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プロフィール
コメント数 1617
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1201.  ルース・エドガー 《ネタバレ》 まずまず込み入った話であると同時に、100%の明確な真相が描かれるということも無い、少しモヤっと感が残る様な作品である。ただ、幾つかの状況証拠と、そして母親が隠した花火が無くなっていたという点を鑑みて、一連の事件はルースがウィルソン教師を陥れるために行ったものだ、という前提で話を進めたい(とは言え、だとしてもどこからどこまでが企みであったのかという点に関しては、私もはっきりとは分からなかった部分が多いのだが)。 しかし、そういった些末な部分が不明瞭なこと以上に、とにかく本作、ルースという人間が何を考えているのか、彼が何者なのか、というのが全くと言ってよい程に明らかにならないのがより深刻なのである。恐らく、彼が真実に感情を吐露しているのは終盤のウィルソンとのやり取りくらいで、他は、これも終盤の母親に魚を贈るシーンでさえ、彼が実際に何を意図しているのかなど分かったものではない。彼が為した所業、そして最終的に勝ち得た状況を鑑みるに、率直に本作、確かにかなり「恐ろしい」映画であるとも言える様に思う。 そんな本作だが、これが完全なサイコ・ホラーになってはいないのは、むしろ彼の周囲の大人達が率直に極めて「醜い」ということにある様に感じられる(それがエクスキューズになっている、というか)。所詮は彼を「貰い子」としか見ていない父親も相当に酷いと思ったが、私がより問題に感じるのは母親の方である。終盤、彼に確信的な疑いを抱きつつも、彼の言い分を信じる様に見せかけて、彼女は問題をただ棚上げしてしまう。もし彼が犯罪を犯したのならば、それを社会に罰させるかどうかは家族として考慮の余地があるかも知れないが、少なくとも真実を最後まで追求するのが親としての最低限の義務ではなかったか。そのものズバリ、彼を自分の考える「箱」に押し込んでいることを隠そうともしない(問題外な)ウィルソン教師を含めて、彼の周囲の大人に共通するのは、彼が真にどういう人間であるかを理解・受容しようとしないことだ。だから彼が思いの丈をウィルソンにぶちまけるシーンは、実は私が本作で唯一感情移入することが出来た場面だと言える。 一見は、アメリカにおける黒人差別をテーマとするごくごく普通に社会派な作品にも見えるのだが、実は本作のテーマははっきりと、より幾らかの「普遍性」を含む様に思う。その意味では類似する内容の他の作品よりも、少し高度でやや文学的とも言える様な優れた見応えがあったかとも思われる(もちろん、単純にサスペンスとして結構よく出来ている作品だということも重々あるのだけれど)。[映画館(字幕)] 9点(2020-06-05 23:19:55)(良:1票) 《改行有》

1202.  別離(2011) 《ネタバレ》 2組の夫婦、計4人のうち、誰か一人でももう少し思慮深く(肝心の場面でより適切に)行動していれば、起こり得なかった悲劇だと思われる。しかし、誰もがある意味スネに瑕持つ身であるが故に(かつ誰もがそれぞれ言い分・言い訳も抱えているという複雑ぶり)、却って皆が冷静になる機会を失い、傷口を致命的に広げてしまった、という輪をかけて悲惨な話である。とは言え、感情に任せて妊婦に手荒な真似を働くようなナデルと、働きもせず身重の妻に食い扶持を稼がせていたというラジエーの旦那は、私個人としては到底許し難い(結局、私はこの話、忍耐強く敬虔なラジエーに一番感情移入して観ていたということだろう)。 メインの内容は確実に普遍的な価値を有する作品だと言えるが、で在りながら、随所に描き込まれるイラン社会の描写もまた非常に興味深い。個人的に面白かったのは、弁護士も何も出て来ずに双方が言いたいことを言いたいだけまくしたて、それを判事がジャッジするという凄まじい裁判風景である(私が判事なら、3日で発狂すると思う)。 本作のラスト、結論を出さない描写については、この話、全員が敗者だ、という点を強調したかったのではないかと感じた。それは結局、両親の離婚を止められなかった娘も含めて、である(中盤、この娘に嘘をつかせたのも、娘までをもこの地獄巡りの当事者に引きずり込むための仕掛けだった、と勘繰るのは、やや穿ち過ぎであろうか)。[インターネット(字幕)] 8点(2020-06-04 00:37:11)《改行有》

1203.  呪いの館 血を吸う眼 《ネタバレ》 とにかく、吸血鬼の岸田森の迫力たるや、その一点に尽きる作品である。今作の吸血鬼は古典的な設定どおり血を吸った人間を眷属として従えることができるという凶悪な能力なのだが、その割にはやってることがまどろっこしく、ごく終盤まであまり展開がヒートアップせず少し平坦だとも言える。しかし、ラスト付近は流石にやや盛り上がるし、オーラスの断末魔などは実におぞましく、意外な程に見応えがあった。岸田森の登場シーン(+αとして、どちらもかなり可愛い犠牲者姉妹の2人)を目当てに観てゆけば、決して損はしないだろう。[インターネット(邦画)] 6点(2020-06-02 23:25:42)

1204.  エスケープ・ルーム(2019) 《ネタバレ》 謎の招待状で集められた6人の男女、ミッションはただひとつ「部屋からの脱出」、失敗すれば、死… というのはまま月並な(どっかで聞いたことあるとも言える)一種のテンプレートだと思うが、各部屋の仕掛け・ギミックはそこそこ面白いし(逆さ吊りビリヤード部屋は率直に色々と中々グッド)、全編通してコンパクトにテンポ良く纏められて緊迫感・スリルはかなり濃密、映画アトラクションなジェットコースター感を楽しめたと思う。B級っぽいが全体のつくりもまずまずソリッドで、チープさはほぼ感じない。いくらでも続編がつくれそうな(つくりたそうな)感じだが、ホントにできて来たらまた観ちゃうかも。[映画館(字幕)] 7点(2020-06-02 12:45:25)《改行有》

1205.  娼年 《ネタバレ》 人の生業は須く、人の欲望の海の中を自らの才覚と度量で泳ぎ抜くことなのであって、だから職業に貴賤は無い筈だと信じている。所謂「究極のおもてなし」たる仕事を通じて、主人公は実にポジティブに人間というものについての理解を深めていく。その意味では、本作はわりかし単純な若者の成長物語だと思うのだが、率直にその面の出来はよく言って普通程度で、どうしても本作、その「仕事」の場面の表現の出来の良さと内容の高度さの方に意識が奪われていってしまう様に思われる(勿体ぶらずに言えば、一般映画としては異例なまでに、エロくて変態でかつ生々しいということですね)。 特に松坂桃李のその面での演技の迫真ぶりは出色で、素直に頑張った!と最大の賛辞を贈りたい。女優陣も、総じてかなり頑張っていると言えるが、120%な桃李くんに比べると、これも総じて最後の一葉の恥じらいが感じられなくもない(それが良いのかも知れないが)。とは言え、本作はエロに関しては個人的には文句の付け様など無く、素直に満点を差し上げたい。桃李くんと西岡徳馬の「タイミング」がドンピシャだったシーンなどは思わず手を叩いてしまった程である(飛びも飛んだり)。 もう一人、その道を極めた到達者の風格を漂わせる江波杏子も実に凄まじかった。奥ゆかしくも一方で何とも妖艶なその「絶頂」は、女優陣の中で一番真に迫っていたと思う。この映画が遺作というのは、ある意味実に格好好い(否、格好好過ぎる、のかも知れない)。[インターネット(字幕)] 8点(2020-06-01 23:48:10)《改行有》

