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161.  ヒトラー 最期の12日間 《ネタバレ》 第三帝国崩壊の最後を描き出した問題作。ヒトラーを「一人の人間」として描き出そうとして物議をかもしたというが、まさにその「俗」な側面も含めてきちんと描かれていたと思う。 ■負けゆくときに何を考え、どう行動するか。そこに人間性は現れるように思う。最後までヒトラーに従って死のうとするもの、無駄死にを避けようとするもの・・・タイトルとは裏腹にヒトラー以外の人物もよく描かれているので、そういうところは見どころであろう。 ■そういう意味では、やはり「日本のいちばん長い日」と比較しながら見てみたい作品であろう[DVD(字幕)] 8点(2011-07-09 00:02:35)《改行有》

162.  SOS北極.../赤いテント 《ネタバレ》 白い大地での壮絶な戦い、人間ドラマ。タイトルがえらく安っぽいのだが、中身は全く安っぽくない。 ■構成はトリッキーだが、内容は完全に正統派真っ向勝負で、極限状態での人間のエゴと心理をうまく描き出していると思う。そんなにノビレが責められるべき状況なのか(結果的にはテントの隊員は助かっているようだし)は謎だけど。 ■しかし、カットが切り替わるごとに揺れる画面、あれはよくない。自分のDVDだけかもしれないが。[DVD(字幕)] 8点(2011-06-02 00:18:36)《改行有》

163.  キック・アス 《ネタバレ》 レビューを見ていくと、前半を評価する人と後半を評価する人とに分かれていて興味深い。 ■前半というのは、通常のヒーローものへのアンチ的意味も込めて、凡庸ななにもすごくない主人公がヒーローになろうとする(そしてなれない)物語を描いている。ギャングに返り討ちにされたり、一生懸命練習したりと、妄想で「自分もヒーローになれたら」というような甘い夢を見事に打ち砕く現実的な展開だ。 ■他方の後半は、基本的にバイオレンス(アクション、とはあえて言わない)満載で幼女がスカッと大活躍するPVがベースになる。もちろん父との死別等、物語として見ても重要な部分もあるが、基本的には派手でスピーディーなアクションを見せている。 ■前半の流れで行くと、後半はご都合主義的にすぎるし、結局「超人的ヒーロー(ヒロイン)が敵をなぎ倒す」というのでは前半の流れが意味がなくなってしまうというのはその通りだと思う。ミンディも様々なものを捨て、死ぬほど過酷な訓練を積み重ねて超人的になっているのだろうから、そこをもっと描き出してもよかった気がする。 ■とはいえ、通常のヒーローものをひっくり返すような展開と、べたつかないバイオレンス×幼女というすごい展開が見れるので、十分当たりだと思うが。[DVD(字幕)] 8点(2011-05-19 00:41:10)(良:1票) 《改行有》

164.   《ネタバレ》 フェリーニ作品としてはわかりやすい。因果応報、道徳と人間性といった問題が凝縮されているように感じた。 ■詐欺師どもは貧乏人を狙ってなけなしの金を騙し取る。非道な者どもであり、仲間の一人は妻から見はなされそうになる。悪の道に進むと、通常の人が抱くような愛や信用といった純朴な心とは無縁な世界を歩まなければいけないのだ。それは主人公自身が何よりも自覚しているはずだった。 ■だが主人公にも娘がいた。面倒をみたいと思っているのだが、あろうことか娘の目の前で警察に逮捕される。そして次の仕事で狙った相手の半身不随の娘との会話で胸を打たれる。あの娘の健気さとまっすぐさは見ていても素晴らしく伝わってくる。 ■悔悛したいと思うが、結局出来ない主人公はそのまま崖に突き落とされ、這いあがれずに死んでいく。最後に体から金が出てきたのは「善良になりたいと思っているけど、儲かる悪事を止められない」という主人公の心の矛盾した側面を表しているのだろう。コートを捨ててふっ切ったピカソとの対比が印象的。[DVD(字幕)] 8点(2011-04-24 00:24:06)《改行有》

165.  英国王のスピーチ 《ネタバレ》 アカデミー賞作品賞受賞作ということで、最近のアカデミー賞は微妙なのが多いという不安も抱えつつ見に行った。だが、そうした不安は解消してくれるいい出来栄えで、また中身がきちんとある映画だった。 ■ストーリーは「吃音という障害を抱えながら、国民に語りかけるという役割を負う国王にならざるを得なかった男の話」という言ってしまえばありがちな感じなのだが、しかし作品中では「吃音の克服」に対してはさして描写は割かれていないのはポイントだろう。結局「幼少期のトラウマ」が「吃音」という形で表れているわけで、本作では「吃音の克服」は同時に「過去の克服」でもある。さまざまなしがらみや人間関係を乗り越えていくところにこそ、「努力」は現れている。 ■そして、「国王」という仕事が、自らの望むと望まざるとに関わらず、さらにいえば向き不向きにもかかわらず、家系によって強制的に「させられる」仕事であるというのは相当なことなんだなぁと見ていて思う。普通ならば話すのが苦手なら話さなくていい仕事を選ぶしそうすべき(ローグも最初そう言っていた)。しかしジョージ6世は選べない立場なのである。冒頭のスピーチは本当に苦境だったであろう。 だが、他方で兄がその立場を蹴って女を選び、王位を降りたという事実も忘れてはならない。本作では兄は迷惑な存在というポジションで描かれているが、彼の行動の方がよほど「一般市民」に近いし、またそうなりたがるのは納得できるところである。運命を受け入れてその中でもがくか、運命自体をどれだけ批判されようとも打ち破りに行くか、そういう対比でもあろう。 ■ここのレビューでは、カメラワークの凡庸さが批判されているようだが、ハリウッドではない、ヨーロッパの作品はこういう静かな映しが多いと思う。むしろ、ローグの診療所での練習シーンでの壁へのズーム&アウトや、卑猥な用語を連発するときに突如ジョージ6世の周りを回転するように映し出す方法は、カメラの写しの軽重とジョージ6世の心情のレベルとをうまくリンクさせていて、なかなか面白い手法だと思った。[DVD(字幕)] 8点(2011-03-19 00:58:02)(良:1票) 《改行有》

166.  ココシリ 《ネタバレ》 チベットの密猟者とそれを追う山岳パトロール隊を描いた秀作。実話ベースと言うだけあってリアルで、また自然の残酷さも容赦なく映し出されている。 ■やはり流砂に飲まれるシーンと、凍死した仲間から即座に荷物を奪い取るシーンは圧巻。なんといっても「リアルな怖さ」がある。そして、報われないラストもまた悲壮感をあぶりだしている。 ■ただ、逆に個々人の心情描写があまりに薄いので、入り込めなかったのも事実。なぜあそこまで密猟者を追うのか。なぜ密漁せざるを得ないような状況にまで追い込まれたのか。そういう描写が全然ないので、自然の残酷さだけが伝わってくる作品になってしまった。[DVD(字幕)] 8点(2011-03-11 00:59:43)《改行有》

167.  イースト/ウエスト 遥かなる祖国 《ネタバレ》 第二次大戦後、ソ連への帰還を果たした亡命夫婦とその子供。だが、ソ連での状況はフランスでのそれよりはるかに悲惨だった。。。 ■アレクセイとマリーの仲は途中で破綻寸前のようになる。だが、最後の展開や途中でのスパイを巻く行動を見ると、アレクセイの行動はすべて計算ずくだったのではないかとさえ思えてくる。そうだとすると、自らのことを最愛の妻に嫌わせてまで、妻を守ろうとし、そして自らは去らないというこの悲劇的決断を下したアレクセイには同情を禁じ得ない。 ■こういってしまうとマリーの軽率さが目立つような気もするが、マリーの行動の方こそ恐らく観客には近く、またカメラもマリー目線である。これはそういう理由もあるだろう。 ■愛というもの、信じるということ、を考えさせられる秀作[DVD(字幕)] 8点(2011-03-10 01:11:12)《改行有》

168.  アンダーグラウンド(1995) 《ネタバレ》 他のレビュワーの評価を見ると、10~8点に多くの人が付ける一方で、5~0点という低評価も一定数の人がつけている。要するに非常に好みが分かれるであろう作品。 ■とにかく第二次大戦から90年代までのユーゴスラビア史を一本の映画でやろうという無謀な試みなのだから長い、とにかく長い。そして、にもかかわらずあのよくわからないテンションが続く。つまらないわけでは決してないのだが、なんか引き込まれるのとは別の意味で疲れるタイプの映画。 ■この手のコメディにはあまり強くないので、半端なく重くなるのは承知で、悲壮な地下生活と、嘘だと知った時の衝撃・絶望・怒りみたいなものを描いてくれた方が個人的にはよかった(「オールド・ボーイ」みたいな感じ)。映画撮っているところに出てくるとか、どういう奇跡的偶然ですか、だし。とはいえ「閉じ込めた人々」と「閉じ込められた人々」とが心理的には逆の状態になっている(地下の人々が生き生きして、閉じ込めた側が苦しんでいる)のは非常に興味深かったが。[ビデオ(字幕)] 8点(2011-02-22 01:50:43)《改行有》

169.  ぼくは怖くない 《ネタバレ》 ストーリーそのものは極めて予想できるものにもかかわらず、心に響いてくるタイプの作品。「囚われた子供」というミステリー性はあまり生かされていないが、その「非日常性」は利いてきているように思う。 ■「なぜあの子は閉じ込められているのか」については、ミケーレが夜に考えていたようなストーリー(映画「鬼畜」や劇場版「TRICK」とかそんな感じ)の方が面白いと思う。そこら辺はちょっともったいない気も。実際、設定が「誘拐」であることのメリットはほとんど利いてないわけで、だとしたら「村における秘密の掟or差別的偏見」みたいな方が。 ■この映画を「大人」と「子供」と切っている人は多いけど、それは必ずしも当たっていないと思う。例えば、子供たちの中でも「罰ゲーム」と称して女の子を脱がせようとしたり、落ちたら大怪我しそうな梁の上を歩かせたりはしているわけだし、ミケーレも秘密を話した友人にあっさり裏切られる。しかも裏切った理由は「車を運転してみたいから」というしょうもない動機。 ■だからこの村は「強いものがのさばる社会/正直者がばかを見る社会」であり、子供たちはまたその縮図の中にいると見た方がいいだろう。そしてミケーレの父はまさにその中における「負け組」に位置している。くじ引きにおける二度の「負けを引く」という演出が彼の「運の悪さ=負け」を象徴している。両親は負けたレースにおいて損な役回りをさせられ、結局犯罪に転落して社会からもはじかれる存在になっていく。そしてそれはミケーレ自身も引き継いでおり、だから母は「村から出ろ」というのであろう。[DVD(字幕)] 8点(2011-02-18 01:35:10)《改行有》

170.  ぼくのエリ/200歳の少女 《ネタバレ》 私はキリスト教におけるヴァンパイアの位置付けとか、ヴァンパイアの性質とかはあまりよく知らないので、細かな描写がどうなのかはイマイチわからない。それにヴァンパイアものは初めてなのでどうなのか不安になりながら見たが、予想以上に面白かった。 ■カテゴリとしてはヴァンパイアもの=ホラーではあるが、グロ描写満載で覚えさせるような作品ではなく、むしろある種の芸術性を強く感じさせられる。雪の白、闇の黒、血の赤、この三色がうまくコントラストをなしている。乾いた描写とエリ役のもつ美しさと同時の不安感(不気味さ)が非常にうまい。残虐なシーンを巧妙な構図とカットによって直接的にではなく心に響くようにしている。 ■それぞれがそれぞれの悲しさを含意している物語の展開も深い。いじめられっ子のオスカーは「支えてくれる人」と「強さ」を求める。だが「強さ」はプールのところで自分へと跳ね返ってきて、それは「自らの強さ」によってではなくエリによって救済される。 他方のエリは「理解者」を求める。だが、プールの惨劇のみが本質的に「グロい」シーンになっているところが、エリによるオスカーの救済が、同時にオスカーに自らの完全な「理解者」になってもらう道を閉ざしているようにも思える。エリはオスカーの補完者であり理想像でもある。ある意味で「ファイト・クラブ」を彷彿させられるような。。。 ■邦題のひどさ(笑)はひとまず置いておきましょう。[DVD(字幕)] 8点(2011-02-11 01:04:18)《改行有》

171.  愛してる、愛してない...(2002) 《ネタバレ》 これは巧い。ラブストーリーは全然見ないし苦手な自分でも非常に楽しませてもらえた。 ■なんといってもカギなのはオドレイ・トトゥの純粋そうな目だと思う。前半はあの報われない展開とけなげさ(?)によって完全に引き込まれた。それを一転させる後半のあの展開は衝撃的。なんか歪んでるなぁと思っていたがまさかああいうことになっているとは! ■こういうフランス発ラブストーリーは「アパートメント」で見た感じだけど、こっちの方がわかりやすい。あっちは後半を異常な視点から描くのに対し、こっちは後半を正常な視点から描いているのが差かな。しかしすべて謎が解けてみるとあのお医者さんはかわいそうすぎる。。。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-15 23:30:46)《改行有》

172.  レポゼッション・メン 《ネタバレ》 この主人公、考えてみるとそうとう好き勝手しているというか、まあジュード・ロウは勝手に埋め込まれたといってもいい展開(業務上の事故だから普通は会社が補償するものだろあれは)だからいいけど、女の方は完全なる踏み倒しなわけで。 ■後半がいかにも都合のいい流れなのは、ラストのブラジル的な展開によってまあ許容はされるのだが、そうするとラストで昇華させた「自らの体を傷つけてでも臓器をレポする」という行動の意味が薄れてしまう気はした。 ■まあラストまでは普通のB級アクション映画でした。はい。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-12 23:28:05)《改行有》

173.  風が吹くとき 《ネタバレ》 主題は「核の恐ろしさ」なんだろうが、個人的にはむしろ「無知・不勉強の恐ろしさ」の方を強く感じた。 ■はっきりいって、前半の夫婦のやりとりはギャグにしか見えなかった。扉外してシェルターとか作っている段階であれは「秘密基地ごっこ」と同一地平。あれは「無垢」というよりは「無知」でしかない。もっとも、「アトミック・カフェ」などを見ると、こういうのが案外普通に信じている人が多いのかもしれないが。 ■そして被爆地にとどまり続け、結局放射線障害で死ぬ(のだろう)。ほのぼのした彼らの生活はしかし、恐ろしいというよりも無頓着という印象がぬぐえない。無知であることは時に自らの命をも奪う。「目で見ればわかる」というのは近代以前であり、現在は科学も発達し見えないところにも悪魔は潜んでいるようになった。そうした悪魔は「無学」の頭に住み込んで彼らを内から蝕んで殺す。我々には無知でいる権利はない。[DVD(字幕)] 8点(2010-12-07 23:58:56)《改行有》

174.  ひまわり(1970) 《ネタバレ》 TSUTAYAの名作コーナーに置かれていたので、普段はあまりそういうのは借りないのだが鑑賞してみた。結果、予想よりもかなりいい作品だった。壮大な音楽と、冒頭、中盤、最後で現れる一面のひまわりは、見ているだけで何かを感じさせられる。 ■展開は男女が戦争で生き別れ、再会できたものの相手はすでに別の生活を築いており、もう元には戻れない、というオーソドックスなもの。だが、それを正面から訴えてくる本作は、最近の過度な装飾の作品とは異なり、心を揺さぶるものがある。 ■あのような展開をたどるのだったら、ひまわりの畑の下にアントニオが眠っていた方がどれほどよかったものか。ジョバンナもきっとそう思っていたに違いない。生きていたのに、やっと再開できたのに、一度運命に引き裂かれてしまった糸はもう紡ぎなおすことはできない。それは死んで別れてしまうより辛い。[DVD(字幕)] 8点(2010-11-23 00:07:23)《改行有》

175.  ダブルタップ 《ネタバレ》 そんなに期待してはいなかったが予想外に面白かった。アクションベースだけど心理描写とかも結構巧みで、そうしたいろんな要素をコンパクトにまとめていると思う。 ■まず銃の扱いがリアル。射撃をベースにしているので、凡庸なアクション映画に見られる実際にはあり得ないような銃裁きは誰もしない。構えや動きがリアルさを漂わせているので、銃撃戦なんかもすごく「ありそう」な感じがする。 ■そして心理描写。アクション映画ではとかく簡単に人を殺すし、悪人を殺すのはよいのだと簡単に信じ切って行動している。だが実際の警官は大半は一度も銃を使わずに職を全うするのだし、実際人を殺すというのはすごい心理的圧力を受ける。ガンチャンピオンがサイコキラーになるまでの心理変化、それを追い詰めに行くもう一人のチャンピオンの刑事の心理変化がすごくリアリティをもって迫っている。[DVD(字幕)] 8点(2010-11-07 01:14:45)(良:1票) 《改行有》

176.  96時間 《ネタバレ》 ストーリーは極めて単純ながら、前半のわずかな娘との間の展開で完璧に父親に感情移入させ、あのご都合主義極まりない展開を不思議と説得力ある形にさせている。90分という短い時間にアクションのおいしいところをぐっと濃縮し、無駄をそぎ落としてまとめあげたいい感じの映画。アクション好きなら見逃せない一本。 ■途中で一旦捕まった後、殺される直前でつるしてあるパイプを追ってどうにかするのだが、あれはいくらなんでも無理でしょというか運良すぎでしょと思う。ほかのご都合主義は何か目がつぶれる感じだが、あそこだけは・・・ ■皆がセガールを彷彿させるのも納得の強さと展開。けど、セガールよりは圧倒的に「よきパパ」と「必死さ」と「娘への愛」がつたわってくるのですんなり入り込める。 ■しかし旧友の汚職警官が「ジャン=クロード」って・・・こういう映画見たら「ヴァン・ダム」しか思い浮かばないでしょ(笑[DVD(字幕)] 8点(2010-10-30 00:03:21)《改行有》

177.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 人間に潜む「悪」というものをここまで見せつけてくる作品は久しぶりに見た。アメコミを超えた、というキャッチコピーの意味は中盤まではわからなかったが、ラストでそういうことかと思わされた。 ■ジョーカーは完璧なまでの悪。それはただ単に残忍な悪事を彼が良心の呵責もなく犯すというそれだけではなく、彼は人々が信じていたい自分の心の中の善と希望をも破壊しつくそうとする。それがすなわちあそこまで高潔だったデントの転落である。正しく生きている「がゆえに」どんどんと不幸になっていくという究極の不条理の中において、彼はついに悪へとなびく。各レビュワーさんはこの辺についてさまざまな映画を思い起こしているようだが、自分の場合は「セブン」のラストを思い起こした。 ■だが、ある意味で彼以上の正義感を持つバットマンは、さらに辛い選択を取る。彼はまったく報われることもなく、誰からも評価されない、しかし人々のためにはなっている道を選び、自ら汚名を被る。「報われない、認められない正義」ほど、これまでの作品において描かれてこなかったものはないだろう。悲劇的な最期を遂げたとしても、「評価される」ことがほとんどだったからだ。わずかに「隣人は静かに笑う」のような例外はあるにしても、こういう展開は、しかも巻き込まれたのではなく自ら選びとるというのは、極めて重い。 ■ラスト前後のストーリーの重さは非常によかったのだが、前半がよくわからない展開(これはバットマンシリーズを見ていないからかもだが)なのと、全体に暗くてアクションシーンが特に何をしているのかよく見えないのとが大きくマイナス。夜しか出れないヒーローとはいえ残念。[DVD(字幕)] 8点(2010-10-28 00:19:38)《改行有》

178.  アイガー北壁 《ネタバレ》 見ていて思わず手に汗を握ってしまう、そして見ているだけで凍えてしまう、そんなリアルな山岳描写。前半の冗長さ(しかも後半にあまり生きていない。ロマンスにするならきっちり描かないと)はよくないが、後半は一転して一秒たりとも見逃せない展開。 ■しかし命がけで登っているのを悠々ホテルから見る人々ってのは、ホントにショー感覚なんだろうな。(「カイジ」もだが)「ひとりぼっちの青春」の生き残りゲームを彷彿させられた。見ている人々の残酷さは相当である。しかも彼らはそれに気づいていないのだから尚更。救命隊もまともに救いに行く気もなく「遺体が回収できればよい」のだろう。 ■腕が凍るシーンやラストの宙釣りなどは見ていられない。痛さが伝わってくる。背筋が凍るというか、一瞬で不意打ちではなく、じわじわくる感じの恐怖。夏場に見るべき。このシーズン(10月下旬)に見たのは若干失敗。 ■ともかく撮影は相当大変だっただろうなぁ。お疲れさまでした[DVD(字幕)] 8点(2010-10-27 18:33:09)(良:1票) 《改行有》

179.  善き人のためのソナタ 《ネタバレ》 淡々としていながら、どこか人の心に響いてくる作品がある。ヴィースラーの触れたのもそうしたものだったのだろう。彼は盗聴により初めて「人」に触れた。彼は電波を通じてしか聞こえてこないグロスマンらの生きざまに共感し、心を動かされていく。 ■彼は誰に評価されることもないが、まさに「グロスマン・クリスタを助けたい」がために虚偽の報告を繰り返し、最終的には不遇の地位に追いやられる。最後まで報われることはないが、しかし彼は「善き人」になれた。ドイツ統一後も日陰に追いやられ、ラストで「これは僕のための本だから」というのはそういうことなのではないだろうか。 ■クリスタはああやってみてしまうと夫を売った悪人にも見えるが、あれが「生きるために誰もが取っていたこと」であったのだろう。共産主義体制は「人が人として生きられなくしてしまう」そういう状況であったのだ、この映画はそう訴えている。[DVD(字幕)] 8点(2010-10-17 01:36:31)《改行有》

180.  マスク(1984) 《ネタバレ》 障害者ものはあまり好きではないのだが、本作では障害をメインに出さず、むしろ好き勝手しているが息子のことを思っている母親との葛藤を描いた部分の方が大きくなっているところが特色だと思う。あのような病気を抱えながらも常に前向きに生き続ける(ただ「希望を見て、優しい人」とかじゃなく、本当に普通の青年のように遊んでいる)のが極めて印象的だ。 ■しかし、彼を根本的に受け入れてくれるのが、ある意味「不良的な仲間」になってしまっているというのは皮肉だろう。世間的には「まっとう」とされている人々ほど、実は上っ面でしか人を見ておらず、単なる外見でロッキーを蔑み、他方「不良・アウトロー」な人々の方が、外見ではなくその心で人を見ようとしている。 ■けど、ラスト直前の展開は悲しい。好きな子とは遠く離れることとなり、ヨーロッパ旅行はなくなってしまう。学校は再び居場所がない。すべての歯車が悪い方向にかみ合い「生きたい」気持ちが失われたことが、彼の最後を引き寄せてしまったのだろう。 ■ところで、彼女は目が見えたとしても、果たして彼のことを受け入れてくれただろうか。。。。。。[DVD(字幕)] 8点(2010-10-11 22:20:21)(良:1票) 《改行有》

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