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性別 男性
年齢 53歳

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141.  引き裂かれたカーテン 《ネタバレ》 ヒッチコック作品の中では評価が芳しくないものの一本、かもしれませんが、展開が速くてとにかく楽しい作品、です。盛り沢山の内容に、息切れしないように注意。冒頭からポール・ニューマンとジュリー・アンドリュースが妙に濃厚にイチャイチャしているなあ、と思ったら、あっという間にそこに疑惑の影が差してくる展開。ああ、タイトルにある“カーテン”ってのはそのカーテンのことか、と思う間もなく、さらに物語は思わぬ方向に。絶望的な逃避行、というより殆ど荒唐無稽な脱出劇、ですが、ポール・ニューマンの飄々とした感じがうまくマッチして、サスペンスとユーモアを両立させています。1つのシーンが次のシーンへとバトンを渡し、まさに物語が“転がって”いくような、小気味よさ。いやむしろ慌ただしさと言っていいかも知れませんが。物語の展開の速さばかりではなく、主人公が彷徨う美術館のシーンなどを挿入することにより、独特の雰囲気も醸し出してみたり。と言う訳で、なかなかのオモシロ映画に仕上がっている、のですが、ただ・・・↓すでに指摘されている方もおられますが、劇場のシーン(大仰な“フランチェスカ・ダ・リミニ”の音楽に乗って、いかにもショボいバレエが演じられているのが可笑しい)で、主人公が英語で「火事だ」と叫ぶのが(しかもそれで劇場がパニックになるのが)、これはちょっと無理がありましたね(あまり関係ないけど、芥川龍之介の『煙草と悪魔』を連想する。寝惚けている悪魔が、わざわざ日本語で叫ぶか、どうか)・・・。さて、本作においても、ヒッチコック本人がどこに出演しているかが楽しみのひとつなのですが⇒⇒⇒音楽が「正解」を教えてくれます。[CS・衛星(字幕)] 8点(2011-04-12 00:15:49)

142.  マーニー 赤色恐怖症?って何コレ『めまい』の二番煎じかよ強引な設定だなー。とか思いながら観始めたハズなのに、ふと気付くと夢中になって観ている自分がいる。いやいや意外に面白いですよ。単純に謎が提示されてそれを解決する、というタイプのミステリではなくて、謎ときの要素がいくつもあり、それだけに物語がどこに行きつくのかがなかなか見えない。それどころか、登場人物たちそれぞれの思惑が、事態を複雑なものにし、波乱とサスペンスを次々に呼ぶ、という趣向。というとホメ過ぎですかね。まあそんな大げさなもんでもないですけど、先が読めない分、ハラハラさせるシチュエーションが思わぬ形で登場することになり、我々を楽しませてくれます。と同時にヒッチコック自身もパツキン女優を好きに動かして楽しんでる訳なんでしょうけど。ただ、本作、あくまで娯楽路線のサスペンスで通して欲しかった気はしますね、最後に急に深刻ぶって見せたのが、やや違和感。[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-12-13 21:45:41)

143.  眠狂四郎 女地獄 これは面白かった。まず、狂四郎が久しぶりに(?)イイ人。少年から何度も何度も「おじさん、ありがとう」と言われるのが印象的。いやもちろん、エロさは相変わらずで、近寄る女性には必ずエロい要求を。しかし心配ご無用、「近寄る女性」ってのはことごとく判で押したように、その正体は“女刺客”ですから。だからやっぱり狂四郎は今回、イイ人なのです(多分)。しかしその連発された「ありがとう」から一転、狂四郎の軽はずみな行動のために、少年と連れの女性は、命を奪われてしまう。そう、自分が彼らの命を奪ったも同然なのだ・・・と、心に傷を抱えた(のかどうかは外見からはよくわからんが)狂四郎は、やがて、藩のお家騒動に巻き込まれていく訳ですが。それぞれに心の傷を抱え屈託を持ったキャラたちが、その争いの中でドラマを生み出し、多層的な面白さがあります。そしてラストのいささか唐突の大雪、その中での対決。狂四郎は、自分のせいで罪もない少年と女性の命を奪ってしまったが、彼はその運命を背負って生きていかなければならない、それは誰しも同様、死ぬ自由など無いのだ、生き残ってしまった者は、恥も苦悩も抱えながら生き続けねばならないのだ、と。シブいぜ~。[CS・衛星(邦画)] 8点(2010-09-08 00:14:42)

144.  からっ風野郎 ゴリラ似の素人俳優が主演のやくざ映画。この主演のヒト、何でも、本業は作家なんだってさ。え?みんな知ってるって?どれだけ演技がヘタか確認するために本作を観たって?ふむ、あんたもよっぽどのからっ風野郎ですな。ま、確かにヘタなんですけど(素人俳優によくある通り、他人のセリフの間、次の自分の演技のみに意識が行ってて、目が泳いでしまってる)、大丈夫、見慣れてくると違和感なくなります。タイトルは「からっ風野郎」ですが、この主人公、イマイチ、からっとしていない。どーせ俺バカだから、みたいなノリはいいんだけど、思い切りが足りなく、少々ジメッとしている気がするんですけどね。そこが可愛いと言えば可愛いところ。見た目はゴリラですけど・・・。若尾文子演じるオネーチャンを孕ませてしまった挙句に、何とか堕胎させようとするくだりなど、いかにもヘナチョコ。当の御本人の『金閣寺』などではもっとエグイこと、やってらしたじゃないですか。ま、そういう訳で、どこか青っぽい主人公の活躍を青っぽく演じ切り、やくざ映画でありながら青春映画としても楽しめる、なかなかの快作になっております(実際、オモシロイ)。最大の見どころは何と言っても、「三島由紀夫 in 遊園地」。三島由紀夫、後に割腹自殺を遂げるアノ三島由紀夫が、何と木馬に乗ってデートしている姿! 彼のセリフじゃないけれど、まさに「その手があったか!」と言いたくなるシーンですね。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-29 22:49:21)

145.  盲獣 乱歩自身、“吐き気を催すほど”と言ったという『盲獣』、その盲獣のオハナシかと思いきや、何と、モンスターペアレンツのオハナシでしたとさ。そんでもって、怖いおっかさんと、怖い憧れの女性との間に板ばさみになった、ダメ男のオハナシでしたとさ。変態映画のように見せつつ、この辺り(映画の前半)は、妙に現実的で身につまされる部分もあります。目の見えない変態男が、女性を誘拐してきて、ヘンテコなオブジェで満たされた倉庫に監禁、彼女をモデルに「触覚の芸術」を作り上げようとする、という変態的なストーリーの中において、彼をサポートするおっかさんの、旧時代的かつ健康的な姿がかえってアブノーマル。変態の中においては、正常こそが変態とも言えますナア。ところで、船越演じる変態男、粘土コネコネしながら、「いままでにない彫刻ができそうなんだ~」とか、しきりに彫刻、彫刻、って言ってますけど、アナタが作っているソレは、「彫刻」じゃなくって「塑像」ではないでしょうか。ま、それはさておき、映画後半は、変態というより退廃路線を暴走していっちゃいますが、だんだんおかしくなっていく主人公の女性の姿に対し、妙に淡々とした彼女の独白が重なり、「アンタ、冷静なのか忘我状態なのか、どっちなんだよ。そもそもこのナレーションって必要なの?」と思っちゃうのだけど、しかし一方で、この異常な映像と淡々としたナレーションのミスマッチが、不気味さを醸し出しているのも事実。この淡々としたナレーション、お昼のワイドショーの「あなたの知らない世界」の再現VTRを思い出させます。ああコワ。[DVD(邦画)] 8点(2010-03-24 22:17:03)

146.  101匹わんちゃん これはまさに「動く絵本」ですね。背景画は色が輪郭線からハミ出してたりするし、登場人物(犬?)画の線はザザッとしたデッサン風だし。さらにさまざまなデフォルメが凝らされていて、何から何までが絵本みたいな味わい。ストーリーはというと、皆さまご存じだと思うので特に申し上げることもありませんが、誘拐された子犬たちがロンドンを目指し帰ってくる冒険物語、これは、『トイ・ストーリー』の原点とも言えるものですね。無数の子犬が次から次に走り回るシーンが見もの、ただし、さすがに一度にたくさんの子犬が登場する場面ではすべてを完璧に動かすことはできず、「動く犬」と「動かない犬」とに分かれてしまうのはちょっと残念なところですが。あと、クライマックスの壮絶なカーチェイス(と壮絶なクルエラの表情)もまさに見ものです。さらに個人的には、誘拐犯2人組の吹き替えが、「ヒッチコック」と「イーストウッド」の会話になってるのが、ちょっと感涙もの。[DVD(吹替)] 8点(2010-03-05 22:35:55)

147.  不知火檢校 立身出世を目指し、勝新演じる盲目の男が、ひたすら悪知恵と非道の限りを尽くす。出世のためには悪を辞さない。出世さえすれば、悪は悪で無くなる。その狡猾さたるや、高木彬光の『白昼の死角』に匹敵、いやそれを凌駕するほど。「盲目」を表現せんとする勝新の芸の細かさ、細か過ぎるまでの細かさが、主人公のヤな感じをますます醸し出し、見事なまでの“得体の知れなさ”を表現しておりますな(最早、「得体が知れない」のは、主人公なのか、勝新なのか、区別がつかない)。この主人公、いつかはしっぺ返しを食らって没滅して欲しい、だけどその「いつか」ってのはもっと後でいい。主人公が危機を乗り切るたびに、ええい畜生、と思いつつも、どこかホッとしたりもする。主人公の成功は、ひとつの“夢”ではあるけれど、主人公の没落は・・・結局は、次の「悪」が現れるだけなのであって、所詮我々は、常に現れ続ける「彼ら」に利用され踏み台にされ続けるしかないという“現実”。時々は良心ぶって、狂ったように「彼ら」に石を投げつけてみるしかない、という“現実”。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-11-15 08:35:47)

148.  宮本武蔵 般若坂の決斗 奈良在住の私にとっては、比較的近所のオハナシなので、親近感の湧く作品であります。いよいよタケゾーからムサシとなって、武芸者の道を歩むこととなった宮本武蔵。吉岡一門との因縁も、いよいよ始まりますが、本作の主な見どころは、宝蔵院の槍術に武蔵が試合を申し込んだことから起こる事件。武蔵は、奈良から柳生を抜けて伊勢に向かおうとしているのですから、今で言う国道369号を歩いていこう、っちゅうわけですね。春日山や三笠山(若草山)を迂回して、東大寺横を北上していくと、斜面にさしかかる、そのあたりが般若坂でしょうか、そこに待ち構える刺客たちとの死闘。大勢の敵に単身向かっていく武蔵の姿、ゾクゾクするようなカッチョ良さです。チャンバラにおける残酷描写もなかなかのもの。そして後に待ち受ける、意外な展開。さて、繰り広げられる死闘の横には十三重の石塔が見えますが、これはもしや、般若寺の石塔(のつもり)でしょうか(当然、ロケは別の場所なので)。この石塔は、般若寺のシンボルとでも言うべきもの。重要文化財。秋は境内一面のコスモスに囲まれ、見事な風情です。一方、初夏にはアジサイが一面に咲き誇り、これまた見事。以上、奈良観光案内でした。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-27 17:59:40)

149.  宮本武蔵(1961) タイトルは『宮本武蔵』だけどサブタイトルが無いのがつまり、言わばトッピング無しのプレーン状態な訳で。吉岡一門も出てこなければ小次郎も出てこない、そもそもムサシのムの字も登場しない、彼がタケゾー時代のオハナシ。まるで、「ついにデロリアンが完成したぞ!」とドクが叫んだところでBKTFの第1作が終わってしまうようなもんですね。しかし本作、何と言ってもすごいのが錦之助。持ち前のキンキン声をキンキンと響かせながら、走り回るわ、木に吊るされるわ、まさに大暴れ。特に、姉の姿を求めて崖を駆け降りるシーンはまさに圧巻。それにしても、映画のかなりの時間、主人公が木に吊され続けるというのも、かなり主人公扱いの悪い映画でありますが、飄々としたタクアン和尚とのやりとりがオモシロい。そしてラストのタケゾーの鋭い眼光に、続編への期待が高まります。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-06-11 22:18:49)

150.  若親分 ケリは俺がつける。今公開されれば、市川雷蔵が理想の上司像ナンバーワンになること間違いなし、度胸、判断力、行動力、すべてピカイチで、しかも容姿端麗、とくるのだから、まさに完全無欠の若親分。問題点があるとすれば、何でも自分でやり過ぎるところですかね、成田三樹夫にも少しは仕事させてあげてくださいな。焼け跡における、ハルオ・ミナミのナニワブシ・パフォーマンスも、ベリー・ファンタスティックでした。これぞ大映(笑)。[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-05-24 11:09:42)

151.  わんぱく戦争 こういう映画を観ていると、「映画において“名優”とか“名演技”って、一体何なんだろう」って思っちゃう。撮られるべきカットの中で、登場人物が撮られるべきように動いてさえいれば、演技に関する小難しい理論も何も知らない子供たちがそれを演じていたって、こんな見事な作品になっちゃうのだから。結局のところ、演出こそ命、演出がすべてやんか、と(はいスミマセン、そんなコト言っときながらモチロン、他の映画を観た後には、ちゃっかり他の感想を持つのです)。ってかむしろ本作品においては、子供たちの活き活きとした表情や、子供の身体能力ならではの動き、そういったものこそが、映画の魅力になっていて、楽しい作品になっていますね・・・しかし君たち、いささか悪ふざけが過ぎますぞ。にこにこ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-04-04 23:58:22)(良:1票)

152.  大魔神逆襲 3作目は『逆襲』と来たもんだが、実は逆襲指数は一番低かったりする作品。普通に困っている人々を助けてあげる大魔神、何をそんなに大暴れするのかと、やや唐突な感じも否めません。前半は子供たちの冒険の物語。まあスタンドバイミーの日本版と思えば当たらずとも遠からず、さりとて近からず。いや、演技は徹底してクサイんですけど、友情あり自己犠牲ありで、演技のクサさと内容のクサさがマッチして「懐かしさ」を醸し出しております。北林バーちゃんの存在感も忘れられない(今観ると、どうしてもあの「メイチャ~~ン」という哀しげな叫びがオーバーラップしちゃうのだ)。映画は途中から雪景色へと変わり、目を奪われます。この雪景色自体、なかなか効果的なのだけれど、クライマックスの大魔神大暴れのシーンでは、吹雪となり、壮絶なバトルシーンが展開される流れを導いてもいたりする。これは見応えあり、です。もしこのままシリーズが続けば、ゴジラやガメラ同様、コミカルな役回りが大魔神に課せられたかもしれないと思えば、この3作目が、引き際に相応しい作品と言えるのではないでしょうか。[地上波(邦画)] 8点(2007-04-28 18:54:16)

153.  大魔神怒る 《ネタバレ》 2作目のタイトルはなんと『大魔神怒る』。なんとなんと、1作目であんなに残虐に暴れまわったにも関わらず、あれでもまだ怒ってなかったのか? 何しろ今回は、武神像が木っ端微塵に爆破されちゃう。これじゃあ、怒るよね(でもまだ暴れ出さないのだ)。隣国からの弾圧は続き、何故か十字架にハリツケにされて火あぶりにされる藤村志保(魔女裁判か?)。そこに、バラバラになったハズの大魔神が湖から復活。十戒のごとく湖が割れ、憤怒の形相の大魔神が姿を現す。大魔神の両側を滝のように流れ落ちる湖水の映像、ん?大魔神両側で背景の映像がズレてるのは合成処理の甘さか? それはともかく、嵐の中、大魔神の怒りが炸裂する。銃で撃ってもびくともしない大魔神。石垣を突き崩し、錨攻撃(?)にもめげず、暴れまわる大魔神。待ち受けるダイナマイト(?)。変身前にはバラバラにされたが、今度はいかに?(一度は粉砕されたくせに、性懲りも無く火薬の山に足を踏み入れるとは、学習能力が無いというか、自身過剰というか。いいぞ大魔神!) ラストは湖上でミサイル攻撃まで披露する大魔神。カッコイイ・・・・・・いや、ちょっとやりすぎですね。大魔神のおかげで、平和が戻った村。湖に沈められた鐘の音が湖底から鳴り響く(ちなみに、琵琶湖の湖底では今でも謎の鐘の音がホントに聞こえるらしい、のだ。↓ワタシもあの島は竹生島だと思いました)。[地上波(邦画)] 8点(2007-04-28 18:33:22)(笑:1票) (良:1票)

154.  ブリット なぜか、テレビで放送しているのを見るたびに途中で寝ちゃう映画、ってのがありまして、なぜかなぜか、この『ブリット』がその一本、だったりしたのです。ちなみに、他には『スピード2』とか(笑)(←コレは寝てもしょうがない)。このブリット刑事、スーパーヒーローと呼ぶには少々不甲斐なく、何かと後手後手にまわってしまう。でようやくアノ有名なカーチャイスの場面でスーパーヒーローぶりを発揮してくれると、何だか安心してしまい毎回ワタシはそこで寝てしまう、という展開。しかししかし。眠くないときに観れば、これが実に面白い(眠い時にばかりこの映画を見てたのか?)。いや、面白いと言っても、ヒーローが人間離れしたアクションを披露したり、気の合う仲間の刑事と軽口叩き合ったり、とかいうタイプの面白さでは無くて、何か、雰囲気からにじみ出てくるような、ハードボイルド風味の魅力。ストーリーの進行そのものに直接関係しないシーンを、敢えてじっくり見せてくれることで、雰囲気が出るんだねえ。バーで演奏するバンドの姿。フルートに照明がキラリと反射する。あるいは重傷者を手術する場面の緊迫感。ブリット刑事がスーパーで買物する場面の緊迫感、じゃなくて、ユーモアと哀愁のようなもの。そういう、ちょっとしたシーンの積み重ねが、映画の味わいを深めていて、むしろ沿う考えると、カーチェイスシーンこそが現実離れして突拍子もないわけで、この映画に一番不要なシーンかもしれない。でもカーチェイスは、無いよりもあった方がよいのは当然だ(←なぜか断言)。というわけで、派手さは少なくとも、この丁寧な作りこそ、ハードボイルドの魅力だなあ、と改めて思うわけで。そしてプッツリ途切れてそのまま日常に埋没するような、しゃれたラスト。ああ、ワタシはこのラストをいっつも見逃していたのだなあ、と思うと、自分に対して沸々と怒りが湧いてきたり(『スピード2』は、無事完走したときにも何の感慨もなかったけどね)。[CS・衛星(字幕)] 8点(2007-02-04 22:55:09)

155.  ミニミニ大作戦(1969) 金塊強奪大作戦! と言っても、映画から感じるのはハラハラ感でも無ければ、ドキドキ感でもない。ただただ、圧倒的なるワクワク感! 何しろ、一体何をしようとしているのやらイマイチ要領を得ない、断片的な描写が、パッチワークのごとく綴られていきます。だけれども、トテモ楽しそうに何かを企んでいるらしいことだけは、ヒシヒシと伝わってきますね。この映画、まさに「自信たっぷりに撮りまくっている」という、余裕が感じられます。そしていよいよ現金強奪、これがまた、さらに輪をかけて断片的、気がついたらクルマが妙な場所を走り回ってる、これがホントにとんでもないところばっかし、何のためにそんなところを走っているのかも不明。しかしアクロバティックで、観ててやたらと楽しい。無意味に風光明媚、無意味にクルマを壊す。意味も無く出てくるギャングどもは意味も無くギャングっぽい格好をしてたり。ラストも何ともトボケてます。というわけで、あたかも、朝起きて「あー何だか楽しい夢をみたなあ」と感じる時のような感慨。夢を見ている間は、夢の支離滅裂さに気づかないで、妙に納得、妙に楽しく感じる、あの感じ。[DVD(字幕)] 8点(2006-12-12 22:52:25)

156.  秋立ちぬ 信州から東京へとやってきた少年。彼のことを本当に気にかけてくれる者は誰もいない。いや唯一、気にかけてくれるのは、それはメルヘンチックに言動が浮ついた(?)、まるで絵本から抜け出てきたような少女でした。そういえば、この少女との交流の場面自体が、いかにも絵本のように目を引くものがあります。しかしこのいささか現実離れした少女にすらも、大人の手前勝手な都合による、厳しい現実が待っている。まして少年をや。ブローチのカブトムシを間違えて捕まえようとしてしまうエピソードが妙に心に残りました。少女のためにカブトムシを捕まえること、それは自分の幸せを掴むことでもあろうけれど、カブトムシはニセモノ、夢は儚く散る。それ自体は些細なことかもしれない、しかし、その少年の失敗の様子を見て、いかにも訳知り顔に「罪無く」笑う大人、ユーモラスな場面ではあるけれど、どこか残酷な感じもします。カブトムシのエピソードが、ラストに思わぬドンデン返し(!)につながるのも、印象を強めた一因でしょうか。暖かさと厳しさの同居した、珠玉の作品でした。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-11-27 22:39:07)

157.  眠狂四郎 無頼剣 いやはや、実にハードボイルドなる一本。「断っておくがワシはマトモな人間ではない」とのたまう狂四郎様。なーにをおっしゃるんですか、シリーズ他作品に比べりゃ相当マトモでっせ。何しろ、全然スケベじゃない。まさか別人、このヒト本当に大塩格之助だったりして、ウヒョヒョ。←というわけで、狂四郎の人違いに始まり、裏には裏のある、なかなかに奥の深いストーリーが、紙芝居のごとき場面転換、モンタージュ風のカット挿入によって、実に小気味よく進められていきます。一方、じっくり見せるところはじっくりと。この緩急の心地よさ、まさに快作と言ってよいでしょう。さて今回の敵は、天知茂演じるところの明智小五郎、じゃなかった、ニヒルなテロリスト・愛染。ちなみにワタシの知り合いで、「眠狂四郎シリーズってたしか、敵役は毎回、天知茂が演じてたんじゃなかったっけ?」などというワケの解らない勘違いをしている人がおりました。こんな勘違いが生じるくらいだから、まさに本作の天知茂はシリーズ屈指の印象深い敵役と言ってよい、のかどうか(???)。円月vs円月という、何かヘンテコな儀式のようなクライマックスに続く、どこか悲しさと虚しさが漂うラスト、脱帽であります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-28 23:41:13)(良:2票)

158.  脱走山脈 第2次大戦下、象の飼育を任されたイギリス人捕虜ブルックスが、ひょんなことから、象と共にスイスへの脱出を図るという、ユーモアあり、ダイナミックなアクションあり(意外なほどダイナミック!)のサービス満点映画。キャラの設定も絶妙で、トテモ面白いです。しかし、象を助ける一方で、人間はバタバタ死んじゃう。戦争アクションを盛り上げるには多少は死人が出るのはやむを得ないワケで、観る側としてもまあ、正直、こういうハデなアクションを期待してるんですけども・・・。えてして、動物愛護も過激になると「動物を虐待する人間」を攻撃し虐待する行為、になっちゃったりしてるわけで、こういうのは動物愛護の名を借りた「人間狩り」、と言わざるを得ない。この映画はそういうキナ臭いのとは一線を画している、あるいは画そうとしているのですが、やはり、「象を助ける」ことと、「敵と戦うことで死人が出る」こととの間の、なんとなく居心地の悪いバランスの悪さ、というものはどうしても付きまとってきます。で、しょうがないからバランスを補うため、とりあえず主人公ブルックスだけは設定上、一応、厭戦気分を持っておいてもらうことになる。これで一安心。ははは。まあそんなわけで、微妙な問題については各自折り合いをつけていただくことにして、この映画を楽しむことにいたしますと・・・結局、実はこのアンバランスさ(一種の「残酷さ」)こそが絶妙のユーモアの源だった、ということに気づいてしまうのですが。[地上波(吹替)] 8点(2005-09-27 00:02:12)

159.  エル・シド 《ネタバレ》 子供の頃、親父の「映画史上ベストテン級の面白い映画」という心無い一言(?)に乗せられ、テレビ放送で観て、実は結構ハマってしまったのが、この映画。事前に聞いた一言で映画の面白さは確かに変わる(笑)。とは言え、細かい部分はだいぶ忘れていたもんで、観直してみたのですが、いやあ、昔心躍らせた決闘シーンや合戦シーン、またワクワクしてしまいました。恐るべし刷り込み効果。ヘストンに矢が刺さるシーンは、子供の頃はもうびっくり仰天して、撮影中の事故ではなかろうかとまで思ったのですが(あはは)、これは今見たらそれほどでもない(いひひ)。アクション、友情、恋愛、陰謀、などなど何でもアリ、波乱万丈の物語で、しかも意外によく纏まっているので、見ごたえ充分。アンソニー・マン監督は『シマロン』に引き続きここでも大作らしい大味さを発揮、例えば・・・カラホラを賭けた決闘のシーンでは、例によってカットにより空模様が異なるし(ドンヨリ曇った日本晴れ、とでも言いますかね)、バレンシア出陣直前のシーンではソフィア・ローレンの写るカットだけナゼか夜?、はたまた海岸での合戦シーンでは撮影車両のタイヤ痕が砂浜にくっきりと。こんなチョンボは、もっとよく観ればきっと、出演してるエキストラの人数に匹敵するくらい沢山あるのかもしれませんな。史劇でありながら、「オイオイ、最後はホントは結局どうなったんだよ!?」という、大変後味の「良い」ラストも印象的であります。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-09-10 14:02:27)

160.  眠狂四郎無頼控 魔性の肌 ウヒャー成田三樹夫がエライことになってるぅ~。必見です。さて本作、もしも濡れ場をイチイチ丁寧に描いていたらほとんどポルノになってしまいそうな、アヤしい展開。そしてアブノーマルな雰囲気。狂四郎の出生の秘密が描かれる冒頭の黒ミサ儀式からすでに、ショッカーの秘密基地かなにかのよう。ストーリーは、金のマリア像を狙う黒指党と、彼らの襲撃から像を守る狂四郎の活躍!のハズだけど、実際にはマリア像なんかそっちのけで狂四郎は単独行動、そしてバレバレの罠を狂四郎にかけてくる黒指党。狂四郎がマリア像を持ってないことは知ってるくせになぜ狂四郎を斬ろうとするのか?この中盤が、ほとんどショートコント集にしか思えませんでした、ははは。この映画、狂四郎の「心の成長」を描いているのがヘンと言えばヘン、見所と言えば見所。最初は(というか前々から?)女性をまるでモノのように扱う狂四郎。そのくせイジメの仲裁に入ったりするのがまたまたヘン。いいところだったのに止めるなっての(←アホか)。その、まるで女性の敵であった狂四郎が、後半、意外な(?)優しさに目覚めて行く。そしてラストの怒りの表情。しびれる~。映画全体に惜しげもなくちりばめられた名セリフ&迷セリフの数々も聞き逃せない。「血を流すには美しすぎる・・・」などなど、これまたシビレまくり~。狂四郎の宗教観も聞かせてもらえます。[地上波(字幕)] 8点(2005-09-06 22:38:54)

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