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1. ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
《ネタバレ》 この映画も年取ってから観ると印象変わるね。それにしても長いのがちょち辛いのは相変わらず。でも音楽は心地よいのだ。あと言葉と心の裏腹感、目や表情だけの演技、行間を読ませるようなタメとか、そのへんの妙に後引く余韻がイイ。それとなんていうか回想場面での若さゆえのすっとこどっこいぶりを観ていて、思わず己のことを思い出し密かに赤面してしまったり。下世話な部分の描き方は北野武作品と共通してる気がするね。他の女に対してデボラを別格に置いてるのもなんか切なくていい。変わらず綺麗でいてくれる女ってのはプライスレスだよな。個人的にはペギーみたいなのもざっくばらんでいいけどね。でも肝心のストーリィがねぇ…途中までは良かったのにな…。デボラの楽屋に会いに行ったあたりまではいい感じだったんだけど、あのオチには急転直下一気に評価下がりました。ここまで観てきた3時間をドブに捨ててるみたいでもったいないですね。それこそゴッドファザー並のグレードを期待してただけにちょっと違和感。あのオチのあたりを切り落として未完の作品として出してたらむしろ評価は高かったかも。
[DVD(吹替)] 7点(2007-01-06 22:52:16)《改行有》
2. 麻雀放浪記
封切りのとき新潟の西堀でバイト後に観たんだったっけ…
本日DVDで再鑑賞。てゆうかTVでも何回か観てるね。
原作小説はリアルタイムでなく文庫本で読んでましたが、その脳内補完があってはじめて
映画として観賞に耐えられるような気もします。
それでもやっぱり健=鹿賀丈史、出目徳=高品格のイメージは固定だな。
坊や=真田広之もかな。少なくとも火野正平はない。Vシネの続編は勘弁。
あたしの中では女衒の達さんの加藤健一もひそかに固定。
当時27歳、微妙なイモ感の大竹しのぶ=まゆみ…でも好きです。
そう、この作品の不器用な恋愛ストーリーの面がいいんです、あたしには。
「…違うわ、あんたがあたしに惚れてるから。あたしのは己惚れじゃないからね。」
のセリフをはじめ健とまゆみそして達のからむプロット、この印象が後を引きます。
なかでも今回は女衒の達さんの存在感の大きさを再確認した次第。加藤健一さんはすごい
です。女衒としてのプロ意識、健に対する博打打ちとしての評価と信頼、それでいて男と
しての誠実さ。ほんとにキャラ立ってます。
そしてドサ健のこのセリフ「あいつは俺の女だ。この世でたった一人の俺の女だ。だから
あいつは俺のために生きなきゃならねえ。俺は死んだって手前っちに甘ったれやしねえが
あいつだけには違うんだ。あいつと死んだおふくろと、この2人だけには迷惑かけたって
かまわねえんだ、わかるか!」…自己中全開フルスロットルですけどね、ここが好きなん
です。昨今の優しいけど前に進めない男とは違う、馬鹿で甘ったれだけど前に進む意志の
ある男。逆切れですけどね。
これと後のシーン「田舎になんかけえらねえでくれよぅ」と駄々をこねる場面の情けなさ
もセットにして、なんだか切ないのでございます。
たかが博打、自己満足の世界に他人を巻き込むんじゃねえよと、そらまあ理性のほうでは
わかっちゃいますがね。
でもこれがこの甘ったれ我儘野郎・ドサ健が直球勝負して世界の中心で叫んだ愛なのかも
しれんなと、とりあえず世間のストライクゾーンからは大きく外れていることを別として
スピードガンで測ったらこの剛速球は100マイル/hは出てるんじゃないかなと…
ええ、今日このDVD借りたのはドサ健の100マイル/hが観たかったからなんです…
[映画館(字幕)] 7点(2005-11-27 01:37:23)《改行有》
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