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101.  ムーンライト 《ネタバレ》 巻頭で波音が響いてきたかと思う間もなく、カーステレオからの音楽がそれに被さる。それはいいとして、 ラスト近くの二人のツーショットでも波音が静かに二人を包んで響いているところに、劇伴を重ねてしまう。 ダイナーでジュークボックスの曲を台詞の代弁として使っているのも直截すぎてかなり野暮ったい。 そこは作品のスタイルからして、二人が共有するメロディの慎ましい追憶であるべきではなかろうか。 随所にブルーを配置した色彩の設計は終始一貫していて統一感がある。 再会した二人の夜、湯を沸かすためのガスコンロが点火され、青い炎がふっと燃え上がる。そのような細部にも色彩が活かされている。 廃屋の窓を開けてくれたマハーシャラ・アリ。レゲエ男への復讐の意を決して自らドアを開け放ちつつ突き進む主人公。 そして彼を受け入れるガラス張りのダイナー、そのドアの呼び鈴のアクセントと、ドアのモチーフも充実である。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-04-07 01:24:40)《改行有》

102.  ドント・ブリーズ 《ネタバレ》 夜の一軒家を主な舞台とすることで、屋内の構造も全面的に披露される訳ではない。 いずれのショットも黒い闇の領域が大きくとられ、それが複数にカラーリングされた限定的な照明効果と共に追うものと追われる者の関係を 立体的に浮かび上がらせる。 闇の中にスポット的に当てられるライティングは次第に傷を負い消耗していく若者らの表情の痛々しさをより強調し、 しかるべき伏線となる小道具に対し要所要所で効率的に視線を誘導する。 天窓に入った亀裂が小さく音をたてていく、硬質な物質感と音のサスペンス。 引きのショットで二つのシルエットが組んづ解れつ格闘する様も、人間を素手で連打する打擲音の地味な生々しさと共に真に迫る。 二転三転と考えられた後半のサスペンス釣瓶打ちもいい。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2017-04-04 15:42:13)《改行有》

103.  暗黒女子 《ネタバレ》 五人が順々に小説を朗読していく形式ということで、画面は単にあらすじを絵解きしてゆくだけという印象を強くする。 虚仮脅し的どんでん返しを主眼とした作為臭の強い物語ゆえに、どのキャラクターも空虚なパズルのピースにしか感じられない。 仮に女優をそれぞれ入れ替えたとしても、さして不都合はないかも知れない。[映画館(邦画)] 3点(2017-04-02 21:51:20)《改行有》

104.  ジャッキー ファーストレディ 最後の使命 《ネタバレ》 ナタリー・ポートマンの特に横顔を中心としたクロースアップが強調されるが、一本調子の印象。表情芝居に頼り過ぎか。 エイジング処理によるホワイトハウス案内番組の再現シーン、取材インタビュー、狙撃事件後の顛末などが交錯していく構成だが、 彼女の人物像が明瞭に浮かび上がるところまではいっていない。 ナイーヴな側面と、気丈な側面と、そして煙草をふかしながらの強かな表情と。一筋縄ではいかない彼女の多面性が表現されているからでもある。 彼女はこの後、ギリシャの富豪と再婚し、浪費の限りを尽くしたそうな。[映画館(字幕なし「原語」)] 4点(2017-04-01 19:20:53)《改行有》

105.  二重生活(1947) 《ネタバレ》 『オセロ』の舞台劇が題材となる。上演シーンは壇上側からの臨場感を意識したショットで構成され、また各ショットは長めで 役者の芝居のテンションも途切れる事がない。主人公ロナルド・コールマンが次第に役柄に憑りつかれていく幻聴の音響が凝っている。 ミルトン・クラスナーのカメラも彼の徐々に狂気を湛えていく表情を陰影豊かに捉えて、素晴らしい。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2017-03-30 23:56:42)《改行有》

106.  PとJK 《ネタバレ》 上り坂気味の歩道を駆け上がってくるヒロインをカメラが追っていくと、小高い斜面を背景にした路面電車の乗降口があり、ドンピシャのタイミングで 電車がやってくる。 ラストで『Marry You』が流れるなかミニパトが走り去っていくクレーンショットも同様で、 路面電車の発車に合わせたタイミングから逆算して俳優らがディレクティングされているのは間違いない。 特にそのラストは学園廊下から校門前までの長回しミュージカルシーンを通じての逆算と車止めだから相当入念な準備とリハーサルがされたはずであり、 現在の映画はこうした部分に対してもっと評価を得るべきだろう。 バットやナイフを振り回す危険なアクションシーンも含めてだが、極力引きのショットで撮られていることで、街の景観、特に坂道などもよく活きている。 下校する土屋太鳳と高杉真宙が握手する下校道の、並木がざわざわとなるロングショットの風情。 学園祭の体育館にカメラが入ると一気にクレーンアップしてブラスバンド部の見事な演奏と立体的なパフォーマンスの壮観を映し出す外連。 (学園祭の風景は『ストロボエッジ』ともかぶる。) 函館の夜空に舞い上がるスカイランタンの灯りの美しさ。 そして窓ガラスの用法が実に的確だ。それが原作由来なのかどうかは知らないが、その用法は正しく映画的である。 特に二人が微妙にすれ違うシーンに効果的に現れる。窓外からのショットで、画面中央は縦の窓枠で分割されている。 その右手に土屋。左手側に亀梨和也がフレームインしてくる。土屋側には割れた窓ガラスを土屋が補修した跡。 二人が仲直りするとともにカメラが緩やかに右手に移動して二人を一つの窓枠内に収めていくという趣向だ。 あるいは、校庭外に止められた亀梨の白い車の前席部。わがかまりを抱えて気まずい二人はドアウィンドウの仕切りの前後に分断されている、という具合。 そして土屋一家のダイニングの広い見晴らし窓は、彼らの度量の広さと開放的な人柄を象徴するだろう。 ラストの礼拝堂は俯瞰ショットの時点でその黄金色のステンドグラスが後により印象的に使われるだろうことが簡単に予想できるが、 果たしてその美しいグラデーションは大団円のツーショットの背景として見事に決まる。 それはもうダグラス・サークばりと云ってもよい。 二人の家族、友人らまでを過不足なく含めてドラマを作っているところも、この手の作品の中では好感が持てる所以だ。[映画館(邦画)] 7点(2017-03-30 22:52:40)《改行有》

107.  サクラダリセット 前篇 《ネタバレ》 そもそも原作自体が恐らくは映画向きではないのだろう。申し訳程度に砂浜や滝や防波堤が登場するが、それ以外のロケーションも美術も貧相だ。 特殊能力は注視したり、肩に手を置いたりの省エネモードで絵的に面白みが無い。背景を暈した顔面アップ多用による状況解説で手一杯なのだろう。 この調子で前後編にしようというのだから、相当なローコストオペレーションである。 どこやらの施設前の門前で四人がやりとりするのだが、引きで撮れない事情があるのだろう。彼らがどういう位置関係で対峙しているのかも判然としない。 白いカーテンや、エイジングしたフィルム感覚のショットなどは相変わらずだが、『半分の月が~』の後がどうもパッとしない深川栄洋である。 たとえ突飛な設定であっても、そこから普遍的なエモーションを掬い上げることは出来るはずだが、その拠り所すら見いだせない。[映画館(邦画)] 3点(2017-03-29 22:00:25)《改行有》

108.  パッセンジャー(2016) 《ネタバレ》 主要なキャラクターは若干4名。そういう意味では経済的なのかも知れないが、その分船内の美術のスケールと豪華さによって 見る楽しさが持続する。それでもドラマをほぼ二人だけで見事に牽引するのだからどちらも大したものである。 中盤までは、ジェニファー・ローレンスを除く二名と観客が秘密を知っている、その事がサスペンスを生み、 後半は二人の愛憎の劇とスペクタクルで魅せていく。 命綱を使った救出劇は『オデッセイ』には及ばなかったか。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-03-26 22:01:15)《改行有》

