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プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1341.  フィリップ、きみを愛してる! あの雲を見て思った。やっぱ外国人のは俺ら日本人のとは違うなって。えっ、ちがわないの?[映画館(字幕)] 6点(2010-05-28 21:45:45)(笑:1票)

1342.  レギオン 素敵な風呂敷に包まれた大きな葛篭。期待して開けたらポケットティッシュが一つだけ入っていました。そんな映画です。でもかみ心地はそんなに悪くないですよ。[映画館(字幕)] 5点(2010-05-25 20:48:47)

1343.  エンジェル 僕の歌は君の歌 《ネタバレ》 織田裕二が初々しいです。演技の方は今と変わらずアレですが、本作のような直情熱血バカキャラがよく似合っています。何せバカのやることですから、どんなに滅茶苦茶やっても許されてしまうのが凄い。世の中、小利口に生きるより、バカの方がお得だということが分ります。それにしても爽子ちゃんは可哀相。織田は彼女に何の感謝もしていません。当然のように恋人を助けてもらえると思っている。その図々しさを見習いたいです。恋は盲目。天使も盲目。だから仕方が無いのかな。誰に感情移入していいのか分らなかったです。ごめんなさい。[CS・衛星(字幕)] 4点(2010-05-22 17:23:49)

1344.  ママ男 《ネタバレ》 お人形は目が命。ラーメンはスープが命。ではコメディは何が命でしょうか。自分はキャラクターだと考えます。如何に魅力的な人物像を創りだせるか。設定と役者の技量がモノを言います。そこで本作。主演のジョン・ヘダーには邦題『バス男』での怪演の再現を期待したのですが、常識レベルのマザコン男像にいささか肩透かし。主要キャラであるセミナー親父と母親も存在感が薄くイマイチでした。矢口真理似のキュートな彼女は個人的にタイプなのですが、それ以外というと本屋の爺さんくらいしか際立っているキャラが見当たらない。もう1人か2人、主人公の相棒となる愛すべきお馬鹿キャラがいたら、大分印象は変わっていたと思います。主人公の決断ひとつで全てが解決してしまう物語は味気ないと思うものの、本作のテーマを考慮すれば致し方ないところか。過度な笑いを期待せず、ホームドラマとして楽しむ作品だと思いました。[DVD(字幕)] 5点(2010-05-16 18:50:51)(良:1票)

1345.  盲獣 《ネタバレ》 キャストは3人だけですが、みな見事に乱歩ワールドの住人を演じてくれました。船越のねっとりとした真正のマザコンぶりには寒気がしたし、千石規子のキチ母像にも説得力がありました。そして何より緑魔子。正気を失っていく演技もさることながら、脱ぎっぷりがお見事でした。役になりきる演劇人の姿。裸の出し惜しみをしている人気女優のみなさんは、彼女の爪の垢でも煎じて飲むといいでしょう。緑魔子の妖艶な肢体なくして、本作は成立しなかったと思います。素晴らしかった。エログロ描写のさじ加減も絶妙でした。過ぎては一部の好事家向けになってしまうし、手ぬるいアプローチでは乱歩の毒は伝わらない。強いアングラ色を発しながらも、大衆性を失わなかった事を賞賛したいです。例えば四肢の切断シーン。スプラッター映画なら、大量の血しぶきと共に捥がれた腕を見せたでしょう。でも提示してしまったらそれ以上でも以下でもなくなる。直接的な残虐描写が幅を利かせている昨今、観客の想像力を利用した演出の優位性を再認識しました。乱歩の世界観を味わう映画としては、ほぼ満点の出来。洗練されていない美術セットや褪せたフィルムの色味も含めて、映画の味だと感じます。もしかしたら公開当時より30年経った今の方が、より鮮烈な印象を与えてくれる映画かもしれません。[DVD(邦画)] 8点(2010-05-13 21:08:41)(良:1票)

