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性別 男性

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981.  Plastic Love Story 《ネタバレ》 監督の初期作品としては、前作『雨粒の小さな歴史』に引き続き自主制作ということらしい。率直に、今作の方が仕上りがだいぶん「粗い」とも感じられる。ただその粗さというのは、今作が描こうとするものがより「激しい」ということに依る様にも思われるし、その意味では「敢えて」である様にも思える。もちろん、自主制作であるが故の役者その他のクオリティ(ちょっと失礼な言い方かも知れないが)を鑑みて、今作では取り繕うよりはむしろ剥き出しに、というシビアな判断があったのかも知れない、とも思うけれど。 交わらない3つの物語が描き出すのは、比較的シンプルな、ただし根源的な絶望を宿す人間像である。一個の人格形成において注がれる愛が「足りなかった」ことによる自己肯定感の致命的な欠如と、それが生み出す病的な「愛(或いは他者に必要とされること)への渇望」、そしてそれは、自己または自己と他者との関係性の破壊へと終着してゆく。「歪んだ」彼女らが追い求めたものが仮に愛だったとしても、それを与えてくれる人に彼女らが与え返すことができるものは決して愛ではなくて、むしろ拒絶こそが(相手を思い遣るという意味での)愛には近い、ということなのだろうか。確かにこれは、これ以上無いほどに悲しくて絶望的なラブストーリーであると思う。 本質的には、十分に8点を付けられる内容であるかと思っている。一方で、諸々のクオリティの実際、というトコロには大いに改善の余地が残されているとも思う(正直、セルフリメイクしてもいんじゃねーか、と思うくらいに)。この評点はその点を念入りに勘案したもの、というコトで。[DVD(邦画)] 6点(2021-05-30 05:01:55)《改行有》

982.  ヌードの夜/愛は惜しみなく奪う 《ネタバレ》 最後まで観ると、基本的には前作の構造・設定を大枠で踏襲しながら、様々な要素をドギツくした、という感じですかね。とは言え、ド初っ端からの凄惨なシーンにはグロ映画マニアな私でもかなりギョッとさせられましたケド(特に大竹しのぶは他作品のイメージも多分にあるのですけど、ああもあっけらかんと楽しそうに残虐されちゃうと、観てるコッチがちょっと何か不安にすらなってくる、と言いますか)。 個人的に前作の評価を下回ったのには、幾つかの理由があります。一つ目は、前作の少し繊細な雰囲気(頽廃・厭世と言いますか)が、諸々をドギツくした今作ではちょっと損なわれてしまっていた様に思える点ですね。特に気になったのが、序盤~中盤明らかに竹中直人に喋らせ過ぎなコトです。これ見よがしな独り言は状況説明には必要なのかも知れませんが、正直ちょっとダサく感じました。もう一つ、エロもレベルアップしているのですが、これが陰毛全開で結局ボカシも全開なのですよ。この手の映画でコッチは別に下の毛なんて見たいと思ってはいないのです。ソコは構図を工夫してボカシが入らない様にするのがプロの技ではないでしょーか(ボカシが入らないバージョンというのがあるのでしょーかね?)。 ラスト付近の石切り場のシーンは、諸々素晴らしかったですね(極上のロケーションですね)。随所で私が前作で好きだと思ったさり気ない雰囲気のシーンもあり、続編を観れた喜びは確実にあったのですが、重ねて私は前作の方が好みです。[インターネット(邦画)] 6点(2021-05-29 18:52:24)《改行有》

983.  サムライ(1967) 《ネタバレ》 ノワールとしても、お話自体は非常にシンプル、かつ派手な展開も無く率直にかなり地味ですし、件のラストについても雰囲気自体は十分に好く醸されていますが、何故そーしなければならなかったのか、と言われれば若干疑問は残る、とも言えます。その意味では、お話自体の方よりは別のトコロに観るべきモノが在る映画だと思いますね。 それは言わずもがな、主演のドロンに決まっているのです。美しいですね。無機質な美しさと、冷たさ。血が通っているとは到底思われないほどに温かさ・生活感が排除されたその様はまるでターミネーターの様ですが(T-1000の方)その顔面が更に芸術品の様に美しいと。ハードボイルド極まりなくも前述どおり地味、というお話の内容も、ドロンの醸し出す雰囲気には好くマッチしていた、とも思います。もう一つ、ドロンの部屋がこれまた素晴らしかったですね。これも生活感無く、またあの壁の塗り方はなんなのでしょうか。あんな陰鬱な部屋に住んでいたら、常人ならすぐ精神を病んでしまいそうだ、とでも言いますか。 そしてドロン両手に華な女優2人の美しさも出色でした(これだからフランス映画は止められない)。ここまで主演陣の見映えが美しいと、全体の雰囲気も勝手に文芸的なまでに成ってゆくかの様な。たびたび観返している作品ですが、この雰囲気は個人的にはとても好みですね。[インターネット(字幕)] 7点(2021-05-29 13:23:11)(良:1票) 《改行有》

984.  バクラウ 地図から消された村 《ネタバレ》 最後まで観ると、思ったよりも遥かに完全に西部劇なのですよね。その意味では、序盤から妙ちきりんなミステリアスさをプンプンと醸してるのはシンプルに大いなるミスリードだとも言えます(特に、中盤以降散見されるUFOは中々手酷い目眩ましですね)。 前述どおり、そういった本筋とは(実は)関係ない幾つかの要素を除けば、非常にシンプルな話なのです。その意味では、個人的には序盤からの異様な雰囲気に完全に惑わされて(罠に嵌って)しまってからのこの終着というのは、やや肩透かし気味というか、若干以上にシックリ来なかった、というのが正直な感想です。ジャンルとしては(西部劇部分を除けば)スリラーに非常に近いですが、恐怖描写・アクション展開・またはグロ描写、といったものについては率直に特に目を引く様なレベルのものも無いといってよいでしょうし。 ただ、典型的西部劇なシビアさ(殺るか殺られるか、或いは、自分の身は自分で守る、といった様な価値観)を現代にそのまま移植したことによる異様な「殺伐とした感」といい、ミスリードとはいえのこれも異様にミステリアスな雰囲気といい、その面ではかなり独特な雰囲気を擁する映画であることは間違いないです。一種、唯一無二な空気感を擁している、と言ってもよいかも知れません(とは言えこの部分も前述どおり、本質的には非常によくある西部劇のモノ、でしかないとも思うのですケド)。 評点はちょっと迷いましたが、個人的な大枠の「観た感じ」を信じて、低めに付けておきます。[DVD(字幕)] 6点(2021-05-29 08:37:59)《改行有》

985.  魔女がいっぱい 《ネタバレ》 率直にラストは確実に議論の在るトコだと思う。で個人的にはコレはナシ(それでイイの?と訊かれたら、イイ訳ねーじゃん…としか言い様が無い)。そのうえに、ややダーク寄りではあるケドも子供向けファンタジー・アドベンチャーとしてはごく手堅い展開運びでありながら、どーも盛り上がりを欠くとゆーか要するに展開上に登場するミッションをなんつーかどれも容易く乗り越えて行ってしまう…ので結果ハラハラ感というのが不足しているのですよね。そーすると尚更、ある意味意表を突くラストでごく気が抜けてしまう感も強まる、と言いますかね。 大人が鑑賞するに当たってはそーゆうお話の方はさて置いて、キッズ向けを装いつつも相当ダークで正直グロめな魔女絡みの演出・演技を楽しむ…という観点からなら(ポイントを絞っての)鑑賞価値とゆーのは十二分以上に見出せる、と言えるかも知れない。アン・ハサウェイ自体はかなり好かったと思いますよ(目が大き「過ぎる」という点でかなり個性的な顔なので、特殊効果も普通以上にモ~予想外に映えるなあ…と思いました)。[ブルーレイ(字幕)] 4点(2021-05-28 21:36:29)(良:1票) 《改行有》

986.  糸(2020) 《ネタバレ》 映画のジャンルの中でも純・恋愛映画というヤツは、肝心なシーンでとっておきのムーディな名曲を流しとけばそれだけでも結構成立する(否、名作にすら成り得る)と個人的には考えているし、この中島みゆきの『糸』という曲も、そーいう使い方をする分には十分な力を持っている名曲のひとつだ、と思っているのだ。 しかし本作は、一見そーいう純愛映画な風に見せかけてその実、男女ふたりの人生(前半生つーか)そのものを描き出してゆくという(シンプルな恋愛映画よりは)間違い無く奥行きの深い作品なのだし、同時にそれを通して平成という時代を丸ごと振り返ろうとしている、とも言うことが出来る。その意味では、高度な一貫性があると言うよりはある種オムニバス的な作品なのであり、非常に多岐に渡る小テーマ(特に、ひとつの「時代」を描くというやや大それたコトを含む)をひとつに融合する、という大役を果たせるとなると、これは本当に限られた特殊な曲、ということになってくるかと思う(それこそ国民的名曲、例えば昭和なら『川の流れのように』とか)。結論、やはりちょっとコンセプトに無理があった映画、ということにも感じられる、のですね。[ブルーレイ(邦画)] 4点(2021-05-27 23:55:50)《改行有》

987.  人数の町 《ネタバレ》 タイトルと、テーマである「町」の実情が暗示するモノはと言えば、少しばかり民主主義・多数決主義への批判的視野を内包する、とでも言うか、非常に意味ありげではある。ただ、SFとしての本作は全体的に非常にシンプルなストーリーを擁しており、一見は「理想郷」な町と、そこへの潜入・脱出を描くというメイン部分は、率直にかなり在り来りな展開だとも思えた。そして肝心のラストに至ってはどちらかと言うと意味不明の部類に属する様な代物であり、ココはハッキリ残念だ、と言及しておきたい。 全編を通して非常にまったりとした空気感で抑揚も欠くので、いくぶん「観る人を選ぶ」方の作品だ、とも言えるかと思う。その不可思議な雰囲気に観る価値を見出すか、あるいは役者の仕事を念入りに観てゆくか、視点をそちらの方向にシフトしてゆけるなら「観て損した」とまではならないのかも知れない。普通に娯楽としての映画鑑賞に供するというのなら、他の作品の方が好いであろう。[DVD(邦画)] 5点(2021-05-27 21:22:16)《改行有》

988.  ヌードの夜 《ネタバレ》 なんとも風変わりな映画ですね。全体的な質感はその大部分においてかなり硬派なサスペンスであり、サスペンスと言うよりノワールと言った方がややしっくり来る様な、とでも言いますか。ただ、これは私が勝手にそう思ってるだけかも知れませんが、まず竹中直人を起用してるのからも随所にややコミカルな雰囲気を纏ってもいたり(そもそも死体をスーツケースに詰めてそこら中歩き回る、とゆーのからしてチョイ変すぎますよね)、一方でラストは若干スピリチュアル・怪談風に終わらせてたり、その辺の取り合せからナニからとにかく独特だと感じます。 一方で、映像は一貫して非常に綺麗で、かつアーバンな雑然さも多く描き込まれ、美しいと同時にどこか頽廃的、とでもゆーか中々に面白い出来映えでした。個々のシーンでは、都市的な質感の中に「花」を活用したもの(花束ぶちまけるシーンと、ラスト付近のヒマワリのシーン)が印象に残りましたですね。そちらの面でも多分に独創的な作品だと言えるのではないかと。 役者の仕事の方は、意外に風変わりと言うホドでもなく率直に比較的手堅かったかと思います。竹中直人、椎名桔平の両人もキレが在って十分に好かったですが、余貴美子は現在の異常に貫禄の付いた風情からすれば別人に思えるかの如くに儚げでアンニュイで(その上に正統派に美人で)素晴らしかったすね。しかも脱ぎまくってますし。[DVD(邦画)] 7点(2021-05-26 23:33:34)《改行有》

989.  犯罪王リコ 《ネタバレ》 ギャング一代の栄枯盛衰を(なんと80分で!)描く、というトコロで、正直なかなか色々シンドイ部分もある映画ですが、極め付きにシンプル、が故に逆にギャング・マフィア映画に必要なエッセンスとゆーのは何なのか、とゆーのが諸々よく分かるという風にも思われます。一番重要なのはやはり、役者自身がアウトローな存在感を如何に醸し出すか、というコトだとは大いに実感できましたね。だから今作、エドワード・G・ロビンソンが主演な時点で負け戦は無い、という映画だとも思われます(彼の演技は随所で出色でした)。冷酷・苛烈な様でどこか人間味のあるキャラ造形も好かったですし、終盤にジョーと対峙するシーンの演技は90年前のものとは思えない迫力で引き込まれました。かなり古い映画ですが、十分に観る価値のある作品だと思います。[インターネット(字幕)] 6点(2021-05-25 23:14:09)

990.  最後のギャング 《ネタバレ》 あるギャングの転落を描く映画としては、筋書き自体は非常にシンプル、かつ全体的に少しばかり駆け足というか効率的というか。かなりコンパクトな尺も相まって、終盤までの見応えは率直に「軽め」な作品だと感じていた。が、圧巻はラスト付近のエドワード・G・ロビンソンの諸々の演技の重厚さである。ああ、映画を観るのが「人間」であり続けるなら、この演技が在る限り本作もまた永遠不滅であろうなあ、とすら。(そこまでも決してそんなに悪くもないケド)このラストの見応えだけで、私は今日も満足。[DVD(字幕)] 8点(2021-05-25 00:39:12)(良:1票)

991.  勝負師(1958) 《ネタバレ》 ドストエフスキーの『賭博者』を原作・原案とする映画として、先に『大いなる罪びと』を観たトコロ、コレが予想以上に面白かったため、こちらはジェラール・フィリップ主演ということで観比べることにしたものです。今作の方が原作に忠実だということなのでしょうが、しかし賭博シーン以外の部分が率直にあまり面白くないというか、特に前半(=本題の賭博シーンに入るまで)は相当に退屈でしたね。 更に、賭博シーンに関してもハッキリ言って『大いなる罪びと』の方が盛上げ方・脚色の質という点で二回りは上ですね。特に、将軍の伯母に関するシーンの出来は雲泥です。『大いなる罪びと』の10年後の作品であることを考えれば、この進歩の無さは極めて残念だと言って全く過言ではないでしょう(カラーにしたから許してちょ!というコトなのであれば、そうは問屋が卸さねーよ、と)。 何より、肝心のジェラール・フィリップの出来もまるで冴えないです。まず見た目からして全く冴えてないというか、なんか老け込んでて干乾びてて瑞々しさが皆無、という感じで。同年の作品『モンパルナスの灯』ではあんなに美しかった彼が、これは一体どーしたことでしょうか(モノクロ・マジックというコトなのでしょうか)。とは言え、実際に彼は翌年にはガンで亡くなっています。本当に体調がすぐれなかった、それが故の本作の出来映え、というコトも、まま想像は出来るのですケドね。[DVD(字幕)] 4点(2021-05-24 21:45:27)《改行有》

992.  カランコエの花 《ネタバレ》 演技の自然さ、それでいてのキレ味の高さも素晴らしいし、これも非常に自然ながら十二分なリアリティを兼ね備える展開運びもお話としての見応えまで抜群、と、短編としては最高クラスによく出来ていると思う(このクオリティのまま2時間の映画に拡張できたとしたら、製作者はその時点で超一流と言えるだろう)。 そして何と言うか、LGBTという要素の「難しさ」が凝縮されていた、という様にも感じられる。残念なことに当然、まだ世の中には無理解や悪意といった明らかに不適切な意識を持ったままの人も居る、がソコに加えて、そういった悪意ではなく善意の方をある程度十分に持ち合わせていたとしても、実際に身の回りにそういった人が現れた場合に、どういう行動を採るのが適切なのかそれが分からない・判断できない(あるいは判断を誤ってしまう)という人がまま多い、ということなのだとも思う。そしてそれは同時に、そもそも現在の社会自体が、根本的にこのトピックスについて何が正しいのかということの「答え」を出せていない側面が非常に多い、ということだとも思うのですよね。 個人的に、今の社会的な潮流というのは、このトピックスを単純化してまとめて片付けよう、という方向性を強めてゆこうとしている様にも感じることがある。私は、一番重要なのは社会的な意識・コンセンサスだと思っている。この複雑で多岐に渡る「問題」は、そーいう方法では解決しないのではないか(むしろそれは、解決への距離を遠くするのではないか)という気がしている。[インターネット(邦画)] 8点(2021-05-23 01:05:54)(良:1票) 《改行有》

993.  コリーニ事件 《ネタバレ》 法廷ものとしてはどちらかと言えばシンプルな展開運びだとも感じられるが、率直にクライマックスの見応えは実に素晴らしかった。一点、それは今作において法廷で問われてゆくのが、被告が「有罪か無罪か」ではなく、被告が犯した罪に対する量刑(=情状酌量)の妥当性だ、という点で、それは厳密な法論理・ロジックからはいくぶん離れて、むしろより本質的な「正義とは何か」というヒューマニズム的葛藤に帰着してゆくからだ、と感じられたのである。他方、そうで在りながら本作のサスペンス展開には高度な論理性と十二分な明快さもが見事に保たれている。そのロジカル的・サスペンス的な面白さと、描き出されるヒューマニズムの清々しさの両立、という部分には、私の愛して止まない『人間の証明』を読破した時の感動というのを少し思い出させられた様に思う。 演技面は全体的に非常に手堅い感じであったが、ひとり、フランコ・ネロに関しては文句無しに出色の出来だったと思う。非常にユニークなクオリティをつくり出しており、これには流石!と言う他無いかと。[DVD(字幕)] 8点(2021-05-20 00:50:31)《改行有》

994.  鍵(1997) 《ネタバレ》 川島なお美が酷いっす。ナニをどーしたらここまで感情とゆーものが入らない演技になるのでしょーか。無感情を通り越してもはやバカっぽい、というレベルで色気もへったくれも在りません(こーいう「ただ」美人ちゅーのが好きな人も居るのかも知れんケドさ)。 バカっぽい、で思い出したのが、ちょっと前に観た『裸のチェロ』というヤツです。アレも、ラウラ・アントネッリがオツムの弱い感じで脱ぎまくる映画でしたが、アッチは第一にイタリア式コメディですし、言ったよーにラウラ嬢もそれこそ「脱ぎまくって」いるのですよ。今作もセックスシーンは無駄に豊富ですが、ヌードのシーンはと言えばかなり出し惜しんでますし、前述どおり文芸映画としては(演技がポンコツで)成立してない一方で、エロとしてもはっきりサービスが良くない、と。ちょっと使いドコロというものが見い出せない作品なよーに思います。[インターネット(邦画)] 3点(2021-05-19 21:20:21)《改行有》

995.  鍵(1959) 《ネタバレ》 実は原作未読だが、高度にインモラルで倒錯的な内容が単純にかなり面白いと思った。そこへ来て今作、実際に直接的な「行為」の描写は無い、というのが映画の構成的にもひとつ素晴らしい。が、一方で映画としてはやはり少しパンチに欠ける、と言えるのも確かかなあ、と(いや、これはまだ私が「青い」だけ、というコトにも若干思われますが)。 俳優陣の緻密な演技はどれも相当に優れた仕事だった(特に、結構にクズ男な仲代達矢がエラいイケメンなのもあって存在感抜群)。京マチ子も流石の熟した色気だし、和風文芸映画として決して観て損ということはないのではないか。[インターネット(邦画)] 6点(2021-05-19 21:20:19)《改行有》

996.  パブリック 図書館の奇跡 《ネタバレ》 前半の「起・承」の部分は、まだそれなりに色々と描かれていく多様な状況・人間模様の面白さでドラマとして観てゆけるのだが、後半はとゆーとその展開運びには意外なまでに盛り上がりというものが無い(どちらかと言うと、多少は派手な展開になるよーに見せかけての「意図的な」肩透かしという風にも思える)ので、全体としては、主人公サイド(その理念または手段)にいかに共感できるか、という映画だと言って過言ではない。お話として、或いは演出・演技として、単独で観ていて面白いモノがあるかとゆーと少し微妙、という感じかと思う。 理念、と言う部分には、率直に誰しも多少なりともは共感は出来るのではないかと思う(まあとは言え、図書館という公共施設を占拠してもよいのかというそもそもの部分にも、異論や意見とゆーのは絶対にあるだろうとも思うケド)。ただ、本作の問題はどちらかと言うと「手段」の部分にある。主人公側の行動というのがかなり場当り的かつ感情的で、集団としての目的とゆーのにも統一感も無く、本件が「有効」な行為であった様にどーにも見えない、というのが、映画としては少し難しいトコロかも知れない(これも率直に、あまり万人向けではない、という様にも思われる)。 根本的に、本作が描きたかったのは彼らの「怒り」なのだ、というのは重々承知である。とは言え、だとしてもも少しウマくやらんかい!というのが個人的結論(ガキじゃねーんだからさ)。[DVD(字幕)] 5点(2021-05-18 00:12:34)《改行有》

997.  生きちゃった 《ネタバレ》 人は、他者との関係性の中にしか、真の意味での幸福を見出せないのだとしたら、自分の幸福と他者の幸福というのは、ひとつ同じものかも知れないと思います(自分が他者に与えるから、他者も自分に与えてくれているのだろう、という冷徹な損得勘定ゆえに)。 その意味では、自分がいま他者に幸せを運べているのか、逆に他者はいま自分に幸せを齎してくれているのか、自分、あるいはその他者にとってそもそも幸せとは何なのか、という「疑問」とゆーのが、自分が幸せを求めるが故に他者とより深く交わるに連れ、次第に綯交ぜになってゆくと同時にどんどんと曖昧なモノになってゆき、いつしか確かに、それが何だったのかもよく分からなくなる、というのも思いがけずあり得ることかとは思っています。 大島優子が木っ端微塵なまでにどん底に不幸に描かれている、という部分には、シンプルに(痛快な)勧善懲悪を目撃した、という意味を超えて、少しばかり深めのシンパシーを覚えるのです。端的に言えば彼女は、ある種の典型的に自分勝手・自己中心的な人物であるワケですが、もう少し具体的に言うなら、彼女は自分「も」幸せになるうえでの他者へのアプローチの仕方を履き違えている、という人物かと思います。仮に、仲野太賀の愛が彼女にとってピント外れなものだったとして、だからと言って彼を確実に不幸にするだろう彼女の行為が正当化されるものだとは思いませんし、その後の浮気相手との関係性にも、本当の意味での「幸福の与え合い・共有」というものは見出せませんでした。そもそも、恐らく彼女が一番大切に思っているのだろう自分の娘(の幸福)についてだって、十分に配慮が出来ていたかというと大いに疑問です。率直に、その部分について非常に独り善がりな女性であるように見えたのですね。 もう一人、圧倒的に独り善がりな人物が、仲野太賀の兄です。あんなことをしたトコロで、一体誰が幸せになるというのでしょうか。総じて本作に登場する人物は、破滅的に不器用であったり、言葉・コミュニケーションが足りなかったり、或いは性格上の問題から、他者との幸福の遣り取りに難のある人物として描かれています。そして案の定、彼らは最終的に不幸になってゆきます。その意味では、決して観ていて気持ちの好い、という映画でないのはひとつ確実ですね(そもそも、例え彼らがそうであるからといって、みんなここまで不幸になる必要ある?というコトも含めて)。 ごく終盤まで、物語のこの重苦しさに加えて、何となく「答え」の無さそうな話だなあ、という予感もあって、面白く観れていたとは言い難かったです。ただし、ラストは比較的シンプル・簡潔にテーマ的なモノが描き出されていました。主人公の仲野太賀自身は、他者との関係性においては端的に「コミュニケーション(言葉、説明あるいは積極性)」の面にウィークポイントがある人物でした。その部分の自分を乗り越えて前向きな一歩を踏み出してゆく、というラストの内容自体は、決して悪くないと思いますし、それ自体は十分にポジティブだと思います。 ただ、コレは意図的な演出としての「カッコ付け感の排除」だと思いますが、とにかくどーにも最後まで彼はいい大人・親として「上手いことやれている」様には見えない、その部分から感じる一抹の(ただし致命的な)「頼りなさ」と、そしてここまでネガティブに描かれた物語の締めくくりとして踏み出した一歩の「小ささ=物足りなさ」故に、コレ正直「ちょっとワリに合ってないなあ」と感じてしまったのも事実なのですよね。 最終的な(個人的)評価としては、  「ネガティブ展開の方にはそこそこの見応えまでもが見い出せる(個々人の好みがあるとは言え)」  「ラストはポジティブ方面へ『振れる』が、ソレが弱くて感動にまでは至らなかった」 ということを鑑みて、いま一歩良作未満、という感じかと思いました。[DVD(邦画)] 6点(2021-05-17 06:39:51)《改行有》

998.  青くて痛くて脆い 《ネタバレ》 ドンデン返しの部類だと思いますが、個人的には最初から主人公にあまりしっくりきてなかったので(とにかく吉沢亮の、目付きから雰囲気からナニからナニまでにへばり付くネガティブ感情のドス黒さに辟易してた、というか)、どちらかと言えば「ほ~れみろ、やっぱりな!」的な感じではありましたね。二つ、少し分からなかったことがあります。田端の秋好に対する感情は、単純な恋愛感情だと解釈する方が正しいのでしょうか(それとも、自分が唯一無二だと思っている秋好が、自分を唯一無二だと思ってくれなかった、という、もう少し広範な意味での人間関係の不均衡が彼の憎悪の源泉なのでしょうか)。もう一つ、タイトルの『痛い』というのは、主人公の苦痛なのか、それとも主人公の残念さなのか、どちらを主として表しているのか(無難にダブルミーニングだと捉えておく、で問題なさげでもありますが)。 かなり稀に見るイタくて幼稚な主人公ですが(ソレをこんなイケメンが演じてるというのも逆に面白い)、そんな彼への感情移入の取っ掛かりを探すとすれば、可愛い可愛い秋好ちゃんについて、そんなコトしたら男は勘違いしちゃうもんよ?という部分には「隙」とでもいうものが在った、と言えるかとも思います(だからと言って彼の行状に対する酌量の余地は無いのですし、大学入りたての若い彼女にそんなコトを言うのも少し酷ですが、彼女だってゆくゆくは身に付けてゆくべき「距離感の取り方」だとも思いますし)。 正直、いったん彼が目的を果たして「勝利」する場面に至っては私の方までメンタルボロボロでした(率直に、観たのは失敗だったか…と思いかけました)。ただ、その直後の田端と秋好の対決は演技の仕事としてとても面白く観れるものでしたし、いちおう彼はその後は絶望と共に反省し、ある意味で少しだけ前に進むのですよね。その意味ではこれも「人が成長してゆく」ことがテーマな物語だと言えますし、つまりは私の大好物な部類の映画だと言って間違いもないのです(その意味では、少し甘めの評点だなあと思ってます)。 ただな~前述どおりあの痛恨の一撃が重すぎる…メンタルダメージは前提として、しっかり構えて観て貰えれば…[DVD(邦画)] 7点(2021-05-15 23:07:05)《改行有》

