みんなのシネマレビュー |
|
1961. 蝿の王 見ている間中、「おまえはどっちの側につくんだ」と問われ続けているようで、やな汗かきまくり。もちろん理性をフル動員すれば、どちらにつくべきなのかは明白なのだけど、しかしこの極限状況で自分はそれができるほど強いのか?肉食べたくなるだろうしなあっとうじうじしてるうちにエンディングをむかえた。とりあえず結論を先延ばしにできて、私としてはあのラストはすごくほっとしたのですが。[映画館(字幕)] 7点(2011-08-10 17:10:39)(良:1票) 1962. インド夜想曲 《ネタバレ》 光と影の映像の魔術に絡めとられて二時間頭も身体も痺れっぱなし。じっとり暑いインドの昼の喧騒と翻ってただただ黒い幽玄のごとき夜。J・Y・アングラードの深い瞳に連れられて、青い夜光灯が点滅する夜行列車に乗ってるうちに酔いつぶれた。謎かけのようなナイチンゲールという言葉や失踪した友人のことなど、結局明かされることはないのだけど、途中からどうでも良くなってしまった。魔法にかかってふらふらだったからだ きっと。[映画館(字幕)] 9点(2011-08-10 16:13:15) 1963. たそがれ清兵衛 清貧、という情景を美徳として描けるのはやはり邦画だけなのだろうな。美しい里山の風景、きちんとした時代考証、演技達者な役者、とこれだけ揃えば。宮沢りえの演技が上手いと思ったことは一度もないけど、彼女生来の陰のある美しさが朋江役にはまっていましたね。真田広之の殺陣はさすが。息をするのも忘れる。美しいといってもいいほど。別の映画でどっかの子供に「太ったおじさん」と評されてた真田広之。ボク、違うんだ。こっちが本物の真田広之なんだよ。[地上波(邦画)] 7点(2011-08-10 00:28:29) 1964. ディア・ハンター ずっと戦争映画だと思っていたら意外や青春映画でした。戦争の苛烈な体験によって、ゆっくり確実に故郷の濃密な人間関係がきしんでゆく、こちらの方がテーマだったのですね。その苛烈な戦争体験の描写が充分すぎる・・衝撃すぎて以後ディアハンターを検索したらロシアンルーレットが類語として出てくるほど。私の脳内辞書ですが。ラストシーンで流れるギターの旋律が傷ついた彼らに寄り添うようで泣きました。メリル・ストリープが誰?と思うほど綺麗。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-08 00:53:13) 1965. ロッキー・ホラー・ショー 真正変態映画ですね うん。70年代って今より感性が進んでる気がする。音楽もファッションも最近の流行りはかつて見たものの焼き直しに見えてしまう。おしゃれなものほど70年代の模倣のような。この映画0点つけるひとは正しいし 10点つけるひとのセンスも捨てがたいと思います。[CS・衛星(字幕)] 7点(2011-08-08 00:11:45) 1966. マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ 《ネタバレ》 宇宙で死んだライカ犬と自分を比べて心折れないようにしてる少年の心情はけなげだし、変わり者の多い田舎村の描写にも心がなごむ・・のですが。性的な部分をちょいちょい突かれるのがなんか苦手で。女の子たちがみんなやたらと積極的なのはお国柄なのかしら。サガが胸をはだけるシーンは必要かなあ なんかくどいな。メリンダちゃんは撮影嫌じゃなかったのかなあ。やたらとモテるイングマル 個人的にはこの年頃は男同士の友情をもっと培ってほしかった。[ビデオ(字幕)] 6点(2011-08-07 23:31:08) 1967. ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 鑑賞後十数年たってしばしば思い出すのは、仮釈放後のレッドのエピソード。アンディの脱獄成功だけでこの話が終わっていたら、もしかしたら「うまくいきすぎだよなあ」という感慨を今頃抱いていたかもしれない。けれどレッドの抱えた、属するコミュニティーの無い孤独や寂寥感がひりひりとリアルで、だから彼の救済が成ったことでこの作品は普遍的な感動を獲得したんじゃないかな。青く輝く海は忘れがたいラストシーンですし。[映画館(字幕)] 10点(2011-08-07 20:40:27)(良:2票) 1968. マルメロの陽光 会社帰りに寄った映画館 上映してるのはマルメロの陽光。勝手にスペインの美しい陽の光を堪能しようと・・、ほんとに軽はずみな行為でした。一向に進まないストーリーに困惑しつつも、何かをつかもうと頑張ること2時間強。そして敗けました。あーあ疲れた頭で挑まなきゃ良かったよ。休日に見ても理解できたとは思わないけど。[映画館(字幕)] 3点(2011-08-04 16:28:39) 1969. 昼下りの情事 下手すれば小娘が老獪なおじさんに食われるえげつない話になりそうなところを、B・ワイルダー十八番の軽妙な味付けと、ヘプバーンの放つ二人とない清冽さのおかげで、小粋な恋物語になりました。奇跡的。G・クーパーのみ軽快感に貢献していないかな。手練手管のプレイボーイが持つであろう艶っぽさに欠けるんですよ。安い昼ドラを思わせる邦題もちょっと残念。[映画館(字幕)] 7点(2011-08-04 16:06:59) 1970. 善き人のためのソナタ 管理社会も人間の美しい部分を完全に奪うことなどできないのだなあ、となんだか勇気が湧く。美しい部分て、例えば友人をかばうことだったり、人に恋をすることだったり。監視される側とする側は、美しい要素を持つ者と持たざる者という見方もできる。当局ににらまれる芸術家たち 彼らに比べて圧倒的に社会的強者である大尉の、しかし私生活のなんと寂寞として無様なことか。クリスタに恋するヴィースラーの、必死な表情に胸が詰まる。彼女の尊厳が自分の上官に踏みにじられるのは耐えられなかっただろう。終盤、ドライマンに「君なんか完全監視だよ」と言い放つ元高官の、いまだ残る優越の表情に血圧が上がりそうになった。[DVD(字幕)] 8点(2011-08-04 15:09:06) 1971. アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 これのどこがコメディーなのか。私はひとつも笑えなかった。これはアメリカの話じゃなく、わたしの、おそらくあなたの話でもある。どこの家も(おそらく)抱えているであろう見栄や虚勢や世間体をこうもリアルに描かれるとは。隠してなんぼの生活をしてるのにまるでかさぶたをはがされるような嫌悪感。ざわざわするような悪寒といやな汗。私は重症か。大佐の奥さんが息子のガールフレンドに「散らかっていて・・」とありがちな言葉を口走ったあとに映される塵ひとつない室内 このシーン ホラーかと思った。もうアメリカには大草原の小さな家は存在しないのか。[地上波(字幕)] 8点(2011-08-04 00:08:21)(良:2票) 1972. 地下鉄のザジ うう、だめだ。頭の中が?でいっぱい。監督の巨匠度の前にふざけてんのか、という怒りも不完全燃焼になってストレスがたまる。わからない。完全に白旗上げた映画。[ビデオ(字幕)] 3点(2011-08-02 07:02:00) 1973. 恋におちたシェイクスピア それは、ない。と言いたくなるような展開を力技でごりごり押してきたのに、最後に悲恋ヅラされて終わったのには驚いた。勢いのままハッピーエンドにしちゃえば良かったのに。急に世間の壁って枷をはめちゃうのね。なんだかな。豪華な衣装を着こなしたG・パルトロウは綺麗でした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2011-07-31 17:26:45) 1974. デリカテッセン 《ネタバレ》 神経症的に作り上げられた美術が私にとっては悪夢のようだった。壁びっしりのカタツムリ&カエルでもうだめ。生理的嫌悪感ばかりがおぞおぞしてずっと寒かった。スプリングのきしみにたくさんの音がかぶさってゆく・・笑っていいのかなんなのかわからん。当時本木雅弘が勧めていた(たしか)からって乗った自分に反省した。[映画館(字幕)] 2点(2011-07-29 15:24:21) 1975. レザボア・ドッグス これを見たときの衝撃。なんとこの映画を表したら良いものか。クールでドライ、スタイリッシュ。とにかくかっこええー!!黒のスーツで揃って歩かれただけでしびれた。色選びでしょーもない論争を繰り広げたりとキャラ立ち全開。痛いのは苦手なので後半は薄目で見てたのだけど、こんなにすかっと面白い映画は久しぶり、と感激した。全く新しい才能がハリウッドに出現した瞬間。[ビデオ(字幕)] 9点(2011-07-27 17:58:22) 1976. セント・オブ・ウーマン/夢の香り 盲目の不良中年と悩める若者が意図せずして互いを窮地や絶望から引っぱり上げるんですね。大佐は培ってきた人生経験で チャーリーは若者らしいまっすぐな誠実さで。A・パチーノが見事に造形したスレード大佐の人物像が深い深い。光を失ってすっかり偏屈になりながら、弱点であるところの女性が絡んできたときの隙のみせっぷり。チャーリーでなくても脱力するこのゆるさ、この可愛げ。男のひとのこの種の愛らしさを演じたらA・パチーノは天下一品だと思うのです。講堂での大佐の演説は全ての大人必聴。[地上波(字幕)] 10点(2011-07-27 17:17:43) 1977. スモーク(1995) 《ネタバレ》 平凡な日常を描いているだけなのにしみじみ心に沁みる。煙草屋の親父のH・カイテルがなんでこんなに渋くてかっこ良いのだろう。描かれる“生活”の肌触りが確かなもので、地に足がついている。交わされる会話、何気ないジョークのひとつひとつに生きている実感がこもる。このさりげなさ。ルビーの手にまわってきた五千ドル。これまた さらりとかっこいい。サイラスの奥さんが素敵。若くて賢くて。くんずほぐれつしてるオヤジ3人と少年1人を彼女が救うんだ。「やめなさい あんたの息子よ!」って。ラシードの行く末が心配だったけど、彼女なら大丈夫ね。[地上波(字幕)] 10点(2011-07-27 16:32:11)(良:1票) 1978. 冷たい月を抱く女 《ネタバレ》 大事件がてんこ盛り。冒頭の連続レイプ殺人だけでお話一つ作れるだろうに B・プルマンが無精子症だという事実の伏線だったりするのだった。すごい伏線。N・キッドマン、素性がばれてからのほうがハマってる。腰まである金髪巻き毛がやけに頭に残る・・のとA・ボールドウィンの髪型と髪の毛みたいな胸毛がやだなあ とか医療ミスだと20億なのか 勉強になった。・・とかこう書くとどうでもいいことばかり印象に残る映画だなあ。[地上波(字幕)] 5点(2011-07-27 00:34:55) 1979. スクール・オブ・ロック ジャック・ブラックは正しいよ ツェッペリンもピストルズも学校で教えるべきだ![CS・衛星(字幕)] 8点(2011-07-25 12:24:29) 1980. 蜘蛛女(1993) 《ネタバレ》 焼いても煮ても食えないダメの標本みたいなG・オールドマンとなすすべもなく餌食になったJ・ルイスの存在感に比べれば、レナ・オリンの極悪っぷりはいっそ清々しい・・ことはないか やっぱり。「ははははは」ひと殺したあと この笑い方ですからね。こわっ。[ビデオ(字幕)] 6点(2011-07-25 12:14:00)
|
Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS