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1.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 この映画は人間ドラマに重きを置いているように感じた。 しかし、そこに微妙な感情表現や行間を読ませるといった演出は皆無。 登場人物はいきなり激高したり、いきなり暴力を振るったりと感情表現が過剰で、その後何事も無かったかのように話が進展するのには驚かされた。 私には登場人物が皆情緒不安定に見え、現実離れで不自然に感じた。 過剰な演技を分かり易いと捉える人が多いのだろうか?、ゴジラの登場以外の細部にも現実味を持たせたほうがゴジラに対する恐怖感が増すと思うのだが。 反面、映像は美しく満足できるものだった。 ゴジラとの距離感や角度からも迫力が伝わってきた。 また、終戦後の街の描写もリアリティがあり良かったと思う。 多少ツッコミどころもあったが、「シン・ゴジラ」の芋虫ゴロゴロと比べたら雲泥の差。[映画館(邦画)] 5点(2023-11-11 19:07:10)(笑:1票) 《改行有》

2.  イングロリアス・バスターズ とても見ごたえがあった。キャスティングが良い。ヒトラーを暗殺するアイディアが面白い。場面場面が綿密かつ丁寧に作られている。特に感じるのは、単に残酷な場面を見せるのではなく、そこへ至るまでの緊張感の盛り上げ方が素晴らしい。ただ、ストーリーに一本筋の通ったものが見当たらないのが残念。どの場面も面白いのだが、全てを見ると散らかりっぱなし。木を見て森を見なければ、文句なしの傑作。[映画館(字幕)] 7点(2011-05-29 10:15:50)(良:1票)

3.  追憶の切符 《ネタバレ》 赤ん坊のころに捨てられ、孤児として育った主人公が、育ての親である孤児院のシスターの死をきっかけに、親探しのたびに出るストーリー。中国の壮大な自然を背景に主人公の行動を追ってゆくのだが、壮大な風景をキャンバスにして主人公の心の動きを描いた絵を見ているようで、なんともいえない"おもむき"がある。人々の優しさも、見ていて心が安らぐ。そして、真実が解明されたとき、すでに亡くなったいた母親の愛情が明らかになっていく展開は、とても感動的。中国映画の良さと、斬新なアイディアがマッチした素晴らしい映画である。DVDも未発売とのことで、鑑賞の機会が少ないのは残念。[地上波(字幕)] 9点(2009-10-26 01:18:58)

4.  トランスアメリカ 《ネタバレ》 性同一性障害は今や社会的に認知されてはいるが、到底、本当の苦労など実感できるわけがない。しかし、この映画を見ていると、主人公に共感できるのはぜだろう。主人公の数奇な境遇、義父から性的虐待を受けていた息子は、同性愛者に体を売ったりポルノ男優もこなす。今まで見た映画は、これだけのドロドロとした題材があると、泣いたり叫んだり怒ったりと、上っ面な悲劇を演出しがちだが、この映画は違う。静かな展開をベースに要所要所のみで感情表現をし、主人公の優しさ、悲しみ、生きる意味、を見事に描いている。脚本といい、それぞれの役者の演技といい、とても良質なものに仕上がっている。ゆえに主人公の胸中が切々と伝わってきた。納得できる作品である。ところで、映画の中盤で付いていた主人公のペニスが、終盤で無くなっていたのには驚いた。役作りのために20kg太ったとか歯を抜いたという話は聞いたことはあるが、この俳優はペニスを切除するとは凄い根性だ、と思ったら、女優だったとは。素晴らしい演技に脱帽。[DVD(字幕)] 9点(2009-10-18 12:39:56)(良:1票)

