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プロフィール
コメント数 1617
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1141.  仮面病棟 《ネタバレ》 速水と瞳が妙にテキパキと「捜査」を進めていくのとか、犯人が碌にエレベータを見張ってないのに誰も逃げようとしないのとか、中盤までは率直に、やや腑に落ちない点が幾つかある。そして、肝心の病院の「秘密」とゆーのが、正直言って「ですよね~」な陳腐な代物だったりで、ここまではハッキリちょっと白けた感じで観ていた。 しかし、そこには実は理由があって、一つの仕掛けでそこら辺をいったん全部綺麗に浚ってくれる最初の種明かしは中々に鮮やかな伏線回収ぶりで、おお見事だ、と思った。ところが、それ以降の終盤にかかる展開がまたイマイチよく分からん妙ちきりんで、よーく考えると分かってくるような気もするが、例えば…  ①相棒は何故殺されたのか  ②最初ファイルに拘っていたのに、それをアッサリ速水に渡してしまうのは何故なのか あたりはやっぱ正直よく分からんかった。前述どおり、1つ目のトリックの質は中々だと思うのだが、全体的には、微に入り細を穿って考え抜かれた、というよりは、場当たり的でややザルな、というシナリオで、最終的な納得度というものは(サスペンスとしては)率直に不十分だと感じる。 役者の演技も特筆するほどに良いと感じられるものは無かった(江口のりこですら無駄遣いなのも率直に勿体無い)。残念作。[映画館(邦画)] 4点(2020-07-20 20:27:43)《改行有》

1142.  マタギ 《ネタバレ》 村落を襲う危険な巨熊との最後の戦いに挑む老マタギの話と、チビ犬を立派な猟犬(マタギ犬)に育て上げようとする老マタギの孫の話を軸に、東北の農村の生活風景を季節感豊かに織り交ぜて描いてゆく隠れた秀作。話の内容も普通にまずまず面白く観れるし、本物の熊を使ったクライマックスの対決シーンなどは緊迫感も中々素晴らしい。主演の西村晃は本物のマタギにしか見えない秀逸な役づくりでこの面の満足度も高い。一点だけ、特に前半は登場人物の訛りが非常に強烈で、何を言ってるのか分からないシーンも散見された(字幕が欲しい)。 あと、個人的に印象深かったのは、今は失われたであろう種々の農村の生活風景・風習の興味深い様子である。個々のシーンで特に面白かったのは、警察署長と飲んでるときに「ドブロク持って来い!」と言って署長が顔を顰める場面や、マタギ犬の大会の様子(ツキノワグマと犬を実際に対峙させるという)など。もう一つ、獲物は山神からの授かりものとして命懸けでこれと相対することを旨とし、旧式の猟銃と三発の弾のみを携えて山に赴くというマタギの精神性。これもまた、今は確実に失われてしまった日本人の在り方の一つであろう。[DVD(邦画)] 8点(2020-07-19 23:47:40)(良:1票) 《改行有》

1143.  セックスと嘘とビデオテープ 《ネタバレ》 性欲は3大欲求のひとつでありながら、大概の人が常に満たした状態にある他のふたつとは異なり、必ずしも全ての人が常にこれを満たした状態にあるとは言えない様に思う。そもそも、どういう状態にあることが真に性的に満たされていると言えるのか、ということを考えさせられる様な映画である。 本作に登場する4人は、自覚している・していないに関わらず、4人ともに性的に「不健全」な状態に置かれている。中で、最も一見して端的に病的な状況に在る様に思われるグレアムのアプローチ、物理的に不能な自分に対し、やはり性的に「不健全」であろう女性たちに、カメラを通しての精神的な「解放(裸身を曝すこと)」を要求していくという、これも一見高度に変態的な行為が、むしろセックスの本質のひとつの「正常な」側面を明らかにしている。終盤に描かれるアンとグレアムの精神的な解放・結合(自己の曝け出しと他者の受容)こそが、変則的ではあるがセックスの(形而上的な)あるべき姿だとソダーバーグは言いたいのだろう。 あくまで個人的には、このソダーバーグの結論は、万人がこれを認めるというにはやや高尚すぎる、とも思う(それは、もっと高次元の人間の欲求の話だと)。そして誤解を恐れずに言えば、そんなことを言い出すのであれば、生物学的には性欲の最も重要な論点は正に結果、つまりは家庭・子供を持つということに帰結するべきだ、とも私は考えている(性の在り方が多様化する現在、こんなことを言うと、また袋叩きにあってしまいそうだということは重々承知の上で)。しかし、その意味でも本作が描く価値観は、現代でも通用するある種の先見性を備えていた、と言えるのかも知れない。中々どうして、今なお観る価値の深い映画だ、とも思う。[DVD(字幕)] 8点(2020-07-19 15:12:26)《改行有》

1144.  スガラムルディの魔女 《ネタバレ》 スガラムルディはスペイン・バスクの実在の地名で、実際に魔女伝説で有名な村とのこと。ここに迷い込んだボンクラ連中が魔女集団に襲われる、というホラーではよくあるお話(ただ本作はホラーと言うよりはダーク・ファンタジーに近いが)。魔女どもは、人喰いということもあり、端的なイメージとしては吸血鬼かゾンビにも少し近い感じ。まあ、実際の魔女伝説を現代を舞台に一発やったりました、という作品なのだろうと思われる。 で結局、映画としては、コメディとしてもファンタジーとしても(加えて謎にロマンス要素も含むのだけど)非常に大雑把でイマイチ中途半端(描写の色々は結構派手めなんだけど)。ラテン系人種よろしく、おバカで適当でノリの軽い人々しか出て来ないのも要因の一つだろうと率直に感じる。だったらせめてもうチョイ笑える風に仕上げてくれないと、正直キツいっす、てな感じ。[DVD(字幕)] 4点(2020-07-19 03:12:07)《改行有》

1145.  ドリンキング・バディーズ 飲み友以上、恋人未満の甘い方程式 《ネタバレ》 友達としては好くても恋人としては微妙、というのはままあることだろうが、この映画のそれは実に分かり易く、それでいてとても自然なのだよね。テーマがそういう普遍的なものである分、その面白さもある種普遍的だ、とも思うが、これもやはりマンブルコア、通常の映画に比べれば格段に緩くて大したオチも無いという点で、典型的なこのジャンルの少し取っつきにくい映画だと感じる人も多々居るであろう。 しかし、即興劇らしいワリには主演4人の繊細な心情表現の巧みさはどれもかなり見事だった。オリヴィア・ワイルドの奔放なキャラにはエリック・ロメール(私最近よく観てたのだけど)の描く女性の薫りを少しだけ感じた様な気がする(フランス人とアメリカ人という大きな違いは明白にあるものとして)。お淑やかなアナケン嬢も地味に結構好かった(やっぱ美形だし)。[インターネット(字幕)] 7点(2020-07-18 16:40:34)《改行有》

1146.  火花(2017) 《ネタバレ》 『劇場』を観たので、こっちも。両方とも原作未読だが、なんか似た様な話ですね。かつ、これも薄いなあと。 ごく終盤まで、人間としては多少ユーモラスだけどあんまり売れてないという芸人がグダグダグダグダしてるだけ、という風に感じられる。何故、彼らがどう苦悩し、いかに闘ったのかをもっと掘り下げて描かないのか。「これからの全ての漫才に俺たちは関わっている」いい言葉だ。原作者も唯これが言いたかったのだろう。しかし、ある程度芸人として成功した原作者が単なる落伍者たるあの2人にそれを言わせたら、意味が変わってくるでしょ、と思う。要は、この言葉だけが浮いている(少なくとも、この映画では)。 菅田将暉の演技は素晴らしかった。ラスト漫才、初めて神谷にキレるシーン、どっちもやはり薄っぺらくはあるが、込められた熱は十分に届いた。流石である。[インターネット(邦画)] 4点(2020-07-18 16:35:21)《改行有》

1147.  劇場 《ネタバレ》 芸術家というヤツは、なんでも「芸の肥やしにする」という言い訳が通用してしまうので、才能が中途半端でなおかつ自立・自律の出来ない人間には向かない職業だ。その上に、純粋なクリエイターとしては自分のやりたいように勝手気儘に創作するべきで、だからある程度意識的に「狭量」であるべきなのだし、その結果なおさらダメ人間に陥りがちだ。更にそこに加えて男でかつ面構えが美しかったりすると、これはもう常にヒモに為らない様に「努力」する必要があるホドだろう。本作では異なるが、これで「実家が金持ち」とかだったら正に数え役満、太宰治の出来上がりである(まあ太宰は、才能は中途半端というレベルではないケド)。 本作、基本的には、上記のダメ芸術家野郎の発端から破綻(ラストは取って付けの再生?)までを描く極めてシンプルな作品だと言って過言ではない。そのダメっぷり・クズ人間な有様はまずまず痛烈であり、率直に言えば途中からこいつの人生などはどーでもよく、母性的包容力に溢れた松岡茉優がどーなるのかだけを個人的には気にして観ていたと言える。その意味では、その松岡茉優が自らの秘めた心情を(悲しみを湛えつつも)朗らかに発露するラスト直前のシーンが、私にとっての本作のハイライトである。 このシーンの他にも、青春映画と言うより恋愛映画としては観てそこそこ面白いシーンも散見される。しかし総じて、特に青春ものとしては(あとそーは言っても恋愛ものとしても)前述どおり非常に単純で在り来りな内容だと率直に感じる。その最大の理由が、主人公が心血を注ぐ演劇という要素のコアな部分への掘り下げが全く存在しないことである。決して観れなくはないが、好く言ってそこそこ程度の出来かと。ただ、主演2人の演技はそこまで悪くない(前述の茉優ちゃんのシーンに免じて1点アップしておく)。 下北沢、渋谷。若者の街だよね。人生うまくいってないと、住んでるだけで年々居心地が悪くなる。その焦燥感も、ハッキリ感じられるなあ、と。[インターネット(邦画)] 6点(2020-07-18 13:52:48)《改行有》

1148.  墓地裏の家 《ネタバレ》 引っ越した先の家の地下に昔っから化物が居た、てだけの話で、色々と適当なのに加えてラストがまるで意味不明なのも相当に酷い。ごく終盤までショック描写も(フルチとしては)非常に地味で(コウモリ一匹であそこまで血みどろに大騒ぎしなくてもイイでしょ、なんて思ったり)、そこまでは質感としてはグロ映画というよりかつてのジャーロに近いサスペンス的な感じ(しかし、恐怖も謎解きのスリルもまるで盛り上がっていかないボンクラではあるが)。 最終盤、遂にお目見えした肝心の化物の造形はそこそこだし、得意のウジ虫シーンもあってそこはそんなに悪くない。あと男児の子役が可哀そうなくらいブチャイクだが、逆に女児の子役はエラい可愛い(まあこいつの正体もイマイチ謎なのだが)。しかし総じて、ちと見所が薄い完全な駄作。[DVD(字幕)] 3点(2020-07-18 04:29:52)《改行有》

1149.  ビヨンド 《ネタバレ》 前作に引き続き、グロ描写単体の評価としては、有名な「蜘蛛が顔面を喰い散らす」は技術的限界もあってそこまでグロくも感じなかったが、決して悪くはない(まあ蜘蛛が嫌いな人なら阿鼻叫喚だろうが)。あと、フルチの特徴と言われる眼球破壊のシーンはふんだんだが(蜘蛛に喰わせるのも含めて)、特に「壁の釘に頭ぶっ刺して目玉貫通」は切れ味があって良かったし、目玉繋がりだと盲目女性の変なコンタクトもかなり気持ち悪かった。 しかし、ラストのゾンビ的展開部分については特殊メイク等が今作はやや手抜きだし、総じてグロ描写のクオリティはよく言って前作程度、にも関わらず、話の支離滅裂さだけが格段にパワーアップしている感が強く、全体として極度に意味不明でよくよく睡眠導入映画だとも言える(観終わるまでに2回に分けて計5時間も寝てしまった)。これも個人的にはかなりイマイチ。[DVD(字幕)] 4点(2020-07-18 04:27:10)《改行有》

1150.  地獄の門 《ネタバレ》 フルチ全盛期と謂われる時期の作品をいくつか鑑賞してみたが、今作と『ビヨンド』はひたすらグロ描写の挿入のみに腐心し、率直に言って話に辻褄をつけるのをほぼ放棄している様にも感じられる。であるからして、観て面白いのかということは一旦置き、グロ描写のクオリティがどうであったか、にしか評価する価値のある観点は発生し得ない様に思われる。 その意味で言うと、まず「内臓を吐く女」と「ウジ虫の嵐」は(撮ってる俳優さんは正に阿鼻叫喚だったろうなあという意味でも)かなりグロテスクで見応えがあった。「ドリル貫通」のシーンもそこそこよく撮れていたと思う(皆さんご承知のとおり、本筋に全く関係が無いというアレなのはまた置いといて)。ただ「後頭部捻り潰し」は何度も何度も登場するので食傷するし、ゾンビの造形は『サンゲリア』ほどの衝撃度ではないし、幽霊なハズのラスボスが物理攻撃一発で呆気なく沈んだりと、流石にどーかと思われる部分も散見される。個人的にはややイマイチな出来。[DVD(字幕)] 4点(2020-07-18 04:25:21)《改行有》

1151.  サンゲリア 《ネタバレ》 昨今のヴァイタリティ溢れるゾンビを見慣れた身からすると、フルチのゾンビというのはやはり少し方向性が違う、という風に思う。結果的にゾンビ映画というのは「人が人を喰らう恐怖」「その属性が感染していく恐怖」を尖鋭化する方向に進化していった様に思われるが、フルチのゾンビは単純に「死んだ人間が動く」ということの恐怖を最前面に押し出している。要は、死体って気持ち悪いし、それが動いたら尚更気持ち悪いでしょ、ということだが、その分、グログロに腐り果てたフルチのゾンビはもはや動くのもやっと、というモタモタ加減で、その意味でも今現在これを鑑賞すると、ある種の「オツ」な味わいを感じ取れるとも言える(偶にはこういうのもイイかも、的な)。ただ、結局のところそれは恐怖描写の中でも最も低級というか、本質的にはただ「見た目が気持ち悪い」ということに留まるものであり、進化の方向性としては底が浅く、あまり後続が続かなかったのも然もありなんと言えるのだろう。 とは言え、目に一杯にミミズを湛えた腐敗ゾンビのインパクトなどは確かに凄まじく、その他のグロテスク描写の切れ味も中々で、本作がかつてヒットしたのは重々納得できるクオリティだと言える。加えて、後続のフルチ作品に比べれば展開運びも(極めて陳腐ながら)ある程度筋の通ったものであり、観易いか観易くないかで言えば確実に観易い。フルチ入門としてはある意味完璧な作品だと思う。[DVD(字幕)] 5点(2020-07-17 00:42:46)《改行有》

1152.  ミュリエルの結婚 《ネタバレ》 映画のテーマとしてはよくある、主人公がいったんどん底まで落ちた後で一皮剥ける「人間の成長」を見守る作品、と言えるのですが、本作の主人公は最初から完全に「負け組」で、その描かれ方も木っ端微塵と言える程に残念な方面に振り切れています。トニ・コレット、若いこともあり、本来は決して見た目に全く華が無いという様な女優でもないと思うのですが、通常の役づくりのレベルを完全に凌駕する凄まじいウェイトアップの結果、本作では完全にブヨブヨの肉塊と化しています。やや欧米辺境と言える(田舎)オーストラリアの90年代作品ということもあり、映画の質感が似通ったものとして私が思い起こしたのは『ナポレオン・ダイナマイト』でした。 この残念な主人公が加速度的に残念な行為を積み重ね、最初はまあ笑えるものの、次第次第に残念で片づけるには悲惨すぎる状況に陥ってゆき、周囲の人間も悉く不幸にしつつ終盤は完全にコメディではなくなっています。正直、そこから少しだけ真人間になって再出発していくというラスト付近のシークエンスは、ご都合主義でもあり、必ずしも素直に主人公に共感できるかと言えばそんなん出来っこないという人も多々いるだろうと率直に感じました(主人公の分別の無さは、これも率直に他作品と比べても相当酷いレベルですので)。 ただ個人的には私、単純にこういう話が結構好きだというのと、あと主演と助演の女優2人の演技自体はとても素晴らしかったということが大きいのです(コレットは役づくりは無論、変人ぶりも神妙になった時の演技も抜群でしたし、もう一人、レイチェル・グリフィスの実にキレの有る演技・見た目・キャラ造形は、本作に必要不可欠なアクセントとなっていましたし)。結論、個人的には十分に楽しめました。[DVD(字幕)] 7点(2020-07-15 21:59:02)《改行有》

1153.  ドリアン・グレイ 美しき肖像 《ネタバレ》 あのヘルムート・バーガーがドリアン・グレイを演じた作品、と聞きつけ、勇んで鑑賞。結論から先に言うと、そこまで悪くはない…よーにも思うのだ、ケド…… 舞台は(製作当時の)現代に翻案されており、ゴシック・ホラーとしての雰囲気は(あくまで当時の)モダンなものに置き換わってしまっている。筋書きもほぼ原作踏襲だが、あまり製作費が無いのかも知れないけど演出はどれも安上がり(例えば、肝心の肖像画なんかも相当に適当なクオリティの代物だったり)、かつ、特に心情表現の部分などには深みも感じられない(とりわけ、ドリアンの心情表現とかがかなり適当で、殊に肖像画が次第に醜くなっていくことへの畏怖であるとかは殆ど伝わってこない)。 あと、最も重要なヘルムート・バーガーの出来だが、これもかつてのヴィスコンティ作品で魅せた芸術とも呼べる様な美貌、とまでは言えない、と率直に感じる。特に序盤、正直言ってあまり何も考えずに演技している場面とかが中々に残念な出来に思えた。ただ、中盤以降のシリアスなシーンで傍目にも気合が入ってくると、途端に素晴らしい容貌になるのは流石と言える。監督に言いたい。ヘルムート・バーガーを起用すればそれで良いのではない。ヘルムート・バーガーにも常にヘルムート・バーガーを演じさせるようにしなければならないのだ、と。[DVD(字幕)] 5点(2020-07-14 23:23:59)《改行有》

1154.  美しいひと(2008) 《ネタバレ》 17世紀末のフランスの傑作恋愛小説『クレーヴの奥方』を、現代の高校を舞台に翻案した映画化。設定・内容は少しだけ漱石の『こころ』に似ている様にも思われますが、本作の主人公は女性の方であり、彼女がやや能動的に恋愛事象に関与していく中で結果として罪の意識に呑まれていく、その主人公を、23歳の若いレア・セドゥが演じています。抜群の美人ですよね。今作では美しい黒髪姿に加えて、実に見事な美巨乳もチラリと披露したりしています(『アデル、ブルーは熱い色』でも観たハズですが、こんなに大きかったですかね?)。 どーでもよいことはさておき、もっとシンプルな話を想像していたのですが、展開運びや人物造形・心情表現はやや複雑、かつトリッキーで(原作が超有名な古典なので、少しばかり捻りを加えているのかも知れません)、演出もちょっと気取った様な風変わりさを纏っているので、若干ながら付いて行けない部分がありました(あと『ジョルジュ・バタイユ/ママン』でも思ったことですが、音楽の使い方・選曲センスとかも微妙に独特な監督だと思います)。ただ、肝心のレア・セドゥの若いながらも毅然と芯の通ったサマは中々でしたし、相手役のルイ・ガレルも割と良かったよーに思います。まあ、そんなに悪い映画でもないかと。[DVD(字幕)] 5点(2020-07-14 23:22:02)《改行有》

1155.  鉄男 TETSUO 《ネタバレ》 低予算ながら、随所に工夫された非常に独特な表現が見て取れるのも確かなのだが、とにかくこの作品、撮り方から何から色々とメチャクチャで全編非常に「見にくい」のだよね。加えて、音響も終始かなり耳障りで、観てる聴いてるだけで凄く体力を削られるのですよ。更には、話の方も正直サッパリ訳が分からない上に、基本的に妙なハイ?テンションがずーっと続いていくのでメリハリを欠いていて、その意味でも気が休まる隙が無いつーか(数少ない台詞主体のシーンが来るとややホッとする、というくらいで)。 正直、最初観たときも率直に「合わないなあ」と思ったのですが、再見してもそれは変わりませんでした。ごめんなさい。[DVD(邦画)] 4点(2020-07-12 20:51:41)《改行有》

1156.  ゲームの規則 《ネタバレ》 描かれる上流階級の生活は、正に虚構に満ちている。愛の無い結婚、ただ続く怠惰な娯楽、表層的な煌びやかさと上っ面の感情を取り繕うことに無駄骨を折り尽し、人生に真なる目的というものがある様には到底見えない虚ろな彼らは、少しでも真実味を帯びた感情に直面すればたちまち戸惑い、いわゆる「間違い」を犯してゆく。この映画において候爵夫人と関係しようとするアンドレやオクターブが少なからず「マトモ」に見えること自体が、集合全体としての彼らの深刻な倫理観の欠落を逆説的に表わしている様にも思われる。ゲームのルールを破ったのがどの個人か、が問題なのではない。そんなルールがルールとして社会的規範になっていること自体が、最も愚かしい過ちなのである。 終盤はかなり派手に喜劇的かつ悲劇的に描かれる物語ではあるが、彼らに救いの無いことはこれを喜劇と見るには悲惨すぎるし、また感情移入が困難なことでこれまた悲劇というには滑稽すぎる。確実にユーモアとペーソスを両構えで備える作品ではあるが、感じられるのはやはり根の深いシニカルな成分、そしてそれは、結局彼らがその後の歴史の中でその社会構造もろともに滅んでいったという厳然たる事実をもって、一つの大いなる真実と類稀な先見性を本作に埋め込んでいる。色々と、実に含蓄の深い映画だと思う。[DVD(字幕)] 9点(2020-07-12 16:56:31)《改行有》

1157.  新・夕陽のガンマン/復讐の旅 《ネタバレ》 『新』と銘打ちつつも肝心な部分、まず監督はレオーネではないですし、イーストウッドもキャストから外れています。しかし、リー・ヴァン・クリーフは続投、脚本はヴィンチェンツォーニ、そして音楽はモリコーネと、確かに『夕陽のガンマン』のネームバリューに肖りたくなる様な面々だとも言えます。内容も、特に主役2人の関係性などは前々作に近い様にも思えますが、ジョン・フィリップ・ローは腕前はともかくイーストウッドのモンコに比べればだいぶ「若輩者」で(見た目もそこまでカッコ好くはないですかね)、ここはトップクレジットに昇格したクリーフが彼を手玉に取りつつ引っ張っていく構図がより強まっているとも言えます(2人ともまた中盤はとっ捕まってボッコボコにされてたりしますけど)。かつ、今作はまた割と単純な話ではありますが、ガンアクションがまずまず豊富にちょこちょこ入り続けるのと、終盤は結構派手に撃ちまくっており(プチ『荒野の七人』ばりに)、見せ場のボリューム的には決して悪くもない様に思います。 悪者はより悪く、主人公の善玉はより強く、物語は簡潔に、総じてより単純で娯楽に徹した作品だと感じます。イーストウッドが10才若くて本作でも主役を張っていたら、もっと有名になっていた作品でしょう。加えて、モリコーネの音楽は率直に今回も非常に素晴らしいです(ややおどろおどろしいメインテーマはタランティーノが『キル・ビル』でも使ってたそうですね)。西部劇としては確実に合格点以上な作品だと思います。[DVD(字幕)] 6点(2020-07-12 01:15:44)《改行有》

1158.  ウィンチェスターハウス アメリカで最も呪われた屋敷 《ネタバレ》 かなり酷評されている作品なので観るのが遅くなったのだが、観た感想は率直にそこまで酷くもないかも?という感じ。そもそもこのネタ、ホラーになるのかかなり疑問だったのだが、いくつかの工夫(精神鑑定だの悪霊が子供に憑依するだの実はお化けな召使だの)を織り交ぜたシナリオはそこそこちゃんとしたホラーになっているし、役者の仕事も決して悪くないし、セットや小道具なんかもまずまずキッチリつくってあって、普通にB級以上と言ってよい質感に纏まっていると思う。 しかし、言うてシナリオも結局は月並、恐怖描写も単なる驚かし系の平凡、それに加え、個人的に以下の2点がかなり致命的だと思われる。 ・「銃に殺された者たちの怨霊が屋敷を呪っている」というそもそものコンセプトは偏執狂の戯言としては面白いが、これを本気で真面目なホラーに仕立てるのはちょっと勘違いなよーに思う(普通に考えて、そんなことあるワケねーじゃん、としか思えない)。 ・この話、どー考えても「屋敷」が主役のハズで、だから一番の勘所はその広大さ&異様さの演出にあるのは明白なのだが、惜しむらくその部分のつくり込みがこれまた非常に平凡で、とどのつまり少しだけ奇妙な普通の豪邸にしか見えないのだ(これは予算的な問題である気もするケド)。 前述どおり、別にホラーとしては可も無く不可も無い程度の作品にも思えるが、実話であることを含めての「コンセプト」に対しての実際につくり込めたクオリティ、と言う意味では、だいぶんやり残し・手抜かりが多い作品にも思われる。その意味では、確かにこれもまた残念作の範疇にある一品だと言えるだろう。[DVD(字幕)] 4点(2020-07-09 22:32:02)《改行有》

1159.  続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 《ネタバレ》 言うて全員悪党だが、トゥーコの卑劣漢(小悪党)ぶりと、今作ではかなりなチョイ悪親父(つーか極悪親父)なクリーフおじ様はどちらも秀逸(これに加えてイーストウッドも平常運転なセクシーニヒル)。話の方はかな~り長ったるい、が、一貫性は十分なストーリー運びで(レオーネとしては)観易くないとも言い切れない(ここまで来ると好みの問題だが)。単純な西部劇的決闘シーンはやや少なめにも思うが、その代わりに南北戦争シーンがあったり(ここの物量は正直ちょっとビビるレベル)、何と言ってもラストは西部劇史上屈指と言うべきスーパージックリ撮って緊迫感もモノ凄い三竦み大決闘を存分に楽しめる。個人的にはこっちも大分お気に入り。[DVD(字幕)] 8点(2020-07-09 01:16:16)

1160.  ポセイドン(2006) 《ネタバレ》 スペクタクルにして、それ以上に重厚な人間ドラマだったリメイク元に比べて、今作は極めて単純なパニック・アクションとなっているのは確かにそうだが、その意味では別に全然出来が悪い訳でも無く、ややコンパクトであることも相まってテンポ良く観終われるアトラクション映画に仕上がっていると言える。話の大枠こそリメイク元と全く同じながら、完全に別種の映画として評価すべきなのだろう。 私の好みも確実にリメイク元の方だし、あっちがあれば今作が無くても全く困らないが、別に今作があっても困る訳が無いのもまた事実である。パニックのもたらすスリル的な部分については、今作の方が部分的には優れている様にも思う(襲いかかる水だ炎だ爆風だ電撃だといったバリエーションの多彩さに加え、ダクトの中ですし詰めで水が迫ってくるシーンなどは観ているだけで息苦しくなったりと)。[DVD(字幕)] 7点(2020-07-09 00:15:58)《改行有》

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