みんなのシネマレビュー
鱗歌さんのレビューページ[この方をお気に入り登録する

◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 3874
性別 男性
年齢 53歳

投稿関連 表示切替メニュー
レビュー表示レビュー表示(評価分)
その他レビュー表示作品用コメント関連表示人物用コメント関連表示あらすじ関連表示
コメントなし】/【コメント有り】
統計メニュー
製作国別レビュー統計年代別レビュー統計
要望関連 表示切替メニュー
作品新規登録 / 変更 要望表示人物新規登録 / 変更 要望表示
要望済関連 表示切替メニュー
作品新規登録 要望済表示人物新規登録 要望済表示
予約関連 表示切替メニュー
予約データ 表示

【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1234567891011121314151617181920
212223242526
投稿日付順1234567891011121314151617181920
212223242526
変更日付順1234567891011121314151617181920
212223242526

1.  緋牡丹博徒 高倉健が男のヤセ我慢なら、藤純子は女のヤセ我慢。自分の人生を犠牲にしても父の仇を追う女と、それを知りつつ弟分をかばわねばならぬ男とが繰り広げる葛藤が、もうたまらんのです。二人の演技もその葛藤へとひたすら収斂していく。 だからこそ盛り上がる、クライマックスの殴り込み。ダイナマイトでも何でも持ってこい。 というワケで。 いや、素晴らしいです、ハイ。 何が? 清川虹子の溢れんばかりの貫録が。[CS・衛星(邦画)] 10点(2019-02-23 07:57:08)《改行有》

2.  日本のいちばん長い日(1967) よくこれだけのキャストを集めたなあ、という大作ですが、影の主人公は「時計」でもあります。玉音放送までの24時間、作中では何度も時計が映し出され、時刻が言及されます。着々と進めれらる、「敗戦」への準備。前半だけでも十分にスリリングで面白いのですが、後半は一部の軍人の暴走が描かれ物語はますます加速の一途、これほど手に汗握る緊張が漲った作品も、なかなかありません。もう、誰が正しいとか間違ってるとか、そんな事言ってられる事態を通り越して(もはや取返しがつかないにも程がある、という事態なのだから)、登場人物たちの必死さや焦りに、息を飲み圧倒されます。今の目からみたら狂気としかいいようのない暴走軍人たちも必死なら、NHKの加山雄三だって必死だし、加東大介ですらも(あの顔で一応)必死。鈴木貫太郎首相だって、笠智衆が演じるからノホホンといい味だしてるけど、やっぱり命がけには違いない。そんな中で、最も貫録を誇っている阿南陸軍大臣、演じるは三船敏郎、さんざん貫録を見せつけ、最後も壮絶な切腹を遂げるのだけど、この緊急事態を収めうる唯一の人物と思われた彼が、およそ何もせず、自殺というトンチンカンな行為に逃避してしまうその様は、何とも皮肉です。それにしても、何と多くの人たち、想像するのも困難な数の人たちが、死に追いやられたことか。これだけの犠牲を払った末に、かろうじて成し遂げられた終戦は、まさに一歩間違えば実現されなかったかも知れなかった、というのもまた、大きな皮肉。[CS・衛星(邦画)] 10点(2015-10-06 22:35:43)

3.  沓掛時次郎 遊侠一匹 《ネタバレ》 前半は時次郎と朝吉の物語、男の滑稽な意地が悲劇へと繋がるその一方で、遊女たちの「どこ吹く風」とばかりのバイタリティが印象的。そしてこの前半の物語は、「やるのかやらねえのか」と挑発に対する時次郎の「やりたかねえよ」との言葉と、これを覆し突如爆発する怒りとともに終わります。そして後半は、時次郎とおきぬとの物語ですが、これまた、男の意地が招いた悲劇から幕を開けます。おきぬの夫を斬ってしまった時次郎、夫を斬られたおきぬ。揺れ動く二人の微妙な関係を象徴する「櫛」。ラストは、病魔と闘うおきぬと、彼女のために死地に赴く時次郎、二人の戦いが並行して描かれますが、待ち受けるであろう悲劇を予想させるに充分なここまでの展開があってこそ、このクライマックスは真に息を飲むものとなっています。悲壮感あふれる錦之助アクションを、ご堪能あれ。[CS・衛星(邦画)] 10点(2014-12-04 20:53:31)

4.  網走番外地(1965) これぞまさしく男泣き。破れかぶれになりそうな健さんを、丹波が、そしてアラカンが、何とか食い止める。しかしその歯止めをついに突破してしまった時、男はどこまでも破れかぶれになる。そうならざるを、得ない。その破れかぶれ具合が、暴走するトロッコとして、あるいは迫りくる機関車として、執拗に描かれる。そしてその先のどうしようもなくなった最後の最後に、自暴自棄になりかけた男を食い止める、究極の一言。いやあ、みんな、孤独なんだ。寂しいんだあ。[CS・衛星(邦画)] 10点(2014-06-04 22:43:52)

5.  アラバマ物語 まずは描かれる子供の世界。実にユーモラスに、実に活き活きと描かれており、この点だけをもってしても稀有の作品だと私は勝手に思い込んでいるのですけれども。この「子供の世界」が見事に描かれることによって、グレゴリー・ペック演じる父親、その存在は我々にとっての父親ともなる訳で。完璧な人間ではないかも知れないけれど、カッコいいのが父親。家族っていいよね、そういう映画。家の外には、危険もあれば(狂犬病の犬とか)、怪しさもあり(ブーとか)、そして不正義もある(人種差別とか)。父親の力をもってしても、どうにかなることもあればどうにもならないこともある。しかしそんなときこそ家族の絆……といいたいところだけど、時には隣人に、見知らぬ人に助けられることもある。そうして子供の世界は、家から社会へと少しずつ広がっていく。そういう映画。[CS・衛星(字幕)] 10点(2012-03-26 22:50:32)

6.  仇討(1964) 仇討の果し合いが行われようとしている冒頭。その順位が着々と準備が進められるシーンから、時間を巻き戻し、そもそもの事件の発端が描かれる。そして、時間軸を自由に行き交いながら、事件がさらに次の対決を生み、そして冒頭で示されていた果し合いの全貌がいよいよ明らかになったとき、退っ引きならぬ立場に追い込まれた主人公の焦燥感が、痛いほど我々の心を突き刺す。震えが来るほどのクライマックス。凄まじい、とは、まさにこの事。[CS・衛星(邦画)] 10点(2011-11-08 23:34:16)

7.  史上最大の作戦 この映画、子供の頃から特別な印象を持っていて・・・戦争映画というと普通、ダイナミックな戦闘シーンを手に汗握って楽しむもんだと思っており、確かに本作もそういったスペクタクル映画のひとつではあるのですが、いかんせん、ただ楽しむには、戦闘シーンがあまりに長過ぎて、お腹いっぱい、胸やけする程。まあ、初めて観たのが何歳の頃だったのか、戦闘の流れが把握できていなかった、というのもあるのですが、壮絶な上陸シーンでもう見ごたえ十分なのに、引き続くウィストレアムでの市街戦、これがもう本当に街を破壊して撮影しているように見えて、だんだん「これは本当に映画なのか」と不安になってくるほど、だったのです。実際には大規模な上陸が始まるのは映画の後半1/3程度なのですが(最初の1/3程度が戦闘前の模様、中間1/3程度がレレジスタンスと空挺部隊の活躍)、最初に観た時の印象は、まさに「無限に戦闘シーンが続く映画」。そして「これは本当に作り物の戦闘なのか」という驚き。これが、本作を何度か観てくると、「ああ、本当にこれは“作った”ものなんだ」という、別の驚きになっていきます。戦闘シーン以外でも、前半の兵舎で兵士たちがギャンブルに興じるシーンでの、驚くべきカメラワーク。また、大量に動員されたエキストラが効果を上げているのは、戦闘シーンばかりではありません。どのシーンも、リアリティを追求しながら、それだけにとどまらない緊迫感を、見事に演出しています。またこの映画の魅力として忘れられないのが、人間味あふれる登場人物たちの描き方ですね。印象深いキャラたちが続々と登場し、誰もが人懐っこい。バタバタと斃れる無数の兵士たちを描く視点と、一人ひとりの兵士の人間味を描く視点とが同居していること。戦争への肯定も否定もない、本作こそがまさに、人間賛歌の映画だと思います。[CS・衛星(字幕)] 10点(2011-08-17 09:34:25)

8.  荒野の七人 『七人の侍』とどっちの方がいい映画かって? そんなん知るかいボケ。両方好きなんじゃいボケ。いや取り乱してスミマセン。そりゃまあ、ワタシもかつては「チャンバラ映画のリメイクなんだってさ~」と警戒して、この映画を観るのを避けてた頃もありましたけど。後に本作を初めて観たときにも、ヘンに『七人の侍』の設定を引きずってるよなあ、とか、その割に変えてほしくなかったところはアレコレと変わっちゃってるよなあ、とか、色々ボヤいてた時期もありましたが。でも、そんなこと、もういいんです。やっぱり、どちらも、とにかく面白いのです。同じ元ネタで、一方は堂々たる時代劇、一方は堂々たる西部劇として、別の世界が構築され切っているという、不思議と言えば不思議、当たり前と言えば当たり前な、映画というものの持つ可能性に、感動してしまう。敢えて両者の比較を一言だけ言わせてもらうならば、『侍』に欠けていて『荒野』が持っているものと言えば、“悪役が持つ魅力”というヤツでしょうか。でも、そういう違いって、生まれるべくして生まれたもの、ですよね。映画は生き物なのだから。こうやって、映画の歴史全体が、まるでひとつの長大な音楽作品のように、ときに変奏を奏でたり、ときに突然の転調を引き起こしながら、流れていくのだなあ、と。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-06-06 11:17:10)

9.  大脱走 《ネタバレ》 小学生の頃、とある友人と「好きな映画」について話していた時に、彼が挙げていたのがこの映画。ストーリーをアツく語ってくれていたのだが、なにせ小学生の話なのでさっぱり要領を得ず、彼の話で唯一理解できたのは、バイクで逃げた奴が柵にひっかかったことぐらい(笑)。ちなみに私はその時、『カサンドラ・クロス』について語ったような気がするが、彼も殆ど理解できなかっただろうね、いひひ。でまあ、後日、ゴールデン洋画劇場か何かで初めて観たわけですが。うーむ、ヤツに一本とられたぜ、というのがその時に感想。それまでは「先が読めない」「意外な展開」みたいな映画こそが面白いと思っていたのに、ハテ、この『大脱走』の面白さたるや。ひたすらこの“脱走”というただ一点に映画は焦点を絞り、着々とその準備作業が描かれ続ける。そのドキドキ感、ワクワク感もさることながら、その過程で捕虜たちの個性がしっかり描かれ、いざ脱走!となるや、どこまでも物語が広がっていく爽快感につながっていきます。当時としては、友人にオモシロさを教わったってのもシャクなもんで、そのことについてはその後あまり触れないようにしてましたが、結局は順調にワタシのお気に入りの一本になったわけです。何度も観たくなるのは、やっぱりこの映画の明るさ、楽しさのせいでしょうかね。収容所の描写も、何だか、ドイツ軍側が先生で、捕虜が田舎の不良学生みたいな、おおらかな雰囲気。ただ「逃げる」という、ゲーム性。収容所、トンネルの描写ばかりの前半から、後半は、汽車、ボート、飛行機、自転車、バイク、何でもありの大逃走劇。最後は悲劇が待っているとは言え、やっぱり飄々としたマックィーンの姿にニヤリとさせられてしまうと、何ともいえぬ充実感が感じられます。ところでそういえば、あの友人、その後どうしているだろうか。やや現実から“逃避する”傾向があったけどナ。[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-01-11 18:40:17)(笑:3票) (良:2票)

10.   政治色の強い題材ながら、緊迫感あふれるサスペンスに仕上がっており、フラッシュバックを交えた演出と、後半の追及劇のスリル、まさに第一級のミステリ映画とも言えます。多彩な登場人物のそれぞれが、個性豊かに描かれているのも見逃せません。議員「Z」と、彼を囲む面々、真実を追い求めつつもどこかチャラチャラした記者、告発オヤジ、敵か味方かつかみどころがなくハラハラさせられる予審判事。一方のいわゆる“悪役”側の面々もまた各々が個性的で、これほど多くの登場人物を印象的に、巧みに描き分けた、人物造形のうまさが、娯楽映画としても成功しているポイントですね。前半の政治劇から後半の追及劇、そして最後にその輪が閉じたときに感じるのは、ファシズムへの怒り……ではなくて、“政治”というものの不気味さ、異様さ。Zは確かに生きている、いや亡霊となり姿かたちを変えながら、未来永劫我々を苦しめ続ける。[CS・衛星(字幕)] 10点(2008-11-24 08:10:49)

11.  アパートの鍵貸します 美男と美女がウダウダ恋の駆け引きするような映画は、好きじゃないというより、興味無いので殆ど見ません。では好きな恋愛映画は、というと、つまり本作です。基本的にアウトオブ眼中(古いなあ)、この切なさがタマリマセン。でも暗さは無く、悲哀を描きつつも全編に軽妙さが行き渡っており、笑いのツボも押さえてます。素敵な映画です。10点(2003-10-11 22:22:30)(良:1票)

12.  明日に向って撃て! これは好きです! 列車強盗の現場に到着した謎の機関車。この機関車の描写って絶対『激突!』を先取りしてますよ。ラストの銃撃戦は類を見ない壮絶さ。前半の追跡エピソードが最後にまた効いてくる、脚本の妙。何もかも好きです。ところでバート・バカラックがオスカー作曲賞とってますが、ほとんどの場面は音楽無かったですよね?それでもいいの?ま、いいんでしょ。10点(2003-08-12 22:58:40)

13.  幸福(1964) 若旦那が奥さんと愛人の間をフラフラして、あーオレは幸せだナー、っていう、それだけの話なんですが。見終わって、つくづく「ヤなもん見ちゃったなー」とトラウマになる一本。一人の人間の存在が消えていく残酷さを、まざまざと見せつけられます。音楽は、モーツァルトのクラリネット五重奏曲や「アダージョとフーガ」が用いられてますが、木管アンサンブルに編曲されてて柔らかい響きになってます。ラストシーンだけ、「アダージョとフーガ」が原曲通り、弦楽で演奏されます。これがもう、効果的というより、恐すぎます。10点(2003-05-10 00:34:22)

14.  イカリエ‐XB1 SFの「F」は、フィクションのFなのか、それともファンタジーのFなのか。しかしなるほど、科学で彩られた世界を突き詰めれば、機能美といったものをさらに飛び越えて、幻想味を帯びた不可思議の世界となっていく。それが「SF」というものの行き着く先なんでしようか。この作品も多分に幻想性を感じさせます。 電子音楽の使用だとか、ロボットの登場だとかは、先行作品として『禁断の惑星』を思い起こさせ、さらに本作からは『2001年宇宙の旅』への影響なども指摘されているのでしょうが、それよりもコレ、『エイリアン』への影響が大きそうな。 老朽化したノストロモの描写はさすが、『エイリアン』の独自性ですが、それでも宇宙船の中の光景に、本作の影響が見られそう(水のイメージまで!)。謎の宇宙船に遭遇し、内部に乗り込むとそこには死に絶えた遠い過去が封印されている。幸い、宇宙生物に襲われたりはしないものの、元の母船に戻ると早速、食事のシーンがあったりして。まるでコチラの作品の方が『エイリアン』をパクッたんじゃないかとすら思えてくる。んなアホな。 それにしてもこの作品、何に圧倒されるって、後半の孤独感というか寂寥感というか、異様な不安を感じさせられるんですよね。これは確かに、『2001年~』に通じるものかもしれないけれど、とにかく一体、この不安感はどこから来るものなのか。未来という「遠くの世界」に来てしまった不安であるのなら、まさにこれがSFの醍醐味、真骨頂と言えるのかも知れませぬ。 それにしても、フランス六人組のなかで、この時代まで名前を残すのがオネゲルだけだったとは(笑)。[インターネット(字幕)] 9点(2022-04-03 22:22:15)(良:1票) 《改行有》

