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性別 男性
年齢 53歳

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1.  風来坊探偵 岬を渡る黒い風 風来坊探偵シリーズ2作目にして最終作。こんなに面白いのに、どうしてたった2作で終わってしまったのか? まあ、内容、メチャクチャですからね。あと、60分ほどの小品にしては、コダワリ過ぎ、金かけ過ぎ、だったのでしょうか。冒頭からミニチュア特殊効果で嵐に揉まれる船の描写が、なかなかの迫力です。 で、その船の沈没事件の謎の解明依頼が、千葉真一演じる探偵・西園寺五郎のもとに持ち込まれる。よりによってこんないい加減なヤツに依頼しないでも、と思うのですが、この難事件を60分ほどに終わらせるには、彼の軽薄さと強引さが必要不可欠。軽妙な会話のやりとりが、物語をグイグイ引っ張っていきます。 現地に急行する彼の前に立ちふさがる、堀越海運なる悪辣グループ。そこには案の定、用心棒のような男がいて、これが案の定、曽根晴美。千葉真一演じる主人公もインパクトある眉毛でなかなか濃い顔立ちですが、ライバル格の方も顔の濃さでは全く負けていません。この男、一作目に出てたのと同一人物なのか、それともここは一作目とは別次元のパラレルワールドなのか、イマイチ不明。 敵対グループと戦うだけなら、主人公が軽薄なだけの「任侠指数ゼロの任侠モノ」になってしまいますが、そこは「探偵」を名乗るこのシリーズ。何やら怪しいヒゲ画家の存在など、謎が謎を呼ぶ展開、さらにはアクションも散りばめられて、この短い尺には到底収まり切れない高密度設計になっていますが、それをしっかりちゃっかりさばいてしまう、手際の良さ。 何かにつけゲラゲラ笑い、まるで危機に陥るのが楽しくてしょうがないような、若き日の千葉真一。まさに、この時この瞬間にしか、作れないような映画で、2作ぐらいで終わっておいて正解だったのかも。[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-06 08:38:56)(良:1票) 《改行有》

2.  新・座頭市物語 《ネタバレ》 剣もバクチも無類の強さを誇りながら、普段は朴訥とした佇まいで周囲をケムに巻いている、この座頭市というヒト。こういうのが一番の悪人だろう、とか思っちゃうのですが、この第3作はあまりそういうイメージではなく、どうも本気で女性に惚れ、本気でカタギになろうとしているらしい。どう転んだって、勝新が誠実であるようには見えないんですが、それはさておき、そういうオハナシ。 しかし、いろいろと過去の因縁を抱えているもんで、簡単にはカタギになれない。それでもなろうとすれば、結果的には誰かが犠牲となる。こういうヒトは宿命として、決してカタギにはなれないんですね。 割と座頭市の個人的な部分にスポットが当たっていて、かつての師匠なんてのも登場します。まあ、これがロクな師匠じゃなくって。昭和残侠伝シリーズの池部良が親分に恵まれてないようなもんですかね。 この作品ではどちらかと言うと、普段の朴訥とした雰囲気が素の座頭市で、止む無く戦いに臨まざるを得なくなる、という展開。ある意味、まとまりの良い作品になってます。ニヒルさは座頭市よりも、彼をつけ狙う男(須賀不二男)の方に漂っていて、悪役顔が見事にキマってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2024-04-21 09:28:02)《改行有》

3.  片腕必殺剣 《ネタバレ》 スタジオでの撮影のシーンが多く、こぢんまりした印象は拭えないものの、一方ではセット撮影ならではの趣きのようなものもあって(香港版「時代劇」らしさ、とでも言いますか)、必ずしもマイナス要素ばかりではありません。雪が降る描写など、実にいい雰囲気。スタジオに作られた川に二羽の白鳥が泳いでたりして、なかなか手が込んでます。 片腕必殺剣、な訳ですから、主人公が片腕になってしまうのですが、他の方も書いておられるようにその経緯があまりにもあんまりなもんで、正直、爆笑してしまうのですが、それでも何でも作品の雰囲気がしっかりしていてブレないもんで、見ながら爆笑しつつも物語をしっかり受け止めてる自分がいる。これが最後まで持続するので(逆に一部のヘンテコなシーンが絶妙なスパイスとなって?)、作品に対する満足感に繋がります。ラストシーンは屋外ロケで、もうちょっと良さそうな撮影場所は無かったのか、とか思っちゃうけれど、中盤の祭りのシーン、特に主人公が因縁ある兄弟弟子たちの様子を茶店から伺うシーンなんてのは、サスペンスもあって実にいい。 主演はもちろん、ジミー・ウォング。彼の出世作ということで、まだ20代前半、若い! 端正な顔立ちにスラリとした体格、スターの片鱗を感じさせます。ただし、無精ヒゲが生えてるとやたらビンボー臭く見えてしまう。。。 『必殺「剣」』とあるように、主に剣劇、ですね。正直、スピーディでアクロバットなアクションが堪能できる映画、という訳にはいかず、発展途上感はあるものの、その点は日本のチャンバラ映画だって大差無く、要は、剣を振り回す動きがもたらす迫力。見応えとしては充分でしょう。殺陣が始まると場違いな音楽が流れ(おもに「春の祭典」、一部「展覧会の絵」)、ああ、香港映画だなあ、と。 右腕を失った悲運の若者、彼の師匠の身に迫る魔の手。敵は妙な形の武器を持ってて、なかなかにセコい攻撃を仕掛けてきます。実にセコい。で、どう考えても片腕のない主人公には最も対処が難しそうな敵のこの攻撃を、主人公はやたらアッサリ破ってしまう。片腕であることのハンデをどう克服して敵の攻撃を打ち破っているのか、神業過ぎてイマイチ判然としませんが、どうやら、敵の攻撃のセコさを事前に知っていさえすれば、打ち破るのは大して難しくないのでは?という気もいたします。ここに、伝説の片腕剣士、いや、ジミー・ウォングの片腕商法は、生まれたのであった・・・。 [インターネット(字幕)] 7点(2024-04-14 07:46:49)《改行有》

4.  砦のガンベルト 《ネタバレ》 冒頭、何やら取り調べみたいなことをやっていて、そこから映画の舞台は過去へ。ラストでまた冒頭シーンに戻って物語の輪が閉じる。こういう構成はおおむね、テッパンだと思うんですが、この作品はそれがいささか、あからさまで、ちょっとあざとい、というより何だかドン臭い印象が漂います。この冒頭からの流れで、早くも心配に。 スゴ腕だが、どこか陰のあるガンマンが主人公、というのも王道感がありますが、この作品、どっちかというと、実は周りの人たちの方が、暗い過去がある。砦の嫌われ者(?)の大佐の悲惨な過去が語られ、翌日、大佐が突っ伏した机の上には銃と、倒れたグラス、そして血らしきものが。スワ、一大事か。しかし部下(我らがボーグナイン!)が声をかけるとおもむろに大佐は二日酔いらしき頭を起こし、部下が体を引くとそこには机の上のブランデーの瓶が、という趣向・・・こういう演出って、どういうセンス、どういうノリなんでしょうかね。わからん。昨夜の悲惨な話の口直しに、ちょっとユーモアを挟んでみた、ということなんでしょうが、、、 で、舞台となっている砦は、先住民に取り囲まれ、やがて戦いへ。こういう立て籠もりシチュエーションも、魅力的、なはずなんですけどねー。砦の中が舞台ということで、スタジオ撮影。いや、スタジオで撮るなというつもりは無いですが、やっぱり程度問題、というのもあって、何となく味気ない。砦の中の光景は、もう少し印象的なものであって欲しい。 という訳で、いろいろ物足りないように感じていたのですが、それでも、クライマックスの夜襲シーンになると、炎の照り返しの中で繰り広げられる死闘がやたら雰囲気を盛り上げ、ちょっと「え?」という描写もありますが、なかなか見応えのあるクライマックスとなっております。エピローグに相当するシーンで唐突にThe Endと出てくるのも、悪くない。[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-10-14 06:03:48)《改行有》

5.  新・網走番外地 さいはての流れ者 映画冒頭の出演者クレジットを見ていると、おっ、と思う。「下沢広之」と出てきて、要するに子役時代の真田サンなんですね。子役時代にこうやって何度か健さんと共演して、ハリウッドスターの今がある、と思うと感慨深いものがあります(モンスター・イン・ザ・クローゼットに出てるポール・ウォーカーを見た時ぐらい感慨深い)。健さん演じる主人公の息子(血は繋がらないけど)ということで、出番もセリフも比較的多い、重要な役。今の面影があるかというと、「そういわれてみれば」ぐらいではありますが、時々、確かにこれは真田サンだわい、と思わせる美少年ぶりが垣間見えます。 というのが、正直、作品の最大のインパクトでして、もうひとつはじけていない印象の作品です。監督は佐伯清で、本シリーズではこの一本のみ。真面目過ぎるんですかね。いや、荒海を舞台にしたアクションもあるし、息子その他を人質にとられて危機一髪なんていう場面もあるし、もちろんラストはしっかり殴り込みで締めてくれるし、硬派なアクション映画にはなっているのですが、真っ当なだけに、この何でもアリなシリーズの中では、あまり目立たない作品になってるように思えます。 馬ゾリレースが前半のハイライトで、ここでも色々と作品を盛り上げようとはしているのですが、いかんせん、もともとスピード感の無いレースなもんで、地味な印象は拭えず。 谷隼人はどうあがいても作品に活かせそうにない役どころですが、せめて山本麟一は物語上、もう少し活かせなかったものかと。単細胞っぽいところは持ち味ではありますが、最後まで雑魚キャラっぽいままだったのが残念。[インターネット(邦画)] 5点(2023-08-11 06:40:27)《改行有》

6.  シェラマドレの決斗 いかにも「映像にこだわりました」という作品。レオーネ風(?)に顔面どアップを繰り出したかと思えば、会話シーンで手前の人物の後ろ姿を画面の中心に据えるなど、画面ナメまくり、視点歪ませまくり。 こういうのは、ふとしたシーンで目を引くからこそ効果的なんであって、こんなに乱発しても、目障りなだけ。 思えば「バック・トゥ・ザ・フューチャー」なんていう映画は、他愛ないっちゃあ他愛ないのかも知れませんが、それでも「このシーンをどう撮影してどのように見せれば、物語が面白く動いていくか」という点へのこだわりに関しては、本当に素晴らしい作品だったと思います。頭が下がります。それぞれのシーンが事件を孕んで物語の進行を促し、面白いシーンの積み重ねが面白い映画を作る。 たいして面白くないオハナシを、「その代わり映像にはこだわりました」というシーンがいちいち停滞させてちゃ、やっぱりダメでしょ、と思っちゃうのですが、こういうのも一種の、流行りすたり、でしょうか。一風変わった、西部劇。 サソリがデカくてなかなか見栄えがしてたのは、そこは良かったですかね。ああいう腕相撲はしたくないよね、というのはよく伝わりました。まあ、そんなもんでしょうか。[CS・衛星(字幕)] 4点(2023-07-16 06:34:11)《改行有》

7.  日本侠客伝 絶縁状 古風なタイトルですが、意外にこれが、現代劇。頂上作戦の頃でしょうかね。 主演はもちろん高倉健ですが、出演者クレジットのトメが藤山寛美。まあ、要するに、アレです、寛美さんが松竹新喜劇をクビになった不遇の時代・・・いや、復帰後にあたるのかな? 小島慶四郎も参戦して、東映でミニ新喜劇を繰り広げてます。 冒頭、主人公が刑務所で親分に面会する会話シーンからいきなり、マキノ監督らしいというか、カットを割りまくってますが、寛美さんの屋台前でのやりとりのシーンなどでもカットを割りまくると、ちょっとギクシャクしてくる。寛美さんが箸を持ったまましゃべってるのですが、カットが切り替わると明らかに箸の持ち方が変わってたりして、やっぱり映画俳優の方がこういうのは慣れてるのかな、とか。 内容が近代的になると、悪役も人相の悪い極悪オヤジではなく、いかにもクールで狡猾なイメージとなり、やっぱりここは渡辺文雄の出番です。このズル賢さを連想ゲームでも活かせていたら・・・。 いかにも好漢の主人公に、陰湿な悪役、一方ではユーモアも振りまいて、悪くない陣営だと思うのですが、今ひとつノレないというのが正直なところ。寛美さんはどうしても映画では浮いてしまうし、いくら健さんが好漢とは言え、正業を始めるやいきなり好調らしいのも、ちょっと安直に感じたり。 ラストの殴り込みまで、一通りは楽しめるものの、変化球的な作品の割に、全体的な印象としてはやや薄いように思います。[インターネット(邦画)] 6点(2023-06-24 09:19:26)《改行有》