1346.  決断の3時10分 《ネタバレ》 主人公ダン絶体絶命のピンチのまさにその時、予想もしていなかった悪党ウェイド意外で粋な行動に、思わず歓喜の声をあげました。でも不可解でした。何故悪党はダンを助けたのか?しかしその疑問も直後の彼の言葉で打ち消されます。「若造から命を救ってくれたお礼さ」。腑に落ちると同時に、邦題の「決断」が意味するところを理解してさらに感動。高い満足感を得てエンディングを迎えました。これだけ上質のカタルシスを得られる映画に当たったのは久しぶり。文句の無いハッピーエンドでした。それだけに、ただ1点残念だった部分があります。それは、宿屋から駅までの護送プラン。あれはダン本人も納得の負け戦でした。そうではなく、結果ダメでも自らが生き残るための努力を主人公にはして欲しかった。捨て鉢のヒロイズムではなく、男の信念に裏打ちされた賭けに共感出来たら最高でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-05-10 18:42:23)

1347.  エスケープ・フロム・L.A. 前作に当たる『ニューヨーク1997』(邦題)を鑑賞済みである事が、本作を味わい尽くす上上での重要な要件。本作単独で観るのと、『ニューヨーク1997』の後日談として観るのとではまるでコクが違う。「牛丼並盛」と「牛丼特盛つゆだく玉入り鬼盛紅生姜」くらい違う。前作の設定と脚本を踏襲しているのですが、それがイチイチ面白いのです。監督は山田洋次かと思いました。自分が配給会社の宣伝マンなら『スネークはつらいよ・LA恋のコウモリグライダー』という邦題を提案します。そして上司から怒られます。終末世界にバカ要素がいい具合にブレンド。チープなCGが華を添えます。ラストの取って付けたような文明批判がこれまた芳しい。悪くない。悪くないです。これくらい思いっきりバカをやってくれた方がスッキリ楽しめるというもの。前作もバカでしたが、本作は大バカです。いわゆるB級映画のテイストが好きな人には、タマラナイ映画だと思います。[DVD(字幕)] 8点(2010-05-07 20:14:54)(良:2票)

1348.  いのちの食べかた 人の命を繋ぐため様々な生き物の命を頂戴している場面を、傍観的に捉えたドキュメンタリー映画。ベルトコンベアーで流されて行く箱詰めのヒヨコたち。オートメーションで捌かれていく牛。命がモノのように扱われる様に胸を痛めつつ、私たちの生活はこのようなシステムの下に成り立っている現実を再認識しました。有意義な映画でした。ただ、見せ方に工夫が無かったことが残念です。映画に限らず、どんな作品も“相手に観てもらってナンボ”です。知ってもらうこと、感じてもらうこと、考えてもらうこと。それを相手に望むなら、それ相当の仕掛けは必要。ドキュメンタリー映画も例外ではないと考えます。本作は“観てもらう意識”に欠けている気がしました。もちろん、脚色を要求している訳ではありません。例えばCSの某チャンネルで「○○が出来るまで」という15分ほどのTVプログラムがあります。トイレットペーパーとか自転車とか、商品の製造過程(工場のライン)をただ延々と映すだけなのですが、これが意外なほど面白い。作業内容を推理し、何が出来上がるのか予想します。トイレットペーパー1つにも人生がある。本作では、動物の話と植物の話がランダムに提示されるため、“命の流れ”が掴みにくい仕様となっています。結果、生々しさは抑制されていますが、散漫な印象を受けました。「生き物の一生」を意識させる編集で、観客を惹き付けて欲しいと思いました。従事者の食事風景も、箸休め程度の意味しか感じられずもったいない。牛の屠殺直後にハンバーガーを食べろとは言いませんが、食の意味を問う能動的なメッセージは欲しいと感じました。ちなみに自分は、マイケル・ムーアの近視眼的な主張を好みません。しかし、そのエンターテイメント性の高さは評価します。事実が持つ熱量にフィクションは適わない。ドキュメンタリーは元来、メチャクチャ面白いものだと思います。[DVD(字幕)] 5点(2010-05-04 19:15:38)(良:1票)

1349.  バンコック・デンジャラス 《ネタバレ》 冷徹な暗殺者が、ある出会いをキッカケに人間性を取り戻していくヒューマンドラマ。主人公を変えたキーパーソンは、運び屋として雇ったチンピラと薬局勤めの女でした。彼らは主人公が今まで出合ってきた人間と何が違うのでしょう。おそらく何も違わない。違うのは主人公自身の内面の方。彼はバンコクでの仕事を最後に暗殺稼業から足を洗うつもりでした。その心の緩みが彼に自身の掟を破らせたのだと思う。初めて犯した暗殺ミス。彼は一貫してターゲットを「誰かにとっての悪人だ」と述べています。善悪の判断を要しない暗殺者らしいモノの言い方。彼は弟子が善人だという政治家を殺せませんでした。良心の呵責?いや、そうじゃない。そもそも彼は、善悪を判断する術を持ち合わせていません。単純に主人公は、弟子に軽蔑されたくなかったのだと思いました。自分をヒーローと信じる弟子の期待を裏切れなかった。どれもこれも実に人間らしい弱さの表れと言えます。一流の暗殺者にしてはメンタリティが弱い気がしますが、強固なダムも決壊したら脆いもの。主人公はずっと無理をしてきたのかもしれません。ラストの戦いで、素人相手に不覚を取ったのは、主人公がもう一流の暗殺者ではない証。相応しい最期だったと思いました。自分好みのストーリーなのですが、キャラクターが魅力に欠けるのが残念。ニコラス・ケイジは善人キャラの役者。主人公の心の変化に驚きを感じ難い。2人のキーパーソンも感情移入する要素がなく、影が薄いです。聞けば本作はリメイクとのこと。設定が微妙に違うオリジナルのタイ映画を観てみたいと思いました。[DVD(字幕)] 5点(2010-05-01 18:42:38)

1350.  修羅雪姫(1973) 『キル・ビル』に代表される昨今流行の血飛沫どっぱー系ソードアクションの先駆け的作品でしょうか。復讐劇の筋立て自体はかなり濃厚で、とてもじゃないけど娯楽作品に適さないと思われますが、これがなかなか良い塩梅に漫画チックに味付けされていると感じました。多すぎる血糊。荒唐無稽な特訓。妙にヌルイ歌謡曲主題歌。リアリティを削ぐ要素が豊富なのです。さらに梶芽衣子の演技!大きく眼を見開き眼力全開。大味過ぎて上手いとは思えませんが、その大雑把な演技プランが、本作からシリアスさを奪っていて逆に好都合。結果的に娯楽色豊かな復讐チャンバラ映画が出来上がったというわけ。面白いです。21世紀の今こそ、この感性を楽しみたい映画。[DVD(邦画)] 7点(2010-04-28 22:51:18)(良:1票)

1351.  母なる証明 《ネタバレ》 息子の無実を晴らすために東奔西走する母親は強い母の顔。真相を知ってうろたえる姿は弱い母親のそれ。どちらも真実の母の姿だと思いました。もちろん彼女の行動は常軌を逸しています。現実にここまでやる母親は、そうは居ないはずです。ただその心情は理解できましたし、また興味深いものでした。特に遺族のもとへ赴き、息子の無実を訴えた場面が印象深い。彼女は「息子を恨むことを許さない」と言いました。一時的に恨まれたとしても無実が証明されれば、それで良しとするのが普通。遺族の気持ちを慮れば、致し方ないこと。でもこの母親はそれを我慢できなかった。ハンディキャップを持つ息子を抱え、彼女はずっと防衛本能を研ぎ澄ませてきたのだと思う。息子と自分の平和を脅かす全てのものを、彼女は排除しました。その結果、彼女は親子で囲む食卓を取り戻した。ただし、元通りではありません。突然、幼児期の虐待の記憶が蘇ったように、息子はいつか自分の犯した罪を思い出すかも知れない。その漠然とした不安は一生涯彼女を苦しめ続けるでしょう。殺害現場で拾った証拠品を母に差し出す息子の無垢な眼差しは、まるで全てを見透かしたかのようで薄ら寒い。何よりも暖かく心和む息子の瞳に、これから彼女は怯えながら生きていく。これが彼女に課せられた罰。この母親にとって、これ以上の痛みは無いはずです。恐怖から逃れるため記憶を失くすツボを刺し、狂ったように踊る母。二度と安らぎは訪れない。でもそれが彼女の選んだ道です。もし人生をやり直せるとしても、彼女はやはり同じ選択をする気がする。人として間違っている。でもそれが彼女にとっての“母である証”なのだと思う。[映画館(字幕)] 8点(2010-04-16 18:45:28)

1352.  落下の王国 《ネタバレ》 子供の頃、歩道の色付きブロックを溶岩とマグマに見立てて歩いたことがあります。赤いブロックを踏んだらマグマに溶けて死ぬ。上手く行かなかった時の小さな敗北感は今でも思い起こすことが出来ます。お遊びとはいえ、負けは負け。想像の中の出来事でも、心が感じた喜びや悲しみはニセモノではありません。スタントマンのロイは「映画」の中に生きる人間。一般の大人に比べれば、空想の世界と現実の世界の距離は近い気がする。もちろん幼いアレクサンドリアも。2人にとって、創作話はただのお遊び以上の意味がありました。少女は仮面の男に、亡くした父親の姿を重ねていた。“物語”のエンディングで、彼女が泣いて仮面の男を助けて欲しいと泣いた気持ちは痛いほど分かりました。仮面の男の命を救う結末に筋書きを変えたロイ。彼自身もまた少女に命を救われた。作り話と同じように自分の人生の筋書も自分の意思一つで変えることが出来る。もちろんスタントの事故のように、思い通りには行かないかもしれないけれど、その時はまた新しい物語を書き直せばいい。力強い希望のメッセージが其処にはありました。どの場面を切り取っても、陰影が印象的で絵画のような美しさ。空想の世界を見事に映像化していたと思います。現実の世界も同様に美しいので、お話の世界との差異が曖昧ですが、本作の趣旨を考えればむしろ好都合だったと思います。[DVD(字幕)] 8点(2010-04-07 19:18:13)(良:1票)

1353.  僕の彼女はサイボーグ 《ネタバレ》 主人公に自分を置き換えるよりも一歩退いた第三者の方が、熱かったり、恥ずかしかったり、耳が痛かったりするメッセージを、しっかりと受け止められる気がする。感情移入を適度に“妨げる”要因がある事で、物語と素直に向き合えるのではないかと。子ども向けアニメ然り、そして韓国映画然り。韓国映画は外国が舞台だから、あのハチャメチャぶりが楽しいのだと本作を観て気付きました。本作のように日本が舞台だと、様々な不具合が見えてくるのが辛いです(主人公の過去の回想の年代設定の間違いとか)。もっとも外郭的な問題とは別に、恋物語としてツボを押さえているとは言い難い内容でした。圧倒的に足りないのは“切なさ”でした。人間バージョンの綾瀬はるかが、盛んに切なさアピールをするものの的外れだと感じます。それに肝心の主人公に魅力がありません。そして頓珍漢でした。自分もいつか死ぬんだと嘆いてみたり、理由も無しにサイボーグはるかと別れてみたり。極めつけはお誕生会に、はるかソックリのサイボーグ娘を周りに“はべらせる”王様ぶり。正直呆れました。愛した彼女は唯一無二の存在じゃなかったのですか。未来人の綾瀬も彼の何処に惚れたのか分かりません。そうそう、主人公は結局サイボーグはるかを最後まで名前で呼びませんでした。彼女に名前を付けなかった。なんで?どうして?彼女の人格を認めていなかったとしか思えません。綾波や明日香と同じフィギュアの一つだったのでは?ただし、綾瀬はるかが可愛く撮れていたことは救い。彼女のイメージビデオとしてなら、なかなかの出来だと思います。[DVD(邦画)] 4点(2010-04-04 19:17:29)

1354.  ドラゴンヘッド (原作読了後、映画を再鑑賞したので当初の感想を書き直します。)原作の主要エピソードやディテールはそれなりに再現出来ているものの、“恐怖に駆られた人間はどうなってしまうのか?”“感情は人間にとって必要なのか?”等の原作の核心部には迫れていないと感じました。例えば冒頭の列車事故。ノブオは何故狂ったのでしょう。彼は再三再四「闇」という言葉を口にします。本作のテーマに通じるキーワード。漆黒の闇の世界が心の闇と同化していく恐怖を描くためには、どうしても物理的な「闇」が必要だったと思います。日常生活では得られない。どんなに目を凝らしても、全く見えない本物の闇。希望を見失った人間にとっては、どんなに恐ろしいものか。非常灯なんて問題外。薄暗闇で人は狂ったりしません。大切なのは役者の顔を映す事より、狂気を描く事だったと思います。キャラクター設定もヌルいです。主人公は泣き言ばかりのボンボン。アコも同じく今時の女の子。そんな2人の恋物語に興味はありません。原作の憧子は瀕死のテルを救うために命を賭けました。神経疾患(ナルコレプシー)を抱えながら懸命に戦った。もちろんテルも彼女を守るために必死でした。主役2人の芯の強さを描かないなんて在り得ない。もし妻夫木くん&SAYAKAのアイドル映画を作りたかったのなら、この原作は選択ミスです。同じヤンマガなら『稲中』の方がまだマシでした。妻夫木が「前野」で、山田が「井沢ひろみ」。SAYAKAは…「サンチェ」でいいや。それならみんな役者として一皮も二皮も剥けたでしょうに。本人は剥けたくないでしょうが。ただ『ドラゴンヘッド』(竜頭)の意味は映画の方が判り易かったので、その分当初の採点にプラスします。(2点→3点へ変更)[CS・衛星(邦画)] 3点(2010-04-04 01:40:52)

