みんなのシネマレビュー |
|
101. 情婦 《ネタバレ》 法廷を中心に繰り広げられるサスペンス。判決は無罪になるも、実は依頼人は罪を犯しており、しかも妻に狂言をさせていた、というどんでん返しには「見事にやられた」の一言です。また、依頼人の妻の証言を封筒のトリックで打ち破る法廷でのやり取りもシビれました。映画では、最後の最後で夫に裏切られた妻が、夫を刺し殺したとき、弁護人が"She executed him."と言います。弁護人として法を無視した発言ですが、私としては溜飲が下がるような気持ちになりました。弁護人役のチャールズ・ロートンの、型破りでありつつも沈着冷静な老人の演技が格好良くてたまらなかったです。[DVD(字幕)] 8点(2007-10-07 23:10:53) 102. エデンの東(1955) 《ネタバレ》 善悪とは何か、愛とは何かを考えさせられた作品。アロンとキャルは双子の兄弟なのに、なぜかアロンは善、キャルは悪と見なされていってしまう。キリスト教の陰の部分が暗喩的に表現されているような気がしてなりません。また、映画の最後の方で、アブラが、「人に何かをしてあげるだけでなく、人に何かを求めることが愛を表現することになる」といったようなことを言いますが、その趣旨は私の胸に強く残りました。人を愛するってことは、その人を同じ立場として認めることなのでしょうね。[DVD(字幕)] 8点(2007-09-30 23:12:36) 103. モダン・タイムス 《ネタバレ》 この映画、面白いだけではなく、マニュアル化・画一化されていく社会への皮肉を表現しているのかなと感じました。人間が機械に振り回されるシーンはまさにそうですし、逆に、チャップリンが即興で歌うところやラストで二人が笑顔で歩いていくシーンは、心の通ったものの重要性を訴えているように思えました。[DVD(字幕)] 7点(2007-09-30 22:55:00)(良:1票) 104. お熱いのがお好き 《ネタバレ》 面白すぎるコメディ映画。特にジャック・レモンの演技に大爆笑しました。男が女に化ける設定なので、下手するとただのおバカ映画になってしまうところ、この映画は笑いのセンスをおさえ、内容も質の高いものになっていたと思います。主人公がモンロー扮するシュガーを落とすためにあの手この手を使う所は、まさに男というものを的確に捉えていましたね。主人公のあの姿には、男なら誰しも感情移入してしまうのではないでしょうか?ビリー・ワイルダーの映画は、「アパートの鍵貸します」のときもそうですけれど、登場人物一人ひとりに人間味が溢れているので好きです。[DVD(字幕)] 8点(2007-09-30 03:55:24) 105. 禁じられた遊び(1952) 《ネタバレ》 あの有名な音楽、いいですね。戦争時代を過ごしていると、死というものの感覚が麻痺していくのですかね。両親と犬の死を見てもあまり動揺せず、むしろ、んだ愛するもの(犬)のためにほかの死骸や十字架を集めていく主人公の女の子の姿を観ていて、そう思いました。また、決して幸せとはいえないラストも戦争の辛さを表現していると思いました。[DVD(字幕)] 5点(2007-09-29 23:47:41) 106. めまい(1958) 《ネタバレ》 途中まで、「すわ、悪霊とかが関係するミステリー映画か」と思うような展開でしたが、エルスターが妻を殺害するためのトリックだったということが明らかになって、納得。それまでも先が分からない展開にドキドキさせられていましたが、ここでより一層引き込まれました。最後、シスターがマデリンを脅かして塔から転落させ、何もなかったかのように鐘をならす終わり方はゾッとしました。後味の悪いラストですね。。[DVD(字幕)] 6点(2007-09-26 02:50:10)(良:1票) 107. 北北西に進路を取れ 《ネタバレ》 全体像をつかめないようにして物語が進んでいくので、なんか落ち着かない感じでした。イブが実はスパイだったことには、「やられた!」の一言。ラシュモア山での格闘では「こんなんありえへんやん。」と思いかけましたが、多少のオーバーな演出も最後の終わり方ですっと納得しました。夢おちではないですが、最後の格闘は話半分に観たほうが良いってわけですね。P.S.かの有名な四人の大統領の彫刻って、サウスダコタ州にあったんですね。この映画を観て初めて知りました。あと、どうでもいいですが、ソウル・バスによる最初のタイトルデザイン、古畑任三郎のに似てるっぽいです。 [DVD(字幕)] 5点(2007-09-26 02:42:49)《改行有》 108. 勝利の朝 《ネタバレ》 我がまま自信過剰娘の独演劇。この時代から、実力者と一夜限りで寝て役を取ろうとすることがあったんですね。人間の穢い部分が表現されているので、観ていてむかむかするのですが、そこまでの気持ちにさせる程出演者の演技が素晴らしいのでしょう。[DVD(字幕)] 4点(2007-09-23 04:15:05) 109. フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 カーチェイス(電車を追いかけるシーン)の迫力は見ものでした。あんなに飛ばして車にぶつかってもよく死なないな、と思いつつ、食らいついて見てしまいます。ただ内容的には、マルセイユとニューヨークとのシーンのやり取りが分かりにくかったですし、車中から麻薬を発見した後から最後の大捕物までの間があっさりし過ぎていて、「おや?」と思わざるを得ない部分もありました。音楽は味があって良かったです。[DVD(字幕)] 5点(2007-09-23 03:02:12) 110. ローマの休日 《ネタバレ》 某国王女の一日限りのお忍びの旅。登場人物に人情味があふれていて、ストーリーも面白い。誰と一緒に観ても楽しめる映画だなと思いました。グレゴリー・ペックが宮殿を名残惜しそうに去るラストシーンは、新聞記者としての未練というより男としての未練が表現されているのでしょうね。オードリー・ヘプバーンは本当に綺麗でした。[DVD(字幕)] 8点(2007-09-17 01:09:48) 111. チャップリンの黄金狂時代 《ネタバレ》 今でいう、コントのオンパレードといった感じです。最後のハッピーエンドも喜劇のお決まりのパターンといった感じです。有名な、靴を食べるシーンや山小屋が傾くシーンにはかなり笑いました。ただ、私にはサイレント映画は向いていないのか、最初の方はひたすら眠く感じてしまい、靴を食べるシーンの直前にはイライラしてしまいました。 高得点をつけている方々には恐縮ですが、5点です。[DVD(字幕)] 5点(2007-09-15 23:41:40)《改行有》 112. 自転車泥棒 《ネタバレ》 当時のイタリアの状況をまさにリアルに感じることができて興味深かったです。いくら貧しくなっても心まで貧しくなってはいけないな、と主人公を見て思いました。あと、子役の演技が上手だなと感じました。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-10 23:22:48)《改行有》 113. 2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 この映画について、WIKIなどで解説がなされており、そこでは「ラストのシーンで船長がスターチャイルドに進化したのだ」云々と書いてありましたが、私はラストのシーンも含めて、むしろ神の意思の下での人間の輪廻転生を表現しているのではないかなと思いました。図らずも、この映画のテーマ曲は「ツァラストゥストラはかく語りき」、「神は死んだ」と言ったニーチェの著作が題名になっているクラシック音楽だったりします。いずれにせよ、意図について様々な解釈を呼び起こし、なおかつ秀逸な映像技術やハラハラするストーリーを純粋に楽しめるこの映画は、評価に値すると思います。[DVD(字幕)] 9点(2007-09-09 01:11:12) 114. 雨に唄えば 《ネタバレ》 サイレント映画からトーキー映画への変遷が分かり、ミュージカル的要素を楽しむことができ、さらに純粋にストーリーに心躍らすことができる、色んな意味でお得な映画だなと思いました。ジーン・ケリーが雨の中でSingin' in the Rainを唄うシーン、良いですね。私は1.5倍速と通常とで2回観たのですが、1.5倍速で観たときは(音楽は若干変になりますが、)ミュージカルの場面で皆の息がぴったりでしかもリズミカルで…、更に楽しむことができました。[DVD(字幕)] 9点(2007-09-08 20:29:41) 115. 第三の男 《ネタバレ》 ウィーンの街中、死んだはずのハリー(オーソン・ウェルズ)の顔が窓の明かりでパッと照らされるシーンが印象的。その前には猫がハリー(顔はまだ見えていない)に寄っていくのですが、猫の件は事前に伏線が張られていたりして、「魅せるなあ」と思わされる部分が多かったです。第三の男は結局ハリーだったのでしょうが、ハリー逃走の最後のシーンでホリーとハリーが「にやり」とした意味とか、アンナは共犯だったのかとか、最後まで分からなかった部分もあります。それが最後のシーンと相まって逆にいい感じの余韻を残していると思います。エビスビールのCMでも使われている音楽、良いですね。[DVD(字幕)] 6点(2007-09-02 21:46:12) 116. 真昼の決闘 《ネタバレ》 頑固おやじの主人公が無勝手に一人で敵と戦っているという感じで、あまり主人公に共感できず、「それで?」といった印象を受けました。ただ、数時間の出来事(朝の結婚式のシーンから正午の決闘シーンまで)を映画にしてしまうという発想は面白いなと思いました。 [DVD(字幕)] 4点(2007-09-02 21:32:24)《改行有》 117. 素晴らしき哉、人生!(1946) 《ネタバレ》 本当に心が温まる、感動できる映画。人格者で人気者の主人公ジョージは、叔父さんのミスによってどうしようもないピンチに陥ります。自殺すら考えたそんなとき天使が現れ、ドラえもんの「もしもボックス」的な感じで、「もし自分が存在しなかった場合の世界」を作り出します。自分が存在がいかに多くの人々の人生に影響を及ぼしているかを痛感させられたジョージは、元の世界に戻って、いまここに生きていることの喜びをかみしめるのでした。そして最後は奇跡が。。単なる勧善懲悪の映画では全くなく、人間の生きることの素晴らしさや家族・友人がいることの素晴らしさが存分に描かれていて感動しました。当時の技術の限界か、巧いとはいえないような編集のシーンもありますが、そんなもの関係ないほど内容が素晴らしく、感動したい方にはお勧めの映画です。[DVD(字幕)] 9点(2007-08-27 02:09:01) 118. 深夜の告白(1944) 《ネタバレ》 最初主人公ネフの罪の告白で始まり、ネフの回顧によって事件が紐解かれていくサスペンスです。謎解き側のキーズやその上司?の推理がしっかりしており、考え方の飛躍もないので、思わず話に引き込まれてしまいました。ネフが一番信頼していたキーズに対し最後自らの罪を告白するシーンを見ると、ネフにも良心の呵責があることがわかりますし、それに対するキーズも、ネフをむやみに庇うことなく警察に身柄を引き渡す(その前に救急車を呼んでますが。)つもりです。「殺人」といった非常識的な行為以外での、このような彼らの常識的な振る舞いを見て、まさしく大人向けの映画だなと思いました。[DVD(字幕)] 8点(2007-08-26 23:59:57) 119. 生きるべきか死ぬべきか 《ネタバレ》 ハラハラしつつ、面白い。ワルシャワで働く劇場の役者達が戦時中の偶然のトラブルに巻きこまれるが、そのピンチも皆の演技で乗り切る、という内容自体が面白かったです。さらに、映画はテンポよく進んでいきますし、話中の会話にはいくつか伏線(クスリと笑いたくなる伏線)が張られていたりします。主人公達はゲシュタポを相手に奮闘しますし、プロパガンダ的な感じも若干はありますが、それも気にならない程面白いと感じます。喜劇の中でも最も好きな映画の一つです。[DVD(字幕)] 9点(2007-08-26 02:35:10) 120. ミッドナイト・ラン 《ネタバレ》 ジャック(デ・ニーロ)とデューク(チャールズ・グローディン)のやり取りが絶妙でした。最初はお互い敵同士といった感じだった二人が、旅を続けていく中で次第に心を通わせていく…。途中からは、デュークが普通に逃げられるような状態なのにもかかわらず、自らジャックの車に乗ったりしています。普通の映画ならば「脚本が甘い」とか「突っ込みどころだ」とか言われそうな場面も、この映画では別なのです。むしろ、多少の不自然さが逆に面白いのです。そして、最後のシーンもぐっときます。ジャックが仕事を達成したにもかかわらずデュークを解放する…、その行動に対してデュークがジャックに隠していた逃走資金を渡す。ジャックが去り際に振り返るともうデュークの姿はない…。最高のシーンですね。私たちを惹きつけて止まず面白い、そして男の友情が描かれててかなりアツくくる映画だなと感じました。私が落ち込んだときはいつもこの映画を観ています。[DVD(字幕)] 10点(2007-08-26 02:23:58)
|
Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS