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コメント数 3876
性別 男性
年齢 53歳

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121.  シェナンドー河 《ネタバレ》 『馬上の二人』で、さらわれた人々の救出に向ったジェームズ・スチュワート。今回もまた、同様のテーマですが、作品の中に見られる対立軸は、さらに厳しいものとなっています。今回の彼は、妻を亡くした身とは言え、6男1女、さらに息子の嫁もいて、まさに“大家族スペシャル:アンダーソンさん家が大変だ”状態(ああいうTV番組、観たことありませんが…)。家族というより、プチ国家なワケで、南北戦争時代、南軍にも北軍にも与せず、教会とすらもやや距離をおいて“独立”を保っている。いわば、家族vsそれ以外、という対立軸の中で、末っ子がたまたま南軍兵士の帽子を拾ってかぶっていたもんだから、北軍に捕えられ捕虜になってしまう。で、息子たちとともに、末っ子奪還を目指すのですが、映画に「捜索モノ」というジャンルがあったとして、こんな切り口があったのか、と思わせるテーマです。「内部」から「外部」へと連れさられたとは言え、「内部」とはあくまで家族という極めて小さな世界、それに対し「外部」とは社会そのものとも言える訳で、絶望的なほどに明確な「周囲との対立」が描かれています。アンダーソン家は国家であり、息子たちは国民であるとともに兵士であって、それがアンダーソン家のアイデンティティであると同時に、悲劇の始まりでもある。家族のあるものは暴漢に襲われて命を落とし(犯人は逃亡)、またあるものは戦死するも殆ど事故死に近いもの。勧善懲悪や因果応報とは無縁の、無念の死としか言えないもので、まさに、独立するということが内在的に抱える悲劇性そのものの表れでしょう。そう言う訳で、ともすれば暗い展開に流れるのですが(息子たちを軍隊になぞらえた時点で予想された展開とは言え)、最後は、教会に突然、末息子が帰ってくる、という奇跡にが起こり、今まで不信心だった主人公が積極的に讃美歌を歌う姿で、映画は大団円を迎えます。ただし、コレ、周囲との和解というよりは、神との和解、というラストですから、私のような不信心者にはちょっとピンとこない部分もあるのですが。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-09-29 09:48:58)

122.  宮本武蔵 一乗寺の決斗 一乗寺下り松。わたしゃ子供の頃に、武蔵が地形と敵の配置を書いた紙を布にくるんで鉢巻にするのを見て、ああ、覚えにくいことはこうやれば頭に入るのか、とエラく納得したもんでした。が、ホントに効果があるのかどうか、この歳になるまでまだ試したことはありません、ハイ。本作、吉岡一門との最終決戦が描き、伝七郎との対決あり、73対1の壮絶な死闘あり、五部作の中でピークをなすような作品ですが、その分、やや大味な感じが無くも無く。ただ、武蔵が主人公とはいえ、本作ではむしろ武蔵の理不尽な挑戦によって滅亡の道を歩む吉岡一門の悲劇がクローズアップされ、一方の武蔵もまた、下り松での決闘は不本意な文字通りの“泥仕合”となった上、比叡山の坊さんに、鬼、悪魔と罵られる。一体、この戦いに勝者はあったのか。という、一大バトルを描きつつも、剣の道に対する信念の揺らぎをも描いて、これはもう何が何でも最終作を観なければ(笑)という気分にさせてくれる、なかなかに「お上手」な心憎い作品でもあります。ところで、小川べりを歩くシーンは、上賀茂神社でしょうか。伝七郎との対決の場面は、三十三間堂ですね。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-09-24 22:07:54)

123.  危険がいっぱい これはどういうオハナシかというと、「日頃の不真面目さがたたり、ついに和尚さんにお寺を追放されてしまった小坊主さん、山中で道に迷い、たまたま見つけた一軒屋に泊めてもらうことに。しかしその一軒屋で暮らすお婆さんの正体は、鬼婆で……」という、アレですね。だいぶ違うけど、まあ、そういうことでしょう。ただし3枚のおフダは出てきません、代わりに気の利いたオチが待っています。アラン・ドロン演じる主人公、ギャングに追われ、逃げのびた先で、とあるマダムの運転手として雇われる。しかし、マダムの家には、秘密があった。という訳で、マジックミラー越しのやり取りなどのミステリアスな道具立てや、ときにはユーモアなども織り交ぜながら、自由きままだった主人公が、身動きが取れなくなっていく様を描いていて、大いに楽しめる作品ながら、毒のきいたオチには、ため息も出てしまいます。ラロ・シフリンのいかにも彼らしい音楽も、秀逸。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-08-18 16:38:55)

124.  拳銃無頼帖 流れ者の群れ 《ネタバレ》 抗争の末、壊滅状態となった丸千組。麻島(アキラです)をはじめとする生き残り3人組に、追手が迫る。その追手というのが、これまた愉快な3人組①暗闇の銀次郎(錠です。暗闇でも百発百中の切れ者)、②青大将、③金メダル。名前の由来は①以外はよくわかりませんが、観ればなるほど、そんな通称で通ってそうな気がしてきます。丸千組の3人は、アキラはもちろんクールでニヒルでダンディ、言う事なしですが(笑)、あとの二人はどうも緊張感がない。それに比べると追手の3人組の、見事にキャラ立ちしていることといったら……いや、それほどでもないですね。まず③金メダルの泣きが入り、②青大将も冷酷になり切れず、肝心の①宍戸錠にいたっては、したり顔でゴタクを並べまくった挙句、ラストでは麻島側にちゃっかり寝返ってしまう。まるで、続編にも登場してやるぜ、と言わんばかり(多分、続編は作られなかったと思うのですが)。これだけナイスな敵役あるいはライバルのキャラクターを登場させておきながら、映画の最後までそのナイスさをまったく維持できないとは、いったいどういう了見なんでござんしょ。それを除けば、実にスバラシい作品だと思うんですけどね。「それを除くと」というすなわち、アキラ演じる麻島の兄貴の魅力に尽きる訳ですが。クールでニヒルでダンディ(しつこいってか)。単細胞の子分ふたりを巧みにいなすだけではなく、我々の目も巧みにかわし、なぜか本当になぜなのか、突然、板前と化してしまう麻島の兄貴。訳わからんけど、イナセでカッコイイから、OKなのです。アキラの魅力爆発、それに比べると、宍戸錠、ホントになんとかならんのかい。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-08-16 19:38:22)

125.  赤い影法師 木暮実千代姉のワキ毛が目に眩しい忍者映画。服部半蔵やら柳生十兵衛やら、時代劇超お馴染みキャラ続々登場の中で、「影」として生きる名もなき忍者母子の生き様が描かれます(しかしその母子に「名もなき行きずりの男」呼ばわりされてしまう服部半蔵。直後に写る近衛十四郎の珍妙な表情が余りにもナイスで笑っちゃう)。将軍家光の前で行われる剣術の御前試合、これが仰々しく開始される割には、柳生宗矩ら審判役が妙なところで「勝負あり」と試合を早々に止めてしまい、素人目にはわかりにくい達人の世界と言えばそうかも知れないけれど、やや茶番じみた試合。その勝者には将軍よいご褒美の剣が与えられるのだけど、剣を持ちかえる勝者が帰宅途中に何者かに襲われ、剣を折られて切っ先を盗まれる、という怪事件が起こる。犯人は例の「影」の母子。その狙いは? そして母子と、彼らを取り巻く者たち――母子と因縁深き服部半蔵、あるいは「影」との再勝負を望み彼らの跡を追う柳生十兵衛――との運命はいかに? ってなオハナシな訳ですが。「影」として生まれ、類まれな剣の腕を持ちながら表世界では光を浴びることもない忍者の青年が、表世界の剣士たちに戦いを挑んでいくあたり、ワクワクさせるものがありますし、大友柳太朗演じる柳生十兵衛のいかにも浮世離れした感じもいい味出してます(「これが火遁の術かあ」などとひたすら大声で独り言をつぶやく、変なヒト)。「影」の暗い運命を描きつつも、暗さよりは痛快さがまさった娯楽作品となっているのは、やはり筋立ての上手さでしょうか。そしてキャストの豪華さも。[CS・衛星(邦画)] 8点(2013-04-11 23:28:52)

126.  マンハッタン無宿 これは『マカロニ王子 ニューヨークへ行く』といった感じの趣向でしょうか。アリゾナからニューヨークにやってきた(前世期から現代にやってきた、と捉えても結構)保安課が、囚人の移送中に取り逃がしてしまう。そこで、右も左もわからぬ大都会を持ち前の厚かましさを武器に(?)囚人の追跡を行う、というオハナシ。実際、妙に説得力のある邦題(意味はワカランが)で、この邦題を考えたヒトはエライと思います。まあ追跡劇として見るとそれなりにお粗末ではありますが(引っ張った割にはアッサリ囚人を発見するしなあ)、そこはそれ、別角度の面白さ。演出の切れ味とか(冒頭のタイトルのバックで繰り広げられる先住民とのやり取り、まさにツカミはOK)、ビリヤード場の対決にバイクチェイスといった体を張ったアクションとか。さらには、サイケ調の大都会の風俗描写、これはもう文明批判と呼ぶ気も起らない、若干の悪意すら感じられもする描き方で、何か知らんが面白ければいいじゃないの、ってな感じ。プログラムピクチャー的な「中身の無さ」が実に素晴らしい、活きの良い映画です。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-10 08:45:10)(良:1票)

127.  殺人者たち 今日も首尾よく“仕事”を成し遂げた殺し屋二人組。しかし、高額の報酬に対してあまりに簡単過ぎた仕事が、腑に落ちない。で、二人は事の真相を暴こうと、関係者のもとへ。物語はほとんど、その際に語られる過去、回想シーンによって進められ、正直、オハナシ自体がさほど面白い訳では無いことは先にお断りしておく必要がありますが、そしてまたいかにも低予算なチープさがあるのも事実ですが(実写流用っぽいカーレースシーン。あとカートのシーンも、味があると言えば味があるが…)、一方で本作の面白さは、「どう撮るか、どう見せるか」、これで人をワクワクさせるところにあります。低予算でも、必要があれば空撮も辞さないし、まずは発端のシーンの盲学校での二人の傍若無人ぶりの描き方がスゴイ。そこから一転して不安になる主人公の姿、というのが、過去を突き止めようとする物語にうまく繋がっていきます。過去の回想シーンと現在のシーンを織り交ぜることで、「過去」の物語の中に、部外者である「現在」の二人組が、闖入していくような奇妙な感覚があり、これはまさに語り口のうまさ。現金強奪シーンの見せ場もさることながら、この映画の「どう撮るか、どう見せるか」を象徴するのが、ラスト近くにおいて倒れたリー・マーヴィンが手前に向けて構えるサイレンサー銃でしょう。3D映像もビックリ、こちらに迫るような銃身の映像にドキリといたします。鮮烈さを残すラストシーンもお見事。あと、レーガン大統領がどれだけ演技ができない誠実なヒトだったかもこの映画で確認できます(?)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-04 01:37:47)

128.  ダンケルク(1964) 《ネタバレ》 被占領国ならではの戦争映画、ともいうべきシニカルさ。舞台は、ドイツ軍に追われた連合軍が撤退しようとしているダンケルク。戦争映画らしいスペクタクルな要素は、破壊された街、立ち上る黒煙、打ち捨てられた無数の車両、背景に常にうごめく無数の兵士の行進、などに表れていて、いかにも大作らしい風格があるのですが、だからと言って英雄的で派手な戦闘シーンが繰り広げられるようなタイプの作品ではありません。どこからともなく飛んでくる砲弾や、間歇的に襲ってくる戦闘機の銃弾や爆撃の下、兵士たちはただひたすら身をかがめ地面に伏して攻撃がやむのを待つのみ。中には機関銃で撃ち返すヤツもいるけれど、この映画では、戦火を交えるという意味での戦闘は描かれません。攻撃がやめば、兵士たちの目は日常を見る目に戻ります。何しろ被占領国、戦場と民間人の日常が同居している訳ですから。主人公も、大量の味方兵士の死の直後にはもうオネーチャンのところにシケこんだり。日常と死が紙一重。不発弾を悪戯っぽくしかし命がけで処理してみせたり。発見した敵兵士と撃ちあいになることもあれば、味方兵士と殺しあう場面もあったり(ベルモンド自身による階段落ち!)。ユーモアもあり、皮肉にも満ちた、少々ヒネクレた戦争映画なんですが、ここに描かれた非英雄的で等身大の兵士の姿こそ、ホントウの人間の姿であるように感じられ、その対照として戦争のもつ非人間性が浮き彫りになります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-02 18:17:14)(良:1票)

129.  マッケンナの黄金 今となっては何となく怪しい記憶なのだけど、子供の頃、テレビで水野晴郎さんがこの映画をとっても嬉しそうに紹介していた(まあテレビではいつも嬉しそうでしたが)、その紹介の仕方が「この映画はレイダースの原点です」(まあこれはOKでしょう)、「ルーカスもスピルバーグも子供時代この映画をワクワクして観てたんです」(これは年代が合いませんね。“学生時代”の聞き間違いですかね)、「(有名なクライマックスの崖崩壊シーンについて)どう見ても国立公園ですよね。こんな撮影しちゃっていいんですかね」(どう見てもミニチュアなので、撮影しちゃっていいんじゃないでしょうか)。そんな感じで大絶賛されていたので、当時、私もテレビの深夜放送でたまたまやってた本作を見たハズなのですが、どうも記憶が薄い。で、今回あらためて観てみて、あーこんなトンデモ作品だったんだね、と、感心したり、あの“水野節”に納得したり。昔観た記憶が薄かったのは、明らかに行きあたりばったりなストーリーのためでしょう。この自由気ままテキトーな展開こそ、本作を冒険活劇たらしめているもの。西部劇よりもむしろSFに近いかも知れません。演出も自由奔放。吊り橋シーンで画面が歪んだり、激流シーンで妙な早送りがあったり。クライマックスの特撮の数々なんて、多少変でも押し切っちゃう大胆さがあってこそ、この大迫力。“ケレン味たっぷり”という言葉がふさわしい作品です。登場人物も癖があり、敵役だけど憎めないオマー・シャリフ、途中参戦ながら存在感を示すテリー・サバラス(このヒト、基本的に妖怪みたいですよね)。そんなハチャメチャな中で主役のグレゴリー・ペックがキリっと大まじめにヒーローの保安官を演じているのが、もう最高ですよね、あはははは……。[CS・衛星(字幕)] 8点(2013-01-14 11:34:15)(笑:1票)

130.  黄線地帯 予算も時間も無いので、余計な肉付けを削ぎ落し「ハードボイルド」のエッセンスそのものを映画にしました、みたいな感じの作品、たまらなくシビレちゃいます。殺し屋の男と人質の女。立場的には銃を女に突き付ける男の方が上のはず、しかも男は爬虫類のごとき冷酷な表情を顔に浮かべ、実に不気味な存在な訳ですが、しかし一方で、人質の女は、時に勝ち誇ったような、時にひたむきな表情を浮かべ、その女の前では、殺し屋の男なんてのは所詮「消耗品」に過ぎない訳ですね。殺し屋には「消耗品」としての意地があり、女には(人質の身でありながら)本質的な「勝者」としての意地がある。そして許婚である女の行方を追いながら事件の背景も追求し、一粒で二度おいしい立場である新聞記者の男の意地。彼らの意地は、カオス状態の神戸の街を走りぬけ互いに交差し合う“直線”であるかのように幾何学的に描かれて。なにせ、面白いように偶然に次ぐ偶然で事態は繋がり合い吸い寄せられ合い、その一方でこれまた面白いようにニアミスですれ違ってしまったりもするのです。靴屋のオヤジや、ヘンテコだけど気の毒なガイジン売春婦など、脇役のキャラも充実してます。ゴチャゴチャした舞台立ての中から、整然とした方程式が浮かび上がってくるような展開、まさにこれぞハードボイルドの真骨頂と言えるのではないでしょうか。[CS・衛星(邦画)] 8点(2012-12-11 18:11:37)(良:1票)

131.  戦争プロフェッショナル 内戦下のコンゴを舞台に、僻地に取り残された民間人の救出(+ダイヤモンドの回収)に向う傭兵の活躍!ってな映画なんですけれども。全く洗練されていないカオス感たっぷりの作品になってます。救出に向かう手段は機関車、武装した味方の兵士どもを乗せてエンヤコラ、マトモな作戦なんぞまるで無く、戦闘が始まればいきなり消耗戦状態。危機また危機なのは、一種の冒険活劇のテイストを狙ってるんでしょうけれども、それが何だかグチャグチャで、収拾不可能、もはや終末思想的なテイストと言ってもよいのではないかと(笑)。そのカオス状態から一転、すばらしくサワヤカなラストが皆さんをお待ちしておりますので、どうぞご期待ください。まあ何にせよ、男臭くも実にエネルギッシュな作品なのです。[DVD(字幕)] 8点(2012-09-16 07:42:58)

132.  ガン・ファイター(1961) 片や札付きの流れ者、片や彼を追う保安官。保安官にとっては個人的に恨みを持つ相手でもあり、しかも同じ人妻を狙う恋敵でもあり。しかし困難を切り抜けていく中で、二人の間には友情らしきものが芽生え、三角関係も無事解消し……と事態が良い方向へ向かうかと思いきや、最後に意外で残酷な展開が待っている。西部劇にこういう題材って、反則ですよ、まったくもう(笑)。という訳で、すべてを自らの力で切り開く男の中の男、といった感じの流れ者カーク・ダグラスが、成すすべも無く運命の渦に飲み込まれていくようなラスト、これはもう何とも言えぬ後味を残します。カーク・ダグラスの曲者ぶりに比べると、やっぱりロック・ハドソンは、クセが無いというか、どこかホモっぽいというか。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-04 20:49:40)

133.  昼下りの決斗 もし自分が主人公の立場なら、おいおいカンベンしてくれよ~と言いたくなるようなお話で、金の輸送を請け負ったはいいものの、アホ娘の結婚騒動に巻き込まれるし、仲間は裏切るし。んなコトに命賭けられるかよ、と。しかし、この、「自分≠主人公」という可換性の乏しさというものが、“ヒーローもの”の重要な条件でもあったりする訳で。そりゃこんな男に入れあげて結婚まで誓っちゃう娘がアホだから悪いのであって、およそ彼女に分が無いのだけど。しかし誰にでも過ちはある、身捨ててはおけぬ、とこのアホ騒動に対し毅然と立ち向かう主人公。正義のため? いやこれは「自分の信念のため」でしょう。裏切った仲間、これはさすがに“誰にでも過ちが”と簡単に許す訳には行かぬ、とは言え、信念の戦いを共にするのであれば、やっぱり共闘しちゃうのです。身を削るような、接近戦のガンファイト。戦うきっかけとなった事件なんぞツマラなくったっていい、重要なのは、戦いによって守るべき信念。まさにこれぞアナーキズム。ペキンパーここにあり。[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-02-18 23:43:10)

134.  大列車作戦 「大列車作戦」って、語感が悪いですね~。「大スパイ作戦」では視聴率伸びないでしょ。さて本作。占領下のフランスから、ナチスドイツが大量の美術品を運び出そうとする。それをレジスタンスたちが、列車を利用したあの手この手で、阻止しようとするお話。やってることは小細工というか単なるイヤガラセというか、結構チマチマしているのですが、これを実際の機関車使ってダイナミックに演出されてしまうと、これはもう映画として圧巻。さらには、バート・ランカスターの身のこなしがこれまた凄い。梯子を滑り降りて機関車に飛び乗る一連の動き、機関車のパーツを流れるように作る一連の動き。これらのダイナミックなアクションの一方で、美術品のために人命が失われて行ってしまうという矛盾が描かれ、そこから生じる虚無感の漂う作品ともなっております。[DVD(字幕)] 8点(2012-01-03 14:11:22)

135.  突撃隊 一応、「いつ」「どこで」というのは冒頭で示されるものの、基本的に状況説明が少なく、何だかこの映画の舞台が閉ざされた世界のような感じを受けます。1時間半という短い映画である上に、その大半は、戦場における敵との睨み合い、そして戦闘を描くのに費やされており、一体、この戦闘がどのような位置づけにあるのか、この戦闘に勝てばどんな戦果に繋がるのか、映画の中では何もつかめないことから、かえって独特の閉塞感、圧迫感が迫ってきます。また、ここで描かれる戦うべき“敵”の描写は、実際の敵兵の姿ばかりではなく、しばしば、地雷やトーチカなどの“物”に象徴させており、登場人物たちのドライな描写とともに、いわばすべてが映画を図式化させる“駒”としての存在。まさに骨太の映画です(と結局はベタな表現に落ち着く)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-09-04 16:53:14)

136.  続・忍びの者 さて今回、五右衛門伝説にリミックスされるのは、こりゃ“アラモの砦”ですね。あと、家康の暗躍が絡んでくるあたりは社会派映画のノリもありますが。とは言え、あの長大で弛緩した『華麗なる一族』あたりの社会派作品とはやっぱり異なり、あくまで緊密な構成の中で展開されるアクションが見どころですね。物語も盛り沢山なら、演出も高密度。そして前作に負けじと、今回もかなり豪快な戦闘シーンが展開されます。忍者稼業からは足を洗い、親子3人仲良く暮らす五右衛門一家、しかしその幸せは長くは続かなかった・・・と言う訳で、息子の敵討ちに燃える五右衛門と、本能寺の変などの史実がうまく絡み合い、スリリングな作品となっております。いや、まあ、相変わらず主演は雷蔵でいいのか、というギモンはあるのですが(キレイ過ぎるんですね。あまり狂気というものが感じられない)。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-08-17 08:40:07)

137.  シンシナティ・キッド 後半、ひたすら描かれるポーカーの勝負が、何と言ってもみどころ。闘いとは言ってもテーブル上の闘いなので、こう言っちゃなんだけど、地味な闘い。これを、“じゃあ無理矢理盛り上げてみよう”的な奇抜な演出に走ることなく、抑制のきいたクールな描写、これがイイのです。BGMも抑えており、紙幣のスレ合う音なんかが聞こえてくる。そんな中で、プレイヤーの顔を正面から捉えるショットが挿入されると、グッと緊迫感が出て盛り上がるんだなあ。⇒役者の立場からすりゃ、自分の顔をメインに捉えるカットなんだから、何がしか演技しなきゃいけないところ、しかしこれはあくまでポーカーゲーム、従ってポーカーフェイスを貫かなきゃいけない。これはジレンマ。かどうかは知らんけど、表情を出してしまった役者はゲームから下りてゆき、ついには1対1のタイマン勝負へ。ここでちょっと気になってくるのは、何で主役がマックィーンなんですかねえ。ちょっと飄々とし過ぎ、こういうクサい役はもっとクサい俳優にやって欲しいかな(=個人的にはレッドフォードのイメージです、ハイ)。⇒と思ってたらラストで疑問が氷解。このラストの余韻、まるで『大脱走』そっくりじゃないですか。はーん、だからマックィーンなんだね。⇒とかいう変な連想をしてしまうのでやっぱり他の俳優が良かったんじゃないのー。・・・あと、この映画の照明さん、ちと役者の顔を照らし過ぎじゃないですかー。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-26 23:40:00)