15.  未知への飛行 《ネタバレ》 作品のテーマ、制作時期、その他のゴタゴタによって、『博士の異常な愛情』と比べられがちですが、刻一刻と迫り来るタイムリミットに向かってそれぞれがそれぞれの立場で足掻き続ける姿を克明に描いている辺りからの連想でいくと、「日本のいちばん長い日」なんかも思い出したりします(勿論、リメイク版ではない方)。 誤ってソ連への水爆投下命令を受け取った米軍爆撃機がモスクワへと向かい、米大統領ですらそれを止められない事態に。このままではソ連の報復により米ソが互いに全面核攻撃に踏み切り、いよいよ人類最終戦争が勃発するのか。 「いやいや、ソ連が報復すれば自らの破滅を招くだけだから、報復は不可能、よって何も問題なし」という謎のパラドクス。信じる気があればどんなことでも信じられるかもしれないけれど、問題は、何も信じられない、ということ。 映画は密室劇の様相を呈し、わずかな情報源といえば、壁のパネルに簡略表示される米軍機の様子と、モスクワと繋がったホットライン。 こちらが混乱しているように、電話の向こうでも混乱しているのだろうけれど、その様子は映画では直接描かれず、米大統領が感じるもどかしさを、映画を見る我々も共有することになります。 絶望的なまでにそこに横たわる不信感。相手を信じることより、相手に信じさせることの難しさ。我々は、「相手が自分を信じている」ことを、信じることができるだろうか? さらには、アメリカが米軍機を撃墜せねばならない矛盾。ソ連が米軍機を撃墜することをアメリカが支援する矛盾。平和の代償はどんどん大きくなり、ついには。 ラストに出てくる、「こんなコトは実際には起き得ません」風のテロップ、これをここで出さなきゃならないということ自体に、かえって不安を感じてしまったり。[インターネット(字幕)] 9点(2021-09-11 13:41:26)(良:2票) 《改行有》

16.  アルジェの戦い アルジェリア独立を目指しテロ行為を繰り返す活動家たちと、手段を選ばずそれを押さえ込もうとするフランス当局との戦い。 物語の軸には、一人の青年が組織に入り、やがて幹部となって、ついにフランス軍に追い詰められる(冒頭シーン)までの姿、というのがあるのですが、映画の多くを占めるのは、凄まじい爆破テロ、市街地での銃撃戦、フランス当局による拷問。そして何よりも、アルジェリアの名も無き民衆の表情、視線、があります。 フランス側が手段を選ばない一方で、テロリスト側も平気で騙し討ちを行い、泥沼のような戦いが繰り広げられます。その綺麗事ではない闘争模様が、作品の迫力となって、見る者に迫ってきます。[インターネット(字幕)] 9点(2021-06-06 13:37:54)《改行有》

17.  バニー・レークは行方不明 地球上でボーマン船長の姿が拝める、貴重な映画。ってのはどうでもいいんですけどね。 映画の4分の3くらい、大して何も起こらない、というより、そもそも何かが起こったのかどうか自体がよくわからないんですけれども、にも拘らず、スリリングでぐいぐいと引きこまれます。 何しろ、どのシーンを見ても登場人物が画面内を動き回り、カメラも登場人物たちを追いかけて、とにかく動きのある映像が展開されまくります。その計算された構図に息をのみ、あれよあれよという内に物語が進んでいく。 終盤、物語の展開に動きがあり、ほとんど物語が破綻するかしないかの瀬戸際になって、そうなるとカメラも一層、不安を煽って見せる。もうハラハラもの。 という訳で、まさに出色のサスペンスです。[CS・衛星(字幕)] 9点(2021-01-04 17:07:01)(良:2票) 《改行有》

18.  日本大侠客 《ネタバレ》 石炭積み出しに沸く明治の北九州・若松を舞台に、侠客・吉田磯吉の半生を描く。とは言っても、とても実話とは思えない点が多々あるのですが、フィクションで誇張された漢気が漲った、これぞ痛快娯楽作、という作品になってます。ユーモアもあれば悲壮感もあり、ホントに面白いんだ、これが。 磯吉オヤブンを演じるは、鶴田浩二。気が良くって無鉄砲、愛される存在ではあるけれど、身内からすれば頼りないことこの上ない。そんな彼の成長譚みたいなところもあって、いや、まあ、最後までずっと頼りないっちゃあ頼りないけれど、でも人間、こうやって周りから徐々に頼られるようになって、ジワっと成長していくもんだよね、というのが、よく出ています。 方言によるセリフがまた、何とも言えぬ人間味を感じさせるし、さまざまな人間が集まってくる港町らしく、さまざまな方言が入り混じる(関西訛りの役者たち)のも面白いところ。エキストラの動員により、町の雑多な感じや、殺伐とした争い、といったものも、映画によく表れています。 商売人としてはサッパリだけれど、舎弟たちに愛され、仲仕たちに愛され、大物オヤブンにも愛され、しかし藤純子演じるお竜との切ない関係があったりもして。その他、病弱なヒットマンとか、人が好さそうに見えて実は剣の達人のオッチャンとか、脇を固めるキャラクターも多彩で、それぞれが忘れ難い存在感を示しています。 そして、若松を牛耳ろうと企むハゲ親父・岩万こと内田朝雄との、深まる因縁。ラストはもう、殴り込みならぬ、討ち入り状態で、準備のために集結した主人公たちの姿が、どえらくカッコいい。激しい死闘、そして最後に鳴り響く銃声。シビレます。[CS・衛星(邦画)] 9点(2020-12-29 04:14:24)《改行有》

19.  セコンド/アーサー・ハミルトンからトニー・ウィルソンへの転進 《ネタバレ》 実験的とも言える怪しさ満点の映像が、我々を不条理世界へといざないます。物語は、主人公がひょんなことから整形手術を受け、全くの別人として新しい人生を歩む、というサスペンスですが、正直、彼がなぜそういう選択をしたのか、を説明する描写はこれと言ってありません。しかし、この不条理感あふれる映像こそが、その不条理な物語に何よりも強い説得力を持たせています。 それに、随所に登場する奇妙なまでにしつこい描写。例えばあのハダカ祭り。どんな理由付けよりも、こういったしつこい映像が、主人公にある選択をさせ、同時に実は主人公を束縛している。 理由がないから必然性がある、という逆説。理由がないからこそ、迷いがあり、理由がないから、逃れられない。 ラスト近くの、拘束されたロック・ハドソンの必死のあがき、その描写のしつこさは、映画自体の叫びを聞くような。 これはスゴイ映画だと思います。[DVD(字幕)] 9点(2019-03-31 19:00:07)《改行有》

20.  太陽はひとりぼっち 《ネタバレ》 部分部分を観ていると、シャレてるな、なんてことを思ったりもするけれど、全体を通してみると、何だか奇妙。 冒頭えんえんと続く別れ話に始まって、モニカ・ヴィッティ演じる主人公、周囲といつもどこか軋轢を起こしているように思えます。それは決して大きなものではなけれど、証券取引所での母親、友人宅での戯れ、いつもなんとなくギクシャクしたものがあって。一方では株価大暴落で絶望に叩き落される人々がいるのに比べると、とても波乱と呼べるようなものではないんですけど、それでもいつも波風を伴い、アラン・ドロンみたいな超色男に言い寄られてなお、はぐらかすような態度をとって物事スムーズには運ばない。 でも結局、最後は何となく収まるところに収まるような感じになり、男女二人は・・・ここで本作には実に驚かされるのですが、主人公のふたり、物語から街のどこかへ消え去ってしまうんですね。まるでカメラが二人を見失ってしまったかのように。 あとに残る、何とも言えない不安感。 あるいは、倦怠感。[CS・衛星(字幕)] 9点(2018-10-14 15:30:26)《改行有》

全部

Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS