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プロフィール
コメント数 1617
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1161.  台湾、独り言 《ネタバレ》 台湾が舞台ながら、登場人物はバラエティに富んだアジア系人種のごった混ぜであり、彼ら「異邦人」が織りなすエキゾチック日常絵巻とでも言う様な作品、だとも思う(まあそんなに大層なもんでもないが)。しかし、本作を実際に構成しているいくつかの会話は、率直にどれもかなり居心地の悪いもので、一部は完全に口喧嘩である。そしてそんなことになっていることの原因は、ひとえに登場人物たちの底意地の悪さ、更には人間誰しもが奥底に秘めているであろう排他的な差別意識に由来する様に思える。その意味では、人間の負の側面の方をより強く描き出す作品であるし、前述のとおり観ていて相当に不快な作品でもある。 それ以上に私が本作に好感を抱けないことの最大の理由は、そういう登場人物のややアレな人間性の描き方の「雑さ」にある。こういう間違い無く国際的な作品で、実際に多種多様な人種の役者を使って「差別」を描くのであるから、誰が何故どのように行動するのかというその描き方にはごく細心の注意を払って然るべきだと思う。が、本作では、登場人物たちは本当にただ大した理由も無く陰湿で差別的である様に見える。そしてその「人の悪さ」というものは、否応無く登場人物の人種に付帯する属性であるかの様に見えてしまうのだ。その意味では、作品としてのテーマ性だとか出来映えだとかいう以前に、一種のルール違反に近い作品だとも感じられる。 と言うかそもそも、何が描きたいのかもイマイチ分かんないし(ラストのシークエンスとかも意味不明だし)、製作サイドが単純に圧倒的にレベル不足なだけにも思える(それは、明確に悪意を持って差別を差別的に描いた、というワケではないかも知れないという意味で、私個人にとってはやや救いに近いことでもあるのだが)。[インターネット(邦画)] 3点(2020-09-02 13:53:52)《改行有》

1162.  ヘルタースケルター(2012) 《ネタバレ》 画的・美術的な部分のクオリティは今作も見事と言える出来で、沢尻エリカも(ルックス・キャラ的に)これ以上無い適役でかつ演技も最高に気合入ってるし、他の面々もみな芸達者で固めている(特に桃井かおり・寺島しのぶは素晴らしかった)。そして原作も漫画としては非常に良く出来た(中身の有る)話なはず、なのに… 特に後半、展開運びが宜しくなく冗長なのと、全体的に台詞がイマイチダサいのとか(特に大森南朋)、これも所々は良く出来ているが映画の全体としては高評価を付けるのは難しい代物。観て損したとまでは言わないが、微妙。[インターネット(邦画)] 5点(2020-09-01 19:45:15)(良:1票) 《改行有》

1163.  湿地 《ネタバレ》 複雑な過去の因縁と、キーとなる遺伝病をうまく絡めたメインのサスペンス部分は率直にそこそこ面白いし、そのお話が、アイスランドの寒々しい情景の中に陰湿に冷酷に描かれる空気感も決して全く悪くはない。だがしかし、そこまで「面白かった!」という程でもないかとも思う。特に、結構重い話なのに尺自体もごくコンパクトで、故に見応え・歯応えというものがやや物足りないかと。せっかく雰囲気を重々しくつくっているのだし、多少テンポを落としてももう少しエピソード膨らましてしっかり2時間にした方が良かった様にも思われる。 雰囲気という意味では、味気ないマズそうな食い物を随所で巧みに使ってたのが印象に残る(意外とよくある手法ではあるが)。特に、グレータルの死体を掘り起こしてみんなが「激臭っ!」てなってる直後に、張り込みの刑事がドーナツ頬張ってる画を持ってくる辺りはウマいなあと思った。 アイスランドならでは、という部分として(これがそうなのかは定かではないが)、ごくごく狭いコミュニティの話なのではないか、と思わせる様な描写が幾つか見られたかと思う。例えば、エヴァがエーレンデュルの娘なのをそこら辺のワルが皆知ってるだとか、オルンの母親も悪党三人組がルーナルの手先だと分かっていたり、とか(母ちゃん、そこまで分かってて何故ホルベルクに抱かれるのじゃ?としか言い様が無いが)。[インターネット(字幕)] 5点(2020-08-29 01:02:01)《改行有》

1164.  ともしび(2017) 《ネタバレ》 説明的描写が極端に少ない部類だが、平穏な日常が崩れてゆくサマと、何とか平穏に過ごそうとしながらも次第に心境が変化していく様子はまま伝わるし、ランプリングの演技自体もまずまず悪くないと思う(なんか今作、妙に体張ってる感じ)。しかし、宣伝文句に謳われてるよーに「生きなおす決意」をしたのかどうかまでは正直言ってよく分からない(=それを伝えたかったのだとしたら、演出は失敗・不足している様にも思う)。せめてラストくらいは、もう少し示唆的に表現して欲しかった。あと、鏡面やピンボケを利用したかなり凝っていて中々に面白い画づくりがとにかく終始続くのも、印象に残る。[映画館(字幕)] 6点(2020-08-29 00:34:48)

1165.  シンプル・フェイバー 《ネタバレ》 安っぽい内容のサスペンスだが、そんなに内容が頓珍漢だという訳でも無く、普通に2時間楽しく観れるレベルではある。ポイントはやっぱアナケンさんですかね。彼女の序盤からのやや残念人間さ加減と、終盤のやれば出来る子加減を微笑ましく半笑いで観れるという人なら、本作にはコメディとしての価値も十分に見出せるかと思われます。まあまあ。[インターネット(字幕)] 6点(2020-08-23 15:58:15)(良:1票)

1166.  怒りのガンマン/銀山の大虐殺 《ネタバレ》 マカロニ晩期とも言える70年代ものですが、随所で暢気な音楽も含めて、つくり自体はもっと古い時代のウエスタンを思わせるというか、年代も考えれば率直にややダサいです。リー・ヴァン・クリーフ演じるクレイトンにしても、少し勿体付け過ぎ、カッコ付け過ぎです。お話の構成要素もかなりオーソドックスで、かつそれホド展開運びも上手いとは言えません。クレイトンが何故フィリップに肩入れしているのかは終盤までサッパリ謎ですし(ラストまで観ると理由はチャンとあるのですが)、フィリップが生き長らえている唯一の理由であろう金鉱の場所の話も途中からどーでもよくなってしまっていたり、やや雑ですね。 ただ、流石に70年代ものだけあってアクションは西部劇としてはそこそこ派手な気もします(特に序盤とか)。あとラストの決闘も、これも極めてオーソドックスですが、ここは流石のクリーフだけあって緊迫感はまずまずで気持ち好く観終われたというか。結論、別にそこまで糾弾する程に出来の悪い西部劇、とは言えないと思います(個人的には、暇潰しには十二分でした)。[インターネット(字幕)] 5点(2020-08-23 15:35:28)《改行有》

1167.  さよならくちびる 《ネタバレ》 青春って、自分の世界が広がっていくことだと思っている。そこでは最初、視野が狭いが故に人はみんな万能だ。周りが見渡せるくらいに世界が広くなって、遂に自分の限界を知ったとき、大抵の人にとって青春は終わって、ひたすらな現実が始まるのだろう。それさえ在れば生きていける、なんていう純粋な恋愛も、そこまでなのかも知れない、とも思う。 若いときって、自分はどうするべきなのか、は疎か、どうしたいのか、も結構見えていなくて、じゃあどうするのかっていうと、ボンヤリ時間を浪費してしまうのか、それとも今作の3人のように周囲に対して尖っていくのか、どっちかな気もする。前者だった自分にとって、この映画は眩い。 でも、だから、自分にはまだできると信じ続けるなら、それだけ青春は終わらないのだ。馬鹿でナニが悪いのさ! 本作は、青春の終わりを描いてゆくと見せかけて、ラストに突如反転攻勢を仕掛け、無軌道に迸る「青春の万能感」を見せつけて終わる。そこにロメロ版『ゾンビ』を感じたのだといったら、どれだけの人に理解して貰えるだろうか。[インターネット(邦画)] 8点(2020-08-20 22:15:12)《改行有》

1168.  さざなみ 《ネタバレ》 私とあなたのふたりだけの人生、そこに唐突に第三者が割り込んできたら…そりゃ誰だって好い気はしない。しかも、よくよく聞いてみるとその女は、ずっと前から彼の人生に静かに、だが深く重く鎮座ましましていた、とゆーのだから、多少のジェラシーは自然な反応だろう。しかし、今作のランプリングは「それにしても」な大人気無さで、ちょっと観ていて愉快と言うには程遠い。特にラスト、これじゃあ、率直に言ってバッドエンドですよね?お話としても起・承・転で止まってしまっている様にも思われるし、結局描きたいのはこんなものなのか、とゆう様にも思われる。個人的にはあまり好みでない作品。 ただ私、もともとランプリング好きなんですけど、とりわけ今作ぐらいの年齢を重ねた感じが好きなのですよね。何故だろう?と考えた結果、遂に分かりました。老ランプリングは、私の敬愛する「アーセン・ヴェンゲル」に感じが似てるのですよ(知的な眼差しと枯れ具合が)。本作でようやっと、個人的な納得を得ることが出来ました。[DVD(字幕)] 5点(2020-08-19 21:44:50)《改行有》

1169.  まぼろし 《ネタバレ》 「あなた軽いのよ」スゴく好きな台詞ですね。何とも艶かしいですし、含蓄が深いというか。軽いヴァンサンに対して、重いのは、躰そのものであり、それこそ愛でもあり、共に過ごした人生でもあり。今や「まぼろし」となった彼の存在を軽いヴァンサンを抱くことで逆に実感した喜びも含めて、二度のこの台詞には様々な感情を垣間見ることが出来ます。映画全体としても、マリーが実際、何をどのように考えて(捉えて)いるのかが少し判然としない(まぼろしを見る程に夫を今だ愛していながら、ヴァンサンと情事に耽ることも含めて)ことも、比較的単純な話に奥行きを与えている様に思われます。その意味では、本作のランプリングで一番良いなあと思ったのは、名状しがたい「有無を言わさない」感、だったかと思います(何とゆーか、細身なんですけど実に「凄み」のある系統の美人ですよね)。 ラストも、これ私大好きなヤツですね。ジャンにも見える人影を過ぎ越してゆく彼女には、我々とは違うものが見えているのでしょう。彼女は、もう戻らない。そう感じます。[DVD(字幕)] 8点(2020-08-19 19:09:35)《改行有》

1170.  バッドボーイズ フォー・ライフ 《ネタバレ》 17年越しの続編となった今作、割と世評が高かったので、大して面白いと思わなかった前作・前々作を再見してからの鑑賞に相成ったワケだが、果たしてそれが吉と出るか凶と出るか… そもそも本シリーズというのは、そのコンセプトが秘めるポテンシャルを(マイケル・ベイ御大の大味な製作方針の所為で)生かし切れていなかったと思うのですよね。ヒップホップな型破り黒人デカのしかもバディものを、名優ウィル・スミスが演じて面白くならない訳がないじゃないですか。その意味では、今作は非常に正統派で「チャンとした」バディものアクションに(初めて)仕上げられている、と思いました。恐らく、これが本来の『バッド・ボーイズ』だったのではないか、とも個人的には感じます。 雰囲気面でも前2作とは異なる部分が諸所に見られますが、一番の変更点は、コメディ色をやや薄めて(全くコミカル描写が無い、という訳では無いですが)、本筋は比較的シリアス・ハードに進めていることですね。年齢的限界から引退を決意したマーカス、その彼とマイクとのバディものとしてのオーソドックスなテーマに加え、若き日のマイクに関わるシリアスなストーリーを織り交ぜたシナリオは、アクション映画としては比較的よく出来ている方ではないかと率直に感じました。 アクションそのものも手堅いですね。中盤のカーチェイス的な場面にせよ、終盤の激しい銃撃戦にせよ、これも前2作で既にやっているのと本質的には大差ありませんし、派手さで言えば前作が上回るでしょう。しかし、それなりにユニークなアイデアも無くはなく、今風の悪くないクオリティに仕上がっているのも確実で、この面の出来も十分に合格点なのではないかと思います。 結論、セオリーに従ってシリーズ一気観したのは正解だったと感じます(6点と悩みましたが、ギリ7点で)。旧作キャラは総じて前作からの俳優が続けて演じているワケですし(まさかのあの人物も再登場しますしね)。[DVD(字幕)] 7点(2020-08-16 00:29:38)《改行有》

1171.  バッドボーイズ(1995) 《ネタバレ》 マイケル・ベイは、今作が初監督なのですね。しかし、この手堅いコンセプトに手堅いキャストで、何故にこんなに面白くないのか、ということでもあるのですが… まあ色々と、とにかく雑、ですかね。事件ものとしての展開運びなんか特に雑ですが(正直、マジメに観るに値しないレベル)、コメディにしても黒人2人にこんな感じでピーチクパーチク喋らせときゃいいんだろ、的な感じだし、アクションにしてもとりあえず爆発させときゃいいんだろ、的な感じというか。満を持したお初なハズなのに何故にこんなに気が入ってないのか(あまり伝わって来ませんが、カメラワークの方に拘りまくったが故に他が等閑になった、とかなのでしょーか)。 ただ、そうは言っても私も、アクション映画で色々と爆発し出すのを観てるとなにかホッとする、というタチなので、ラスト15分はそこそこ好きです。まあ重ねて、そこまでがつまんな過ぎるのですけれど。[DVD(字幕)] 4点(2020-08-15 23:57:41)(良:1票) 《改行有》

1172.  ミケランジェロ・プロジェクト 《ネタバレ》 率直に、題材自体は非常に興味深いし、実話としても観る価値の十二分な貴重な話だと思う。しかし、実際の彼らの活動と言うのは映画の素材としてはかなり地味で、それだけでは正直(量的にも質的にも)2時間の作品を成立させるだけのモノではないと感じる。そこを、豪華俳優陣を投入して人間ドラマで厚み付けしようとしているのだろうが、その部分の出来がこれまた非常に月並、かつ取って付けで、全く面白くないしハッキリ言ってどーでもいい。結論、映画としては到底高評価のしようが無い出来映えかと。 しかし、そうは言っても彼らの理念とか、例えば、戦争という極限の中で人命と自らの任務の狭間で苦悩・苦労する様子などには結構共感できるのですよね。人の命も、芸術・文化も、どちらもそれぞれ非常に尊くて、そして唯一無二だ、ということなどには、心から同意できるワケだし。普通の劇映画ではなく、もう少し工夫した別のフォーマットに乗せた方が良かったかも知れない。[映画館(字幕)] 4点(2020-08-15 12:49:33)《改行有》

1173.  ジェーン・ドウの解剖 《ネタバレ》 いわゆる司法解剖をテーマにしたアイデアホラー。序盤、かなり詳細かつ科学的に解剖を進めてゆく部分は、描写の物珍しさといい、そこに織り交ぜる不可解な事象の気味悪さ&深まる謎のワクワク感といい、非常に優れたホラーの快感を醸し出している。加えて肝心の死体ちゃんが、ポスターのちょっとキツそーな感じでもなく普通に柔和な可愛い子ちゃんなので(しかも美乳)、ハッキリ言ってテンションは最高潮なのである。 ところが、中盤は結構普通のオカルトもの、かつここの出来はあまり良くない。死体ちゃんの「したい」ことが何なのか分からない点では不可解系のホラーなのだが、起こる事象は要するに「他の死体がチョロチョロ出歩いてます」なだけで、その攻撃もハッキリ言って生温くて予定調和なのは明らか、何も怖くないのだ(流石にこれでは緊張感が保てないので、途中で若造の彼女を使ってテコ入れしているが、ここまで無理繰りな方法でメンタルダメージを狙うのも正直ちょっと大人気が無い)。もう一点、死体ちゃんがほったらかしになっている中盤は、致命的なまでに女子成分が足りていない(誰が爺の恐れ戦くサマなど観たいというのか)。 結局、終盤はまた死体ちゃんの所に戻って来るも、終い方が分からなくなった様なチンプンカンプンな終幕を迎える頃には、ハネ上がったテンションもダダ下がってしまった。決して見どころが無い訳ではないが、残念さの方が強い作品。[DVD(字幕)] 5点(2020-08-15 09:03:18)《改行有》

1174.  ミツバチのささやき 《ネタバレ》 まず、雰囲気が素晴らしいですね。キュートな子役を活かした可愛くて楽し気なものや、古い時代のノスタルジックさ・牧歌的なものを多分に含みながらも、やはり奥底に暗い世相を的確に反映する打ち沈んだ様な重さを湛えた静謐なその空気は、非常に緩慢でありながらも実にエレガントで私にはとても心地良かったです。画的な部分のクオリティも見事でした。例えば、広大な農地にポツンと佇む廃屋に子供2人が向かってゆくシーン、そして、これも子供2人が線路脇に佇み、その傍を巨大な機関車が通り過ぎてゆくシーン。子供の小ささと対象物の大きさの対比というか(それは単純なスケールだけの対比のみに留まるものでもない気がしますが)、優れたコントラストがとてもグッドだと感じました。 話の内容も希薄な様でいて、ちゃんと観てゆけばそこそこ理解も容易で、かつ中々に味わい深いものだと思います。この映画の良さというものは、雰囲気であったり、芸術的・文学的な諸々であったり、その意味では確かに繊細で奥ゆかしいものだと思います。ただ、そういうものをウリにしている系統の映画としては、その各々が各々に一定以上の水準で優れていて、かつ全体としても難解すぎない、という意味で、非常にバランスが良好な作品だと思っています。オシャレな映画を観たい!(と言うかそのものズバリ、アート系を観たい!)と人に言われたら、個人的にはイの一番にオススメしたい作品ですね。[DVD(字幕)] 8点(2020-08-14 23:47:21)《改行有》

1175.  バチ当たり修道院の最期 《ネタバレ》 これは中々シュールな…訳あり女が駆け込んだ修道院は、これまた訳あり修道女の巣窟だった、という作品だが、普通に考えてこのコンセプトなら必然的に作風はコメディになって然るべき、だと言って決して過言ではないハズ。しかし、とにかく本作、全くと言ってよい程笑えないのだ。ヤク中だったり殺人犯だったり果ては尼長みずから強請り集り紛いなコトまで仕出かす、その有様から感じられるのはユーモアでは更々なくて、ただ「イタい」ないし「サムい」という感情のみである。インモラルな修道院、というのを描きたかったが、コメディに徹してしまうのは時代的にまだ憚られた、という感じなのだろうか(そんなコトも無いと思うのだけど)。ちょっと、何がしたかったのかよーわからんですわ。 一点だけ、尼僧の字名が「堕落」「溝鼠」「毒蛇」終いには「肥溜」というのは一体何事か。翻訳間違いじゃねーのか(直訳が正しいとは限らんのだぜ)。[DVD(字幕)] 4点(2020-08-13 22:20:39)《改行有》

1176.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 臓器を提供することだけが目的ならば、その体に魂は必要なのだろうか。ある種、人間としての存在意義を全て否定された彼らが、その命をどう生きたのか、というこの話を深く考察していくことは、個人的にはこれもある種、人間の存在意義のひとつの本質に迫ろうとする非常に意味の深い行為だ、とも思える。 そして本作は、SF的な状況設定を有する物語ではあるが、その方面の深掘りや整合性はさほど重視していない、という様にも見える。とするとやはり、前述の哲学的な面に意味を持った内容になっていることを期待してしまうのは、そこまで的外れなことでもないのではないか。だからとにかく残念なのは、率直に言ってこの映画では、そういった深く深く突き詰めた様な、と言える程の含蓄は殆ど感じられない、ということであるのだ。 原作を読んでいないのでアレなのだが、他のレビュアーの方の意見を拝見するに、原作も内容としては映画と大差無いが、原作者の優れた文学的表現の方に作品としての価値を見出せる、ということの様である。ナルホド、つまり文芸映画としては、非常に難しい方の道を選んでしまった作品、ということなのかも知れない。[DVD(字幕)] 5点(2020-08-12 22:09:47)《改行有》

1177.  ピッチ・パーフェクト 《ネタバレ》 アカペラ・ミュージカル&青春スポコン系?映画。アカペラ・パフォーマンスの質は非常に高く、これを聴いてるだけでもそこそこ満足する所に、話の方もベタベタで序盤は正直退屈だが、終盤は(ベタなのは変わらないが)展開運びがそこそこ巧く、また最後のアカペラが更に群を抜いて良い出来なのでラストが非常に盛り上がってかなり満足。 女子大生サークルにも関わらずブスばかり(主演女優だけはまあまあ可愛いが、常に完璧にメイクバリバリでハッキリ言って不自然だし、残りはコミカルデブ・コミュ障アジアン・面白レズ黒人・その他のブスで、年齢的にも女子大生にゃ見えん)だが、このダイバーシティをラストのアカペラで生かし切る点が、シナリオの工夫&パフォーマンスの勘所として非常に秀逸。一点、ゲロだけは本当に不要(またも白人の謎コメディセンス)。[インターネット(字幕)] 7点(2020-08-11 19:44:37)《改行有》

1178.  最終絶叫計画 《ネタバレ》 ホラーとコメディは紙一重、とはよく言われるコトであるが、色々と聞くに、これはシーンの構造の類似性に依るものだ、ということのよーである。即ち、恐怖と笑いはどちらも「緊張の緩和」だと。観客の目をスウッと引き付けて引っ張って、最後に観客にとって「意外な」ものをバーンと出してゆく。出すものの性質によって、それは恐怖(驚愕)になるか、笑いになるか、ということらしい。加えて、エロとホラー・コメディの親和性もこの観点から説明できるようにも思う。つまり、エロが挿入されると、人間どうしてもいっときの注意を奪われてしまうのですよ(哀しきニンゲンの性、ですね)。だからそこに、恐怖や笑いを仕込むのが非常に容易い、というコトなのではないかと。 『スクリーム』なんというホラーは、極めてシンプルな前述の構造を擁する作品であり、であるからして、出すモノ&出し方を少し変えるだけでかくも簡単にコメディになってしまう、と言わんばかりの本作ですが、マジメに考察しておいて少しナンですが、観てるコッチが恥ずかしくなるくらいにクソ下らないですよねこの映画。ここまでお下劣だと、これはホラーの中でも特に低級なスラッシャー映画に対するアンチテーゼ的な風刺的意図を含むものなのかも、なんぞと思ったり。 とは言え、私は本作、それなりに笑えました(笑ったというか、嗤ったというか)。こういう映画を無性に観たくなる、というタイミングも、少なくとも私の生活時間の中には確実に存在してます。はい。[DVD(字幕)] 5点(2020-08-11 19:24:29)《改行有》

1179.  屍人荘の殺人 《ネタバレ》 ※以下、盛大にネタバレしてます 今回は映画と小説どっちからにするか少し迷ったが、小説は文句無しに高評価の嵐なので小説を先に読んだ。原作は、そこそこ本格ミステリーwithゾンビ、という(映画ファン的に)キャッチーなコンセプトにせよ、程よくコンパクトなボリュームにせよ、そして主役の探偵が美少女という設定にせよ、映画化には持って来いな内容にも思える(むしろ狙って書いたかのような)。ただ、原作をちゃんと読んで最も素晴らしいと思ったのは、ゾンビという劇薬注入をクローズドサークルの舞台設定のみならず、メイントリックにも巧みに絡めることに成功したミステリとしての出来の部分だ、とは感じていた。 その上で映画の方だが、結論から言うとかなり巧妙に映画化した成功例だと感じている。映画にするならば、最初と最後にゾンビな場面を(ある程度の尺)挿入しなければならないのは明白で、ここで尺が取られる分、舞台設定・導入部分と事件発生の部分を思い切って思いっ切り省略したのは、最善ではないにしろ限りなく正解に近いと思う。一方でその分、謎解きと種明かしには比較的時間を割いてしっかりつくっており、トリックの明快さを損なわずに原作のミステリとしての面白さはかなり再現できていると思うし、加えてゾンビパニックシーンもそこそこしっかり出来ているので、映像化した意味は十分にあると思う。 ただ、私は原作を読んでいるから良いのであって、初見の人にはかなり辛い映画だと思われるのも事実である。前述どおりの序盤の駆け足ぶりで物語に入り込めないということも多々あるだろうし、あれだけバリバリにキャラがキマッてる明智が開始40分でフェードアウトするのは、宣伝を受けて観にきた原作未読者にはハッキリ言って意味不明だと為りかねない(そもそも明智の出来が非常に良かったのでこれは単純に勿体無いし、居なくなるならあんなに熱演する意味すら感じない、というのが正直なトコロ)。あと、ゾンビを含めた事件全体の空気が相当に陰惨であるのに、全体の雰囲気がかなりコメディ寄りに仕上げられている点については、これもそもそも「笑えねーよ」となる人も多いのではないか(ただ、個人的にはこれについては、比較的単調な中盤の謎解きシーンでのテンションを維持するためにも、あと、これもガンギマリな比留子のキャラを生かし切るためにも、コメディ寄りな演出方針自体は決して悪くない工夫だ、とは感じている)。 重ねての結論、2時間という尺に嵌め込まれてしまった中での今作の全体の構成と種々の工夫は、これを鑑みるに決して悪くない仕事だとは言えるのではないか。続編があるかと思うので、更なる向上を期待したい。個人的には、ある程度は満足。[映画館(邦画)] 7点(2020-08-11 19:09:53)(良:1票) 《改行有》

1180.  COLD WAR あの歌、2つの心 《ネタバレ》 題名ほど社会派な作品だという訳では全然無くて、むしろどちらかというと高度に心理的・芸術的(文学的)な方の、内容の深いハイレベル恋愛映画である(見応え抜群)。世界が壊れたから愛が歪んだのか、それとも二人は元々壊れていたのか。ラストもややありがちだが、これも究極の愛の姿を垣間見せる素晴らしい(かつ美しい)出来。『2つの心』は名曲だが、サビの歌詞が「オヨヨ~」なのには毎回笑った。[映画館(字幕)] 8点(2020-08-11 00:31:22)

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