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プロフィール
コメント数 900
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 最近になってまた映画を観る習慣が出来ました。
前はほとんど観なかった邦画をたくさん観るようになり
新しい映画ライフが充実しています。

昔ほど数はこなせませんが
趣味と生活のバランスをうまく保ちながら
なるべくたくさんの映画を観て、
なるべく読み応えのあるレビューを続けていきたいと思います。

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101.  罪の声 《ネタバレ》 なんて言えばいいんだろう。。。どこから書いていけばいいのかわかりませんが、とにかく見応えがあって、面白かった。まずはそこです。 原作は既読です。随分前に読んだきりですが。ですが個人的には映像化されたこちらのほうがより引き込まれました。物語自体もとても面白かったのですが、私が惹かれたのは小栗旬さん演じる記者=阿久津さんの記者としての姿勢でした。興味本位で人の人生を暴き立て書き立てる記者とは違い、彼は曽根俊也と接する中で記者としてのあり方に疑問を呈します。「あんたらは面白おかしく記事にして、でもこっちはどうなる?妻と子供もいるんです。子供の未来はどうなる?」 彼は元社会部の記者であり、事件の被害者の生の声を聞きながらも、それが他社を出し抜けるネタであるかどうか計算してしまう自分が嫌になり、社会部を辞め文化部へ。しかしこのギン萬事件をきっかけに再度記者としての自分を問い直す彼の姿を見ることが、この作品のもう一つの魅力でした。報道とは公正中立であるべきですが、かつ、取材対象に寄り添うことも両立できる記者なんていたらどれだけ良いだろう。阿久津さんはそんなことを思わせてくれました。曽根俊也が言うように、取材対象の娘を怖がらせてしまって、咄嗟に娘のことを慮り、嘘をついてその場を取りなす、そんな男ならとても好感が持てる。そんな人間ドラマが見れるという、それだけでも価値のある一作です。 利用して子供のその後の人生など顧みもせず、自分たちの所業を「正義」と言う曽根達雄に語りかける阿久津さんの言葉は重くもしかし痛快でした。本当に、こんな記者がいてくれれば良いなぁ、と思わずにはいられない映画でした。 そして、エンディング曲も素晴らしかったです。良い作品は、曲も作品に合っていて聴いていたくなりますね。[インターネット(邦画)] 9点(2022-06-10 01:02:04)《改行有》

102.  去年の冬、きみと別れ 《ネタバレ》 ずっと観たかったのだがなぜかNetflixでダウンロードができない作品で、家で観る時間がなかなか取れずしかし今回ようやく鑑賞することができました。 前半は猟奇的な写真家=木原坂雄大を取材しながら追い詰められる記者=耶雲恭介というストーリー展開だったのが、耶雲の素性が怪しくなってきたところから話の方向が変わってきたのを感じました。あの白い文庫本の破壊力たるや。序章から第三章までの組み立ても見事でした。いきなり第二章から始まるから何か間違ったかなと心配しましたが、なんてことはない、見事な演出でした。 結局出てくる主要人物のほぼ全員どっか異常な人物しかいなかったので、なかなか誰かに感情移入しながら見ることは難しかった。強いて言えば耶雲(中園)に共感を覚えるが、心配とは言え盲目の彼女=吉岡へのつきまとい行為は度が過ぎていると感じる。普通に話しかければいいのに、仕事休んでつきまとったり、そもそもやましいことの自覚はあるようでだから話しかけないことも怪しさを倍増させる。耶雲に異常性を持たせたかったのかもしれませんが、あのへんはなんだか過剰演出な気がしました。 シンプルに目に焼き付いたのは、蝶の写真と、蝶の標本。蝶の写真は、耶雲が評していた内容がそのまま突き刺さった。あの蝶が何を隠しているのか、その奥が見たいと、確かにそう思える写真だった。実際にああいう作品があるのかはわかりません。映画のために用意したただの一枚絵なのかもしれませんが、それでも自分には何か感じるところがあった写真です。 次に蝶の標本。標本のどれかというと目玉模様のやつ。一匹だけならまだしも、あれを何匹も同時に見ると流石に薄寒いものを感じました。その感想とは裏腹に、ちょっと見続けたいという不思議な気持ちにもなりました。 いろいろ心が揺さぶられ、楽しめた映画でした。[インターネット(邦画)] 8点(2022-06-09 01:48:07)《改行有》

103.  名も無き世界のエンドロール 《ネタバレ》 個人的に、このラストはすごく良かった。よくあるドラマの展開なら、あそこで「バカなことはするな!」とか「そんなことをして彼女が喜ぶと思うのか!」とかいうセリフで犯人が思いとどまったり、その言葉でひるんだ隙に犯人を警察などが取り押さえるというシーンをよく見ます。ですがこの話では結局犯人は思いを遂げ、しかも共犯だった友人にはドッキリで騙し打つという、なかなか観てる側にはアジな展開で楽しめました。 実際想像してみた。もし自分の最愛の人を事故で失い、その犯人があのような人間だったら。もしその犯人が何の反省もしておらず何なら自分は悪くないと逆ギレしてくる始末で、轢いた相手を犬呼ばわりしてきたら。殺意湧きました、普通に。だから、あのラストでとても満足している。 城田ちゃんは、マコトとヨッチとは少し離れた位置から二人を眺めながら、でも近くにいる存在。自分でもそう言っていた。やや第三者的な立場でいることが心地良くもあり、しかしヨッチのことを考えた時に主役になりきれない自分に嫌気もさしていたのかもしれない。しかし最終的に二人を支え二人のために動き続けた城田ちゃんは、なんだかやり切った達成感に包まれている気がした。サッドエンドの中のハッピーエンドであったと思いたい。そんな作品でした。[インターネット(邦画)] 8点(2022-06-09 01:26:40)《改行有》

104.  人数の町 《ネタバレ》 現実世界でどんづまった人たちが自らの戸籍をなどの社会的存在ごと身売りして入れられる収容施設。衣食住は完璧に保障されているそこで暮らす男女の物語。 その施設は「人数」のために運営されている。 誰かを当選させるための「人数」、お店が流行っているように見せるための「人数」、どこかで大変な事故が起こったように見せかけるための「人数」、何かの商品のレビューを集めるための「人数」…。 意外と双方にメリットのあるような話な気がしました。どんづまった人の逃げ場としては最高だと思うし、運営側も結構メリットがあるのでは。閉鎖空間が飽きた人のために外に出られる機会も設けてあるし。一般人の顔にモザイクがかかる理由もああいう人たちが身バレしないためだったりして。 そういえば、と気になったのが選挙の投票。そういえば、実際の投票所でも大した本人確認とかされてないなと思いました。ひょっとして実際でも別の誰かの投票用紙持っていって普通に投票できるのか?とか思ってしまった。でももしそれができるなら、投票のシステムって…って思ってしまいますね。[インターネット(邦画)] 7点(2022-06-05 09:36:49)《改行有》

105.  ルパン三世 princess of the breeze 〜隠された空中都市〜<TVM> 《ネタバレ》 ルパン感…というよりかなりジブリ感がありました。というよりラピュタ感?まず冒頭の飛行艇襲撃、空賊の衣装などのいでたちに始まり、出会った娘は王家の王女で、最後はお宝ごと島は飛んでいってしまうという。いやラピュタじゃん(笑) 記憶から消えていましたが、このルパンも前に見たことがあることを思い出しました。次元が赤ん坊を背負いながらマグナムを構える姿が印象的でした。 唐突だったのは「お前のカルマは何色だ」男。なぜあんな能力があるのか、あれは何なのか、カルマって何?がさっぱりわからない。そのまま映画も終わって、結局あいつなんだったの?で終わってしまった。特に説明する気もないならあんな演出しないでほしい。ただのちょっと強い敵キャラでいいのに。 色々批判的なことも書きましたが、他で書かれてるほどひどい作品でもないと思いました。普通に面白かったです。何十年も前から我々世代にとって、ルパンって聞くとそれだけでワクワクしてしまうところがあるし、期待値が高いんでしょうね。私もどうしても色メガネで見てしまいますが、できるだけ客観的に見て面白かったと思いました。[インターネット(邦画)] 7点(2022-06-01 21:48:23)《改行有》

106.  AI崩壊 《ネタバレ》 最近ではよくあるAIに人間が乗っ取られる的なシチュエーションのストーリー。とそんな言い方をするとありふれた話という印象を与えてしまいますが、実際世の中にこれだけITが溢れている社会ならこういう話が増えてくるのも無理ないことだとも思います。 「のぞみ」と呼ばれる医療用AIが国に認可され、その認可を皮切りに社会に爆発的に拡散したそれは医療用AIにとどまらず、そこで得たビッグデータを活用して車の運転やスマート家電などさまざまな分野に食い込んでいきます。また「のぞみ」は医療用AIという立場から、それが収集するビッグデータは、その人の健康状態はいざ知らず、遺伝情報を取得するためにその人の家族構成や家族の病歴などかなりセンシティブな情報ばかりが集まるところも特徴です。さらに保険や金融にも紐づけられているそれは、成立すれば本当に「第4のインフラ」と呼ばれるくらい生活に欠かせないものになるのだろう。成立すれば、ですが。 こんなシステムが現実にあったとして、実際どうなんでしょう。私個人はマイナンバーカードですら持ちたがらない性格でして、色々紐づいて便利、とかポイントもらえます的なこと言われても、誰かに自分のデータを見られたり管理される気持ち悪さの方が勝ってしまって未だにマイナンバー制度反対派です。映画を見ながらも、どちらかというと反対派目線で見ていました。 逆に、これが普及できたというならかなり巧みな導入をしたんだろうなと思いました。それこそいま現実でおこなっているマイナポイントとかそんなエサで人を釣るようなその場しのぎの方法ではなく、本当に必要なことだと世の人にきちんと必要性を理解させたかあるいは導入のハードルを限りなく低くして気軽に登録するようなシステムにしたんだろうなと想像しました。 ちょっと話の本筋からは離れたことですが、現実っぽいSFだからこそより詳細を想像してみることができました。 さてこの『AI崩壊』はというと、上述のようにAI「のぞみ」が社会インフラの一角を担うほど普及した社会。だが、それは都市部などのある程度都市インフラが整っている場所に限っての話で、むしろ田舎の方ではかつてより地域格差が生まれたことにより寂れが進んでいるところも出てきていた。人間についても同様で、AIの普及によりAIに取って代わられる仕事が増えた結果、仕事につけずあぶれる就労世代が増加し、そんな人たちが「AI反対」のシュプレヒコールを上げる、そんな世の中を描いた作品。 ここからは個人的なAI社会に対する考えですが、確かに今現在でも少し前は人間がやっていた仕事が無人機で行うようになって来たなと思うものがあります。例を挙げれば、<高速の料金所><お店のレジや受付><駅の改札><ガソリンスタンドの給油>など。ですが同時に、そんな仕事あるの?と思うような新しい仕事もたくさん生まれています。代表的なものが<Youtuber>、他に<フードデリバリスト>やITの普及に伴う<SEなどの各種IT技術職><ドローンパイロット>など。機械が増えればそれを管理する技術者も比例して増えるはずなので、社会問題になるほど人はあぶれないだろうと思います。 それよりむしろ人が職を失う原因となるのは過剰なまでの「コスト意識」じゃないかと考えます。上記の無くなった職業もその理由の殆どは「人より機械のほうが長く働けて安価だから」という理由がほとんどのはずで。企業も官公庁も効率化・省コストという名目でどんどん雇う人を減らしていく傾向にあります。「人はいらない」と従業員を減らすくせに無給(休?)の研修員やボランティアはどんどん使うという矛盾が起きています。全て「コスト意識」が原因のように見え、AIはその一部でしかないと思われます。 ちょっと映画の話からは外れましたが、そんなことを考えたりしながら鑑賞させていただきました。 よく人は、「他人に何かを求めるからには自分もそれを求められる覚悟はあるか」というようなことを言います。作中の桜庭や副総理のような思想は過激なようにも思えますが、ひたすらに合理化を求め効率化を求めてきた人類が、逆に自らに合理化と効率化を求められ間引きされるとしたら、仕方ないのかなとも思ってしまいました。 AIと人類の関わり、現在とこれからの社会を考察するのに良い材料となりました。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-29 14:50:31)《改行有》

107.  流浪の月 《ネタバレ》 舞台挨拶付きの上映というものを初めて観ました。観賞後に役者さんたちや監督さんから、用意されたセリフではない生の声が聴けるのはとても興味深かった。それも踏まえた上で感想を… 直後の舞台挨拶で、「まだ余韻も冷めやらぬ中…」と言っていましたが、本当に余韻を強く残す映画だと思いました。史は本当に小さい子しか愛せない男だったんだろうか。自分の持つ障害のことを最後嘆いていましたが、それが故に大人の女性に愛情を抱けないのか、そもそもそんなことは関係ないのか。ですが変な意味ではなく、少女の更紗を史が優しく接したり時に唇に触れてドキッとする様子はもう男女の仲だと言えるのではないだろうか。少なくとも彼らはお互いを必要としていて、お互いを尊重していて、更紗とリョウのような壊れた関係よりよっぽど健全だと思いました。ただ当時の更紗はまだ少女で、おばの家でそこの息子に悪戯されるような劣悪な環境だとしても、そのおばが保護者でありその管理下を離れて男性と一緒に住めばああなってしまう。自分も腫れ物に触れるような扱いを受け、相手の男性にもとても大きな社会的ダメージを与えてしまう。そう考えると本当に切ない話だと感じた。 個人的に、他人の人生にズカズカ入ってくる人は嫌いです。何の関係もない人の性癖をばかにしたり、誰かの過去をやたらとあげつらったり。その最たるものがマスコミで、私は彼らが嫌いです。最近はスマホでどこでもいつでも写真、ビデオ、録音ができるようになり、マスコミ予備軍みたいな人が溢れていることもかなり嫌。なんでみんなそんなに他人のことに首突っ込みたがるのか、よくそんな時間あるな。私は自分の興味ある人のことにしか時間は割けません。それでも手一杯なのに。 で、そんな私からしたらあんな風に報道されるのはあり得ない。週刊誌って全然読みませんが、あんな風にマンションのベランダや公園で座ってる写真も撮られるんですか?気持ち悪い。もっとみんな自分のことやってればいいのに。 少し現実的な話をすれば、更紗と史も少しうかつかな。リョウに史のお店もバレてる状態で史のお店に逃げ込んでもそりゃああなっちゃうよね。嫌がらせは論外ですが、あのリョウの感じだと刃物持って殴り込んできてもおかしくなかった。史も史で、事実とは違うとはいえ幼女趣味でマスコミにバシバシ写真撮られて住所も特定されてる状況で、あの子を預かっちゃいけないだろう。あの子を守る意味でもそこは考えて欲しかったな。 「君は君のものだ。」そのセリフが好きです。そして自分の所有権を手にした更紗が、「私は史のものだから。」と言うのもさらに好きなセリフです。良い映画でした。[映画館(邦画)] 9点(2022-05-24 21:24:53)《改行有》

108.  バブル(2022) 《ネタバレ》 「人魚姫」を現代風アニメに作り直したらこういう感じになりました、と言ったところでしょうか。泡の発想も人魚姫のストーリーから取ったのかな。最近テレビを有機ELに替えましたが、めちゃくちゃ綺麗な映像にまずはびっくりしました。そしてパルクール、個人的にとても興味があります。そんなことに挑める年齢ではありませんが、SASUKEくらいならやってみたい気持ちはある(笑)そんな映像美とパルクールを中心に構成される作品の躍動感は見ていてとても楽しい。なんとなく見始めたのが、結果最後まで見てしまいました。 ただ少しリアリティに欠けるとは思いました。バブルの中の東京は捨てられたとはいえ一応中に人間は普通に入れるし生活も不可能ではない。バトルクールなるパルクール遊びに興じる少年たちの遊び場になっているが、全く大人の介入がない世界なんてそうそう簡単に手に入るものなのか?別に泡に入っても害はないとわかればいくらでも人は入ってきそうなものだ。「葬儀屋」under takerがその立ち位置を担っていたのかもしれないけど、もっと無差別に人の出入りがあっても良いんじゃないかと思った。 そもそもあれだけある泡の中でなぜあの泡にだけ意思があって、それが形を成せたのか、なぜウタはヒビキの前に現れるまで5年も待たなければいけなかったのか。ひびきのピンチに咄嗟に助けようとしたからなど理由はつけられると思うが、そこはみている側にスッと落ちるようなディティールが欲しいと思いました。 とまあ色々述べはしましたが、上述のようにこの映画の映像美と躍動感は単純に凄まじいと思います。それだけでも見る価値はある。そこに何を見出すかはその人次第だが、少なくとも私は心が洗われたし気持ちの良い見応えのある話だと思いました。[インターネット(邦画)] 9点(2022-05-24 14:34:54)《改行有》

109.  生きちゃった 《ネタバレ》 自分も口下手でコミュニケーション下手なので、厚久のことをあまりとやかくは言えないが、思ってることを口に出せない人間の末路の典型を描いたらこうなるのかなと思いながら観ていました。 どんなに強く思ってることがあっても相手に忖度し、周りの人間にも忖度し、なんなら自分自身にも忖度した結果、何も自分のことを伝えられない、悲しい人間の話だった。また厚久役の彼も、本当に何を考えてるか読めない表情をしていて、そういう意味では適役だったのか、真面目な印象を与えるのに同時に不気味な印象も与える男だった。 「言葉にせずとも態度で伝わる」というような言葉は良い意味でも悪い意味でも時々耳にしますが、この映画は「言葉にしないと伝わらない」ということをひたすら描き続けます。何を言われてもただ黙って人に合わせて受け入れ続ける厚久を見るのはなかなかキツいものがある。 一方、「英語なら本音を言えるのにな」というセリフはなんだかよく分かった。自分も同じような経験はよくある。英語はと言う言語の特性なのか、はたまた単に自分が単純な表現しか出来ず、その分ストレートに気持ちを伝えられるからなのか、あるいはその両方か、とにかく母語よりもなんだか気持ちが言いやすいというのは理解できた。 そんなに好きだった奈津美をストレートに愛してやれなかった厚久も厚久ですが、奈津美は奈津美で大概な女性でした。あんな理由でと言ったら失礼なのでしょうが、あんな理由なら悪いが世間にごまんと溢れていると思う。悲劇のヒロインぶって相手のせいにして、家庭や娘を顧みない、ひどい女だと思った。娘の鈴がほとんど笑顔を見せないことが逆に印象的だった。彼女は何を思っていたんだろう。何が起こっていたのか分かっていたんだろうか、もっと父や母に構って欲しかったのではないだろうか、急に家に来るようになった男性をどう思ったのだろうか、終始無表情で状況に身を置く彼女に気持ちを聞いてみたくなりました。 ラストで娘に駆け寄るシーンも、不器用さ全開でした。何かの映画のゾンビのように不安定に自分に駆け寄ってくるあんな男見たら、たとえ毎日会ってた父親だとしても怖くて逃げ出すわ。自分がどう見えてるかも見えてない、哀れな人でした。 そして、自分もそうなったことがあるが故に、見ていて辛かったです。[インターネット(邦画)] 4点(2022-05-24 00:20:17)《改行有》

110.  劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 《ネタバレ》 人に勧められ、まず一話ずつのTV版?から鑑賞しました。 人として育てられなかった少女が唯一人として「愛」という感情をおぼろげなから感じる相手=ギルベルト少佐を求めるところから話は始まります。少女は少佐への想い以外は全く無機質で、両手の金属製の義手さながら、まるで人形のような受け答えしかできません。しかしドールという顧客の手紙代筆サービスを通して次第にその人格に中身が伴うようになり、熱を持ち、彼女はそれを自覚していきます。 一話ずつ、彼女が人になっていく過程は見ていて素直に面白かった。また、無機質であるがゆえのダイレクトに核心をついた彼女の物言いは、機械的ながら考えさせられるものが多かった。無機質なヴァイオレットも、人になっていくヴァイオレットも、どちらも魅力があり、彼女はいい人だと感じた。 ここまでがTV版の話。ギルベルト少佐はもうこの世にいないものと思ってTV版の鑑賞を終えましたが、劇場版でまさかの生存の可能性が。さんざんここまでその可能性を否定しておいて劇場版でそれって…ずるいなあと思いました。が、そんな小さなこだわりなど吹き飛んでしまった。死後に送る手紙、技術の進化に伴う電話の普及、それでもなくなりはしない「手紙」という文化。声が伝わること、文字で想いが伝わること、どちらの方が優れてるかは分かりませんが、人と人をつなぐ手段・技術の魅力の一端を見た気がしました。 一話ずつヴァイオレットが変化していく過程は見ていて楽しかった。そんな彼女の幸せを願うようになったのは自然な流れだと思う。そして彼女が願い続けてその想いが叶えられ、こちらも幸せだった。おめでとう。素直にそう思えました。命令を聞くこととギルベルト少佐のことしか頭になかった彼女が、会おうと思えば最愛の人に会えるにも関わらず、「指切りの約束」を果たそうと島から去ろうとするシーンは、悲しいような暖かいような、複雑な思いでした。しかし間違いなく、不快なものではなく、何処か清々しいものだったことは確かでした。 人に勧められる前はあまりに綺麗すぎるその少女の絵に抵抗があり見ることを遠ざけていましたが、見て良かったです。瞳の緑、傘の水色、リボンの赤、葡萄の紫、さらにスミレの紫、色彩をとても大事にする、最高の一作でした。[インターネット(邦画)] 10点(2022-05-19 01:11:31)《改行有》

111.  空白 《ネタバレ》 個人的な見方であるが、私としては万引きされて追いかけた店長より、娘を失ってお店や学校を糾弾する父親より、マスコミの対応が見ていて不快になりました。劇中で父親も触れていましたが、次々と世間が注目しそうな話題を追いかけ、騒ぎ立て、新しい話題が出たらもう次へ。。。テレビだから数字が必要とか、面白おかしく撮ったり編集して見せないと視聴者は食いつかないとか、マスコミなりの理由があるのは分かるのですが、確たる証拠もなく他人の人格や正体を勝手に描きそれを喧伝し、したり顔で「許せないですね」などとコメントするワイドショー的な報道。それが何より気持ち悪い。 もちろんそうやって世間を騒がせないと相手が動かないとか、世間まで巻き込んで考えるべき問題も中にはあるんでしょうけど、事件でも事故でもない大体のネタは「わざわざ他人の問題に首突っ込んで…」と感じるものが多い。しかも中立の立場からの報道でないので、余計に違和感になる。 とまあなんだか物語がわたしには違う方向に刺さってしまいましたが、そんなことを思いながらの鑑賞になってしまいました。 この映画では店長と娘が二人きりのシーンは描かれてませんが、実際彼らが密室でどうだったかは分かりません。一見物語は彼がそんなことはしていないと言う体で描かれていますが、もし「実は…」というシーンがあればこの話の様相は一変するでしょう。そこまで想定しながらも、中立に物事を伝える、そんな報道が見たいものです。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-18 00:51:16)《改行有》

112.  ルパン三世 東方見聞録 ~アナザーページ~<TVM> 《ネタバレ》 あ、コナンの作画だ、というのはおそらく観た人だいたいすぐ気づいたと思うのですが。先に他の方のレビューを拝見するとけっこう否定的な意見が多い。。。私はこれもアリだなと思いました。ていうか、毎回作画が違うなんてルパンシリーズでは毎度のことだし。逆に毎回違う感じで見られるというのは私は魅力だと感じています。 今回はルパン感は80点。冒頭いきなり殺人犯に仕立てられるというのは面白かったと思います。まあ、見てる人みんなルパンじゃないってわかってるんですけどね。 また、石板の傷は実は外人が書いた漢字。武器商人がルパンを追いがてら兵器のデモンストレーションを行って顧客へのプレゼンをしてるというのはなかなか面白かった。戦争は金になるというのは『1$マネーウォーズ』でもあった流れですが、昨今のロシアーウクライナ情勢を見ていると、ここまで露骨な形ではなくても、戦争を食い物にして得をしている、あるいはこれから得をする誰かが戦争を継続するように仕向けたりしているのかなどとそんなことを考えてしまいました。逆に何でもかんでもお金基準で動く世の中を変えるために、ルパンに世の中のお金全て盗み出して欲しいもんだ。資本主義、大成功か。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-13 01:06:50)《改行有》

113.  子宮に沈める 《ネタバレ》 まずはじめに言っておくと、これは10点です。それくらい物語に入り込み、おそらく製作者の狙うように感じさせられました。心情的には本当に疲弊したし、鬱な気分にさせられて0点どころかマイナス100点くらい付けたい気持ちですが、それがこの映画の狙いというなら、見事に思惑にハマったなというのが正直な感想です。 映画にも色々あって、それぞれに目的があると思います。感動させたい映画。泣かせたい映画。驚かせたい映画。怖がらせたい映画。笑わせたい映画など。この映画は、観る人を鬱にさせたい映画。その意味ではこれ以上ないくらい最高の作品です。 本当に目を背けたくなる気持ち。実際何度か背けたし、何なら一時停止して意を決してから続きを再生したことも数回。 とにかく幸ちゃんが良い子すぎて。健気に母親を待ち、弟の面倒を見て、訳が分からない中でも命を食いつないで、その結果があれなんて。もう言葉が無い。何とかして粉ミルクを作るシーン、缶詰を包丁で開けようとするシーン、マヨネーズの容器がすっからかんになるまで吸い尽くすシーン。動かなくなった弟を何とか起こそうとするシーン。どれも衝撃的でショッキングすぎた。こんな子がまだどこかにいるのかもしれないと思うと、何とかできないのかと胸が張り裂けそうになる。 ただ、母親の気持ちもわかってしまう。さすがにあそこまでのネグレクトはあり得ないけど、それは自分が誰かに頼れる状況があって、全くの閉鎖空間では無いある程度のオープンスペースに身を置けてるおかげなんだろう。夫は行方をくらませてしまった。実家はないのかな。そんな中で幼児二人とずっと閉じ込められてる状態ならおかしくもなってしまうというのは、理解できた。これは、ここまでの状況ではなくても、短期的にでもこのような状態に身を置いたことがある人ならわかると思う。辛い。知らない人はやってみてください。ひたすら子供のペースに合わせ、なだめ、すかし、ご飯を与え、お風呂に入れ、トイレの世話をし、寝かせ、だと思ったら起きてきて、自分は寝れない。それが二人。 なかなか文章では伝えきれない所もありますが、世の母親の方々、本当にお疲れ様です。 人には全く勧められないし、一ミリも楽しい映画ではなかったが、最高でした。[インターネット(邦画)] 10点(2022-05-13 00:51:27)《改行有》

114.  ルパン三世 血の刻印~永遠のmermaid~<TVM> 《ネタバレ》 ルパン感は80点。さすがに20本以上もルパンシリーズを見ると好きと嫌いが分かれてきますが、これは好きなやつでした。 冒頭から「ルパン三世40th anniversary」の文字が。そうかもう40年にもなるんだ。そしてその記念すべき年になんと声優陣の大幅改変。主要キャラはほとんど新しい方に替わっていました。 私の勝手なイメージですが、きっと声優の世界も結構な縦社会で、昔からのベテランや偉い人に周りが忖度して、今回のような記念の年ならそれこそそういう人を立てて出演「していただいて」勇退してもらうのかなとか思ってたら、記念の年に外すなんて、なかなか思い切ったなあと変なとこで感心してしまいました。 新しい声優さんたちもだんだん聞き馴染んできました。流石に少し違和感は感じましたが、まあこれもサザエさんやドラえもんの声が変わった時のように、だんだん気にならなくなることでしょう。 内容も良かったです。人魚の宝石にさらに隠された八百比丘尼の財宝を巡って戦うルパン達と氷室一味。八百比丘尼の財宝や美沙と麻希の物語、ルパン一世を通して見る泥棒とは何かという問いかけなど、色々楽しめる要素がありました。ひたすら泥棒という仕事にこだわる麻希に向けてのメッセージのように一世の残したものを、「ま、泥棒なんてそんくらいのもんだ。結局楽しんだもん勝ち、ってとこかな?」と解釈するルパン。 個人的にはこういう、盗めないお宝的な話は大好きです。『お宝返却大作戦』もそうだったし、そういう話がもっと増えることに期待。[インターネット(邦画)] 8点(2022-05-10 06:49:49)《改行有》

115.  鳩の撃退法 《ネタバレ》 「失踪家族」「3000万」「偽札」「不倫」「裏社会のボス的存在」 それこそいかにも小説のネタになりそうなワードを使って小説を書く男の物語。彼はフィクションだと言い張るが、彼の身の回りで実際に起こっていることが小説の元ネタである。 BGMが良かった、まず。アクションとサスペンスを両立させるように高揚感を持たせながらコロコロ転がるような音楽が聴いていて心地よかった。 藤原竜也さんはこういう、才能はありそうなんだけど人間性的に終わってるキャラがなんだか合いますね。カイジの影響かな。ここのところまともなキャラで出演してる彼をみたことがない。skyのCMくらいか。映画じゃないけど。 視聴者も土屋太鳳さんと同じく、「で、この先どうなるの?」と思わせられる方向に持っていかれるんですが、結局あまりいい形で解消されることはありませんでした。なんで房州さんが3000万を彼に託したかはよく分からなかったし、小説っぽく描いているからか全体的に会話や流れが不自然というか過度にお芝居になっていると感じた。いくら映画とはいえ喫茶店で初対面同士があんな会話しないだろう。 そういう意味ではなんだか純文学のようなあり得なさを楽しむことはできたかな。こういう世界観自体は嫌いじゃない。ありえないとか言いながら、そういうことが起きて欲しいと思っている自分もいます。面白かったです。[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-09 01:07:56)《改行有》

116.  100回泣くこと 《ネタバレ》 記憶喪失になった男、卵巣癌に苦しみ悩む女、という設定を理解するまでに少しかかってしまってそこまでは物語に入り込めませんでした。 記憶を失っても同じ人を好きになるって素敵ですね。女性のほうから接近して行ったならともかく、記憶がない男性のほうからまた関係が始まったというのがなんとも夢がある。ちょいちょい会話がなんか不自然ですけどね。わざわざ追いかけていって「今日って雨降りますよね?」とか聞かないだろう(笑)まあ、残っていた記憶に引っ張られて思わず彼女に近づいたってことかもしれませんけど。 別に藤井くんの肩を持つ気はないですけど、あの流れで藤井くんが佳美を見捨てたみたいなふうに周りに思われてるのは不可解。佳美と喧嘩別れみたいにはなってたけど、病院には一緒に行くからって言って、その直後に事故に遭って記憶がないのはみんな知ってるのに、なぜ「君は佳美のそばにはいてくれなかった」ってちと逆恨みが過ぎる気がする。原作とかならもう少し丁寧に描かれてるのかもしれないけど、あそこまで藤井くんが悪者扱いされてるのはちょっと受け入れられなかったな。 あと、バッハとかムースってなんだろ。いやあだ名なんでしょうけど、それこそその名前になった経緯も何も知らない人たちに見せるのにいきなり変な名前で呼ぶのはやめてほしい。そこまで物語に深く関わる人物たちでもないし。色々蛇足が感じられる映画でした。 話自体はとても好きです。ルナレインボー、私も好きな人と見たいですね。[インターネット(邦画)] 6点(2022-05-05 20:13:53)《改行有》

117.  おいしい家族 《ネタバレ》 これが「おいしい家族」かどうかはさておき、色々考えさせられる良い映画でした。結婚生活がうまく行ってない女性が、母の三回忌のために地元へ帰るとそこには亡くなった母の服を着て女性として暮らす父の姿が。うろたえる娘に追い討ちのように「父さんは結婚する。相手は男だ。」と平然と言い放ち、自分以外の親戚はすんなりそれを受け入れて、なんなら普通に祝福モード。自分がおかしいのか?と葛藤しながら悩む娘の物語。 いや、別に同性愛とかトランスジェンダーとかを否定する気はありませんが、いくら物語とはいえあそこで娘が「あっそう、オッケー良かったね。おめでとう」ってなったらそっちの方が不自然だし気持ち悪い。うろたえて疑問を訴えるのは当然の反応。ましてや娘には事前の説明も何もなく、亡くなった母のために帰ってきたのにその母を冒涜するような真似をしているように見えたのでしょう。きちんと事情も伝えず、それは怒るわ。こういう問題って、さもそれまでの価値観で生きてきた人がおかしいとか、なんなら否定するくらいの勢いで描かれがちですけど、同性愛とかLGBTとかそういう考え方を尊重しろという人ほど、それまでの価値観を持った人の考え方を尊重してくれないのは納得がいかないといつも思っている。あれ?あんたらのほうがえらいの??といつも疑問に思う。それまで虐げられてきたりマイノリティだったがゆえなんでしょうけど、「なんでこっちの気持ちわかんないの?」って詰め寄られるのはなんか違うと思う。 あんな小さい島で、田舎であんな風に生きていたら実際はどうなるんだろうというのは少し知ってみたいですが、でも青治さんのように家でも職場でも(しかも校長先生)あそこまで堂々としていれば偏見のようなものは生まれないんですかね。彼は自分の考え方を人に押し付けるようなことは一切していないし、あの姿勢には素直に好感が持てた。人として魅力的だと思う。女の子になりたい瀧も、そんな彼が好きなダリアも、みんな憎めない良い子だった。 完全に蚊帳の外に置かれ、いきなりサプライズ的にビッグニュースを放り込まれた燈花に同情しつつも、素敵な家族のストーリーを見ることができました。少し、心が洗われました。[インターネット(邦画)] 8点(2022-05-03 01:47:11)《改行有》

118.  トワイライト ささらさや 《ネタバレ》 新垣結衣さんは嫌いじゃないしなんだったら大泉洋さんは好きなので、鑑賞しようとずっとNETFLIXのダウンロードにとってありました。原作があるようで、そちらのほうはよく存じませんが、売れない落語家ユウタロウがある日突然交通事故で亡くなり、残された妻と息子をユウタロウが幽霊として見守るという話。ユウタロウは時々現れる自分の存在が見える人に短時間だが憑依することができ、それで時々残された妻サヤと交流を図るが・・・。 まず、大泉さんが噺家になって売れないわけないだろうという主観に満ち満ちた突っ込みから始まってしまった。大泉さんに売れない噺家やらせるって、逆にハードルが高い。対して新垣結衣さん扮する妻・サヤさんはというと、序盤なぜか売れない落語家を愛して結婚するというなんだか謎キャラのように始まるのですが、物語が進むにつれて特に謎キャラというわけでもなく普通のそこら辺にいる女性として描かれていきます。良く言えばいい人。悪く言えば特徴がなく、新垣結衣さんだからなんだか画にはなりますがその分物語のキャラとしてはとても薄い印象を受けました。 ささら、という町にも見てるものとしては特段魅力を感じなかった。時折挟まれるジオラマのような(というかジオラマ?)風景は確かに綺麗で、ああいう景色を眺めているのは嫌いではないですが、住民にあくが強すぎて。ずかずか人の家に上がり込んでくる近所の住民を、サヤさんもどちらかというと戸惑っているように見受けられたのに、「この町は良いところ」っていったいどこらへんでそう思ったのだろう。私もそんなに都会に住んでるほうではありませんが、あんなにずかずかと家や自分のテリトリーに入ってこられたら普通に嫌です。不動産屋はなんだか気持ち悪いし、キャバクラに通う駅員は変人だし。ていうかあんな若くてきれいな女性がそんな環境を有難がっていることがすでに現実離れしている。 サヤさんがなぜそんなにユウタロウを気に入ったのか、結局ユウタロウの父の仕事は何なのか(途中のシーンから類推するに建設会社?)など、見る側が気になるようなことをほとんどほったらかしたままストーリーが進んでいくのも残念なポイントです。早く進めないと、と時間を気にして焦って作られたように見える。 大泉洋さん目的で見始めたのに、大泉さんがほとんど見られなかったのも少し残念ポイントかな。私の見たタイミングも良くなかったのかも知れませんが、特筆して面白いところはありませんでした。 おあとがよろしくなかったようで。[インターネット(邦画)] 5点(2022-04-29 16:34:40)《改行有》

119.  ルパン三世 sweet lost night ~魔法のランプは悪夢の予感~<TVM> 《ネタバレ》 ルパン感は60点くらい? ルパンシリーズといえばオーパーツ的なお宝とコミカルでいながらもシックな魅力を持ったキャラクターたちですが、なんだか最近のルパンはお宝が荒唐無稽に過ぎる気がします。ここ何作品かはタイムマシンやらただのダイヤの形した爆弾やら。今作は魔法のランプと来たもんだ。別にそれら自体が悪いとは思わないですが、いきなりランプから女性が出てきたり、その女性が何故かルパンガールだったり。そもそもどうやってランプから女性が出てきたのかとか、細かいところがろくな説明もなく当然のように放置。ちょっとそろそろ『ルパン』にあぐらをかいた作品になってきたと言わざるを得ない。『お宝返却大作戦』のような、形でなく心に残るお宝か、ただひたすらルパンたちの魅力を引き出す作品にするか、そのどちらかがとにかく見たい。 自分が『ルパン』に何を求めていたのかが確認できたのは素直によかった。別にご大層なお宝が見たいわけじゃなく、とにかくjazzyな雰囲気が似合って、コミカルかつクールででも心の中は熱い野郎たちなルパンシリーズをただただ楽しみたかっただけなんだ。こうなってくると、毎年ルパンをやる重責から放たれて、いいものが出来たらテレビでやりますって形にすればいいのにと思ってしまった。まあ、きっと現実の世の中のつまらないしがらみに囚われてるんだろうなと推測します。そういうしがらみから放たれているはずの『ルパン』の製作がそれに縛られまくってると思うとなんとも皮肉です。(あくまで個人の推察なので悪しからず)[インターネット(邦画)] 5点(2022-04-27 00:53:05)《改行有》

120.  静かな雨 《ネタバレ》 透明感のあるたい焼き屋の女性と、そのたい焼き屋に通いながら彼女自身に惹かれていく男性の物語。タイトルのように、しとしとと物語は進みます。たい焼き屋に通う男性、行助はその店の女性、こよみとふとしたことから二人でよく話すようになり、彼女?とは言えないまでも親しくなる。そんな矢先にこよみは事故に遭い、命は取り留めたものの、新しい記憶を留めておけない、毎朝記憶がリセットされるような状態になってしまう。そんな彼女との共同生活も始まり…という内容。 こよみは「世界」という言葉をよく使いますが、行助もこよみもそれぞれの世界があり、それらがゆっくりと混ざり合い、しかし浮遊というか、浮上しているような感覚はなく、なんだかだんだん空気が落ちていくような感覚はあり、まさに、静かな雨のようだ、と思いました。 決して多くは語られない、それほど大きく派手な場面になるわけでもない、だがじわじわと何かを蝕んでいくような感覚はあって、と同時に何かが育まれていく感覚もある、不思議な映画です。 まるで芥川賞に出てくる純文学のような映画でした。といっても、私はその手の小説は苦手なのですが。しかしそんな雰囲気で映画を楽しんでいた中、唯一らしくない、というか変な人間味を見たのが、記憶を繰り返し無くしていき、行助のことも度々忘れて記憶のアップデートがされないこよみに対して苛立ちをぶつける行助のシーン。彼女がそういう状態ということは承知して彼女といることを決めたはずなのに、急に子供返りしたかのように駄々をこねる彼には驚きというか、なんだかショックを受けた。正直かなり引いてしまった。 毎朝同じセリフを聞かされ、同じように説明し、毎回嫌いなものを伝えないといけない。それってやはり重い負担なんですかね。その点で行助がああなってしまったというならちょっと理解できない。昔の彼のことは覚えてて、、、というのも気になることではあるだろうが、こよみは今自分のそばにいてくれてるんだからそれほど思い詰めることだろうか。 なんて言いながら、私も好きな人のことではそんな理性が吹き飛ぶくらい自分でも訳のわからないことになってしまうので、あまり偉そうに言えません。あくまでこれが他人事で、第三者として言えるから余裕を持って言えるだけ。 自分も、冷静な第三者から見ればだいぶ愚かなんだろうなと、行助と自分を重ねて自分を少し戒めました。でもどんなに愚かでも格好悪くても、本当にその人のことを考えて想い続けるための、心の栄養には少しなりました。 また明日以降も少し良い自分になれますように。そんなことを考えた映画でした。[インターネット(邦画)] 7点(2022-04-21 01:25:44)《改行有》

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