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プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1481.  崖の上のポニョ 《ネタバレ》 難解な映画は勝手に解釈して楽しむのが自分の流儀。でも本作の場合は、どうしても監督の考えが知りたくなりました。今までの宮崎監督作品とは趣向が違うから。ワケが解らなかった。でも魅力的な映画でした。「5歳児が直感的に分かる映画」。探し当てた監督のインタビューを聞いて納得しました。“そういうつもり”なら、“こういう映画”になる。無数のチビポニョは命の源。その移り行く姿の神々しさ。「世界に穴が開いた」等の説明放棄にも合点がいく。どれも理屈ではなく感覚の方が理解し易い。ちなみに個人的に印象に残ったのは、ポニョのしたたかさです。一途なヒロイン像は宮崎アニメのオハコですが、ポニョの強さは際立っています。母親を探して涙する宗介のもとへ歩み寄るポニョ。その佇まいにハッとする。宗介は大人びていますが子供。(注:親を呼び捨てにしているのも在る意味幼稚さの表れ。)ポニョは幼く見えても大人です。2人は立っている場所が違う。女性の持って生まれた強さに男は到底敵わない。これも理屈ではありませんね。ただし監督が言うように、5歳児が本作を直感で理解できるとは思えません。結局は監督の経験則からくる思い込みじゃないかと思う。振り返ってみれば『ハウルの動く城』もそんな作品でした。大衆の支持を得る映画製作は、公約数を見つけるのと同じ。かつての宮崎駿は最大公約数を見つける達人でした。でも本作も含め、近年の作品は其処に意識が向いているとは思えない。タレント声優の起用にしてもそうです。でも、でも、でも、それでいい。本作を観終えてそう思いました。おさかなの波を駆けるポニョ。その極上の躍動感。これが宮崎アニメの真骨頂です。このワクワクを味わえる幸せを噛み締めました。これは大人も子供も関係ありません。やっぱり宮崎駿は天才アニメーターでした。本作が引退作でも自分は納得して拍手を送れます。むしろ、そう願う自分がいる。それほど「楽しむ余白の多い映画」だと思いました。『カリオストロの城』が在る頂とは、別の頂に在る作品。自分は死ぬまで本作で楽しめるでしょう。かつて『未来少年コナン』に心を奪われた元5歳児の感想でした。[映画館(邦画)] 10点(2008-12-08 21:51:53)(良:2票)

1482.  サウスバウンド 《ネタバレ》 日本に居ながらにして日本人を辞める?義務は果たさないけど、国防やインフラの恩恵は受け続けるつもりでしょうか。学校なんか意味がないから行かなくていい?自分は立派な思想を持てるくらいの高等教育を受けてきたのに、子供には受けさせないつもりでしょうか。トヨエツはそれが出来ない事を知っている。知っているのにあえて言っている。だからタチが悪い。そして痛々しい。彼は何故無邪気に笑っていられるのでしょうか。全共闘時代を自らの中で消化(昇華)して社会に適応していった大多数の同志。でも彼はいまだに当時を引き摺っているのだと思う。心の時計は止まったまま。信念を持つことは素晴らしい。純粋であることも素敵です。でもそれ以上に、前に進むことが大事だと思います。頑なではもったいない。心を成長させてこそ人生の醍醐味がある。意に沿わないことは「ナンセンス!」で片付け、自分の正義以外は認めない。それってカッコイイ生き方とは思えない。ただ楽な思考に逃げ込んでいるように見えます。結局、日本を逃げ出す羽目になったトヨエツ夫妻。小学生の子供2人を残してどうするの。でも彼の中では「こちらからオサラバしてやった」くらいに変換されているのでしょう。あんなに清々しく笑えるトヨエツを羨ましいと思います。それはホントにそう思う。人生はたくさん笑った者の勝ちです。でもそれだけじゃツマラナイ。[DVD(邦画)] 4点(2008-12-05 19:55:55)(良:1票)

1483.  怪談新耳袋 劇場版 幽霊マンション ある賃貸マンションに引っ越してきた父娘。引越し荷物のダンボールが明らかに空箱です。こりゃリアリティ無視のダメ映画なのかな。同シリーズの『ノブヒロさん』もイマイチだったし。序盤で自分の中の満足のハードルを下げました。これが功を奏したのか、意外や意外、結構楽しめました。“門限を破ると呪い殺される”という時間的制約を、きちんと活かしたエピソード作りに感心。“本当に怖いのは幽霊よりも生身の人間だ”というアプローチも定番だけど悪くない。役者も芸達者揃いです。ただ大筋が良いだけに、もっと面白く出来たという気もする。伏線の張り方を工夫したらオチの効果は倍増したと思うし、主人公の名前や“日差しを気にする”等一連の前フリをスルーしたのも勿体無いです。それでも邦画ホラーとしては上々の部類に入るでしょう。[DVD(邦画)] 7点(2008-11-29 21:58:32)

1484.  トウキョウ・守護天使 主演は神楽坂恵。バスト100cm超のⅠカップ爆乳グラビアアイドル。2006年に女優宣言をしたそうで、本作はグラドルではなく、女優として出演されているそうです。でも残念ながら本作の彼女の演技からは、女優の素養は感じ取れませんでした。(個人的には肩書きに意味があるとは思いませんが)どうせならグラドル魂全開で、豊満ボディをアピールしてくれた方が好印象だった気がします。徹底した厚着、肌蹴たジャケットを直す等、意図的に(?)胸の豊かさを隠していたような。そういうことが「女優」の要件だとしたら安っぽい。もっとも彼女に限らず、多くの演者は芳しくありませんでした。脚本も演出も稚拙と感じます。作品登録の際に見つけた専用サイト。『孤高な異空間群像劇の全貌を眼の当たりにした観客は、賞賛か批判かの選択を瞬時に迫られる事だろう』との煽りがありましたが、何を言いたいのかサッパリ分からないです。なお、これら不満は「グラドル出演を売りにしているのに、お色気シーン全く無しかよ!」といった下衆な心根から述べている訳ではありません。信じてもらえないかもしれませんが、“今回は”本当にそう思ったのですよ。[DVD(邦画)] 3点(2008-11-26 21:43:54)

1485.  いぬのえいが 《ネタバレ》 伊東美咲のCMの話は笑いました。オムニバスとしては、上出来。犬好きでも、そうでなくても楽しめると思います。問題はマリモの話。噂に違わぬ破壊力ぶりです。確かに泣けます。知らぬ間に涙が溢れるという感じ。でも“物語に感動して”というのとはちょっと違う。犬を飼った経験のない自分でも泣けてしまう。人間の心はそういうふうに出来ている、あるいはそう教育されてきたのだと感じます。それが人間の良いところなのでしょう。でも、偽善的だなとも思ってしまう。これで泣ける自分がちょっとイヤ。ひねくれ者でスミマセン。[DVD(邦画)] 5点(2008-11-26 01:23:04)

1486.  ガントレット 《ネタバレ》 自分の中では、TVでやっていると何となく観てしまう作品四天王の1つです。(ちなみに他の作品は『コマンドー』『プレデター』『クロコダイルダンディー』)自分の好きなロードムービーであること、結構シリアスな内容のわりに気軽に観られることが、ついつい観てしまう理由かな。もちろん見所は皆さんご指摘のとおり、ラスト強化バスでの銃撃包囲網の突破。そこのみと言ってもいいくらい。戦車でもコンボイでもなく、身近なバスをチョイスしたところがニクイ。[CS・衛星(字幕)] 7点(2008-11-26 01:20:02)

1487.  カプリコン・1 《ネタバレ》 家族が人質にされるという状況、国家権力を相手にしていること、さらに自分達が生きていてはまずい状況に追い込まれたこと、蜘蛛の巣に絡み取られたような危機的状況であるはずなのに、3人の宇宙飛行士からはイマイチ緊張感が伝わってきません。これは、3人が当局側に少なからず仲間意識を持っていたこと、また当局の対応に詰めの甘さがあることに起因していると思います。(もっとも当局に用意周到さがあれば、こんな事態にはなっていないとも言えますが。)また、見せ場である逃走劇の部分に工夫が見られず、やや淡白に感じてしまいました。ひとひねり欲しかったところです。(でもドッグファイトは見ごたえあり。)つまり全体的なつくりにやや粗さを感じるのです。でも、設定の良さ、音楽の素晴らしさの印象の方がずっと強い。当局の隠ぺい体質にはリアリティがあり、まんざら荒唐無稽とも言い切れない設定が絶妙です。さらに秀逸な音楽が、緊張感を煽ります。短所を長所が打ち消すため、鑑賞後には満足感が残ります。多分本サイトでの高評価がなければ、自分は出会わなかっただろうと思う良作です。本サイトとレビュワーの皆様に感謝。[DVD(字幕)] 7点(2008-11-26 01:16:20)

1488.  コマンドー 自分の中では、TV放送をしていると必ず見てしまう作品の横綱です。見所はなんと言ってもシュワの問答無用の能天気アクションですが、前半のタイムリミットを意識させる展開もなかなか良いです。終盤、敵地へ乗り込む前、武器を次々と装備する場面にうっとり。敵役があまりにショボイのはマイナスですが、シュワ作品特有の安心感が、何度も観てしまう理由かもしれません。(んっ?それは長所か?)思い切って8点です。[地上波(吹替)] 8点(2008-11-26 01:13:16)

1489.  ロスト・ハイウェイ 誰にでもわかる作品は素晴らしい。誰にもわからない作品に価値は無い。本作は後者に近いと思います。しかし、「わかるかもしれない」「わかりたい」と思わせる魅力があります。これは重要です。ある人が松本人志の笑いを「俺にしかわからないと思わせる誰にでもわかる笑い」と称していました。これは凄い褒め言葉です。デヴィッド・リンチ作品も同じだと思います。『マルホランドドライブ』はそのさじ加減が絶妙で、本作は行き過ぎていただけのことです。たまに観返して、ワケわかんなくなりたい。[DVD(字幕)] 7点(2008-11-26 01:08:56)(良:1票)

1490.  ナショナル・トレジャー 上映時間が合わず、やむなく吹替での鑑賞となりましたが、特に不都合はありませんでした。かえって吹替えの方が疲れなくて良かったと思います。一言で言って冒険活劇の王道。何処かで観たような展開の連続です。でも家族揃って観られる安心感もあり、こういった作品の価値は高いと思います。謎解きもコナン君真っ青のスピードで解読しますし、ストレスは溜まりません。また、あちこちに矛盾点や荒さが目立ちますが、あまり気にしないで観て問題ないでしょう。「最近疲れたなあ。たまには気晴らしに映画でも観ようか」というときにお勧めの映画。[映画館(吹替)] 6点(2008-11-26 01:04:05)

1491.  イントゥ ザ ブルー 青い海と水平線。水着のギャルに宝物。麻薬もからみ、人は結構沢山死にますが、それにかかわった主人公達に特に後悔の念は無い。いかにもアメリカ作品らしい娯楽作品です。別にそれは悪いことではなく、そういう作品もないと息が詰まってしまいます。ジェシカアルバの水着は絶品ですのでそれを目当てに見るのが正しい見方で、いいと思います。[映画館(字幕)] 6点(2008-11-26 01:00:27)(良:1票)

1492.  ハッピーフライト(2008) 《ネタバレ》 涙腺を刺激されるシーンが多かった事に驚き。いやコレは観る人によると思う。仕事に行き詰っていたり、職場の人間関係に悩んでいたりする人ほど、感じるものがある気がします。本作のメインテーマは、“仕事とは何か”。思わず笑ってしまうような仕事の縄張りから、陽の目を見ない裏方さん、手順段取りの妙。そして厳しさ。若手整備士の迂闊な段取りを咎める先輩整備士。帽子を被らない副操縦士をたしなめる機長。「そんな些細な事」と思います。でもそれは勘違い。プロの仕事に“些細な事”なんて無い。それが人の命を預かる仕事であれば尚更です。そう、頭では分かる。口では立派な事が言える。でも素直になれない自分がいるのも事実なのです。つまらないプライドが邪魔したりね。だから整備士やパイロットが叱られている時は、まるで我が身のように痛かった。そして改めて思いました。耳に障る事を言ってくれる人ほど有り難いものは無いということを。本作で叱られていた未熟者たちは、みんな成長したと思う。成長させてくれた人に、その機会を与えてもらったことに、感謝しなくては。自分と照らし合わせて無性に泣けてしまいました。個人的な事情はさて置いても、全体的に笑いは少なめだったと思います。物語後半はシリアスモードなので、お気楽な前半でもう少し笑いを稼げると良かったかもしれません。また時任三郎や寺島しのぶ等、プロフェッショナルの存在感が強すぎて主役が目立たなかったのも惜しい。もっとも主役がかすむくらい脇キャラが立っている映画というのも面白いものです。またこの手の映画の定番でありながら、安っぽいモノになりがちな恋愛要素も「頑張っている人へのご褒美」に思えて嬉しかったです。劇場の座席を機内にみたて、大スクリーンで鑑賞するのがお薦め。良作だと思います。[映画館(邦画)] 8点(2008-11-23 19:57:56)(良:5票)

1493.  ライラの冒険/黄金の羅針盤 《ネタバレ》 基本設定はかなり好きです。人の傍に寄り添う魂の入れ物ダイモン。ダストの謎と真理を導く黄金の羅針盤。よろい熊もグッとくる。微妙に汚いところとか、ふかふかな感じとか。ニコール・キッドマンの美貌と威圧感も悪女にぴったり。説明過多でない語り調も好みでした。徐々にこの世界観を理解していくのが楽しい。取り立てて不満はありません。でも逆にコレといった見所も無かったような。娯楽作品にしてはサービス精神に欠けるかと。例えば、ライラが氷の橋を渡るシーン。崩れていく橋。「走れ!ライラ」と叫ぶクマ。ドミノ倒しから逃れるように走る走る走る!そんなシーンを期待したのに次のカットでは無事渡りきっている。う~ん、もったいないです。クライマックスの戦い。多勢に無勢の大ピンチ。そこへ頼もしい魔女の援軍が!でも何時援軍を呼んだのか分からない。それに魔女らしい戦い方を見せて欲しいのに魔法をぜんぜん使わないし。盛り上がりに欠けます。でもシリーズ1作目としては上々の滑り出しだと思いました。次回の目玉として、ニコールの怪我した顔を最後まで見せなかったのは大正解。(勿論予告編も隠さなきゃダメです)次作は映画館で観てみたい。[DVD(字幕)] 6点(2008-11-20 21:02:30)

1494.  スキージャンプ・ペア ~Road to TORINO 2006~ 《ネタバレ》 DVDで大ヒットしたコンテンツで、もう一儲けしようという思惑がありありと伺えます。多分、最も配慮したのは経費の側面。割安で尺を稼ぐために知恵を絞った結果、このような形態での映画化に踏み切ったものと推測します。だから“何がウケたのか”“観客が望んでいるものは何か”という大切なポイントが抜け落ちたのだと思う。お楽しみのペアジャンプシーンがたったコレだけでは物足りない。実写パートとCGの遊離具合も気になります。それでもこの手法を取るのであれば、↓mkz811さんやsayzinさんがおっしゃるように、後世の人が「本当にあったのかも」と勘違いするくらい徹底したフェイクドキュメンタリーを目指せば良かったと思います。パピコの件はヤリ過ぎです。[DVD(邦画)] 3点(2008-11-19 22:43:25)

1495.  ヘルボーイ 自分がアメコミ原作映画に求めるのは、お手軽に楽しめること。これが最重要点。面白いに越したことはないけれど、それ以上に“気軽に観られること”が重要だったりします。そういう意味で『X―メン』は少々シリアス寄りですし、『スパイダーマン』はアクション過多で疲れてしまう。(どちらも好きですけどね。)大雑把な設定と程良いアクション。本作は自分が理想とするアメコミ映画に近かった。結構ヘビーな状況下でも変に主人公が気に病んだりしないのもイイ。恋の悩みなんて微笑ましいもの。ヘルボーイのビジュアルは好みじゃないけれど、“ブルー”こと半漁人君はスタイリッシュで良い感じ。敵だけどクロエネンもカッコイイし。もうすぐ続編が公開とのこと。劇場の大スクリーンでポカーンと観るのもアリかなと。満足の6点です。[CS・衛星(字幕)] 6点(2008-11-17 19:50:18)

1496.  転々 《ネタバレ》 三木監督の笑いは、少々自分には過度だったりします。結構グロかったり、頻度が過多だったり。物語のテイストはユルくても意外と疲れます。でも本作は違った。相変わらずユルいのだけれど、ちょっと質が異なるような。序盤は戸惑いがちだった今までの作品と比べて、冒頭からとても心地良く観られました。作品全体が本当の散歩のような空気感。リラックスしているので小ネタがバンバンはまるのです。クスッ・ニヤッ・爆笑の連続でした。三木作品の中で一番笑いました。肝心の物語はどうか。最初から明確に提示されていたとはいえ、あまりにもあっけない結末。エンドロールを眺めながら、物足りなさを感じました。起承転結の結が抜けている。句読点の句点が打たれていないような。エンドロール後、ワンカットでもオダギリの表情が写されていたら納得したと思います。彼がまた歩き出してくれたら、スッキリ出来た気がする。でも最後に映されたのはお馬鹿トリオのどうでもいいお話。ゴム臭いのは最初から分かってますって。ここに来てこのスカシ。でもこれこそが三木聡イズム。本作はいわばファンタジーです。主人公が過ごしたこの数日間は夢と何ら変わらない。こんなに都合の良いことは現実にはありません。福原が去って目覚まし時計が鳴りました。さてどうしますか?これから彼は“今”を生きるのか。それとも小泉の元で夢の続きを見るのか。主人公がどんな道を進むのかヒントさえ出ないまま終わる。なんて不親切なんでしょう。でも人生はそんなもの。夢を見るのは自由だけど、時間は無限ではありませんよ。何処へ向かうかは自分で決めてね。誰にも当てはまる痛烈な真実を突きつけてきます。本作のテイストには相応しくない“福原は人殺し”という設定もそのために在ると思えば納得です。彼に、私たち観客に、「逃げる」選択肢を与えないため。転々とお散歩。楽しいね。でもいつか終わる時がくる。だからなるべく笑って歩きたい。[DVD(邦画)] 10点(2008-11-14 19:23:06)(良:4票)

1497.  嗤う伊右衛門 《ネタバレ》 舞台演出家の印象の強い蜷川幸雄監督。“らしい”映画でした。まず役者の演技が濃い。これは良い意味で。唐沢、椎名、香川ら芸達者が作品世界にのめり込んで演技をしてくれている。ちゃんとした劇を見せてくれるのが嬉しいです。小雪も良かった。力みは感じられるものの、“精練な女性像”を感じ取ることが出来ました。顔のハンデが気にならない。十二分に魅力的です。典型的な“幽霊顔”だし(失礼!)、これからもホラー(というより怪談)で活躍して欲しいです。逆に悪い意味で気になったのがBGM。ベタ過ぎました。折角の好演に余計な飾りを付けるようなもの。使用箇所と選曲は一考を要すると感じます。四谷怪談を純愛物語に解釈したのは面白い。昼メロか韓国映画並みのハチャメチャのドロドロ。核となるのは伊右衛門と岩の心の繋がり。「すまぬ」を連発する夫に苛立つ妻。引け目がある者同士が心を開き通わせていく。本来なら、尺をかけて描きたいところ。でも少し言い合いを見せたのみで処理するのが凄い。でも本作の場合は十分と感じました。たった一度本音を言い合うことで深く繋がれる。なんとなく分かる気がする。だけど2人は純過ぎました。相手を想うだけで満足してしまった。相手を慕うのと同じだけ、自分も愛さなきゃいけないのに。乳を出しながら(!)死ぬ梅や、エンディングの処理等、演出の意図は理解できても受け入れ難い部分に若干のマイナスを付けます。[DVD(邦画)] 7点(2008-11-11 20:26:36)

1498.  ゾンビーノ 《ネタバレ》 「人間とゾンビの共生」という設定は、某英国産の傑作ゾンビコメディに通じるもの。ブラックテイスト豊富な“笑える”映画を想定していたのですが、これが大違い。ずっとずっと真面目なヒューマンドラマでありました。ゾンビは死んでいるの?生きているの?少年の抱く素朴な疑問は、ある使用人いや“使用死人”ファイドとの交流を通じて観客へも問い掛けられてくる。家族の在り方とは?人間の尊厳とは?観客それぞれ、感じ取るものがあると思います。不謹慎かもしれませんが、自分は老人が家族の中にいる生活を連想しました。親と子、夫と妻、隣人。それぞれの立場で、その時の状況で、関わり方は違ってくる。正解は一つではありません。でも一緒に生活を営む上で不可欠なものが少し分かった気がします。みんな演技も素晴らしかった。とくにゾンビ2人。ファイドと(勝手に命名)カチカチ娘が抜群。極限まで抑えられた喜怒哀楽の表現がお見事でした。彼らの好演が作品の質を高めています。大好きな映画が一つ増えました。最後に不満というか気になった点をひとつ。首輪の抑制なしで“理性”を発揮してみせたファイド。だから家族に受け入れられたでしょうが、お手軽に処理してしまった感は否めない。「ゾンビのお約束」からも外れてしまう。凶暴性そのままに共生の道を模索できたら、画期的なゾンビ映画になっていたと思います。[DVD(字幕)] 8点(2008-11-08 19:23:57)(良:1票)

1499.  最終絶叫計画 本家の知名度。それがパロディ作品の成否(興行上の成功)に大きく関わってくると思います。主たる元ネタは『ラストサマー』と『スクリーム』。ホラー映画好きなら必須ですが、『13日の金曜日』や『ゾンビ』ほど、一般層に浸透している作品ではありません。つまり一般ではなく映画ファン、それも一部のホラーマニアを対象とした守備範囲の狭いパロディだと思いました。一般ウケはそもそも無理な話。でも『ラストサマー』を“楽しめた”人なら、本作も楽しめる可能性は大です。自分もそう。かの作品はこれっぽっちも面白いと思わないけど、“楽しめた”クチではあります。バカ映画が嫌いじゃなくて、下ネタを嫌悪しなければ本作も多分イケるでしょう。そもそも、エログロと笑いの関係は密接ですし。ただマニアックな作品ながらハマリ度はイマイチでした。元ネタにパワーが無いからかな。こればかりは如何ともし難い。最後に本編で出てきた名台詞を紹介しておきます。「小さなトンカチだって上手く使えば釘は打てるんだよ!」この言葉に感銘を受けた野郎にだけお薦めします(泣)。[DVD(吹替)] 6点(2008-11-05 18:54:19)(笑:1票)

1500.  ピンチランナー 《ネタバレ》 アイドル映画にはアイドル映画としての役割がある。物語性だとか演技だとか、過分に求めてはいない。観客(この場合はファン)もそれは承知しているでしょう。「顔のアップを多めに押さえておきゃOKでしょ」的な製作サイドの姿勢がひしひしと感じられます。だから“燃えやすいナイロン製ベンチコートで火に飛び込ませる”のも、“フォローが無い難病設定”にも疑問を抱かない。安倍と市井の私服の色味が、まるっきり被っているのに誰も気付かない。メインの駅伝に至っては、物語の一部としての役割を放棄しています。ずっと横腹を押さえてチンタラ走る後藤。沿道のファンに愛想を振りまく飯田。安倍の体型。すべてあり得ない。ツッコミつつも笑っていられればOKですが、腹が立つようではダメ。本作の価値は、開き直る前の加護が見られること。矢田亜希子嬢を奪った押尾の大将の経歴に本作が刻まれたこと。そして、いろんな作品に対して優しい気持ちになれることです。『模倣犯』だってそんなに悪くないと思えるから不思議。[DVD(邦画)] 2点(2008-11-03 19:40:50)(良:1票)

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