1206.  メガ・シャークvsグレート・タイタン 《ネタバレ》 日本のB級映画ファン垂涎の『進撃の巨人』コロッサスの登場に加え、女科学者パートと女アジアンCIAパートの両面進行という、前作までからすれば空前絶後にシナリオに内容の有る豪華なつくりになっている。が、だから何だという程度のグレードアップではある(ハッキリ言うが、これでも別に「面白い」とまでにはなってはいない)。 コロッサスのCGに金を使い過ぎて、全体的なCGの出来は『VSメカ・シャーク』の方が微かに上にも思う。特に、サメに体当りされると船がキロ単位でスッ飛ばされて行くという演出に関しては、これはいくら何でも(例えアサイラムとは言えど)荒唐無稽・やり過ぎが過ぎて極度にチープでハッキリ興醒め。とは言え、全体的には間違い無く4作では出来は頭抜けている(個人的には今作だけ観る、で良いと思うし、死ぬ程暇でも『VSメカ・シャーク』だけ追加で観る、で問題ないかと。1・2作目は書くべきことが全く見当たらなかったので、レビューはスルーしました)。[インターネット(字幕)] 4点(2020-06-01 01:39:30)《改行有》

1207.  メガ・シャークvsメカ・シャーク 《ネタバレ》 1作目と比べるとクオリティは色々かなり改善している。が、結局ただ普通につまらない作品になっただけな気もする。「またCG使い回してるゥ!」とか言って盛り上がりたいんだけども。[インターネット(字幕)] 3点(2020-06-01 01:31:43)

1208.  オンネリとアンネリとひみつのさくせん 《ネタバレ》 どうみてもナチスの収容所的なトコが舞台なのもあり、カラフルで可愛い諸々、という部分の魅力はやや前作までより少ないのが少し残念。あと、明るく楽しく優しい、という面に比べても、やや暗め、ないし風刺的なパートが多めになっているのも少し前作までとは趣を異にする(ラストとかもいまいちピンと来ないのが正直なトコロだが、インスタ映えしか頭にないバカ市長とかはまあまあ笑えた)。子役の成長も雰囲気の変化の原因のひとつだろうと思われる(それでもまだまだ可愛いし、子供映画として雰囲気がイマイチだとかいう訳ではない)。今作も決して出来は悪くないと思う。[インターネット(字幕)] 6点(2020-06-01 00:07:12)

1209.  決断の3時10分 《ネタバレ》 カネの為に護送を買って出たダンが、仲間の死に際して下すのがひとつ目の「決断」。男には、命を投げ出しても貫き通すべきモノが確かに在るのだということ。ふたつ目の「決断」は、そんなダンを殺してはならないと思う悪党の一種の「諦め」というか。そしてそれは、ただ「借りを返した」と嘯きつつも、ダンの潔さと夫婦の愛情を直に見せつけられたことにより心に芽生えたものであろう。 その意味では、ダンの困窮ぶりと悪党の誘い掛け、頼りない飲んだくれのアレックスが相棒であったこと、嫁さんがワザワザ駅まで来ちゃうこと(私も正直「何しに来てんねん!」と思いました最初は)、等々、細かい所までわりかし良く工夫の効いたシナリオだったなあと思う。ただそれを踏まえてもやはり素晴らしいのが、見事に描き出される「男の美学」。それは彼ら2人がある意味、自分の身を捨ててまで護り抜いたモノだったのだなあと思います。このカッコ良さ、実に心地良い。[DVD(字幕)] 8点(2020-05-31 15:08:43)(良:1票) 《改行有》

1210.  ストレンジャーズ/地獄からの訪問者 《ネタバレ》 B級ホラーと小津安二郎はどれを観たのか分からなくなる、のですが、今作も「あれ、コレ観なかったっけ?」と思ったら『ストレンジャーズ/戦慄の訪問者』の10年越しの続編なのですね(そっちは昔観ました)。しかし、続編であることに意味があるとは到底言えない作品です。何しろストーリーらしいストーリーは疎か「何故、何が、誰が」という意味での因果関係というものがまるで見当たりません。ここまで尽く「理由」というものが分からないという作品は、あまり記憶に無い程です(その意味では逆に新鮮に感じるかも知れません)。 率直にその点をもって、本作を酷評する向きがあるのは至極尤もなことでしょう。かく言う私も、本作を映画として一定以上に評価するつもりは毛頭ありません(非合理的な行動も度を越すと、逆にリアリティが損なわれ、怖さも薄まるように思います)。ただ本作、まず残虐描写の映像面での質自体はまずまず高いです。そして前述の通り、潔いまでに不条理に大切な家族がバタバタ殺されていくという痛烈な非情さがそこに乗っかってくることも含めて、スラッシャーとしての見応えにはかなり優れたものがあります(特にテンポが良くなる終盤は相当に面白く観れます)。ホラー上級者なら是非観ておくべき作品だと言えるでしょう。[インターネット(字幕)] 5点(2020-05-30 00:18:45)《改行有》

1211.  CURED キュアード 《ネタバレ》 ゾンビ・パンデミック後、治療法が開発され、幾ばくかの人々がゾンビ状態から人間性を取り戻した、が…というお話。 前半はホラーと言うよりはサスペンスなつくりで、恐怖描写はごく程々に、非常に重苦しくてやるせないハードな展開がまあまあ見応え有る。ラスト30分はお待ちかねのゾンビー・パニック・アクションで、またもや全力疾走なゾンビがまずまず迫力有って率直に恐怖。前半はアイデアで独創性を出し、後半はゾンビものとして観客の観たいモノをしっかりと観せる。適度なコンパクトさも相まって中々にバランスの良いホラーであった。グッド・クオリティな小品といったところだが、個人的には割と好き。[映画館(字幕)] 7点(2020-05-28 00:37:16)(良:1票) 《改行有》

1212.  ガール・イン・ザ・ミラー 《ネタバレ》 主演はオリビア・ハッセーの娘だかで、ロリロリとかなり可愛い。内容は『キャリー』風味に「死産だった双子の片割れ」要素を足し込んだもので(むかしX-ファイルで『カルサリ』という似た様なエピソードがありましたね)、気弱な主人公が後半になると豹変するというのがメインな話。しかし、必ずしもパラノーマルな現象だとも言い切れないつくり(抑え込んだ深層心理が二重人格的に現れているだけだとも解釈できる様な)で、詰まるトコロ、描写自体は別に霊的でも何でもないし、そして結構に地味。この陰鬱な雰囲気であんまりテンポが良いと逆に軽くなり過ぎるとも言えるが、それにしても(地味な割に)ちょっとローテンポ過ぎるよーにも思う。 ただ、憑依状態時の主演女優の血も凍る様な冷徹な眼光・迫力自体は、一応そーいうホラーとして本作を成立させる程度には上質かと(有名人の娘だし、こっちが彼女の「素」に近いのかもね)。まあ、全体としてはイマイチ気味にも思えるケド。[インターネット(字幕)] 5点(2020-05-28 00:31:46)《改行有》

1213.  ローマ発、しあわせ行き 《ネタバレ》 理屈より感情を優先するタイプの、個人的に非常に苦手な女性のかたが3人も出てきて好き勝手放題やらかして回る話の内容は、傍目にはそこそこ面白いケドよく考えると地味にストレス(胃痛)。それに比べりゃ八方美人で予定調和な結末も、最早左程気にならない(これはこれでアリかと)。目当てのカルディナーレは、何やら縮んで可愛いお婆ちゃんに(これもこれでアリかと)。結論、まあまあ楽しめたかと。[インターネット(字幕)] 6点(2020-05-28 00:24:39)

1214.  レッド・ブレイド(2018) 《ネタバレ》 改めて、坂口拓という人は自分で演るのも演出するのも、そして素人に仕込むのも出来ちゃう極めて総合力の高いアクション俳優ですね。暇なアイドル・グラドルを鍛えてこーいうアクション映画を撮らせるのが嫌いでなければ、それだけでも相当食ってけるのではないでしょーか。 正直言って本作は(特に女の子3人の)アクションのみが見所な訳ですが(あと一応パンチラもあったか)、オープニングの坂口氏本人の素晴らしい殺陣アクションをタップリ観た後にも関わらず、どのアクションシーンもそこそこ観れる出来になっているのは率直にスゴいと思います。ただ、くの一のヒロ・ユウ役の2人(搗宮姫奈と花影香音)は、2019年公開の『爆裂魔神少女 バーストマシンガール』でも坂口氏と共演しており(公開は前後してるが撮影は『マシンガール』の方が先だった様で)、そこで数か月みっちり鍛えられて今回も坂口氏に呼ばれている、ということのようですね。とは言え、小倉優香だって蹴ったり蹴られたり跳んだり転がったり、かなり頑張っていると思います。彼女のファンなら観る価値は確実にあるでしょう。 しかし本作、問題はアクション以外です。いくら何でも酷すぎます。これならいっそ監督・脚本も坂口氏にやらせた方がマシなくらい(同じ無内容なら何も考えずにシンプルにつくった方が幾らか良い、という意味で)。結果的に非常に価値判断の難しい作品になってしまっていますが、オマケでこの点数とさせてください。[インターネット(邦画)] 5点(2020-05-26 00:30:55)《改行有》

1215.  ファイティング・ダディ 怒りの除雪車 《ネタバレ》 おっちゃらけた題名からややコメディ寄りの作風を想像していたが、基本的な部分は意外にもかなりハードな復讐ヴァイオレンスである。ただ、随所に挿入される一風変わった演出は間違い無くコメディの香りを微かにも漂わせているのと、他にも描き込まれるノルウェーの社会状況の端的な物珍しさもあり、ただシリアスなだけの物語にはなっていない。中々にユニークな作品だと思う。 とは言え本作の一番の良さは、凍てつくノルウェーの大地が醸し出す寂寥感と、その中に孤独な父の復讐が貫徹される哀しきカタルシスの深い趣にある。一般市民なジジイのはずのステラン・スカルスガルドが喧嘩の強いこと!(ガテン系の底力、としか言い様が無いが…)[インターネット(字幕)] 7点(2020-05-24 21:58:56)《改行有》

1216.  おとなのワケあり恋愛講座 《ネタバレ》 まるで中身の無い映画ですね。ここには傾聴すべき物語も、人間の成長も、真実らしき愛も何ひとつ存在しません。加えて、極めておバカな映画です(おバカ、で片付けるには少し深刻に過ぎる気もしますが)。ステレオタイプを更に煮詰めた様なクセの強いキャラクター達に共通する点は唯一つ「非常識」であることです。そんな彼らの愚かしい有様と、そして時折登場する「常識的」なモブキャラが彼らに冷徹に叩き込む控えめに言って致命傷なツッコミ(と、それがもたらす暫しの耐え難い静寂)に率直に爆笑できてしまう私は、やはりどちらかと言えば「非常識」側の人間なのだろうなあ、と思います。 単純に映画としても、前半1時間にも渡ってカッ飛ばしたハイテンポに比して、予定調和な後半は確実にスローダウンしている尻切れトンボ加減も決して褒められたモノではありません。ただし、俳優陣は揃ってかなり頑張っています。特に印象に残ったのは、アラフィフとは思えないキレの有る美貌(+前述通りのバカみたいなハイテンション芝居)を遺憾なく発揮していたサルマ・ハエックですね。ブロスナンも(あくまで個人的には)決して悪くなかったと思います(これもやはり、笑えるかどうかは人による、としか言えませんが)。[インターネット(字幕)] 6点(2020-05-24 16:41:43)(良:1票) 《改行有》

1217.  パーティで女の子に話しかけるには 《ネタバレ》 うーん…どうでしょう。。タイトルからは全く想像も出来ないような非常に珍妙なSFの話で、しかもメインコンテンツは極めて単純なボーイ・ミーツ・ガールの物語だという。あくまでSFの小品としてなら、その奇妙さには十分に作品としての価値を備えていると言えるかも知れないが、ひとつの映画として十分にユニークな内容があったかと言われると、やや微妙だと思う。ところどころ、あまりにヘンテコでちょっと笑えるという箇所もあったのだけど、正直エル・ファニングが可愛いからなんとか観ていられる、という作品に思える。 ただ、エル・ファニングは確かに可愛かった。髪型とかも超可愛かった。その点でおまけの1点アップ。[インターネット(字幕)] 6点(2020-05-23 17:55:12)《改行有》

1218.  シンプル・シモン 《ネタバレ》 思ったよりずっと厳しい映画であった。安易なゴールなど用意されず、問題は殆ど解決することもなく、それは疎か、少なくとも「前進」しているのかというのもほんの、ほんの少し、といった程だ。ただ、こういう切実で(ある意味)深刻な問題を題材にとる以上、一番重要なのはその部分のバランス感覚だと思うし、その意味ではある点ではシリアスに、またある点では十分にコミカルにハートフルに仕上げられた本作は、率直に非常に適切な仕事であると感じている。 中でも一番に感じられたのはやはり、周囲の人々の優しさというか。障害を「障害」にしてしまうのは世界であり、人々の意識だというのは本作でもひとつの大きなメッセージになっていると思う(自分で自分を「変えられる」くらいならそもそも問題にはならないのだから)。しかし、シモンの(方向性は間違っているとは言え)彼なりの「愛」のまっすぐさを本作から感じ取ることこそ、我々が正しくその「意識」を変える第一歩に確実に繋がってゆくものだと思っている。重ねて、安易なラストを用意しない本作には、志の高さ・問題認識の適切さを感じた。良作。[DVD(字幕)] 7点(2020-05-23 12:57:33)《改行有》

1219.  テオレマ 《ネタバレ》 随分昔に某動画サイトで観て、全く歯が立たなかったという作品。今回、DVDを調達してのいわば再挑戦なのだが、前回よりは少しだけ得るものが有った様に思われる。 第一に感じ取れるのは、やはりキリスト教的な価値観。「訪問者」のイメージに重なるのは、何と言ってもイエス・キリストである。ただ、一家がブルジョアとして描かれること(言葉としても「ブルジョア」という台詞も複数回登場するし)、そしてパゾリーニが共産主義に傾倒していたことから鑑みるに、彼には「革命者」としての姿もまた重なってくる様に思う。 重要なのは、その彼の運び来る「変革」の結末である。要は、それは明らかに「ブルジョア」たる一家にとって望ましい結果を齎していない。それを非常に単純に解釈すれば、本作は単なる資本主義批判映画だと言えるのかも知れない。 しかし本作、決してそんなに単純な作品でもない様にも思われる。ブルジョアを単に「敵」と看做さず、そもそもこの世界は資本主義者に満ち溢れているのだから、これをそのまま「世界」だと捉えたならば、また話は違ってくる様に思う。救世主たるキリストや、真の革命家を以てしても善き方向に進まない「世界」。この重苦しい作品には、そんな世界(或いは逆に、そんな世界における共産主義の在り方それ自体を含むものか)に対するパゾリーニの絶望的な苦悩が感じ取れる様にも思う。 ひとつ確からしいのは、一家でただひとり「プロレタリアート」を代表するエミリアを通して描かれる「癒し」と、それに伴って来たる「希望」である。パゾリーニは、真に人々を癒し、そして導ける存在は、労働者階級の中から現れるということには確信を持っていたのではないだろうか。年代的にも思想間の二項対立とそしてその「善と悪」が揺らぐ歴史の中で、そこだけには(=映画中のそこの表現には)ある種の普遍性が感じ取れる様にも思われる。[DVD(字幕)] 7点(2020-05-23 00:08:27)《改行有》

1220.  クロールスペース 《ネタバレ》 クラウス・キンスキーが出ていなければ観なかった映画だが、私なら、クラウス・キンスキーが大家のアパートには絶対住まない、と思う。前半は爺さんの覗き生活(気紛れで殺人も)を淡々と描写してゆくが、それ自体は変態度も高く、まま観れなくもない(人を殺すたびロシアンルーレットやるのとかは、結構いいアイデアだと思う)。しかし、アクセントで挿入されるショック描写がどれも手抜き(というか肝心な場面が全部飛ばされてるので、全くショッキングじゃないのよね)なので、抑揚が薄くてなんとも盛り上がらないローテンションが続いてゆく。 そしてラストはエライ唐突に皆殺し展開だが(つーてこれだって、開始時点で既に大半が死体になってるけど)、やっぱなんかタルいし何がしたいのかもイマイチよく分かんないしで、かなりお粗末な出来。根本的にこの監督、ホラー・スリラーを撮るセンスってのが欠けている様にも思われる。残念作。[DVD(字幕)] 4点(2020-05-21 19:52:41)《改行有》

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