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プロフィール
コメント数 1970
性別 男性
年齢 49歳
自己紹介 自分なりの評価の基準は、
10・超大好きな作品。完璧。映画として傑作であるばかりでなく、自分の好みと見事に合致している。
9・大好きな作品。完璧に近い完成度。手放しに歴史に残る傑作といっていい。
8・好きな作品。本当に面白い。欠点があるかもしれないが、それも含めて好き。
7・少し好きな作品。普通に面白い。欠点もあるかもしれないが、そんなに気にならない。
6・普通の作品。可も無く不可も無く。最後までストレスなく観られる。面白いけど、心に残るものはあまりない。
5・少しつまらない作品。最後まで観るのにちょっとストレスを感じた。面白い部分も多少はあった。
4・つまらない作品。最後まで観るのが苦痛だった。ほとんど面白いところが感じられなかった。
3・かなりつまらない作品。最後まで観た自分を褒めてあげたい。観終えた後に、怒りのあまりDVDを割りそうになった。
2・超つまらない作品。時間と金を返せ。観終えた後に、怒りのあまり製作者全員を殴りに行きたくなった。
1・絶望的につまらない作品。最低。観終えた後に、怒りを通り越して死にたくなった。
0・死霊の盆踊り。

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1341.  オール・アバウト・マイ・マザー 《ネタバレ》 女手一つで育てあげた大切な一人息子を17歳の誕生日の日に事故で亡くしてしまった母マヌエラ。突然の悲劇に彼女はただ絶望のどん底へと沈み込んでゆくのだった。彼女は一人、住み慣れたマドリードを去り、若き日の思い出の地であるバルセロナへと辿り着く。そこで当時の親友だったオカマのアグラードと再会を果たしたマヌエラは、彼女とともに息子の父親を捜し始める。なぜなら過去、マヌエラは相手に内緒で息子を産んでしまったから――。ヘビースモーカーの舞台女優、彼女から同性愛的寵愛を受ける麻薬中毒の若手女優、エイズを患う男の子供を身篭ってしまうシスター…、これはそんな個性豊かな女たちが織り成す、母親やこれから母親になる予定の、そして誰しもが女優でもある全ての女性たちに捧げられたアルモドバル監督の賛美歌だ。のちに耽美的変態路線を突き進むことになる同監督の世界的な名声を得るきっかけとなった今作なのだが、これは女性たちのユートピアを描いたある種のファンタジーだろう。トランスジェンダーの登場人物が男に襲われているところを主人公が救ったところから、もうこの映画には男の性欲が一切出てこなくなる。ただ、男は精子を提供するだけの存在になってしまうのだ(その象徴がオカマなのに男性器だけはある、あのお父さんだろう)。女たちをねじ伏せ、ただ子供を産ませようとする男たちの醜い性欲が微塵もない世界。そんな世界で描かれる、実に活き活きと人生を謳歌する彼女たちの力強い友情物語に僕は静かな感動を覚えざるを得ない。まだシスターフッドと言う言葉が一般的でなかった時代に、ここまで女性たちの自立と連帯を真正面から描いたアルモドバルには素直に感嘆させられる。独自の映像美と豊かな物語性が混然一体となった、なかなかの佳品と言っていい。[DVD(字幕)] 8点(2014-05-23 21:08:09)

1342.  アンチヴァイラル 《ネタバレ》 そう遠くない近未来、庶民は一握りの選ばれしセレブたちへと憧れるあまり、彼・彼女らが感染したウィルスを培養し自らの体内に注射してくれるという、異常ともいえる新サービスに熱狂していた――。ルーカス・クリニックという、その中でも最大手の会社で働く研究員シド。彼は何度も上司の目を盗み、そんなセレブたちが育てた病原菌を自らの体内に感染させ外へと持ち出すという方法で裏へと横流ししていたのだった。だが、同僚のウィルス密売がばれたことをきっかけにシドにも疑いの目が向けられてゆく……。グロ映画界の巨匠クローネンバーグの息子が初監督をつとめたという今作は、そんな父のDNAを濃密に受け継ぐなかなか気持ち悪~いグロ映画でございました。まあ、黒を基調とした映像が特徴だった父親との違いを強調したかったのか、こちらはあくまで白を基調とし、そこにまるでスポイトですっと混ぜるように染まる赤黒い血の描写がなかなか印象的でした。ただ、残念ながらストーリーと世界観が完全に追いついていません。ウィルスを注射された客たちが、それでいったいどんな利益を享受できるのか最後までいまいちよく分からないせいで、一向にこの世界に入り込めないのです。肝心のストーリーの方も、主人公を初めとする登場人物たち誰もがいったい何がしたいのかさっぱり理解不能で退屈極まりなっかったです(睡魔という名の小さな妖精が、僕の耳元で「瞼を閉じちゃえば楽になれるよ…、ほら、早く」と何度も囁きかけてきて、最後まで観るのがホント大変でした)。うーん、親の七光りにもならなかったですね。ブランドン君、もっと親父の過去の作品をじっくり観て勉強し直してから次の作品を撮ってください。[DVD(字幕)] 2点(2014-05-20 20:31:13)

1343.  コレクター(2012) 《ネタバレ》 これは事実を基にした物語である――。アメリカの中都市バッファローでは、毎年冬になると謎の犯人によって娼婦たちが誘拐され行方不明となる事件が多発していた。警察の懸命な捜査にも関わらず、犯人の居所も誘拐された娼婦たちの行方もその糸口すら掴めない。予算の都合で捜査の打切りを宣言する警察。事件を担当していた刑事マイクは諦めきれず独自に捜査を続行するのだった。そんななか、反抗期の自分の娘が図らずも犯人によって誘拐されてしまう。もはや誰も信用できない。マイクは娘を救うため、地道な捜査で犯人を追い詰めていくのだが……。雪深い地方都市を舞台に、娼婦をさらってきては自宅の地下室へと監禁し暴力によって擬似家族を作ろうとする猟奇犯と、さらわれた娘を決死の覚悟で追う刑事との攻防を描くサイコ・サスペンス。とにかく、「羊たちの沈黙」の影響をもろに受けている本作(これってパクリでは…ってくらい、同じような画や音楽が随処に使われてます)。ただ、犯人の異常さや凶悪さが全くと言っていいほど伝わってこず、おかげでこのジャンルに最も必要であるはずのハラハラドキドキ感が見事なまでに感じられない残念な作品となっております。とにかく設定に無理があり過ぎ!何人も地下室に居るのだから、所詮犯人は一人なんだし、みんなで一致団結すれば簡単に叛乱出来そうなもんなのになぜか素直に従う監禁された女性たち。彼女らが医者の手助けもなくきったな~い地下室で簡単に帝王切開で子供を産んで育てちゃったり…。挙句の果ては、「なんじゃそりゃー!」と大声で叫びだしそうになるくらい、強引で無理やりであり得へんオチ。「そんなこと言われたって、だって全部実話なんだもん」という嘘八百な言い訳(だったら、とっとと真犯人捕まえに行けっつーの!笑)で、言い逃れしようとするこの作品のスタッフたちにはもう教育的指導です!!あと、最近トホホな凡作への出演が相次いでいるジョン・キューザック、この頃なんだか小粒なニコラス・ケイジに見えてきちゃってちょっぴり心配(笑)。[DVD(字幕)] 3点(2014-05-18 12:40:22)

1344.  バレット(2012) 《ネタバレ》 「裏社会に生きる俺がデカを助けた。普通ならしないが、信念を曲げなきゃならん時もある。これからその話をしよう」――。長年、殺し屋として裏社会の第一線で活躍してきたジミー。ところがある夜、若い相棒と共に簡単な仕事をこなしバーで祝杯を挙げていたら、謎の男によってその相棒を殺されてしまう。「この依頼には必ず何か裏がある……」。そう確信したジミーは、同じく元相棒を殺されたアジア系の若い刑事と不本意ながらもタッグを組み、事件の黒幕を求めて夜の街へと繰り出してゆく。だが、相棒ジミーの娘である女刺青師リサにも犯人の魔の手が迫るのだった……。果たして事件の真相とは?往年のアクションスター、シリベスター・スタローンが主演を務め、『48時間』や『レッドブル』など80年代を代表するエンタメアクションを撮ったウォルター・ヒルが監督を務めた本作。旧世代の遺物のようなそんな2人が製作しただっけあって、これがまぁ恥ずかしくなるくらい超ベタベタなアクション映画でございました。さすがに還暦過ぎたスタローンがまだ現役バリバリの殺し屋ってさすがに無理があると思うんですけどー。なんか動きがいちいちドタドタしててキレがないし(笑)。それに完全アナログ親父のスタローンと、ケータイで何でも瞬時に情報を手に入れちゃう若いハイテク刑事という正反対な2人が事件の黒幕を追ううちに次第に友情を育んでいくという、いかにも古き良き時代のアクション映画を楽しみたいお父さん世代に媚を売るようなストーリー展開に、僕はちょっぴり辟易。「ほら、そこのお父さん、そろそろ若い女の裸見たいでしょ!さあ、どうぞー!」と言わんばかりに出てくるパーティー会場での若い女たちのヌードも、あまりにもサービス過剰感があってなんか馬鹿にされてる気がしちゃいました(まあ、目を見開いて見入ったけども!笑)。うーん、スタローン&ウォルター・ヒルとは言え、さすがにこれは古臭すぎる。5点![DVD(字幕)] 5点(2014-05-17 19:21:46)

1345.  欲望のバージニア 《ネタバレ》 下の兄貴フォレストが言った、俺たち兄弟は絶対に死なないって――。1931年、禁酒法が施行されたアメリカ。のどかな自然の風景が拡がるバージニアで、酒の密造に手を染めるポンデュラント三兄弟は順調にその商売を軌道に乗せつつあった。そんなやり手の兄貴たちに憧れと引け目を感じながらも、末っ子ジャックは早く一人前の男になろうともがく日々を過ごしている。ある日、そこに蛇のように狡猾なレイクス検事がやってきたことから、事態は急にきな臭くなり始めるのだった。情熱的な長男、カリスマ性に富んだ次兄、都会から逃れてきたどこか陰のある美しい女、伝説的な大物犯罪者、そしてジャックがほのかな恋心を抱く教会の可憐な少女……。禁酒法時代のバージニアを舞台にそんな多彩なエピソードを交えて描かれる濃厚な犯罪ドラマ。こういう題材を扱った映画って、普通は夜の匂いを漂わせる都会を舞台に描かれることが多いのだけど、今作の特徴は、どこまでも田園風景が拡がる田舎ののどかな雰囲気の中に描いたところですね。実力派の役者陣が織り成すツボを押さえたストーリー展開はなかなか楽しめました。特に、グロ描写もふんだんに取り入れた犯罪ドラマでありながら、末っ子ジャックの青春ラブストーリーを見事に共存させたこの監督のバランス感覚はなかなかだったと思います。ねっとり横分けガイ・ピアーズのいかにも粘液質なイヤらし~い悪役っぷりも良かったですし。まあ、実話を基にしたと言いながらも、けっこう荒唐無稽な部分が散見されるのはご愛嬌だけど(首をざっくり切られた次兄が死ななかったばかりか、数日入院しただけで簡単に退院してすぐに元気に元通りって、おい!笑)。あと、ちょっぴりエピソードを盛り込みすぎて少々散漫だったかなってところも若干気になったけど、うん、普通にぼちぼち面白かったです。[DVD(字幕)] 6点(2014-05-15 07:47:40)

1346.  おおかみこどもの雨と雪 《ネタバレ》 大学で出会った、謎めいた青年は実はおおかみおとこだった――。そんな驚愕の事実に戸惑いながらも種の違いを乗り越え、彼へと惹かれていく女子大生・花はやがて彼の子供を身篭ってしまう。誰にも知られず、都会の片隅でささやかな幸せを育んでいく花とその家族たち。だが、現実は何処までも残酷でおおかみおとこである彼は不慮の事故により帰らぬ人に。生きていくのが難しい都会に見切りをつけ、花は愛する二人のおおかみこどもとともにのどかな田園風景が拡がる田舎へと移り住むのだった。純朴で優しい村の人々、辛いけどやり甲斐のある農作業、そして静かに巡りくる四季折々の美しい自然の風景……。様々な困難に見舞われながらも、子供たちは少しずつ大人になってゆく。普段、ピクサーとジブリくらいしかアニメは観ないのだけど、この監督の前作『サマーウォーズ』のいかにも童貞男子が夢見そうなラブコメワールドには辟易させられたものの、そのシャープでポップな映像美はなかなか良かったのでこの度鑑賞。何処までものどかな田舎の春夏秋冬を瑞々しく描き出す映像は相変わらず美しかったです!華やかで豊かな色彩感覚、どこまでも奥行きを感じさせる見事な構図、透き通るようにキレイに描かれた小川や野畑の風景描写……。ただ、今回もやはり、いかにも若い男の子が夢見そうな甘っちょろ~いストーリーには辟易させられました。何処までも綺麗で優しい理想的なお母さん像に思春期を迎えたお姉ちゃんのいかにも初々しい初恋描写、そして弟はおおかみと人間の間で揺れ動くアイデンティティに(あくまでカッコよく)思い悩む……。もう全てがベタで甘いです。子供を持つ親なら誰もが声を揃えてこう言うでしょう、「子供は、こんな簡単に育てられんつーの!」。この監督さん、センスはかなり良いと思うので、次はもう少し大人な視線をもって作品を創ってくれることを期待します。[DVD(字幕)] 5点(2014-05-12 18:46:24)

1347.  バッド・アス(2012) 《ネタバレ》 始まりはバスの中だった。俺がいつも使う路線144だ。ある日、事件が起きた。俺の人生を劇的に変える事件が――。かつてベトナムで命をかけて戦った国の英雄フランク。だが、そんな英雄も退役すると路上のホットドック売りとなり、気が付くと初老の域に差し掛かっていた。このまま俺は平凡な人生で終わるのだろう。そう思っていたある日、彼はバスの中で調子に乗っていたチンピラどもを過去の経験を活かし懲らしめてやるのだった。偶然撮られたその時の様子が、無名の爺さんがチンピラどもに天誅をくだす動画としてネット上に公開されると、彼は一躍ヒーローに。そんな折、フランクの大の親友が無残にも路上で殺されるという事件が起きる。警察は役に立たない。〝バッドアス(イカれたヒーロー)〟と祭り上げられていた彼は、そんな風潮に後押しされるかのように悪逆非道なチンピラどもを叩きのめしていく。親友の無念を晴らすために……。ダニー・トレホ主演だし、もっとロドリゲスの「マチェーテ」みたいなぶっ飛んだ世界を期待して観たのだけど、意外にも普通のB級アクションでしたね、これ。ネット上で話題になり世論に祭り上げられて暴走してしまうヒーローという現代風のテーマもストーリーに上手く絡んでおらず、観終わってみれば、スティーブン・セガール風のよくあるフツーの復讐物でした。もうちょっと新しい切り口なりアイデアなりがが欲しかったかなー。まあ、ダニー・トレホの常に短パン&ウエストポーチという休日のお父さんみたいな格好なのに、どこまでも無敵なオヤジっぷりはなかなか良かったですけども。あと、ダニー・トレホの回想シーンで彼の若かりし日を演じる俳優が肌つるつる過ぎて、あんた思い出美化しすぎって思わず突っ込んじゃいました(笑)。[DVD(字幕)] 5点(2014-05-09 00:00:25)

1348.  エンド・オブ・ウォッチ 《ネタバレ》 俺は警官だ、お前を逮捕する。法律は俺も嫌いだが、犯罪者は鉄の檻にぶち込む。殴られれば殴り返す。撃たれたら撃ち返す!だが、警官だって人間だ。血も流せば、悩み苦しみ、人を愛しもする。それでも俺たちは仲間のためなら身を投げ打ってでも助けに行く。バッジと銃を持つ運命、今日も俺は相棒とともに街へと繰り出す――。世界でも有数の治安の悪さを誇る大都会LAで、警官として多忙な日々を送るブライアンと彼の相棒マイクとの常に死と隣り合わせの危険な日常を、ドキュメントタッチの乾いた映像で描くポリスアクション。冒頭から、彼らの車載カメラと手にしたビデオカメラのブレブレ映像が続き、これはいわゆるPOV作品の警察バージョンなんだろうな~と思いながら観ていたのだけど、完全にそうでもなくて、場面転換に夜の街の空撮映像が差し挟まれていたり、現場へと踏み込んでいく場面で急に二人の後からその姿を追う神視点の映像に切り替わったりと、その二つの映像を使い分ける絶妙のバランス感覚に監督のセンスを感じました。おかげで彼らと凶悪な犯罪者たちとの鬼気迫るようなやり取りや、緊迫感溢れる銃撃戦など、まるで自分もその場に居合わせたような臨場感を味わうことが出来たっす。それにしてもアメリカの警察にだけは絶対に就職したくないですね~、片目にナイフをズバッとなんて目には死んでも遭いたくない(笑)。最後に描かれる、そんな危険な日常を少しでも和らげようといつものように軽薄でくだらない会話を交わす彼らの姿が、その後の哀しい展開を思うとなかなか切ない余韻を残してくれます。ただ、中盤の中だるみ感はもう少し何とかして欲しかったですかね。結婚式のシーンをもう少し削って、90分くらいに纏めてくれればもっと良かったかなとも思いました。いやー、それでもけっこう面白かったっす。[DVD(字幕)] 6点(2014-05-06 21:26:33)(良:1票)

1349.  孤独な天使たち 《ネタバレ》 団体行動が苦手で学校でも浮いた存在である14歳の孤独な少年ロレンツォ。過保護で口うるさい母親から少しでも離れたくて、彼はある日、スキー合宿へと参加すると嘘をつき、いまは離れて暮らす父親の所有する地下室へと勝手に潜り込むのだった。誰も知らない自分だけの孤独なバカンス。水槽に飼育された蟻の巣をぼんやり眺めたり、お気に入りの音楽を好きなだけ聴いたり、そんな自由気儘な生活を謳歌しようとした矢先、彼の腹違いの姉オリヴィアが「何処にも行き場所がないの。お願い、中に入れて!」と強引に転がり込んでくる。がさつで無神経なそんな彼女に、当然のように出て行くよう告げるロレンツォ。だが、オリヴィアが麻薬中毒から必死に立ち直ろうとしていることを知った彼は、そのアルマジロの皮のように硬い殻で覆われた孤独な心を少しずつ開いてゆく……。都会の片隅、誰も知らない暗い地下室での数日間の姉と弟の屈折した交流を描いた、巨匠ベルトルッチ監督の約10年ぶりとなる待望の復帰作。いやー、齢70を過ぎて、まだまだこんなに鬱屈した少年の繊細な心理を瑞々しく描けるなんて、さすがはベルトルッチですね。そんなブランクを微塵も感じさせない、気品に満ちた青春ドラマの佳品に仕上がっておりました。舞台はほぼ薄汚れた地下室のみ、登場人物もほぼこの少年とその姉のみなのに、これまでのキャリアに裏打ちされたであろうその巧みな手腕に最後まで釘付けとなって観終えることが出来ました。最初はいけ好かない印象の姉が、実は夢破れた孤独な少女で、同じような境遇にいる弟と心を通わせることで、次第に外の世界へと目を向け始めてゆく自然な描写など、もはやさすがと言うしかない。病のせいで映画製作から遠ざかっていたというベルトルッチのこの10年間が、つくづく残念でなりません。[DVD(字幕)] 8点(2014-05-05 11:57:40)

1350.  チャイルドコール 呼声 《ネタバレ》 夫の激しい暴力から逃れ、支援者らの協力のもと、小さなアパートへと越してきた親子アナとアンデシュ。新たな地で生活を立て直そうとする彼女たちだったが、異常なほど心配性のアナは、もう8歳になる息子のためにチャイルドコールを購入するのだった。ところがある夜、そんな無線機に息子とは違う子供の虐待される悲痛な叫び声が混線してしまう。当然のように困惑するアナ。そしてそのことがきっかけで、ようやく手に入れた彼女と愛する息子との安穏な生活は次第に壊れ始めてゆくのだった。忍び寄る夫の影、いつの間にか息子の身体に出来ていたあざ、何度も失われるアナの記憶、そして虐待していたと思しき隣人の怪しい行動…。冒頭から、そんな謎に満ちたストーリーと画面に横溢する常に何かとてつもなく嫌なことが起こりそうな不穏な雰囲気とでなかなか惹き込まれましたね、これ。こういう謎が謎を呼ぶミステリアスでダークな作品、もろ自分の好みっす。登場人物誰もがみんな怪しい悪意を隠し持っていそうな感じとか、けっこうじっとりとした怖さでゾクっときちゃいました。これでオチがしっかりしていれば傑作になるぞ!とワクワクしながら観ていたのですが、残念ながら最後に明かされるこのオチはさすがに強引過ぎますって(真相は実はお母さんの〇〇だった。でもだとしたら、これとあれの辻褄が合わんと思ったら、実は子供は△△だったのだって、おい!笑)。と、オチがちょっぴり残念賞でしたけれど、この全編を覆う不穏な空気と鑑賞後の(良い意味で)後味の悪~い余韻とかは充分堪能できました。大マケして7点っす。[DVD(字幕)] 7点(2014-05-04 20:01:22)

1351.  2ガンズ 《ネタバレ》 メキシコの凶悪な麻薬王パピとヤバい取引を続けているワルの2人組み、ボビーとスティグにはお互いに隠している裏の顔があった。ボビーは麻薬取締局の潜入捜査官、スティグはアメリカ軍の特命を担う兵士だったのだ。パピを牢屋へとぶち込むため、彼の裏金を隠してある銀行を襲うことに決めた2人だったが、様々な組織や人間たちの思惑から事態は意外な方向に。凶悪なギャングたち、麻薬取締局、アメリカ軍、果てはCIAまでが乗り出してきて……。果たして捜査の行方は?様々な思惑を抱えた男たちの騙し騙されの賑やかな展開がノンストップで続くエンタメアクション。デンゼル・ワシントン&マーク・ウォールバーグという2大人気俳優が競演した、そんなオーソドックスなバディものと思いきや、途中で敵同士になったり、やっぱり相棒に戻って敵と戦ったりとテンポ良く進むストーリーは確かに好感持てました。ただ、ちょっと僕の好みではなかったですかね、これ。なんだか全体的に無難で作りが優等生に過ぎて、心に残るものがいまいち乏しかったです。ロドリゲスまでとは言わないけれど、ラテンのノリが支配するメキシコが舞台なんだし、もうちょっと無茶苦茶で馬鹿やってくれても良かったと思うんだけどな~。アクの強いデンゼルと何処かお間抜けなマークの飄々とした相棒っぷりはなかなか楽しかったけど、明日には速攻で忘れてしまいそうな薄味作品でありました。でもまあ、これは好みの問題。ビールと枝豆片手に暇潰しに観る分にはぼちぼち楽しめると思いまーす。[DVD(字幕)] 5点(2014-05-03 19:43:13)

1352.  トゥ・ザ・ワンダー 《ネタバレ》 フランスとアメリカ。シングルマザーとして愛する娘と暮らす美しい女性と、嫉妬深い無骨な男、そして現実の残酷さに思い悩む牧師――。彼らの長年のわたる愛と葛藤のドラマを、詩的で静謐な映像美でもって描き出すいかにもテレンス・マリックらしい難解で哲学的な物語。もう、冒頭から徹底的に説明を排除したキリスト教の啓蒙ビデオのような良く言えば芸術的、悪く言えば退屈な映像に、これまたいかにもこの監督らしい意味があるのかないのか、さっっっっぱり分からない抽象的で小難しいモノローグが延々と被せられ、はっきり言ってうんざりしちゃいました。こういう雰囲気ごり押しの理解できる人にだけ分かってもらえればそれで僕は満足なんだよと言わんばかりの作品って、やっぱり大嫌い!!頭の悪い自分には、開始10分ですぐに酷い睡魔が雪崩のように押し寄せてきて最後まで観るのがホント苦痛で仕方なかったんですけど!と、この監督の作品はもういいやって、毎回観る度にそう思うのに、何故か主演俳優だけは毎回豪華で魅力的で(だって今回はベン・アフレック&バルデム、前回はショーン・ペン&ブラピ、その前はジョージ・クルーニーなんだもん!)、それだけで結局観ちゃうんだよねー。次こそ絶対に観ないと心に固く誓うのだけど、もしディカプリオやジョニー・デップとかが出たりなんかするとやっぱり気になって観ちゃうんだろうな~。もう、やんなっちゃう(笑)。[DVD(字幕)] 3点(2014-05-02 00:18:55)

1353.  サウンド・オブ・ノイズ 《ネタバレ》 「街にあふれるゴミみたいな音楽に反撃するのよ。そう、私たちの力で絶対に忘れられないコンサートを開くの」――。そこら中に普通にある物を使ってゲリラ的に自分たちの楽曲を演奏する音楽テロリスト集団。彼らの手にかかれば日常の平凡な風景が瞬く間に華やかなコンサート会場に変貌してしまうのだった。そんなある日、彼らはとうとうこれまでの集大成ともいえる計画を実行に移すことに。痔の治療を行う手術室、音楽とは無縁の静かな銀行、噴水のある街の広場……。彼らによって何気ない街の風景が次々と違法な演奏会へと変えられてゆくなか、音楽嫌いの無骨な刑事が懸命に彼らのあとを追い始める。果たしてコンサートの行方は?平凡な街並みで突然に行われるそんな前衛的な演奏会をコミカルに描く、北欧発のクライムコメディ。うーん、なんだかアイデアのみが先行してしまい、映画としてみればいまいち何がしたいのかよく分からない作品だと僕は思いました。いったい彼らは何故にこんなことをするのでしょう?自己満足?純粋な芸術表現?退屈な社会への反発?そこのところがいまいちつかめないせいで、残念ながら僕はうまく作品世界に入り込めなかったです。犯人の音楽に触れた物の発する音が何故か聞こえなくなるという刑事の設定もいったい何の意味があったのかよく分かんなかったし。それに、僕が音楽おんちなせいか彼らの奏でる楽曲にもあんまり魅力を感じず…。うーん、ごめんなさい、4点っす。[DVD(字幕)] 4点(2014-05-01 11:51:17)

1354.  トランス(2013) 《ネタバレ》 高級な絵画をオークションにかける会社で地道に働くサイモン。ゴヤの大作「魔女たちの飛翔」が落札にかけられるその日、彼は仲間たちとともにある計画を実行にうつすのだった。それは、その高額な絵画の強奪。奪った画を裏マーケットに売り渡し、大金を得ようというのだ――。しかし、彼の予想外の裏切りによりそんな絵画は何処かへと隠されてしまう。怒った仲間たちはサイモンを拘束。当然のように怒り狂うリーダーは彼を拷問にかけ、絵画の行方を割り出そうとする。だが、なかなか口を割らないサイモン。なぜなら彼は、頭を強打したことで記憶をきれいさっぱり失ってしまったのだった。仕方なく、リーダーは催眠療法士の美しい女性を利用して彼の失われた記憶を甦らせようとするのだが、各々の隠された思惑と過去の出来事が複雑に交錯し、事態は思わぬ方向へと転がり込んでゆく。果たして絵画の行方は?催眠状態に陥った一人の男の隠された深層心理を極彩色でポップな映像と軽快でノリの良い音楽とで、スタイリッシュに描き出す映像作家ダニー・ボイルらしい佳品でありました。いかにも賛否両論分かれそうな作品だけど、僕はけっこう好きですね、これ。まるで万華鏡の中へと紛れ込んだような独自の世界観やシュルレアリスムな映像美。まぁストーリーや設定はよくよく考えたら突っ込みどころ満載ですけど、エンドロールが流れるまで、このポップでサイケな映像で描き出された、一人の男の疾走感溢れる脳内トランスワールドに素直に酔いしれることが出来ました。ときおりはさまれるシュールなエログロ描写もなかなか良かったです(むちゃくちゃ顔の濃いヒロインの股間が全くの無毛だったという、なんじゃそりゃー!なフルヌードは何ともエロティック!)。どことなく『エターナル・サンシャイン』をも髣髴とさせるこの作品、うん、見事に僕の好みとマッチしておりました。ちょっぴりおマケして8点…、いや、やっぱ7点かな~。[DVD(字幕)] 7点(2014-05-01 08:51:59)

1355.  マニアック(2012) 《ネタバレ》 街の片隅で、親の代から続くマネキン工場を営む孤独な青年フランクには誰にも言えない秘密があった。それは、幼少期に実の母から受けた虐待が原因で、女の頭皮に異常なまでの執着をみせるという、抑えきれない歪んだ欲望。そう、実際に街で見かけた女を殺しその頭皮を剥いでマネキンの頭部へと貼り付けてコレクションするほどに――。偶然知り合った新進気鋭の女性芸術家アンナへとその歪んだ欲望を向けたことから、そんな彼の精神はさらなる狂気の深淵へとはまり込んでいくのだった。という、ストーリー自体はもう何処にも一ミリたりとも新しい部分の全くない超ベタベタなサイコ・サスペンスなのですが、本作は全編をそんな異常なサイコキラーの主観目線で描いたというのが新しいところですね。モキュメンタリーとかじゃなく、ほんとにずっと精神異常者視線でストーリーが語られていくため、まるで自分が何の罪もない女を殺してその頭皮を剥ぎそれを貼り付けたマネキンに取り囲まれて「ハアハア」言いながら恍惚としてるみたいな気分にさせてくれます(まあ、ほとんどの人は積極的にあまり味わいたくないだろうけどッ笑)。いやー、とにかく気持ち悪いだけの作品でした。いわゆるPOV亜流な設定なので、ストーリーに深みや情緒なんて欠片もありません。もう蝿がたかる血だらけのマネキンとか、その腐臭が今にも臭ってきそうで不愉快千万(笑)。でもまあ、ここまで人を不快にさせる映画を撮ったスタッフたちの情熱(特に終始いや~な目付きの気持ち悪いイライジャ・ウッドがぐちゃぐちゃになっちゃうラストは必見!)は、良くも悪くも賞賛に値します。よって6点。[DVD(字幕)] 6点(2014-05-01 00:15:31)(良:1票)

1356.  エリジウム 《ネタバレ》 ここは、人口爆発により社会秩序が著しく荒廃した未来の地球。一握りの富裕層は宇宙空間に建造した巨大な宇宙ステーション〝エリジウム〟に移り住み、何不自由ない豊かな生活を謳歌していた。反対に地球に残された人々は、ロクな医療も受けられない、ゴミと瓦礫と犯罪がはびこる世界で虫けらのような生活を強いられている――。元犯罪者のマックスもそんなごみ溜めのような街で、鬱屈した思いを抱えながら巨大企業の工場で働いていた。ある日、いつものように作業に従事していたマックスは不慮の事故により有害物質を全身に浴びてしまうのだった。「残念ながら君の命は5日ともたないだろう…」と告げられ、絶望に打ちひしがれるマックス。さらには厄介払いするかのように、唐突に解雇を通告されてしまう。理不尽な仕打ちに怒りに燃えたマックスは、凶悪な犯罪者の力を借りてそんな会社の社長を誘拐する計画を立てるのだった。図らずもそれは理不尽なこの世界を変えるきっかけとなってゆく……。『第9地区』という、社会の貧困や理不尽な格差や差別を真正面から描きながら、内容はあくまで良質のエンタメSF映画(ちょっぴりB級っぽい)という、かなり斬新な作品で鮮烈なデビューをかざったブロムカンプ監督。満を持して放つ新作は、巨大予算&有名俳優陣を存分に使って製作したSF超大作でした。冒頭から、見渡す限りバラックが建ち並ぶスラムで懸命に生きる人々の隣に普通に銃を持ったロボットが闊歩していたり飛行船が飛び交っていたりという、この監督らしいハイブリッドな世界観に否が応にもテンション上がっちゃいました。いやー、良いですね~、このシニカルでスタイリッシュな世界観。社会の底辺で暮らす人々のエネルギッシュな描写や細部にまで拘り抜いたSF愛、そして一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちが織り成すスピーディーなストーリー展開、うん、充分面白かった!特に社長誘拐シーンでのスローモーションを多用した銃撃戦描写とかかなり格好良くて大変グッド。ただ、さすがに気負いすぎたのか、後半から若干散漫な展開が続き、いまいちクライマックスが盛り上がらなかったところが残念でした(特にジョディ・フォスターの見せ場があんまりなかったとこが不満爆発!)。でもまあ、新鋭監督の次回作に期待を込めて7点![DVD(字幕)] 7点(2014-04-29 19:00:25)(良:1票)
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1357.  アップサイドダウン 重力の恋人 《ネタバレ》 これから僕が語るのは、宇宙で唯一の〝二重引力〟が存在する世界での社会を変えることになったある愛の物語だ――。特殊な磁場が働き、上下双方からの重力が存在する特異な双子惑星。上に位置する世界には何不自由なく暮らす富裕層が住み、下に位置する世界には貧しい人々が鬱屈した毎日を過ごしていた。お互いの世界の交流はタブーとされ、下の世界に住む貧しい人々は上の世界に住む幸せそうな人々をただ眺めることしかできない毎日。ある日、二つの惑星を結ぶ賢者の山でエデンという女の子と運命的な出逢いを果たしたアダム。2人は、そんな禁忌とお互いの重力を乗り越え愛を育んでいく。だが、世界を牛耳るトランス社に知られることになった2人は無理やり引き離されてしまう――。10年後、トランス社で働く彼女と再会を果たすため、アダムはそんな重力の壁を乗り越えうる画期的な発明品を手にとうとうトランス社に踏み込んでいく。ところが悲しいことに、彼女は過去の記憶をすっかりなくしていて……。上と下からの二つの重力に支配された特異な世界でお互いの身分を超えた愛を貫こうとするあるカップルを描いた純愛ラブストーリー。と言う、ストーリー自体は超古典的な「ロミオとジュリエット」風純愛物語なのだけど、それを特異な発想と拘りぬいた斬新な映像でもって描いたところが新しいですね。徹底的にアイデア勝負のこの世界観は確かに秀逸だと思うのだけど、さすがにちょっとストーリーがおざなりに過ぎます!都合よく記憶をなくしたヒロインが物語の途中でこれまた都合よく記憶を取り戻したり、強大な権力を持っているはずのトランス社がかなり甘々なセキュリティだったり、そしてかなり投げっ放し感MAXな強引なオチだったり…。うーん、もうちょっと脚本を練って欲しかった。それでも、今までになかった斬新な映画を創ってやろうというこの監督の迸るような情熱は、その画面の端々からビシバシ伝わってきました。ようやく相思相愛になれた2人が空中をクルクル廻りながら抱き合ったりとか、こんな変てこなラブシーン初めて見たし(笑)。そんなわけで、この設定は斬新なのにストーリー自体は青臭い恋物語、突っ込みどころ満載ですけどけっこう楽しめたかな。文字通り、ホントに身体が燃え上がりそうになりながらそれでも彼女の前ではスマートなデートの終わり方をしたかったアダムの童貞っぽい感じとかも、素直に共感出来たしね。重力やら格差やらに阻まれながらも、それでも好きな女の前だとええカッコしたい男ってやっぱアホだ(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-28 00:18:03)
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1358.  ローン・レンジャー(2013) 《ネタバレ》 1869年、ゴールドラッシュに沸くアメリカ・テキサス州。自らを法と正義の番人と自負する、頭のお固い新人検事ジョンは、故郷へと帰る列車の中で、偶然、顔に妙な模様を描き常にカラスの死骸を頭に乗っけているはぐれ者のインディアン・トントと出会う。その外見以上に頭のネジが何本も抜け落ちたような変わり者の彼に、当然のように反発するジョン。たが、ひょんなことから一緒に凶悪な犯罪者を追ううちに、何故かマスクマンとなって、奇想天外な冒険の旅へと出発することになるのだった。男前で正義感の強い超オーソドックスな主人公と、そんな彼と全く正反対な超へんてこキャラがタッグを組み、コメディとシリアスの狭間を絶妙なバランス感覚で描く、いかにもヴァービンスキーらしい冒険活劇。と聞くと、やっぱりあの「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズを思い起こさせるのだけど、残念ながら今作は「パイレーツ~」に比べて魅力的なキャラクターに乏しいせいか、冒険活劇にもっとも大切な要素であるワクワクドキドキ感が全体的にワンランク下がった感が否めないですね。特に、一番の悪役が誰かよく分からないせいでストーリーが最後までいまいち盛り上がりに欠けたところが残念でした。うーん、もっとファンタジックな設定にして、悪役たちをあの骸骨海賊ばりにグログロ集団にしてくれた方が作品世界にアクセントが利いて良かったと思うんだけどな~。監督があまりにも西部劇に拘りすぎて、彼お得意の遊び心がいまいち空回りしちゃってる印象が否めなかったです。それでも最後の、列車二台を並走させながらの様々なキャラクターたちが入り乱れて大活躍する、もう王道まっしぐらなクライマックスシーンはやっぱりさすがの出来でした。そこらへんは抜群の安定感で素直に楽しめました。あと、ジョニー・デップ&ヘレナ・ボナム・カーターの共演シーンで、いつ彼が彼女を殺すのかとハラハラしちゃうのは、確実にティム・バートンの悪影響(笑)。[DVD(字幕)] 6点(2014-04-27 00:02:03)(良:1票)
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1359.  シェルタリング・スカイ 《ネタバレ》 この美しい空を見上げてごらん、この茜色の大空はね、僕たちを守ってくれているんだ、宇宙という無限の虚空から――。結婚生活10年目にしてお互いが求める愛の微妙な擦れ違いに悩む夫婦キットとポート。なんとか事態打開を図りたい2人は、若い共通の友人ターナーを伴ってアフリカの大地へと降り立つのだった。「無計画こそが私たちの計画なの」。原生的な生きるエネルギーに満ち溢れたアラブ人たちに混ざり、広大なサハラ砂漠でただ刹那的な愛を求めて彷徨う一組の夫婦。果たして彼らが得た結論とは?赤を基調とした暖色系の美しい映像と情熱的で壮大な音楽(全盛期の坂本龍一教授が生み出す美しい旋律が胸に染みます)で、この倦怠期の夫婦が若い男を媒介に冷めた愛を再び燃え上がらせようとするという、なんてことないNTRストーリーなのに、なんだか哲学的で深い映画に仕上げてしまうところは、さすが巨匠ベルナルド・ベルトルッチ。とにかく砂漠の映像が美しい。風が吹けばそこら中に砂砂砂、市場に行けば肉にたかる蝿蝿蝿、アラブ人はみんな髭髭髭、このひたすら濃ゆ~いのに何処か知的で高尚な雰囲気を漂わせるスタイリッシュな世界観には、素直に圧倒されました。ただ、綴られるストーリー自体はあまりにも淡々と進むため少々退屈なところはちょっぴり残念でしたけれども。それでも、どんなに情熱的な愛があろうとそこにどんなに崇高な人間の魂があろうと最後は何もかも無機質な砂へと呑み込まれて無に帰するのだという東洋的な無常観に必死で抗おうとする人間たちの苦悩を、ラクダがのどかに闊歩するような砂漠の雄大な景色のなかに象徴的に描いた、いかにもベルトルッチらしい良作でありました。[DVD(字幕)] 7点(2014-04-24 08:46:40)
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1360.  レイチェルの結婚 《ネタバレ》 かつて麻薬という魔物にどっぷりとはまり込み、知人や友人、そして大切な家族を傷つけ、大切なものをたくさん失ってしまった若い女性キム。更正施設での長年にわたる治療の末、何とか立ち直ることが出来た彼女は、姉レイチェルの結婚式に出席するために久し振りに実家へと帰ってくる。だが、幸せいっぱいの姉の姿を見ているうちに、キムはやっぱり癇癪を起こし、周りの人々や家族たちに迷惑をかけまくってしまうのだった。果たして無事に結婚式は終わるのか?人生の節目を迎え幸せになろうとする姉と人格的に問題のある妹との、家族や友人をも巻き込んだ騒動を、まるでホームビデオで撮ったかのようなリアリティ溢れる映像で綴ったファミリードラマ。『羊たちの沈黙』や『フィラデルフィア』でその名声を欲しいままにしたものの、その後はパッとしない印象のジョナサン・デミ監督の作品なのですが、あの頃の画面の端々にまで漲っていた不穏な緊迫感は完全に雲散霧消してしまい、なんだか知り合いの大して面白くもない結婚式の映像を延々と見せられたような退屈極まりない作品でありました。「結婚式ってホント大変!」。そりゃそうかも知れませんけど、それを延々と映画として観せるには、もっと新しい切り口なり斬新なアイデアがなきゃ駄目だと思うんですけど、この作品はどうにもそれが弱い。まるでホームビデオで撮ったような手振れ映像をそのまま使っているにもかかわらず最後までストレスなく観られるところや、軽快でノリの良い音楽、「結局、家族は仲良くなれませんでした…」な印象的なラストシーンなどは良かったとは思うんですけど、もっと胸をえぐるような一度見たら忘れられないエピソードとかが欲しかったですね。ジョナサン・デミ作品なんだし、この結婚式にレクター博士がやってきてそんな家族の葛藤とか知るかぁ!って感じでえらいこっちゃ展開を見せてくれるとかさ(笑)。[DVD(字幕)] 5点(2014-04-22 00:32:25)
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