1355.  ECHO エコー 《ネタバレ》 (ネタバレありますので、未見の方はご注意ください) エコーの正体は霊能力者だった母親を軸とする音声記録。その発生源は、屋敷の地下。屋敷を買い取りたがっていた村長の台詞「あの辺は穴が多くて」から、屋敷の下にも不法投棄された農薬(タール状の液体がドラム缶詰めされたもの)が眠っていると推測されます。母親の「土地に問題がある」発言も、この事実を裏付けます。この附近一帯、土壌汚染が進んでいる。某人気ホラーでは井戸水に怨念が留まったように、本作では投棄された農薬に母親からのメッセージが蓄積されたのでしょうか。石床を壊した事で溜まっていた音が一気に溢れ出し屋敷が倒壊した。ちなみに主人公が音声を聞き取れたのは、霊能力者の血を引いていたから。以上が物語の外郭を自分なりに整理したものです。こうしてみると、推測・憶測に依る部分がほとんどです。エコーの規則性は判然としないし、不法投棄の真相も不明。“一杯の水で死んだ”とはどういう事?謎ばかりです。ただ、これは“筋立てがいい加減”なのではなく“編集が行き過ぎて意味が通じなくなった”のではないかと思われます。元のシナリオ自体は悪くなかったのではないかと。そう感じるのは、脚本以外の出来がとても良いからです。陰影の付け方、手持ちカメラの使い方など画作りは上質で、“紐が張り巡らされた部屋”等インパクトある仕掛けも冴えています。それに控えめなBGMも素晴らしかった。恐怖演出を音楽に頼ると、どうしても安っぽい印象になりがち。本作のようにBGMを使わないことで緊張感を煽る手法をサスペンスはどんどん活用して欲しい。雰囲気は抜群です。これで中身が伴っていれば傑作だったのに。惜しかった。[DVD(字幕)] 6点(2010-04-01 21:11:08)

1356.  小森生活向上クラブ 《ネタバレ》 軽いけど深い、笑えるけどシャレにならんブラックコメディ。軽快なBGMが物語のトンデモぶりとよく合っています。キャスティングは豪華だし、人物造形も悪くなかった。上等な『世にも奇妙な物語』という感じでした。『タクシードライバー』のトラヴィスよろしく、正義の名において悪人に制裁を加えていく主人公。彼の下に集う信奉者たち。そのグループの名は小森生活向上クラブ(KSC)。初めは自身の正義で殺す相手を選んでいたのに、いつの間にかKSCの意思に動かされていく小森の姿は、恐ろしくも滑稽でした。法律という枷を脱いで楽になったと思ったら、また違う束縛を受ける羽目になる。結局、人はコミュニティから逃れられない。それに、“正義”という言葉を恥ずかし気も無く使う人間を信用してはいけないと、つくづく思いました。私の正義とあなたの正義が同じことなど在り得ない。多くの人間が妥協できる基準が、あえて言うなら正義だと思う。国際社会の正義、国家の正義、会社の正義、KSCの正義、そして私の正義。全部違う。どれが本物?どれも本物。利権という言葉とどう違う?その程度のもの。正義は振りかざした時点でその価値を失うと思う。宗教、権力、恋愛。何でもそう。強い力に身を委ねたくなるのは人情だけど、自分の頭を使わないのは危険で愚かなこと。KSCの会員は小森の正義を借りて、自らの欲望を満たしました。仮初めの自分がやったこと。だから現実味が無い。まるで栗山と忍成のキスシーンくらい、全てがニセモノの人生です。彼らを哀れみ軽蔑しつつも、栗山千明嬢の○兄弟にはなってみたいと思ったオレってダメ人間ですか。そうですか。自分の正義が借物だったと知り、小森の自我は崩壊しました。代りに登場したのが奥方のアイデンティティ御殿。これから小森は、その宮殿を間借りして生きていく。現実逃避の脳内引きこもり生活は、まだまだ終わらない。安心楽チン、めでたしめでたし…んなわきゃない!終幕の後日談は、入れたくなる気持ちは判るけど我慢して欲しかった。砂上の楼閣が崩れるのは当たり前ですから。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-29 20:09:23)

1357.  僕らのミライへ逆回転 《ネタバレ》 最初のうちは、おバカな展開に戸惑いました。その場しのぎとはいえ、映画の中身を自家製のニセモノにすり替えるなんて、常人の発想じゃない。ただのバカじゃない大バカです。でも「人生万事塞翁が馬」。リメイクとして人気を博してしまうぶっ飛び加減が、不思議と心地よかった。ジェリーが言うように、確かにみんな(自分も含めて)、電磁波に脳みそヤラレちゃってるかもしれない。ただし、手始めが『ゴーストバスターズ』というヌルさは絶妙だし、ブレイクのキッカケがチンピラ兄ちゃんってとこは“らしい”と思う。荒唐無稽の中にも説得力が感じられるあたり、抜かりないです。ラスト。自主映画の上映会には映画の素晴らしさが溢れていました。映像や音響の迫力は、劇場鑑賞の魅力のほんの一部。映画の本当の目的は“みんなで観ること”だと知りました。そういう意味では、スポーツ観戦やコンサートと変わらない。ただし、映画はライブじゃありません。演者が目の前にいなくても、それと同等の感動を味わえるのは、製作に携わった人たちの想いがフィルムを通じて伝わってくるからだと思う。ちょっとした魔法です。映画を観た思い出が、自分という物語の1コマに変わるなんて素敵です。すいません。ちょっとキザでした。他人と感動を共有するのが嬉しいのは、人が孤独だから。自分の気持ちは自分にしか分らない。この気持ちを相手に伝える術がない。そんな不安と寂しさをいつも感じているから、周りが自分と同じ気持ちだと“想像”できるだけで、幸せなのだと思う。隣に人がいることが在り難い。そして暖かい。それが、映画がこの世に生まれた意味かもしれないと感じました。映画を観てこんなに優しい気持ちになれたのは初めてです。無性に泣けて仕方がなかった。みなさん、映画館に行きましょう。一緒に笑い、泣きましょう。そして最後に、シガニー・ウィーバー出演してくれてありがとう。[DVD(字幕)] 9点(2010-03-23 19:19:03)(良:2票)

1358.  ゼラチンシルバーLOVE 《ネタバレ》 永瀬の写真(作品)を見て「アートってヤツですか」と鼻で笑う役所。永瀬は監督自身を投影するキャラクターゆえ、監督がこの映画を指して「所詮他人には理解されない自己満足品ですよ」と自嘲しているものと推測されます。ただ、半分は謙遜だとしても、もう半分には写真家としての強烈な自負が隠されている気がしました。「美しいと感じるものを撮っている」という永瀬の言葉どおり、監督は本作に好みの画を詰めたのだと思います。濃い陰影の深みあるカット、開始25分間役者の台詞無し等、写真家らしい“拘り”が随所に感じられました。タイトル(銀塩カメラの意)からも自身の生業に対するプライドが窺える。監督の色が出ている映画は支持したいです。ただし、その拘りを技法だけでなく、物語の芯に通して欲しいとも思いました。気になったのは、ゆで卵の茹で加減。毎回同じだけ火にかけているのに、固ゆでだったり半熟だったり。半熟でもハードボイルドでも構いませんが、一定の茹で加減であることが重要と考えます。彼女の心の内を“黄身の硬さ”で量らせて欲しい。スタイリッシュな様式に凝るのもいいですが、より大切なのは人物の内面だと思います。壁一面に貼られた自身の写真を見て嫌悪の表情を垣間見せる女。それは、何処にでもいる女の顔。プロフェッショナルの冷酷さもなければ、男の想いを受け止める懐の深さも無かった。それが監督の主張なら構いませんが、そう判断するだけの手掛かりがそれまでの描写に隠されていたとは思えません。自分には作品の本質が見えなかった。物づくりにおけるコダワリの意味を考えさせられた映画でした。[DVD(邦画)] 5点(2010-03-20 17:54:24)

1359.  おろち 《ネタバレ》 門前家を去る間際、おろちは言います。『あの姉妹を化け物にしたのは門前家の血ではないわ。化け物を生んだのは人間の執念』。美しい姿を映画のフィルムに焼き付ける女優という仕事。絵画の中の母も決して年を取ることは無い。門前の女はずっと“永遠の美”に縛られて生きてきたのだと思う。叶うはずの無い祈り。祈りは執念に変わり、皺と弛みは醜い痣に変わった。老いに対する恐怖が、門前の女に掛けられた呪いです。そしてその呪いは体だけでなく心も蝕んだ。姉妹の秘密を知ったときの理沙の心情は如何ばかりか。彼女の憎悪は、和沙の何に対して向けられたのか。姉が門前家の呪縛の外にいた事実よりも、姉が母の愛情を一身に集めた理由に妹の心は砕けたのだと思います。最初から自分は“見捨てられた子”だった。母・門前葵は自身の想いを、血を別けた子ではなく、他人の娘に託したのだから。門前葵は自身の複製を作ることで永遠の美を望んだとも言えます。恐ろしい。恐ろしいが、これが人間の性だとも感じます。門前葵に共感はしませんが、彼女の思考は少し理解できる。そしてその真実を一草ではなく理沙に告げた点に、彼女の母の一面を垣間見た気がします。木村佳乃も中越典子も、自分が今まで観た作品の中では出色の出来。作りは、ややステレオタイプな印象もありますが、梅図かずお原作であることを考えればコレくらい分かり易くていい。おろちは、ちょっと喋り過ぎ。漫画と違って繊細な表現が可能な映画の特徴を活かして欲しかったと思います。音楽も素晴らしく、邦画ホラーという括りなら、十分な佳作かと。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-14 19:54:55)(良:1票)

1360.  パコと魔法の絵本 中島監督の前作『嫌われ松子の一生』のテイストを色濃く継承している本作。CGを多用したエフェクトも、色彩豊かな背景も、一見してパワーアップしています。見た目は華やか。でも作品としての力強さは前作に遠く及ばないと感じました。何故か。それは“人を描くこと”が不十分だからです。奇抜な衣装を纏い、どキツイメイクを施した“誰かさん”が、なにやら喋っている。そんな印象。パコ以外の人たちが、どんな表情をしていたのか思い出せません。顔は心を映し出す鏡。役者の表情をきちんとカメラが捉えなければ、どんな熱演をしても報われない。特にヒドかったのが小池栄子。牙と眼鏡で表情を殺しておいて、一体彼女にどんな演技をしろというのでしょう。本作の人物造形は舞台仕様だと思います。後列の客席まで役者の感情を届けるためには、衣装やメイクで情報を単純化するのは有効な手段です。でも映画はお客全員が特等席。舞台と同じ遣り方では大雑把過ぎます。繊細な感情を伝えられる映画の強みを活かさなければ、映画である意味がありません。しかも本作はピント外れな方向に力を注いでしまった。前作が素晴らしかったのは、中谷美紀演ずる松子の想いが、観客の胸に届いたからです。CGの装飾に観客は涙した訳ではありません。監督は其処を見誤ったのではないかと。ケーキの価値は、デコレーションの豪華さにあらず。スポンジ部分の旨さで決まる。監督には役者の技量を信じて欲しかった。幸いな事に、本作の演者はみな芸達者でした。手足を縛られた状態でもいい仕事をしてくれています。それなりの感動が味わえるのは、彼らの頑張りのお陰だと思います。正直、本作は失敗作だったと思う。監督にとって痛恨の一作ではないか。ただし、実写とCGキャラクターの融合を図った試みは評価したいです。次作での軌道修正を期待します。[DVD(邦画)] 5点(2010-03-08 19:47:52)(良:3票)

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