みんなのシネマレビュー
目隠シストさんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113
投稿日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113
変更日付順1234567891011121314151617181920
2122232425262728293031323334353637383940
4142434445464748495051525354555657585960
6162636465666768697071727374757677787980
81828384858687888990919293949596979899100
101102103104105106107108109110111112113

101.  ベイビーわるきゅーれ 《ネタバレ》 気分次第で10点もあり得たくらい個人的にドストライクな映画でした。何と言ってもアクションがずば抜けて素晴しい。喩えるなら、ジャッキーチェンのカンフーにUWF系のグラウンドの攻防(俗にいうUの回転体)を融合させたような格闘ムーブに見惚れました。主要キャストでも躊躇なく唐突に殺されるお約束無視な脚本も素敵。主役2人のナチュラル過ぎる演技は賛否が分かれそうですが、キャラに合っているのでこれも味のうちでしょう。本当に痺れました。大好きです。しかし皆さんにオススメしたい傑作かというと些か躊躇します。例えばアクション好きな方であっても、好き嫌いが分かれそうというか。その辺りがアクションエンタメとして高い完成度を誇る『キック・アス』や『ファブル』との違いかと。とことんマニアック志向なのです。好きな人にだけ刺さればそれでよいという潔ささえ感じさせます。たとえば主役2人が銃を構えるパッケージデザイン(ポスタービジュアル)。全くぱっとしません。でもスクリーンの中で動く彼女らは凄く魅力的なのです。べつにアクションシーンでなくても。こうなるとプロモーションに問題があるのではと思ってしまいます。あまりに勿体ない話。エンタメは大衆に支持されてこそと思うのです。喩えが合っているかどうかアレですが、まるでAマッソを見ているような。本作が大衆性を身に着けたら鬼に金棒に違いありません。勿論魅力が半減する可能性も否定できませんが。さて続編の出来や如何に。正座してお待ちします。[DVD(邦画)] 8点(2022-11-30 23:50:13)

102.  ノイズ(2022) 《ネタバレ》 「もし自分だったらどうしただろう。同じ過ちを犯したかもしれない」明日は我が身。観客にそう思わせればしめたものです。没入感、当事者意識。優れたサスペンスの必須条件です。これが映画におけるリアリティの役割と考えます。しかし脚本センスの無さが、肝心な場面で足を引っ張りました。意識のない男の胸を殴りながら『戻ってこい!』。医者が、いや織田裕二だから成立するのであって、誰が使ってもよい台詞ではありません。この瞬間リアリティが吹き飛びました。冒頭から丁寧に張ってきた「瘡蓋」の伏線も無効化です。観客が冷静になってしまったら、もう嘘は嘘でしかありません。『あんな状況で犯罪隠蔽なんてするわけないよね』『離島に対する偏見エグくない?』『追加で2人が死ぬ展開って流石に無理あり過ぎでしょ』ずっと醒めた目で観てしまいました。あと黒木華さんは本当に大好きな女優さんですが、本作のキャスティングには(指摘した方が悪者になるような)そこはかとない悪意を感じます。[CS・衛星(邦画)] 5点(2022-11-26 14:27:42)(良:1票)

103.  マスカレード・ナイト 《ネタバレ》 性善説を拠り所とする顧客至上主義(ホテルの正義)と、防犯や検挙のため性悪説をとらざるをえない警察の理論(警察の正義)。異なるイデオロギーの対立構図はリベラルと保守の関係を連想させます。まるで水と油。客の無理難題にノーと言わぬホテル、捜査のため客室への無許可立ち入りを正当化する警察。どちらも私の感覚では受け入れ難い態度であり、やはり極端過ぎる価値観は駄目だなと再認識しました。それでも新田と山岸はお互いを認め合っており、相反する立場であっても相互理解と尊敬があれば、歩み寄りは不可能ではありません。それが本作で提示される希望であり、メッセージでもあると思います。ただ前述したとおりどちらの価値観もそもそも許容し難いため、認め合ったところで大して感動できないのが辛いところです。 ミステリーとしては小粒ながらよく練られており見応えがありました。役者さんもバラエティに富んでおりお得感があります。そんなの中、飛び抜けていたのが麻生久美子さん。技量も存在感も素晴らしく、ひとり異次元の怪演でした。もともと好きな女優さんでしたが、今回私の中で株がストップ高を記録した程です。それだけにタレント兼業の役者さんが可哀想で。田中みなみさんも、博多華丸さんも決して下手ではないと思いますが、本作の麻生さんの前では見劣りするなというのが無理な話。配役の重要度に応じて演技レベルや役者の格を合わせないと、違和感が際立つので注意が必要だと思います。その点、木村佳乃さんの上手さも際立っていました。流石です。 最後に主役2人のロマンスについて。前作ラストで結構いい感じだった気がするのですが、その後進展は無かった模様。それで今回もラストでまた気のある素振り。別に恋愛は自由ですからご勝手にという話ですが、いい歳した大人がちんたらやってんのは正直見ていられません。だって撮影時の実年齢キムタク49歳、長澤さん34歳ですよ。それで彼女が帰国するのを待つって何を悠長なことを言ってんだか。20代で許される恋愛が30代や40代でも通用すると思ったら大間違いですよ。それともアレですか。キムタクの本命は中村アンなので、本当にただの食事の約束でしたか。いやはや勝手に盛り上がり興奮した自分が恥ずかしいです。私のような終身名誉童貞みたいな者が、イケメンイケ女様の高度な色恋沙汰に口出すような真似をして本当にすみませんでした。[インターネット(邦画)] 5点(2022-11-19 18:24:34)《改行有》

104.  パラサイト 半地下の家族 《ネタバレ》 主人公家族は身分を偽り富裕層一家に取り入りました。労働の対価として報酬を得ているものの、正当な見返りとは言い難いため確かに『寄生』とみなすことが出来そうです。宿主に覚られず、こっそり生き血を啜るのが寄生の本流でしょう。しかるに本ケースでは寄生者が宿主を殺害しました。寄生虫の中には宿主を殺す捕食寄生というものがあるそうですが、今回は違います。何も利益がありません。ただ感情のままに殺したと。理由は『自尊心を傷つけられたから』。これは半分正しく、半分間違っていると考えます。いくらプライドを傷つけられたにしても、普通なら一発殴れば済む話ですから。 父が凶行に及んだのには大きく2つ理由があったと思います。1つ目は『スイッチが入った』から。大量出血する我が子の姿を目の当たりにして、父の脳は「戦争」モードに切り替わりました。これはある意味当たり前の話。自己防衛は本能的にも社会的にも認められた権利。ただここで面白い現象が起きました。怒りの矛先は加害者ではなく富裕層一家に向けられました。ここで2つ目の理由『感情のすり替え』が登場します。いわゆる吊り橋効果に同じ。加害者に向けられるはずの殺意を富裕層一家に転嫁した訳です。普段から富裕層一家に対して負の感情を溜め込んでいたからこそ起きた「必然のすり替え事故」と言えましょう。身分と感情のすり替えが産んだ悲劇でした。富裕層一家にしてみれば、完全なもらい事故でお気の毒としか言いようがありませんが、サバを酢で締めもせず常時刺身で食べていたら、そりゃねえという話。ですから悲劇の理由を、貧富の差だとか社会システムの弊害だとかに求めるのはお門違いという気がします。単純に危機管理が甘かっただけ。寄生虫が疑われる食材は、きちんと処理しないと危険ですよという教訓と理解します。きちんと知識のある人が料理した刺身やお寿司を食しましょう。あとしっかり噛むのも寄生虫対策になるそうですよ。[インターネット(吹替)] 7点(2022-10-08 18:46:07)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

105.  秘密結社 鷹の爪 THE MOVIE4 ~ カスペルスキーを持つ男~〈OV〉 《ネタバレ》 劇場版『鷹の爪』は全て抑えているつもりだったのですが、ナンバリング4は劇場3作目のセルDVD特典にのみ収録されているOVだそうで、気づかないうちにスルーしていたようです。今回某サブスクで見つけて鑑賞いたしました。 お久しぶりの鷹の爪でしたが、その面白さは期待どおり。今回の主役はデラックスファイター。長らくベールに包まれてきた素顔が曝されるというレア回であります。まるでサングラス無しのタモさん、あるいは世を忍ぶ仮の姿の閣下のごとし希少性(嘘)。物語のフォーマットは『シェーン』や『タンポポ』の丸パクリ、もといパロディですから観易いですし、手堅く楽しめると思います。ドクズな不倫未遂を切ないロマンスにカモフラージュする演出テクニックもなかなか。尺も短いですし鷹の爪ファンなら観て損はないでしょう。ちなみにカスペルスキーとはセキュリティソフトの名称でした。要するにいつものタイアップです。そりゃそうだ。[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-07 18:29:10)《改行有》

106.  スモーキング・エイリアンズ 《ネタバレ》 普通ならタイトルは『スモーカーVSエイリアン』でしょう。あえて『スモーキング・エイリアンズ』=『喫煙する異星人』にしたのは、劇中提示されるエイリアン撃退法に加え"喫煙者の方こそ人じゃない"というキツめの暗喩、そして『ウォーキング・デッド』に対するオマージュも含んでいそうです。そう、物語の骨子はゾンビ映画そのものでした。立て籠もるのはスーパーではなく社食。銃の代わりがタバコ。ヘッドショットならぬマウストゥマウスで奴らを仕留めろ。幾ばかりかの風刺を含みつつも、設定、脚本、演出、演技、キャスティングなど全てのパラメーターが等しく小さな図形をつくる純然たるB級作品であり、正真正銘のバカ映画でもありました。この手の映画好きには好感度が高そう。かくいう私も大好物であります。元喫煙者の感染者にはタバコの煙が効き難いなんて無駄に芸が細かいところも素晴らしい。リアリティなど大事なところは全スルーしつつ、どうでもよいところに拘るのがバカ映画のバカ映画たる所以ですから。当然ながら面白くてたまらないという事はありませんが、ずっとニヤニヤ(半笑い)出来ました。バカ映画好き、ゾンビ映画好き、B級映画マニア、どれかに当てはまる方は観ておいて損は無いです。もちろん得もありませんけども。主演、2番手キャストに元セクシー女優を配したほか、我らが一番星・亜紗美嬢も特別出演されています。[インターネット(邦画)] 7点(2022-10-06 17:49:32)

107.  決戦は日曜日 《ネタバレ》 タイトルの元ネタはドリカムの名曲『決戦は金曜日』と思われます。日曜日、それは選挙投開票日を意味しました。国政に挑む世襲候補とその秘書の奮闘を描いた社会派ブラックコメディです。政界・選挙戦を扱った映画やドラマは数多くありますが、そのリアリティ度合いは様々です。ドキュメンタリーから架空の国を描いたファンタジーまで幅広い。本作はリアリティを担保しつつシリアスに寄り過ぎぬ軽やかさが魅力で「大人な笑い」を満喫できました。何と言ってもキャラクター造型がいい。ルックス良好、歯切れ良く意味不明な言い回し。世襲候補のモデルはあの方かな。そんなお嬢様を支える秘書を窪田正孝さんが好演しました。絶やさぬ笑顔は、魑魅魍魎跋扈する政界で生きぬく為の知恵でしょう。仮面は心を守る防護マスクです。でもずっと仮面をしていたら、外し方を忘れてしまいまうもの。コーヒーの味も分からなくなる程、泥に浸かっていた事を悟った主人公は遂に我に返りました。かくして新人候補とその秘書による掟破りの極秘計画が実行されたと。後半は一気にエンタメ色が強くなりましたが、その皮肉な選挙結果や希望と覚悟のエピローグも含め腑に落ちるものでした。川島有美氏は意外と骨がある人物でしたし、優秀な懐刀も腹を括りました。これから良い政治家になることが期待されます。モデルとなった現役議員さんの方はどうか知りませんが。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-10-01 22:46:24)(良:1票)

