みんなのシネマレビュー |
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1782. 殴られる男 《ネタバレ》 真相を知ったトロが吐き出したマウスピースを口に戻そうとして力尽きる姿にジーンときました。目の当たりにしたエディは金に転んだ自身を恥じたのだろうか、何を思ったのだろうか。ニックの寄生虫ぶりに上がり続けた不快指数がマックスに達した時にエディも袂を分かつ。そこからエンディングまでエディとトロの無事を握り拳で祈り続けました。ラストショットのタイプの文面の日本語訳に「えっ? 何で?」観直して誤訳を確認しました。特筆ものの失態です。遺作に相応しいボギーの持ち味溢れる姿に見惚れ、神経を逆なでされ続けたロッド・スタイガーの熱演に釘づけになった逸品。[DVD(字幕)] 9点(2018-06-23 22:13:41) 1783. 戦争のはらわた 血まみれサムの異名通りの戦闘描写を観ているうちにどうした訳か眠くなってしまいそのままリタイアする事4回。ジェームズ・メイソン出演作なのでこのままじゃアカンという事で私的禁じ手のネタバレ起承転結を読んでから鑑賞し5日目にしてようやく完走できました。あ~、しんどい。シュトランスキー大尉のキャラやシュタイナーが「全ての将校が嫌いだ」と大佐に言い放つのに監督の私怨が重なって見えました。ストーリーは戦況も作戦も戦術もなく「攻めてきたぞ~」「迎え撃て~」(インディアンの襲撃のよう)の繰り返しであり、これでもかのスローモーション映像が退屈。ジェームズ・メイソン演ずるブラント大佐の人物像も何の魅力も感じず。かなり面白くない作品でした。シュトランスキーがトリービックに「彼(ブラント)の声の調子が嫌だ」と吐き捨てるのに、何ちゅうこと言うんや(怒)、もしかして監督もそう思ってるのかなぁ(笑)すごく印象に残るシーンでした。[DVD(字幕)] 3点(2018-06-20 14:20:20) 1784. 謀議<TVM> 《ネタバレ》 1942年1月20日にヴァンゼー湖畔の邸宅(元はユダヤ人宅)にて開催されたヴァンゼー会議の模様が描かれた作品。党・内閣・省庁・国務事務・治安機関・占領地責任者・親衛隊の15名の出席者の内13名が知らされていなかった議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」議長ハイドリヒと腹心アイヒマンの中では方針及び方策は決定済みであり、本件の権限を親衛隊に集約させる事も含めて全会一致の可決に向かって会議を進めてゆく。各々の立場から出される意見はユダヤ人を人間と思っておらず、口蹄疫の対策会議のよう。とりわけ印象深いのが激しく反対したニュールンベルグ法作成者のシュトゥッカートの「抹殺は法にもとるもので強制去勢で種を絶やせ、その際の混血におけるユダヤ人の定義を明確に」コリン・ファースの熱演もあいまって腸が煮えくり返った。人間が持ち合わせている感情から反対したクリツィンガーとて度合いが少ないものの鬼畜に変わりない。 他作品でゲスの権化だったハイドリヒは物腰は柔らかいものの発言の封殺や個別の恫喝で着地点に向かって突っ走り、アイヒマンは執事のように物静かにハイドリヒを補佐する。「白い巨塔」の教授会を見ているようだった。 後片付けする邸宅の使用人達も無邪気に雪合戦をして主人を待つ運転手達もヨーロッパ各地のユダヤ人達も謀議の内容を知るはずもない事が何ともやるせない。アイヒマンによって破棄された会議資料の内、戦後発見された№16のコピーの所有者はクリツィンガーだったのだろうか。 ほぼ全編に亘る室内会話劇は緊張が途切れない見応え満点の秀作。[DVD(字幕)] 8点(2018-06-18 15:38:53)(良:2票) 《改行有》 1785. バグダッドの盗賊(1940) 1940年製作のイギリス映画での映像美は、映画の旧称が活動写真と言われたのを思い起こさせる動く写真の魔力をまざまざと見せつけられるもので心底惚れ惚れしました。孫が小学生になったら是非とも一緒に観たい、それまで自分が元気でいなければ、その為にすべき事をし、してはならない事をしないようにしなければと痛感させられた作品。[DVD(字幕)] 9点(2018-06-17 20:40:09)(良:1票) 1786. 脱走特急 《ネタバレ》 一瞬も目が離せないスリル満点の物語でフランク・シナトラ、トレヴァー・ハワード、ウォルフガング・プライス、オリアリ大尉、コンスタンゾ大尉それぞれ味わい深いキャラクー達が輝いていました。とある所でライアン大佐が死ぬ事を知ってしまった上での鑑賞が何とも残念ですが、最後の一歩が踏めなかった全力疾走に鳥肌が立ち、ラストの台詞に涙が止まりませんでした。脚本・演出・撮影共に一級品で「大列車作戦」と並び称される傑作。[DVD(字幕)] 9点(2018-06-16 23:01:31) 1787. トコリの橋 《ネタバレ》 二人の息子が戦死して妻と息子の嫁の精神と一家が崩壊した提督、出撃前夜のブルーベイカー大尉の怯え、もうダメかもわからないけど何とか助からないものかとの願いが叶わない大尉の最期、ラストショットの提督。反戦を強く感じる作品。発艦、帰艦、空中戦の特筆もののリアルさに命を懸けて他人の命を奪う仕事の無情さを味わう。重厚なフレデリック・マーチ、精悍なウィリアム・ホールデンにそぐわない珍妙な日本描写が残念。[DVD(字幕)] 7点(2018-06-16 22:07:07) 1788. 銃撃犯 発見された多数の射殺体の中で唯一の生存者であるアランが、身代金目的の誘拐事件被害者ウィリアムスの行方を追う警察の聴取に答える形で進む物語。 8年ぶりに会いに来た腹部に銃弾を受けている息子ダニーからの、自分が死んで妹の心臓移植のドナーになる。代わりに誤って殺してしまったウィリアムスの替え玉になってくれ。金を受け取ったらボスは人質は殺すだろうからその時は死んでくれとの申し出を、愛する娘の為に、そして過去のダニーへの非道な仕打ちの罪滅ぼしにと受け入れる。 ダニーのコロコロ変わる作り話に何が真実なのか分からずにたどり着いた結末に、どんな親でも親に違いなく、どんな子供でも子供に違いない血の繋がりを思わされる。 こういう父親像を何度か演じてはまり役であるジョン・ハートは今作でも今になってそんなに苦しむという事を当時は分からんかったんやねというアランを好演して存在感を示している。 キャリー=アン・モス演じるリーが中途半端な悪役で盛り上がらなかったのが駄目な邦題と共に残念なところ。[DVD(字幕)] 7点(2018-06-15 00:33:09)《改行有》 1789. 三十九夜 事件に巻き込まれた男が追われながらも追う展開がテンポ良く進み片時も目が離せない。男ハネイに今一つ深みがないのが物足りないものの、瑞々しいロバート・ドーナットの熱演が光る。「そういうことか!」と驚くと共に「それ、ペラペラ口にするか?」という真相が印象深い。秀作に対する邦題のセンスの無さに呆れる。[DVD(字幕)] 7点(2018-06-11 03:32:31) 1790. グレンとグレンダ 服装倒錯者に理解をというテーマは当時として衝撃的だったのだろうか。何でもかんでも語っちゃうナレーションと何しに出てきたん?のベラ・ルゴシ。下手くそな見せ方がもうね・・・アホらしさと眠気に耐える苦痛のひと時だった。[DVD(字幕)] 1点(2018-06-10 13:40:30) 1791. 天国から来たチャンピオン 苦手なウォーレン・ベイティ故にスルーしてきた本作。ジェームズ・メイソン目当てに鑑賞。役柄としてのみならず、俳優としてもキャストの演技を見守っている感のあるジェームズ・メイソンの極々静かな佇まいの中にある圧倒的な存在感に只々見惚れるばかり。自然と皆も入魂の演技を見せるのか、爽快で(ウォーレン・ベイティ)、クスッとさせられ(ダイアン・キャノン&チャールズ・グローディン)、ほろ苦く(ジャック・ウォーデン)て切なく(ジュリー・クリスティ)もあるお伽噺が胸に沁み入る珠玉の逸品。[DVD(字幕)] 9点(2018-06-10 00:07:03) 1792. 世にも怪奇な物語 1話目2点、2話目1点、3話目0点 共通して物語がつまらないが、前2話は観るに耐えるものだった。 我慢ならなかったフェリーニのゲー術臭が、つまんない物語をクソつまんないシロモノへと昇華させている。[DVD(字幕)] 1点(2018-06-09 17:19:42)《改行有》 1793. ピグマリオン 「決然とした眼差し」というとジョン・ギールグッドに次いで思い浮かぶのがウェンディ・ヒラー。26歳時の本作でもその片鱗が見て取れ、加えて瑞々しい美しさに見惚れる。ヒギンス教授の他人は全て愚かであるとする言動に嫌気がさし、二人の仄かなロマンスにも感じ入るものがなかったのが残念。[DVD(字幕)] 7点(2018-06-08 16:42:42) 1794. プラン9・フロム・アウター・スペース 《ネタバレ》 「エド・ウッド」鑑賞済み。監督の亡きベラ・ルゴシへの愛は感じるものの、引っ張り出してきた資料映像のベラ・ルゴシには魅力を感じられない。幼稚で滅茶苦茶な脚本、哀れみを誘うジョージ・スティールの姿、ボールベアリング円盤に代表される薄ら寒いセット。映画への愛情は今作では独り善がりなもので生み出された作品は見るも無残なものだった。こんなので金を得ようとした事に不快さもさることながら残念さで一杯。[DVD(字幕)] 0点(2018-06-08 14:18:03) 1795. 四枚の羽根(1939) 《ネタバレ》 代々軍人の家系で父親が将軍であるハリーは詩を愛する少年。成長して否応なく入隊したものの出征の段になって婚約者エスネを思い除隊する。 周りの非難の中で従軍した親友三人から卑怯者の証である白い羽根を送られ、エスネまでも彼に白い羽根を。 借りを返す一念からアラブ人に化け(その際額に焼きゴテをあてられるのに耐える)一敗地に塗れた三人の命を救い、ハルツーム奪還に貢献する。その常人を遥かに上回る勇敢さは製作年から戦意高揚を思わされると共に良心的兵役拒否について考えさせられた。 何度も泣かされてしまったのがラルフ・リチャードソン演ずるジョン・ダランス大尉。 失明し全滅して誰もいない砂漠で自殺をはかる姿に。思いを寄せるエスネの名を口にする姿に。自分の命を救ってくれたのがハリーだったと知った際にエスネに宛てた手紙に。 言いがかりの類だけど、ラストでのハリーの額に傷痕一つ無いのはいかがなものか。彼の生き様の証なのに。-1点。 砂漠での大迫力の戦闘シーンが人間ドラマに花を添える力作。[DVD(字幕)] 8点(2018-06-07 00:27:52)《改行有》 1796. シーラ号の謎 《ネタバレ》 クリントンが誰がシーラを轢き殺したのかを知る事無く殺されるまでも見応えがありましたが、ここからがお楽しみの始まりだったのです。極上の脚本が、同姓同名の方かと思ったらアンソニー・パーキンスその人によるものだというのに心底仰天。南仏のロケーション、ケン・アダムによるシーラ号内装が実にゴージャスであり、ムービースターが一層輝いて見えため息が出まくり。お目当てジェームズ・メイソンには大満足!登場シーンで伏線の一つになっていた膝に乗せた幼女に向ける「ロリータ」以上に怪しさが漂っていた視線、リチャード・ベンジャミンとのラスト30分近くに亘る謎解きでの優雅な語り口、分が悪そうで手に汗握った決闘模様、アンソニー・パーキンスの皮肉が籠っているような意外な幕引きでの腹黒さが滲み出ている姿。変幻自在な演技に惚れ惚れするばかりでした。ジェームズ・メイソンのファンの方(いらっしゃれば)には勿論の事そうでない方にもお薦めの作品です。[DVD(字幕)] 8点(2018-06-04 12:30:57) 1797. 六番目の幸福 気の強さに鼻白む事があるイングリッド・バーグマンですが、本作での強さは何があっても信念を曲げず自分で困難な道を進む勇敢さと他者への思いやりも持ち合わせるものでひれ伏しました。ジェナイにとっての6番目の幸福とは逃げ出さない事に思えます。そんな彼女にジワジワと惹かれてゆくリン大佐の心模様もさることながら、滋味深い県長が絶品で彼女との別れのシーンでの万感胸に迫る姿に涙が溢れました。作品公開を待たず53歳で他界したロバート・ドーナットのラストパフォーマンスをこの先忘れる事はないでしょう。[DVD(字幕)] 8点(2018-06-03 00:33:35)(良:1票) 1798. 喝采の陰で アル中(アル・パチーノ中毒)の私が、こういう役のパチーノは観たくないとスルーしてきた本作。五人の子供達(内、四人は妻の連れ子(内、父親が三人))の父親役として違和感はないものの、妻のキャラが犬畜生にも劣る産むだけ女だったのが致命的な平板な脚本のせいでパチーノならではの迸るような喜怒哀楽が観られず物足りない。特筆すべきは子供達。それぞれが情感豊かでとりわけ実子であるイーゴルにはホロリとさせられた。 若い頃に観ていたら「つまらん」と感じたに違いなくスルーして正解だった作品。[DVD(字幕)] 6点(2018-06-01 15:28:42)《改行有》 1799. 怪物の花嫁 『エド・ウッド』でのタコとジョージ・スティールの記憶が僅かに残る本作。起承転結がキチンとあり、怨念を糧に生きてきたマッドサイエンティストを演ずるベラ・ルゴシに惹きつけられた「なかなか面白い作品」で嬉しい驚きです。『海底二万哩』の巨額の費用をかけ28人がかりで操作したイカと本作のタコ。ビジュアルでは天地の差があるものの映画に対する愛情の大きさは一緒だと感じました。[DVD(字幕)] 7点(2018-05-30 16:41:44) 1800. マッケンナの黄金 地球の原風景のような峡谷に目を奪われます。『インディ・ジョーンズ』と『黄金』を合わせたような物語。テンポが悪くイライラするところもありましたが、グレゴリー・ペックとオマー・シャリフの絡みを楽しく観ることが出来ました。本作のエドワード・G・ロビンソンはキャリアの終焉が近い事を感じさせられる物悲しいものがあり見たくなかった姿です。[DVD(字幕)] 6点(2018-05-30 16:10:40)
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