5.  チェンジリング(2008) 《ネタバレ》 いつも、イーストウッド監督の作品は、それほどいいとは思わないのだが、この作品は最後まで引き込まれ楽しめた。他の作品同様、人物設定が大雑把(善人、悪人の設定が短絡的等)なところはあるが、それが逆にストーリーを分かりやすくして、主人公の苦悩に共感できる効果を生んでいると思う。それにしても、いくら警察から入れ知恵されたからとはいえ、あんなに冷酷に嘘をつける子供がいたら恐ろしい。鑑賞している間、この子供の髪の毛を分けて見ると"666"というアザがあり、本当の名前は"ダミアン"に違いないという想いが頭から離れなかった。[映画館(字幕)] 7点(2009-09-16 13:30:14)

6.  ライフ・イズ・ミラクル 支離滅裂!、多分この手のマニアの方が観る映画を間違えて観てしまったようです。失礼しました。[地上波(字幕)] 1点(2009-06-05 12:04:17)

7.  おくりびと 《ネタバレ》 いい映画なのに残念。テーマもいいし、本木雅弘や大御所らの演技もいい。淡々とした雰囲気もいい、ユーモアのセンスもいい。ただ、人間描写にリアリティーが感じられない。妻や友人、周囲の人が"納棺師"に対する偏見を、あんなに露骨に表すのは現代社会では不自然。あんな偏見があることを私は知らないし、もし、偏見を持った人がいたとしても、それを表面に出してはいけないことなど、現代の社会人ならわかっていて当然。"納棺師"の仕事を目の当たりにして、理解を示すようになる彼らの心の動きも、取って付けた様で違和感をおぼえる。彼らはバカなのか、とさえ思ってしまう。こういった真面目なテーマの映画は、もっと微妙な表現をして、現実みをおびてこそ、本当にいい映画なのではないかと私は思う。特に妻の役は、非常に難しい演技が求められる役どころ、もっとどうにかならなかったのか・・・。 [映画館(邦画)] 6点(2009-05-01 23:18:27)《改行有》

8.  死ぬまでにしたい10のこと 《ネタバレ》 雨の中、裸足で佇むアン。これはきっと深く考えさせられる映画が始まるな、と、思ったのは私の間違いだった・・・ 倒れて病院へ行き、その日に死の宣告とは、いくらなんでも早すぎはしないか。直ぐに事実を受け入れたアンは気丈なのか、はたまた能天気なのか。家族に心配を掛けたくないと病を隠す心配りとは裏腹に、どうせ死ぬなら男を作るという短絡的思考。同じアンという名の女性を夫の後妻にと手配するとは、大きなお世話。私が同じ立場に立たされたとしたら、こうも簡単には割り切れないだろう。ましてや、新しい恋愛をするような意欲は失せてしまうに違いない。「死ぬまでにしたい10のこと」を考える前に、藁をもすがる気持ちで存命の方法を探しまわるに違いない。そこには、生きる為の模索があり、失意があり、心の葛藤があるだろう。生きる意欲を失うかもしれない。それらを乗り越える苦悩がこの映画にはほとんど描写されていない。もし描写されていれば、アンが同じ生き方をしたとしても、全く違った映り方になったのではないだろうか。どんなに安易な生き方であれ、余命を前向きに生きるのは立派なことだと思う。しかし、簡単にできることではないとも思う。この映画には、最も重要な説明が欠落しているのではないだろうか。 [DVD(字幕)] 3点(2006-12-10 00:26:22)《改行有》

9.  ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア 《ネタバレ》 テーマも興味深く高得点なので観てみたが、表現があまりにも軽くテーマとアンバランス。 死期を宣告された2人。やけ酒飲んで、見たことない海を見に行くのにベンツ盗んで強盗に変身。 死に直面している2人が、よくこんなに早く気持ちの切り替えをして、割り切った行動にでたものだ。 挙句は銀行強盗まではたらくとは、法もモラルもあるものか。 これで捕まらないのだから、どんな滅茶苦茶な筋書きも有りかと思うと、この時点で真剣に観る気はしない。 ギャングは馬鹿だし、警察官は間抜け。笑いのセンスはマニアック。銃はバンバン撃ちまくる。 命の重さなど無視したこの展開、脳腫瘍の男が発作を起こす場面や最後に海を見る場面だけ、やけにシリアス。 この映画、私にはどのように感動したらよいのか分からなかった。[DVD(字幕)] 4点(2006-01-30 18:52:46)(良:2票) 《改行有》

10.  マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 結末に、ただ唖然とするばかり。高級料理をコースで楽しんでいたら最後に腐ったお子様ランチが出てきたような気分。 デンゼル・ワシントンが演じるのは、心に傷を負いアルコールに頼る以外に生きる術を失った元米軍兵士ジョン・クリーシー。そんな彼が女の子に心を開いてゆく流れは圧巻。それ故、女の子が誘拐犯に殺害されたと知り、復讐の鬼と化すのは心情的に納得できる。しかし、女の子が生きてたなんて・・・、殺害シーンが無かったので、もしかしたらと嫌な予感がしてはいたが、こんな人を馬鹿にしたどんでん返しは見たことがない。愚の骨頂。女の子が生きていると知ったら、クリーシーは殺す必要の無い何人もの人を殺さなくて済んだはず。女の子の父親まで自殺に追いやってしまったではないか。誘拐犯が何の行動も起こさずに、何ヶ月(?)も女の子を監禁していたのも不自然。可愛い女の子が死ななければ、いくら悪人とはいえ大勢の人が死んでもよいのだろうか。女の子が生きていたことだけを短絡的に喜ぶ気にはとてもなれない。間違えて大勢の人を殺してしまった馬鹿な男の映画など誰が見たいと思うだろうか。[DVD(字幕)] 5点(2005-11-16 01:13:05)

11.  ミリオンダラー・ベイビー 《ネタバレ》 評価も高く感動された方が多いようで大変心苦しいが、私はこの映画に入り込むことが できなかった。余計な説明を省き主人公を浮き彫りにして感動を呼ぶ手法は良いとして 、あまりにも説明不足で作りが大雑把。マギーがあれほどボクシングに夢中になった背 景は、ただ貧乏だったから、他にもっと納得できる理由があってもよいのでは? いき なりエディの門を叩くが、それほどまでにエディを崇拝する心中は? ボクシングシー ンがお粗末、映画だから割引いて観ても、特にエディから離れチャンピオンになった男 のボクサー、ボクシングが下手で観てられない、だからカットを短くしているのだろう か? そして、相手選手の反則によりマギーが全身不随となる突飛な展開、なぜ突飛か というとボクシングはしっかりとした管理下で行われるスポーツ、もし仮にあんな事故 が起これば相手選手だけでなくレフリーも責任を問われ大問題になるはず、どういう処 分を受けたのだろうか? それと、マギーが全身不随になった医学的な説明が少しはあ ってもよいのでは? まるでフジTV『こたえてちょーだい』の再現VTRを観ている ような信じられないマギーの家族、重いテーマの映画とのバランスが如何にも悪いので は?  マギーの父親が足の不自由な犬を安楽死(?)させた話と、フランキーがマギ ーの自殺幇助(?)をする結末をダブらせているのだろうが、これは不発。似た展開で 『二十日鼠と人間』(1992年)という映画があるが、私に重く圧し掛かり深く考えずには いられない傑作だった。しかし、この『ミリオンダラー・ベイビー』は役者の存在感と 感動させる為の単純な計算だけで成り立っている軽い映画にしか感じられなかった。[映画館(字幕)] 5点(2005-10-12 00:09:38)(良:1票) 《改行有》

