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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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2. カッコーの巣の上で マクマーフィは、あの状態で生きていたくないだろう。チーフの友情に 感動。そのチーフも病院から逃げ出して、カナダにたどり着いたとして 待っているのは差別と貧困の茨の道であろう。自由とはかくのごとく 厳しいものなのですね。「泥沼の自由か、檻の中の幸福か」の選択で、結局自分を含め、大多数の人は檻の中を選び、日々のつつましい日課 の下に自分の中の獣を押し隠して生きている。観る人皆にマクマーフィ が「おまえはカナダに行くのか、それともここに残るのか」と 問いかけている作品。 10点(2003-11-13 10:18:44)《改行有》 3. 仁義の墓場 パワーのある映画。渡哲也が熱演していますが、端整さが災い して、小川力夫の狂気をいまひとつ伝えきれなかった気がする点が残念。どんどんディスペレ-トしてゆく力夫が、レイプして自分の女に した多岐川裕美を結核で死なせる前に入籍していた話も、戸籍を撮るだけのぶっきらぼうさによって却って哀しみが伝わってくる。 親分の前で妻の骨壷を開けて無言で骨を喰う場面は、鬼気迫るものあり。 8点(2003-11-12 10:13:02)《改行有》 4. タクシードライバー(1976) 名誉除隊した海兵隊のベトナム帰還兵が帰ってきたものの強い違和感を覚え、結局武装して自分の戦場に向かうってことですよね。ベトナム戦争が終わって間がない製作当時の状況下では、殆ど説明が なくても前提が理解できたのでしょう。ベトナムがどうこういう話が 出てこないので、今観ると基地外運ちゃんの脳内世界みたいなかんじ です。相手に銃を押し付けて撃つくらいの接近した銃撃戦の末、 自分のコメカミに当てて引き金を引きますが、あれがトラヴィスの 望んだゴールだったのでしょうか。鏡に向かってのデニーロの演技、 俺に言ってるのか?っていうの、良かった。8点(2003-11-08 11:41:04)《改行有》 5. 戦争のはらわた ここのレビューを見て、レンタルビデオで初めて観ました。すんごい 作品です。コバーンが軍曹という設定がいい。リー・マービンと双璧。 それと小隊のメンバーがいい。体臭と硝煙の匂いがしてきそうな連中 達。なにしろ垢が溜まりすぎて防水仕様になっているという歴戦の つわものです。また捕虜のロシア少年兵が可愛い。未だ声変わりも してない子供。小道具のハーモニカ。やはり戦場にはハーモニカでしょ 。こういう現場の丁寧な描写があとで効いてきます。 捕虜という選択さえ存在しない地獄の東部戦線で、苦難の末敵中 突破し帰還した末に待っていたものは・・あのホモの将校に短機関銃 を腰だめでぶち込むのに、一瞬間を置いたところが、カタルシスを 高めました。でもなぜマイヤー中尉をぶち殺さない?!あのフランスで 楽をこいてアビニョンの橋でなんて歌っている俗物になぜ怒りの銃弾を ぶち込まないんだ!と思ったらラストシーンでもっと酷薄な状況が 用意されていました。リロードはどうするんだ?リロード?ハハハ みたいな。この映画を観たら敵味方みたいな二元的な捕らえ方の 他の戦争映画が薄っぺらく感じてしまいます。 10点(2003-11-07 11:37:08)(良:1票) 《改行有》 6. ディア・ハンター 《ネタバレ》 捕虜のときの3発入れたルーレットで、引き金を引いちゃったあとの ニックの恐怖と呆然に恍惚が混じった表情。すごい演技でした。 でも、泣けたのは、サイゴンでマイケルと勝負したとき。デニーロが 「これがお前の望みなのか?」で、「アイラブユ、ニック」って言って 引き金を引いた時のあの表情。嗚咽こみあげました。10点(2003-11-06 17:49:13)《改行有》
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