みんなのシネマレビュー |
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161. アマデウス ディレクターズカット 確かに彼は堕落した人間であるようだが、音楽という現在でも直に触れられる作品が残っている以上、その天才ぶりは疑い様が無い。本当に彼の残した作品は凄い。モーツァルトの有名作品の見せ場を繋ぎながら、彼の華やかでありつつ闇にも満ちた波乱万丈の人生を描いた映画は、さながらそれ自体が一つのオペラのよう。[DVD(字幕)] 8点(2006-08-09 15:24:40) 162. マイノリティ・リポート カメラが上下左右に動きまくるスピルバーグには珍しい攻撃的な意欲作。SFにしては分かりやすく適度にサスペンスしていて期待をはるかに超えていたと思いますよ。スピルバーグやトム・クルーズの映画が万人受けするのは、SFというマニアックなジャンルですらここまで素人にも分かりやすい映画にできるからこそだと思います。[地上波(吹替)] 8点(2006-08-06 04:49:53) 163. 駅馬車(1939) 1939年公開なんてどんなもんかねと半信半疑だったがなんと質の高い「ロードムービー」。同乗者達の心理描写の人間臭いこと、一方的なヒーローにはならないジョン・ウェイン。そして今のトレンディドラマのような恋愛まで絡めることをこの時代にやってしまっていたことが驚き。これが西部劇というものなんですねえ。[インターネット(字幕)] 8点(2006-05-19 18:14:45) 164. ある日どこかで ここまでストレートで清々しい純愛ラブロマンス映画は今時珍しい。これほど盲目的に異性を愛せたら素晴らしいと思いますよ。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-19 18:05:53)(良:1票) 165. イン・ハー・シューズ キャメロン・ディアスだしいつものお下品コメディだと思っていたのだが、ところがどっこい。シリアスな姉妹関係を描いた濃い映画だった。この手のシリアスドラマで奇を衒わないしっかりとしたドラマを見られたのは久々なような気がする。なおシリアスだが後味は悪くない。この作品とは方向性は違うが「ある日どこかで」のような清々しさを感じた。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-19 18:01:37) 166. ライアー ライアー 昔ドラえもんでありましたねえ「やっ、そっくり。親子じゃないかしら」ってヤツです。嘘も方便、弁護士ともなると尚更ですが、ジム・キャリーはこういう縛りコントやらせたら右に出るもの無し。好きな人はどうぞ。ところで嘘も方便社会の日本を舞台にしたほうが絶対面白いと思いますねコレ。三谷幸喜さんお願いしますよ。[DVD(字幕)] 8点(2006-05-14 21:08:19) 167. バグジー 禁酒法という史上最低の悪法の下でマフィアがアメリカを支配した時代というのは確かに存在した。その時代の謎の多さ、下克上、戦争の話は日本における戦国時代に対するような好奇心を抱かせる。その中でも「表」ではスターとして一般民衆からも支持を受けた「ラスベガスの父」ベンジャミン・シーゲルはその野心的で悲劇的な半生と愛情の話からもはや伝説的な存在である。交友が広く裏、表ともその時代のアメリカを代表する人物と交流があった彼の伝記からは「アメリカの一時代」を見ることが出来る。アメリカの大河ドラマ。ただしバグジーに関してのみではなく、マフィア全体に対する予備知識があるのと無いのでは評価は全く違ってくる[DVD(字幕)] 8点(2006-05-01 20:54:46) 168. 評決 《ネタバレ》 弁護士、医者、司教といった特権階級の人々の内面に光を当てた作品。個人の道徳に任せるしかないという絶望的な捉え方は変わらないが、主人公は自戒で立ち直り罪は裁かれるという「救い」にアメリカンニューシネマ時代の終焉が見える。シドニー・ルメットを中心としたこのような社会派ドラマ群は今となってはハリウッドの宝だ。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-05-01 20:24:54) 169. マーズ・アタック! 《ネタバレ》 観客に感情移入させておいた役者であってもあっさりと消していく潔さが爽快。確かに火星人にとってはそれが年寄りだろうとアネットベニングだろうとマイケルJフォックスだろうと大統領だろうと変わらないわけで、実際に侵略されればこうなるよなあと妙に納得してしまった。宇宙人侵略物は多々あるがこういう捉え方も自分の中ではアリだった。解決法はゴジラへのオマージュであり、あのX星人云々のくだらないと思っていた話も今思えば実は結構いい線いってたなと少しゴジラの「SF性」を見直してみた。[DVD(字幕)] 8点(2006-02-08 02:21:32)(良:1票) 170. スターリングラード(2001) 第二次大戦を描こうという意思は全く感じられない(そもそも描こうとしているなら英語は話さないはずだ)「戦争を借りただけのドラマ」なのだが、ストーリー自体は良くできている。ナチスの前には共産ロシアも西側になってしまう単純さが好きだ(残酷性も描いてはいるが)。どこまで実話なのか知らないがあまりに生暖かい人間ドラマにするなら、これくらい単純だが非情なドラマなくらいのほうが出来がよく見えるのかもしれない。ライフルによる戦略戦にも繋がるが主要人物の心理を読むのが面白い。狙撃という行為の残酷さと名スナイパーのかっこよさの描き分け方が巧。[ビデオ(字幕)] 8点(2006-01-31 21:34:25) 171. 仁義なき戦い 代理戦争 チンピラどもの実働だったこれまでとは違い近作は所謂「政治」が中心。こういう一つのテーマに偏った作りが出来るのはヒットするとわかっているシリーズモノの強みか。あくまでも中間であって勃発も決戦も無いのだが、何も回答がないからこそ味のある作品になっている。いや~決戦の足音がヒシヒシと聞こえてくる。そこへ至る盛り上げ方が上手いね。[DVD(邦画)] 8点(2006-01-11 11:12:06) 172. レオン(1994) 冷酷非情(なはずの)殺し屋が近所の女の子との本来あり得ない交流を経て人間性を獲得する過程のギャップを楽しませる映画。どうせ単なるドンパチ合戦の映画ならこういう付加ストーリーはあったほうがいいね。個人的にはレオンが見せた愛情は父性の物にしか見えなかったため拒絶反応のような物は無かった。どんなに批難されようがどんなに駄作になろうが、これは成長した木の下で成長して一流の殺し屋になったナタリー・ポートマンが佇むシーンから始まる続編を作ってほしい。レオンがそうなることを望まなかったとしてもね。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-29 00:53:14) 173. ショウタイム 特に大きな見所があるわけでもないバッドボーイズに高得点をつけたくらい刑事モノのアクションコメディは好きなのでデニーロとエディマーフィーが組んだとなるともう盲目的に見てしまう。大根役者を演じるデニーロがケッサクで、あまりにもいつもと違うためまるでやる気の無いように取られるのも仕方が無い所か。デニーロはマフィア映画は別として、普通のアクションやるならこういうアクションコメディのほうが生きてると思うけどなあ。この系統はオキマリになりがちだが二番煎じにならないようにTVショウを絡めたストーリーも退屈しなくて成功。もっとコメディコメディしても良かったけどね。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-25 14:52:43)(良:1票) 174. ダイ・ハード3 人気アクションシリーズ第3作だが原題にある復讐の名の通りストーリーが第一作の流れを受け継ぐものとなり、おざなりだった前作よりも力の入った力作とはなっているが、当作品の系譜を踏むスペクタクルアクションとして「スピード」という目玉が前年に公開され、もはや今更感が漂いその影に隠れる存在となってしまった。もちろん面白いが真面目な刑事モノ風と、作風が明らかに今までと違うためファンには入り込みにくい違和感がある。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-25 13:37:23) 175. アメリカン・パイ なんて正直な脚本だ。高校生男の妄想をそのまま映画化してしまったような感じ。ムラっと来た女子学生が突然おっぱじめそれを盗撮でネット中継なんて普通映画じゃ考えられん。はっきり言ってエロビデオの「サイドストーリー」を集めてしまったような話だが、あまりにも正直すぎて逆に異様にリアルでそれほど抵抗無く普通に見られる。騙されて見るべき映画。面白かったのがオープンな家族を明らかに勘違いしてるオヤジ、あんた息子を理解しすぎ。[地上波(字幕)] 8点(2005-12-13 03:15:21)(良:1票) 176. めぐり逢えたら さすがに作中で他のラブロマンス映画を異常なほどリスペクトするほどのラブロマンスマニアだけありすっきりと纏まった当たり障りの無いラブロマンス。メグライアンが浮気ストーカーなこともチビが性悪になるほど入れ込んでたことも運命の一言で片付けてしまう強引さが素敵だ。面白かろうとつまらなかろうと少なくとも気分を害することはないので、こういうデートで何を見ればいいのか迷ったカップルに鉄板の映画もあっていい。[DVD(字幕)] 8点(2005-12-09 07:46:43) 177. 仁義なき戦い 仁義無きを謳っているだけありゴッドファーザーのような「ファミリー」とは無縁、絆など皆無の「個人同士の」縄張り争いを延々と描く。権力や感情の所在を描く力が薄弱でそこで話をわかりにくくしていると思うが、実録とはそういうことなのだろう。ヤクザ組織というよりタランティーノのように組織をあえて薄く、個人に焦点を当て、このテの映画は映像的には面白くても評価的には大ハズレすることがあるが、さすがに実話が基だという説得力があるためドキュメンタリータッチで楽しめる。シリーズを通し抗争が全て理解できればこれ以上の点もこれ以下の点を有りうるが現状はここに留めておく。[DVD(邦画)] 8点(2005-12-07 05:16:57) 178. パルプ・フィクション クライム系話のオムニバスかと思いきや、時間軸をずらしながら見事に纏めた。タイトルで自ら認めるように本当にくだらない中身の無いクライムムービーなのだが、相変わらずのセリフの長さと多さを誇る主人公達の「駄弁り」で客を飽きさせない。聖書の言葉も便所の落書きと大して変わらんとでもいいたげな強烈な皮肉。人によっては嫌悪感を抱く映画であろうが、何も考えずに見ると、、、楽しい。相手にあえて撃たせてまた「奇跡」が起こるか試すようなラストも期待したが…[DVD(字幕)] 8点(2005-12-05 18:59:33) 179. スリーパーズ 殺しも含む復讐を許すのかどうかは問題になるが実話だったら仕方が無いか。デニーロ演じる神父のその後くらい描いてくれても良いと思うが。ストーリー自体はアメリカンニューシネマ系であり法廷モノであり人間ドラマでありクライムサスペンスであり刑務所モノでありギャングモノでもありといい所取りばかりでいろんな見方ができるし退屈しない。そしてデニーロ、ブラピ、ダスティン・ホフマン、ケビン・ベーコンら素晴らしい役者が揃っていて、そこで何とかストーリー上の矛盾や釈然としない(実話モノにありがちな)消化不良感をフォローしている。人によっては評価の分かれる映画だが、エンターテイメントとしては上作。[CS・衛星(字幕)] 8点(2005-12-03 14:11:10) 180. アナライズ・ミー 見る前にまずいままで見てきたデニーロという役者はどういう役者だったか完全に自分の中でイメージ化してから見ると倍楽しめる。普段の自分のイメージを逆手に取ったギャグが満載で、医者に向かって「Do I look like a guy who panics?」と凄んだり、逆にタクシードライバーの調子で「You're good」とやったり。とにかく前にデニーロを見ていればいるほど楽しめる。マフィア映画によくある「雰囲気で先の展開が読める」空気や、マフィア映画の典型的展開も利用しているので、マフィア映画が好きな人ほど良いでしょう。[DVD(字幕)] 8点(2005-11-30 18:14:49)
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