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プロフィール
コメント数 990
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自己紹介 ハリウッドのブロックバスター映画からヨーロッパのアート映画まで何でも見ています。
「完璧な映画は存在しない」と考えているので、10点はまずないと思いますが、思い入れの強い映画ほど10点付けるかも。
映画の完成度より自分の嗜好で高得点を付けるタイプです。
目指せ1000本!

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121.  劇場版 SPY×FAMILY CODE: White 《ネタバレ》 描かれている内容はいつものSPY✕FAMILYです。 劇場版のため、相応のスケールになっているものの脚本が大味すぎる気がする。 第一印象としては映画クレヨンしんちゃんを少々シリアスにスタイリッシュにしながらも適度にギャグ多めと。 『暗黒タマタマ大追跡』『電撃!ブタのヒヅメ大作戦』ぽさが随所に見られる。 タイプFはともかく、スナイデルとドミニクとルカがボコられてそのまま退場は消化不良。 末路等もう少し掘り下げて欲しかったなと。 ロイドもヨルも立ち回りが凄すぎて、アーニャに隠す素振りも見せず、 三者三様、互いに正体がバレてもおかしくないのに。 ロイドの異動危機や浮気疑惑や伝統菓子がクーデターに絡むには弱めで、 早い段階で解決かあちらから自滅という形で収束。 フォージャー家以外の準レギュラーは顔見せ程度のちょっと台詞があるくらいで(フィオナはやや優遇)、 興行成績次第ではシリーズ化を見込めることも視野に、彼らの活躍は次回に持ち越しかもしれない。 そういう意味であえて腹八分目でこれからを手探りしているとも言える。 世界観とキャラクターの最低限の説明があるため、原作及びTVアニメ未見の人でも楽しめるだろうし、 一種のお祭り映画やファンムービーとして見ても作画もアクションもクオリティが高い。 とは言え、一本の映画として見るなら期待値を下げて見ることを勧める。[映画館(邦画)] 6点(2023-12-22 20:26:58)《改行有》

122.  デリシュ! 《ネタバレ》 今でこそよく見られるレストランという形式が如何に誕生したか。 18世紀末のフランス革命前夜まで、美食は貴族のものであり、 庶民は飢餓と隣り合わせで食べることに必死だった。 旅籠には簡単な食事が提供されることはあれど、 それまで貴族も庶民も一緒に、個別のテーブルで、メニューから料理を選択することが今までなかった。 この視点でレストラン誕生の経緯を知ることがなかったので目から鱗である。 天に近い食材ほど至高で、土に根差したジャガイモやトリュフというポピュラーな食材が かつて貴族から豚の餌扱いされていたということも。 主人公と女性の織り成すロマンスは控えめで、 抑制された色遣いによる絵画のような映像美が美味しい料理を引き立てる。 そして傲慢な伯爵への強烈なカウンターパンチ。 封建社会の理不尽を受けてきた先人たちの努力によって新たな活路が見出され、 食文化が成熟・変遷していったかを興味深く見られた。[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-09 22:24:42)《改行有》

123.  伯爵 《ネタバレ》 チリで悪名高い反共独裁者アウグスト・ピノチェト。 失脚した彼は2006年に死んだが実は偽装であり、250年も生きている吸血鬼だった…。 そんな大胆な設定をモノクロで綴った風刺劇がヴェネチア国際映画祭で脚本賞受賞とのことで鑑賞。 そもそもピノチェトとはどんな人物か?を理解できないと退屈な作品。 新自由主義を推し進めて、チリ国内の格差を拡大させたらしく、血肉=富の隠喩であることは確か。 意外とゴア描写が多く、モノクロだからこそのお伽感が増す。 荒涼とした土地に建つ古びた屋敷で惨めに暮らす彼は死を願っていた。 そこに妻子たちへの遺産相続問題、軍服という権力に縋り付くロシア人執事に、 会計士として忍び込んだ悪魔払いのシスターと、それぞれの思惑が働いて二進も三進もいかなくなる。 若さに執着したピノチェトから吸血鬼にされたシスターが信仰から"自由"になり、空を舞うシーンが美しい。 終盤に明かされる、英語でナレーションしていた女性の正体は、なんと英首相だったマーガレット・サッチャー。 彼女も吸血鬼でピノチェトの母親だったというトンデモ設定のおかげで一気に映画が締まる。 底なしの自由を求めることは底なしの強欲を求めること。 ラスト、二人は吸血鬼の心臓を食べて、さらに若返る。 少年になったピノチェトを小学校に送り出すサッチャーの構図に、独裁政権と新自由主義の萌芽が潜む不気味さ。 "吸血鬼"は世界中、どこかに潜んでいる。 政治の中枢を担っている増税しまくりの総理大臣もきっとそうに違いない(苦笑)。[インターネット(字幕)] 5点(2023-12-09 02:42:18)《改行有》

124.  西部戦線異状なし(2022) 《ネタバレ》 1930年製作のハリウッド版は視聴済みであるものの、本作はリメイクではなく古典の反戦小説の再映画化であり、 現代の観点で脚色されたのもあるからか、似通ったシーンがほとんどないに等しい。 せいぜい冒頭の生徒たちの出兵を煽る教師と、中盤の妻子持ちの敵兵を直接殺してしまった狼狽ぐらいだろうか。 死んだ兵の服をはぎ取り、洗濯・お直しして新兵の服として提供するところからして、 ただの部品としか見ていない戦争の非情さを良く表している。 憔悴していく主人公の青年と並行する形で軍部上層部のやり取りで見られる豪華な食事もそう。 あと少しで停戦なはずがお偉いさんの大義のために無理矢理突入させられ、 理不尽な形で消費されていく主人公を含むその他大勢の兵士たちの死… 非常にオーソドックスながらハリウッド版とは違ったドライさが突き刺さる。 確かに今の時代だからこそ見るべき映画なのかもしれないが、現代ならではの新しい切り口が欲しかった。 もし本作みたいなことが日本で起こったら、我々にできることは国外脱出するか、 国会議事堂を包囲して大規模な反戦デモを敢行することくらいだろう。[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-09 01:41:41)《改行有》

125.  バード・ボックス 《ネタバレ》 演出と演技が上質なため、低予算ならではのチープさがあまりない。 "何か"を見たら自殺するという序盤の大混乱を見せることによって、外への行動と視界が制限され、 映画のほとんどを占める室内シーンと山林シーンを受け入れることができるからだ。 2年後のコロナ禍で"鳥かご"の中に閉じ込められてしまったことを予言しているみたいに。 過去と現在を交互に見せるため、退屈さはあまり感じられず、伏線回収が上手い。 主人公を気に掛ける男性がいつか本性を表して襲い掛からなかったのは意外。 この手の不条理パニックもので言えることだが、最後に謎が明らかにされるわけではない。 既に精神を病んでいる人ほど自殺に陥らず、目隠しなしで健常者に襲い掛かる新たな設定すら、ただの脅威で終わっている。 盲学校に辿り着いて、今後もここで生きていくにしても食料や衣類はどうするの?という疑問が湧く。 そういう意味でオチは弱いが、見て損はないと思われる。[インターネット(字幕)] 6点(2023-12-05 23:24:00)《改行有》

126.  ザ・ドライバー 10年ぶりに鑑賞。 言うまでもなく『ドライヴ』の元ネタであり、 雰囲気も色使いもストイックさも本作の影響を大きく受けていることが分かる。 「最後に誰が笑うのか?」というコンゲーム的な要素はあるものの、 基本はシンプルなカーアクションだ。 クールで寡黙な逃がし屋、ミステリアスな女詐欺師、執念を燃やす刑事の化学反応が とことん無駄を削ぎ落とした作風に良い塩梅を与えている。 CGのない時代の生身のアクションに魅了される、贅肉なしの90分に程よい満足感が残る。[地上波(吹替)] 7点(2023-11-22 23:09:27)《改行有》

127.  陽なたのアオシグレ 《ネタバレ》 男子小学生版『アメリ』に近いように見えて、男から見た夢想にある種の気持ち悪さを感じる意見は分からなくはない。 ラッキースケベ演出が直球でパステルカラーの可愛い絵柄に惹かれるほど人を選ぶだろう。 監督のフィルモグラフィには少年少女のアレを何かと入れてくるので完全に趣味だよね。 スピッツの壮大なプロモーションビデオとして見るなら優れている、救われている部分はあるが。 ここまで来ると、この話の全てすら主人公の妄想じゃないの?と勘ぐってしまう。 雰囲気は好きなのに万人受けしない、だからと言って万人受けしまくっても物足りない。 その匙加減が難しいがこの突き抜け感は大事にして欲しい。[インターネット(字幕)] 6点(2023-11-10 23:59:48)(良:1票) 《改行有》

128.  ザ・キラー 《ネタバレ》 狙撃に失敗した殺し屋が婚約者を襲われ、報復で刺客と依頼者を淡々とじわじわと追い詰めていく。 まるで商品をただ消費するかのように、ルーティンワークの如く。 『セブン』の監督&脚本家の28年ぶりのタッグにしては非常にシンプルなストーリー。 その分、ストイックな空気感とソリッドな映像センスが際立っており、 立体的なサウンドデザインも合わさり、テレビの画面では堪能できないと思われる。 自己暗示をかけるが如く独り言が連なり、完璧な殺し屋になり切れない男のあがき。 最後の晩餐になってしまったティルダ・スウィントンによる熊と狩人の噺が象徴するように、 プロの矜持として後始末を全うしようとすることを建前に、 復讐という本音が僅かながらに彼を人間たらしめている。 婚約者とビーチで戯れる平穏なひと時も、殺し屋の宿命から逃れられないジレンマ。 アラン・ドロンの『サムライ』の系譜に近い、矛盾だらけの人間の美学を覗き込む。[インターネット(字幕)] 6点(2023-11-10 23:52:26)《改行有》

129.  西部戦線異状なし(1930) 90年以上前の傷だらけのフィルム、あからさまなオーバーアクト、ベタすぎる演出と今なら際立って見えるかもしれない。 しかしながらスクリーンから発する、余りある戦争の悲惨さ虚しさは今もなお色褪せていない。 いつの時代も大義のもとに無知な若者が扇動され、単に犬死になって消費されるだけ。 何度も繰り返す歴史に無力感を覚えながらも、無力なりに抵抗していきたいと感じさせる一本。[インターネット(字幕)] 7点(2023-10-31 23:58:28)《改行有》

130.  ミニオンズ 映画は見なくてもミニオンズを知っている人は多いかもしれない。 怪盗グルーによる本伝シリーズはそっちのけで本作鑑賞。 可もなく不可もなく。 ミニオンズの能天気で奔放なキャラクターだけで突っ切るので、一見張ってありそうな伏線回収はほとんどない。 ストーリーの整合性もあったものではなく、現れてはちょっと活躍して退場していくサブキャラ達。 そう言えば、『ペット』も『SING/シング』も似たような中身であり、 『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』をも手掛けるイルミネーションスタジオの"作風"なのだろう。 完全に子供向け、ファミリー向けに振り切って、 意識高いメッセージ性や巧みなストーリーテリングを求めるのは筋違いにも程があるか。 見ていて何も残らないが、純粋な娯楽映画として手堅く稼ぐにはこれが正解だろうね。[地上波(字幕)] 5点(2023-10-21 01:42:27)《改行有》

131.  サンセット 《ネタバレ》 監督は前作の成功体験で味を占めたのか、情報を遮断されたヒロインの一人称で 帝国末期の閉塞感と混沌を描く試みは見事に失敗している。 登場人物たちの思わせぶりな台詞と一向に進まない展開、消化不良のまま残る謎など、 ひたすらヒロインに寄り添う撮り方が本作の舞台とミスマッチ。 ホロコーストという強烈な舞台装置があった『サウルの息子』はその焦らし方が効果的だっただけに、 監督のメッキが剥がれた形だ。 難解と言えば聞こえが良いが、逆に言えば「何を描きたい?」とも言いたくはなる。 歴史の闇を描きたいのか、激動の時代を生きようとするヒロインの強さを描きたいのか。 ヒロインが何を考えて行動しているのか分からず、妄想も幻覚も入り混じり、 最後は第一次世界大戦に兵士として従軍している。 帽子店が存続のため貴族に女性従業員を捧げている、性奴隷を匂わせる嫌悪を見るに、 彼女も過去に似た被害を受け、女性の殻を脱ぎ捨て、兄から憑依されるように同化したと解釈できるが。 当時のハンガリー史を知っていること前提。 帽子店を訪れた皇太子夫妻が翌年どうなったかは言うまでもない。[インターネット(字幕)] 4点(2023-10-19 22:19:15)《改行有》

132.  フミ子の告白 後に『ペンギン・ハイウェイ』を手掛ける監督が大学在学中に手掛けた自主制作で、 そのクオリティの高さから当時のアニメーション界を騒がせた。 片想いの男子にフラれたフミ子が帰り道に、ふとしたハプニングから坂を大きく下りまくるだけだが、 一途な想いを代弁させるような圧倒的な疾走感と、それに付随するカバレフスキーの「道化師のギャロップ」が加わり、 実写活劇を思わせるカメラワークとありえないアクシデントが作品の魅力を引き出していく。 作品のほとんどを占めるサービスシーンはお構いなしにとにかく"勢い"が大切で、 若き才能の情熱が炸裂しているかのよう。 わずか2分半の長さながら、青春だなぁと思わせる爽快感が詰まっていた。 監督の他作品でも言えるが、別にカットしても問題がないのに、あえてサービスシーンを貫くあたり、 宮崎駿や細田守に近い性癖を感じる。 ストーリーを組み立てるのが得意ではないことも共通しており、今後のキャリアは脚本次第だろう。[インターネット(邦画)] 7点(2023-10-15 22:01:11)《改行有》

133.  ガールズ&パンツァー 最終章 第4話 《ネタバレ》 主戦力のあんこうチームが序盤で脱落し、残されたチームの運命を描いた第4話。 テレビアニメ第1話では全くの戦車道未経験者が、培われたノウハウと経験を総動員する。 54分の上映時間のうち、9割近くがアクションシーンのつるべ打ちでほとんどアトラクションの様相になっている。 あまりに目まぐるしく展開し、状況が分からなくなるくらいの情報量の多さと、 雪原を得意とする不敵な継続高校のBGMにいつ負けてもおかしくない緊張感があった。 後半の聖グロリアーナ対黒森峰の間に挟まれるサウナシーンを除くとずっとアクションシーン。 そりゃ製作に時間がかかるよね… 後半はもちろん聖グロリアーナが勝つのは予想通り。 それも島田愛里寿という大きな切り札を手にして。 エキシビジョンとは言え二度勝てなかった聖グロと劇場版で対決した愛里寿との、 二重の因縁を抱えるみほは如何に挑むのかで映画は終わる。 2年後に公開されるだろう第5話は、第4話では描けなかった、決勝戦前夜のドラマを入念に描くことを期待したい。[映画館(邦画)] 8点(2023-10-06 21:41:40)《改行有》

134.  ウーマン・トーキング 私たちの選択 《ネタバレ》 2000年代後半、南米ボリビアのメノナイト(キリスト教一派)のコミュニティで日常的に起きていた昏睡中の性暴行事件。 その実話をモチーフに2010年の南十字星の見える英語圏某所に移し替え、 文字の読み書きも許されなかった被害者女性たちの決断。 テーマがテーマだけあり、娯楽要素を捨て去ってまで訴えたストイックな社会派会話劇。 去るか、闘うか、赦すか── 18世紀同然の生活を営む彼女たちと次世代の子供たちの未来を大きく左右する重い選択。 力では負けてしまう女性の立場なら、女性全員で村を去るでお終いだが、本当にそれで良いのか? その三つの選択をさらに深掘りして、民主主義が如何に築かれ、秩序が作られていくか、社会の問題が浮き彫りにされていく。 閉鎖的な世界で赦しの名のもとに弱き者への暴力の正当化。 宗教は救いにもなれば、都合の良い思考停止の暴力装置にもなりえるのだ。 次の世代へ負の連鎖を繰り返されないために価値観のアップデートと教育の大切さが可視化され、 それを担うのが外の世界を知っている書記担当の男性なのが皮肉に思える。 彼女たちは新たな"国家"の建設を目指し、モーセの出エジプトの如く大移動する。 希望の船出のように見えて、その一本の道が海のように閉ざされることはない。 家畜もいないと分かれば、時代遅れの屈強な男たちが連れ戻すために逆襲するだろう。 新たな秩序を築くだろう彼女たちがどう動くか、我々が生きているこれからの時代とリンクしている。[インターネット(字幕)] 6点(2023-09-29 23:39:03)《改行有》

135.  ベイビー・ブローカー(2022) 《ネタバレ》 全編韓国語、韓国人俳優で構成されながらも是枝監督の底流を感じさせる。 赤子の人身売買は犯罪行為であるが善悪を二分にはできない複雑さを、 並行的に描かれるペ・ドゥナ演じる女性刑事スジンの視点も含まれていて新鮮だった。 非常に日本的な映画なので、韓国的な激しさを求めると期待外れかもしれない。 時折、話の分かりづらさもあり、訴求力が過去作ほどではない。 「捨てるくらいなら産むな」 「生まれてきてくれてありがとう」 相反する二つの台詞。 前者は正論であるがソヨンの事情を知るうちに、 キャリアのために子供を持てなかったスジンの心境に変化が起き、 後者は問題を抱えた疑似家族だからこそ己の存在を肯定できたのだろう。 自業自得で血の繋がった家族から縁を切られたサンヒョンを除いて。 この矛盾が作品に深みを増している。 僅かに繋がりかけていた二つの物語が終盤についに繋がる。 ウソンは、スジン夫婦と服役後のソヨン、最後の養子縁組の夫婦による、 たくさんの親(=社会)によって育てられていくのではないか。 サンヒョンとドンスは彼らに関わることはできないが、ウソンの未来を守ることができた。 大団円ではないにしろ、想像の余地を委ねる監督らしい綺麗な着地点だ。[インターネット(字幕)] 5点(2023-09-23 14:33:45)《改行有》

136.  グランツーリスモ 《ネタバレ》 原作ゲームは4から最新作の7まで万年素人プレイヤーながらある程度やり込みプレイしている。 事実、プレイしているからこそ分かるツボを押さえた演出がいくつか見られる。 既にプレイしている人なら分かるが原作ゲームにはストーリーが無く、 新車購入→チューニング&セッティング→レースで勝利→賞金で新車購入→… という流れなので、トッププレイヤーが本物のレーサーを目指す実話の映画化にした方が最適解だろう。 そのため、原作をプレイしなくても万人受けしやすい作りになっていて、 モータースポーツ版『トップガン マーヴェリック』と称した方が分かりやすい。 本物志向のアクションに、結末も分かり切った超王道で熱すぎる師弟関係も共通する部分がある。 ソニーが製作に関わっているため、ウォークマンのステマに笑ってしまったが。 実話と言ってもヤンがGTアカデミーを卒業したのが2011年なので(PS3の時代)、 劇中で既にPS5やスマホが存在している地点で、独立したフィクションとして見た方が良さそう。 とは言え、モデルになった人物や実際にあったエピソードが多数含まれていて捻った展開を作り辛いこともあり、 ニール・ブロムカンプ監督作としては肩透かしを食らうのは確か。 アウトサイダーの逆襲と辛気臭い展開をすぐ飛ばすテンポ良い編集に監督のテイストを感じる。 面白い映画ではあるが、秀作以上かというと少し厳しい。 あまりに行儀が良い作りで物足りないくらいだ。 思考停止で楽しむのであればこのくらいが丁度良いかもしれない。[映画館(字幕)] 7点(2023-09-15 22:54:36)《改行有》

137.  インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 《ネタバレ》 脚本のリテイクが難航し、前作から19年掛かりすぎたことが作品に悪い影響を与えている。 作品でも現実時間と同じ時間が流れ、ナチスからソ連に代わり、 宇宙人を捕獲したロズウェル事件、赤狩りが絡んだりと時代の大きな変化を感じるも無理に入れる必要がない。 変にスケール感を強調しようとして、SF要素を加味したインフレーション状態が気になる。 ハリソン・フォードが老体に鞭を打ち、肉体に衰えはあれど安定感のあるアクション。 とは言え、前作3作にある緊張感はほとんどなく、終始家族のドタバタ道中で終わってしまった。 悪女が似合うケイト・ブランシェットは頑張ってはいるものの… 一番盛り上がったのは「待ってました!」と言わんばかりのインディ再登板と、 一作目のヒロイン・マリオンとの再会くらい。 懐かしさに浸るには時代の変化と特殊効果の向上が作品とミスマッチで大きく足を引っ張る。 当初は5部作で構想されていたようだが、どこかで打ち止めできなかったあたり、 堅実に続編で稼ぎたいハリウッドビジネスの本音と限界を感じる。[インターネット(字幕)] 4点(2023-08-31 23:38:34)《改行有》

138.  インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 《ネタバレ》 本作が完結編だとしても相応しい内容だった。 冒頭の"インディ・ジョーンズ誕生秘話"といい、聖杯の研究に明け暮れた父親との確執といい、 本題の聖杯を巡るナチスとの追っかけっこといい、前2作のノウハウをこれでもかと注入しただけあって抜かりはない。 特に父親・ヘンリー役のショーン・コネリーが飄々と知恵で危機を乗り越える鮮やかな手腕、歳を重ねたからこその味がある。 宝探しのロマンに対する三者三様のスタンスが印象に残った。 完全に私利私欲のナチス側、聖杯を博物館に持ち帰りたいインディ、奇跡を目撃しそれで十分なヘンリー。 よく考えればシリーズを通して、大団円ながらどこかほろ苦い顛末が多かった気がして、一つの答えを見た。[インターネット(字幕)] 7点(2023-08-26 15:22:19)《改行有》

139.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲 《ネタバレ》 かなりの高評価でテレビアニメの映画化の枠を超えた名作なのは事実で、 ファミリー映画としてのエンタメを確保しつつも芯を持ったメッセージ性を放ち、 その後のクレしん映画の方向性を決めたのは周知のとおり。 だからこそ、クレヨンしんちゃんでなければならない理由があまり感じられず、 今後の作品群に息苦しさを与えた罪な作品だと思っている。 ひろしの回想からしても、'60年代~'70年代を生きていないとなかなか共感しづらい。 (本作が2001年製作で35歳とすると1966年生まれ)。 それにずっと歳を取らないサザエさん時空を生きている野原家にとって、価値観をアップデートしていかないと、 本作のメッセージが20年後30年後の視聴者に響かない可能性もあるし、 元来のギャグアニメのキャラを使っているからこその中途半端さがある。 もっとも当時のスタッフはそこまで考えていなかったと思うが。 "古き良き昭和"については意図的に悪い部分を排除したある種のディストピアとして扱っており、 ここらへんは実写映画版『ALWAYS 三丁目の夕日』よりも誠実だろう。 とは言え、自分にはあまり記憶には残らない、どっちつかずの間口の狭い作品に感じてしまった。 あれから20年以上が経ち、令和の今も閉塞感あふれるトンネルの中を我々は走り続けている。 イエスタデイ・ワンスモアのケンとチャコは令和をどう見ているのだろうか?[地上波(邦画)] 5点(2023-08-15 01:12:43)(良:1票) 《改行有》

140.  AIR/エア 《ネタバレ》 世界を変えたシューズの誕生秘話。 アーカイブ映像を使って1984年の空気に引き込む冒頭、 地味ながらもビジネス映画として堅実で小気味良いベン・アフレックの演出は今回も健在。 渦中の人物であるマイケル・ジョーダンが演者はいても顔を一切見せないことで、 本人のアーカイブ映像を引き立てる構成の巧さが心憎い。 あのときはまだ誰も知らない未知の青年だからこそ、エア・ジョーダンによって人格が与えられ、 ナイキの期待に応える大躍進なんて結末が分かっていても、未来が分からない故の大きな賭けにドキドキさせられた。 マイケル・ジョーダンやバスケットボールに精通していれば、より面白く見れただろうな。[インターネット(字幕)] 7点(2023-08-15 00:39:53)《改行有》

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