みんなのシネマレビュー |
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1141. オール・アバウト・マイ・マザー 《ネタバレ》 女性賛歌と評価されているようで。確かに登場人物は女(または自覚が女)ばかりだけど、女だから頑張ってる、というよりこのシチュエーションでは誰だって一生懸命生きるんじゃないのかな。 タイトルが「母について」なのもちょっとどうかな。母親であるというアイデンティティはマヌエラの行動や生活にさして影響していないみたいだったけど。「お母さん」のあり方がどう描かれるのかと期待して観たから、その点は予想と全然違う話でした。 ボランティアで世話してる女装男の子を孕むシスターとか、同性の付き人との恋情に悩む舞台女優だとか、この監督ならではのぶっとんだキャラばかりで共感もなにもただただひえ~っと眺めるばかりでありました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-20 21:51:40)《改行有》 1142. 眠れぬ夜のために 何かと同時上映だったんですよたしか。D・ボウイ観たさに封切り当時観賞したのでした。 今観るとなつかしいなあ。人が死んでもノリが軽いとか、お金がだぶついている雰囲気とか明るい画が80年代ぽい。時折挟まるユーモアは今でも笑えるし、サスペンスというほどでもないユルめの緊張感は暇な休日の「ちょっと映画でもみるか」という空き時間にぴったり。 ミシェルが流行落ちしていないショートカットなのも幸いし、80年代ってダサいなあーと思われがちな痛いファッションをうまいこと避けられています。 ただ私的にJ・ゴールドブラムが主役てのがどうもね。あの鈍重な顔や体型はこの作品の軽さを著しく損なうと思うんだけど。[映画館(字幕)] 6点(2019-06-03 18:06:40)《改行有》 1143. ムーンライト 《ネタバレ》 観賞前にこうかなと特に予想してたわけではありませんが、こうも淡々とした筆致なのは意外でした。 一人の黒人男性の中年期までを三部に分けて言葉少なに紡がれる物語。黒人のシングルマザー、しかも薬物中毒、ゲイ、売人と宜しくない環境下での彼の人生の困難を想像するのは難くないですが、それにしても”語らなさすぎ”に感じました。少年期も青年期も、うんそれで?と思ったらさらっと幕を閉じて数年後に飛んでしまう。よっぽどシャロンの人生に強く共感できる人でないと物語に入り込むのは難しいのではないでしょうか。 こういった内省的なテーマは例えばヴェンダースやジャームッシュらが発表してきた分野かと思うのですが、彼らのような先達が表現してきた生き辛さと、それへ示された包容力を上回る出来とまでは思えませんでした。この手のテーマ作品はこれまでマイナーな単館上映扱いだったのに、比べて本作はアカデミー作品賞なのですね。「ラ・ラ・ランド」が賞レースを席巻する中、近年盛り上がっている「白人びいき」という批判をかわすための配慮が多いに働いたと思うのは私だけですかね。 実際「ムーンライト」の好評価内容は「映像が美しい」というものがとても多い。物語性云々より、まず画が人によっては刺さるみたいです。ヴェンダースだってすごく美しい映像だったよ。観たのは名画座だったけど。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-05-27 21:19:36)《改行有》 1144. パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》 宇宙にたった一人って、なんて恐ろしいシチュエーションだろうとすっかりびびり、冒頭からクリス・ブラットの置かれた状況には緊張でどきどきしました。どういう展開で孤独を消化してゆくのだろうかと。 ところが、J・ローレンス登場からどうも主軸が男女間のロマンス話へと移ってしまって、舞台が宇宙である必然性がさほど無くなっちゃうのは残念なことでした。 恋愛モノとしての、くっつく→けんかする→ヨリを戻す、の流れがこれがもう王道のシナリオ。揉め事の原因が命や人生に関わることなのでコトは大きいけれど、二人でピンチを乗り越えて元サヤに収まるってベタもベタ。 それに突っ込んじゃいけないのかもだけど、あんなでっかい高技術の塊な宇宙船のメカトラブルをちゃっちゃと専門外の素人が直せるというのもすんごく安易でないかい。もちろん専門職のクルーを片っ端からたたき起こすけどね、私なら。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-05-23 18:29:54)《改行有》 1145. フォエバー・フレンズ うまいなー、と思うのは女同士の友情を描くうえでいかにリアルを演出するか、そこんとこの押さえがちゃんとできているということ。特徴的なのは二人の女優が美人じゃない点。特にベット・ミドラーなんかは平均的アメリカ人(よりちょっと下かな)の女の顔なのでその敷居の低さゆえの人気だったのかな。 喧嘩も言葉が激しいなあ。ちょっと引くくらい。日本人からしてみればこんなに相手を罵っておいて友情が続くなんて考えづらい気がするけれど、この二人は適度に距離と年月を経ることで日薬が効いたのかもね。 二人の人生描写は駆け足気味だけど、おざなり感が無い丁寧さが感じられたのは好感が持てました。国は違えど、女の人生いろいろあるわねえ、としみじみ。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-05-12 00:12:28)《改行有》 1146. ジュリエッタ 《ネタバレ》 突然姿を消した娘に囚われ続ける母親。わけも分からず去られる辛さは想像つくし、男との約束を反故にしてまで”母であること”に執着するノイローゼ気味の行動も、まあ理解できるような気はします。 けどこの映画娘からの視点が一切無いんですよね。不気味な家政婦が一枚噛んでいるのは分かるけど。あんなに健気にお母さんを支えていた(ように見えた)のにふいっといなくなる。その心の内が描かれなくて、ドラマとしてはちょっと物足りなかった。 ジュリエッタ役を二人の女優で回すのもどうだろうか。印象がけっこう違いませんかこの二人。私はなじめなかったな。 「大好きな仕事に戻りたい」宣言をしていた若きジュリエッタがいつしかべったり子供依存症に。このあたりの変化も台詞で説明されただけ。 色彩感覚が独特なアルモドバル仕様で、巷の高評価の理由は大半がそのセンスを高く買っているみたい。でも人の気持ちを深く掘り下げたドラマが好きな小うるさい客(=ワタシ)には今ひとつでした。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-05-08 17:29:44)《改行有》 1147. ディアボロス/悪魔の扉 《ネタバレ》 なるほど20世紀に人間がこんなに堕落したのは悪魔の仕事がはかどったからなのか。大きい目をさらに見開いてすごい笑顔を見せるアル・パチーノ悪魔がとても恐いです。人間が敵うわけないよな。キアヌが自死して一矢報いたかと思えばそれすら悪魔の掌の上のこと。この終わり方って二転返しで、あまり好まないんだけど今作では効きました。 なんでもこなすアル・パチーノは悪魔にドはまり。キアヌは相変わらずキアヌ・リーヴスだ。セロンも平凡な奥様役ではちょっと役不足。と思うのはその後の彼女の仕事ぶりを見ているからで、この当時のこのレベルの仕事で納得しなかった彼女はあっぱれ。これで終わっていたら誰の記憶にも残らない女優だったかも。[DVD(字幕)] 6点(2019-05-02 23:30:22)(良:1票) 《改行有》 1148. わたしを離さないで 《ネタバレ》 たしかに原作と大きく話はずれていないし、順を追って映像化すればこうなるのでしょうが・・。残念なことに人間の持つ感情のひだ、逡巡や葛藤といった情感を収め切れなかったせいでカズオ・イシグロの精緻な描写はざっくり削られ、「あらすじで知る名作」になってしまっています。 やはり三人の関係の核になっているヘールシャム時代を描き足りていないことが大きい。キャシー・ルース・トミーが青年期の入り口まで過ごしたヘールシャムでの日々は原作ではそれは瑞々しく、青春期の学園小説として読んでも一級品の「十代あるある」なのです。だから読者は彼らの友人となり得るし、彼らの人生を大きなクエスチョンを抱きつつ見守ることになるのでした。映画ではこの疑問の回答も早々とばらしてしまうんだもんなあ。ああそれにテープのエピソードもざっくりカットされたのにもがっかり。あのテープは本作のタイトルであり、ヘールシャムではルースの性格の多面性に気付かせ、ロスト・コーナーでのトミーとの思い出に繋がる、キャシーの人生にとって非常に大きなアイテムであるのに。 というわけで鑑賞後の感想は芳しくないのだけれど、キャスティングは三人を含め校長もマダムもルーシー先生も原作の世界観を損なわない理想的なものでした。舞台となるヘールシャムやコテージ、ルースのポシブルを探しに行った街角や船が打ち上がった海岸等、映像は原作のイメージそのままに哀しい美しさです。脚本はともかく、キャストと美術スタッフさんには満点を差し上げます。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-04-13 23:51:18)《改行有》 1149. マシニスト クリスチャン・ベール、激ヤセと激太りを繰り返してスクリーンに登場するこの人を見てると、正直役者根性というよりは珍奇な執着性質を感じてしまうのは私だけか。 画は暗いし汚いし、訳はわからなくしてあるしで、まー気色の良くない映画だけど気色悪さの八割方はベールその人が請け負っているような。そんなにアバラを強調すべく裸にならんといてください。怖いなあ。 むしろ役者としてあっぱれと思ったのはJ・J・リーの方。年増の娼婦を演ってますが、くたっと崩れた感じのまあ巧いこと。元々「キレイな」役なんか受けない演技達者な女優ですもんね、乳出しも厭わず、えらいです。 話は皆さん言ってるとおり、オチがえ、こんなもんかと思うくらいシンプル。肩透かしな気分になりましたが考えようによってはリンチ監督みたいに迷宮に置き去りにされるよりは、謎全部氷解の方がストレスなくて良いのかも。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-04-03 16:45:58)《改行有》 1150. アメリカン・スナイパー 《ネタバレ》 凄惨な戦場での体験が退役後も兵士の心を蝕むというテーマの作品はこれまでいくつも観てきました。主人公らは皆心を再生不能なまでに壊され、その再起のいかに困難なことかを思い知らされるものが圧倒的に多かった気がします。 本作の主人公カイルは伝説のスナイパー。160人を殺めてきた彼もPTSDに悩むことになりますが、回復がかなり早く描かれているのにちょっと驚きました。このことは彼が幼少の頃から受けてきた「番犬であれ」という教育が大きく影響しているのかなと思いました。番犬たること、「悪」である狼を退治することは神の意に添った「善」である。この岩のような信念がカイルをして「人殺しの理由を神に説明できる」と言わしめ、心の回復を早めたのでしょう。そしてこの「米国は世界の警察」な意識はアメリカ人の平均的な考え方であるとずっと感じてきたことでもあります。自らの価値観を善だと信じ、他国の紛争に手出し口出ししてきた結果、大使館爆破も9・11も誘発したのだとは彼らは考えない。同胞が攻撃されている、そのショッキングな映像に奮い立ち、戦場に自ら向かうクリスは極めて普通の感覚のアメリカ人です。 しかし非米国人の私は、他国の兵士に家に踏み込まれ、あげく凶暴なテロリストらに蹂躙されるイラクの一般市民の痛みの方に強く共感します。戦地で生きる市民にとって、禍の度合いはテロリストも米軍も大差ないのだよと冷徹に描かれており監督のフラットなバランス感覚がうかがえます。 けれど人間が戦場で心を喪うということ、その惨たらしさについてはイーストウッドといえども同テーマの他作品より抜きん出ているとは言い難く、平均的な出来の作品と思いました。[DVD(字幕)] 6点(2019-03-16 15:17:32)(良:1票) 《改行有》 1151. 17歳(2013) 《ネタバレ》 フランス映画に登場する思春期の女の子たちって、不機嫌だったり腹黒かったりでなかなか扱いが面倒だなあと思っていた。オゾン監督は日常が空っぽなあまり売春に走る女の子をチョイス。この娘がもう大変に大人びているので、まあ海外のティーンは時たまアジア人には想像がつかんほど成熟しちゃっているものですが、映画観ててもその美しさにぽかんとしちゃいまして、あんまり「売春」の痛い感じが入ってこなかったですねえ。しかもその行為の果てに、妙な繋がりで人生の理解者にも出会えちゃったりしたわけで、彼女にとって売春が人生のマイナスというか汚点になっていないというのがなかなか興味深かったですね。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-02-02 23:06:36) 1152. 赤い部屋の恋人 《ネタバレ》 大金を手にしたおタク気質の男が女に惚れた場合の”ありがち”な顛末ですね。お金を積んで手に入る物と入らない物ってあるんだよ。しかも彼女プロですからね。契約内容を彼女はきちんと履行しているのに、いわゆる「普通の恋人」を本音ではやりたい男はだんだん機嫌が悪くなってきてやんの。ダメだーこりゃ。 お金って魔力があるのでね。簡単に手に入る物もあるけど失うモノも多い。印象的なのがベガスで会った彼女の女友達。獲られた金を弁済してやったとたん、目の色が変わりましたよねえ。「この人宇宙人?」と。自分も御相伴にあずかろうとさもしい本性がさらけ出され、友情も霧散しちゃった。 だからね、リチャードよ、キミにできることがあるとすれば花でも持ってドラムを叩いている彼女を応援しに行きなさい。気味悪がられない程度に。それでもダメだったら、すっぱりあきらめろ、な?だってそこはセンター・オブ・ザ・ワールドなんかじゃないもん。その赤い部屋は。[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-01-31 19:43:05)《改行有》 1153. 私が、生きる肌 《ネタバレ》 イヤイヤイヤ・・。いろんな映画観てきたけど、このキワモノ感、ちょっと類似品が思い出せないなあ。グロいのかと思ったけど画はきわめて美しく、血は流れてもさほど嫌悪感もなく。 バンデラスは終始どシリアスな演技で「愛」のカタチを大真面目に問うているような気もするが。なんですが。いやいやでもちょっと、と突っ込まずにいられない。亡き妻そっくりの身代わりって男かよ!!!しかも彼あんなに人生破壊されちゃうほど罪深いとは思えないよ。可哀想だしもう。(ちょっとタイプ)そもそも奥さんてサ、浮気してトラ男と逃げてたんだよね?バンデラス先生、そのへんはどう気持ちの整理をつけているわけで?なんかもう必要以上に眉間にしわ寄せてクソ真面目にヘンなことやってるバンデラスの顔見てたらおっかしくなっちゃって。変な息子二人も持っちゃったオカーサンも奇妙だったなあ。キャラクターもコンセプトもいちいち強烈で、そういう意味では忘れ難い作品ではあります。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-13 19:27:42)《改行有》 1154. マダム・フローレンス! 夢見るふたり 《ネタバレ》 同一女性をモデルにしていながら、この英作品と仏映画「偉大なるマルグリット」の手触りのあまりに違うこと。これって国の文化の違いなのか、解釈が色々できそうで興味深いですね。 まあ、フランス作の方が主人公に対してアタリがキツイです。夫の造形もヒュー・グラントよりずっとイジワル度が高く描かれている。やはり芸術の都を擁するフランス人としては、彼女のしてきたこと、そしてそれを隠蔽し煽った周囲の人間らは音楽に対する冒涜だと感じるのでしょうか。 対してメリル・ストリープ版はフローレンス女史のカーネギー公演は今尚人気が高い、その側面を評価して人物像を創っています。彼女はいたって純粋に音楽を愛し、人はその一途さに何故か惹かれる。ちょっとエド・ウッド人気に近いものを感じます。 両作品、趣は違えど印象に残る映画です。 私は映画作品としてはフランス製のガツン、としたパンチ力を買いますが、フローレンス女史への眼差しは本作の優しさが好きです。伴奏者のピアニストの彼が良いです。戸惑いつつなし崩しに巻き込まれる彼が、いつしか彼女に心を寄せてショパンを一緒に奏でるシーンはほろりとしました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-09 17:22:14)《改行有》 1155. ミーン・ストリート 《ネタバレ》 ”ダメ”なロバート・デニーロが凄い。恐いくらい上手い。70年代の汚ったない街角の画もそれなりに情感たっぷりで引き込まれます。 ダメな奴はダメなまま。借金を返せないレストランは人手に渡る。ある晩は抗争の一端で人が撃たれて死ぬ。そんなミーン・ストリートをゆらゆら漂うデニーロとカイテル。 冒頭の8ミリとか全編のすすけた雰囲気とかはまさにスコセッシ節が全開。散文詩のように苦い時代を切り取っているけれど、これがほんとに「散文」で、時に冗長でおさまりが悪く(長いケンカのシーンとか)感じます。物語の中心となる大筋を一本びしっと決めてほしかったな。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-04 17:05:35)《改行有》 1156. グッドナイト&グッドラック 《ネタバレ》 吹き荒れる赤狩り旋風に対抗したメディア、その一箇所だけに視点を据えての舞台劇のような味わい。地味といえば地味。敵と直接対峙してのクライマックス、というありがちな場面も無いですし。 ただ、主人公のTVマン マロー氏の民主主義の理念に基づいた言葉一つ一つがとてもかっこ良いのです。思想の自由を揺ぎ無い信念と矜持を持って淡々と言葉にするエド・マローその人がまんまアメリカの理想の象徴のようでした。デビッド・ストラザーンはハマリ役です。 チャラいイメージのG・クルーニーがモノクロの色彩に意外や溶け込んで味のある脇に徹しているのも斬新です。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-12-03 17:11:16)《改行有》 1157. スミス都へ行く 《ネタバレ》 おお、F・キャプラが理想に燃えとる。「正しきこと」を訴えるキャプラ、間違ってません。でも半世紀以上たって初見だとさすがに手法が素朴すぎてノレませんでした。J・スチュワートは阿呆すぎるし悪代官のごとき政治家のやり口は文書偽造とかあからさまに犯罪だし。終盤にいたっては子供を攻撃するとか、やりすぎな演出に感じます。敬愛していた先輩政治家に裏切られた時のスミスの動揺とか衝撃がほとんど描かれないのも物足りなかった。戻ってきた秘書の心の揺れが割愛されてるとか、個人の心理描写があっさりしすぎなのです。ペインの突然の改心も唐突です。話がキレイすぎる・・。ああ、そういや一人だけ。議長、彼の平等意識かつバランス感覚の良いキャラクターは作品の中で飛びぬけて良かったです。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-11-22 18:39:07)(良:1票) 1158. グランド・イリュージョン 見破られたトリック 《ネタバレ》 映画で手品やったってズルイ。という前作に寄せられた批判を受けての第二作はずいぶん「説明調」になりました。このトリックはこれこれこういうことなんですよ、と。そのお陰か、映画でイリュージョン見せられてもなあという白けた気分はだいぶ緩和されました。トリック仕掛けを足がかりに、予想斜め上の展開を見せるので1作目より楽しかった。まあやたらと誰でも簡単に催眠にかかるのは便利すぎでしたが。御愛嬌ですね。でもちょっと注文。M・フリーマンが実はいい人だったという尾ひれは必要ですかね?[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-11-03 16:11:40) 1159. グローリー/明日への行進 偉人の伝記ものにはありがちなんですが、これもまた”史実に沿って”制作した教科書映像みたいです。没してからあまり間が空いていない人物は脚色しづらいですから、人間ドラマを派手に盛ることができないのも分かるんですが。キング牧師の人となりについては従来伝えられてきた枠内の造形に留まっており、驚くような展開はありません。 けれど黒人への暴力行為は映像にするとやはりインパクトが大きくて、この作品の意義が多いに感じられます。 キャストではヒールな知事を演じたティム・ロスが出色の出来。この人のキャリアでは一番しっくりきました 個人的には。[CS・衛星(字幕)] 6点(2018-11-02 00:35:40)《改行有》 1160. ドクター・ストレンジ 《ネタバレ》 一体トータルでギャラ支払額はいくらになるんだろうと思っちゃう位の出演陣の華麗さといい、目も眩むようなVFXの画力といい、ディズニーの資本力の強大さを嫌というほど分からされる一本。なんだよー低予算の「カメラを止めるな!」だって面白かったぞ。 どっさりお金がかかってますからそりゃこれぐらいの水準の娯楽は提供してくれないと。話はアメコミ以上のものではないですけど、どの役者もキャラ作りをしっかりやってておとぎ話に説得力を持たせてますし、「魔法」を視覚化した映像は驚愕の一言。ただ、私の頭の中では「インセプション」のコブの台詞「凄いけどやりすぎだ」が響いちゃいましたけど。 ドクター、妙な勝ち方をするもんですねえ。とかくアメコミは最終的には「殴り倒して勝つ」イメージだったので、「しつこく粘って相手に匙投げさせる」作戦はまったくの予想外。おお新しい! ベネさんもミケルセンもちゃんと仕事しててプロだなあと思います。簡単だったろうなあこんなわかりやすい役は。本国で「文芸もの」をさんざん演ったので、ちょっと息抜きしたくなったんですかね、二人とも。[映画館(字幕)] 6点(2018-10-28 17:04:12)(良:2票) 《改行有》
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