8.  新・網走番外地 流人岬の血斗 冒頭に由利徹の前口上みたいなのがあって、健さんが素で笑ってるっぽく、なんだか楽しそう。と思いきやそのまま物語に突入し、決して楽しくはないここは塀の中。 今回のタイトルは「流人岬の血斗」で、どんなとんでもない場所かと思ったらこれが、看板に偽り大いにあり。網走から健さんが移送された先の刑務所は、囚人たちを信用して開放的な環境で更生を図ろうという、ヒューマニズム溢れる環境。それを支えるヒューマニズム親父が、志村喬。いい人、かつ信念の人。要するにちょっと面倒くさい人(?)。 で、監督が、降旗康男。と聞けば、映画がこういう路線になっているのも何となく、納得。火災をきっかけに知り合った母子との交流が描かれたりして。 舞台は海辺、とくれば、夕日を取り入れたシーンが印象的だったり。 そういう抒情性だけではなく、アクションも気合いが入っていて、トラックが横転炎上、なんていうシーンはちょっとしたスペクタクル。クライマックスのキャバレーへの殴り込みでは、階段も使った立体的なアクション。 正直、中盤やや妙な展開に感じる部分もあるのですが、見どころは多い作品です。[インターネット(邦画)] 6点(2023-06-10 08:58:02)《改行有》

9.  巨人の星(1969) テレビアニメを編集したダイジェスト版ですが、これだけでもう充分、お腹いっぱい。正直、胸ヤケがするほど。さすがは巨人の星。こうでなくては。こういうのを息子に見せて反応を確認したがるのが、昭和世代の悪いクセ、とわかっちゃあいるのだけど。ああ、やっぱり胸ヤケしてるみたいだなあ、と。 昔のアニメによくある事とは言え、セリフの途中で音声が消される箇所が多々あり、これだけ途切れまくると、ほとんどギャグです。これがまた、カルト色を高めることに。 テレビ版の再編集はいいんですけど、場面の繋がりがやたらと悪く、気を削がれます。一方で、色々な場面がカットされたからかどうなのか、意外に一徹さんがマトモな人に見えてくる。もっと理不尽な人の印象があったんだけどなあ。とは言え、もはやテレビ版を再確認しようという気力も体力も無く。すみません。むしろ飛雄馬の小人物ぶりばかりが目立つような気がするのですが、これも編集のマジックなのか、もともとこうなのか。 あと、こうして改めて見てみると、野球をプレーする体の動きのアニメ表現が、ダイナミックではあるのですが、根本的にどこかおかしくって、こういう部分では侍ジャイアンツはよく出来てたなあ、と。 そんなこんなも含めて、懐かしくも貴重な記録です。続きを見るかって? 考え中・・・[インターネット(邦画)] 5点(2023-06-10 07:17:56)《改行有》

10.  ガンファイターの最後 《ネタバレ》 これは、「アラン・スミシー監督」の実質的なデビュー作、と言っていいんですかね。ダメか。 リチャード・ウィドマーク演じる主人公の保安官が、とにかく周りから嫌われまくってて、もうほとんど笑っちゃうくらいに嫌われてるんですが、なにせこんな怖い顔だから、それも仕方がないのです。また、多少の誤解もあるとは言え、もちろん本人も悪い。やたら短気だし。顔は怖いし。 という嫌われ者なもんで、映画が始まって間もなく、襲撃を受けてしまう。この夜の馬小屋の場面、二階の暗闇から襲撃者の声だけが聞こえてくる不気味さが印象的です。 はたまた、若造の襲撃に始まりクライマックスへと繋がっていく終盤の一連の流れ。ドア越しの銃撃がバイオレンスを感じさせ、さらにクライマックスの追跡などは、ダーティ・ハリーの執念なども思い起こさせます。ダーティ・ハリーと本作との間に何か関係があるのかどうかはさておき。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-28 08:37:33)《改行有》

11.  燃える平原児 《ネタバレ》 エルヴィス・プレスリーが、白人を父、先住民を母に持つ主人公を演じた西部劇。これを見ても、何ゆえエルヴィス・プレスリーがあんなに大スターとしてもてはやされていたのやら、さっぱりわかりませんが、それは必ずしも悪い意味ではなく、あくまでこの大作とは言えない西部劇の出演者の一人として、複雑な境遇の青年の役を好演しています。一応はファンサービスなのか、歌声も披露しており、言われてみれば、スターらしい色気が無くも無いような気もしてきますが、おそらく気のせいでしょう。ということで。 この作品、何ともまあ、救いのないオハナシでして。主人公一家の周りでは、白人と先住民たちが、ひたすら対立しまくっていて、襲撃シーンなどもなかなか容赦のない描写。この一家はその家族構成ゆえ、できればこの対立に巻き込まれたくない。だけどそれを周りが許す訳もなく。そして周りが許さなければ、この一家を軸とした新たな対立の種が生まれてしまうことに。 最後まで何も解決することはなく、ラストシーンの別れが対立の終着点として描かれるこの悲劇、それをアクションを交えつつテンポよく描いていく手際の良さ。スターが主演だろうと何だろうと、B級西部劇の香りがいたします。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-05-07 07:45:13)《改行有》

12.  網走番外地 悪への挑戦 《ネタバレ》 高倉健が主演で、アラカンの鬼寅さんも出てくるもんで、確かに一応はコレ、「網走番外地」には違いないんでしょうけれど、それにしてもまた随分極端な路線変更。今回はほとんど、スクールウォーズです。熱血健さんと、尖ったナイフのごとき、若き谷隊長(@たけし城)との、心の交流。 さすがにストーリー上、さいぶ無理があるなあ、と思いながら見るのもまたオツなものですが、それにしてもちょっと無理が。変に義兄弟になったりするもんだから、あーたぶん谷隊長、この後どっかで殺されるんだろうなーと誰しも思うのですが、こんなあっけなく殺されるとは。映画途中からやや影が薄くなってしまってたので、死んでもあまりインパクトが。 スクールウォーズ路線から、ハードボイルド風味を漂わせつつ、ラストはしっかり任侠路線になって、かなりノリノリにドスを振り回す健さん。無理はあるけれど、イロイロ楽しめたから、まあ、いいかな、と。[インターネット(邦画)] 6点(2023-04-16 17:04:41)《改行有》

13.  夕陽に向って走れ 確かに異彩を放つ映画、には違いないのですが、、、だからと言って映画に引きこまれるかというと、それは別の話。主張が強すぎて、個人的には、ちょっとついていけないかな、と。すみません。 アウトサイダー的な先住民の青年が追い詰められていく姿、彼を追い詰める人々と微妙な距離を保ちながらも、彼と対峙するロバート・レッドフォード。特にクライマックスにかけての対決は、他の映画と一線を画す独特の描写となっています。 でも、独特ではあるけれど、技あり、という感じはしなくって。ちょっと、狙いすぎ? キャサリン・ロスの演技も、手持無沙汰のあまり、無理に行間を埋めようとするかのような、ムダな所作がちらほら。これを自然な動きというのか、演出力不足というのか。 ヘタウマと、単なるヘタとの差異って、どこにあるんでしょうね?[CS・衛星(字幕)] 5点(2023-04-01 03:32:43)《改行有》

14.  網走番外地 決斗零下30度 《ネタバレ》 網走番外地シリーズってのは、続きモノだとすると相当に無理があるので、一種のパラレルワールドものなんだろうと思ってたのですが、この作品の冒頭に回想シーンがあるのを見るとどうやら、続きモノだったようですね。いや、回想を含めてのパラレルワールドかもしれませんが。 もしも続きモノであるなら、邦衛さん演じる大槻とは、今回でお別れ・・・今回もお別れ? いややっぱりこれ、どういうシステムなんでしょうか。 それはともかく、今回は「決斗零下30度」ですから、シリーズ屈指の寒そうなタイトル。実際は、見ててそこまで寒そうには見えませんが、でも充分に雪景色が広がっています。そこそこ、寒そう。 冒頭、健さんがマセガキ、じゃなかった、少女と知り合って、さらには胡散臭い手品師とも知り合って、何かとユーモラスですが、例によって、たどり着いた地にはびこる悪へ立ち向かい、クライマックスは雪原での銃撃戦。雪中に展開される西部劇です。音楽もそんな感じ。マカロニ風味。 当然のように都合よく現れるアラカンは、今回は「八人殺し」というよりは、どこからどうみても普通に地元の老マタギ。ただし残念ながら銃を構えるともうひとつ、サマになってません。それもまた、味と言えば味。武器を投げ渡すのに、いくら何でも抜き身の刀を投げ渡す人がありますか。それもまた一種の味わい深さ。 撮影のために馬が本当に棒で殴られてたのか、気になる・・・。[インターネット(邦画)] 7点(2023-03-18 10:13:57)《改行有》

15.  網走番外地 大雪原の対決 前作の「南国の対決」から、帰ってきました北海道。雪また雪の真っ白な世界、ロケ撮影も大変でしょう。雪に足が取られたのか、カメラが猛烈にガタつく場面もあって、さすがに今の撮影は失敗じゃないの、と思ったりもするけれど、そういう作品の傷のような荒々しさも含めて、これぞ大雪原の対決だなあ、と。 冒頭の刑務所の場面から始まって、あれやこれやと行き当たりばったり、適当なストーリーのようでありながら、意外なまとまりを見せて、ちゃんと内田良平との対決に始まり対決に終わる、脚本の妙。そこに、ニセ鬼寅親分のエピソードも加わって、今回はアラカン大活躍です。クライマックスは、銃撃戦を繰り広げつつドスも振り回し、西部劇と任侠映画が同時に楽しめる親切設計。 油井に組まれた櫓が一気に燃え上がる場面なども、壮観でした。ダイナミックな作品です。[CS・衛星(邦画)] 8点(2023-02-19 12:30:12)《改行有》

16.  底抜け大学教授 「ハイド博士とジキル氏」、ってなところでしょうか。見るからにダメダメな大学教授がナゾの薬を開発し、こいつを飲んだらキザなスーパースターに化けてしまう。 薬品でもって何になるかはさておき、路線としては、悪魔の毒々モンスターにも繋がるものがありますが、これはさすがにジェリー・ルイスの責任では無いと思う。 作品のチープな印象は拭い難いですが、ジェリー・ルイスの芸達者ぶりが楽しい作品、後のドリフコントあたりへの影響もしっかり感じることができます。 バカバカしい一方で、変身シーンのおどろおどろしい感じはしっかりホラーテイスト。やっぱり、マッドサイエンティストものにハズレはないですよねー(???) 「ジョーズ」ことリチャード・キールがちょっとだけ登場。[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-02-19 10:10:15)《改行有》

17.  人生劇場 飛車角 いや素晴らしい。この映画に減点要素があるとしたら、鶴田浩二の髪型が何となく変、ってことくらいじゃないでしょうか。 任侠映画の嚆矢とも言われる作品ですが、東映時代劇路線からの橋渡しのような作品でもあり、趣きがあります。暗めの映像、雨や雪、岩に砕ける波。そして随所で用いられるクレーン撮影、画面がビシっとキマります。 さらには何と言っても印象的な、鶴田浩二の横顔。やっぱり髪型が何となく変。ってのはどうでもよくって、耐える男の横顔が、いい。 健さんが若い。後の作品のような寡黙な役どころではなく、一本気の若者を熱演して、健さんらしからぬあんなことまで・・・。 月形龍之介がまた、いいんです。元・侠客の吉良常。定年後のサラリーマンみたいですが。飛車角の漢気に惚れる彼もまた、充分に惚れられる存在となっています。 ラストの坂は、任侠映画屈指の名シーンでもあり、任侠映画の型がまだなかった初期作品ならでは、とも言えそうです。[インターネット(邦画)] 8点(2023-02-12 10:13:59)《改行有》

18.  パリは燃えているか 乱暴な感想ですが、こういう映画、やっぱりこの「約3時間」という長さが、いいなあ、と思っちゃいます。描いても描いても描き切れない、という、この長さ。 で、また、この「市街戦」というやつに、惹かれてしまう。日常であるはずの街の風景が、戦場と化す。大規模な破壊シーンなどは出てきませんけど、パリでのロケ撮影をこれだけやったのだから、やっぱり大したもの。かつて戦場となったこの街、あわや灰燼となり果てかねなかったこの街で、その戦いを描いて見せる。街の歴史、歴史を抱えた街。その歴史があってこそ、今の街がある。 不足を言えばキリがないだろうけれど、充分に堪能させられる、約3時間でした。 とは言えやっぱり、セリフは各国語でやって欲しかったなあ。[CS・衛星(字幕)] 8点(2023-01-29 20:40:04)《改行有》

19.  大いなる旅路 《ネタバレ》 三國連太郎演じる鉄道員の半生記。喜びも悲しみも何とやら、といった感じの作品です。息子役に若き日の高倉健が出てます。要するに「ぽっぽや」の父さんも「ぽっぽや」だった、ということですね。親子役をやるほど歳は離れてないと思うんですけど。でも違和感ないです。 機関車、そして駅が、映画に何度も登場します。この二つが出てくる映画は、まずハズレが無い。とまで言うと、言い過ぎですが、機関車も、駅も、映画では魅力的なアイテム。そして蒸気機関車には雪がよく似合う。 しかもなんとこの作品、機関車の脱線・横転シーンまである。気合い入ってます。この事故で、主人公は九死に一生を得るけれど、先輩は命を失ってしまう。この事故の前は機関車のカマ焚きしかやらせてもらえず腐り気味だった主人公、事故の後のシーンでは、これから心を入れ替えて一生懸命やるぞ、と笑いながら宣言する。先輩が死んでしまったのに、こんな笑ってていいのか?と、気になってしまうシーンですが、その引っかかりがあるからこそ、印象的なシーンにもなってます。現実生活であれば、落ち込む場面かもしれない。映画だからこそ、彼の笑顔が、彼の転機を如実に物語ります。 中盤、主人公は鉄道員というより、単なる頑固オヤジになってしまいますが、ホームドラマでもあるのだから、仕方がない。鉄道以外に印象に残るのが、主人公の家。時の流れとともに世の中は移り変わるけれど、自分の家はいつでも自分の家。 そういや、映画は戦前から始まり、やがて戦時中となって世の中殺伐としてくる。戦後、平和になるのかと思いきや、やっぱりゼネストだとか言って行進してたりして、世の中移り変わると言っても、結局、同じようなことやってるんだなあ、とも思ったり。[CS・衛星(邦画)] 7点(2023-01-28 17:47:30)《改行有》

20.  風来坊探偵 赤い谷の惨劇 冒頭にニュー東映のマーク。ギザ付き10円玉を見つけた時のような微妙な嬉しさがありますね。 深作欣二の初監督作品、ということですが、後の実録路線などで見られるような手持ちカメラによる暴力描写はまだ見られません。まあ、サブタイトルが多少おどろおどろしいとは言え、基本はコミカル路線の作品ですしね。その代わり、俳優の細かい所作でもって、カットをどう繋ぐか、あれこれと工夫を凝らしたりして、才気はしっかり感じさせます。実際に雪山でロケしてるのも作品の雰囲気をしっかり出してるし、墜落したセスナ機を実物大で山の斜面に再現しているのには、ちょっと驚かされます。本物らしきセスナ機が登場するシーンもありますが、まさかこんな場所に着陸させて撮影したの?と、これもビックリ。 主演は千葉真一、こちらも初主演ですが、いやはや若い。もともと声にはそんなに貫録が無い人ではありますが、この頃はさらに甲高くて頼りないですね。しかし動きはさすがに機敏、殴り合いのアクションをキビキビと展開します。 一見風来坊の彼の正体は、セスナ機墜落事故の真相を追う私立探偵、だそうですが、そんな簡単に自分が探偵だと身分を明かしたり、依頼主についてしゃべっちゃったりして、よかったんでしょうか。よくは無いでしょうが、要はそういう、軽いノリ。ライバルとのやり取りのセリフも実にクサくって、まさにこれぞ、千葉真一。 これでもかと展開される銃撃戦、さらにはダイナマイトまで使用して、ド派手にブチかましてくれます。1時間ほどのいわゆる「B級」な映画ならではの、痛快かつデタラメな作品に仕上がってます。[CS・衛星(邦画)] 7点(2022-10-23 12:28:47)(良:1票) 《改行有》

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