやって美しい夕日が見られるのも、彼らの生命のおかげだと思った。 伝記映画として、戦争映画として、この映画に目新しいドラマ性は殆どない。 逆に言うと、世間一般の知識が乏しい山本五十六という人物の人間性を真正面からきちんと描いている映画だと言えると思う。 実在の人物や歴史を描いた数多の映画と同様に、今作が総てにおいて真実を描いているとは思わない。 しかし、たとえ一側面であったとしても、山本五十六の人間ドラマは充分に感じることができたし、それに伴う歴史の無情さや愚かさも深く感じることができた。 太平洋戦争勃発時の司令長官として、戦中戦後に渡り山本五十六に対する世間の風評は大いに揺れ動いたように思う。時には過剰すぎる程に神格化され、時には諸悪の源として蔑まれていたことだろう。 実際にこの人物がどういった人間だったのかは、タイムマシンでもない限り知る由もない。が、少なくともこの映画を観た限りでは、そういった世間の盲目的で安定しない風評に反するかのように、自分の目で世情を見据え揺るぎない信念を持ち続けた人間だったのだなと素直に感じた。 混沌とする世界の中で、一国の重圧と期待と悲しみを一身に背負い生き抜いた一人の人間の姿を見ることができた。 同時に、戦争とそれに伴う悲しみは、“誰か”のせいで生まれるのではなく、その国全体の“愚かさ”によって生まれるのだとういことを思った。 役所広司の演技にも目新しさは決してないが、安定しており、何よりも“説得力”が備わっていた。 主演俳優の演技に呼応するように、作品全体に安定した説得力のある良い映画だったと思う。 「歴史」を描いている以上、あらゆる価値観から賛否は渦巻くのだろうけれど、少なくとも今現在この国で生きている自分は、より責任を持って今この時を生きていかなければならない。 そして、今この国に生きる人々の多くは、太平洋戦争から70年を経た今だからこそもっとこの戦争の事実を知らなければならない。 そういったことを何よりも強く感じた。[映画館(邦画)] 8点(2012-01-08 22:51:01)(良:2票) 《改行有》

985.  アイアン・ジャイアント 謎の巨大ロボットと少年との心の交流を描いたどストレートなアニメ映画だった。 新鮮味はなく、ありきたりと言ってしまえばその通りだけれど、王道的な映画世界を堂々と描き切った“巧い”映画だと思った。 ありふれたお話だが、まずストーリーの転じさせ方が巧い。序盤の何気ない描写がしっかりとクライマックスやラストの伏線となり、ちゃんと惹き付けてくれる。 時代背景が冷戦構造のまっただ中だったり、主人公の少年の父親はおそらく戦死していたりと、テーマである「暴力反対」が決して押し付けがましくなく、心温まるストーリーの中ですんなりと入ってくる。 監督は現在公開中の「ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル」のブラッド・バード。 他にも「Mr.インクレディブル」も監督しており、とても「娯楽」を描くことに秀でた人だと思う。 娯楽映画こそ、作り手の才能が大いに影響されるジャンルだということを改めて感じた。 映画は、アニメ映画らしく心地よいラストで締められる。素直に「ああ、良かった」と思った。[DVD(字幕)] 8点(2011-12-30 14:26:20)(良:1票) 《改行有》

986.  劇場版 神聖かまってちゃん/ロックンロールは鳴り止まないっ エンドロールまでしっかり観終わった後、ラストのライブシーンを繰り返して、主人公の女子高生が大きく息をついてからガッツポーズを決めるカットを二度観た。 その後も特典映像の劇場版予告編を見終わったまま、DVDをプレイヤーから取り出せないでいる。 まさに余韻に浸っている状態だ。沢山の映画を観ていると稀にこういう状態に陥る。 実在のバンド「神聖かまってちゃん」のライブまでの日々を軸にし、まったく関わりのない別々の環境の人間たちのくすぶる心情と葛藤がつらつらと描かれる。 作り手が自らの趣味趣向を全面に押し出したマスターベーション的な映画世界が繰り広げられるんじゃないかという危惧は大いにあった。 そもそも、某ラジオ番組で話題に出ていなければ、こんなタイトルの映画は見向きもしなかったろう。 “見向きもしなかった”ことを考えると、本当にぞっとする。 冒頭から安っぽいデジタル撮影の映像が映し出され、上手いのか下手なのか、はたまた自然体なのか素人くさいのか判断に悩む出演者らの演技が繰り広げられる。 作り手の自己満足が入り交じったチープな映画世界が展開しているようにも見える。 しかし、すべてが終わった後には、無駄なものが何もない映画に思えるから不思議でならない。 “チープ”という印象がいつの間にか消え去り、“良い映画”という印象も覚えぬまま、気がつけば“大好きな映画”になっていた。 「神聖かまってちゃん」なんてふざけた名前のバンドはその存在すら聞いたこともなかったし、必然的に作品の中で流れてくる彼らの音楽にすんなりと共鳴できたわけでもなかった。 しかし、ラストのライブシーンでは彼らの音楽とともに、登場する様々な環境の人物たちの様々な思いが混じり合うようにして流れ込んでくるのを感じた。 プロ棋士を目指す少女は将棋盤を睨みつけ汗を拭う。 くすぶっていたそれぞれの火種が、バンドの音楽とともに突如として燃え上がる。 彼らの問題がそれですべて解決したわけでは決してないけれど、そこには次に進むための一筋の光が見える。 「感動は理屈ではない」なんてよく言うけれど、本当に自分の中で理屈が成立する前に訳が分からぬまま気持ちが高揚し、涙が溢れ出そうになってきた。 まだまだ吐き出したい思いは溜まっているけれど、うまく言葉にできない。 年の瀬、想定に反してスゲー映画を観てしまった。[DVD(邦画)] 10点(2011-12-30 12:07:56)(良:2票) 《改行有》

987.  SOMEWHERE 父親を起こすエル・ファニングの愛らしさ。 ヘリコプターの爆音で伝わり切らない父親の謝罪。 痛いくらいに青く美しい空。 幸福な時間とそれに伴う虚無感。 想定外にストーリーに起伏がなく、映画スターだが自堕落な生活を送る父親と別れて暮らしている娘との束の間の時間の共有をただただ切り取っただけの映画だった。 両者の関係性に劇的なドラマがあるわけでもなければ、何が起こるわけでもなく映画は終わる。 絶対に退屈な映画であることは間違いないのに、それを忘れさせ、不思議な心地よさの中で愛おしい時間を見つめていた。  ソフィア・コッポラの真骨頂という触れ込みは間違っていない。 こういう何気ない描写を何気ないまま映し出し、そこに言葉にならない情感を生むことにこの女流監督は本当に長けている。 プロットとしては、同監督作の「ロスト・イン・トランスレーション」にとてもよく似ている。映画の美しさにおいては負けずとも劣らない独特の秀麗さを見せてくれている。 ただしかし、「ロスト・イン~」が“傑作”と疑わなかったのに対して、今作は絶対的な物足りなさは感じる。 それが主演俳優の差か、微妙なシナリオ構成の差か、はっきりとは分からないが、映画としての美しさは溢れているものの、“面白味”に欠けてしまっていることは間違いない。 それでも、冒頭に記したようなとても印象深いシーンが幾つかあるだけで、良い映画だとは思う。[DVD(字幕)] 7点(2011-12-27 01:06:47)《改行有》

988.  ピラニア 3D ラストシーン、いや“ラストカット”を目にした瞬間、この映画は絶対的に低俗で馬鹿馬鹿しい“愛すべきB級モンスター映画”の一つとして、僕の脳裏に住みつくことと相成った。 今さら「ピラニア」なんてタイトルのモンスターパニック映画のパッケージを見たところで、普通なら食指は伸びない。 ジャケットのイラストの仰々しさだけに注力したC級以下映画だろうとスルーすることが定石である。 しかし、某ラジオ番組のPodcastでやけに評価が高かったことで記憶に残り、陳列されていたパッケージを手に取った。 湖で繰り広げられるフェスタで浮かれまくり、乳と尻を振りまくる若者たちの“大群”が、古生代の凶暴過ぎるピラニアの“大群”に問答無用で襲撃され、お色気満載のボディがおびただしい“肉塊”へと無惨に変貌してしまうという、詰まるところ悪趣味極まりない映画である。 でも、エロくて面白いんだからしょうがない。 ビッグネームとしては、クリストファー•ロイドとリチャード•ドレイファスがキャスティングされいる。 両者ともちょい役だけれど、その配役にも映画ファンとしては実に軽妙なセンスを感じ堪らなかった。[DVD(字幕)] 8点(2011-12-27 01:01:07)(良:2票) 《改行有》

989.  トロン 映画の善し悪し以前に、この時代にこの題材をチョイスし世界観を構築したマニアックさが凄い。 ビデオゲームがようやく市民権を得始めた時代に、その電脳世界に入り込んで、そこに存在する擬人化されたプロムラミングと攻防戦を繰り広げるという設定を当時一体どれだけの大衆が完全に理解できたのだろうか。 黎明期のコンピューターグラフィックスはつたなく、アニメーションの表現にも達してしない。 それでも不思議と画面に惹きつけられるのは、そういった表現に対する革新的な挑戦があったからだと思う。 決して現代の“ユーザー”が満足できる映画世界が堪能できるとは言えないが、こういう挑戦的な映画娯楽の可能性を広げる礎になったことは間違いないと思う。 そういう意味も含めて、このオリジナル作品の後に、2010年の最新続編を観ると、いろいろな部分で感慨深さが残る。それはそれで、良い映画体験だ。[DVD(字幕)] 6点(2011-12-26 00:00:48)《改行有》

990.  ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 50歳手前のトム・クルーズが、とにかく走りまくり、飛びまくり、吹き飛ばされまくる映画だ。 この映画に対して「どういう映画だ?」と問われれば、こう答えたいと思う。 正直言って、彼のそのパフォーマンスだけでも「脱帽」だと言えるし、必ずしもトム・クルーズのファンでなくともその部分だけでも観る価値はあると言える。 ハリウッドの映画スターとして存在し続ける彼の在り方は、まるで一流のベテランアスリートを見ているようだ。彼自身の俳優としての鍛錬と向上心が、“トム・クルーズ”というハリウッドスターの存在性と輝きを保持し続けているのだと、思わずにはいられなかった。 映画自体は、「ミッション:インポッシブル」というスパイ映画シリーズとして「面白い」としか評する言葉は必要ないと思う。PART2、PART3の出来が決して良くないので、そもそも質の高い映画シリーズとは言い難い部分はあるが、今作は、それらを補える程の面白味を携えたPART4として仕上がっていたと思う。シリーズ最高傑作と言っても間違いないと思う。 こういったシリーズ物の悪しき特徴として、最新作の設定において前作の苦労があっけなく水泡に帰してしまっているということが多々ある。今作にしても、前作で必死になって守り切ったものが、すでに喪失してしまっているというくだりがある。 それに対しては大いに難癖を付けたかったところだったが、今作はエピローグで見事に消化してくれている。 そのこともあり、ラストのシークエンスがより爽快感に溢れ、50歳を過ぎようがなんだろうが、トム・クルーズの更なる続編に期待は膨らんだ。 とにかく映画の中のあらゆることが超格好良くて面白い。それだけの映画だ。[映画館(字幕)] 9点(2011-12-25 23:59:09)(良:2票) 《改行有》

991.  トロン:レガシー てっきり1982年のオリジナル作品の“リメイク”だとばかり思って観終わってみれば、28年の年月を経た正統な「続編」だということを後から知った。 そうであればちゃんとオリジナル作品を観てからでないと真っ当な評価にならないんじゃないかと思い、その後に感想を書こうと思った。 以降、オリジナル作品鑑賞後の感想。。。 一年前に公開されて以来、酷評ばかりしか伝わってこなかったので、「駄作」なんだろうと身構えていたことが逆に功を奏したのか、想像以上に興味深く面白い映画だった。 一流のゲームプログラマーの父親が失踪して20年。残された息子が誘われるように、電脳の世界に入り込みアドベンチャーを繰り広げながら父親と再開を果たす。 専門用語が飛び交うストーリーそのものは、アンフェアだし著しくご都合主義だとは思う。ただし、その世界観への試み自体はとても深遠で、大いに興味をそそられるものだった。 この世界観の概念を30年近くも前に描き出したのだから、映画の善し悪しはともかくとしてオリジナル作品の革新性に大きな価値があることは間違いない。 そして、オリジナル作品を観てから今作を振り返ってみると、とてもオリジナル作品のファンの愛着に応えた作品であることが分かる。 もし自分が、1982年当時にオリジナル作品を鑑賞し、その世界観に衝撃を受けた上で28年の時を経て続編である今作を観たらならば、その感慨深さはちょっと特別になるかもしれないと思ってしまう。 それは爆発的な映像技術の進歩であったり、オリジナル作品を踏襲した台詞回しだったり、引き続き同役で出演を果たしたジェフ・ブリッジスの円熟味だったり多岐にわたるだろう。 傑作だろうが駄作だろうが、映画とは鑑賞者個々人の価値観がすべてにおいて優先されるべきもの。 この映画を「駄作」と断ずる人も多いのだろうけれど、「傑作」と崇める人もたぶん結構居るだろうと思わせる。 僕自身にこの映画シリーズに対する思い入れはないけれど、少なくともこの過剰なまでの仰々しさ溢れる映画世界は嫌いではない。[ブルーレイ(字幕)] 7点(2011-12-25 23:53:53)(良:1票) 《改行有》

992.  リトル・ランボーズ “なにか”に触れ、自分のその先の人生をかけるくらいに熱狂する。それは、すべての“男の子”に与えられた「権利」だ。 その熱狂が、たとえ盲目的で何かしらの弊害を生んだとしても、熱狂したその瞬間こそが彼らにとっての「宝物」であり、生きていく中でその価値はきっと揺るがない。 生活環境が全く異なった11歳の少年二人が、「ランボー」で共鳴する。 主人公二人の共通項が詩人のアルチュール・ランボーのことであればひどく退屈な映画に思えるが、シルベスター・スタローンの「ランボー」であることが映画の面白さを引き立てる。 厳格な信仰の元で育ちあらゆる娯楽を禁じられた少年が、悪たれだが映画が好きな少年に引き込まれ、嗜好を爆発させていく様が愉快で解放感に溢れている。 個人的に、かつて映画製作を志していた時期があるので、少年たちが喜びを爆発させるように映画づくりに没頭する様を観ているだけで、この映画を否定することなどできなくなる。 少々意味不明な交換留学生のフランス人の存在感や、主人公たちそれぞれの境遇の中途半端さに対して、この映画が求める抑揚に乗り切れない部分もあった。 ただそういう難点を補ってあまりある“輝き”がある映画であることは間違いない。[DVD(字幕)] 7点(2011-12-23 10:12:08)《改行有》

993.  塔の上のラプンツェル 「ああ……テレビが小さ過ぎるな……」 目の前では、居なくなったプリンセスを憂いて無数の灯りが夜空に向けて上げられている。 自宅の32型の液晶テレビに映し出される、その美し過ぎるシーンを観ながら思った。 同時に、この映画を映画館で、そして3Dで観なかったという“失敗”に今さら気づき、遅過ぎる後悔を感じた。 理屈ではない。ディズニーはやっぱり素晴らしいとしか言いようがない。 ディズニー映画に対する問答無用の高揚感はもはや条件反射で、それは世界中の子供たちに行われ続けている“幸福な刷り込み”によるものだと思う。 大人になって、ディズニー映画の新作を見てもすんなりとその高揚感を味わうことは少なかったけれど、この映画にはかつて自分自身が子供の頃に“刷り込まれた”愛すべきディズニー映画の“源泉”が溢れ出ているようで、ただただその世界観に包み込まれた。 四の五のと御託は必要ない。今の自分を取り囲む“いろいろ”を一旦ソファーの横にでも置いといて、世界で最も信用度の高いブランドによる「夢の国」に入り込むべし。 P.S.残念ながらDVDやBlu-rayで観るのであれば日本語吹替で可。しょこたんギザウマス+ギザカワユス。[DVD(吹替)] 9点(2011-12-21 15:50:43)(良:1票) 《改行有》

994.  ファンタスティック Mr.FOX こういうストップモーションアニメやクレイアニメを決して安直に子供に媚びるわけではなく、真っ当な大人も観られるコメディ映画に仕上げられることが、アメリカという国の多様性を最も分かりやすく表していると思う。 ジョージ・クルーニーやメリル・ストリープが声優としてメインを張るわけだから、その価値観が確立されていることは明らかで、“エンターテイメント”という要素でこの国にはやっぱり敵わないと思わずにはいられない。 映画は思ったよりも“真っすぐ”な親子の物語だった。 周囲への迷惑を顧みず功名心を貫き通してしまう父親と、彼に憧れ彼に認められていないことに傷つく息子の絆の物語。“人間”を完全な悪者に据えて、共闘する中で親子の絆を見出し深めていく。 ストーリーに特別な捻りがあるわけではないけれど、時に奇妙な動きを見せるストップモーションのキャラクターたちが総じて愛らしく、彼らの言動を観ているだけで充分な娯楽性は備わっていると言える。 楽しく、安心して観られて、子供の頃に観たなら、何度でも観たくなるだろうアニメ映画だったと思う。 そして、無性に“りんご酒”というものを飲んでみたくなる。[DVD(字幕)] 7点(2011-12-19 15:10:51)《改行有》

995.  クローンは故郷をめざす とても丁寧に作られている映画だとは感じた。でも面白くはなかった。 過去にトラウマを抱えた宇宙飛行士の男が死に、クローンとして蘇る。望郷と悔恨に導かれるまま故郷に歩んでいく。 ヴィム・ヴェンダースがエグゼクティブプロデューサーとして関わっているらしく、叙情的な世界観とストーリーはマッチしていたと思う。 伝えたい映画世界は理解できたが、どうにも引き込まれず、心が揺れ動く登場人物たちに感情移入が出来なかった。 総じて“ありきたり”が満載な映画と言えるかもしれない。 結果、情感溢れる映画世界が酷く退屈なものに映ってしまった。 SFと人間の感情を織り交ぜた題材自体は好きなものだし、キャスト陣も好きな俳優たちが出ていたのに、面白さを感じないという。これはこれで稀有な映画体験かもしれない。[CS・衛星(邦画)] 5点(2011-12-14 16:09:19)《改行有》

996.  羅生門(1950) 三船敏郎の豪快かつ虚無的な“馬鹿笑い”が脳裏に焼き付くようだった。 彼をはじめとする、往年の日本人俳優の圧倒的な“エネルギー”を改めて感じる作品だった。 黒澤明監督の「羅生門」という作品の存在は、当然ながら随分前から知っていた。 海外でも殊更に評価の高く、名作名高い映画であることも知っていたが、個人的には敬遠していた節があった。 それは、「羅生門」という芥川龍之介の原作からイメージされる文芸色の強さに対して、あまり魅力を感じることが出来なかったからだ。 高校時代の国語の教科書に芥川龍之介の「羅生門」が掲載されていたが、“ニキビを気にする下人と薄汚い老婆が屍の上で押問答を繰り広げる短編”という印象が強く、その世界観が映画としてどのように展開しているのかが甚だ懐疑的だった。 ただ実際は、同じく芥川龍之介の短編「薮の中」を映画化し、人間のエゴイズムを如実に表した“裁判劇”だった。 うだるような暑さの山間で巻き起こった強姦と殺人。一つの事件が、当事者らの証言によって紡がれる。 自己の保身と美化によって、自分たちの都合の良いように繰り広げられる証言。三者三様の言い分が食い違っていく様が、人間の愚かさを印象的に映し出していく。 照りつける太陽の下で繰り広げられる「事件」の描写と、天をひっくり返したような豪雨の羅生門で繰り広げられる事件に対する「考察」の描写が、人間そのものの浅ましさと無様さをあざけ笑うかのように表現され、黒澤明という絶対的名匠の存在性を改めて感じた。 個人的にはラストにもうひと捻りが欲しかったところだけれど、そこには、人間の愚かしさを延々と描いた作品だけに、最後の最後には“一筋の光”を入れずにはいられなかった巨匠の「希望」が垣間見えた。[CS・衛星(邦画)] 9点(2011-12-13 11:20:18)《改行有》

997.  スティング 若々しいロバート・レッドフォードが、ブラッド・ピットに見えて仕方がなかった。“そっくり”ということはないけれど、醸し出される俳優としての雰囲気が、とても似ていた。 個人的な推測だけれど、これだけの名作において現在に至るまでリメイクの企画が出ていないわけはなく、その度に“フッカー”役にはブラッド・ピットがキャスティング候補として挙ったのだろう。 そして、ポール・ニューマンの“ゴンドーフ”役には、ジョージ・クルーニーあたりが挙っていたのだろうけど、「オーシャンズ11」を先にやられてしまい、そのままのキャスティングではあまりに二番煎じすぎてインパクトがなくなってしまったから、リメイクの企画が頓挫しているのではなかろうか。まあ邪推に過ぎないが。 とにもかくにも、「詐欺師映画」の金字塔とされる名作と呼ばれるに相応しい素晴らしい娯楽映画だった。 往年の娯楽映画においては、どんなに「名作」と呼称され、作品の“売り”を見聞きしていても、“肩すかし”を食らうことが多い。 それは、次々に生み出される映画が、過去の名作を踏まえてより観客に衝撃を与える作品として製作される以上仕方がないことだと思う。 今回、今作の鑑賞に至っても、映画世界そのものの雰囲気と往年のスター俳優たちの格好良さを堪能出来ればそれでいいくらいに思っていた。 しかし、しっかりと「詐欺師映画」として“驚き”と“娯楽”を楽しむことが出来、そのことが最大の「衝撃」だったと言える。 ブラッド・ピットに見えるロバート・レッドフォードも良かったが、何と言っても、ポール・ニューマンの老練熟達した“男ぶり”に惚れ惚れしてしまう。 この二人のスター俳優の「名優」としての記憶が新しい限り、“リメイク”のハードルは極めて高く、そのことが慢性的なネタ不足のハリウッドでさえなかなか本腰を入れて手が出せない最たる要因なのかもしれない。[CS・衛星(字幕)] 9点(2011-12-12 16:55:51)《改行有》

998.  (500)日のサマー その昔、ある友人の恋模様のエピソードを聞いていると、度々「コーヒーに誘った」という内容が出てきた。 それを聞いた僕は、「コーヒーなんて誘ってどうするんだ?」とまるっきりピンと来なかった。 自分が関心を持っている相手とコーヒーを飲みながら話をするという選択肢自体が、当時の自分の中はなかった。 最近になって殊更に目につくのだが、欧米の映画では男女の会話の中で、「コーヒーでもどう?」という台詞というか“駆け引き”がしょっちゅう出てくる。 ああそうか、男女の駆け引きの中では、“コーヒーに誘う”という行為はものすごく一般的な常套手段なんだな。ということに今更ながら気付いた。 まあそんなことはこの映画には関係ないので、どうでもいい。 「運命」は「偶然」だと思うし、「偶然」は「運命」だと僕は思う。 だから、「すべての出来事は偶然だ」ということと、「すべての出来事は運命だ」ということは、まったくの同意だと思う。 “500日”という時間の中で、出会い、別れた男女の様を美しくユニークな映像世界の中で、切なくポップに描き出したとても良い映画だと思えた。 たとえ“1日”でも恋を経験した人であるならば、男女問わずに、どこかしらに共感できるポイントがあって、その可愛らしくも辛辣なシーンを目の当たりにして、胸がきゅう~っとなる映画だったと思う。 500日目の後に新たな“1日目”が始まる偶然。 500日目の後に“501日目”が始まる運命。 両者は平等に可能性を秘めており、それらを繰り返しながら、すべての人たちは“1日”を生きている。[DVD(字幕)] 9点(2011-12-10 14:09:29)《改行有》

999.  ルパン三世 血の刻印~永遠のmermaid~<TVM> 毎度おなじみのテレビスペシャル版。そもそも期待もしていなかったので、最初から最後まで取り敢えず見れた分、“マシな方”という内容だったのではないか。 いつもならテレビ放映されていても大概スルーするのだけれど、今回から主要キャスト声優陣が一新されたとのことで、恐いもの見たさもあり鑑賞に至った。 銭形警部、峰不二子、石川五ェ門というメインキャラクターの入れ替えはとても残念だったけれど、それぞれのキャラクターの第一声から「違和感」と言える程の印象はなく、終始耳馴染み良く観られたことは、大いに「成功」と言って良いのだろうと思う。 「ルパン三世」も、もはや「サザエさん」や「ドラえもん」と同じく、国民的アニメであることは間違いないので、寄る年波による声優を始めとするスタッフの入れ替えは致し方がなく、これからの世代に向けて残し、新たな作品を生み出していくということに、より大きな価値があると思う。 この作品自体は、「カリオストロ」と「ラピュタ」と往年の名作アニメをパクり……もといオマージュを捧げつつ、「超人ハルク」を無理矢理に混ぜ込んだようなヘンテコな作品だったけれど。 逆に言うと、次元大介役の後釜は今回見つけきれなかったんだろうなあ……。 「最後の砦」として、引き続き小林清志さんの末永いご活躍をお祈りしたい。[地上波(邦画)] 5点(2011-12-08 16:22:08)《改行有》

1000.  Sweet Rain 死神の精度 前日に原作小説を読み終えたばかりだった。 原作を読み終えた直後に映画作品を観るのは、ハードルがあまりに上がってしまってアンフェアかなとも思ったけれど、タイミング良く朝から冷たい雨が降り続いていたので、鑑賞に至った。 結論から言おうと、非常に良い映画に仕上がっていると思う。予想外に良い出来映えだった。 まず何よりもキャスティングが良かったと思う。 主人公の死神「千葉」役に金城武を起用したことは、間違いなかった。 原作者の伊坂幸太郎の「指名」だったらしいが、ほんの少し“片言”な感じに聞こえる台詞回しや、他の日本人俳優にはない浮世離れした存在感が、死神役に相応しく、「千葉」そのものだった。 ちょっとした風貌の変化で、様々な年代の異なったキャラクターを表現する様には、単純な演技力ではないアジアを代表する俳優としての表現力が見られたと思う。 物語を締める老女を演じた富司純子も素晴らしく、根本的な美しさと芯の強さを兼ね備えた老女役において、今、彼女以上に映画の画面に映える女優は居ないと思う。 このキャスティングの妙だけでも、充分に観る価値のある映画だったと思うが、更に映画化にあたり脚色の巧さも光っていた。 原作小説は6編の短編からなる連作小説だが、その内の3編を選択し、とても巧く一つの映画作品の脚本として繋ぎ合わせていた。 映像化にあたって改修が不可欠な台詞回しも、物語の本質を損なうことなくユニークに繰り広げられており、それぞれのキャラクター像がある部分においては深まっていたと思う。 各話の連なり方だけを見れば、この脚色の方が映画的には相応しかったとさえ感じた。 良い小説の映像化においては、どうしても必要不可欠な脚色行為によって、大いにその世界観が損なわれることは多々ある。 でも、今作においては、明らかな変更点を目の当たりにしつつも、すんなりと受け入れられ、原作とは違う映画ならではの感動を生んでいた。 稀ではあるが、とても幸福な小説の映画化だったと思う。 犬の安っぽい字幕演出がなければもっと良かったのだけれど……。[DVD(邦画)] 8点(2011-12-08 12:53:23)《改行有》

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