108.  いざなぎ暮れた。 《ネタバレ》 島根県松江市美保関が舞台のご当地映画。公式ホームページのプロダクションノートによりますと、もとは15分の短編映画企画だったそう。それが80分超まで膨らんだ訳ですから、映画に関わった皆さん大変なご苦労をされたことでしょう。もちろん作品にかける情熱が成せる業。その本気度は、地元PR要素がほとんど無いことからも窺えます。ただ本作の場合、タイトルどおり『古事記と縁ある神がかりな土地』であることが重要な伏線であるため、土地柄や祭りの伝承等はむしろ積極的に周知すべきだったと考えます。劇中での地元紹介は下品でも何でもありません。それに地元の人たちにとっての日常は、外部の者にとっての非日常。映画を通じた疑似旅行体験もご当地映画の楽しみ方のひとつです。ぜひ地元愛全開で郷土の誇れる歴史をPRして欲しいと思いました。 ヒューマンドラマ、犯罪もの、ミステリー、タイムリミット型サスペンスと多くの要素をはらむ物語は『神のお導き』によりヒューマンドラマへ軟着陸いたしました。ベタといえばベタな結末ですが、こういうお話みんな嫌いじゃないですよね。何より主役お二人がお上手でした。特に枚熊克哉さん。水商売のチャラさ、詐欺を企む悪党顔の隙間から覗く善良さが魅力的です。色気と雰囲気のある役者さんで、映画の格をワンランクアップさせる力のあるお方とお見受けしました。武田梨奈さんもすっかりアクション女優の肩書が外れたよう。贔屓の女優さんなのでご活躍何よりであります。ちなみに本作は吉本興業制作のため芸人さんが多数出演していました。ネルソンズの青山フォール勝ちさんに至ってはクレジット3番目という好待遇。いつものコント演技と変わりませんが、何の問題もありません。そもそも演技が上手いんですよね。歌ネタ王メンバーもチョイ役ですが印象的なポジションを任されていました。観光客役の方については神様=イザナギの化身との解釈も可能なオイシイ役どころでしたね。ちなみに、初見で和田まんじゅうさんの出番が分かった人は凄いと思います。[インターネット(邦画)] 6点(2022-09-28 09:24:03)《改行有》

109.  地球がこなごなになっても 《ネタバレ》 エイリアン侵略後に平穏を取り戻した世界が舞台。設定こそSFですが『差別』をテーマにした青春ドラマでありました。個人的な好みを言えば、煙幕となるSFにこそ力を入れて欲しいところ。隠されたテーマが浮かび上がる部分に驚きや感動がある訳で。そういう意味で本作のSF設定は薄過ぎました。まるで透明レインコートのよう。別に映像にお金をかけなくてもSF色を濃くすることは可能なはずです。例えば印象的な『指鉄砲』に本当に殺傷能力を持たせてもいいですし、緑眼になった時に何らかの能力が発現するでもいいですし。台詞だけで作り上げる『エイリアンテクノロジーの世界』とかロマンがありますし、硬派じゃないですか。『HIV』という言葉を使いたくなかっただけという意図が透けて見えるのが不細工なのです。折角SFに手を出したなら最後までやりきるべし。タイトルが中二病的なので、それに合わせて物語も中二病ノリで作り上げたなら、メインテーマをきちんと包み込んだ面白い作品になった気がします。[インターネット(邦画)] 5点(2022-09-27 19:59:46)

110.  おろかもの 《ネタバレ》 刺激的な展開で惹き付けるというより、人物造形の魅力で勝負するドラマ。前者は脚本テクニックがあれば可能ですが、後者は確かな人間観察や人生観を必要とするため、より高度で繊細な作業と考えます。監督が「自分は何者か」を知らしめる行為でもあります。物語を通じて監督の人や成りが分る映画には、もれなく芯が通っています。だから安心して楽しめます。この監督さんは信頼できると早い段階で確信しました。それでは物語の感想に入ります。 お話は「結婚を控えた兄を持つ妹」と「兄の浮気相手」という奇妙な組み合わせのペアを中心に進行しました。本来は相容れない立場の2人ですが、不思議とウマがあった様子。浮気相手の背景は詳しく語られないものの、その歪な恋愛遍歴を聞く限り彼女もまた兄妹と同じような家庭環境かもしれません。なお同級生が指摘するように両者(というより妹の方)に「百合的」な感情があったのか定かではありませんが「似た者同士」なのは間違い無さそう。タイトルに沿えば「おろかもの」であります。そんな2人が共通の敵に据えたのが「兄の婚約者」でした。浮気相手にしてみれば当然の敵ですが、妹の方は「何となく苦手」程度の相手。おそらく居心地の悪さの正体は、婚約者の「圧倒的な人間力」にあると推測します。ライオンを前にしたインパラのような。私の体感的にはティラノサウルスでありますが。一人だけステージが違いました。圧倒的な戦力差を思い知った妹は、早々に白旗を上げました。もちろん浮気相手もそんなこと百も承知。婚約者と対峙していますから。負けると分っていても退けないのは、彼女が長く生きてきた証。誰だって生きていくうちに意地とプライドの鎧を纏うのです。負けても一矢報いたいと願うのは人情として理解できます。しかし練習試合ならまだしも、戦争はそうは行きません。負けは即「死」を意味します。結婚式へのカチコミはそういう類の戦い。実際、婚約者が壇上から正対した時点で勝負は決しました。あのまま突っ込んでもハチの巣。名誉の戦死などでは決してなく単なる犬死でした。ですから振り上げた拳を下し降伏したのは正解。鉾を納めさせた妹もグッジョブでした。勝利より負け戦から多く学べるのが人生のよいところ。2人のおろかものには、今回の件を通じて成長して欲しいと願います。妹の方は間近にお手本がいるので大丈夫。浮気相手の方も己が弱点を知り、強者が強者たる所以を知れば、勝利に近づくでしょう。もっといい男を捕まえてください。一方兄に至っては「おろかもの」というより「ろくでなし」で女癖の悪さが変わるとは思えません。しかしティラノサウルスにかかれば、あるいは更生の目があるのかも。交通事故で生死を彷徨ったエピソードは「生まれ変わり」の暗示かもしれません。「おろかもの」を正しく描き、でも否定はしない。そんな人間愛が本作にはありました。[インターネット(邦画)] 8点(2022-09-27 19:57:07)(良:1票) 《改行有》

111.  レディ in ホワイト 《ネタバレ》 如月彩花が纏う「白」は、「何者でもない」または「生まれたまま」の象徴と解します。彼女が原石だとしても、磨かれていなければただの石ころです。実績がない、己が能力を示していない者が威勢のよい台詞を吐いたところで「ほら吹き」「妄言」と取られるのがオチ。普通なら面接で落とされて終わりでした。しかし世の中には一定数の「物好き」や「ギャンブラー」、稀に「目利き」がいます。いずれにせよ彼女は運に恵まれ、とある企業に拾われました。新人がパワハラ上司の下についたら潰されるのが常ですが、彼女は持ち前の芯の強さ(というより傍若無人ぶり)を発揮して難局を乗り超えます。ここでも彼女は幸運でした。上司はパワハラ野郎であっても陰湿では無く、仕事面では有能でした。無能で陰湿な最低上司に比べてマシと言うのも変ですが、原石を短期間で研磨するには有効な劇薬だったようです。人事部長の采配や恐るべし。 黒を羽織らされても中に白を身に付ける気概にヒロイン適性あり。ハイライトはアンケートのシーンです。インタビューしながら主人公は涙しました。パチンカーの戯言の何処に心打たれたのか不明ですが、きっと「自分の中には無い何か」に化学反応が起きたのでしょう。止めどなく流れる涙は、まさしく「無駄なものが落ちた」「殻を破った」を端的に表したものと考えます。かくして原石は宝石に生まれ変わりました。「自分が宝石だと信じる」と「自分が宝石であることを知る」は天地ほど差があります。己が価値を知った宝石の居場所は自ずと決まる。そんな結末であったと考えます。ですから当初主人公が着ていた「白」と、ラストカットで身に付けていた「白」では全く意味合いが異なります。ちなみに宝石の種類はパールでしょうか。石言葉は「富」です。 もっとも今回の一件は「運よく宝石が発見された」極めて稀なケース。原石っぽく見えても大抵は駄石です。それに経験不足の子どもの高い自己評価と政治家の公約ほど、あてにならないものはありません。前述したとおり「ほら吹き」か「妄言」が相場。でも同じ事が自己評価の低い人にも当てはまります。宝石じゃないにしても、レアメタルや有価値な成分が眠っているかも。だからとりあえず研磨してみるのです。なるべく、いろんな方法で。何か出てくればラッキー。出てこなくても、形が良くなれば使い道があります。それに普通の石が無かったら道路一つ作れませんから。これが50年間石ころをやってきた者の持論です。 主演は吉本実憂さん。私の鑑賞歴では『罪の余白』『大コメ騒動』に次いで3作目。今はオスカープロモーションを離れているようですが、米倉涼子さんや福田沙紀さんと同じく戦闘力高めなオスカー顔の美人女優さんです。敵役は勿論ですが、第一印象のギャップを活かして良い人役もいける。意外と汎用性の高い顔のタイプなのかなと思います。どちらかというと主役よりも脇役で映えるタイプかもしれません。[インターネット(邦画)] 6点(2022-09-27 19:55:55)《改行有》

112.  クネクネ<OV> 《ネタバレ》 『テケテケ』を観て『クネクネ』を観ないのも何だか不義理な感じがして謎の義務感で鑑賞しました。都市伝説クネクネをwikiで調べてみるとかなり曖昧な現象のようで、映画化にあたり相当脚色していることが分かりました。一番驚いたのは、クネクネ自体が全然くねくねしていなかったこと。DVDパッケージの図柄はそれなりにくねくね感があったと思うのですがフェイクでしたか(あるいは詐欺とも言う)。「くねくね」を呪う方ではなく、呪われる方に適応させ、手足を折られて絶命する様を「くねくね」と表現した訳ですね。何という大胆な改変。でもこの決断は正解だったと思います。だって菅原小春クラスのダンサーならいざしらず、ダンスに素養のない者が幾らくねくねしたところで失笑モノでしょうから。原作がある訳でも何でもないのが都市伝説。面白く(怖く)する為に工夫するのは大歓迎でしょう。この調子で型にはまることなく、自由な発想で怪物「クネクネ」を創り出せれば、あるいは『ノープ』のような傑作になったかもしれないと思うのですが、惨殺された女の呪いが元凶というありきたりな着地点にガッカリしました。結局のところ、やっつけ感が滲み出ちゃってるんです。じゃなきゃセルフ失明する村民なんて論外な設定が通る訳ないですもの。[インターネット(邦画)] 3点(2022-09-26 20:22:01)

113.  エスケイプ・フロム・トゥモロー 《ネタバレ》 忘備録として『エロ親父、今際の際の妄想日記@夢の国』。言いたい事は分からなくもないですが(いや、やっぱりよく分からないや苦笑)、だから何なんだとも思います。無許可撮影がセールスポイントになる映画は間違っていると思うので採点放棄にしたいところですが、下手に0点とか1点を付けて好事家向け駄目映画として価値が出ても困るので3点くらいが妥当と考えます。人知れず、静かにB級凡作の沼に沈んで頂ければと思います。[インターネット(字幕)] 3点(2022-09-24 23:24:54)

114.  隙間女 劇場版 《ネタバレ》 ネタバレしています。ご注意ください。 隙間女の生態は妖怪寄りだと思うのですが、その正体は幽霊(悪霊)だそうで。殺された恨みから生まれた存在であることを鑑みると本来なら地縛霊相当という気がしますが、場所に縛られることはなく呪った相手を追いかけて行く能力あり。しかも相手の命を奪うだけでなく、同族の隙間女(男)に変えてしまう力まである模様。もはや幽霊や妖怪を超えた怪物です。ただ出現するには「隙間」という縛りがあるため対策は可能。家具やドアの隙間をガムテで貼るだけで十分有効でした。ワンルーム住まいでミニマリストにでもなればかなり安全。それでもたまには引きずり込まれそうになるでしょうから、助けてもらうためにパートナーが居た方がいいでしょう。かなりのストレスですが、環境にヒトは慣れるもの。問答無用の即死系の呪に比べればだいぶマシだと思います。どうせ取り憑かれるなら愛嬌のある隙間女にお願いしたいところ。案外お友達になれたりして。 B級邦画ホラーとしては恐らく標準的な出来です。程々に怖く、程々に突っ込める。当たりではないものの、ハズレでもありません。[インターネット(邦画)] 4点(2022-09-23 22:55:42)《改行有》

115.  リアル人狼ゲーム 戦慄のクラッシュ・ルーム 《ネタバレ》 本作は桜庭みなみや土屋多鳳、武田玲奈等人気若手女優が主演したサスペンスドラマ『人狼ゲーム』シリーズ作品ではなく、あの(どの?)知る人ぞ知るZ級ホラー『リアル人狼ゲーム』の続編だそうです。とはいえ前作の後日談でもなければ、共有されるフォーマットも無し。そもそも『人狼ゲーム』ですらないというビックリ作品でした。前作も偽りの看板を掲げていましたが、『手打ち蕎麦の店』が機械打ちだった程度の嘘。本作は蕎麦屋じゃなかったという話。喩えるならガテン系(死語)御用達『ワークマン』がいつの間にかカジュアルウェアやキャンプ用品を売る店になっていたような。違うかな。蕎麦を注文したら焼きそばが出てきました。怒って帰るのもアリですが、料金は支払い済み。失った時間は返りません。ならば食すのみであります。オカルトであり、SFであり、不条理であり。ダチョウ風に言うなら甘からず、辛からず、美味からず。まあハッキリ下手ではあるので(主役不在、行動破綻、唐突な謎解き)あまり満足度は高くないと思われます。ただし、見ようによっては荒木飛呂彦的と言えなくもなく。低確率ながら刺さる人には刺さる(面白がれる)と思われます。「ごとう」のいで立ちはまるで吉良吉影(デッドマンズQ)のようでしたし。そういう意味では売り方を間違えたと考えます。ブランド価値があるとは思えない(失礼)『リアル人狼ゲーム』シリーズではなく、パチモノ『岸辺露伴』の方が話題になったのでは。『岸部ルーローハンは動けない』。主演は高橋一生ではなく坂本一生で。「なにィィィィ。いきなり殺されているだってぇぇぇ」「スマホのライトを点ければいいんじゃあないか」いろんな人に怒られそうですが。[インターネット(邦画)] 4点(2022-09-22 19:27:00)

116.  ホラーマニア vs 5人のシリアルキラー 《ネタバレ》 ブラックなB級おバカコメディ。個人的に大好物のカテゴリーですが、当たり外れが大きいのも特徴。だからこそ当たりを引き当てた時の嬉しさは格別なのですが。それでは本作の感想をば。 一言でいえば「残念」であります。理由の一つ目は「セールスポイントを早々に放棄した」点です。言わずもがな「ホラー雑誌のライターが本物の殺人鬼のフリをする」パートのこと。「なりすまし」はコメディに限らず数多の作品で採用されている人気素材。最後まで引っ張ることが出来る大ネタです。でも本作では導入部分のみでアッサリ終了しました。単純に勿体ないと感じるのです。鱧、骨が多いので食べるの止めましたみたいな。おいおい、ちゃんと料理すればご馳走ですよって話。 2つ目の理由は「キャラクターの活用不足」です。人形は顔が命、コメディはキャラが命が持論。本作ではコメディパートを担うキャラとして警官3人が配されていました。高圧系大バカ、小バカに、マニアバカ。ムカつきますが単細胞。結構いい味を出しているのです。ホルスターから拳銃が抜けないとか、謎の髭コンプレックスとか。もっと活躍の場を与えればいいのに。 理由3つ目は「ドラマ不在」です。本作は振り返ってみれば「殺人鬼ハンターチーム結成秘話」でした。主役2人がコンビを組んだ経緯を延々と見せられていた訳ですが、何故2人が惹かれ合ったのかイマイチ分かりません。特に女の方は男の何処を気に入ったのでしょう。もっと明確にラブロマンス(片思い系がオススメ)に仕立てても良かったのでは。女の背景についても今ひとつ判然としません。続編用にとってあるのかもしれませんが、やはり消化不良感は否めません。どんなジャンルであれ、核となるのはドラマと考えます。 凄く面白くなりそうな要素が多いだけに、期待値が上がり物足りなさを感じたのだと思います。残念無念。そう簡単に当たりは引けません。[インターネット(吹替)] 5点(2022-09-19 19:53:20)《改行有》

117.  NOPE/ノープ 《ネタバレ》 秀逸な構想(アイデア)を思いついた時点で多分「半分」だと思うのです。さらに深堀りし、磨き上げ、どうしたら面白くなるかを突き詰め、やっと「完成」作品として陽の目をみる。そういう映画は観客の想像を超えてきます。冒頭のお猿事件の本線への繋がり、ダンシング空気人形の使い方の見事なこと。細かな伏線の数々にも唸りましたが、何より緊張感が凄くて。虚構の中のリアリティとは何たるかを監督は熟知しているのでしょう。SFであり、サスペンスであり、サバイバルであり、アクションでもあり、監督お馴染み社会批判もありますが、何よりホラーとして極上でした。息を潜めスクリーンに見入りました。個人的にはクスクスできる部分もあって満足度高し。「目撃者」感覚で没入する為にも、映画館での鑑賞をお勧めします。ちなみに『ウォーキングデッド』のグレンも出てますよ。ところでアレの造型は、エヴァンゲリオンの影響を受けているのでしょうか。[映画館(字幕)] 8点(2022-09-18 00:49:16)(良:1票)

118.  JKエレジー 《ネタバレ》 3737さん、2番投稿失礼します苦笑。 『貧乏は諸悪の根源』との名言がありますが、主人公にとって諸悪の根源は貧乏ではなく家族でありました。事態は想像以上に深刻で、高校卒業と同時に家を出るなどと悠長なことを言っている場合ではありませんでした。直ちに、今すぐに、避難すべき案件。火事と一緒のレベル。兄の引き合わせで、クラッシュビデオという名のAVに出演したのがそもそもケチの付けはじめ。パンツひとつ見せていないと主人公は開き直りますが、それが詭弁であることは彼女自身が一番よく分かっていること。とはいえ、普通にバイトしても保護費と相殺されるだけですし、母が残した進学資金が残っているはずもなく。彼女にしてみれば、クラッシュビデオだけが希望に繋がる生命線だったのでしょうが、実は絶望に繋がっていたという。それでも、八方塞がりという訳ではありません。進学が難しいなら就職だって立派な選択です。しかるに彼女は自ら未来を閉ざす選択をしてしまいました。ヤクザと関わり合いになるなど百害あって一利なし。彼女は「もう振り回されたくないから」と言いましたが、逆に自ら振り回されに行っています。まともな就職すら危うい状況に追い込まれたことを彼女はまだ自覚していません。振り下ろしたツルハシでの一撃にカタルシスを得られない時点で、この物語は破綻していると考えます。[インターネット(邦画)] 5点(2022-09-15 18:59:27)《改行有》

119.  マスターズ・オブ・ホラー(2018) 《ネタバレ》 『マスターズ・オブ・ホラー』をwikiで調べるとアメリカのテレビオムニバスシリーズがヒットします。その映画版なのかと思いきや、原題は『Nightmare cinema』だそう。テレビシリーズと関係があるのかどうか分かりませんが(詳しい方、リサーチ力のある方、そのあたり補足頂けると助かります)、雰囲気はまるっきりホラー特化の『世にも奇妙な物語』でありました。タモさん役がミッキー・ロークですな。脚本、映像、演出、おフザケ度合い、どのクオリティもTVMのそれであり、過度な期待は厳禁ですが『世にも奇妙な〜』程度の面白さは担保していると思います。何より、SF、バイオレンス、風刺、オカルト、スプラッター、精神疾患等よろづホラーカテゴリーを網羅しており、目先が変わるので飽きない点は良かったと思います。全5作品のうち、全編モノクロの一作だけが抜きん出て面白いです。[インターネット(字幕)] 6点(2022-09-13 19:55:18)

120.  バイオハザード:ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ 《ネタバレ》 ミラ・ジョヴォヴィッチを主役に据えシリーズ合計6作を数えた人気映画『バイオハザード』が完結してから5年。キャストを一新してリブートしたのが本作『ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』です。前シリーズは、ミラ・ジョヴォという稀有なスターの魅力を拠り所としたサバイバルアクション映画でありました。原作ゲームから設定と看板を借用してはいますが、基本的にゲームとは別物だったと考えます。これに対し本作は、原作ゲームを忠実に映像化しようという意思を強く感じました。館内のファースト感染者の振り返り描写然り、ロケットランチャー然り。回復アイテムでハーブが出できたら完璧でしたが、そこまでやると逆に醒めた気がするので、監督に良識があって良かったです笑。もちろんストーリーはゲームと異なるでしょうが(注:何せ初代ゲームをプレイしたのが四半世紀も前の話。細かい点は覚えていません)、世界観は高いレベルで再現されていたと思います。何より「アクションである前にホラーたれ」とでも言いたい空気感に好感が持てました。ただし、鑑賞後の満足度はさほど高くありません。シリーズの前フリが終わっただけという感じ。この感覚はまるで『ウォーキング・デッド』ファーストシーズンを観た時と同じであり、続編ありきの物語である点がインパクトを弱くしている気がします。生き残り人数が破格に多いのも、続編を見据えての事でしょうから。シリーズ化に異を唱える気はありませんが、映画は一発勝負が基本。結末を決めていないシーズンドラマのような作り方の映画はちょっとなと思う古いタイプの人間であります。とはいえ魅力的なキャラクターが揃っているのも事実。特にリサ・トレヴァーはかなり好みです。続編が製作されれば確実に観るでしょう。[インターネット(吹替)] 6点(2022-09-11 17:23:31)

030.13%
1110.49%
2311.38%
3994.40%
41587.02%
540918.17%
649622.03%
748921.72%
836616.26%
91446.40%
10452.00%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS