みんなのシネマレビュー
由布さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 163
性別

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

評価順123456789
投稿日付順123456789
変更日付順123456789

1.  コンスタンティン 《ネタバレ》 最初は、幽々白書のカトリック系アダルト版だなぁ、と思っていたけど、最近私は、本作を、かぐや姫の罪人バージョンと呼んでいる。但し、本作の姫様は、求婚者・じゃない・仕事仲間の集めたアイテムを駆使して、姫様本人が闘っているけど。マジで求婚者になれたかもしれない相手も、結局は、ね。こういった、パラレルワールド系とか異種流帰譚系とかって、基本というか骨子は似てしまうものだけど、でもきっと、その普遍性が心地いいのかもね。デウス・エクス・マキナ的な終結(人間を超越したものが現れて物語を終結させるギリシア劇の手法)も、マト・レボのような、思わず天を仰いでしまうような唐突さではなく、きちんと物語に組み込まれているのがいい。冒頭で、運命の槍を見つけた男が、「誰かに見られている」風に振り返るシーンも然りで、全体としてしっかり組み立てられた作品。それぞれの役者も、それぞれの役に、それぞれの個性を発揮していていいんだけど、とにかく何より、キアヌが、いい。演技も、声も、抜群にいい。まるで、アクションシーン以外では演技らしい演技をさせて貰えなかったマトリックス続編への面当てか?と思ってしまったくらい、いい。こういった系の作品は、何はともあれ主演が物語を信じてくれなければお話にならないし、だからこそ、こういった系は地力はあるけど知名度は今ひとつな役者が主演して一躍というのが普通なんだけど、知名度があってもそれが出来るという点で、キアヌは稀有な役者なんだろう。もっとも、身勝手で自己中という意味では、他者に何の負い目もなかっただけに、JMのジョニーの方が勝っているが・・。それでも、「誰かキアヌに、もう一度連続殺人犯を演じさせて!!」と、バスタブにシーンで思ってしまいましたよ。いやぁ、久々に映画館リピート回数を更新しました。満足!![映画館(字幕)] 10点(2005-04-17 11:59:22)

2.  スター・ウォーズ/帝国の逆襲<特別篇> 待望の、正しく待望のDVDボックスを買った。いやあ、映像、やっぱり綺麗よね。でもさ。何が面白いって、そりゃあ、クライマックスで、ルークが落っこってくシーン。オリジナル版では、ルークは無言で落ちていった。VHSの特別編では、ルークの絶叫が入っていて、「何じゃ、こりゃ」「いらねぇよ、こんなの」と思った。で、待望のDVDを見ましたら、ルークの絶叫は消えていて、オリジナル版と同じく、無言で落っこっていった。やっぱり不興だったのねぇ。消えていてよかった。やれやれ。10点(2004-10-14 23:38:18)

3.  スター・ウォーズ/帝国の逆襲 現在、5作品中では、やはり本作が一番好きだなぁ。とにかくR2D2が可愛いのよ。健気だし有能だし、電子音がこれまた可愛い。という妄想はさて置き、本作の何が一番好きなのかなぁと言えば、5作品中最も、世のしがらみのあざとさが出ているから、なのかな。1作目は、冒険心と正義感に溢れた若者と理想主義に邁進する御姫様が悪漢に立ち向かう純粋に正当な勧善懲悪を貫いていたし、ベイダーもただ悪者だったし、ハンにしても斜めに構えていても一匹狼を気取るガキ大将だったけど。本作では、ハンとレイアの微妙な男女の機微や、ランドの守らなければならないもの(利権もだろうけど、シティに暮らす人への責任もあるだろう)への葛藤とか、ベイダーの皇帝への暗く澱んだ上下関係、ルークの、ジェダイとして、しなければならないことと、人として、しなければならないこととの軋轢とか。実際、ハンとレイアを助けに行こうとするルークを止めようとするオビ・ワンとヨーダの言い分は、正論ではあるけど、十分あざとい。ルークは師に反して仲間を助けに行ったけど、あそこで助けに行かないルークには、誰も共感しない。世のしがらみのあざとさの中で、ルークだけがあざとさに無縁で、だからこそ、クライマックスで自ら落ちていくシーンにも説得力があるし、ジェダイの資格も見えてくるような気がする。確かに完結はしていないけど、ハンとレイアにしても、ランドの葛藤にしても、ベイダーの皇帝への思惑にしても、このお話はこのお話で、きっちり終わっていると思うし、だからこそ、本作が一番いいという人が多いのだろう。10点(2004-10-14 23:26:12)(良:3票)

4.  犬神家の一族(1976) 個人的には、私映画史の十傑には入るなァ。以前、怖いものは駄目だったのだ。脳裏に焼き付いて離れられなくなって、心臓が踊る。それでも当時、本作を見ようと思ったのは、他ならぬ石坂浩二が出ていたから。「天と地と」で上杉謙信を見た時から、初恋の役者さんである。で、結果は「十傑には入るなァ」である。冒頭から、物語へと入り込ませる緊迫感が、音楽と絶妙にあっているし、陰惨な殺人事件を予感させながらも、清々しいまでの自然美(これは市川作品の醍醐味のひとつなんですよね)、物語の流れを決して白けさせない笑い(息抜き)のタイミングの美味み、何より、市川ショットとでもいうのか、独特のカット・ショット。映画って、こういう風に作るんだぁと、変な言い方だけど「作られた映画」というのを実感した初めての作品だったような気がした。見る側の私が、その時、それだけの年齢に達したのかもしれないけど、冒頭の部分から、そういうショットが入っていたせいか、その後の展開も、怖いもの嫌い先入観を抜きに見られたような気がする。勿論、役者の力量も凄い。大好きなへーちゃんの魅力も余すところなく引き出してくれたけど、とにかく役者の使い方、撮り方が、上手い。特にベテラン陣の味わいを、深く、切なく、時に滑稽に引き出しているのは、凄い。個人的には、復讐劇の発端になる子供の人生を台無しにする菊乃母の怨念は頂けない(結局、財産目的かい)が、ベテラン陣の味わい深さが、作品中唯一の底の浅さ(あるいは浅ましさ)を、補って余りある。中でも、高峰三枝子の押し出し、声の深さは、若かった私にも鮮烈な印象だった。湖に木霊する、あの声は、今でも耳の奥に残っている。御亡くなりになったと聞いた時は、本当に残念だと思った。本作は、コマーシャルに乗ったミステリー・サスペンスで、決して文芸でも大作でもないが、ある意味、邦画に新風を吹きこんだ一作だったのだろうと思う。 10点(2004-07-14 22:59:07)《改行有》

5.  トーチソング・トリロジー 珠玉の一作というけれど、これは、ほんとに珠玉の一作だった。ゲイを扱った映画は数々あれど、本作は、差別されるゲイの悲惨さを取り立てて感傷的に描くわけでもなく、ことさら感動的に盛り上げようという意図もなく、愛とは何か、家族とは何かということを、主人公を中心に淡々と描いていくだけである。にも関わらず、見終わった後は、ジーンとする。ただただ、ジーンとする。ファイアスティン=アーノルドとバンクラフト==母の対決シーンは、どこをとってのいいが、特に最後のやり取りは素晴らしい。「死者は失敗しないからね」というアーノルドの科白は、ありがちだけど、アラン=ブロデリックの残してくれた「忘れ形見」を守る為にも、現実の中で前向きに生きようとする姿勢を示している。でも、アランの亡くなり方は、気の毒だったなァ。それにしても、綺麗で可愛い若手の男優にとっては、こういう役は、やっぱり通過儀礼なんだろうか。マシューってば、とってもキュートだ。10点(2004-07-11 23:24:49)

6.  マトリックス レボリューションズ 《ネタバレ》 マトリックス・トリロジーを評して、「映画史上最大規模のインディペンデンス映画」と言った人がいたけど、なんか最も的を射た評価だなぁと思った。3本通して御立派と思うのは、あくまで撮りたいショットを撮り、撮る為に金も人も技術も総動員した根性。ついでに、日本のアニメのパクリだと冷笑されてはいるけど、少なくとも私は本作を見て、ナウシカやドラゴンボール、マクロスやガンダムを、もう一度見たいとは思わなかった。CG満載というけど、CG無くしては成り立たない映画だし、そのクオリティは群を抜いている。何より、凄いと思ったのは、キアヌ・リーブスが、それぞれのラスト、クライマックス・シーンで見せる表情と雰囲気。1作目の弾丸を止めた後の、あの得も言えぬ表情。2作目のセンティネルを止めた時の迫真さ。そして、本作での、どんどん自我を殺ぎ落としていく様が、凄いんだな。クレーターでのバトルでは、あのコンセプトの作品で、役者が、ああいう表情、あの雰囲気を醸し出してくれたら、そらもう、監督冥利に尽きると思う。そして、やっぱり、あらゆる方向から、あらゆる考え方、様々な問いかけが出来ることが、やっぱり凄いんだよね。10点(2003-11-06 03:06:08)

7.  細雪(1983) これは、最高に好き。原作至上主義にとっては、途中でブッツリ切れてしまうから、何事ぉと思うかもしれないだろうけど、映画としては、映像美といい、構成といい、文句ないと思う。四季折々の美しさや、和服の見せ方、家屋の佇まいや人物の描き方など、市川作品らしいショットで巧みに見せて、魅了してくれる。岸・佐久間・吉永・多岐川の4人の女優の共演が素晴らしい。けど、やはり吉永。旧家の御嬢様の嫌らしさを鼻に付く1歩寸前で演じる吉永小百合は、やっぱり見事に美しい。その吉永の義妹に懸想する曖昧さを、石坂浩二がやはり見事に演じてる。夫婦として、姉妹として、恋人として、他人として、人としての感情の機微が、登場人物全てに反映していて、且つ、食傷気味にならない。市川崑って、ほんとに役者を使うのが上手い。10点(2003-11-03 00:29:01)

8.  スター・ウォーズ 《ネタバレ》 公開した当時は、やっぱり衝撃的な作品だったよね。観た時の最初の衝撃は、やっぱり「パラライザー(って名前だっけか? ヤマトの)が実写で動いてる!!」ってことだった。ついに飛行までしちゃったけど、R2D2は今でも大好き。オープニングの後ろに流れる字幕も、ドーンとくるサウンドも、宇宙での戦闘シーンもライトセイバーの発想(今思えばちゃちかもしれないけど)も、当時は衝撃的だったのよ。でも、この当時は気にもしなかったけど、これも日本映画(黒澤作品)に影響されてるんですね。本作に限って言えば、変に手を加えられた特別編より、オリジナルの方が好きだな。覚悟の上で落下したルークが叫び声を上げるのはわざとらしいし、ハン・ソロのアウトロー的な魅力も損ねてるし。でも、何せよ、単純なストーリーのおかげで娯楽作品としては最高だと思うし、当時はほんとに衝撃的だった。10点(2003-10-22 00:21:58)

9.  フィーリング・ミネソタ 《ネタバレ》 なんだかんだ言って、やっぱり、この作品好きだ。確かにドタバタで、バタ臭いんだけど、役者がそれぞれいい味出してるんだよね。一人の女を発端に吹き出る兄弟間の確執が、迫真でね。憎んでも憎み切れない。いっそぶっ殺してやりたいのに殺せない。道路挟んでの石の投げ合いがリアルで象徴的。何より、キアヌの役者としての力量が、凄い。演技巧者とか熱演とかいうのではなく、凄いリアルなのよ。確執し軋轢した兄貴が、結局は他人に殺されていくのを目の当たりにする時のキアヌ=ジャックスの表情は、上手いとかじゃなく、リアルなんだな。ドノフリオも、負けずに迫真に演じてるし。インディ系の映画だけど、キアヌの作品の中では、キアヌの持ち味が詰まってる一作だと思う。 売りは、キアヌ・リーブスとキャメロン・ディアスの共演らしいけど、本作は、ヴィンセント・ドノフリオとキアヌ・リーブスの共演が正しい。この二人&エイクロイドの掛け合いが、凄いのよ。10点(2003-09-04 23:26:22)

10.  陽だまりのグラウンド 《ネタバレ》 「スポーツ感動系」と「子供ネタ」は苦手で、その二つが一緒になったような触れ込みの本作は、見るまでにかなり躊躇した。が、見事に杞憂に終わった。まるでスリラーのようなオープニングで始まる本作は、人生を転落した男が、初め金の為に子供達と接し、心惹かれる女性と出会い、次第に自分の情けなさと向かい合い・・・なんて御託を並べることはない。何より本作のキアヌは見事である。子供達を連れてメジャーの試合を見に行った時の、あの切ない表情は秀逸。ハリウッドの賞の基準は、今ひとつ分からないものがあるが、これが何故、ラジー賞の主演男優賞にノミネートされたのか、理解が出来ない。さすがにもうボロボロ泣きはしなかったが、こういう作品を見て、ジワッと泣けてきた自分が嬉しかった。10点(2003-08-29 17:57:58)(良:1票)

11.  マトリックス 「スター・ウォーズ」の時に、R2D2を見た衝撃度を思えば、マトリックスの衝撃度も、やはり、このランク。しかも、初見の時よりも、2度目、2度目より3度目と、味わいが深まるのは、ネオに集中して描かれたストーリー性の賜物。何より、キアヌ・リーブスの役者としての魅力を、最大限に引き出した一作。キアヌの魅力は、どうしていいか分からないまま引き摺られる受け身的な、その曖昧さで、本作は、そんなキアヌの持ち味を十二分に引き出して、映画の養分にもしている。日本アニメやSFのパクリと、突っ込み所は山程あっても、それを、一度はやってみたい夢に見るようなアクションと、変にべたつかないロマンスに絡めて、やっつけたい奴をやっつける快感を満喫させてくれて、でも、ほんの少し緊張感の残るラストを、過不足のないキャストで、見事に実写で映像化した本作は、やっぱりパーフェクトなんだなぁと、思う。無論、マトリックス全容の評価は、「レボリューションズ」を待たなくては、出来ないけれど。10点(2003-06-09 00:54:31)(良:1票)

12.  三銃士(1973) 大好きな作品のひとつです。軽快で颯爽としていて、豪快で愉快で、豪華で優雅で、そして色っぽくて妖しい。豪華過ぎるキャストは、それぞれの持ち味を存分に発揮している。ダルタニアンのマイケル・ヨークは夢と冒険心を両手に抱えた張り切り小僧って感じで凄く可愛い(この当時の若手イケメンは、このタイプだったんだな。マーク・ハミルっぽい感じ)。でも、なんといっても、フェイ・ダナウェイのミレディの悪女の魅力と、チャールトン・ヘストンのリシュリュー枢機卿の小面憎さは絶品。お貴族様と庶民との生活の差もきっちり描いていて、デュマの原作を全く損なうことなく見事に映像化している。以前、地上波で放送された時の吹き替えが見事に嵌まっていて、吹き替えのほうが好きという稀有な一作でもある。イ・ダナウェイ10点(2003-05-21 17:35:42)

13.  ジョー・ブラックをよろしく 「二十歳過ぎても天使だったら、ただのバカですよ」という科白が、川原泉のマンガの中に登場するが、それに照らせば、本作は、これまでブラッド・ピットが演じた役の中でも、最も難しい役。何しろ、いっぱしに成人した男優に、「ローマの休日」の「アン王女」を演らそうってんだから。ある分野では秀でた知識や教養を持っているけど、世間一般に出たら純粋培養の世間知らずという役は、言うほど簡単ではないし、「アン王女」にしたって、配役のいかんでは、ただのカマトト。まして、それが男優となったら、ただ気色悪いだけ。その難役を、スマートにスウィートにこなせたのは、演技力とか役者センスとかいう以前に、ピット自身が持つ気質とか人柄とかが成し得た役なんだろうと思う。「カリフォルニア」のアーリー・グレイスの根底にある純粋性に繋がるものだと思うが、本作は、「死神」の設定やエンド・クレジットで「オーバー・ザ・レインボー」のアレンジが流れるように、とにかく御伽噺、夢物語である。それを踏まえて見れば、最高の夢物語である。「命短し、恋せよ乙女」かな。オヤジしているホプキンスのいいけど、ジェフリー・タンバーのクインスが好きだ。ただ、本作が公開された当時では、多分、クインスの良さは分からなかったと思う。10点(2003-02-28 23:49:54)

14.  アラビアのロレンス 映画には色々なタイプがあって、人生を重ね合わせるようなものもあれば、反面教師のようなものもあるし、ただ娯楽として楽しむものもあるが、本作は、私にとっては知識の泉のようになった作品。実際、映画を観た後、関連の書籍を買い漁った映画は、今のところ、この映画だけ。ロレンス関連は勿論、第一次世界大戦から中東関連まで。ただ、知識の功罪として、ロレンス本人を知った後に観ると、さすがに「おいおい」という感もある。でも、たった一本の映画で、そこまで情熱が燃やせるって、それだけでも凄いことだ。ピーター・オトゥールが、とにかく凄い。名演とか怪演とかじゃなく、確かに執り付かれていたかもしれないし、実際のロレンスにも似てた。映像は・・・、音響効果と一緒に、これはもう、劇場で観ることの出来た人は、自分の幸運を喜んでいいと思う。CG処理もない時代に、この作品。あるゆる意味で、凄い映画だ。10点(2003-01-28 20:05:43)

15.  ローマの休日 映画は夢を売り、憧れを誘い、秘密を共有し、切なさに胸を痛め、人の欲としがらみに揺れ、悪役をやっつける快感に溜飲を下げ、ほろ苦く、しみじみとした晴れやかさで終わる。その全てがパーフェクトに詰まっている。オードリー・ヘプバーンが残してくれた作品は驚くほど少ないが、オードリーの原点であり、サラサラのロング・ヘアの彼女を見られる貴重な作品でもある。主演二人の他の共演者達も、いい味を出していて、本作を引き立て、引き締めている。個人的には、行方不明になった王女を探すために人を寄越して欲しいと頼んだ結果、黒服の男達が大挙してやってくる様に、侍従等が「目立たないようにと言ったのに」と、頭を抱えるシーンが、好き。王女様の他愛のない我が侭で始まる物語だが、自分の知らない世の中に触れ、人間性に目覚め、それでもラストで自らの義務に帰っていく姿が、ほろ苦くて、いい。このモチーフは、男女を逆転して作られたものもあり、「法王の旅」や「ジョー・ブラックをよろしく」は、その範疇に入る。10点(2002-12-03 00:55:04)(良:2票)

16.  グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 良質な、いい作品を、久し振りに見ました。コメディ仕立てとはいうけど、傍から見れば滑稽と思えることを真摯にやっているからコメディに見えるだけで、物語自体はかなり重いファミリー・ドラマだと思う。それを軽やかに乗り切ったのは、やはり監督の手腕なのだろう。ソ連邦が崩壊し、ロシアになった数年後かに、「共産党時代は良かった。ノルマさえ果たしていれば給料が貰えたから」という市井の人々の声を伝えるコラムを読んだことがあったが、本作を見て、当時の東欧は皆、急激に入ってきた自由競争の厳しさに晒されて、同じジレンマに苦しんでいたんだろうなと、今更ながらに思った。同時に、うっかりすればしか爪らしいドキュメンタリーに転びそうなテーマを、主人公の若者らしい反骨心、それが原因で母が人事不省に陥り、やがて・・、と。自責と愛情の相克の中で、せめて母に残された時間を母が信じていた時代の中でと、急速に西欧化する世の中にあって、旧時代があたかも現存するように振る舞う息子の苦闘を通した逆転の視線が、無理なく時代を反映していて素晴らしかった。そして、どんな体制の下であっても、結局、生きているのは日々を幸福に、出来れば夢を実現したいなと望む人間なんだよということなんだな。共産主義も民主主義も、理念は立派なのだ。でも、結局、踏みにじるのはやっぱり、人間の欲なんだなと、最後のメッセージが逆に知らしめるようだな。ところで、瓦解した旧体制があるかのような映像を作っていた友人の子が着ていたTシャツがマトリックスTシャツというのが、笑えた。こういうマトリックス使いも、あるんだね。9点(2005-02-06 21:44:39)(良:2票)

17.  竹取物語(1987) この作品、DVDになったんだなぁ。なんとなく、感無量。初めて劇場で見た時は、おや? おやおや? おやおやおや? って感じだったような気がするけど(何しろ、スターウォーズや未知との遭遇があったし)、DVDで改めてみると、やはり市川監督の実験的な作品のひとつで、しかも、それなりに纏まってたのね、と思った。改めて見ると、あの当時の邦画としては、わりと出色ではない? 正直に言えば、近年の「陰陽師」より、ある意味、クオリティ高いじゃないと、思ってしまったよ。それは勿論、市川作品の常連の役者の確かさもあるのだろうけど、これは実験的な映画と割り切って作った監督の力量の賜物なんだろうなぁと、思う。俯瞰して撮る平安京、その、歴史的には古代都市にあたる都に飛来するUFOのシュールさ。「これは、八世紀の物語である」。これは、日本最古のSF小説である。日本は、こんな時代から、異文化交流というものを身近に感じていたのである。それにしても、三船敏郎って、もしかして下手? とも思ってしまった。最後に、ちゃんと明野の目が治ったのが、嬉しかった。9点(2004-07-14 23:57:46)(良:1票)

18.  八甲田山 いっつも見たいと思う映画ではないけれど、時々、思い出したように見たくなる映画なんだな。高倉健さんの格好良さは、まあ、役柄ということもあるけど、やっぱりこの人は、こういう格好良さが内側から滲み出てくる人だよね。でも、印象的なのは、遭難してしまう側の兵隊達の置かれた極限状態で、凍傷とか血尿とか発狂とか、そういうシーンが脳裏に焼き付いてるなぁ。ただ、そんな悲惨さの一方で、規律と礼節を重んじる高潔さとが絶妙なバランスを持っていて、とにかく妙に心に残る映画のひとつですね。9点(2003-09-25 22:51:30)

19.  雲の中で散歩 《ネタバレ》 恋愛映画って触れ込みだったけど、どっちかっていうと家族愛がテーマのお話だったな。両親も知らず、出征中に心の離れた妻しかいない青年が、ひょんな巡り合いから家族を見つけるんだな。キアヌ=ポールも、一晩だけの約束を二日・三日と居付いてしまうのは、ヴィクトリアへの愛情よりも家族というものへの憧憬の方が強いし、キアヌが、天蓋孤独の青年の不器用な憧れと、それは所詮茶番劇でしかないという虚しさを誠実に表現してた。ポールとヴィクトリアの愛情の変化も、押し付けがましくなく、葡萄が熟成していくように、なるべくしてなったなぁって感じがいい。頑固親父のジャンカルロ・ジャンニーニが、エキサイティング。こ~~んなに渋くなっていたなんて。それにしても、亀の甲より年の功? アンソニー・クインの爺さまのお惚け振りは、もしかして、ぜ~~んぶ御見通しだったのかな? おおらかなお母さんが、新婚の娘夫婦の為にベッドを用意して、夫婦の枕の真ん中に一本置いた真紅の薔薇が、心憎い。ランプ1個で葡萄園が全焼っていうのは無理矢理っぽいけど、見終わった後に、「ああ、よかった」って思える作品だった。キアヌの素朴な誠実さも堪能できる作品だけど、やっぱり、働き者で頑固一徹、愛情深いお父さんに、私は弱いらしい。息子ペドロとの近代化対決を、もう少し見たかったかな。9点(2003-08-02 00:43:19)(良:1票)

20.  四銃士 三銃士と同時に撮影、製作された、三銃士の続編。そのせいか、三銃士と比較は出来ない。ただ、三銃士より、お話がシリアスになる分、ちっと重い。コンスタンス、死んじゃうしね。でも、三銃士に比して、遜色もなければ、違和感もない。9点(2003-05-21 17:51:51)

000.00%
100.00%
231.84%
363.68%
4127.36%
51710.43%
63219.63%
72615.95%
83923.93%
9137.98%
10159.20%

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS