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121.  スネーキーモンキー/蛇拳 《ネタバレ》 “Snake in the Eagle's Shadow”『鷲の影の中の蛇』。鷹爪派に抹殺されかけている蛇形派を意味しているんでしょう。ガンフーが猫爪を取り入れた蛇拳の事を見て、猫爪は無いだろうと、師匠が名付けた拳法が““蛇形刀手”。 '80年代前半、テレビで大量に放送されたジャッキーのカンフー映画。その中でもハイクオリティ作品(想像です)に付けられたモンキー・シリーズの、一角を占める本作。期待を裏切らない面白さでしたねぇ。歴史的には、コメディ要素を取り入れたジャッキーチェンのカンフー映画ヒット作第一弾。ここからジャッキー映画の歴史が始まったと言っても過言ではないですね。 ジャッキー映画ではおなじみの顔も勢揃い。師匠のお爺さんにディーン・セキ、強敵・音尾琢真にデブの弟子…オマケにカンフーハッスルの仕立て屋さんまで登場。彼らがワイワイ動いてるのを観てるだけで楽しい。 蛇拳は蛇を真似た動きが特徴的で、酔拳と同じくらい“習いたい拳法”ですね。おなじみの修行も特徴的で、線香立てて指で腕立て伏せは、観ててこっちの指先が痛くなる。竹の先に置いた卵を、蛇の口でくわえる動作が美しくカッコイイ。オマケに蟷螂拳の達人も登場(螳螂拳使いはジャッキー映画では唯一無二かも?)するし、もう大満足のカンフー映画です。 大ヒット作の酔拳以降、拳法+コミカルさがマシ・マシになったことを考えると、形が綺麗で特徴的なこの蛇拳は、拳法部分の正統派っぽさもあって、観る価値が高いと思います。…もっとも、猫形蛇拳というミックス拳法になってしまうけど。 敵の鷹爪派が4人(音尾、色白、神父、謎の男)も出てきて、後半20分で一気に倒していくのも勢いがあって好き。気がつけばジャッキーの歯が無くなってるのも、迫力があっていいですね。…あ、歌がないこの映画![地上波(邦画)] 7点(2024-09-15 00:07:31)《改行有》

122.  ハンバーガー・ヒル 《ネタバレ》 “Hamburger Hill”『ハンバーガー・ヒルの戦い』。アパッチ・スノー作戦の中で行われた、エイショウ渓谷にある937高地の、北ベトナム軍要塞攻略の激戦。 '80年代中盤、ベトナム戦争と真摯に向き合う社会は作品が多く創られるようになりました。本作は時代を変えたフラッグシップ作品のプラトーンの、5ヶ月後(日本)という好条件で公開されたため、記事なんかで『もし本作がプラトーンより先に公開されていたら、アカデミー作品賞も変わっていただろう』なんて書かれていた記憶があります。 ただ本作にそこまでのドラマ性、映画として惹きつけられるものはありません。同年代のベトナム戦争映画のように、観ながら考えさせられる要素が無いんです。ただ、丘を登っては撃退される、激しい戦闘シーンが延々と繰り返されるばかり。どれが誰だか、誰が生きてて誰が死んだんだか解らなくなってきます。戦場で兵士同士が戦うシーンの連続が、こんなにも平坦で無意味に感じるとは。 俯瞰してみると、北軍の要塞を攻略するという達成目的と作戦期日があるんだけど、本作はイチ歩兵部隊の目線で描かれているため、いつまでも終わらない戦闘と、次々殺される戦友の繰り返しが、現地の兵士のやりきれない気分を味わわせてくれます。 今回、いちご白書を観たあと、無性に本作を観たくなりました。アメリカ本土では平和の歌を歌って学生運動をしているさなか、遠くベトナムでは同年代の若者が丘を登って殺されてるこの対比。映画としてのドラマ性が低い本作こそ、若者が戦争で死んだ意味をダイレクトに伝えてくれるようにも思えました。 敵の数が多いだけで戦略的にあまり重要じゃなかったエイショウ渓谷攻略作戦。攻略後、一ヶ月もしないで放棄された要塞。多数の死者を出した本作戦を転換点として、アメリカの世論は、ベトナム戦争に対し批判的なムードに傾いていったそうな。 ま、当時も今も、この映画単体では、魅力を感じにくい作品ではあります。[ビデオ(字幕)] 5点(2024-09-14 23:20:11)《改行有》

123.  いちご白書 《ネタバレ》 “The Strawberry Statement”『いちごに関する声明』当時の学長が学生の主張を揶揄した発言がモト。白書“white paper”は政府発行の報告書なので意訳。 サイモンとは無関係なところで、学生の起こした抗議運動。単なる好奇心から学生運動に参加していく過程が丁寧に描かれていてとても興味深い。 心のどっかにあった漠然とした不満を、言葉にして行動に移す。それを似たような不満を持った同士で集まって、大きな声にしたら、あんな学生運動になるんだなぁ。自分の主張を認めてくれる同士で、お互い認めあって、異性と抱き合って寝泊まりしてたら、そりゃ、楽しいよなぁ、まだ子供だしぃ。なんて、この映画を通して学生運動の原動力(異性)を観たような気がします。サイモンは運動よりもリンダに惹かれていましたね。リンダへの気持ちを運動にぶつけたんでしょう。 話は脱線しますが、このリンダの服装や雰囲気が、Zガンダムのファを連想させました。デモとか反政府とか、今思うと、あの作品ってどことなく学生運動の雰囲気がありましたね。 日本でも、私よりひと回り以上上の世代が熱心に取り組んでいた学生運動。たぶん私の世代にはこんな集団のエネルギーなんて無くなってたんでしょうね。集団ではなく個の時代になっていったんだと思います。学生が団結力を失った代わりに、'80年代以降、二本の場合は集団のエネルギーはカルト宗教なんかに移行したように思えます。いまはどうなんでしょうね? サイモンの運動なんてお構いなしに、8mmを壊す黒人ギャングが印象的です。誰のための、なんのための運動だったんだろう?って。それでも運動は止まりません。機動隊の突入。最後にサイモンを突き動かしたのも、リンダ個人への思いだったんでしょうね。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-09-14 22:33:18)《改行有》

124.  ジュラシック・ワールド 《ネタバレ》 “Jurassic World”『ジュラ紀の世界』劇中のテーマパークの名前ですね。“World”には『神が創造した世界』の意味もあって、神の真似事で遺伝子組換え恐竜を創ることへの揶揄の意味もあるのかも? シリーズ3作、出せるものは出し切ったこのネタで、今さら何するの?と思ったら、リブートに近い続編でした。登場人物も舞台も状況も創り直し。でも今さら、恐竜が登場するだけでは観客は驚かない訳ですから、下地として過去3作の続きとしたんでしょう。 でも前シリーズも気がつけばもう14年(Ⅲが2001年)も前になるんですね。恐竜映画というジャンルの火を消さない意味でも、巨大生物のCG技術継承の意味でも、創られるべくして創られた続編でしょうか。 パーク→ワールドへ。アトラクションの一つ一つに22年の進化が観られます。レールを走るジープだったのがガラスの球体の乗り物に。グッズ類も細かいところまでよく出来てます。ふれあい動物園なんて良いですね。メインはインドミナスという新種で、姿が消せて、人間を騙せて、殺しを楽しむという、まぁ恐竜をベースとした怪獣です。色も白くて愛嬌がなくて不気味です。 やっぱりこういう方向かぁ…って、公開当時は想像の範囲内って思っていましたが、今回改めて観ると、人間+恐竜vsハイブリッド怪獣の構図がけっこう楽しめました。ラプトルと人間のチームでインドミナスを追跡なんてインパクトある画だったし、ラプトル4匹がオーウェンを見るシーンはゾッとしました。 そして今までチラッとしか出ていなかったティラノが、溜めに溜めてここで出るのかって場面で出てくるのはアツい。やっぱりハイブリッドなんかじゃなく生の恐竜だよ、これが観たくてこの映画観てるんだよ。 よく出来たリブートだったと思いますが、本作で初めて女性の死者(画面上初)が出ました。まぁそれは仕方ないとして、初めて人に殺される恐竜(ヘリの傭兵が翼竜を撃つ)がショックでした。何かこう、直接人の手で恐竜は殺さないっていうルールのもとに映画を創ってると思っていたものだから、あんなにアッサリ撃ってしまって、こっから先は何でもアリなんだなって思ってしまいました。[映画館(字幕)] 6点(2024-09-06 15:25:34)《改行有》

125.  沈まぬ太陽 《ネタバレ》 所有するDVD(未レビュー)の中で、一番上映時間の長いのが本作でした。原作もかなりの長編小説で、大きく3編に分かれているとのことで、最初は戸惑った各時代を行ったり来たりする映画の構成の理由が、何か納得できました。ただクライマーズ・ハイも時代が行ったり来たりしたっけ。 私は、アフリカ編の前段に当たる、労働組合と会社の闘いが一番興味深かったです。ストをタテに賃上げ要求(年末4.2?まじか…)に、時代と労働者側のエネルギーを感じ取れました。また会社側の陰湿な報復人事も巨大企業らしく、特に八木の扱いがあまりに酷くて怖くなりました。会社と労働者の闘いから、会社からの個人攻撃になるんだよな、恐ろしい。会社側の御用組合を創るところも、その経緯が裏側から観られて、とても興味深かったです。 御巣鷹山編がこの映画のメインだと思いますが、主人公の恩地は遺族係なので、会社や他の労働者のための大きな活躍をしません。あの労使交渉で、労働者の正当な賃金と空の安全を確保出来た。その報復として、恩地は海外の僻地に左遷された。にも関わらず『やっぱり事故は起きました。』では、どうにもスッキリ出来ないところ。遺族会の分断を図る行天の卑劣さが増していき、じっとりとした巨大企業の闇は感じられました。 会長室編でスカッとしたいところですが、行天という人物が、この時のために悪い方に育てられた人身御供でしたね。スタートは一緒だった恩地と行天。2人は国民航空の表と裏の関係なのでしょう。 3時間超えの超大作で、飽きずに楽しめましたが、3編それぞれが違うテイストのため、一本の映画としては平坦な印象でした。[地上波(邦画)] 5点(2024-09-06 12:01:33)《改行有》

126.  ナバロンの要塞 《ネタバレ》 “The Guns of Navarone”『ナバロンの大砲群』とかでしょうかね?~要塞(fortress)の意訳はカッコイイです。 小さい頃に観た戦争アクション『ナバロンの嵐』の、その前のお話ということで、興味はあったけど今回まで観る機会がなかった作品です。 冒頭に状況説明があって、この映画の目的(ミッションクリア条件)が大変わかりやすい。味方の船を沈める2門の巨大要塞砲の、悪そうなこと…どう観ても悪の側の秘密兵器ですね。コレをもっとでっかくしたのがデス・スターでしょう。 急遽、少数のエキスパートを集めての強行軍。本部も“成功の可能性ゼロ”と見ている無謀な作戦。でもいきなり難関、122mの垂直の崖を、登山素人つれて、爆弾背負って登れときた。しかも運悪く嵐の中。この絶望的な状況がスリル感満点です。 手に汗握るこの崖登りは、序盤のクライマックスですね。カモメには驚かされました。この時代に、こういうビックリ演出は珍しいかも知れません。 中盤のクライマックスが、味方の中の裏切り者です。負傷した少佐の時と同様、3つの選択を迫られます。作戦のためとはいえ、何ともやりきれないですね…。そしてクライマックス、要塞砲爆破へ。それぞれのキャラクターの魅力を引き出しつつ、要所要所できちんと山場を用意して、最終目的へ突っ走る。戦場を舞台にした冒険活劇として見事な構成です。 潜入作戦なのにいきなり哨戒艇爆破しちゃう問題。決死の崖登りも一本の電話ですぐバレちゃう問題。地中海なのに雪が降ってる問題。ナバロン島、私の想像の100倍くらい広い問題。この映画で色々突っ込めるのは、近年の展開の早い映画に慣れたからでしょうか。 時代を感じる部分はあるけど、サービス満点、栄養満点、大人のお子様ランチ('61年版)みたいで楽しかったです。[DVD(字幕)] 6点(2024-09-06 10:54:18)(良:1票) 《改行有》

127.  がんばっていきまっしょい(1998) 《ネタバレ》 公開当時は時の人・なっちゃん主演ってことで、勝手にふわふわしたアイドル映画だとばかり思っていました。でもここでのレビュー数に対する評価が高いので、観る価値あるんだろうなと思ってました。Wボーイズ&Sガールズのプロデューサー・チームの作品だそうだから、部活ものコメディの元祖的な作品なんだろうかな?って思ってましたが、バリバリ正統派の青春映画でしたね、驚きました。 現代の朽ち果てたボートハウスから、色褪せた写真の当時へ。郷愁を誘うオギヨディオラの美しさから、キラキラした夕焼けに照らされた海面の美しさへ。公開時の22年('76年)も昔の物語で、まるで原作者や監督の、学生時代の記憶の中の美しさをそのまま映像にしたような美しさです。映画化に際して、敢えて現代劇に置き換えなかったのが良かったと思います。 女子ボート部設立の、最低限の人数揃えるのがやっとの状態で、本戦は予想通りの敗退。 写真の'77年。なんか凄いコーチが来たけどやる気ないし、新入部員は1人だし…全校生徒の応援とかもなく、決して華々しい大会じゃないけど、彼女たちの頑張る姿が、なんか心に響きました。朽ち果てたボートハウスの色褪せた写真の中、確かに存在した彼女たちの青春。 学生時代に何かを必死に達成しようとする姿。結果ではなく、晴れの舞台で全力を出す姿。それはきっと多くの人が自ら体験していることでしょうから、彼女たちに自分をダブらせて、心に響いてくるんでしょうね。素直に感動しました。[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-09-05 21:53:19)《改行有》

128.  東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007) 《ネタバレ》 オカンにゲロシャワー、「私にも写せます(当時のCM)」からのフライパン一撃。こういう路線か。当時ブームだった'60年代ノスタルジーとちょっとオーバーなコメディの融合。少年時代は炭鉱町の再現度も素晴らしく見応えがありました。 オカンも樹木希林と雰囲気の似た女優さんだなと思っていたら、内田也哉子だったのか、劇中のオカンがスゴく違和感なくお年を召したので、ちょっと不思議な感じで良かったです。 ボクが大人になるにつれ、平栗くんのモヒカン辺りからオーバーなコメディ色は減っていき、徐々に観ていて辛い闘病ドラマになっていきます。自由奔放なオトンから離れて、女手一つでボクを育て、内職、料理屋と働いたお金で仕送りするオカン。ボクの誘いでアッサリと東京に出てきてしまうオカン。地元に未練とか無かったんだろうか?精一杯頑張って生きてきて、なんであんなに苦しんで死んでいかなければならないんだろう。ベッドの上で苦しむ小さな身体を観て、恐らく多くの人が自分の母親とダブらせて観てしまうことでしょう。そして順番からして先に逝く母親に、いま、どれだけ親孝行ができるだろう?と考えるでしょうね。 タイトルの東京タワーの意味が、ちょっと解りにくかったです。オカンとボクは、いつか東京タワーに登ろうと約束をします。それほど重要なイベントでもなかったと思いますが、ミズエと別れたためか、オカンの生前は果たされることはなかったようです。東京タワーは、行こうと思えばいつでも行けたけど、結局行けず終いになったことの象徴でしょうか。後悔のない生き方とは、思いつく限りの、そんな些細なやり残しを、一つ一つ果たしていくことの積み重ねなのかも知れません。 最後にボクがオトンに「仏像の絵がほしい」というけど、オトンは「描き上がったらの、もうちょっとや」と。そういえばオトン、船の模型ももう少しで完成するのに、やめてしまっていましたね。8mm撮っても映写機がない。そして未完成の東京タワーとの写真。東京に弾き飛ばされ、地方に出戻ったオトン。敢えて色々をやり残すことで、未練は多くても後悔の少ない生き方をしていたのかも知れません。[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-09-05 21:10:00)《改行有》

129.  デルタ・フォース(1985) 《ネタバレ》 “The Delta Force”邦題まま。アメリカ陸軍の対テロ・人質救出の特殊部隊。実在する組織です。デルタの初陣、テヘランの人質救出作戦がヘリの墜落で失敗に終わっていて、映画の冒頭でそのシーンが描かれています。 所変わってギリシャの空港。ハイジャック犯と乗客たちがザザッと紹介されていきます。往年の名優たちがたくさん出ていて、公開当時は『豪華12スター夢の共演』って宣伝していたそう。まるでエアポート・シリーズのようです。公開前年に起きたTWA847便ハイジャック事件をモトにした犯行の経緯や機内の様子、各空港とのやり取りが詳細に描かれていて、中々リアルです。つい数ヶ月前の事件なのに、人質の青年が殺害されるのも再現されています。 テロリストが人質に「本当の敵はホワイトハウスだ、トラックで突っ込んでぶっ潰してやる、いつかやってやる」公開から15年後、まさかの9.11。ユナイテッド93の実行犯の一人はレバノン人だったようです。 え?ちょっとまってコレ、チャック・ノリスのB級アクション映画だよね?昔見た記憶だと、もっとフザけた作品だったような…一度聞いたら頭から離れないテーマソングは覚えてるし、最後は輸送機までバイクで空飛んで…いやきちんと観直して良かったわ。 やっぱり同年代のアクション映画に比べて低予算に観えるけど、思いのほか最後までしっかり観られました。ミサイル装備のバイクとかバギーとかリアルさより漫画チックには観えるけど、これらを使ってTVシリーズ化でも考えてたのかな?これがTVシリーズなら、きっとピートは毎回、作戦中に重症を負うんだけど、奇跡的に助かる役なんだろうな~なんて思いつつ、朝日を背にドヤ顔決めるチャック・ノリスさんに大満足ですわ。『チャック・ノリスはにらめっこで太陽に勝つ』のファクトはここで生まれたのかな。 そうそう、公開当時の予告の曲が何故かガンダム0083の曲にそっくり。[地上波(吹替)] 6点(2024-09-05 16:43:15)《改行有》

130.  フレンチ・コネクション 《ネタバレ》 “The French Connection”フランスを経由してニューヨークに入る、麻薬の密輸組織・密輸ルートの名称。 中学生の頃、深夜枠で放送された本作を観て、映像から感じ取れるリアリティにとても痺れました。当時('90年前後)のハリウッドの刑事ものは、銃撃戦やカーチェイスのアクションがド派手で、ちょっとコミカルで、主人公が魅力的なヒーローでした。 一方、この20年も前の刑事ドラマに描かれていたのは、地味な張り込み、地味な捜査の積み重ね。倫理的に賛同できない捜査方法。追跡ためには暴力も厭わない主人公に、妙にリアリティを感じてしまったのですね。西部警察のハリウッド版のような派手派手な映画に食傷気味だった時代、特捜最前線のような、密着ドキュメントのような大人の刑事ドラマに、とても魅力を感じました。 久しぶりに鑑賞して、ドラマ以上に目を見張ったのが、当時のニューヨークの生々しい街並みです。映画の世界に入り込むのではなく、'71年のNYを旅行している映像を観ている気分が味わえます。 旅行と言っても、目的の有名観光地じゃなく、ましてディナーとかショッピングとか思い出深い体験なんかじゃなく、例えば薄曇りの早朝の路地で、観光バスを待っている時間。楽しい旅行の最中の何もしてない隙間時間のような、そんな記憶からは抜け落ちるけど、確かに体験した時間。そんな旅行を観ている気分。…なんて伝わるかなぁ?フリードキン監督のドキュメンタリー風の画作りから、そう感じるのかも知れませんね。 どうでもいい話。私がここでレビューを書き始めて、初めて筆が進まなくなったのが本作です。過去に一度観たものも、レビュー用に再鑑賞して書いてるんですが、本作は3年前に鑑賞。でも何もアタマに浮かばず、結局その時はレビューが書けなかったんですね。 今回再鑑賞して(内容はともかく)何とかリベンジできました。ちなみにもう一本、クリムゾン・タイドもレビューが書けなかった(リベンジ済み)ので、私はジーン・ハックマンと相性悪いんじゃないか?と悩んだこともありましたとさ。[地上波(吹替)] 7点(2024-09-02 16:47:11)《改行有》

131.  チャーリーズ・エンジェル(2000) 《ネタバレ》 “CHARLIE'S ANGELS”『チャーリーの天使たち』複数形です3人組です。 女の子たちがコスプレしてスパイ活動し、悪い男をなぎ倒し、イイ男を誘惑する。女の子だけのチームものの元祖かもしれません(※詳しくないので想像です)。そんな人気テレビドラマ('76~)のリメイク映画です。 リメイク作品ですが、当時はまだまだオリジナル作品も元気で、CGであれもこれも表現できるとハリウッドが活気のあった時代。ネタ切れ感で惰性で創られた作品というより“今の時代だから出来る往年の名作のリメイク”と言った意味合いが強かったかと思います。 …まぁ、この先10年以上も名作リメイクばっかりの時代が続いてしまうんですが… 3人のエンジェルは当時の“時の人”でしたね。盤石の人気のキャメロンに、子役時代が懐かしいドリュー、最近良く観るルーシーと、彼女たちが選ばれた理由も納得です。オリジナルは全員白人だったのを、白・白・黄に。日中アジア市場を狙って(だと思う)ルーシーを入れてますね。あくまで勘違いニッポンですが… ワイヤーアクションでフワ~~~っと飛び上がって足伸ばしたら敵に当たる。スローモーションでくる~~んと回転して敵を倒す。痛みが感じられないアクションの、ゆるフワ作品ですが、女子ウケは良かったです。 例えばセーラームーンも、戦闘が迫力あるとかでなく、日常のほのぼの感と、変装してゴージャスな大人の世界に足を踏み入れるドキドキ感がメインで、彼女たちが華麗に戦うまでの前置きを楽しむ作品です。本作はそこがよく解ってた作品だったと思います。私はちょっと物足りなかったけど…[映画館(字幕)] 5点(2024-09-01 12:46:15)《改行有》

132.  ジュラシック・パークIII 《ネタバレ》 これ3D映画だったっけ?ブラキオサウルスの顔アップや、最後のプテラノドンの飛行カットに3D映画らしさが感じられたんだけど…だとしたらこの映画のウリは“本物そのままの恐竜が、臨場感満点の3D映像で迫ってくる”だったのかも知れません。覚えてないけど。 完全にアトラクション映画になってしまったシリーズ第3弾。恐竜人気上位ランカーは前作まででほぼ出尽くした感じで、洗濯板アンキロサウルスと、見掛け倒しのケラトサウルスが登場しています。そして活躍不足だったプテラノドンを前面に出してきました。 映画としてまだまだウリが弱いと思ったのか、なんとティラノより強い恐竜を出してきました。あのスピノサウルスです!…知らねー。 私たち世代にとって、ティラノ=最強は揺るぎない事実です。「恐竜の王さま・ティラノサウルス」兄が持っていた恐竜大百科にもそう書いてました。そのティラノがタイマン勝負で負けるなんて…こんな後乗せサクサク感満点の、陸戦用百式改みたいな、ボクが考えた最強恐竜みたいなの(実在はするみたいです)出されても、どう反応して良いのか困ります。 ラプトルの発声器、プテラノドンの鳥カゴと観ごたえのあるシーンも幾つか。前作からヒロイン(かな?)がウザいのを継承。 やっとの思いで海岸に出たら米軍がズラリと並んでるのは、映画というよりアトラクションの終わり方だよなぁ。上映時間は前作のサイトB編とほぼ同じで、適度に疲れない長さでした。[映画館(字幕)] 5点(2024-08-31 17:22:50)《改行有》

133.  ヴィジット 《ネタバレ》 “The Visit”『滞在』 夜中に吐きながら歩き回るお婆さん。『夜9:30を過ぎたら大人しく寝なきゃダメ!』なんて前フリが活きているから、次の晩はどんな怖いものを観せてくれるんだろう?なんて期待してしまうし、その期待にしっかり応えてくれたお婆さん…じゃなくて映画でした。 床下の鬼ごっこ。初見時は怖さ満点だったけど、何回か観ていると、とてもお茶目なイタズラ好きのお婆さんに観えてきます。ほのぼのした次の瞬間に驚きを残すの、巧いよなぁ。老婆+お尻丸出しなんて組み合わせ、凡人には思い付かない、シャマランの持ち味全開に思えました。 シャマラン作品らしく後半に仕掛けがありますが、本作はこの仕掛けから逆算して組み立てられた作品のように思います。このネット社会で、お互い顔も知らない状況にしていますが、結構自然だったと思います。パソコンのカメラは壊しても、ビデオ撮影はOKだから、気が付きにくい風にしています。仕掛けが解っている2回目も(仮に途中で仕掛けに気が付いても)、それはそれで観方が変わって楽しめました。 祖父母と孫の初めての交流。日中の穏やかな時間が、観方を変えると、孫たちをもてなそうと精一杯頑張る祖父母に観えて健気です。日中にも徐々に顔を出してしまう異常行動。祖母は本当の娘をシンモフィテリア星に送ってしまった=カバンに詰めて井戸に沈めて溺死させているので、正常なときに娘のことを聞かれると壊れます。ベッカはその反応を15年前の母への気持ちと勘違いしてます。それでも、何とか一週間、良い祖父母を演じようとしています。孫たちも、徐々に異常に気がついていても、出されたご飯やお菓子をペロリと食べてるのが可愛い。 この老夫婦の目的は、4人でシンモフィテリアに行く(井戸で心中する)ことのようです。そのため、祖父母は地下に隠していたけど、ステイシー(訪ねてきた知り合いの女性)はブラブラさせていたんですね。 孫たちと心温まる完璧な一週間を過ごしたのは、正常時の妻クレアのトラウマを克服させるためだったんでしょう。 登場人物全員がトラウマを抱えているようです。祖父にしても、恐らく工場で白いものが見えてクビになって仮装パーティに行けなかったとかでしょうか? 終盤に姉弟が自分の力でトラウマを克服するのも一本の映画として上手いと思います。映画の最後にあれほど悩んでいた父の映像を入れ、更に賛否両論(?)の『弟が ぜひにと言うので』がサイコーでした。鏡を見てメイクできるベッカと、おむつの汚さと死の恐怖を歌えるタイラー。結論として弟くんカワイイ。 もう監督=M・ナイト・シャマランというだけで、ある意味見る前から“最後にオチがある”ってネタバレしています。そんなレッテルを貼られているので、観る前からオチを見破ろうと予想しながら観るし、そのオチが期待以上だったか以下かで、評価されている部分が強いのかなと思います。 でも、本作の老婆の裂けたズボンとか、想像したこともない映像を観せてくれて、原作ものやリメイクものが多い中、オリジナル作品で勝負していて、近年どんどん長くなっている上映時間も短くスパッとまとめられる。作品にムラはありますが、もっと評価されて良い監督だと思います。なので点数ちょっと甘め。[DVD(字幕)] 8点(2024-08-31 16:11:40)(良:1票) 《改行有》

134.  若い人(1962) 《ネタバレ》 華やかな女子校が舞台です。こんなところに足が長くて爽やかな石原裕次郎をポトリと落とせば、そりゃあモテモテでしょう。でも当時の生徒の、顔立ちの幼いこと。中学生か下手したら小学生に観えます。そんな中、江波恵子の目鼻立ちの整い具合が群を抜いています。当時吉永小百合は17歳。 テストの裏に、メンデルやら相合い傘や先生のイラストと共に『愛と憎しみは双生児である』とある。野上弥生子の言葉を引用する辺り、学のある子なのが解る。江波恵子が橋本に提出した歴史の答案。自分が私生児であること、父が誰か解らないこと。『私は母を愛している。それと同じように母を憎んでいる。』と、また聖母マリアを引き合いに出し『神様の父を欲するより、人間の父を欲する』と自分の心情を赤裸々に書いている。 江波恵子には、父親という本来自分に必要な存在が、もともと欠けている自覚があるんだろう。恋愛対象として間崎を求めるとともに、未だ見ぬ父親像までも求めていたんだろう。『先生がどっか行っちゃう、先生どこにも行っちゃイヤだ、私だけの先生でなきゃイヤだ!』泥酔した母親の、女の部分があまりに強烈で恐ろしい。母として恵子と2人で間崎のアパートを訪ねたときとのギャップ。娼婦の母親の生き方を幼少期から見てきた見た恵子が、母を愛し母を憎む理由がこれでもかと伝わる。 若い人は4回も映画化された作品。この'62年版は、間崎が喧嘩に巻き込まれたあとの展開が原作とは異なるようで、マイルドで爽やかな終わり方をしているようだ。清純な吉永小百合のイメージに合わせたのかな?間崎が「橋本先生が好きだ」と言ってからの、恵子の心の変化が急カーブな感じ。[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-08-27 23:38:01)《改行有》

135.  アダムス・ファミリー2 《ネタバレ》 “Addams Family Values”『アダムス家の(代々受け継がれてきた)価値観』 モロにアメリカ現地人が好みそうな味だった前作から、同じ材料・同じ風味を活かしつつ、日本人の口にも合う作品に仕上がっています。1にドハマリした人には、万人受けする2は物足りないかも?私の場合オースティンパワーズがそんな感じでした。 前作で感じたイマイチ乗り切れない感は、恐らく、長い歴史を持つ原作の持ち味を活かした結果、その文化に触れていない私たち日本人が感じた、置いてけぼり感に思えます。2ではそこが上手い具合に、原作に引っ張られること無く、映画のキャラの独り歩きが成功したんじゃないかな?って思えます。 マイケル・ジャクソンネタを2回も入れてきたり、お利口さんのお手本・サマーキャンプの気持ち悪さを笑ったり、有色人種や障害者差別をぶった斬りしたり…サウンド・オブ・ミュージックやディズニーを朝から晩まで観せられる拷問なんて、前作の笑いとはガラッと毛色が違います。笑いのセンスが'89年から始まったザ・シンプソンズにとても似ています。アメリカ・ローカルではなく、世界でもウケているアメリカ発のコメディをしっかり研究して、作品の中に落とし込んでいるように感じました。 あの無表情なウェンディーが、キャンプの拷問に恐怖する様子は、お笑いネタとしてウマいなぁと思うし、引きつった笑顔を作る演技は、T2のシュワちゃんの笑顔並みに素晴らしい。クリスティーナ・リッチ13歳でコレ出来るのが凄い。 だけどこのファミリーに明るい笑いは諸刃の剣です。次作があったとしたら、きっとマンネリ感とコレジャナイ感たっぷりになっていった事でしょう。[DVD(字幕)] 7点(2024-08-27 20:32:05)《改行有》

136.  ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 “The Lost World: Jurassic Park”『失われた世界:~』。コナン・ドイルの同名小説から命名されたそう。M・クライトンの原作小説はあるけど、映画と同時制作だったため内容は異なる(※末尾に“2”が付く。あらすじ見ると全然違ってて驚いた)。あと、タイトルに“World”が入ってて、後の作品との区別がややこしい。 公開当時は『また大画面で生きた恐竜が観られる』ってだけで、劇場に足を運ぶ価値を感じるかどうか?でした。でも前評判で運悪く?『ホラー映画並みに残酷描写が多すぎる』なんて言われていたみたい。小さい子と観ようとしたママンの友人から、運良くチケットを貰いました。 客足が伸びないために起死回生を図ったのか、ティラノが街でバスを襲う映像も『大ヒット公開中』のテレビCMで流してしまいました。…この、街で恐竜が暴れるシーンは本作最大の隠し玉で、劇場で観た人をアッと驚かせる目的だったはず。私が知る限り最悪のネタバレCMの一つじゃないでしょうか。 前作は、恐竜遊園地で起きるハプニングでしたが、本作は放置された恐竜牧場へ調査に行く話&恐竜狩り。ステゴサウルス初登場や、頭突きのパキケファロサウルスの解説にはワクワクしましたが…。 なにせ登場人物が自分勝手な人ばかりで、自分がどの立場で観たら良いのか解らない。恐竜狩りは可哀想にも思えるけど、ハンターの寝込みを襲って恐竜を逃がす&ティラノの子どもの治療は、やり過ぎ。主人公側が自然保護活動グループみたいになってしまって、自己満の理論を押し付けられているようで、入っていけない。自分理論は押し付けるのに、良い人エディの死にはアッサリしてるのも鼻につく。マルコムたち調査チームと自然保護活動家は別グループにしたほうが良かったかと。自然保護、意味不明な女(サラ)の行動、黒人の娘と、近年ハリウッドで蔓延しているポリコレの原型が観えます。 話にメリハリがなく、画的に前作と代わり映えのないサイトB編が解決するまでが約90分。そこから残り40分がサンディエゴ編。キングコングをリスペクトした内容でしょうけど、トータル129分なのに、凄く間延びした長~~い映画に感じました。でもコレ、CMで観てなかったら印象違ったかも知れません。 犬を食べられ驚く夫婦。ゴジラがどうしたと叫ぶニッポン人。サンディエゴ編は一転してコメディ色が強く出てきます。CGがまだ珍しい時代。ティラノが街で暴れる映像は見応えありましたが、マルコムたちの目的が“子供を親に返す”という、そんな人道的な意図が恐竜に伝わるのか疑問。まぁキングコング同様、ティラノが殺されるのも後味悪いとは思うけど。遺伝子操作して勝手に恐竜造って、島からティラノ勝手に連れ出して、最後勝手に島に帰す。人間のワガママさが良く出てました。 最後の最後に翼竜プテラノドン登場。おぉ、美しい…。前作で観たいと思った映像は、ほぼ全て観られました。…ここから先、よく4作品も創ったものです。[映画館(字幕)] 5点(2024-08-25 11:02:03)《改行有》

137.  モロッコ 《ネタバレ》 “Morocco”北アフリカの国名。原作は“Amy Jolly”という舞台劇だそう。悪魔の手毬唄で、結構な時間を割いて流されていたんで気になっていた映画です。日本初の日本語字幕付きトーキー映画として、歴史的価値が高いです。 一人の女は片道切符で遠く最果ての街・モロッコまで流れ流れた酒場の歌手。そこに居た、故郷を捨てて外人部隊に身を置く一人の男。こりゃ失楽園ですねぇ。日本ならド演歌だけど、このお洒落さ。二人とも平和な街には居場所がなかったんですね。 アミー「あなたを好きになりそう」トム「10年早く会いたかった」。女はこれから先の未来を見ようとし、男は変えられなかった過去を見る。好き同士のこの気持ちのズレ。 最果てのモロッコから、外人部隊も歌手の仕事も捨てて、貨物列車でヨーロッパへの逃避行。そんな落ちぶれる一方の人生にアミーを引っ張り込むのではなく、大富豪との人生の再出発のため身を引くトム。目いっぱい神経を逆なでする目的のルージュの伝言。でもね、アミーはあの高価な宝石をテーブルに出しっぱなしで部屋を後にしてるのよ。アミーは全てを捨てる覚悟が決まってたのよ。 遠近感を狂わせる異国情緒溢れる門と、その先に無限に広がる砂漠。死を覚悟しているトムと、手ぶらで、ヒールさえ脱ぎ捨てて、その後をついて行くアミー。砂漠に飲まれていく人影。未来を手放した二人の物語は、やっぱり失楽園ですかね。 安定した生活と、ちょっとお金持ちになりたい欲を持った、私たち平凡な庶民と違って、手に入れた全てを捨てて、愛だけを選んだアミーの生き様に、少しだけ惹かれたりもします。[DVD(字幕)] 6点(2024-08-24 00:56:03)《改行有》

138.  ジュラシック・パーク 《ネタバレ》 “Jurassic Park”『ジュラ紀遊園地』。 この当時、私たちの身近なCGといえば、ようやくバーチャファイターが誕生し、ポリゴンのカクカクしたキャラに驚いていた時代、映画はさらに革新的な映像を生み出していました。ターミネーター2の液体金属描写には驚きましたが、まさかCGとアニマトリクスで、まるで生きているような恐竜そのものが創れるなんて、思いもしませんでした。懐中電灯に照らされたTレックスの瞳孔が収縮した瞬間、人類はどんな映像でも創り出せる領域に達しました。 私が子供の頃の恐竜は、トカゲやワニの祖先として、ゴジラのように直立して、二本の足で尻尾を引きずって歩くものと思われていました。この映画の時代、鳥の祖先として頭を前に突き出し、尻尾を立てた、鳥のような姿勢で、軽快に走る姿はとても美しく、恐竜の研究も、10年そこらで大幅に進んだことを感じさせくれました。また琥珀に飲まれた蚊の血液から…というのも凄くリアリティを感じました。デジカメで撮った膨大な画像や映像データが、爪の先くらいのマイクロSDカードに入ってしまう不思議さと同じくらいのリアリティ。時代が進めば本当に実現出来るんじゃないかな。 本作は一番最初のCG恐竜映画にして、観たい恐竜映像のほぼ全てが詰め込まれていたと思います。まるで生きている恐竜を観る驚き。あれから30年以上経っていますが、その後どんなに進んだ技術で創られた恐竜映像でも、本作のインパクトを超えるものは、今のところ創る事が出来てませんよね。敢えて足りない部分を言えば、本作に登場していない、ステゴサウルスとかプテラノドンなんかを観てみたいかな?くらいでしょうか?他には…あまり思いつきません。 当初は、超有名なティラノサウルスより、聞いたことない小型のヴェロキラプトルの方が目立ってた事に疑問を感じてましたが、今思うと、ティラノがずっとメインだと、ストーリーも大味になってたかなって思います。建物に入ったラプトルが足の爪でカンカンとリズムを取る(?)のが妙に生々しく感じました。 それでも最後はキング・オブ・恐竜・ティラノで〆る所がニクイです。そう、観客は小さい頃に夢中になった恐竜を観に来てるんだから。やっぱ最後はティラノでなくちゃ。 体感型映画だけに、ストーリーはオマケに感じていましたが、子ども嫌いのグラント博士の心境の変化に注目です。最初化石の発掘をつじて、会うことのない恐竜に思いを馳せ、ラプトルの爪の化石を大事に持っています。その後パークに来て、自然に逆らって人間が創り出した恐竜を目にし、ラプトルの爪に価値を感じなくなり、捨ててしまいます。冒険が終わり、グラントは満面の笑みをエリーに向けます。神によって人間が創ることを許された生命こそ、いまグラントが両手に抱えている“子供”なんですね。見事です。[地上波(吹替)] 9点(2024-08-21 23:41:41)(良:1票) 《改行有》

139.  アダムス・ファミリー(1991) 《ネタバレ》 “The Addams Family”『アダムス一家』。ホンダ・オデッセイのCMで何度も観た人たち、何度も聞いた曲(※このCM、モーティシアと執事だけ本物だったって今回知ったわ…軽くショック)。きっと私たち世代には凄い知名度ですが、どれくらい流行っていたんでしょうかね?ロードショーでよくやってたと思いますが、私は今回が初視聴となります。アメリカのコメディって独特のクセがあるので、スーっとハマれば何よりですが、馴染んでくるまで時間がかかるんですよね。 1作目なのに登場人物とかの説明は無し。聖歌隊に熱湯?のようなものを掛けるオープニング。リンゴを咥えたパグズリーにボウガンを撃つウェンズデー…結果は描かれない。悪質なジョークなのか?聖歌隊は死んだのか?バグズリーは不死身なのか?この世界観の予備知識が無いから、私は彼らファミリーが妖怪か何かかと思っていましたよ。だってハンドくんとか出てくるし、門は勝手に閉まるし、シロクマの敷物は足かじるし… うぅ~~~~ん、全然馴染んでこない。笑いのツボが私とズレている。でも、無表情なウェンズデーと、意味不明な笑いを浮かべているフェスターの表情はイイネ。ウェンズデーのこの色白・無感情キャラって、'90年代の日本のアニメに多大な影響を与えたと思います。綾波レイにホシノ・ルリに土萠ほたるに…クセの強い味付けを、日本人好みにして馴染ませる技術。そういうの日本のクリエイターって上手ですよね。スパイスの効いたインドのカレーを日本の国民食カレーライスに変えてしまう技術と一緒かもしれませんね。 血みどろの学芸会でちょっとクスリとしました。だってジョバババババーーーって、血が出続けてるんだもの。 その後のテンションは低空飛行でしたが、どういう訳か、モーティシアが拷問器具で締め上げられているところで、突然、急に、この一家が愛おしく思えてしまいました。どうしてこのシーンで?って、自分でも意味が判りません。あと15分ほどで終わるというこのタイミングで『もう1回最初から観てもいいな』って思えたんです。 次に観たとき、心から楽しめるか判りませんが、最初観るときの、感性が馴染まなくての苦戦はしないでしょう。ひとまず2も観てみます。[DVD(字幕)] 6点(2024-08-20 23:09:04)《改行有》

140.  姿三四郎(1943) 《ネタバレ》 黒澤明・初監督作品。私が観たのは79分版です。原作小説の連載からおよそ半年後に公開。1年後の再上映の際に、約18分ぶんがカットされていたそう。検閲で引っ掛かったシーンがカットされたのかな?なんて思ってましたが、戦争中の節電目的のため、上映時間を80分以下に短縮しなければいけなかったというのが、実際のところのようです。シーン同士の繋ぎ目的で入る文字の説明が、何とも盛り上がりを欠いてくれます。ここに説明文が入っている仕様なので、恐らくGHQの上映禁止が解除された'52年版なんでしょうか? 三四郎が強敵たちを倒し、最強の柔道家になっていく様子が描かれます。柔道と柔術の闘い。他流派との試合ということもあり、後のジャッキー・チェンのカンフー映画に通ずるものを感じましたが、そんなノリで楽しんでいい映画だと思います。 でも、私たちの格闘技の目が肥えてしまったのか、本作の柔道家も柔術家も、観ていてそんなに強そうにはみえません。相手が軽々と吹っ飛んでいく演出のせいもありますが、登場人物が“強い柔術家を演じている役者”から抜け出せていません。 時代劇(チャンバラ)や西部劇(撃ち合い)は、色んな人の手で、色んなパターンが練りに練られて、見得の切り方やカメラワークに工夫が重ねられ、熟成されていきました。そのため俳優が刀や銃の達人でなくても、格好良くみせる手法が確立していたんでしょう。でも柔道や格闘技は、まだ映画の題材として取り上げられていなかった時代というのもあり、誤魔化しが効きにくいのかも知れませんね。 それでも、短時間だったというのもあるけど、飽きずに楽しく観られました。[DVD(邦画)] 6点(2024-08-19 23:35:16)《改行有》

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