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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
1. 華麗なる激情 私のミケランジェロのイメージに非常に近くて感激した。チャールトン・ヘストンは、怒りっぽく激しく力強くありながら一方でうじうじ悩む男、という現在の映画ではあまり観られない人物造形が上手いが、ミケランジェロってこういう人じゃないかと思わせる。天井画を描くシーンは撮影も大変だったろうと思う。ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の天井画制作の話が主なので、興味がない人にとってはイマイチ起伏の乏しいストーリーで飽きるかもしれないし、ヴァチカンのルネサンス芸術に関して一通りの知識がないとわかりにくいストーリーになっている。気が短く気が変わりやすく我が儘で、自ら鎧甲冑をまとって戦争に出かけていき、戦費が足りなければ売官する法皇ユリウスⅡ世を、レックス・ハリソンがコミカルに演じていて笑える。もうちょっとユリウスⅡ世は剛毅な人物だっただろうと思うが、レックス・ハリソンが演じる愛すべき法皇像も魅力的だ。また、お供をぞろぞろ引き連れた美男子画家ラファエロの「私たちは娼婦です。お金と引き替えに芸術を売り渡す」のセリフは陳腐なんだけども、なかなか良かった。惜しいことに、20世紀終わりに天井画が洗浄された際に、実際にミケランジェロがとった制作方法は、この映画に描写された形ではなかったことが判明してしまった。6点(2003-11-27 08:05:46)(良:1票) 2. 猿の惑星 今観ると、特殊メイクもセットもつくりものっぽいが、それでも発想の面白さ、皮肉の効いた脚本、どんでん返しの楽しさを味わえる。7点(2003-11-20 13:41:15) 3. サイコ(1960) ストーリー的には、今はもう古典的すぎて面白みがないにもかかわらず、映像が怖い。モノクロのせいなんだろうか? 空も家も窓も階段も、全部が怖い。観ていて緊張する。まるでお化け屋敷みたいだ。ヒッチ・コックってすごい人だったんですねぇ。リメイク作品のほうを先に観たが、あっちがヒドすぎた。7点(2003-11-20 09:41:28) 4. サウンド・オブ・ミュージック 子供の頃、母が好きで何度も観た映画。一緒に歌ったり踊ったりしてたんだよねー。カーテンの服とか、すごく羨ましかった。大人になって観てみたら、そうか、これってナチス時代の話だったのか。けっこう、せっぱ詰まった話だったんだー。全然気づかなかった。ストーリーの細かい部分には不満もあるけど、ミュージカル映画として、曲も、内容も本当に素晴らしい。7点(2003-11-18 19:31:51) 5. マイ・フェア・レディ 素直に良い映画だなぁと思います。衣装が素敵だし、やっぱり、あの舞踏会のシーンには夢があります。競馬場での、あの、白と黒のドレスの群れを見て、子供の頃私はデザイナーになりたいとか思っていました。急に金持ちになってしまったお父さんの不幸とか、皮肉がちりばめてあって、ヒロインは教授と一緒にいても、結局幸せになれないんじゃないかなぁという感じがしますね。昔はオードリーが歌っているのだと思っていたので、歌声も素敵だなぁと思ってました。8点(2003-11-17 15:49:59) 6. おしゃれ泥棒 展開は変だし、ストーリーもばかばかしいけど、やっぱりオードリーは素敵だ。ピーター・オトゥールもさすが。このタイトルの日本語訳は上手い。5点(2003-11-17 15:41:19) 7. ティファニーで朝食を 何度観ても、オードリーの美しさや可愛らしさに驚嘆のためいきがでてしまう。あやうく、もろく、あさはかなホリーが、オードリーが演じたとたん、可憐で魅力的でお手本にしたい女性に見えてしまうところが、すごい。舞台であるティファニーのお店の前を行き交う、ゴージャスな人々も、チェックしているとなかなか面白い。個人的には、ホリーではなく、ポールを囲っていた奥様に感情移入してしまうので、ポールに別れ話を持ち出された彼女が、精一杯の虚勢を張って、すがりつくまいとしているのが可哀想で痛々しかった。ヒモ男でなくなったポールと、前科持ちになったホリーが、今後きちんと生活していけるとは思えないが、ムーンリバーの音楽にのせられて、ラストシーンで「良かったねぇ」と思ってしまう。古き良き傑作映画ではあると思う。7点(2003-10-28 21:07:11)(良:1票) 8. 地獄に堕ちた勇者ども 大阪の戦争記念館で、これを発見して観た。退廃美あふれる映画、という意味ではスゴイんだけど、いまいち入り込めない世界。特権階級な人々にどんな理屈があろうと、こういった人々のもとで働く底辺の労働者たちがナチズムに走るのは無理もないような気がした。観ていて、途中で飽きた。エグいし、グロい。4点(2003-10-22 20:13:19) 9. 冬のライオン 史実を知らないと、かなり複雑で理解がむずかしい人間関係。その人間関係がテーマなので、淡々と緊迫感をはらみながら進むストーリーは、退屈でもある。王妃の幽閉とか、王子たちと国王との緊迫した関係とかは、夫婦愛や親子の愛なんてものが、無きに等しかった時代の話なのだとわからないと苦しい。王太子の婚約者であるフランスの王女を、国王が何故寝取ろうとするのかも、ハッキリ言って持参金としての領土の価値が分からないと、単なるグロテスクな人間関係である。しかし、そのグロテスクな家族の夫と妻を、ピーター・オトゥールとキャサリン・ヘプバーンが好演。すばらしく、うまい。よく見たらアンソニー・ホプキンスが王子の中にいた。びっくり。7点(2003-06-23 12:29:11)
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