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プロフィール
コメント数 854
性別 男性
自己紹介 <レビュアー引退について>

他の方にとってはどうでもいい事ですが(笑)、
こちらでのレビュアーを引退させて頂きます。
理由はあまり映画自体を見なくなった事と、
結局、映画以外にもレビューを書けるAmazonが
レビュー投稿の中心になってしまった事ですね。

長い間、お世話になりました。 2021/11/27
   
<ジャンルの好みについて>

・好きなジャンルは「ホラー」「サスペンス」「ミステリー」。
・嫌いなジャンルは「ミュージカル」「恋愛」「韓国映画」「感動押し付け系」。
・どちらでもないのは「アクション」「SF」「コメディ」「時代劇」。

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101.  妖怪大戦争(2005) 《ネタバレ》 はっきり言って「子供向け」じゃなく、「子供だまし」映画。現代の子供を嘗めてるね。 悪い意味での邦画特有の垢抜けなさ、センスの無さが目立つ。安っぽいCG、安っぽいセット、安っぽいギミック、やたらスケールだけ大仰な幼稚なストーリー、どっちつかずのギャグとシリアスのせいで、妖怪の恐怖感も、お祭りの盛り上がり感も無いショボい展開、豪華な顔ぶれなだけでヘタクソな演技の出演者etc.etc。 あと、これは監督の演技指導に問題があるが、神木くんの演技が一本調子すぎる。特に叫び声が「うわっ」「うわわわ~」「う~わ~」と記号的なテンションばかりで、それに加え、子供特有の甲高い声のせいで非常に耳障り。聞いていてイライラさせられた。 小学校低学年以下には話が分かりにくいだろうし、高学年以上にとっては話もアクションも幼稚すぎる。今どき、大人はもちろん、日本のレベルの高い漫画やアニメを見慣れている現代の子供にこんなお粗末な映画は通用しないでしょ。 漫画は進化しているのに、邦画は退化してると言うしかないね。[地上波(邦画)] 1点(2006-08-12 00:44:14)(良:1票) 《改行有》

102.  フェイス/オフ 《ネタバレ》 本来は深いテーマ性を含んだシナリオのはずなのに、結局、ジョン・ウーテイスト満載の派手なだけの単純なドンパチアクションを見せるだけで終わっている。 個人的には主役のふたりが違う人生を手にした事で、色々と性格や価値観に変化が起こり、お互いの立場に葛藤するというような人間ドラマが見たかった。悪人であるトロイがアーチャーの家族と過ごす事で、少しづつ人間味を取り戻し、「こいつらはオレの本当の家族じゃないのに、何を本気で心配しちまってんだ?」とか、逆にアーチャーは悪の誘惑に負けてしまいそうになる、とか。 科学公証や時代設定も中途半端。現代という舞台であれだけあり得ない整形手術を施すなら、いっその事、時代設定を近未来にして、「人格」自体を移し変えるとかいう設定にすればもっと素直に見れたはず。単に「外科的手術で顔を取り変えた」というだけでは、悪人が善人になったり、善人が悪人になったりといった、「性格に変化が起こる」という展開になり得ない。 また最終的にどうやってまとめるのかと思っていたら、奥さんの証言だけであっさり解決というあっけなさ。ドンパチアクションに偏重しすぎ。 鏡を挟んで向き合うというシーンが象徴するように、お互いの生き様に向かい合わせられる事で生じる苦い葛藤を含んだ人間ドラマをこそ見たかった。[DVD(字幕)] 5点(2006-08-09 23:00:50)(良:1票) 《改行有》

103.  チャーリーとチョコレート工場 《ネタバレ》 高評価が多いけど、個人的には子供にこそ見せたくない作品。申し訳ないけど酷評です。 どうも、この監督さんとは「シザーハンズ」以来、イマイチ相性が合わないなあ~。この作品も「オレって、夢のある世界も作れるけど、それだけじゃなくて、ちょいと現実の厳しさや皮肉なんかも盛り込めるんだゼ」と言わんばかりの斜に構えた露骨な狙いがヒシヒシと伝わってきて、見ていて鼻白む。 現代のおとぎ話を気取っているのかも知れないけど、もともと昔話や童話は毒を含んでいるものだし、幻想的な世界観とコメディタッチなノリとのギャップによる「寓意の強調」という演出もよくあるものでしょ。 だいたい主人公の少年が拾った金をネコババし、それでチョコを買うという「外し方」が露骨すぎ。「現実世界では必ずしも正直者じゃなくても幸せになっちゃうよ」ってか。原作ではお金を拾う事の葛藤があるそうだが、ネコババした事には変わりない。 そのくせラストはお定まりの家族愛でハッピーエンド。実に偽善的。たかが一日、一緒に工場見学して、親父と再会しましたってだけで、お互いの何が分かるの?ましてジジイたちとは直接会ってもないじゃん。そんな事で家族のように振舞える事自体が自己欺瞞で気色悪い。おまけに歯医者の親父は最後の食事会の場にいないという中途半端さ。 現代社会において理想的な家族像が崩壊しつつある根本原因の追究や代案も無いままに、「家族は大事」などと締めくくられてもねえ…。[DVD(字幕)] 3点(2006-08-09 19:21:52)(良:1票) 《改行有》

104.  スケルトン・キー 《ネタバレ》 「憑依」とか「人格転移」というネタは、ホラーに限らず、SFでも、ミステリーでも、もちろん漫画でも、割りとあちこちで使われるものだから、オチとしての驚きや意外性はそれほど無かった。 全体的には無理なくまとまっている良作だけど、中盤までの途中経過がダラダラとしていて、ホラーとしての緊張感や恐怖感に乏しいのが欠点。ちょっとストーリー展開が「状況説明」的になり過ぎている感がある。個人的には、もう少し歯ごたえのある謎解き要素も欲しかった。 呪術の効果に説得力を持たせる上で、サスペンスやミステリーとして論理的な解釈を導入するか、オカルトとして不可知論で落とすか、という部分において葛藤がある感じで、そのため、どっちつかずで中途半端な印象になっている。 思いっきり後味の悪い終わり方も賛否両論。 傑作までには、あと一歩「何か」が足りてない。[DVD(字幕)] 6点(2006-08-07 18:11:44)(良:1票) 《改行有》

105.  雲のむこう、約束の場所 《ネタバレ》 前作「ほしのこえ」同様、監督が今まで見てきた好きなアニメや漫画から得た影響のみで作り上げたであろうパッチワーク作品ではあるが、ここで酷評されているほどにはヒドい作品ではない。 その製作姿勢は基本的に同人誌の延長であり、監督の自己満足が先にあるものだが、取りあえず、何とか商品として金を取れるレベルに仕上げてある点は評価できる。 確かに「並行世界」という陳腐なSF設定も近未来の世界観も、あくまでイメージ優先で、小難しい単語を使いまわしているだけで中身は薄っぺらく、独自の着想も皆無。「戦争」、「幼なじみの少女」、「並行世界」、「飛行機」、などなど、すべてが「イメージ表現」のために用意されたギミックでしかないし、主人公たちのやっている事や言ってる事も青臭く、やたら感傷的で自己陶酔的だが、その「青さ」も含めて、青春恋愛アニメとしてのテーマは押さえてある。 まあこれが普通の劇場版として、どこかのスタジオが集団作業で作ったというなら間違いなく駄作ではあるが、ほとんど一人でこれだけのものを作ったというなら、それなりの評価には値する(必要な機材を与えられても自分ひとりではとても出来ないし)。 あくまでイメージ優先のジュブナイルアニメであって、それ以上でも以下でもない作品。今はまだ「技術はあるが独創性は皆無」というオタク作家の典型だが、もう少しクリエイターとしての視野を広げて、オリジナリティの高いしっかりとした脚本作りが出来るようになれば、あるいは…。 PS.この作品はともかくとしても、今やハリウッド映画やディズニーアニメのスタッフにも日本の漫画やアニメの影響を受けていない人間はほとんど皆無という時代に、未だにアニメや漫画に偏見持っている日本人がいるというのが嘆かわしい…。 [DVD(邦画)] 5点(2006-08-05 15:57:47)(良:1票) 《改行有》

106.  オープン・ウォーター 《ネタバレ》 実話を売りにしながら、実際の漂流シーンからラストに至るまで、ほとんどが創作。どちらも生き残っていないのだから、途中の漂流シーンも、サメの襲撃も、終わり方も、全部スタッフの創作になるわけで、どうせ想像で補うなら、もう少し演出面で工夫をして欲しい。 主役のふたりからは必死に生き延びようという意思が感じられないし、かと言って、それほどパニックにもなっていないしで、どうにも中途半端。それに加え、画面の撮り方にも問題がある。ふたりを至近距離から撮影しているシーンばかりなので、大海の茫洋とした広がりや、そんな茫漠とした世界に取り残されたという孤独感や絶望感が伝わってこない。 だいたい諦めて自殺するくらいなら力尽きるまで泳げ!どうせじっとしてても潮に流されるかサメに食われるだけなんだから、とりあえずダメもとでボートが見えた方向に泳いでみれば良いのにと思う。 そりゃ、こんな事が現実に自分の身に起これば怖いに決まってるけど、映画として撮る以上、見せ方と言うものがあるでしょ。「リアリティ」とか「実話ベース」という言葉を免罪符にして、まともな恐怖演出や心理描写を取らず、見る側の想像力に丸投げしている怠惰さがある。 ちょっと批判的な物言いになってしまうけど、こういう作品を見て始めて、「こんな事が自分の身に起こったらと思うと怖かった」いう人がいたとしたら、逆に普段からニュースとして日常的に報じられる事件や事故を見て、それが「いつでも自分の身に起こり得る身近な恐怖である」という事をリアルに想像してみた事がないのかなと思ってしまう。 こうした「恐怖」は何も海の事故のみならず、現実世界に身近にあるものであり、わざわざ中途半端なドキュメンタリーを売りにした映画を見なければ教訓とされないものではないはず。 この作品からは「スキューバダイビングをする時は、ちゃんとしたインストラクターを選びなさい」、という教訓しか見出せないw。[DVD(字幕)] 0点(2006-08-05 15:14:52)(良:1票) 《改行有》

107.  NOTHING ナッシング 《ネタバレ》 「何も無い世界」という極端な舞台設定ってのは、まさに白紙のキャンバスと同じで、何をどう描いても構わないけど、逆にその「何も無い事」に囚われてしまいがち。 本当に何も無いままでは話が進まないし、かと言って、線を一本書き込むだけで、ある程度の方向性が定まってしまう。しかしそうなると今度は何も無い舞台の必然性が失われる。そう言う意味でも簡単そうで難しい舞台設定と言える。 今作もその自由の束縛ゆえか、家以外の物体を何も出さなかった(出せなかった?)のかも知れないが、やはり作品としての方向性が定まらず、「生きる目的」とか「現実と理想のバランス」とか「日常の意味」とか、色々と描けたはずのテーマが描かれないまま、中途半端なドタバタに終始してしまった感がある。言ってみれば、映画「ゾンビ」におけるショッピングセンターのシーンを抜き出しただけの内容。 嫌なものなら物質どころか自分の記憶さえも消してしまえる、という能力を作中でもっと上手く扱えば、より深くテーマを抉ることも出来たはずなのに残念。 あえて「逃げ出した先に理想郷は無い」という定番のオチにしなかった可能性もあるが、わざわざ逆説的にテーマを読み解けるほどの深い作品とも思えない。終わり方も蛇足。「謎解きミステリー」か「不条理コメディ」のどちらかに徹するべきだった。色々な意味で中途半端。[DVD(字幕)] 5点(2006-07-29 17:36:42)(良:1票) 《改行有》

108.  SAW.ZERO 《ネタバレ》 好き嫌いがはっきり出そうな独特な個性を持った作品。 一応、ジャンル的にはホラーではあるけど、感覚としては「ホラー5:恋愛ドラマ2:ミステリー1:ファンタジー1:SF 0.5:コメディ0.5」くらいの配分で、それ故「怖い」と言うよりは、何とも「奇妙」で中途半端な世界観になっている。 映像や音楽には芸術作品のような品の良さを感じるが、その一方でB級ホラーのグロさとブラックユーモアのような毒を併せ持ち、さらに赤裸々な恋愛ドラマも披露する。この「独特」としか言いようの無いセンスは、「デリカテッセン」や「ジェヴォーダンの獣」、「アメリ」のようなフランス映画に通じるものがある(最初、フランス語だからフランス映画かと思ったら、何故かカナダ映画だった。なんでやねんw)。 結局、「永遠の命」とか「クローン」といったよくあるネタに、心霊やら黒魔術といった不可知的現象を付け加えたオチで、本来はその陳腐さが目立ったはずだが、この独特な演出センスのおかげで、安っぽいギミックが相乗効果として作品の個性化をより促進しているw  ただ、必ずしも「個性的」=「面白い」、という訳ではなく、やはりこの個性の強さ故に、好き嫌いがはっきり分かれる作品なのは確か。[DVD(吹替)] 4点(2006-07-25 17:09:57)(良:1票) 《改行有》

109.  フリーズ・フレーム 《ネタバレ》 一見、複雑な「妄想系サスペンス」かと思わせて、実際はかなり単純な内容。 中盤まではまだ事件が主人公の妄想なのか、それとも真犯人が別にいるのかという部分が判然としないので興味を維持して見ていられるが、ラスト20分辺りの展開から急激に失速し始める。 結局、「カメラで撮影してたから何とか冤罪が晴れた」というだけの内容にしかなっておらず、終わって始めて「謎」や「伏線」と呼べるものがほとんど何も出て来なかった作品だと分かるw。 この手の作品にしては珍しく、「主人公が本当に何もやっていなかった」というオチだが、問題はそれでサスペンスとして面白くなっていないコト。要するにカメラで撮影している以外に、主人公に謎を解かせたりするような知的な展開がまったく無いからだろう。 それにメインの謎の真相もショボすぎ。 あれだけ重要視しているビデオカメラの保管庫にあっさり侵入されていたりするというのは、ちょっとご都合主義的すぎるでしょ。 「冤罪防止のためにカメラで自分を撮影し続ける」というアイデアは良かったのに、話の持って行き方や演出の仕方を間違えている感じ。所謂サスペンスミステリーとしての「謎解き」を中心軸に据え、「いったい何が真実なのか」というテーマを描くために上手く伏線を構築する事が出来ていれば断然面白くなったはずなのに残念。 前半8点、後半2点で、平均5点献上。[DVD(字幕)] 5点(2006-07-24 23:37:46)《改行有》

110.  5IVE[ファイブ] 《ネタバレ》 エレベーターに閉じ込められた人間たちの密室劇を描く、良くも悪くも正統派の低予算サスペンス。 ただし人間ドラマのための人物描写は必要最低限のもので、取って付けた程度という印象は拭えない。絶望的な密室内での出産(=希望の象徴)といった展開もちょっとベタすぎる(あり得ないくらいの安産だしw)。 「5IVE」というタイトルも、「生まれる赤ちゃん含めて5人」という内容に合致してはいるが、これまたストレートすぎて「だから何?」という感じ。 これと言った謎解き要素も、意外性も、突っ込みどころも無い平凡な作りを「物足りない」と取るか、「シンプルにまとめた」と取るかは見る人次第かな。個人的にはもう少しヒネリがあっても良かったと思う。 決して駄作ではないけど、低予算だからこそ出来る冒険、効かせられるスパイスが欲しかった。 PS.最初のビデオ撮影のシーンが伏線で、エレベーター内の彼が幽霊オチかと思ってた。救急隊員が扉を開けたら彼女しかいないとかw[DVD(字幕)] 4点(2006-07-24 01:56:23)(良:1票) 《改行有》