138.  忍びの者 手裏剣やら、マキビシやら、これぞ忍者の教科書、といった感じの作品。だったら城に忍び込む時は堀を潜って渡るのではなく、水グモを使って欲しかったけど。そういう悪ふざけをしないのが本作の良いところ。巻物咥えて忍術を使ったりはせず(そりゃそうだ)、ひたすら忍者のキビしさにスポットが当てられていきます。主人公の忍者、その名は石川五右衛門。演じるはもちろん市川雷蔵。とても五右衛門には見えないね、ははは。で物語は、五右衛門伝説に『屋根裏の散歩者』を絡めつつ(?)、忍びの者の暗い宿命を描きつつ、クライマックスはまるで戦争映画のように盛り上がっちゃったりして、いやなかなかスゴい作品でした。それにしても雷蔵はサワヤカ過ぎる。岸田今日子とのカラミって、どうなのよ、コレ。[CS・衛星(邦画)] 8点(2011-07-09 00:40:55)

139.  砲艦サンパブロ 何しろ雰囲気がよく出てます。大規模なロケ撮影が効果的。騒然とした時代背景の中、混乱は砲艦サンパブロの中にも入り込み、それに馴染めずただ機関兵としての仕事を全うしたい主人公は、孤立する。これを昨今の「グローバル化」に置き換えると、他人事とは言っていられないツラサがありますな。機関室の細かい描写が持つ説得力。みなそれぞれの弱さを持つ登場人物たち。特にリチャード・クレンナ演じる艦長の役柄は、トラウトマン並みの曲者ぶり。全体的には、何とも救われないオハナシです。ラスト30分あたりからはいよいよ戦闘シーン、スペクタクルが展開されるものの、映画の基調である閉塞感はぬぐえない。ラストも寂しく締めくくられます。・・・乱闘シーンだけ、ちょっと『ウェストサイド物語』みたいな感じで、もう少し真面目に戦え~と思ってしまったのですが(笑)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-20 23:34:55)

140.  グラン・プリ(1966) 空撮や車載カメラを駆使した圧倒的なレース・シーンが何と言っても見どころ。それも、レースを描くとは言っても「追いつ追われつ」あるいは「時間との勝負」みたいな“アクション”の作品と言うより、走っている「クルマ」そのものを描き、言わばクルマの持つメカニックなカッチョ良さそのものを描いた作品、とでも言いますか。作中で用いられる画面分割の手法ですら、動きや多層性の表現よりも、クルマへのフェティッシュな愛着の表現にしばしば用いられています。で、レースシーンの合間には、レーサーや、レースに関わる人たちの人間模様が描かれ、それは主に男女のイチャイチャあるいはドロドロなので正直どうでもいいのですが(笑)、そこにはまた、体に傷を受けた者もいれば心に傷を受けた者もいて、あるいは戦争に敗れたが再び世界に挑戦しようとする日本人実業家の姿もあって。しかし、いざレースが始まれば、そこにあるのはレースの力学のみ、各自の思いなどと無関係に勝敗が決し、時には生死が決する。と言う訳で、レースとは「お祭り(=非日常)」なんだぜ、どうだ参ったか、という映画ですね、いや参りました。[DVD(字幕)] 8点(2011-04-17 12:29:54)

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