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プロフィール
コメント数 296
性別 女性
ホームページ kawamari7.hatenablog.com (質問と建設的な指摘をお待ちしています。JTNEWSに届けてあるほうでは文字化けします。)
自己紹介 取り締まる法律が必要な(1)XX中毒。生まれた場所のせいで3歳で兆候が現れ、13歳で表彰状物の重症に、今ではより強い刺激を求め(2)X屋の中だけではなくこのサイトに出没、ネットで(3)XXXXXXがないかと探し回るのに誰も助けてくれません。KW = 「かわまり」「はてなブログ」で原子力開発関連の「プロメテウス達よ」と19世紀ヨーロッパを夢と詩で描いた「黄昏のエポック」を公開しています。  (Xの数に文字数が一致する言葉を入れてください。)

空欄の答え:(1)XX=「言語」、「活字」も可、(2)X=「本」、(3)XXXXXX=「読める外国語」、キリスト教国際病院で生まれ、宗教は仏教。

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141.  クイン・メリー/愛と悲しみの生涯 「1000日のアン」のDVDが欲しくて通販サイトを漁っていたら本作とのダブルディスクのパッケージを発見して入手しました。主演女優の美しさとスコットランドのスケールルの大きな風景が印象的でアカデミー賞の複数ノミネートも頷けますが、主題が何なのか今いちわかりませんでした。メアリー・スチュアートはフランス皇太子とのおままごとのような結婚で夫と死別した後、スコットランドの王位継承権もある純粋スコットランド種のお坊ちゃんと結婚、坊ったま旦那が政治音痴で「我こそはスコットランド王なり」なんて言うのに辟易するわけだけれど、この時点迄は坊ったまに本気で惚れていたのかはたまたボッタマの血統に惚れていたのかようわからないです。我が国でも年齢こそこ皇女様より何日か年上だけど何でも皇女様の言いなりになった挙句「俺様を殿下と呼べ」などと宣う毛並みの悪いお方がいませんでしたっけ? まあいいけれど、一国の君主の配偶者というものは良くも悪くも君主の一生、そしてその統治する国を大きく左右します。本作ではメアリーが従姉のエリザベス一世に処刑されるところまでは描いていませんが、両女王のどちらが君主として優れていたかと問われれば十中八九は「わたしはイングランドと結婚した」というエリザベスに軍配を上げるでしょう。でも歴史の面白いところは、跡継ぎを残さずに亡くなったエリザベス一世の跡を継いだのがメアリー・スチュアートの息子のジェームズだということです。西洋史家で西洋美術の解説で有名な中野京子さんあたりはメアリー・スチュアートのことをぼろくそに言っていますがスコットランド王ジェームズ六世にしてイングランド王ジェームズ一世となったメアリーの息子は外交が上手な結構賢い王様だったようです。でもメアリーに育てられたわけではありませんからね。なお今日本でかしがましい女系天皇の可否論争との絡みで言うとメアリー・スチュアートは男系女王でその子供は女系継承となるところをでしたが結婚相手によって息子のジェームズが父系でも血統の正当性を主張できるようにしました。日本の今後の参考になるようなヒントも見つかるかもしれない作品です。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2022-07-05 21:52:48)

142.  白鳥 《ネタバレ》 結婚は誰にとってもプライベートな苦しい道のりです。相手を批判したり、自分の包容力に照らして許容したり、短所や長所、価値観などを天秤にかけたり。。。それがこと他人事、特にセレブのことになると外野の声援や批判の喧しいこと! 日本では某なんとかの宮様の娘について噂がやかましいけれど、かの王女様の立派な伯父様(はっきり申し上げてすみません。今上天皇陛下です)が皇后陛下に求婚中だった時には宮内庁職員が運転するワゴン車の後部座席に乗って皇居を脱出して雅子様とデートされたとのことです。その間、「あの皇居から出てきたワゴン車を終え!」などという事態になったら、わたしの想像では当時の皇太子殿下は登山の時に被られる縁なしのチューリップ型登山帽を目深に目のすぐ上にまで下ろし、車が赤信号で停車する度に後部の窓から覗かれても大丈夫なように座席で身を曲げて。。。 外野から見ると「ピッタリなお二人やん。行け行け!」なのですが、お二人にとっては引き返すことができない橋を渡るか渡らないかの瀬戸際で周囲の声を聞くよりは自分の心の声に耳澄ます必要があるのです。本作品のアルバート皇太子はお妃探しでヨーロッパ中を巡り、アレクサンドラの館にたどり着いた時にはすでにアレクサンドラを自分の伴侶で未来の王妃と定めていたらしいのですが、到着と同時にセレブ同士の求婚につきもののコメディーが始まるわけです。アレクサンドラの母の兄か弟が俗人ではなく修道士で皇太子のズッコケの真意を見抜いているらしいのが人物配置として面白いです。終わり近くで修道士が皇太子に「殿下の人格に敬服します。」と言い、皇太子が「加えてわたしは嘘つきでマヌケです。」というところなど、2人がくっついたら領地や屋敷はどうなるなどという俗物の関心が皆無の修道士、そしてアレクサンドラに対する愛情をひた隠しにした嘘つきでアレクサンドラの自分に対する愛情に気づかなかった自分のマヌケさを告白する純粋な人間同士の触れ合いが花火のように目に見えました。[DVD(字幕)] 7点(2020-04-09 01:45:36)

143.  裸足の伯爵夫人 初期テクニカラー映画に共通な映像美が見られる作品です。でも中身はというと微妙です。のっけからシーンは語り手である劇作家兼映画監督のハリーの回想ナレーションが入る薄幸のヒロインの告別式で次のシーンはスペインのマドリッドの場末の、流しのフラメンコダンサーがギタリストを連れてやってくるようなレストランということになっていますがハリー以下ロケでスペインに滞在しているらしい映画人はタクシード、女優らしい女性はイブニングドレス着用で多編成のバンドが演奏していて結構ゴージャスでした。わたしがスペイン旅行で流しのフラメンコショーを見たのはグラナダの小高い丘陵地にある本当に場末のレストランでマドリッドの高そうなところのレストランには行ったことはありませんが、ほぼ確実にアンダルシアの場末のフラメンコの方が良いと思います。ヒロインのマリアは美しいし英語もできるので権謀術数で自分のダンスを披露する縄張りを確保したのかもしれませんがそれにしても英語が上手過ぎます。平均的スペイン人の英語力は平均的イタリア人よりもずっと下手だという印象があります。インバウンド擦れしてないのです。白亜の像が墓所に捧げられる告別式のシーンと場末(?)のレストランとの対象でマリアが尋常ならぬ人気か名声を博して亡くなったことが示唆されていて以降、鑑賞者はそのアップ・ダウンの経歴を追うように誘導されるのですが、それにしてもスペイン人(もしかしたらジプシー)という設定のマリアの英語はネイティブでハリーとテキパキとやりとりし、運命に翻弄される薄幸の美女からは程遠くアヴァ・はこの役割を知的に演じすぎたきらいがあります。「北京の55日」の中で彼女が演じたロシア貴族の外交官夫人の方がはまっていました。南フランスのリヴィエラ(カンヌやニースがある地方)などの背景は文句なしに綺麗です。[DVD(字幕)] 7点(2020-04-08 07:28:18)

144.  昼下りの情事 - [ ] 数年前にDVDを購入して直ぐに見て、オードリー・ヘップバーンが演じる若い音大生の女の子が奥さんと上手くいっていないらしい金持ちのおじさんに弄ばれているのか弄んでいるのかわからない展開をくだらないと思い感想のかきこみははほったらかしになっていました。そして多くの名作・秀作・佳作・駄作を見た後に再び本作を見てストーリーのくだらさを通常投稿としてクソみそに書いてあらすじも投稿しようとして「あれ!」ということになったわけです。この作品に2度目に接するまでに見た映画の中で一番影響したのは例のアカデミー賞四冠の韓国映画「パラサイト」と直前に見た「市民ケーン」だったのです。本作をもうご覧になった方で「パラ」と「市民」のどちらか若しくは両方をご覧になった方は似ても似つかない作品だとおっしゃるでしょう。その通りです。「パラ」の方は主人公が手にした風水の石がどうの、「市民」の方は薔薇のつぼみがどうので正直言って疲れました。「パラ」の石に至っては3回見たというYouTuberの動画で指摘されてやっと存在自体に気付いた始末です。そして今回の本作品の鑑賞では、白状しますが、原作者のクロード・アネという人が気になってタブレットでアマ◯ンのサイドを見たりする間に聞こえる素晴らしいBGM、そして時々顔を上げる度に画面に展開するモノクロの美しい構図の画像。。。これぞちまちました小道具に意味を持たせて解説者を頼りにする必要もない、映画が総合芸術である由縁だと感じ入ったので当初の予定より高い点数を献上。。。 ただ原作のタイトルは「ロシア少女アリアーヌ」になっていたのにどこがどうロシアなのかわからなかったのが減点ポイントです。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2020-03-25 07:53:13)

145.  この世界の片隅に(2016) アニメとコメディーには8点以下しかつけないことにしているわたしがこの点数というのはつまり満点でもないので申し訳ないのですが、もっと強烈なものをリアルな映像や本で読んでしまい、いちいちそちらと対比してしまったのでこの点数です。暮らしの手帖社から出ている「戦争中の暮らしの記録」でこの本は暮らしの手帖社がある限り絶版にならないし同社がなくなったら他社が版権を引き継ぐべき書籍です。かいつまんで言えば、この映画作品の中で主人公のすずがしている食べ物の工夫が書かれた分量にして何倍も掲載されている上に衣料、美容など、暮らしの手帖社の雑誌「暮らしの手帖」に網羅されている生活の工夫が戦時中にはいかにしてなされていたかが詳細に描かれているのがこの書籍です。この映画作品の原作者もおそらくこの本を手にして漫画作品中にどれを取り込もうか考えあぐねたと思います。一般の人々からの投稿による同書は映画作品中のすずと同じく戦時中の人々の生きるための精一杯の努力が描かれているのと同時にB29による空襲によって必死で支えた生活があえなく瓦解するさまも描かれています。そして本作品ですが、舞台は原爆が投下された広島の隣に位置する造船の街、呉市ですが、1945年8月の初め、「広島の実家に帰ろうか。」というすずを観客は皆、声に出しても出さなくても止めることでしょう。ここまで強く生きてきたすずの命が決してここで終わってはいけないと誰もが思うのです。これから広島と長崎への原爆投下を経て終戦に至るすずの生活は決して100%幸せではありません。これはもう、強い人間には神は耐えられるだけの試練を与えるとしか言いようがありません。でも、終戦の日を迎える前に国の内外であえなく命を落とした人も大勢いることを忘れてはならないと思います。[映画館(邦画)] 7点(2019-08-25 05:06:35)

146.  インフェルノ(2016) 点数少し甘めかな。原作を読んであまり好きになれなかったけれど、フィレンツェ、ヴェネチア、イスタンブールと世界の名所で贔屓にしているトム・ハンクスが活躍するとあっては見ないわけにはいきませんでした。原作を好きになれなかった理由は視点がころころ変わるせいで誰が誰の味方なのか敵なのかわからなくなったからです。わたしはワトソン博士によって語られるシャーロック・ホームズのように視点が固定したオーソドックスな推理物が好きなのですが、この点、映画は登場人物の頭の中を通常は描けず、カメラと台詞という客観でしかストーリを語ることができないので、それだけでも原作を超えていると言えます。それから原作にはない二組の恋愛も時間の制約があるため謎解きトリックを割愛せざるを得ない映画に導入して成功しているように感じました。(ラングドン教授=トム・ハンクスは007ではないので今後は恋愛できませんよ。)原作では一組だけをきわめてあっさりと描いています。というわけで、原作・映画のそれぞれの利点に納得しながら世界的な名所旧跡で展開する冒険にある程度満足しました。ただ、トム・ハンクスのイテテや出血の場面は見たくなかったです。[DVD(字幕)] 7点(2017-01-26 13:53:09)

147.  愛を読むひと ケイト・ウィンスレットのアカデミー賞主演女優賞受賞の後でDVDを借りて見た時にはあまり感慨がなかったのに、原作の日本語訳「朗読者」を読んだ時には相当の感慨があってDVDを借り直しました。 法律運用の上では文盲は処罰の相当な軽減理由になるはずですが、おそらく言語もドイツ語ではない現在のルーマニア領から未成年の時にドイツ流れてきてどの職場でもそれなりに評価されながら管理職に抜擢されそうになると転職してきたハンナの意地は「文盲だということがバレればわたしはこの国の下層階級の人々かそれ以下。」という国民のほぼ全員が読み書きができる島国日本に住む日本人には想像を絶する事実から来ているようです。これに対するマイケルの反応もこれでしかありえない、ハンナが読み書きできるようにするというものでした。でも、多民族がひしめき合うヨーロッパで国境を越えて流れてきた者がお隣の国の言葉を何とか喋れても読めないのは不思議でも何でもなく、マイケルが教授(原作では裁判官)に事実を言って情状酌量の可能性を尋ねなかったのは。。。やはり日本人の理解を越えているのでしょうか? その後にマイケルは贖罪のような行為を取りますが、ということはやはりドイツにおいても相談してみるべきだったということなのでしょうか? 遡及効というのはある事件に事件発生後に制定された法律が適用されて効力を持つことで、大多数の事件については原則として遡及効はありませんが、敗戦によって第三帝国が滅んで全く新しい政府が発足したドイツでは戦犯や戦後処理に絡んでかなり哲学的な議論が生じたはずです。哲学者を父とし、ハンナとの満たされない関係によって心理的に思春期に留まっているマイケルが学究を口実に大学に残り、裁判官として現実社会を歩む妻と離婚してハンナに尽くすようになる内面の過程は映画では描ききれていないのでこの点数です。[DVD(字幕)] 7点(2016-09-26 13:18:03)《改行有》

148.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 わたしが見た映画案内では人種融和のためではなく、負けに負けていたナショナルラグビーチームを大統領が掛け声をかけて立て直した話しと紹介していたので最初からそのつもりで鑑賞しました。何れにしてもネルソン・マンデラの不屈の精神が核であることは確かでしょう。「これが敗北の味だ。乾杯しようぜ。」と言う破れかぶれの主将フランソワがマンデラ大統領との会見を経てチームメートと訪れた離れ小島の刑務所で収監時のマンデラの幻影を垣間見、その精神の一端に触れ、一念発起頑張るという物語はまさにクリント・イーストウッド節です。この映画で語られる話があったのは1990代ですが、あれから様々なことがありました。その中でも筆頭に挙げることができるのは日本のナショナルチーム(と言おうか日本に縁がある人々からなるチーム)が負けざるチームだった 南アフリカのチームを下して世界中から「大金星」との賞賛を受けたことでしょう。そのマンデラ氏も既に故人です。さらに1998年の長野オリンピック開会式で小澤征爾氏の指揮による五大陸合唱の一拠点だった南ア喜望峰で白人と黒人が黎明の中で肩を並べて歌っている象徴的な場面を衛星中継で見たわたしとしては古今の感を覚えます。[DVD(字幕)] 7点(2015-12-20 13:01:34)(良:1票)

149.  単騎、千里を走る。 《ネタバレ》 北京オリンピック開会式のプロデューサーを務め、その後の作品で潤沢な資金やエクストラを駆使して「昔の心意気はどうした!」と揶揄されたチャン・イーモウ監督のまだ擦れていない頃のお涙頂戴もの作品です。別に日中両国をまたがなくても、とかツッコミどころはありますが高倉健と仕事をしてみたかっただけなのかもしれません。でもプロの日中ガイドと少し話しが混みいるとしどろもどになるガイドの二人を配して言葉が通じないことからくるドタバタもあり、最後は言葉を越えてわかり合うようにもっていくところなど、心憎いストーリーでした。リーの仮面の下での涙は唐突に感じましたが自分の子供のために動き回れる高田(高倉健)に対する羨望と囚われの身の自分に対する自責の涙だったのですね。高田がガイドを介して伝えた決断はリーとヤンヤンの父子両方にとって妥当なものだったと思います。高倉健さんは昨年亡くなりましたが「チャン・イーモウ監督、高倉健が元気なうちに撮れて良かったね。」と言いたい一作です。雲南省の風景がとても綺麗でした。 [DVD(字幕)] 7点(2015-02-12 08:00:51)《改行有》

150.  カラマゾフの兄弟(1958) 個性的な禿髪で多彩な役柄をこなすユル・ブリンナーのファンは多いはずなのに本作品ではわたしが一番のりです。どうしても先に見たフジテレビ版と比較してしまうのですが、フジテレビ版では次男が主人公に近いのに対して本作品ではユル・ブリンナー演じる長男が中心です。特筆したいのはグルーシェンカを演じたマリア・シェルという女優さんで金髪がきらきら輝いて圧倒的な存在感と魅力がありました。フジテレビ版のグルーシェンカ(久留美)はちょっと暗すぎです。そう言えば長男ミーチャ(ドミトリー、満)もフジテレビ版では軟派すぎました。原作に重ねた場合、次男がちょっと年を取りすぎに見えるほかはすべての配役に関してこちらのほうがわたしが得たイメージに近いです。全編、言葉は英語ながらロシアの雰囲気がよく再現されていると思います。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2014-09-12 08:29:27)(良:1票)

151.  アイーダ お色気たっぷりで肉体美を見せつける女優として有名なソフィア・ローレンの天賦の美しさにもまして彼女の女優としての努力と才能を見せつける作品です。マリア・カラスに匹敵する実力を持つオペラ歌手の吹き替えに合わせた口パクは完璧で音楽の修養が稼業の中心になっている歌手とは比べようがないほど奴隷の身に余んじる悩み多き高貴な姫君の役柄を表情やしぐさを含めどんな要素を取っても、また大写しになっても完璧に演じ切っています。音楽も凱旋行進曲など超有名なもの目白押しでソフィア・ローレンとオペラファンの両方に必見の作品になっています。もちろんソフィア・ローレンの美貌と肉体美に酔いしれても結構です。劇場で見る術もなく、劇場で見たらさすが古色そうぜんのスペクタクルになってしまうかもしれないので点数は少し辛目です。[DVD(字幕)] 7点(2014-05-23 03:06:42)

152.  デジレ 《ネタバレ》 英語の原題 “Desiree”を見た時、この単語は英語の”desire(熱望する)”のフランス語の過去分詞で「熱望された女」を意味し、ナポレオンが跡取を産ませるために苦労を共にした妻ジョセフィンを離婚して一緒になったドイツ貴族の娘マリア・ルドヴィカ(フランス名マリー・ルイーズ)のことなのかと思いました。映画の内容として当たらずとも遠からずですが実は題名はナポレオンの初恋の人で彼に終生愛された女性の名前で、ヨーロッパ史上こんな人がいたとはそれまで知りませんでした。冒頭はまるで若草物語、そして田舎娘が婚約者を追ってパリに行く話・・・そしてストーリーは歴史の波に乗ってあれよあれよという間に展開します。ナポレオンの戴冠式など同題のダヴィドの絵が動いているような華麗さ!!特記したいのはデジレの夫ベルナドットの寛容さと賢さです。デジレに近づいたのは婚約者に振られた田舎娘への同情からだったかもしれませんが、その後ナポレオンを愛し続ける妻を許し、包容し続け、ナポレオンの将校として戦略上か政治上でかで誤りを犯した際は妻のとりなしでお咎めなしで終にはその自由主義の言動と人望が中立国として歩み始めていたスェーデンの王室の目にとまり、夫婦そろって国王の養子となりましたが、二人の直系の子孫が今、世界最高の学術賞ノーベル賞の授与式でのメダル授与役として毎年世界中に存在を示しているわけです。かたや跡継ぎほしさのあまり苦労を共にした妻と別れてドイツ娘と結婚したナポレオンは跡継ぎに恵まれはしましたが、自らの失脚と死の後、学究肌で真面目だったその子はドイツとフランスの両国から疎まれ監視され、不遇のうちに早逝してボナパルト朝は途絶えました。歴史っておもしろいです。 何を演じてもセクシーなマーロン・ブランドと対照的なベルナドット役の控え目な演技が光っています。[DVD(字幕)] 7点(2012-12-12 04:02:25)

153.  初恋のきた道 画面のきれいなことと出演者の服装や髪型のダサいことに感銘!主人公を演じるチャン・ツーイの格好なんて今の中国では農繁期の農村の女の子でもしないのでは?現在の場面がモノクロに近い青系統で、昔の場面がオレンジ色が中心の暖色系等でまとめられているのも心憎いです。わたしは小中学校時代を教師がすごく尊敬されている某県で過ごしたので女の子が若い先生に憧れる気持ちはわかりますが、嫁=労働力だった当時の中国の農村では18歳というのはすでに適齢期ちょっと過ぎの年増かもしれません。加えて主人公が文盲だということ・・・共産党が支配する前、学校の数も少なかった中国の大半の農村では子供を野を越え山超えで学校に通わせることができたのは地主か豪農くらいだったはずで、本作品で描かれている恋愛は今の日本や中国ではもう消滅してしまったタイプの身分違いのロマンスなのです。昨年建国60年を迎えた中国の共産党支配には批判もありますが、文字を簡略化し、農村に学校を建てて識字率を上げたことや都会の公園や公共施設から「犬と中国人は入るべからず」の立て札を一掃したこと(植民地化を止めたこと)はすごい功績です。この作品の題名にある「道」というのはただ単に個人の青春の軌跡を意味するのではなく共産党支配後の中国がたどった長い道も指していて、この映画は中国の若い人たちに「こんな時代もあったんだ。」と過去を振り返らせる大きな役割を果たしていることでしょう。でも、わたし個人としてはチャン・イーモウ監督作品の中で近い過去を振り返っている一群のノスタルジー映画の中では家や私娼の問題を通して人間性に鋭く迫る「菊豆」や「紅夢」のほうが評価しやすいです。[DVD(字幕)] 7点(2010-06-14 02:48:31)

154.  マルチン・ルターの生涯 登録を要請しておいてレビューをすっかり忘れていました。すみません。全く正統派の作品。ヨーロッパに旋風を巻き起こしたとはいえ、地味な宗教家の生涯を描いているので退屈に感じる人もいるかもしれませんが、論争あり、戦乱あり、恋愛も結婚もしたという宗教家としては波乱の人生を送ったルターに共感を呼び起こすように描かれています。わたしはルーテル教会の付属の幼稚園に一年間だけ通ったのですが、開祖さま(?)の伝記映画を鑑賞して非常に誇りに思いました。テレビで放映される機会があるかどうかわかりませんが、ルーテル派のプロテスタントの方は必ずご覧になる機会があるでしょうし、そうでなくても、ルーテル教会が無料上映することもあるかもしれないので、世界史の勉強をかねて是非鑑賞していただきたい作品です。[DVD(字幕)] 7点(2010-05-02 00:46:38)

155.  眺めのいい部屋 この作品についての事前知識は、身分違いの恋愛を題材としている非常に美しい画面とBGMの作品だということでした。そして多くの方がやはり美しいメロドラマと理解していらっしゃるようですが、わたしは一見して「本当にそうなのかな・・・」と感じました。「身分違いの恋」として私がイメージしていたのは大概は破綻するのがオチの、深窓の令嬢が慣れない掃除や炊事・洗濯にいそしむ光景なのですが、ここで身分が下とされているジョージ・エマソンはイタリアだギリシアだと遊びまわれる身分で決して貧乏人ではなく、おそらくセシルよりも裕福な新興ブルジョアのようです。そして馬車と車の両方が使われている時代背景・・・。さらに想像するなら、経緯はまったく触れられず、いきなり婚約者となったセシルの人柄ではなく血統にルーシーは惚れていたようです。19世紀後半のビクトリア朝、イギリスが世界の工場にのしあがったこの時代、血統書つきの貴族は荘園を小作人に耕させて馬車で領内を見回るだけで優雅に暮らし、工場を経営して自動車を乗りまわす新興ブルジョアたちに「狭い英国、そんなに急いでどこに行く。」と軽蔑的な視線を浴びせていたようですが、ブルジョアたちは議会下院に選出され、イギリスを動かす政治権力も手中にしました。さらに、イギリスの歴史そのものがフランス出身のノルマンディー公がイングランドの王朝を創始したり、貧民出身のウェリントンがナポレオンを破って公爵になったりと、常に激動とは無縁ではありませんでした。ルーシーが巻頭で演奏するピアノ曲はエネルギーと躍動を体現したようなベートーベンのソナタ「ワルトシュタイン」、一方のセシルが好きなのはひ弱なロマンチストのシュ-ベルトの曲で、ジョージと仲のいいルーシーの弟の低俗な(?)ピアノの弾き語りにセシルが逃げ出すシーンも象徴的です。[DVD(字幕)] 7点(2010-03-15 12:30:13)

156.  真珠の耳飾りの少女 《ネタバレ》 全編を通じてにドラマらしい波風は一切なし、17世紀のオランダの庶民生活を淡々と描いた映画と言ってもいいとも思いますが、それがやはりドラマ仕立てで映画になっているのはやはり、わたしの前の方も書いておられるような押さえたエロティシズムの表現が十分ドラマとしての要件を満たすとプロデューサーが考えたからでしょう。ハリウッドばりの派手な映画がお好きな方には必ずしもお勧めはしません。前の方が触れられた、グリーダが髪の被り物を取る時のエロティシズムが脱衣に対応するなら、フェルメールがろうそくの火で消毒した針でグリーダの耳たぶに穴を開けるのは・・・説明するまでもない、非常にきわどい内容なのです。しかもフェルメールは妻との間に多くの子供をもうけていて、それが妻に対する愛情の徴だったとするならば、通常の意味では若い女の子に普通に手を出す必要は全くないわけで、グリーダとの関係や肖像画など、妻に対する世俗的でありきたりな愛情を超越した、光を求めた画家の精神世界でのエロチシズムに昇華された美への渇望だったのかもしれません。だったらこの作品は精神世界でのエロチシズムを描いていると言っても過言ではないでしょう。ところで、フェルメールがどんな顔だちをした人だったかは知りませんが、主演のコリン・ファースの顔は同じオランダ人で銅像が残されている、奇怪な絵を描いたことで有名なヒエロニムス・ボッシュに似ています。スカーレット・ヨハンセンの抜擢は実在の真珠の耳飾りの少女に似ているからでしょうが、ファースの採用もももしかしたらボッシュと関連あるかもしれません。[DVD(字幕)] 7点(2009-09-27 04:25:10)

157.  欲望という名の電車(1951) 《ネタバレ》 王子様系(例えば「サヨナラ」)がぴったりなのにと私が勝手に思い込んでいるマーロン・ブランドの、体臭が画面から立ちこめるような粗野なスタンレーの演技に監督を恨んだのは私だけではないようです。ヴィヴィアン・リーもスタンレーに「カナリア」と揶揄されているうちは「Tomorrow is another day!」のスカーレット・オハラを髣髴とさせてよかったのですが、ミッチにふられそうになり、困惑を隠すためかしゃべりまくるシーンでは正体がばればれで「一体あなたには自尊心というものはないのか・・・。」と目を覆いたくなる始末でした。唯一の救いはニューオーリンズのそこここにみられる「鉄のレース」と形容される例の瀟洒な住宅の装飾でした。これはニューオーリンズに行ったことがある人にしわからない美かもしれません。ニューオーリンズに観光客として行ってもカメラを駆使するのは誰でも多分昼間だけ、夜のバーボン・ストリートでジャズを楽しんでもスポットの外にでればホテルに急ぐだけのよそ者が見落とす夜のニューオーリンズの陰影の美しさがこの作品には溢れています。とは言うものの、空港から市内に行くバスの中から垣間見た墓地の光景(海抜マイナス地域にあるため、浸水しないように棺は地面から一定以上の高さの石台に安置しなければならず、ニューオーリンズでは死ぬのに金がかかる)のせいで、私はマルディグラの狂奔を見てもニューオーリンズという街を死の影と切り離して観光することはできず、この映画のストーリーと美学も死の影と無縁に見ることはできません。晩年の太ったマーロン・ブランドがジョニー・デップとの協演で精神科医を演じて「彼(ジョニー・デップ)の明るく愉快な色情狂は伝染性・・・。」と言いながら踊るシーンがある「ドン・ファン・デ・マルコ」でも見て口直しをしましょう。[DVD(字幕)] 7点(2009-03-29 12:58:51)

158.  敬愛なるベートーヴェン 《ネタバレ》 音楽家の偉人を描いたものとしては上出来なんじゃないかと思います。過去に見たモノクロ映画の「未完成交響曲(シューベルト・・・いいのは音楽だけ)」と「別れの曲(ショパン・・・冗談にもほどがある)」とつい比較してしまったので点数は甘い目です。エド・ハリスの風格のある演技につきる映画でエドのファンなら必見でしょう。ただわからないのは女性作曲家を目指すアンナ(ダイアン・クルーガー)との関係・・・。ベートーベンは女性にほれ込んでも家庭はもてないタイプだったようなので、こんな話があってもいいかもしれないけれど、いっそ(音楽家ではないけれど)アカデミー賞を総なめにしたガンジーの伝記映画のように色気全くなしにしてもおもしろい作品になったような気がします。時代考証とかもちゃんとしていそうだし、ベートーベンのおちゃらけにも私はベートーベンを尊敬しているわりには抵抗なく見られたし、俳優さんの演技と音楽が特にすばらしいのですが、脚本が今ひとつかな・・・。ラスト・シーンですが、「恋に落ちたシェイクスピア」と全く同じじゃないですか・・・。偉人にほれた女は一人荒野を行くしかないのでしょうか?[DVD(字幕)] 7点(2008-08-21 08:55:09)

159.  ゴーストバスターズ(1984) 《ネタバレ》 火事と喧嘩を掛け合わせたらテロ。火事と喧嘩が江戸の華ならテロはニューヨークの・・・などと言うつもりはありませんが、警官と消防士が他の街ではないほど尊敬され、お互いに縄張り争いで反目しあっているニューヨークを舞台に、警官と消防士を足して二で割ったような格好をして、霊柩車を改造したパトカーまがいの緊急車両を乗り回す。幽霊の出没に対してカソリックやユダヤ教の聖職者がそれぞれのやり方で悪魔払いみたいなことをやるし、大仰なモーターバイクの警官が先導する隊列が走っているのは慣れ親しんでいる大通り、三人の主人公が元勤めていた大学はニューヨーク市が誇るアイビーリーグのコロンビア大学(ホンマに同校のキャンパスでロケをしています)ということで日本出身のニューヨーカ-なら抱腹絶倒ものの昔なつかしい怪獣映画であります。実は、続編のほうを先に、アメリカに来る前に見てとても面白いと思い、こちらはニューヨークだからということで笑えました。ニューヨークに来る前に両方見たという日本人はこちらのほうが面白いと言っていました。個人的にB級映画につけることにしている最高点をつけるしかないのかな・・・[DVD(字幕)] 7点(2008-05-27 13:06:39)

160.  オセロ(1995) アンソニー・ホプキンス主演(オセロ役)BBC制作のバージョンと比べると黒人俳優をオセロに起用し、貴公子(例えばハムレット)の役もこなすブラナーのイアゴー(BBC版ではチビハゲの中年男)は斬新だと思います。でも、本作品のオセロの演技はともかく、スキンヘッドとイヤリングはいただけませんでした。これではまるでヴードゥー信者かイスラム教徒みたいです。黒人エリートを主人公とするこの物語が生まれるのにはやはり、実力があるものが尊敬され成功する自由都市に対する信頼が主人公にしっかり身についていることが前提で、だからスキンヘッドの主人公がいけないとは言いませんが(ハゲになりそうだからわざとスキンヘッドにする人もいるし・・・)、ヴードゥー信者やイスラム教徒を彷彿とさせる主人公はいただけないですね。かと言って、顔を黒塗りにした青い目のアンソニー・ホプキンスが演じるオセロもクールすぎてしっくりこないですし・・・。黒人を劣等人種に勝手に仕立て上げたのはアメリカ南部に入植してアフリカから奴隷を輸入した白人連中で本来は能力・気質などに人種間で差異はないはず(文化間ではありかも・・・)なので、その点を人種の区別はあったかもしれないけれど差別はなかった自由都市ヴェニスを舞台にして人間の本質に迫って演じてくれる黒人俳優はいてくれれば・・・というのが私の願いです。「フィラデルフィア」やシェークスピア原作の「空騒ぎ」で威厳あふれる数々の演技を見せてくれたデンゼル・ワシントンに期待しています。マイナーなことですが、ナポレオンに支配されるまでヴェニスは選挙制の総督(Dodge)によって統治され、したがって総督は他の顔役とあまり変らない服装で出てくるべきだと思うのですが、まるで王様みたいな格好だったので、時代考証はこれでいいのかと思いました。映像がきれいで、その点では十分楽しめました。[DVD(字幕)] 7点(2008-02-15 15:18:04)

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