111.  蝋人形の館 《ネタバレ》 全体的には丁寧な作りで好印象ながら、やはり、あらゆるシチュエーションにおいて、「お約束」と「ご都合主義」ありきの典型的なホラーであるのは残念。 良くも悪くも王道であり、ホラーとしての新しい試みや演出は皆無。「セックスしてるバカップルは殺される」という法則も従来通り。 中盤50分くらいまでの展開に無駄が多く、殺人鬼兄弟を始めとする主要人物の背景描写もあって無いようなもので、時間をかけた割りにキャラが薄っぺらい。 出来るだけご都合主義を感じさせないような作り方を心掛けてはいるようだけど、どうしても突っ込みたくなる部分は多い(地下室から指を出すシーンでも、腕に巻きついてる椅子の部品で鉄格子を叩くとかすればいいのにとか、兄弟の「あと二人で完成だ」発言の意味不明さとか、あれだけの住人が行方不明になっているのに、他の地域にもいるであろう身内や友人などが不審に思わなかったのかとか、三人目の兄弟がいるというバレバレな上に必然性の無いオチとかetc)。 とにかく殺人鬼にダメージを与えたら、殺さないまでも、とりあえず身体を拘束しろっつーのw 死んでるかどうかも確認しないで放置して逃亡って、あれが現実の局面なら絶対にあり得ないでしょ。最低でも猟銃は持っていこうよ~。弾は無くても武器になるし、脅しにも使えるじゃん。他にも、危険なシーンに限って不注意すぎるとか、戦い方が綺麗すぎるとか、そうした典型的な「古き良きお約束」のおかげで徐々にディテールが崩壊していき、結果的にホラー映画としてあったはずのドキドキがイライラに変わってしまう。 ラスト10分くらいの蝋屋敷が熔けていくシーンも見応えはあるが、ここまでいくとホラーというよりはアクション映画の脱出劇みたいで現実味が無く、個人的にはちょっと興醒めしてしまった。 この手の「お約束ホラー」は今後も作られ続けるだろうけど、お約束を優先して形式だけのジャンルに成り下がるか、リアリティとシチュエーションを両立させる事で恐怖の新境地を開拓して行くか。ホラー映画も時代的にそろそろ分岐点かな、と。[DVD(吹替)] 5点(2006-07-14 16:49:38)(良:1票) 《改行有》

112.  ブラザーズ・グリム 《ネタバレ》 一言で言えば「中途半端」。 見た後でテリー・ギリアム監督と知って納得。もちろん監督なりの狙いはあるのだろうけど、個人的にこの監督のセンスとはちょっと肌が合わない。 グリム童話を現代の撮影技術で再現した真面目な作品かと思いきや、ファンタジー、コメディ、アクションの要素を中途半端に足し合わせたジャンル不詳の中途半端な作品だった。基本的にグリム兄弟や童話を扱いながら、出来上がった作品から「素材の必然性」がほとんど感じられないのが致命的。 使用される小道具や衣装などはそれなりに凝っているが、森のシーンなどは「いかにもセット撮影」という人工的な印象で、セット特有の違和感や狭苦しさがあり、森の闇の底知れぬ深さや自然の美しさといった「空気感」をまったく感じない。これなら普通にグリム童話の絵本を読んでいた方がよほど幻想の世界を感じられる。 こんな中途半端な娯楽作品にも成り得ていないファンタジーアクションじゃなくて、史実に基づいてグリム兄弟の生い立ちやグリム童話の成立過程を追ったドキュメンタリータッチの作品にするか、兄弟の詐欺行為やハッタリが現実の事件や伝承などとリンクしていくような、「グリム童話の新解釈」としてリアルに描いてくれたら、もっと面白くなったはず。期待とはまるっきり違っていた。[DVD(字幕)] 3点(2006-07-05 19:01:36)《改行有》

113.  イレイザー(1996) なるほど、もはやシュワちゃんの存在は水戸黄門と同じで、たとえワンパターンでも何も考えずに見ていられる安心感が人気の秘密なんですな。彼にだけは銃弾が当たらないというご都合主義も、水戸黄門の印籠に対して文句を言うのと同じこと。 まあ、はっきり言って先の展開が読める大味なアクション映画でしかないけど、導入のインパクトはあるし、その後の展開もテンポが良く、最後まで飽きずに見ていられるので、普通の娯楽作品として及第点はあるかなと。[地上波(吹替)] 5点(2006-07-04 20:46:22)《改行有》