999.  カセットテープ・ダイアリーズ 《ネタバレ》 世代的にブルース・スプリングスティーンなんて殆ど聴いたコトないのだけど、不思議なものでいざ本作中で色々聴いてみると、彼の音楽が嘗て世界を「構成」していたということが確かに実感できるのだ(否、今なおそうなのかも知れないが)。純粋な音楽自体の性質もそうであろうと思うが、諸々と非常に高度な「普遍性」を備えるひとつの文化の結実ではないかと思う。その意味で、彼の音楽は観るひとの世代の垣根を取り払うオーソドックスさというのを本作に付与していると言える様に思う(意外と)。 内容も、80年代のイギリスにおける移民差別、というティピカルながら個別的である題材を取り扱いつつも、本質的にはこれも非常に普遍的なテーマを擁する作品だと感じた。差別される移民の不自由さと共に描かれてゆくのは、未だ「何者でもない」という全ての若者が抱える不自由、そしてそこから主人公が脱却してゆく成長の過程である。序盤に描かれる前者から、より普遍的な後者へと次第にテーマを掘り進めてゆくシナリオ構成が、誰しものより深い共感を可能にしている様にも感じられた。この部分も中々優れた、かつ手堅い仕事であるかなと。 もう一つ、無理解な親とそれに反発する子、というのも非常に普遍的な要素であろう。ジャベドの父親の価値観は、彼を苦しめた不自由さを生き抜くひとつの「知恵」でもあり、ただしそれは息子のそれとはあの時代のあの時点で相容れなかった、ということだと思う。人の価値観が時代と共に常に移り変わってゆく以上、これも絶対にどんな時代でも避けられない対立なのだろうと思うし、本質的にはどちらかがより「正しい」ということでもないのだろうと思う。それこそ「もっと自由に挑戦して生きてゆけ!(ジャベド)」「俺はただ平凡に暮らしたいんだ!(息子)」なんてことだって、個人主義が発展した現代なら然も起こり得る、とも思われるし。[DVD(字幕)] 8点(2021-05-15 11:24:37)《改行有》

1000.  大阪少女 《ネタバレ》 監督は『レッド・ブレイド』という作品で坂口拓と組んでアイドル・アクション(小倉優香主演)を撮ってた人ですね。それからすると、今回は随分と雰囲気の違う映画を撮ってるなあ、とも思います(いや、チープな質感という部分には共通するトコロが大いにあるとも言えるのですケドね)。今回も坂口拓は出てますが、率直に(坂口拓のも含めて)アクションは全く大したことないですね。前作がアイドル・アクションなら、今作は子役・ナニワ・コメディとでも言いますか、主演の坪内花菜ちゃんのナニワな可愛さ・コミカルさ・生意気さを楽しむことが完全なる主眼という映画です。ちょっとヤクザ系アングラ、かつ仄かにヴァイオレンスだけどバリバリに子供映画、というニッチで妙なジャンルかと。多分、私の様にマニアックなおっさんしか観てない、という映画ではないでしょーか。 ただ、その肝心な坪内花菜ちゃんの出来自体は見事でした。終盤付近までは花菜ちゃんがひたすらに家賃滞納者を踏み潰してゆくだけ、という単純極まりない内容ですが、そこら辺は全然普通にずっと楽しく観てゆけちゃった、という素晴らしいクオリティだったかと。終盤、お話にカタを付けるべくシナリオを適当に(+アクション入りで)取り繕ってる部分の方が、むしろ面白くなかった、てなもんで。結論、個人的にはかなりお気に入りです(花菜ちゃんがこの年齢付近のうちに、何らかの形で続編的なモノが観たいですね)。[DVD(邦画)] 6点(2021-05-14 00:24:33)《改行有》

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