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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 604
性別 女性
ホームページ http://www.geocities.jp/suminoe_kagaya/
自己紹介 2004年から映画専門サイトをたちあげました。
ジャンルはSFが主ですが、サスペンスも大好きです。
リバーランズスルーイットや、ショーシャンクの空に
のようなヒューマンものから、未知との遭遇やバックトゥ
ザフューチャーなどのアンブリンもの。
十二人の怒れる男やパルプフィクションなどの脚本もの・・
自分が良いと思った映画が合う映画で、見る人の数だけ
思いも変わると思います。その中で、共感できる人が
多ければ売れるのでしょうね。
たまに<これだけ映画を見てるんだから万人受けは・・>
と、マニアックな映画にも手をつけますが、
できの良い映画や単館ものなど多趣味なジャンルに疲れ、
子供時代に帰ってるみたいです・・
それらは映画館で見た映画本来の娯楽作だった・・

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161.  ソウ2 《ネタバレ》 ソウを越えるようなバカにされたような快感はありませんでしたが、 ホラー・サスペンスの続編としてはこれはもう成功でしょう。 特にソウが大ヒットしましたからその期待度は、 制作側のプレッシャーになると思います。 続編で面白かったと記憶しているのは「ターミネーター2」 「エイリアン2」「バック・トゥ・ザ・フューチャー2」 しかしこれらはSFですよね。 あと・・「魔宮の伝説」くらいかなぁ・・ この「ソウ2」は真面目によく注意していれば、 展開や犯人が誰であるかは絞れて見えてきます。 1が「ユージュアル・サスペクツ」的であるのに対し、 2は「CUBE」と「羊たちの沈黙」のふたつのステージだと見ました。 このふたつのステージが時間のトリックで結ばれ同時進行してゆく。 まあ日本のゲームで言えば、 ニンテンドウDSをやっていると想像してください(爆) 観客は最前列でふたつのステージを見られます。 あの「ソウ」の最初のバスタブの密室が出てきたときはもう、 「レッド・ドラゴン」のラストで(クラリス)と出てきたくらい嬉しかった。 最大限に元の作品を生かしています。 3がまたできるみたいなんですが、 これはもう主役のソウが死んでしまったので(と見るべきか?) 後継者のアマンダが主役になるんですね。 カリスマ性がないなぁ・・ あと刑事の息子も生き延びている。 そしてまだ解明されきれていないソウのラスト。 ソウ2でのバスタブの死体はソウのあのふたりだと言い切れるのか? これらを使ってくるでしょうね。 解くカギはとにかく色んなミステリーを数観ること・・ あのビデオの時間のからくりも過去に観たあらゆるサスペンスで使われています。 どう料理するかが制作側の腕の見せ所ですね。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-02 13:36:14)《改行有》

162.  ダークシティ 《ネタバレ》  どこかで見たような映画なのですがうまいことできてる(笑) まず冒頭のストリーテラーから「宇宙戦争」に代表とされる語りだし。 この手法は旧約聖書とかの史劇モノで必ず使われます。 主人公は記憶喪失でバスタブから脱出するシーンは「SAW」。 連続殺人事件の犯人は誰? 徐々に記憶を取り戻すかのような主人公と異星から侵略しにきたかのような連中。 ここは地球のとある古い時代の街で宇宙から地球人をさらいに来たか、 それともここはニセの街で宇宙人がそこに地球人を飼育実験にしているのか? 街の外はどうなっているのか? 夜中の12時に針が重なると街中が止まるのはなぜ? 記憶の入れ刷みをされたのは誰?? 面白い・・ こういったテンポの速い難解SFって好きなんですよ。 しかも絵が暗いから「レディ・キラーズ」のようなブラック・ファンタジーみたい。 運河の向こうにある夢の島にはどうして行けないのか? 閉鎖感いっぱいの演出は前に観てうろ覚えの「トゥールーマン・ショー」みたい。 あの作られた世界は外はああだったんですがこれは見事。 超難解だった「惑星ソラリス」のラストの答えがここにあると思いました。 そして「CUBE」とそっくりな演出もあります。 CUBEで一番好きな高さがわかる怖さ部屋が動く怖さがここに・・ というと・・まるで娯楽SFのおいしいとこどりごった煮なのですが、 これに「マトリックス」の世界を入れたような感じで、 よくまあ100分に詰め込んだものだと感心。 どうせアメコミのような作品だろうと期待はしていなかったのですが、 ラストまで飽きることもないし何しろ最初から飛んだSFと見ていたので面白い。 暗い画面や記憶を植えられた話や悪魔団体のような集団・・ 苦手な方にはお勧めできませんが好きなら楽しめます。 主人公が中途半端にヘタレのくせに無敵なので、 これは感情移入はできかねるなぁと思うのだけれど、 どの登場人物が主役でも成立すると監督が特典で説明していました。 ああそうかそれはありうると感心。 博士に妻役に異星人のボスに刑事に・・誰の目で観ても見られます。 この作品の主役はこの世界らしいから(街ということで) 期待していなかったアメコミ格闘系SFと思っていたのに、 なかなか哲学的で暗いのに娯楽SFとなっています。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-02 13:12:58)(笑:1票) (良:1票) 《改行有》

163.  エミリー・ローズ 《ネタバレ》 人間は善と悪の表裏で出来ています。 エミリーはクリスチャンであり自分の命をかけて悪を生かしたのです。 悪魔が存在したとなれば神がいることの証明になるから。 神父も死なせてしまったということは悪に負けたのですから仕事は失敗です。 これはこれで償うのは当たり前だとも私は思います。 教会がそこから逃げれば悪を否定します。 悪を否定すれば善も否定することになるのに・・ サタンの6変化これを認めなければ神も存在しないのでは・・ ここらはまた勉強になりました(爆) ラテン語ギリシャ語ヘブライ語ドイツ語・・聞き取れない! スティグマータ(聖痕)が現れたときは・・この自己犠牲がキリスト教の見所だ(爆) と世界に入りかけたのですが・・ 法廷劇での猛反論は(フェンスの傷)と言われると、 う~んそれもそうだとか・・ どちらとも取れるんですよね。 だって悪魔つきなんて実際のところ、 当の本人も悪魔がついているに違いないと思いこんでるかもしれないし、 本当についているかもしれないしそんなの立証ができないから。 日本で言えばわかりやすく例えればイタコさんみたいなものでしょうか。 この難解で答えが出ないオカルトを法廷劇という現実的なドラマで見せるのです。 そういう点では全く新鮮でした。 それと久しぶりに映画で悪魔祓いの儀式を観られたこと。 十字を切り聖書の一説を説きながら聖水を振りかける・・ この一連の神父の動作はかっこいいとさえ思う私って・・(笑) 初心者の神父だったからああなっちゃったんですね・・ 有罪か無罪かを決めようとする人たちは、 人の死よりも悪魔が存在するか否かを決めたいんでしょう。 ここらが哀しい勇気あるサスペンスの話にもなっています。 字幕も演出もカトリックの描写は完璧でしたが、 パンフを読むとやはり・・神父と牧師がごっちゃにされてた。 カトリック=神父 プロテスタント=牧師が絶対なわけでもないのですが、 映画は真面目に作っている法廷ホラーなのに残念と思いました。 私のような素人が間違えるならまだしも・・(苦笑) [映画館(字幕)] 7点(2006-04-02 13:04:58)《改行有》

164.  マルホランド・ドライブ 《ネタバレ》 この作品を借りたのは実は「-lessレス」に似ているからということでしたが、 ・・似ていませんでした。 似ていたのはその標識の場所から抜け出せないという形と、 全ておわったことが元に返るという組み立てで、 実はよくあるサスペンスのお手本なのです。 私は本当にこの作品に似ているのは、 「オープン・ユア・アイズ」なのではなかろうかと思います。 見かけは「レス」に似ているかもしれませんがそれは勘違いで、 実は根底には「オープン・ユア・アイズ」の世界なのです。 それは解読サイトを読み終えて気づいたのです。 この作品はかなり難解でして、 観終えたあと頭の中が???のこだまがひびいている状態(爆) 何がなにやらさっぱりわからない~!! 待て待て・・どれかはっきりさせてくれ。 実は死んでいたとか夢だったとか! パニくりましたよ(苦笑) そう解いてもつじつまがあわないのですから・・ ああ、そうだったのか!という驚愕のフィナーレに感動というものでもない。 ただ何かわからにんだけれどもナオミ・ワッツの片思いは理解できたし、 恨みやねたみや狂うほどの恋しさ哀しさはわかったような気がする。 だからこの作品はストレートに脚本をいじっていなければ泣けるかもしれない、 恋愛映画であり成功から転落した(本人は成功したと勘違い)夢みる少女の物語。 「パルプ・フィクション」というタランティーノの映画がありました。 あれも後半に脚本の順番を変えて観客を不思議な世界に誘います。 この作品はある程度ネタバレされたほうが面白いと思いますが・・ [DVD(字幕)] 7点(2006-04-02 13:02:51)《改行有》

165.  ギルバート・グレイプ 《ネタバレ》 どことなく自分勝手に「リバーランズ・スルーイット」みたいな兄弟愛ドラマを期待していたので、 いやコレは違うこれは家族団結のドラマで朴訥であり暗い現実と裏腹にコミカルな作品だ。 そういえば「サイダー・ハウス・ルール」もそんな感じでした。 あともうひとつグッときたのがあの人が死んじゃうとき。 前触れもありましたがその場に居合わせたのがデカプリオだというのも・・ この子供はふたりの死を見てしまうんですよね。 弟がああなってしまったのもそのトラウマからかもしれない。 わめいたり大笑いしたりという演技が印象的なのですが、 実はデカプリオの演技の中ではデップとルイスがいい仲で、 それを見守るときの自分のことのような嬉しそうな表情。 そういうちょっとした演出がいいんです。 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のドクの恋人も出てたし、 そして同じ映画でマーティのパパ役をやっていた葬儀屋、 あのパパに似てるんだけれども・・ 最後が放火という演出では「母の贈り物」を思い出しました。 ここらはちょっとやりすぎかなぁ・・ 全体的には暗い題材ではあるのに淡々とした素朴な映画になっている。 そこが物足りないし逆に言えばいい作品なのかもしれません。 [DVD(字幕)] 7点(2006-04-02 13:01:18)《改行有》

166.  海と毒薬 《ネタバレ》 日本の黒い夏 冤罪 の熊井監督の作品を探していて見つかりました。 医療サスペンスになるし実話にヒントを得たミステリーにもなります。 邦画でこの世界をコレだけ真面目に描けたのはすごいことです。 淡々と進んでゆきますので客観的に見るしかないので、 主人公の奥田瑛二と視点は近くなると思います。 国際映画祭出品作で世界的にも認められたこの作品は、 なんと86年作なのに白黒です。 なぜ白黒なのか疑問に思いただ気取ってるだけかと観ていましたが、 白黒でなければリアルな手術シーンは再現できないかも。 カラーであれば単なるキモイ映画になっていたかもしれない。 このたった2色のメリハリが社会派映画としても見られるような演出になっています。 難を言えば世界を意識したのか外人や日系(岡田真澄)の使い方が・・ この時代(いつの時代もですが)の日本の医学界、 戦争時の退廃的な生き方生かされ方、 文学的でもあるし過度な演出による娯楽的な残酷シーン・・ 邦画でもこういう作品があったんだなぁと感心。 渡辺謙のセリフが的を得ていてそれでもなんかなぁと・・ なぜか戦時下だから人体実験をするっていうのは無理やりな説得力ある。 無差別に病院や公共施設も破壊したアメリカ兵だから、 人間ではなく物として扱うから死ぬまで実験をするというのも、 患者はどうせ死ぬんだから、 戦争で死ぬよりも実験に使うほうが世のためになる、 こういうことが本当に行われていたとしたら、 医学の発展とは犠牲の元なんだと暗くなります。 見終えたあともドヨ~ッと暗いまるでホラー映画のようなのですが、 見ごたえのある演出と感情移入さえ許さないような乾いた演技、 戦争映画を根本的に嫌いな私もこういう切り口なら観られます。 どことなく巨匠シドニー・ルメットを思い出しましたが、 それは言いすぎでしょうか・・ 誰に感情移入できるか、 誰にもおそらく主人公にでさもできかねないのに、 実験手術されるアメリカ兵捕虜を好奇心で取り囲む日本兵。 彼らと同じ好奇心でこの映画を観ていることに気がつきました。 その後味の悪さも何か問いかけていて怖い作品でした。 [DVD(邦画)] 7点(2006-04-02 12:58:08)《改行有》

167.  -less [レス] 《ネタバレ》  エンディングのあとまたエンディングがありますので、 最後まで観たほうが人道的なブラックというのがわかると思います。 この映画は霊と霊との戦いです。 居眠り運転で交通事故を起こしたのは主役の家族です。 赤ちゃんを抱えた白いドレスの女性は怖がられ気味悪がられる存在ですが、 追突されて子供と共に殺されたのだからこんなに理不尽なことはない。 その相手がバカみたいな性格の家族と婚約者で、 車の時間が止まっていることからほとんど同時に死んだのです。 ところが唯一妊娠中の娘だけが生き残った。 運転手の父親は最後に疲れ果て、 終わったら(よいおじいさんになる)と紙に書きます。 つまりは孫の顔が見たいんですね。 結局二重エンディングでその紙はレスキュー隊が発見して捨てるのですが、 これで子持ちの幽霊は救われたんではなかろうか・・ そういう人道的なブラックさがあると思うのです。 バカみたいな家族が団結しようと必死になるたびに、 幽霊は現れ誘われるようにひとりひとり黒い車で連れ去られます。 この車は第一発見者の車で、 一晩中同じ道を走り回っているのもそこから逃げられないのも、 霊の呪縛であり時間的には瞬時のことでしょう。 次々と殺されてゆくように見えますが、 交通事故で息絶える順番でよく考えると怖いです。 これは(ホラーではなく交通事故だ)とわかります。 この映画の後味がまだすっきりした方だと思ったのも、 交通事故で呪縛霊となって事故を誘う浮ばれない霊の怖さではなく、 正面衝突して即死炎上した車の中の霊たちの戦いであり、 被害にあったのに気味悪がられ疎まれる女性が、 日本的に考えれば成仏できたことと、 同じ子持ちの女性が運だけで助かったわけではなかったこと。 そして孫の顔が見たい父親までは許してはくれなかった(運転手ですから!) 洋画にしては実に邦画的なホラーだなぁと。 ただしこれを邦画にしたらかなり暗く怖いんだろうなぁ・・ [DVD(字幕)] 7点(2006-03-05 10:52:00)《改行有》

168.  レジェンド・オブ・ゾロ 《ネタバレ》 アクションの古典的な手法のスローちっくな長回しは、 最近の早回しや手ぶれやサブリミナル多用とは違いすごく安心感。 音楽も決闘シーンでかかるフラメンコでのれます。 特に今、トリノオリンピックのフィギュアなど見てるものだから楽しい。 かなり音楽は大きくて派手ですが(ジェームズ・ホーナー)好きですね。 勧善懲悪もののどこが面白いか面白くないか、 私的には主役ばかりが目立たずに悪役も活躍しなければいけないこと。 できれば悪役の方が活躍してヘタレ主役がそれでも勝つというのがいい。 このヘタレというのもただのヘタレではいけません。 ここがスパイダーマンと同じようないい理由があるのです。 ゾロは素顔を見られてはいけない・・ ところがマスクを取られた一瞬のスキを見られるのです。 その組織は味方か敵か? そして家出したキャサリンは悪役貴族の魔の手に落ちるのか?? 子供にだけは素顔を見られないようにしたいゾロ。 後半は(うわ~最近では珍しいアメリカ万歳を嫌味に描いてない映画だ) と思いました。 やはりこういった西部劇のような背景演出はいいです。 総括して例えれば・・ 今のアメリカを理想的に表現した映画。 今回気をつけて見た字幕でやはり変なところはあった。 やはり牧師と神父をごっちゃにしていた。 牧師がワインを飲んでいる?でもマリア像が教会にある・・神父でした(泣) たのむから「ダ・ビンチ・コード」でそれはやめてほしい・・ この神父も大活躍しちゃいます。 悪の組織も二重展開で楽しめるし、 だいぶ前の作品「ファイト・クラブ」と同じこともしています(爆) この悪の貴族がなかなかよい個性で、 冷酷無比なのに義はつくすみたいな・・ 悪い奴を殺すのも「魔宮の伝説」みたいなシーンがあるし、 後半は「最後の聖戦」のリバー・フェニックス状態(笑) ここのトルネードという馬の使い方が面白い。 このトンネルのシーンだけでも点数アップしたいツボです。 あと蛇でも出ればまんまインディ・ジョーンズでしょう・・ 「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」のまんまじゃないかというシーンもあり。 [映画館(字幕)] 7点(2006-02-28 09:29:44)《改行有》

169.  連合艦隊 《ネタバレ》 戦争とは(やむを得ないに始まってやむを得ないに終わる) (戦争を始めるのも難しいが終わらせるのも難しい) こんな名言が随所で出てきます。 「男たちの大和」を劇場で前に観てあまり私は世界に入れずににいたので、 こちらを観ないといけないなぁと思い今頃この作品を観たわけです。 世界が大きくてわかりやすい! 時間も長いし特撮もチャチなのですが勢いがあります。 そして役者が揃っている・・ 多分特撮を除いてはこれ以上のものは作れないことと、 今こういった作品を作るならば一番人気のあった大和になったのでしょうか。 この作品は第二次世界大戦がどうやって戦略的に行われていたか、 かなり細かいところも描けているし戦争の理由もいきさつも終焉も全部描いています。 もし「男たちの大和」を観て全体像が知りたい人はぜひ観てください。 勢いで泣いてしまったけれど細かいことはわからない人にもお勧めします。 こちらの作品はもちろん時代からいって特撮や演出は今観たらガクッとするかもしれない。 しかしなぜこういった作戦ミスがあったのか、 大和が最終的に沖縄に行かなければいけなくなった理由、 世界的な政治の裏側・・ この時代にも天皇制も露骨ではありませんが描かれています。 上官の派閥や他の戦艦はどうだったのか・・ 歴史の勉強にもなるので日本史近代史に興味のなかった私には助かりました。 音楽もあまり好きではなかった谷村新司の群青。 こんないい曲だったとは・・ しかも曖昧に終わるあの場面でピアノとともに語りかけてくる。 これは哲学だと思いました。 もっと突き放したところで戦争を描いている。 もちろん色々な家族との絡みもある。 残された家族特に時代に翻弄される古手川祐子(夫兄弟が戦死)のセリフもいい。 主役級の夫役永島敏行とその弟の 金田賢一。 また別の家族としてはもうひとつの主役、 中井貴一が沈む大和の父に宛てた言葉・・ (父より少しだけ長生きする息子の親孝行をお許しください、 さよなら母さん・・)と、特攻隊を選び空から沈む大和を見ながら終焉を迎えます。 [DVD(邦画)] 7点(2006-02-28 08:53:25)《改行有》

170.  ビーンストーク ジャックと豆の木 《ネタバレ》 TV映画とは思えないくらい素晴らしい出来のSFファンタジーでした。 ただ・・3時間ほどあるんですよねぇ・・ 劇場版の「キング・コング」でさえ飽きたのにこの作品は? 「ジャックとマメの木」というグリム童話は筋もすっかり忘れていました。 が、これをリメイクするとなると昨年テリー・ギリアムが大失敗した劇場版がある。 あまりというより全く期待しないで観ていたのですが・・ (面白い)ジャック一家に呪われたある秘密とは? そして男の子が産まれても40歳前後で死んでゆく一族とは? その末裔が最近好んで観ているマシュー・モディーン。 やっと年相応の顔立ちになりましたねぇ(苦笑) この大富豪のジャックの秘密とは? じい様が父親の目の前でマメの木にさらわれる夢にうなされるジャック。 遠い祖先に逸話のジャックとマメの木の実話が合ったとしたら? 母思いのジャックが豆のタネを蒔き天に昇り降りて幸せに暮らす・・ ところがそうではなかった。 大男を殺した呪いと金の卵を産むガチョウと金のハーブを盗んだ呪いは、 息子が母親よりも早死する家系に・・ そして天上の世界では春の来ないナルニア物語のような世界に・・ 末裔のジャックにその冒険は託された。 こういった童話の主人公を中年のおじさんがするというのは、 「フック」もありました。 でもやはりロビン・ウィリアムスがピーター・パンをやるより、 こちらのジャックがモディーンのほうが許せる範囲。 これでも30代に見えますし・・ ところで脇役陣のなかで気になったのが、 また出てたよジョン・ボイト(アンジェリーナ・ジョリーのパパ) それにリチャード・アッテンポロー・・ いい役やってますね。 まあ長い長い作品ですから例えれば、 バック・トゥ・ザ・フューチャーを1、2と続けて見たあとみたいな疲れ・・ もちろん分けても観られるように、 前半の終わりは現代のジャックがとうとう豆の木に登り秘密を知るところ。 トウ・ビー・コンティニューとまでついてエンドロールが流れます。 やはりそのあと2幕目のオープニングが始まるのです。 この休憩を利用して二回に分けてみてもさしつかえありません。 昔の大作はほとんど3時間以上あって休憩がありました。 [DVD(字幕)] 7点(2006-02-15 11:24:27)《改行有》

171.  ミュンヘン 《ネタバレ》  スピルバーグはアメリカ人になってしまったのか? アメリカに渡ったユダヤ人って別のちょっと高い所から見ているような気がするんです。 明らかにイスラエルにいるユダヤ人とは違う。 だから中立的な立場で平和的に考えられるのではとも・・ じゃあパレスチナ側をもっと悪く描けばよかったのか? しかしそれではただの勧善懲悪の娯楽スパイ映画になるし、 この原作を使う意味がないでしょう。 そう考えてそしてイスラエルの非難を浴びながらもこんな政治映画を作った、 そんなアメリカにいるユダヤ人のスピルバーグは度胸があるなぁと・・ チラホラ見えるそれでもアメリカ人になりきれない苦悩が、 作中にも現れている気がするのです。 その苦悩は主人公の苦悩でもあります。 ドイツで生まれイスラエルに住む主人公モサドは、 現在はイスラエルを捨て名を変えてアメリカに住んでいる・・ 作中の十字を切るシーンが?だったのですが、 そういう細かいところに隠されているのかも・・ こういうこともわかった上で観賞するとまた違うかもしれない。 高見の見物、理想論は日本人にも言えること。 だからあえてこの作品は調べてから観る方が入りやすい。 このふたつの民族がなぜ仲が悪いのかも、 何1000年も前のペリシテ人(パレスチナ)とヘブライ人(ユダヤ)からきていること、 遡ればダビテ王のころですから根が深いのです。 ダビテといえばキリスト以前の時代です。 何1000年も前から何をやってるんでしょうか・・ おそらくスパイ映画にリアル感がないなぁと思われている人にも、 娯楽の面でも楽しめるように演出されています。 私はカメラワークを観るのが好きなのですが、 その点でもこの作品はよくできていました。 車を使った演出は何度も出てきましたがうなりますよ・・ 映像を重ねながらの心理描写もよくできているし、 160分以上ある作品とは思えないくらいでした。 ただ・・スピルバーグが作ったということで、 映画の中に個人的な葛藤が反映されて、 観客に答えをゆだねる曖昧な作風にもなったことは確か。 そんなに痛い(精神的にも)映画を作らなくてもと思えたり、 特にラストが曖昧で映像として問いかけで終わっています。 [映画館(字幕)] 7点(2006-02-15 10:55:51)《改行有》

172.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 西村京太郎と小松左京を足して割ったような贅沢な作品。 のちの洋画ヒット作の「スピード」の元ネタとなったことでも有名。 前に夜中にやってたので気にはなったものの、 やはりCMが映画のテンポを邪魔をして楽しめないので、 借りてきちんと見直すことにしたのです。 面白い! やはり邦画は昔はよかったと思う。 脚本も俳優もですがなによりこの作品は、 編集が素晴らしい。 洋画も含めてお手本にしてほしいくらい編集がうまい。 やたらと斜め構図の演出が目立ちますが、 古い洋画を大胆に邦画に反映したセンスのいいことといったら・・ 邦画奇跡の作品といっても過言ではないのですが、 難を言えば宇津井健の最後のほうの正義感あふれる演出はどうかと。 あの(もし)というスピーチがなければ、 この作品を観る観客の想像に身をゆだねさせ、 娯楽作から社会派娯楽作まで高められたのではないか。 それはおかしいとかすっきりしないとか、 もし・・という解釈は観客の良心を呼び起こす手立てで、 それを映画の中で全部演出してしまうのは丁寧すぎだと思う。 ラストの画が見事でそしてそれまでの退廃的で観客に訴えるものがあっただけに、 そこは宇津井健の想像という使い方もできるので惜しいと思いましたが・・ 今観るとチープな模型かとも見える場面もあるのですが、 そこはエアポートシリーズやカサンドラクロスのような感じで、 脚本がよいことと編集がうまいことの相乗効果で全く気にはならない。 おおまかには犯人側と国鉄側(JR)と刑事側なのです。 そして新幹線の中でのパニック模様。 時間と速度のトリックに科学のトリック、 そして最後には刑事側のトリック・・ 最終的には「砂の器」をはじめとする松本清張的な演出。 邦画でこれほどドキドキしたシュミレーション映画は、 やはり他には小松左京ものくらいでしょう。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-15 10:49:59)《改行有》

173.  キング・コング(2005) 《ネタバレ》 オリジナル初期作に一番忠実ということで、 白黒のオリジナルを3回も観たのでした。 しかも最終的には目頭が熱くなるほど感動していたのです・・ 期待はふくらみ近所で一番大きい複合型ではないホールに行きました。 しかも前から2列目です。両目に画面がいっぱいに広がります。 お話やセリフはまるっきりオリジナルのキング・コングとおんなじです。 もとは100分ないような短い作品なのですから、 いかに人間ドラマ(船員とか必要はないと思う)に時間を割いているか・・ 島に上陸してからも船員のいざこざは続き・・ 恐竜の場面も含めてなにか違和感を覚えました。 これって・・「ロスト・ワールド」ではないよね?? もちろんもとのキング・コングも恐竜は出てきますが・・ この出し方この作りは・・あちゃー!ロスト・ワールドだよ・・ 思い出せば「ロード・オブ・ザ・リング」あれをテレビで観て楽しかったでしょうか。 こういう種類の映画は大画面で観るのが前提なのです。 ではなぜあの白黒のキング・コングはテレビで感動できたのか・・ 白黒を見慣れていないからテレビ画面でも観られるのだと思います。 このカラーで劇場でしかも最前列で観たキング・コングは、 実は感動はできなかったのです。 ・・なんでだろうか? やはり時間が長すぎて島に上陸するまで疲れたのと、 ようやく上陸してから恐竜映画「ロスト・ワールド」になっちゃったところ。 あとは主役ふたりが私はイマイチだったこと。 コングの顔がまるでヨーダのような細かいCGだったこと・・ 恐竜のCGが色がまるわかりで景色から浮いていたこと・・ 最後の感動シーンがくどかったこと・・ といっぱい不満はあるのです。 でも最終的には観て損はなかった。 たぶんこの監督がめちゃくちゃこの作品のファンだったんです。 そういう愛があふれていてそれがちょっとくどかった。 いい意味ではそれが痛いほどわかってちょっとひいてしまった。 登場人物でも映画監督が出てきますが、 全役者の中でジャック・ブラックが一番よかったと思いました。 この人の表情を通してピーター・ジャクソンの愛が見えてしまった。 お金を映画で稼げれば自分が撮りたかった映画が撮れる・・ そのとうりの作品だと思いました。 [映画館(字幕)] 7点(2006-01-20 05:08:17)《改行有》

174.  海を飛ぶ夢 《ネタバレ》  自分がいなくなることや行ったことのない帰れない世界は怖いものです。 だから輪廻や天国を人間は夢みるのであって、 ほとんどの宗教はなんのリアリズムもない夢の世界を説いています。 この映画はリアリズムが理解できないとただ主人公がかわいそうとか、 周りの残される人に感情移入し泣かされてしまうかもしれません。 実際私もグッときたのですがその感動よりも描きたいことに興味を持ち、 しばらくしてまたこの作品を色々な角度から観てみようかと・・ たぶん次に観るときはまた評価が上がっているかもしれません。 今回は私は客観的に観て感心し感動しただけにとどまっています。 尊厳死を選んだ主人公に対し最後まで第三者の目でしか見られなかった、 考えられなかったその他の人々の気持ちは大変よくわかります。 これだけそれぞれの人々の気持ちをきちんと描写されている映画は珍しい。 共感できたふたりの女性のうち本当に添いたかった女性は、 われに返るあの演出はうまいとしか言いようがない。 そして神父の無責任な言葉は的をついており、 私は報道の自由が恐ろしくなりました。 同じ体の不自由な立場の神父がテレビ画面からメッセージを送る。 それは宗教を神を恐れさせるためではないにしろ、 結果的には本人や家族には偽善にしか映らなかった。 誰の立場もわかりすぎる説得力のある映画なのに、 主人公の立場には立てない自分はあくまでもその他の人と同じ。 ただ意義のある作品です。 いつかは誰もが考えなければいけないことを、 美化したり泣かせようとする作品ではありません。 映画の手助けという点では、 かなりうまいこと映画化されてるなぁと感心しました。 音楽がいいし映像も見やすく演出は「バーディ」を彷彿とした、 上空から飛ぶ鳥のカメラのソレです。 生きてる意味って何? と問う作品が多い中で死ぬ意味って何?と問う映画は珍しい。 戦争や仕方のない理不尽な題材でこのテーマはあるけれども、 実話でもある(近年にニュースでありました)この作品は、 死への賛美や逃避でもないきわめて現実的な内容であります。 現実的であるがゆえに私は理解し興味を持ったのかもしれません。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-20 05:01:34)(良:1票) 《改行有》

175.  ケープ・フィアー 《ネタバレ》  この監督は変に真面目でシリアスなものを撮らない方がいい(と私は思う) アビエイターやタクシードライバーよりずっと、 このホラー風サスペンスやイエスの逸話の「最後の誘惑」のほうが面白く明るい。 この作品は私にとってはただ、ジュリエット・ルイスが出てるから観たい映画だったのです。 もともと中性的で理知的な女優さんが好きなのですが、 特に彼女は白雉役もできるし何でもできる演技派みたいなので、 他の作品も観てみようかなぁと興味を持っています。 最近好きになったマシュー・モディーン(もちろん男)にルイス嬢が似てると確信し、 借りて確かめたところ・・やはり年齢不詳性別不明なところが似ていた(笑) いや、完全に出演者の中でも一番の存在感で、 アクの強いデ・ニーロさえも食っていました。 舞台でのやりとりなどの目の表情などは完全に食ってました。 この映画全体にエロシズムと暴力的な描写が多いのに、 なぜか暗く感じず恐怖よりもおかしくて笑い通しだったのは、 私がホラー好きだということもあります。 しかし根本的には復讐劇なのですから恐怖や嫌悪感は感じないといけない。 ・・あまり感じなかったのは娯楽が勝っていて最終的には、 デ・ニーロ出すぎ! どこからいつ現れるかという見えざる恐怖なんて無視(爆) もうひらきなおってホラーとして見ましたよ。 家政婦の姿ですでに室内に潜んでいたところなどは、 恐怖なんかよりも大爆笑もので「悪魔のいけにえ」のレザー・フェイスか!? 逃亡する車の底に張り付くデニーロはおかしすぎるし、 最後のほうなんかもう「13日の金曜日」ですよ。 あるいは「JAWS」状態で全く怖くも後味の悪さもない。 だからある意味楽しめたのです。 J・ルイスがセリフを言ったあとクレジットが流れますが、 最後まで観て聞いてゆくと・・ 悲鳴が聞こえるんですよ。 そしてなぜかアンブリン(E.T.のマーク) うわぁ~アンブリンなのこの制作って・・ これは・・おかしすぎて大うけしてしまったのです。 復讐劇の怖さや哀しさを味わいたいならば、 「ダークマン」のほうがお勧めです(サム・ライミ監督) [DVD(字幕)] 7点(2006-01-20 04:17:27)《改行有》

176.  レディ・キラーズ 《ネタバレ》 その中途半端さと結局は勧善懲悪になってしまったのに、 すっきりしない後味はまるで「宇宙戦争」のような脱力感。 これもまたいいんじゃあないかな。 結局のところ私はブラックなファンタジーが好きなのです。 ホラーがもっとあればいいかなとも思いましたが・・ 特にラストの猫がくわえたある忘れ物・・ これは「ボディスナッチャー」の人面犬のような悪趣味で、 何回か巻き戻して確認し笑えました(という作業自体悪趣味かも) 監督の趣味の悪い策略にケッとしらけることなく楽しめたのも絵の色のおかげ。 キャストは主役がトム・ハンクスということで期待はありましたが、 このハンクスのこわばった偽善の塊のような演技・・うまい。 「ザ・プロデューサー」のケビン・スペイシーを思い出しました。 演技的にはわざとらしいんで今更うまいのはわかってるってとも思いますが、 仕切り屋、知識ひけらかし屋、うそつきと・・古風な嫌われ者を演じていました。 いい人ばかりを演じているハンクスをよく見てきたので逆に感心。 イルマ・P・ホールおばあちゃんも味があってうまかったのですが、 私がこの出演陣のなかでとくに興味を持ったのが意外と地味な役者。 ツィ・マー演じるベトナム?中国?の将軍。 この役者はなかなか面白く作品の古風さを再現。 古風な脚本と最新の役者と80年代ファンタジー映像の融合が私に合いました。 ハンクスのセリフ回しが舞台的でほとんどがE.A.ポーの詩や聖書からの引用。 ばあさんとのやりとりとかからもメッセージ性を探したのですが・・ 結局はこういう普通にコメディでも聖書が出てくるんですよねぇ。 勝手に暴れて勝手に滅びる・・ それは「宇宙戦争」と同じ脱力感。 これがいい。 ばあさんは無防備で中途半端な悪人たちから守られた。 それはこの街の環境に適応できなかった侵入者たちのバカさ。 そして亡きじいさんが制裁をくだしてくれたのかもと、 ちょっとファンタジーが入るあたりに毒の少なさがあり物足りない。 「宇宙戦争」となんの関連性もありませんがちょこっと頭のスミに浮かべてくれると、 笑えないネタも笑えてしまいますよ。 あとDVD特典がよいのです。 ゴスペルシーンや楽器の紹介。 楽器制作紹介はギター弾きには当たり前に有名な人が出てきました。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-20 04:10:06)(良:1票) 《改行有》

177.  カサンドラ・クロス 《ネタバレ》 細菌感染者をとにかく邪魔だから関係のないようにポーランドへ送っちゃえと、 細菌を極秘開発していた某国の身勝手さから大事件に・・ カサンドラクロスという国境に架かる鉄橋は戦後から閉鎖され安全性は絶対不安。 ポーランドの収容所へ細菌感染した列車の乗客全員!を送り込み隔離するという計画は、 あくまでも極秘に行われなければもともとこの細菌研究というものは非常に危険な兵器にもなる。 バート・ランカスターが命令を受けていた相手は最後までわからないようにはなっているものの、 あきらかに大統領クラスのものでフィクションとはいえ合衆国の身勝手さ、 お国の役人の融通のなさがパニック時にどういう二次災害を起こすかという恐怖。 このシリアスである社会風刺ドラマにアクションシーンやコメディをふんだんに入れ、 娯楽半分シリアス半分となかなか観やすく面白い作品ではある。 特によかったのが、老人役のリー・ストラスバーグ。 ほっとさせる手品を見せるなんのことない役なんですが作品にいっそう社会性を持たせている。 ポーランドの収容所に連れてゆかれると聞いたとたん、 死んだ妻の話をし行きたくないと言いますが・・ あの鉄橋を越えた先には何があるのか想像がつきました。 現代のパニックになったときに過去のエピソードもわかるという、 行き着かない場所への恐怖がこの老人によってよくわかります。 脱走しようとする感染者(乗客)は銃殺してもよいと命令を受ける軍隊。 まるでSWのストームトゥールーパーのごとく武装した兵士たち。 細菌は「アンドロメダ」のようにあるきっかけで自己消滅・・ しかし軍隊には融通はきかない・・ 細菌よりも怖いのが国という傲慢な兵器。 壊れるであろうポーランドに架かる橋は近づいてくる・・ 特撮も今のアクションに比べると申し訳ないものですが、 テンポもよいし二転三転するので面白いです。 トンネルに向かうヘリと列車のアクションなんて今ではよくある、 「MIP」みたいなのですがこの映画を見てください。 音楽が大袈裟でなんか好きだなぁ~と調べてみたら、 ジェリー・ゴールドスミスなんですね。 「オーメン」「エイリアン」・・なるほど。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-20 03:50:47)《改行有》

178.  狂っちゃいないぜ! 《ネタバレ》 すごい配役ですよね。 いやぁ、アンジェリーナ・ジョリーは出た瞬間わかったんですが、 ケイト・ブランシェットは後半になるまでわからなかった! だって・・アビエイター観たあとではピンときません。 このふたりをパッケージに使うほうが今では売れるでしょう。 ジョリーと ビリー・ボブ・ソーントンは実生活でも夫婦だったって、 んんん~やはり演技とは思えない濃さでした。 ジョン・キューザックがレストランでお目目パチクリする演技もあながち実話か(爆) 実はキューザックが私のタイプかもしれないと借りたのですが・・ この人見ようによったら顔が全然違う(一番似てるのはケビン・スピシー・・) どうもちょっと違ってました・・ でもこういうマヌケにお人よし風な顔は根本的に好きですが・・ お話は期待していなかったわりには面白かったです。 ラストがバカっぽい恋愛になったことを除いてはよろしいかと。 爆破予告は誰が電話かけたのかが気にはなりますが、 まあ謎のまんまでいいと思う。 前半からコメディなのですがちょっと笑えないシリアスさで、 元から飛行機が嫌いな私は絶対乗りたくないと思いました。 また違うんですよね。 シュミレーションの戦闘機とは違うんです。 民間機の交通整理をしているような管制塔ですからリアルなのです。 時給10万円もらってもやりたくないよぉ~と思いました(爆) 実際にこういうお仕事をされている人を尊敬しますよ。 コメディなのにリアルでしかも後半から「ゲーム」のような追い詰められる怖さもある。 飛行機墜落のパニックものよりある意味怖い映画かな・・ [DVD(字幕)] 7点(2005-12-23 16:17:13)(良:1票) 《改行有》

179.  SF/ボディ・スナッチャー 《ネタバレ》 最初あんまりゆったりしてるのでボーッと観ていたら、 わけがわからなくなり(笑)もう一度見直しました。 この映画わりと不親切なところがあるので、 1回で観ようとするなら真剣に見逃さないようにしないと・・ SFの宇宙からの侵略モノなんですが、 冒頭の見せ方が「宇宙戦争」じゃあないかと嬉しかった。 こちらもリメイクものなのですが、 元のオリジナルは次回観るとして・・ 登場人物が見慣れた人ばかり出ているのでまたこちらも嬉しい。 しかもひとめ見ればわかるという特徴のある顔、顔・・ SF映画の特徴的な顔ぶればかり集めたなぁ・・ 主役がキーファー・サザーランドの父ドナルド・サザーランドなのですが、 公衆衛生調査官の彼を中心に事件がおきてゆきます。 個人的に気をつけて観てほしいのは、 セラピストの女性ですね。 彼女は髪型や撮りかたによって気がつかないときもあるから・・ ある意味サスペンスなので飽きずに楽しめるし、 「エイリアン」的なホラーSFの要素もありますが、 口から気持ち悪いものが生まれたりはしないので、 ホラーの苦手な方にもお勧めできます。 宇宙植物が寄生し人体のコピーをとりのっとるストーリーは単純明快。 しかしこんな奇形も生まれてしまうのですよ(爆) さてどうしてこんな人面犬が生まれたのか・・ ハリーという男は広場でいつも犬と一緒にいるのです。 ちょこちょこ出てきますので見逃さないように・・ 私はこの人面犬の場面を何回も気に入って見て、 人と犬だったころの場面を探してまた大うけしたりしました。 このあと叫び声をあげるとコピー人間に人間だとわかるからこらえなければならない。 ここのくだりがおかしい! 人間とわかればゾンビのように追ってくるのですよ。 ここ気をつけて見てください。 叫び声の種類がありますから。 のっとりコピー人間は仲間を呼ぶとき叫びます。 人間の感情からの叫び声と違うのです。 ここが最後に繋がるうまい前ブレなのです。 ラストが秀悦で「お見事」と思えますから・・ 本当に特にSF映画って単純なストーリーをどれだけ面白く見せるかですよね。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-23 16:11:52)(良:1票) 《改行有》

180.  屋根の上のバイオリン弾き 《ネタバレ》 これは見ごたえがある作品です。 170分という長時間の映画にミュージカルとくれば普通飽きるのですが、 私はミュージカルが苦手なのにわりとついてゆけました。 史劇なら長くてもいいけどミュージカルなのになんで観れるんだろう? と、観ている途中で正直思ったくらいですから・・ 主役の父役のトポルがなぜ主演男優賞をもらえなかったのか(ノミネート) それが不思議に感じるくらい存在感あるいい演技をしています。 冒頭からこの映画の解説みたいなことをやってくれて、 しかも題名の屋根の上のバイオリン弾きの説明もしてくれちゃう。 語り部でもあり5人の娘の父であるこの映画の主役でもありますが、 まったくシリアスになりがちなテーマをコミカルに演じています。 まさにバイオリン弾きと共にいる道化のような役かもしれない。 扱うテーマは民族の宗教伝統であるし政治的な問題もあるのに、 テンポやセリフがミュージカルでもコメディの匂いがするから重くない。 後半も後半にはやはりユダヤ人は追われ放浪の旅に出るのですが、 その団体も私には暗く映らず、 しかしどこか哲学性を帯びた宿命に逆らわずとも自分たちを順応させ生きようとする、 諦めがほんの少しとそれ以上の見えない希望さえ感じました。 あがいても仕方がない悲観的な楽天さ・・ 「フルメタルジャケット」というキューブリックの戦争映画のラスト。 あの土手を笑いながら歌う兵士たちは氏の作品が苦手であるにもかかわらず、 私にとって一番わかりやすいキューブリック作品となったのです。 それと同じような感覚をこの映画のラストに感じました。 音楽が有名な「サンライズサンセット」ですが、 この映画の全編を担当しているのがジョン・ウィリアムズ。 旅情的で朴訥な音楽とミュージカルの抑揚のある歌。 ミュージカル映画は大袈裟な演出が多くてひいてしまうのですが、 この作品はシリアスでいて楽天的。 コメディなのにもの悲しい。 あくまで家庭を中心にしているのに湿っぽくない。 不思議なつかみ所のない映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-23 16:00:44)《改行有》

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