114.  CUBE ZERO<OV> 《ネタバレ》 もともと一発ネタに過ぎないアイデアに、国家機密とか、軍事利用みたいな陳腐な理由付けをしてしまった前作の地点でこの作品の命脈は絶たれていたが、今作も懲りもせず必要以上に裏方の仕事内容を暴露してくれるため、一作目にあった得体の知れない不条理な恐怖感は完全に雲散霧消している。この手の作品は視聴者に客観的な視点を預けてはいけないのだ。 不条理な状況下での視聴者をも含めたサスペンスドラマこそが「CUBE」=「密室劇」の魅力である事を忘れている。 そのくせ、組織の目的の詳細は曖昧なままで適当にお茶を濁しているし、施設の大仰さと被験者にやらせている事があまりにも乖離しているのも相変わらず。 シリーズ共通の疑問として、部屋の座標番号以外に脱出の手掛かり(情報)が無い施設に人間を閉じ込めたところで、何か有益なことが分かるのか不明。おまけに不条理な即死トラップまみれときたら、自暴自棄になったりパニックになったりするだけに決まっている。非合法な心理実験にしても兵器の人体実験にしても、ここまで大金を投じてこんな珍妙な建物を建てる合理的な理由がさっぱり分からない。国家プロジェクトと言うなら、もう少し人間の心理や知性、体力を測るそれなりの仕掛けが無いとこんな事やってもまったく無意味でしょ。中途半端な理由付けは、こういう「したくもない突っ込み」を生むだけ。 また、いつの間にか少女が助かっているというラストも意味不明。いつどこで助けたの?主人公の妄想?どっちにしてもオチとして中途半端すぎ。 売りであるトラップの数々もアイデア枯渇でつまんないものばっか。グロさを強調してあるだけで、罠として面白くも怖くも何ともない。頭を使わせたりする心理的な駆け引きがまったく無いので、単に殺すためのトラップになってるだけ。 もともと合理的な説明が出来ない作品だから、ZEROと称してわざわざ一作目と繋げる必然性も感じなかった。[DVD(字幕)] 3点(2006-07-04 00:42:46)(良:1票) 《改行有》

115.  ウォーターワールド 《ネタバレ》 「USJ」+「北斗の拳」-北斗神拳=「ウォーターワールド」という感じ(笑)。 衣装や小道具の作りこみは丁寧だが、肝心のストーリーやアクション演出、キャラ描写などは大雑把。 とにかく登場人物の設定等が薄っぺらい。まず主人公がミュータント(?)である必然性がほとんど無い。とりあえず舞台が海だから、何か主人公に有利な特長があった方がいいな、という程度の設定で、テーマ的にも、アクション的にも、異能者であることを作中で生かせていない。 最初、少女を疎ましく思っていたのに、何ら心を通わすイベントも無いままに、いつの間にか大切な友人のような関係になっているというウソ臭い展開にもウンザリ。ヒロインとジジイの存在理由も皆無に近い。 少女の背中の地図も、「謎」というにはお粗末すぎる。敵キャラも「いかにも悪役」という記号的なデザインで、おまけに頭も悪いから魅力が無い。 また海だけという舞台設定もインパクトを狙ったんだろうけど、あまりにも無理がある。陸地が「伝説」になっているほど海しかない世界で、人間が海上で数百年も生活できるかっつーの。重油や弾薬、食料をどこから調達してるんだ。設定が穴だらけだから、別に突っ込みたくもないのに、つい突っ込みたくなる。 仮に海だけの舞台を生かして矛盾の無い展開にするなら、生き残った人類が少し進化していて、全員が主人公のような何らかの「特殊能力」を持っているという設定にしないとね。 撮影には金をかけているが、肝心のストーリーやキャラ設定は大雑把でお粗末な作品。 PS.なんでああいう世界の悪役はバイクに乗ると「イィィィ、ヤッハー!」と叫ぶんでしょうか(笑)。[地上波(吹替)] 3点(2006-06-30 23:01:57)《改行有》

116.  シャッフル(2005) 《ネタバレ》 たいして期待はしてなかったが、これまた予想以上の駄作サスペンスホラー。 今どき、ここまで手垢の付きまくった陳腐なネタを、何の工夫もなく平気で人前に出せる感覚がスゴイ(ある意味、これくらい厚顔無恥な方がクリエイターにとっては有利なのかもと思い知らされたけどw)。 とにかく色々な意味で突っ込みどころ満載。 「誰が」「何の目的で」殺人を犯しているのかという謎は興味を引くが、脚本構成がヘタなのでストーリー展開力に乏しく、見ていて退屈。ミステリー的な新たな謎や伏線も出てこないので、「これからどうなるんだろう」という求心性に欠けている。 そして最大の問題点は、やはり犯人の動機。肝心の多重人格になった背景や、元担当医師との過去の経緯がまったく描かれていない事に加え、この時期になって急にアパートの住人を殺しまくるようになった理由(切っ掛け)も判然としないので、余計に多重人格オチの陳腐さ、唐突さが目立っている。殺人の動機どころか、多重人格になった必然性すら描かないのでは、ただの殺人鬼ホラーの出来損ないでしかない。 序盤で大家を殺す理由も分からないし、カギが掛かっているであろう、他人の部屋に侵入できる理由もはっきりしない。 相変わらずこの手の映画に出てくる警官は思い込み捜査で犯人に踊らされるし、おまけに心臓マッサージのやり方までいい加減。ああ言うディテールにこそ気を使わないと、ちょっとの事で途端に世界が嘘くさくなる。 中盤を少し過ぎた辺りであっさりネタバラシするので、いくらなんでもこのまま終わる訳は無いだろうと思っていたら、何の工夫も無いまま、そのまんまのオチで終了。警官に踏み込まれた時に、大家の娘が父親に電話を掛けたら繋がらなかったのは、何かの伏線かな等と深読みしてた自分がアホでした。 とにかく今どき「多重人格」というヒネリの無いオチに加えて、「双子」という陳腐極まるネタを平気で使ってちゃダメでしょ。[DVD(字幕)] 2点(2006-06-10 02:38:47)(良:1票) 《改行有》

117.  エコーズ 《ネタバレ》 良くも悪くも、実にシンプルな作品だが、ホラーとミステリーのバランスは良い。 催眠術をきっかけに霊が見えるようになってしまった主人公。その変化に戸惑い、すれ違う夫婦ふたりの苦悩もよく描けている。 ただ問題は、「オカルトだからダメ」という事ではなく、「殺された人間が霊となって救いを求めていた」というストーリー展開や事件の真相にオリジナリティや意外性がまったく無いという点。 序盤の幻覚のシーンで「まさか家のどこかに死体が埋まっていて、その霊が出てきているだけじゃないよな」、と思っていたらそのまんまのオチ(笑)。さすがにこれではストレート過ぎるでしょ。恐怖演出も淡白で物足りない。 また、主人公の「平凡な日常を過ごす不満」に対比する、「霊が見えるようになった事の混乱」や「非日常を享受する喜び」といった精神的葛藤の心理描写なども中途半端。 それに加え、「息子が強い霊能力を持っている」という設定もストーリー展開上ほとんど無関係で、その能力が全然活かされていない。催眠術をかける女性や、怪しげな黒人もいてもいなくてもいい中途半端な存在。 ラスト間際の展開もちょっと都合が良すぎる感じ。普通はあのふたりの親父が共謀して再び隠蔽しようとするでしょ。今さら潔く諦めるってのもなあ…。 基本的にハッピーエンドで、全体的に無難にまとまっているので安心して見られる作品ではあるが、あまりにもありがちなストーリーにはガッカリ。もう少し工夫が欲しいところ。 [DVD(字幕)] 5点(2006-06-09 02:56:11)《改行有》

118.  サスペクト・ゼロ 《ネタバレ》 よくある犯罪捜査サスペンスかと思いきや、「遠隔透視能力」という設定を使って、割りと目新しい展開を見せてくれた意欲作。個人的に「セブン」以降に量産された単純な「刑事と連続殺人鬼の鬼ごっこサスペンス」には飽き飽きしているので、同じ素材を使いながらも違う料理に仕上げた、その工夫を評価したい。 遠隔透視能力が非現実的だからつまらないという意見もあるが、あくまでその能力は「犯罪者や被害者の視点に同化してしまう苦悩」を描くためのギミックであり、扱いとしてはそれ以上でも以下でもない。ミステリー的な謎解きがメインではないのでルール違反ではないし、そう言う意味ではリアリティのある設定と言える。 ただ惜しむらくは、主役ふたりの重苦しい苦悩以外、あまり深いテーマが見えない事と、謎解きの過程がイメージの羅列にしかなっていない事。惜しい。 [DVD(字幕)] 7点(2006-05-27 12:55:10)(良:3票) 《改行有》

119.  ハイド・アンド・シーク/暗闇のかくれんぼ 《ネタバレ》 サイコサスペンスとして、あまりにもありがちな展開とオチにガッカリ。良く言えばオーソドックスだが、この手のジャンルにおいて現代の目の肥えた観客を満足させるには、これではさすがに工夫が無さ過ぎる。 他の方も書いているように、主役の親子ふたりに焦点を絞り過ぎているため、サスペンスを盛り上げるべき「犯人候補」が他にいないのが致命的。出番の少ない精神科医の女性や保安官では、親子との関係性や人物描写が希薄なので犯人である必然性が薄い。隣家の住人と不動産屋は怪し過ぎるし、同じく親子との関係性が描けていない。キャラ的にも犯人としての魅力に欠けている。かと言って、「洞窟に巣食う怨霊に取り付かれていました」では、ただのオカルト。とすれば、消去法+お約束として「一番怪しくないメイン登場人物が犯人」という黄金パターンに見事に合致するのはひとりしかいないわけで、実際、そのままのオチに拍子抜けしてしまうほど。 そのくせ、結局は少女も多重人格を発症しているような描写もあるため、そのおかげで意図的に誤魔化されている部分もあり(最初のバスルームの落書きとか、まったく「チャーリー」を怖がっていない描写とか)、そういう「誤魔化しのため」のヘタな演出のせいで、余計にオチの陳腐さが際立ってしまっている。いつも同じ時刻で目覚めるシーンとか、夢のシーンとか、あまりにも伏線が素直すぎるのも問題。 確かに後になるほど、この手のジャンルはアイデア的に作るのが難しくなるが、だからと言って、既存作品をリサイクルしているだけのお手軽な作り方をしてもいいと言うものではないだろう。[DVD(字幕)] 3点(2006-05-26 02:08:15)(良:1票) 《改行有》

120.  ノロイ 《ネタバレ》 「擬似ドキュメンタリー」という製作者の「狙い」に乗ったうえで、娯楽作品として割り切って見れば、それなりに完成されたものになっている(ネット上の感想を見ると、ここまで分かりやすい作品でも、今作をホンモノ(実話ベース)と勘違いしている人がちょくちょくいる事に驚かされたけど)。 ネタ元としては「本当にあった!呪いのビデオ」+「ブレアウイッチプロジェクト」+「呪怨」+「杉沢村伝説」辺りの寄せ集めって感じだけど(笑)、全体の作りは丁寧でテンポは良いし、謎や伏線の振り方も上手いので、飽きずに最後まで見られる。恐怖演出のセンスも悪くない。 こういう作品はどうしてもチープで嘘臭くなりがちだけど、小道具や舞台設定を含めた雰囲気作りには手間が掛かっているし、出演者の演技もオーバーにならないギリギリの線に抑えてあるので、恐怖ものとしてのリアリティと娯楽のバランスが保たれている。 リアリティを優先し過ぎて娯楽要素や商品意識に乏しい「ブレアウイッチ」や、投げっぱなしの心霊番組などと違い、製作サイドに娯楽作品としての自覚があるから、最低限の謎や伏線をきちんと処理して終わるのも好感が持てる。確かにCGは興冷めだけど、これも使用目的に対して自覚的なので演出としての許容範囲に収まっている。 ただ、この手の「擬似ドキュメンタリー」という演出パターンには前例が多いし、「呪いネタ」自体もありがち。後半はほとんど「ブレアウイッチ」そのままで、目新しさが無いのが残念。出来れば、もう少し謎解き要素や恐怖演出にオリジナリティが欲しかった。 ラストもちょっとダラダラし過ぎ。あんな状況でカメラを持って撮影しているというのはさすがに不自然で、そのド根性ぶりに最後の最後で笑ってしまった。惜しい。 実質的には7点くらいだけど、もう少し高く評価されても良いと思うので、オマケで8点献上。 PS.これで「カメラ酔い」した人は、「ブレアウイッチ」や「ボーンスプレマシー」は絶対に見ない方がいいです(笑)。[DVD(邦画)] 8点(2006-05-20 08:16:44)(良:1票) 《改行有》

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