109.  キングコング: 髑髏島の巨神 《ネタバレ》 BGMを伴うヘリの編隊飛行。その中で執拗に強調されるローターの回転運動。空爆。ジャングルの暗闇を染める炎。水牛のイメージ。 無言の原住民。河を下るボート。L・B・ジョンソン。そして「王殺し」。 嫌でも連想されるコッポラ『地獄の黙示録』のイメージの数々である。 中盤でチームが二手に分かれると、南洋版『八甲田山』的な展開かと思わせたりもする。 その割に本家33年版への思い入れが少し稀薄であるのが物足りない。 対戦相手が次第に弱っていく断末魔の細かい動きとか、その死を念を押して確認する動きとか。そうした手の込んだ細部の描写による 映画的リアル感の演出のことである。やたらにピント送りで視線を誘導したがるのも鬱陶しい。 結局は帰還兵のエピソードを以てエピローグとなるが、個々のキャラクターのドラマも半端にすぎる。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-03-26 03:03:12)《改行有》

110.  ひるなかの流星 《ネタバレ》 親を都合よく海外へ出そうが、勉強そっちのけだろうが、この手の作品にはもう慣れたのでいいが、 眼を見開いて口をすぼめるヒロインの表情つくりも単調で飽きる。アップに頼り過ぎるのがよくない。 全身表現として食事させたり、走らせたりはすれども、お転婆の設定の割にバリエーションが貧困である。 小津作品のように髪を上げ、おでこを見せて顔の造作をはっきり撮っているのは好感が持てる。[映画館(邦画)] 4点(2017-03-26 03:00:04)《改行有》

111.  ひるね姫 ~知らないワタシの物語~ 《ネタバレ》 バスやサイドカーなど、ヴィークルの類は3DCG全開。 一方でキャラクターは影を省き、コマ落とし風の処理を施し微妙にギクシャクさせた2Dアニメーション風。 そこに空気感や照明効果のVEを乗せて、独特の手作り感を醸す。 大判のカットを用いて、人物の小ささとロボットの巨大感を一つのショットで提示した個々のレイアウトも見事で、スケールがある。 クライマックスの廃墟の中をヒロインが駆け抜けていく回り込みのショットや、 ラストで縁側に座った3人からカメラが引いて海側へとパンしていくショットなど、結構手の込んだカメラワークと作画の融合が唸らせる。 ワイドレンズを意識した構図、鳥のいる風景、<越境>を演出する瀬戸大橋の用法など、ところどころで「ドリーマー」繋がりの師匠印がちらつく。 通学の坂道から始まり、昇降・落下をモチーフに繰り広げられるアクションも散発気味。 せめてタブレットをめぐる争奪戦や駆け引きをもっと活劇的に見せてほしい。[映画館(邦画)] 5点(2017-03-23 07:59:29)《改行有》

112.  3月のライオン 前編 《ネタバレ》 神木隆之介と清原果耶が夜の隅田川に佇んでいる。そこを屋形船の灯りが清原の立つ左手から神木のいる右手に進んでいくところでショットが切れる。 屋形船の光の航跡によって少女の想いをそれとなく象徴させる、というのは気の利いた演出家なら当然施すだろう処理だが、 大友監督の場合はどこまで意図的だろうか。人物の背後の情景にまで気を配るタイプには思えない。 川や水門や橋、屋形船、そして高層ビル群と下町の風情を織り交ぜたロケーションに力を入れているのは伝わるが、 例えば水門なら壁、橋なら絆くらいのメタファーを人間ドラマの中に活かしてもよいだろうに。 結局は対局シーンも背景を暈した表情とモノローグに特化した直接的な表現だ。 最近はやりの、経済的な前後編分割方式。例えば合計3時間で語れるものをそれぞれ2時間、計4時間に水増しする羽目になって、 却ってドラマが冗慢になっていないか。[映画館(邦画)] 4点(2017-03-20 21:48:54)《改行有》

113.  アサシン クリード 《ネタバレ》 ドローン空撮や、馬車チェイス、市街でのアクロバティックなアクションなど、折角のスタントを雑な編集がことごとく台無しにする。 然程難しくはないはずの話に半端な観念談義を加えて、あたかも小難しそうに語りたがるのがこの手の作品の悪い癖だ。 そもそもマント下の顔貌も判然としない主人公に思い入れどころでなく、クライマックスに至っても何らカタルシスのない 陰気なドラマに滅入るばかりである。[映画館(字幕なし「原語」)] 3点(2017-03-18 10:30:34)《改行有》

114.  恋妻家宮本 《ネタバレ》 アップの表情とモノローグの氾濫と劇伴で一から十まで説明しつくすテレビドラマ仕様。 息子の転居であるとか、妻が語るボランティアの話とかロウソクの小道具であるとか、 震災後の福島が絡むエピソード(原作では宮城)なども取ってつけたように持ち出されるのだが、これも見事にただ台詞として語られるだけで 具体的な画面として提示されるわけでもドラマの大筋に係わってくるわけでもない。善良で優しいストーリーのダシに利用されている印象すら受ける。 主要な要素の一つである料理の映像も下手(そもそも調理を描写しない)だし、富司純子の扱いも酷い。 この程度のものをよく海外に出せると思う。『道程』とかのつまらない日本語エピソードなどの翻訳をどうするとかの意味ではなく、 単純に観客を舐めた言語偏重の全面介護方式という意味で。[映画館(邦画)] 3点(2017-03-18 00:11:08)《改行有》

115.  空軍/エア・フォース 《ネタバレ》 暗号の変換機らしきマシンがリズミカルな音をたてて稼働する。どのような構造なのかなどは全くわからないが、 その機械自体の動作が面白い。 爆撃機が離着陸するプロセスの詳細な描写。プロペラが起動し、回転し始まるまでの運動もまたメカの動きの面白さと共にサスペンスをも形作る。 一旦離陸してしまえば、機自体に運動はなくなるが、さまざまな表情をみせる雲や煙が画面に動きを呼び込む。 搭乗員と基地のメカニックらが一致協力して油を運び、激しい弾着の中、人力で機を方向転換させ見事に離陸させるシーンなど、俄然盛り上がる。[映画館(字幕なし「原語」)] 7点(2017-03-15 12:47:50)《改行有》

116.  ラ・ラ・ランド 《ネタバレ》 クラクションから始まる二人の出会い。バーでの再会は街路に流れてくる音楽に引き寄せられてのものだし、店に入ったエマ・ストーンへのトラックアップに重なるのはあのクラクションの響きだ。三度目の再会もパーティ会場に流れる音楽が二人を引き合わせ、ボーイフレンドと会食中のエマ・ストーンが意を決して映画館へ向かうきっかけとなるのはレストランのスピーカーから流れてくるあのピアノソロである。 車のクラクションはさらに変奏されていき、最後のそれは夢をあきらめた彼女の決定的な転機となる感動的な呼びかけの響きとなるだろう。 音色とその記憶が一貫して二人を引き合わせていく演出は周到である。 エマ・ストーンが化粧室で独唱するとき、独り舞台に立つとき、最後のオーディションを受けるとき、照明が落とされ単一に近い光源が彼女を照らし出す。 プラネタリウムを舞い、スターとなるべき彼女はスポットライトを正面にみる。リアルト劇場の映写ライトの光を正面から受けるのも彼女の特権であり必然である。 序盤のバーのシーンでは赤のライティングが彼女のブルーのドレスを引き立て、中盤の仲違いのシーンでは緑のライト、終盤のバーではブルーのネオンが 彼女を印象的に縁取るが、たそがれ時の淡い光の中、『A LOVELY NIGHT』のタップを踏む彼女の黄色いドレスは可憐さを一層引き立てている。 そしてラスト、万感の表情で視線を交わす二人の切り返しショットが素晴らしい。[映画館(字幕なし「原語」)] 8点(2017-03-14 21:41:13)《改行有》

117.  チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜 《ネタバレ》 中条あやみが広瀬すずの家を訪問するシーン。広瀬が背後の台所にいる父親のほうに気をとられていた間、中条の視線の対象として壁に施された広瀬自作のスケール、次いで仏壇に掛けられた母親の写真を映し出す。中条は広瀬の陰の努力を理解し、家庭の事情とともにチアダンスに対する思い入れの根拠を知る。 その帰り道、それを補足説明する会話を入れてしまうといった愚を犯さないところが嬉しい。 そこから二人の仲間集めが始まるのだが、ここも簡潔な台詞と笑顔、そしてダンスのシンクロによってエモーションを盛り上げる。 あれもこれものエピソードを端折る意味合いが大きいのだろうが、 背景や心情など、説明の無駄をあまり感じさせない効率的な語りは好感度が高い。(音声主体で示唆される、広瀬が怪我するエピソードや、 メンバーに復帰した彼女が周りの動きに同調出来るようになる動きと仲間たちの応答。) 本番前に円陣を組んでの、中条と広瀬の間で交わされる会話のやり取り。そのシチュエーションの反復描写がもたらすのはユーモアだけでなく、 チームの結束と成長の有効な提示だ。フクイをアピールしすぎの気もするが、「ほやほや」などの方言の愛らしさは映画をより一層魅力的にしている。 終盤ではそつなく天海祐希の視点とドラマをインサートし、天海の台詞を広瀬に反復させることで教育と継承のドラマとしてもまとまっている。 ひとつのフレーズを他者が反復することで豊かな関係性を生起させている。[映画館(邦画)] 7点(2017-03-13 21:54:00)《改行有》

118.  素晴らしきかな、人生(2016) 《ネタバレ》 クロースアップが主体だが、各々の俳優の表情が皆良くてショットに品がある。 その背景をソフトに暈したショットの中から、次第にフォーカスされる形で愛と時間と死を担う3人はウィル・スミスの前に幻想的に立ち現れる。 イルミネーションが輝き、小雪の舞う街のロケーションもいい。空撮による夜景ショットの美しさ。 ブリッジを自転車で渡るウィル・スミスやラストの洒落た跨線橋を始め、印象的な橋のショットが随所に選ばれているのは、 人々の繋がりあいのドラマゆえだろう。 繊細で慎ましいスコアも静かに美しくドラマを彩っている。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-03-13 20:44:32)《改行有》

119.  ドクター・ストレンジ 《ネタバレ》 事故で投げ出された車の回転などを始めとして、ひとつの運動にさらに一捻り動態を加え、画面を活性化させている。 マントに翻弄されたり、幽体離脱させられたり、異次元空間に放り込まれたり、手指の不自由な主人公のアクションは受動的で、 重力が歪み時間が逆行する世界の中での戦闘も思うようにはいかない。 周囲の状況のCGスペクタクル化によって活劇が維持されるのである。 最後の手段も決着もややカタルシスを欠くものの、赤マントの芝居などユーモラスな細部がちりばめられているのが救いだ。 どこか夏目雅子を思わせるティルダ・スウィントンの謎めいた佇まいも東洋の情緒を仄かに醸す。[映画館(字幕なし「原語」)] 5点(2017-03-12 04:23:19)《改行有》

120.  モアナと伝説の海 《ネタバレ》 青い海を滑る帆引き船の疾走感と速度感が素晴らしい。その帆や舵を重心移動や身体の転回によって操る操縦感覚がいい。 水平運動が主となるが、山への登頂や深海への潜水など、空間の縦横無尽の使いこなしもアニメーションならではの醍醐味だ。 透明感のある水のダイナミックなアニメーションと、入れ墨の図柄を動かす素朴風アニメーションの味わいとのバランスも良好。 いわゆる南洋のイメージ溢れる色彩のバリエーションも実に豊かだ。 宮崎オマージュと思しき細部もふんだんに見受けられるが、とするとラストの仕掛けは『ガリバーの宇宙旅行』あたりを参照しているかもしれない。[映画館(吹替)] 7点(2017-03-10 22:21:33)《改行有》

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