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141.  バイオハザード: ザ・ファイナル 《ネタバレ》 無数のコラージュが集積してヒロインの像を象っていくオープニングは、彼女のアイデンティティをめぐるドラマを象徴する。 鏡像の反射を活用すべく設定された美術や道具立ても、分身の主題を強調する為のものだろう。 そうした謎解きはともかくとして、あの手この手のアイデアを駆使したアクションの釣瓶打ちによって、 追い追われるの状況のみを展開していく潔さがいい。 装甲車上、タワービルからピット内の地下エリアへ、装置の高低差のサスペンスを活かした見せ場がふんだんな上、 打撃系のインパクトを強調して組み立てた格闘がパワフルで素晴らしい。「指を切らせて腹を断つ」とか。 各ショットは短いながらもケレンある構図でコンティニュイティがしっかりしているので、速度に同調すればこのアクションは見れる。 ラスト、再びの映像イメージのコラージュによる記憶の補完もまた、何となくゴダールの『映画史』を連想させたりするといえば大袈裟か。 アクション映画の引用コラージュ集とも云えるし。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2017-01-18 16:47:23)《改行有》

142.  九十九本目の生娘 《ネタバレ》 五月藤江の老婆がなかなかに怪演。モノクロとも相俟ってその不気味さは、子供が見ればトラウマになる事必至だろう。 矢代京子を獲物と見極める眼と口元の笑いが怖い。 若き警官役:菅原文太も初々しいが、「未開」の村民らのインパクトが強すぎていまいち影は薄い。 エロティシズムも控えめで、主な見どころは山間の高度を活かしたロケーションの怪奇趣味や、 その急峻な山奥の斜面を舞台とした、弓矢を使う村民と警官隊との銃撃戦となるだろう。 こうなると、和製西部劇の趣がある。 地名を特定するショットもあって、やはりソフトの再販は難しそうだ[ビデオ(邦画)] 5点(2017-01-10 16:09:26)《改行有》

143.  僕らのごはんは明日で待ってる 《ネタバレ》 ドラマの設定は手垢のついたパターンであり、そこに食事の趣向で 独自性を出したのだろうが、双眼鏡や青空や握手の演出も含めて小手先の印象である。 前作同様、不器用男が走る横移動の(これまた陳腐な)ショットをどうしても入れたいようだが、病院の待合室でパンにかぶりつく シーンのほうがまだ力強い。 雄弁なダイアログは二人の個性の描写として許せるのだが、 食べ物の好き嫌いがないとか、イエスのように優しいとか、エピソードの中で描写 すべき事まで台詞で説明というのもどうなのか。 ラストが揺れる白いカーテンである割には、病院の屋上ではためく白いシーツを 画面に載せないなど、主題系としての不徹底が目に余る。[映画館(邦画)] 3点(2017-01-10 10:16:01)《改行有》

144.  トゥルー・クライム殺人事件 《ネタバレ》 壁に投影される影や、揺れるレースカーテン越しの対話。 静かな出だしから次第に加速してゆくドラマのリズム。 ピアノやテーブルやレコード盤面への不安定な人物像の執拗な反射、その構図。 真正のノワールといった感覚に十分酔える。 曲がり道を猛スピードでカーブを切りながら暴走していく車のスリリングな迫力が素晴らしい。 そのままクライマックスのロケーションを活かしたカーチェイスに突入し、 ゴミ処理場での決着へと雪崩れ込む。 ラストのラジオ放送の苦味もいい。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2017-01-09 14:41:39)《改行有》

145.  1000年刻みの日時計 牧野村物語 《ネタバレ》 太陽の運行のショット。稲の生育や受精のショット。それら、膨大な時間と手間暇をかけた映像は生活と一体化した見事なスペクタクルである。 土器の発見から始まる遺構の発掘のエピソードなど、偶然の要素が生活=映画の中に取り込まれ、発展し、映画を豊かに形づくっていくのが凄い。 神主さんの祝詞の響きや、みねさんと呼ばれる女性の延々と続く味のあるおしゃべりがなんとも魅力的でまるで聞き飽きない。 村民が協力して演じる五巴の一揆のエピソードでは、長回しのショットで各々が拙いながらも順々に台詞を披露していく。 懸命に練習して台詞を覚えたのだろう、そうした画面には表れていない時間と努力がダイレクトに伝わってくる。 学校の校庭で学生たちの生演奏が始まると、クレーンが上昇し、出演した村民の方達が輪になって名前を名乗りながらカメラの前を歩いていく。 連帯感に満ちた、ハートフルで何とも素敵なエンディングである。[DVD(邦画)] 10点(2017-01-06 00:02:57)《改行有》

146.  ピートと秘密の友達 《ネタバレ》 両親との死別をシンプルな画面処理で静謐に描写した出だしから、林間の木漏れ日をほどよく採り入れたドラゴンとの出会いがいい。 彫刻刀の滑るショットと一本道を走る車のショットのオーヴァーラップなど、スムーズな画面繋ぎによる前半の語りも快調だ。 俳優側の都合ではあろうが、ロバート・レッドフォードの回想談に無駄なフラッシュバックを用いず、彼の語りで見せてくれているのだから、 出来れば原語で聴きたかった。 前作に続いての「家へ帰る」映画であり、絵本の挿絵を使った寡黙な語りに打たれる。 ただデヴィッド・ロウリー、飛翔のアクションは不得手なのかも知れない。 夕焼けの鰯雲などのパノラマショットは素晴らしいが、クライマックスのアクションにはもう一つアイデアが欲しい。 橋が登場すると、水平ー垂直の展開が見えてしまう。[映画館(吹替)] 7点(2017-01-04 00:10:03)《改行有》

147.  日本解放戦線・三里塚の夏 《ネタバレ》 画面を圧する顔の力。カメラを前に語る農民や学生らの表情のクロースアップと、無言で平静を装う機動隊員らの表情の対照が鮮明だ。 タイトルでも「演出 小川紳介」と宣言するだけあって、状況への積極的な加担とスタンスを明確にしている。 ドキュメンタリーとは、ある意味でテロリズムである、と。 ラストを締めくくる柳川初江さんへのインタビューには成長する野菜類のショットなどもインサートし、主張を厭わない。 そして公団や機動隊員らと婦人行動隊が対峙する最前線に据えられたカメラと機動的な移動撮影にもよって、 あるいはシンクロしない画面と音声の演出によって、映画は全編アクション映画の趣である。 沖縄問題を主とする地方と中央の対立がさらに顕在化する中、ようやく今年ソフト化された小川プロダクションの三里塚シリーズが 変わらぬ戦後日本の現場を生々しく伝える。(本作は太田出版から2012年に発売済)[DVD(邦画)] 9点(2016-12-31 04:27:28)《改行有》

148.  スワンプ・ウォーター 《ネタバレ》 水辺でウォルター・ブレナンが屈んだ瞬間、画面左端にいた蛇が不意に彼の右頬に飛びかかるショッキングなショットなど、 よく撮れたと思う。さりげない風に驚きを導入してくるルノワールである。 『南部の人』などにもあるが、殴り合いの格闘シーンもコマ落としとはいえ、シャープな動きと力感のあるショットも迫真だ。 カメラを振り回すばかりが脳じゃない、という手本のようである。 方や、ダンスシーンや沼地を進む小舟などの緩やかな横移動では、カメラによる運動感を堪能させてくれる。 アン・バクスターが一人ドレスを舞わせて踊るショットの何と情感豊かなことか。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2016-12-30 22:07:35)《改行有》

149.  土竜の唄 香港狂騒曲 《ネタバレ》 不時着じゃなくて墜落だろ、みたいな科白が図らずもタイムリーに出てきてしまうところが、三池-宮藤作品だな、と。 高層ビルを舞台としたクライマックスのオークション会場で、これから怒涛のアクションが展開されるものと当然期待するわけだが、 それを裏切る失速・停滞・盛り下がりがつくづく勿体ない。 生田・堤・菜々緒ら、それぞれのシチュエーションが交互にカットバックされる度に進行が滞り、その上それらがバラバラのまま一向に収斂していかない。 本田翼もここで何らかの活躍をさせるべきだろうに。序盤のツッパリ演技もこれでは活きない。 とどめが、瑛太と生田の弁論合戦である。そういうのは先にさっさと済ませて、一大活劇で押して欲しいのだ。[映画館(邦画)] 4点(2016-12-29 21:40:53)《改行有》

150.  ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー 《ネタバレ》 雑多な種族が往来する街のシーンが二度ほどあるのだが、こういうシーンは美術セットやメイキャップの見せ場だろうに、 画面上は単に粗雑で目まぐるしいモブシーンでしかない。人物の対話シーンとなると、浅い深度のカメラによって後景はほとんどボケボケである。 折角のデザインスケープならば、その仕事を観客によく見せてあげればよいのに。美術の手抜き仕事を隠している訳じゃあるまい。 CG特撮を駆使したロングショットの奥行きとの落差が際立ってしまうわけで、そうした画面の単調さもドラマの足を引っ張る。 その観点では、ルーカス版よりは『帝国の逆襲』のカーシュナー版のスタイルであり、『GODZILLA(2014)』と同じ傾向である。 落胆させられるのは、いよいよクライマックスに向かいフェリシティ・ジョーンズに賛同してディエゴ・ルナらが集結するのだが、 彼の背後の仲間たちにもほとんどピントを合わせないことだ。 これは彼らの物語ではないのか。 カルチュラルスタディーズ的にもよく語られるこのシリーズ。この人種配置とrogue stateを連想させずにおかないこのタイトルなら、 彼ら一人一人の表情にもしっかりフォーカスしなければならぬのではないかと思うが。 このような細部こそ疎かにして欲しくない。[映画館(字幕なし「原語」)] 6点(2016-12-25 15:03:52)《改行有》

151.  南部の人 《ネタバレ》 ザカリー・スコットとベティ・フィールドの夫婦が玄関先のポーチに二人並んで腰を下ろして語り合うシーンが幾度もある。 空の星を、あるいは家の前の川をみつめながら。 暖炉の炎をみつめながら顔を寄せ合う家族のショットなどと共に、アメリカ映画的な情緒が溢れている。 雨が降り出す中、意固地な祖母はポーチの揺り椅子に座ったまま、屋内には入ろうとしない。 画面手前の屋内でテーブルを囲む夫婦と姉弟、そして画面奥で雨に濡れている祖母というルノワール的な縦構図のショットは、 そのうちに祖母が家族の輪に加わるだろうことを示す。 寄り添ったり、殴り合ったり、身体の触れ合いが充実した作品だが、それは人同士だけに限らない。 雨に濡れる、川に浸かって魚を獲る、土地を耕す、綿花を摘む、大地に突っ伏して嗚咽するなど、自然とのスキンシップも同等である。 河に流された牛を助けようと苦闘するクライマックスは、過酷さと共に『素晴らしき放浪者』的な大らかさも同居している。[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2016-12-24 00:05:43)《改行有》

152.  長い夜 《ネタバレ》 舞台はアパート4階。その自室にヘンリー・フォンダが立て籠もる。表通り下方からのライトが屋内にノワール風に肥大化した影を作り出している。 時折唐突に乱射される銃による弾着によってシーンの緊張が高まっていく。同時にそれはひび割れた鏡を画面に導入させる役割を果たし、 銃撃のショックで半開きとなったクローゼット内に貼られたヒロインの写真や散乱した小物から回想シーンへと橋渡す役割をも担う。 部屋を包囲する警官隊の配置も、階段の高低差がとり入れられる事によって立体的な空間が組織されているのがいい。 ヴィンセント・プライスのアクの強い相貌とキャラクターがヘンリー・フォンダの実直なイメージと好対照を為し、不気味な存在感を放っている。 危険な階段落ちもこなして出色だ。そしてラストでビルを駆け上って行動するヒロイン、バーバラ・ベル・ゲデスも可憐である。 劇中で幾度も用いられる小道具である煙草もまたエピローグで印象的な使われ方をしており、実に粋である。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2016-12-22 00:12:23)《改行有》

153.  ぼくは明日、昨日のきみとデートする 《ネタバレ》 流れていくレールと、光に満ちた車窓の風景。オープニングから照明に対する意識が非常に高い。 陽の当たる窓際に立つ小松菜奈。さらにホームでは自然の順光が、デートの際にはアンティークのランプやイルミネーションの光が、 映画スクリーンや水面の反射の照り返しが、多種多様な光でもってひたすら彼女を賛美するように輝かせる。 あるいはホームに入ってくる電車のライトが彼女を徐々に照らし出していく。美術教室の外光が彼女をまるで異世界のように包む。 それら映画の要でもある光の操りは、ドラマの主題にもかなったものだ。 時間を視覚化する針時計、砂時計、メリーゴーラウンド、交差する複線のレールや月光と、モチーフの映画的活用も巧い。 理屈は荒唐無稽だが、黒板に描かれた円環の図一発で納得させる強引さを買う。 後半の劇伴の過剰さ、エピローグの蛇足感が少々玉に瑕だが、主演二人の清潔感と彼らを魅力的に撮りあげたスタッフの技が 伝わるのがなによりだ。[映画館(邦画)] 8点(2016-12-18 21:05:37)《改行有》

154.  海賊とよばれた男 《ネタバレ》 『続・三丁目の夕日』で東京タワー展望室内を再現するために、ほとんど画面に映ることが無かったにも関わらず当時の展示資料をスタッフが 借りに来たことがあって、そのこだわりぶりと労力に感心した覚えがある。 そうしたことから、本作でも時代の再現に関する美術面は大いに信頼してもよいと考える。 送迎デッキで船を見送る・迎える大勢のエキストラの衣装ひとつとってもよく作り込まれていて、その画面作りには頭が下がる。 記念写真の用法も山崎映画の特徴となっているが、夫婦のドラマの弱さと共に今回は印象が弱い。 岡田を舳先に立たせて並走する水上シーンのローリングも一瞬の高揚だけで後には続かない。 劇場予告の時点で耐性はついているものの、力みかえった絶叫芝居も相変わらずなら、煽情的な劇伴も山崎印である。 社歌を歌って労働するシーンにBGMを被せるセンスがもう理解出来ない。 何より、この時制を頻繁に往還させる作劇がしんどい。[映画館(邦画)] 4点(2016-12-15 00:04:07)《改行有》

155.  人生劇場(1972) 《ネタバレ》 『加藤泰、映画を語る』によると、当時は田宮二郎の吉良常の評判が悪かったらしいが、監督も誉めているように田宮二郎は大健闘だと思う。 時に愛嬌を、時に哀愁を、そして凄みを滲ませる芝居は絶品だろう。彼が病臥して以降のドラマが少し長く感じられるきらいもあるが、 シネスコ画面をフルに使った低位置カメラよって特権的なまでに長々と横臥する終盤の彼の芝居は独壇場である。 屋敷の縁側と、その遠景にミニチュアの機関車を走らせて見事な奥行きを表現したセット撮影の技。 随所に挟まれる特徴的な橋と水路、あるいは路地の情景の味わい。 その川縁を手を取り合い走って駆け落ちしてゆく賠償美津子と香山美子のショットが素晴らしい。[DVD(邦画)] 7点(2016-12-12 23:54:19)《改行有》

156.  裏切りの街角(1949) 《ネタバレ》 しかるべき見所の数々はまぶぜ氏が以下に具体的に一通り挙げられているのだが、 とりわけ特徴的なのはやはり縦構図の効果的な取り方だろうか。 バーの長いカウンターが形づくる鋭角的なラインや、現金輸送車の出入りスペースと手前の控室との組み合わせ、駅の売店越しに佇むイヴォンヌ・ ダ・カーロなど、深い奥行きを構成して人物の相関を示し、ドラマに緊張をもたらしている。 単なるエキストラに見えた一通行人が、ふと違和感のある動きをする。後にその人物が意味あるキャラクターとして登場してくるという巧さ。 病院のベッドに固定され、身動き出来ないバート・ランカスターが鏡を使って死角である病院廊下を覗く。 そこに映った、ソファに座っている男。その距離感、鏡面の歪みが生みだすサスペンス感が堪らない。 ドラマ上の必然からレイアウトされた厳密な構図の数々に魅入る。[DVD(字幕なし「原語」)] 9点(2016-12-11 23:47:22)《改行有》

157.  浜辺の女(1947) 《ネタバレ》 オープニングの波や、主人公の見る海中の悪夢、土砂降りの雨など、水のイメージの豊かさがまずはルノワールらしさだろう。 その悪夢の特撮風イメージも、『マッチ売りの少女』で特撮好きを表明しているルノワールの趣味が感じられ、 ハリウッドのシステムの中で、断片的ながらもその作家的特徴を記している。 浜に打ち上げられた難破船の中のジョーン・ベネットとロバート・ライアン。 船側の窓を通して、チャールズ・ビックフォードが手前に近づいてくるのに気づき、二人は画面右手に移って隠れる。 窓の内と外を捉えたルノワール的ショットにさらに素早い横移動が加わり、サスペンスフルだ。 水と対になるライターの炎とクライマックスの火事もフォトジェニックである。 画家の設定だが、話題となる絵を一切見せないあたりもさすが。[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2016-12-11 15:48:30)《改行有》

158.  天使の顔(1953) 《ネタバレ》 裁判を有利に進めるために、弁護士はロバート・ミッチャムにジーン・シモンズとの偽装結婚を勧めるシーンがある。 すると、次のショットではいきなり病院のベッドサイドで二人の挙式が執り行われているので驚かされる。 これも撮影スケジュール上の都合だろうか、唐突な展開にも思えるが、その大胆な編集が却って二人の危うい関係と末路を強く仄めかすこととなる。 継母の乗る車が土埃をあげて転落するショットと、ジーン・シモンズがピアノを弾くショットがクロスカットされる。 ピアノの静かな調べと、事故の荒々しい轟音の対が見事である。 それが再び反復されるラストの断崖のショットもさらに凄惨さを増す。事故と入れ替わりで屋敷に到着するタクシーの静けさが余韻として効く。[DVD(字幕)] 8点(2016-12-08 00:09:00)《改行有》

159.  力と栄光 《ネタバレ》 時間推移が、カメラをパンさせながらのオーヴァーラップや影を落とすエフェクト等で様々に表現されるのだが、それもあまり統一感はない。 技法というよりはドラマの語りの点で『市民ケーン』の原型だといえる。 成り上がった主人公スペンサー・トレイシーの浮気の告白、それを聞いた妻コリーン・ムーアの末路、息子の堕落。 そこから遡って、新婚時代の幸福なエピソードを見せていき悲劇性を際立たせたのはプレストン・スタージェスの巧さという事だろうか。 親友役のラルフ・モーガンが妻に語り聞かせる形式だが、顛末の全真相を語りきってしまうのも少々無理を感じさせる。 そうした諸々の改善の積み重ねが後のウェルズの達成に繋がったようにも思える。 新婚時代の夫婦の姿と、彼らの後景の窓外を走る汽車のショットなど、画面的に『市民ケーン』を思わせる断片も随所にある。[CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2016-12-04 06:04:27)《改行有》

160.  虎鮫 《ネタバレ》 殊更な表現をするわけでもないのに、リチャード・アーレンとジタ・ヨハンの出会いのシーンは後に彼らが心ならずも 惹かれ合い、エドワード・G・ロビンソンを裏切ってしまうことになるだろう予感を強く感じさせる。 さらには陽気なエドワード・G・ロビンソンの邪気の無い雄弁が哀れみを誘う。 波をかぶる船側で漁師たちがマグロを次々と釣り上げていく漁獲シーンの荒々しく、力強いショット。 そのマグロを船倉から籠で釣り揚げ、漁港から加工場へとコンベアーで運んでいくショットのドキュメンタルな迫力。 本筋そっちのけで、その瑞々しい労働シーンに魅入られ、撮り続けてしまったのだろう撮影クルーを想像して楽しくなる。 船長の風貌や、船上からのライフル射撃などのディティールはやはり後の『ジョーズ』にも受け継がれたのだろう。[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2016-12-03 00:06:01)《改行有》

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