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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 1446
性別 男性
自己紹介 初めてこちらのサイトに投稿させていただいたのが2004年の1月。間もなく15年目の節目を迎える事に。
何かきっかけだったのかなあ・・・と思い返してみると、モンゴメリー・クリフト&エリザベス・テイラー主演「愛情の花咲く樹」(1957)が、なんで作品登録されてないんだ!って義憤(?)に駆られ投稿を始めたことを思い出しました。
レビュー数、今日現在1337本。自分が投稿した作品のレビュー読み返してみると結構気恥ずかしいことをつらつらと、とりとめもなく書いてるなあと反省しきり。
でも「冷たい熱帯魚」(2点)と「パッセンジャーズ」(6点)「3時10分、決断の時」(8点)なんか我ながら良くこんな文章書けたなと感心。
これからも宜しゅうお願いいたします。

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【製作年 : 1950年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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121.  夜の豹 口八丁手八丁、二枚目気取りのフランク・シナトラが得意の甘い歌声を武器に、居並ぶ美女軍団を骨抜きにしてしまうバックステージものミュージカル映画。古き良き時代の雰囲気が画面から漂ってくるのは良いけれど、こんな調子が良いだけの図々しい男にはてんで共感出来ません。「ギルダ」と「ピクニック」でそれぞれ僕を陶然とさせてくれた美女リタ・ヘイワースとキム・ノヴァク、有閑夫人を演じるリタはこの時期だともうかなり容色が衰え気味、キムは綺麗には綺麗だけどこのヒトってやっぱり芝居が上手くないのが難。細かい感情表現がやたら下手。これオリジナルの舞台キャスト通りの、主役は人なつっこいジ-ン・ケリーの方が多分良かったんじゃないかなあ・・・。[DVD(邦画)] 5点(2008-02-25 10:56:09)

122.  穴(1957) 《ネタバレ》 自分の市川崑監督の追悼レビューは大映時代のこの小品で。この時期の市川監督って、果敢に既存の日本映画作家が誰もやらなかった映像表現、キャラクター造りを率先して行っていたっていう印象があります。常に時代の一歩先を見据えていた作家的高揚期といったら良いか。しかもそれら実験的作品の殆どが結果的には成果を収めている、これは物凄い事だと思います。この小品も一見プログラムピクチャーを装いつつ、アングルや各ショットに意匠を凝らし、様々な冒険が施されていて面白い。ただ一連の「大映現代劇」の例に漏れず、どこか重っ苦しい暗鬱な雰囲気がこの作品にも覆われている。ヒロインの京マチ子も百面相的大奮闘の好演だけれど、豊満な肉体ゆえの鈍重さが仇となっているシーンも幾つか見受けられた。ラストの船越英二の飛び込み○◎の決めポーズ、あれって笑うトコなんですよねえ・・・?これがもし東宝で製作されていたたら、もっと軽快な感触の作品になっていたかも。う~ん、初期東宝時代の市川監督コメディ作品群がもっと観たい![DVD(邦画)] 7点(2008-02-22 13:39:36)(良:1票)

123.  ボーン・イエスタデイ(1950) 「イヴ」のベティ・ディヴィスと「サンセット」のスワンソンを押しのけ、この年のアカデミー最優秀主演女優賞を獲得したジュディ・ホリデイの代表作という事で、ずっと以前から観たかった作品。この女優さん、自分は「アダム氏とマダム」の脇役でしか他の作品で観た事ないんですが、キャリアが先細りになったのはどうしてなんだろ?舞台が本職だったからか?そもそもが彼女主演の舞台での当たり役の映画化という事で、かなり巧みなコメディエンヌぶり。カン高い声質に非常に特徴がありますね。もしかして映画界ではこの声がネックになって役柄が限定されてしまったのかな?無言でポーカー・フェイスのまんま、トランプをしてるシーン手捌きなんか妙に可笑しくて大爆笑。無学無教養の女性をレディに仕上げていくっていうプロットは、同じジョージ・キューカー監督後年の「マイ・フェア・レディ」を想起させられるものがあります。ちょっと展開がこの監督らしく、上品でおっとりしすぎてるかなあ・・・。メラニー・グリフィス主演のリメイクのがここでの評価高いんですね、今度観てみよ。ホールデンも相手役として申し分ない。この人って単独主演より、ヒロインの魅力をより引き立たせる二枚目の方がやっぱりお似合いです。[DVD(字幕)] 7点(2008-02-17 10:30:58)(良:2票)

124.  カウボーイ 《ネタバレ》 先日同じデルマー・デイヴィス監督&主演グレン・フォードコンビ「決断の3時10分」にいたく感銘を受けた自分としては、この作品も観る前から期待度大でした。しかも共演がジャック・レモンとあっては、こりゃもうたまらんでしょう。都会派レモンが西部劇に出た作品なんて他にあったか?あったっけ?まずはオープニングのクレジットタイトル、やけに西部劇にしちゃ洒落てると思ったらソウル・バスのデザイン。ナルホドナルホド。本編開始・・・う~ん、正直あんまり盛り上がらない・・・。内容を端的にいうとこれは「新人牧童ジャック・レモン教育指南編」。ドンパチウエスタンとはそもそもまるでジャンルが違うので要注意です。ベテラン牧童フォードと、駆け出し牧童のレモンがお互いの流儀を認め合いつつ、最後は心を通わすという展開はいいんですが、レモンが途中いきなり傲慢になるのは頂けない。タフでも心根は優しい牧童に成長していく結末の方が、彼のキャラにもよりぴったり合ったのでは?なにもホテルのバスルームでゴキブリがいたからって銃をぶっぱなす事はあるまいに。それを戒める形でラストは締めてもらいたかったなあ・・・。ただ「牛追いカウボーイ」の日常生活と、その実態がなかなか興味深く描かれていたのでこの点数で。無法者も保安官も出て来ない西部劇なんて逆に珍しい。つうか「決断~」があまりに秀作だったので、期待し過ぎた自分も悪いんだと思う。フォードはここでも男臭くカッコイイ。[DVD(字幕)] 6点(2008-02-04 11:15:13)

125.  悪い種子 《ネタバレ》 映画史上三大極悪少女登場!!(ちなみに後の二人はオードリーの「噂の二人」と「いつも2人で」あくまで私見です)なまじっか主役の少女が梅図かずおのマンガに出てくるような、絵に描いたお下げ髪の金髪美少女なのがまた更にタチが悪い。元々は舞台で好評だった芝居の映画化。殆どのキャストがオリジナルそのまま引っ張ってきた方ばかりなので、生の舞台さながらの丁々発止の演技合戦が画面狭しとすさまじく展開されてます。だいぶ抑制はされているとは思われるが、皆さんかなり誇張された舞台的演技に終始。ハリウッドが誇る職人監督、マーヴィン・ルロイの腰の座ったおっとりした演出には好感が持てるが、映画化ならではの、ショッキングなシーンが幾つかあった方がより印象に残ったかもしれません。まあこの無邪気な残忍さを持った極悪少女の存在自体が十分ショッキングだけれど。役者たちの演技で最後まで緊張感が保たれているような感じ。そうかそうか・・・ハゲと殺人鬼の遺伝はやっぱ隔世遺伝なんだあ・・・。ラストの明るいカーテンコールで何とか救われるが、何かいやあな気分が残るのは致し方ない。[DVD(字幕)] 7点(2008-01-27 10:47:09)

126.  大アマゾンの半魚人 《ネタバレ》 そかそか、ワイルダー監督「七年目の浮気」でマリリン・モンローが「半魚人さんが可哀相・・・」って言ってたのはこの映画の事だったんだあ・・・。しかも本編鑑賞後に予告編を観たら、これって立体映画だったんですね。出来れば3D版で観たかった。50年代製作の低予算空想ホラーものでは「ボディスナッチャー/恐怖の街」以来の面白さ。出演者が馴染みのない方々ばかりなので、誰が次に襲われるのかワクワクしながら見物しました。それにしてもヒロイン=ジュリー・アダムス嬢って、何だか「ねえ、半魚人さん、アタシはここよぉっ、ここっ!」とでも言いたげな、やたらと彼の劣情を煽り立てるような格好してるんだよなあ・・・。あんな水着やら無防備なお洋服やらでお気楽にアマゾン川クルーズされちゃ、女慣れしてないウブな半魚人さんが思わず欲情してしまうのもむべなるかな。マリリン、あんた良い事言った!これじゃ自分の縄張り荒らされて、散々寸止めさせられた挙句殺された哀しい瞳の半魚人さんがホントに可哀相。[DVD(字幕)] 7点(2008-01-18 11:25:27)(良:1票)

127.  忠臣蔵(1958) このレビューに登録されている日本映画黄金期に製作された忠臣蔵ものでは、この大映作品が一番評価が高かったので期待してましたが、期待通りの真打ち作品でした。忠臣蔵って各会社のカラーが顕著に出ていて、それぞれ見比べるとホントに面白いですね。大映っていう会社の映画は現代劇でもどこかねっとりした湿りっ気があるのが特色だけど、時代劇においてはその湿り気が逆にプラスに働いて、画面にしっとりした貫禄と落ち着きを与えています。しかも女性陣が単なる彩りに過ぎない東映作品とは違い、大映が誇る三人の美姫、山本富士子、若尾文子、京マチ子がそれぞれに演じどころを与えられ、存在感を遺憾なく示しているのも目の保養。主役の長谷川一夫はじめ、出演者の皆さんいかにもご立派な「時代劇顔」をしてるのも嬉しい。岡野金右衛門=鶴田浩二が一番の儲け役。内蔵助の母親が登場してくるのが珍しい。ただ肝心の討ち入りの殺陣の迫力はチャンバラの本家東映作品の方が勝ってたかなあ・・・。やっぱり新解釈とかを加えない、オーソドックスな展開の方が忠臣蔵は楽しめると思います。[DVD(邦画)] 8点(2008-01-14 10:25:29)

128.  洲崎パラダイス 赤信号 ビックリした!見る前は川向こうの歓楽街【洲崎パラダイス内】で繰り広げられるオハナシなのかと思っていたら、それは最初のタイトルバックだけ。結局最後までカメラは川のこっち側、普通の人々が日常生活を送っている側から頑なに離れようとはしない。どうしようもないダメ男から離れられない女の姿から、自分も成瀬巳喜男「浮雲」を連想しましたが、こちらの方が良い意味でより軽佻浮薄、何より深刻ぶらないのが良いです。脇役ながら芦川いづみ、この映画でもメチャメチャ可愛いっすねえ~。全シーン、地味な蕎麦屋の店員の前掛け姿なのに、こんなに可愛いなんてよっぽど素材が良いんでしょう。何気なく前掛けの2つのポッケに手を入れている仕草を見ているだけでも、こっちの顔がほころんできます。昔、『山口百恵は菩薩である』なんていう言葉があったような記憶があります。私は同監督作「風船」のレビューで、ラストシーンの芦川いづみからは後光が射しているようだと書きましたが、この作品や「陽のあたる坂道」「乳母車」での彼女のたおやかな微笑みを見ていると、ついこんな言葉が浮かんできます、『芦川いづみは千手救世観音像である』と。[DVD(邦画)] 8点(2007-12-29 11:03:40)(良:3票)

129.  黒船 あららららら・・・当時全盛期のジョン・ヒューストン監督ともあろう方が・・・やっちゃいましたね~これはっていう珍作。全編日本オールロケーションはいいとして、台詞監修として衣笠貞之助監督がクレジットされているにもかかわらず、怪しげなイントネーションを操る人物が堂々と出てくるのはどういう事なのか?召使が中国風の弁髪姿なのは何かの時代考証の間違いなのか?日本人スタッフはアメリカ民主主義におもねるばかりで、誰一人としてなんで「これ違いますよお」って一声かけなかったのか?色々な疑問点がふつふつと沸いてきます。唯一の救いは敵役下田奉行田村役山村聡が、ジョン・ウェインに決して貫禄負けせず、堂々と英語の台詞を流暢に使いこなし演じていた事くらい。なんてったって原題が「野蛮人とゲイシャガール」であるからして、はなっからアメリカ人受けするエキゾチズム満載の時代劇を製作するのが目的、そう思って見る分には腹も立ちません。おそらく「唐人お吉」の史実ともかなりかけ離れているはず。チグハグな部分を笑い飛ばせる余裕のある人なら楽しめるかと思います。でもこっから『ラストサムライ』までの道程は長かったんだなあ・・・。[DVD(字幕)] 4点(2007-12-24 10:20:01)

130.  駅前旅館 「長寿シリーズ記念すべき第一作なのにこの程度かあ・・・」っていうのが偽らざる気持ちです。実は映画通の作家小林信彦氏があるエッセイで、このシリーズ末期の作品群を酷評されてるのを読んだ事があるんです。でもまあ「寅さん」しかり、この手の量産シリーズものって最後の方は勢いがなくなってつまらなくなるっていうのは常套だから、これは第一作って事でさぞ面白いかろうって期待してたんです。う~ん・・・なんだか思ってたのと違いましたね、これは残念ながら。日本が誇る三大喜劇役者森繁、フランキー、伴淳氏が丁々発止と火花を散らしあれこれ策を練って、駅前観光客一手集客を狙うっていうドタバタコメディーかと思いきや、展開がやけにのんびりしてるというか、間延びしてるといおうか、正直観ててかったるい。同じバカバカしさを味わうのなら、同時期製作日活の小林旭「渡り鳥」シリーズのが自分は断然好みです。「家政婦は見た!」のコンビ、市原悦子(女学生のおさげ髪!)&野村昭子の若かりし頃が見られるのが一興か。[DVD(邦画)] 5点(2007-12-21 12:59:39)

131.  大当り三色娘 「ジャンケン娘」「ロマンス娘」と続けてレビューしてきた以上は、やはり三部作オーラスを飾るこの作品もレビューせねばなるまい。記念すべき『東宝スコープ』の第一作との由、いかにこの時代「ひばり・チエミ・いづみ」三人娘の人気度や興行価値が高かったのかを伺わせます。まあ出来としては原作ありきという事で、「ロマンス娘」より若干ストーリーに起伏があった分こっちのが面白かったです。あくまでこの三人が歌う場面が当時のファンとしてはお楽しみだったわけですから、絵空事を絵空事として愉しめる余裕がある方なら観ても問題ないと思います。下北あたりの風景も何だかのんびりしてて楽しい。シリーズがこの作品で打ち止めになったのは、このお三人の音楽のジャンルの統一性と志向性が彼女たちが歌手として成長するにつれ、あまりに乖離してしまった為かと思われるが実際どうなんだろう・・・?だって最初の「ジャンケン娘」では、まだ足並みを揃えようとしていたふしが感じられましたもん。相変わらずスタイル抜群のいづみ嬢と並ぶと、他のお二人はどうしても見劣りがしちゃいますね。そもそもサザエさん=チエミ嬢はともかく、ひばり嬢を「アイドル」と呼ぶのはどうかという点からして疑問があるし・・・。まあこの位にしておきましょう。三人娘よ永遠なれ、雪村いづみさん、お二人の分までどうかいつまでもお元気でいて下さい![DVD(邦画)] 6点(2007-12-09 10:46:11)(良:1票)

132.  決断の3時10分 《ネタバレ》 まず冒頭に流れるフランキー・レインの主題歌に痺れ、雄大な西部の風景を生かす構図を計算した画面設定に唸り、(特に男を出迎えそして見送る女の画が素晴らしい)後半からのホテル一室内での、息詰まる男二人の微妙な心理の駆け引きにハラハラドキドキ、ラストこうくるかあ!っていう意外な展開にすこぶる感心、慈雨と夫の無事を喜ぶ馬上の妻の表情に思いっきり感動してしまいました。「時間的制限」があるウエスタンという事で、なんとなく「真昼の決闘」のフォローワー的作品として企画されたような匂いはするんですが、自分はこっちのが断然面白かった。決して男前ではない二人の中年男を演じる、ふてぶてしいグレン・フォード、ギリギリまで追い詰められた実直な農夫ヴァン・ヘフリンそれぞれに魅力的。他の作品のレビューでも書いたけれど、デルマー・デイヴィス監督はもっと再評価されるべき!これはウエスタンファンなら必見の秀作。[DVD(字幕)] 9点(2007-11-30 11:20:15)(良:1票)

133.  めぐり逢い(1957) デボラ・カー追悼レビュー。限りなく典雅でエレガント、いかにも英国出身らしい知性と美貌を兼ね備えた貴女の面影をクラシック映画ファンはいつまでも甘美な記憶の中に留める事でしょう。50年代ハリウッド映画らしいメロドラマの名作。メグ・ライアン主演「めぐり逢えたら」がこれにインスパイアされた秀作になった事でも有名。色事紳士ケイリー・グラント氏との大人同士の応酬の滋味をじっくりと味わえます。さよなら、麗しのデボラ、エンパイア・ステートビルの屋上にて、いつかまた夢の中でお逢いしましょう・・・。[ビデオ(字幕)] 8点(2007-10-19 17:29:54)(良:1票)

134.  祇園囃子 デビュー当時の若尾文子の可憐さももちろん捨てがたいけれど、何といってもこの映画は美代春姐さん=木暮実千代のものでしょう!彼女の立ち振る舞い、仕草、そうめんを啜る姿に至るまで、いちいち見惚れているうちに映画が終わってしまいました。それにしてもここに出て来る男どもは、どいつもこいつも悉くサイテーな連中ばかりですね。お茶屋の元締め浪花千栄子の、涼しげに憎々しい巧みな名演との相乗効果で、木暮姐さんの虐げられ耐え忍ぶお姿がいよいよ妖艶にみえてくるのも、溝口演出の計算のひとつなんでしょう。暑い夏の京都裏小路の情緒ある風景、クライマックスからずっと背後に流れるお囃子の音色のここち良さ・・・。もうたまりません。格調高い風俗描写映画のひとつの完成された形がここに在ります。(→池袋文芸座「リスペクト溝口健二特集」にて)[映画館(邦画)] 8点(2007-09-23 12:30:03)(良:3票)

135.  赤線地帯 当時天才と謳われた音楽担当黛敏郎氏、挑戦的というか実験的といおうか、この作品でも賛否両論を巻き起こしそうな音楽を作曲されてますね~。小菊さんや↓他多数の賛同者の方と同じく、私もどちらかといえば否定派。まるで怪談映画のような♪ヒュ~ドロドロドロ~♪確かにインパクト大だけど、果たしてこのストーリーとリンクしてるかどうか甚だ疑問。この黛氏、小津安二郎監督「小早川家の秋」のラストでも荘厳な音楽を流し観客の不安をやたら煽っていましたけど。(←この作品では効果的でした)80年代に五社監督の映画等で、女優さんが娼婦や芸者を嬉々と演じていた映画が数多くあったけど、何か「娼婦を演じる事が演技賞への早道」みたいな悪しき慣習がこの作品あたりからすでに出来上がっていたような気がしてちょいと歯がゆい・・・もちろん女優の質も演技も、この頃の方が段違いに上なのは間違いないけれど。ミッキー=京マチ子の「八頭身やっ!」では場内一斉に笑いの渦。同じタイミングで他のたくさんのお客さんと笑えるって、映画館ならではのすごく幸福な気分。京マチ子は楊貴妃じゃダメ、ミッキーみたいな役どころこそが本筋だと思います。今回はスケジュールが合わず見逃しましたが、同監督同系列作品「夜の女たち」も機会があれば映画館で観てみたい。[映画館(邦画)] 7点(2007-09-22 11:23:11)

136.  楊貴妃 不得手なジャンルの映画を無理矢理撮らなければいけなくなリ、手も足も出ない状態で右往左往してる状況が目に浮かぶようです。あまり評判が良くない作品というのは聞いていたので、それほど期待もしてなかったけれど、当時の大映ご自慢の絢爛たるテクニカラーと京マチ子の美しささえ堪能できれば・・・と淡い希望をかけていたものの、結局どちらも満たさせず・・・。ニュープリント上映で画面が非常にすっきりと明るい「新・平家物語」を先に観てしまったのがいけなかったんでしょうか?この手の映画は「クレオパトラ」みたいに、観客をあっと言わせるような大スペクタクル場面を用意しとかないとはっきり言って辛いです。溝口演出に冴えもキレも殆どみられず。このハナシを観る限りでは、それほど楊貴妃と楊一族が国政を傾ける程の贅沢三昧をしたようにもみえないので、あれよあれよと進むクライマックスの展開には、口をあんぐり開けて見物するより他なし。残念ながら外国輸出用に東洋のエキゾチズムを売りにした空疎な失敗作と認定せざるを得ません。(→池袋文芸座「リスペクト溝口健二特集」にて鑑賞)[映画館(邦画)] 4点(2007-09-21 11:00:15)(良:2票)

137.  新・平家物語 非常にオーソドックスな時代劇。自分は歴史上の人物で平清盛が特に好きなせいか楽しめました。行き詰まった貴族社会と、時代の要請で必然のごとく登場した武家政権の象徴、平家勃興の様子が巧く描かれてます。清盛と妻時子=久我美子の出逢いのシーン等、当時晩年を迎えつつあったベテラン巨匠監督作品とは思えぬ、青春の息吹が感じられる瑞々しい描写には感心。それよりも何よりも気になって仕方なかったのが、清盛=雷蔵氏の付け眉毛かと見がごうばかりの一直線一文字ぶっとい眉と、清盛母泰子=木暮実千代のとてつもなく斬新的なハミ乳衣装。一枚はらりと上衣を脱いだら、まるで年末の都内一流ホテルのディナーショーで物憂げなハスキーヴォイスで歌えそうな感じ。一体こんな大胆なデザインの衣装って時代劇でアリなん???彼女が出てくるたんびに、視線がそっちにばっか集中しちゃったじゃないですかあ・・・。昔日本史のテストで、「後白河院が嘆かれた三つのままならぬものは何か?」解答→賽の目と鴨川の流れ、あとひとつは僧兵っていう問題があったなあって懐かしく思い出しました。(→池袋文芸座「リスペクト溝口健二特集」にて鑑賞)[映画館(邦画)] 7点(2007-09-20 13:47:59)

138.  乳母車 学生時代のほんの一時期、石坂洋次郎の小説にかなりハマッてた時期があり、長編短編問わず有名どころはほとんど制覇しました。石坂文学に登場するヒロイン像にはある一定の傾向があり、基本的に「たおやかで優しいけれど強い自我を持った女性」。昨今、こんな女性を演じられる女優なんて、なかなかいないだろうなって思ってた矢先、たまたまテレビ放映されていたこの作品をぼんやり見ていたら、イメージ通りの女優さんが生き生きとヒロインを演じているではないですか。誰だ、誰だ、この女優さんは?・・・・芦川いづみ!!!ビジュアルといい声といい、正に自分がずっと思い描いていた石坂文学のヒロインそのもの。相手役の、颯爽とした若き日の裕次郎氏も、かなりイイ線いっているとはいえ、やはり芦川いづみには敵わない。原作はホントに短いオハナシですが、イメージをうまく膨らませ文芸映画としても裕次郎ファン御用達スター映画としても、モノクロで地味ながら手堅い作品に仕上げているのは、戦前からの名匠田坂監督の節度ある演出によるもの。日活製作の石坂原作ものは、中期から吉永小百合&浜田光夫純愛コンビの専売特許になってしまった感があるけれど、本当はリメイク「若い人」も「光る海」も芦川主演で観たかった。特に「若い人」江波恵子役は当時の健康優良児的な吉永サンではなんだか座りが悪く、芦川いづみにこそぴったりくる役どころだっただけに残念です。[地上波(邦画)] 7点(2007-09-01 15:19:14)(良:1票)

139.  東京物語 湯煙たなびく山あいの温泉に浸かり、星空見上げて深呼吸しながら、やっぱオレ日本人に生まれて良かったあ~!ってしみじみと思う瞬間があるけど、僕にとっての小津映画とは正にそれと同じ。もはやとうに失われてしまった純ニッポン人の美点、礼儀作法、奥ゆかしさ、ちょっとした気兼ね気配りみたいなものが、この映画を一本観さえすれば全て入ってますね。自分の好みと、「何度も繰り返しみたくなる」欲求という点では『彼岸花』の方が勝るけれども、映画の完成度という点ではこちらの方に軍配を上げざるを得ません。[地上波(邦画)] 9点(2007-07-28 11:21:31)(良:1票)

140.  わが町(1956) これまで大阪人を描いた作品では、同じく織田作氏原作『夫婦善哉』が最高作かと思ってましたが、これも浪花下町を舞台に笑いとペーソスが散りばめられた秀作に仕上がってます。川島監督独特の特異な感覚はここではやや陰を潜め、ロケーションを最大限に生かし、今のニッポンにおいてはもはや絶滅種と思われる、豪快に生きたある一人の浪花日本男児の一代記が綴られていきます。最初あまりにディープな大阪弁を聞き取るのが難しかったほど。この男の生き様をただただ肯定的に描くのではなく、後半孫娘(南田洋子←美しい!)に批判させる事で、人物像に奥行きが出て一本筋が通った作品になったのではないでしょうか。それより何よりも当時の大阪下町の町並み、風物、風景こそがこの映画の最大の魅力でしょう。主役のタアやん=辰巳柳太郎はじめ、隣のおっちゃんおばちゃんを演じる殿山泰司、北林谷栄等脇役もすこぶる充実。一般受けする大スターは出てないけど、巧いバイブレイヤーを使う事によって、温かな雰囲気が滲み出せたのは川島監督の手腕によるものかと思います。好きなシーン、町の写真屋の前で子供たちとマラソン大会の写真をみつめるシーン、あとは・・・、やっぱりラストのプラネタリウムの南十字星かなあ・・・。う~ん、また大阪行きたくなってきた・・・。[映画館(邦画)] 8点(2007-07-14 13:02:43)(良:1票)

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