12.  Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?(2004) 《ネタバレ》 ストーリーのみならず各場面もオリジナル版とよく似ていたが、印象の面で大きな違いを感じた。リメイク版を後から見たことを考慮しても、印象がどことなく希薄に感じられたのである。 確かにビジュアルな面ではジェニファー・ロペス、リチャード・ギアのインパクトは強い。しかし、観る者が何を求めるかによって違ってくるだろう。私がオリジナル版で感動したのは、ダンスを追求するがゆえ他人への思いやりや優しさを忘れていた岸川舞(草刈民代)と、平穏な日々の物足りなさから多少の浮気心でダンス教室に現れた杉山正平(役所広司)が、その出会いによって互いに自分に欠けていたものを発見してゆく人間ドラマである。 ところが、リメイク版ではジェニファー・ロペス演じるダンサーが、なぜパートナーと決別してなぜ場末のダンス教室の教師をしているのか説明が不十分であり、微妙な心の変化は今ひとつ伝わってこない。この説明は、物語の始まりであるダンス教室の窓から虚ろに外を眺めるダンス教師、その理由の説明でもある。物語全体のまとまりはもちろん、説得力にも影響する重要な部分ではないだろうか。 他の配役についても同じことが言える。リメイク版の渡辺えり子役、竹中直人役、共に良い味を出していたが、背景の説明が不十分な為、人間ドラマとしては多少希薄になっている。 もう一つ、手法で違いを感じたのはコミカルな場面である。例えば、オリジナル版の竹中直人は極め付けに気持悪いダンスを踊り、会社でもダンス風の歩き方をしてる。それに比べ、リメイク版ではそれほどデフォルメせずに、リアルな描写をしている。探偵と婦人が探偵事務所前で出会う場面もオリジナル版は滑稽なのに対して、リメイク版では普通の演出になっている。演出自体どちらが良いとはいえないのだが、映画全体から見ると意味が違ってくる。ベタな笑いは手法を間違うと安っぽくなってしまうが、オリジナル版では、人間ドラマを際立たせるコントラストとすることで成功していると思う。冒険をせずに無難に作るとリメイク版のようにリアルな描写となるのではないだろうか。 ちょっと変な例えだが、両者を味噌汁に例えると、オリジナル版に負けまいと高級な味噌や食材を調達してレシピどおりに作ったのがリメイク版で、飲んでみると出汁が効いているのはオリジナル版だったというところではないだろうか。[映画館(字幕)] 7点(2005-05-12 16:17:18)《改行有》

13.  ディープ・ブルー(2003) これは、凄い。 どうやって撮影したのだろう、と、驚くシーンの連続。 一見の価値あり!  ・・・ だが、ドキュメンタリー映画としてはどうだろうか。 終始流れるオーケストラの音楽が気持をリラックスさせ、眠気を誘う。 まるでクラッシクのコンサートを聴きに来ているような錯覚さえした。 ドキュメンタリーなら、音楽中心ではなく、映像に対する説明をもう少し増やし科学的な興味を満足させてほしかった。 いつ何処で誰がどうやって撮影した映像で、どれだけ希少価値のものなのか不明な点が多く、 ビジュアルな凄さは伝わってくるが客観的な凄さがわかりづらい。 映像をつなぎ合わせ音楽をかぶせただけで、全く構成になっていないような気がする。 また、捕食の場面など、ところどころで聞かれる"ザー"とか"ジュバーーー"という音、 あれは後から付けた効果音ではなかろうか? ドキュメンタリーとしてはマイナス面が多いように思う。 これだけ凄い映像を観た後に感動や興奮はあまりなく、落ち着いたなんとも心地よい気分になった。 リラクゼーションビデオとしたら満点。7点(2004-08-08 14:10:26)《改行有》

14.  人狼 JIN-ROH 《ネタバレ》 アニメで、このような表現ができるとは驚いた。アニメファン以外にも観ていただきたい作品である。 ・・・ 淡々とした冒頭のナレーションが、重々しい雰囲気を醸し出す。 荒廃した時代背景。下水道で作戦を企てるテロリスト達。高度な技術で描画されるトコトン暗いシチュエーションは、 これから起ころうとする何かを予感させ、緊張感を高めてゆく。その緊張感を突き破るように現れる特機隊、 この迫力は凄いとしか言いようがない。 アクションシーンは、これでもかとばかりに押し付けがましく見せられると辟易する。 また、同じアクションシーンでも見せ方によっては陳腐なものになってしまうだろう。 しかし、この「人狼」は違う。少ないアクションシーンを、静けさの中に見事に際立たせている。 静と動のコントラストが、迫力を増すのに素晴らしい効果を生んでいると思う。 登場人物の表情についても、同じことが言える。主人公の伏をはじめ、無表情なシーンが多いが、 だからこそ悲痛な叫びを表す表情に迫力が出るのだと思う。 終始喜怒哀楽を表していたのでは、大切なシーンでの表情が埋もれてしまったであろう。 ストーリーに童話の赤頭巾をオーバーラップさせ、悲恋の物語としているところも、絶品である。 多少難解とも思えるストーリー、さらに細かい説明を省略する手法は、観る者を検閲するかのように集中力と洞察力を要求する。 たが、ひとたび物語りに引き込まれると、自らの力で展開を解読してゆく快感から逃れられなくなる。 それゆえ、伏が雨宮を撃ち殺すラストシーンは、悲しいとか悔しいとか一言で表現できるものではなかった。そこには、 頭を何かで殴られたように、ただ呆然としている私がいた。10点(2004-07-20 00:41:15)(良:1票) 《改行有》

15.  カッコーの巣の上で この映画に出会ったとき、私は管理社会に対して大きな疑問を感じていた時期であった。 国家であれ、企業であれ、学校であれ、管理なくして秩序は保たれない。 その必要性を理解し納得しているはずなのだが、何か合点がいかない現実が周りにあった。 企業、学校など、いろいろな組織体系の中で、正しいとされている規律が、決して社会全体から見ると正しいことではなかったりする。 ところが、多くの人々は、自分が置かれている環境でしか通用しない「正しいこと」について、問題意識すら持たない。 そんな、釈然としない実体験が、この映画の中で展開する世界にオーバーラップしたのである。 病院側の、人間性を無視した管理。患者達の、現状に甘んじる消極的な態度。 まるで、現実社会の縮図を見ているような気がした。 冷酷なまでに患者を支配するラチェッド婦長。彼女の心無い一言が、患者ビリーを自殺に追いやった。 憎むべき対象以外の何者でもない。許せるわけがない。 私もマクマーフィ同様、反旗を翻し管理側に立ち向かったことがあった。 チーフのような力強い協力者も現れたが、権力と個人の力の差は大きく、結果は敗退。 組織から排除されたのも、この映画同様である。 ロボトミーを受けずに済んだのは幸運ではあるが。 しかし、二十数年間この映画を観続けてきた今、私は他人を管理する立場にある。 組織運営の為、規則により一人一人の自由を剥奪している。 その結果、管理を厳しくすればするほど、組織の秩序が保たれることを実感している。 ラチェッド婦長こそ、管理の教科書ではないかとも思えてきている。 立場によって「正しいこと」も変わってくる、いや、もともとそんなものは無いのかもしれない。 そして、考える。きっと、秩序を優先させた最たるものは全体主義であり、人権を無視した独裁国家に行き着くのであろう。 自由ばかりを優先させ秩序が崩壊した社会は、それぞれが勝手な行動に走り、安全な生活とは程遠い無法地帯と化すに違いない。 この映画は、私達に何を伝えようとしているのだろうか。 「全体の秩序と個々の自由。二つの反比例する相関関係こそが"人間の愚かさ"の証しであり、 二つを両立させようとする努力こそが"人間の素晴らしさ"の証しである」と、語りかけているように、私は感じるのである。10点(2004-02-03 09:42:34)(良:2票) 《改行有》

16.  シックス・センス なんと繊細な映画だろう。 愛する息子を理解することができない母、愛する母に秘密を打ち明けられない息子(ハーレイ)、双方の苦悩がひしひしと伝わってくる。美しい街並みを背景に、静かな展開が精神科医の過去にやり残した仕事への未練と親子の抱える悩みとを無理なく融合させる。そして、衝撃のラスト。特に印象に残った場面が2つある。1つは、少女の葬儀でその母親が少女の食事に洗剤(?)を入れていたことが発覚する場面。父親と葬儀に参加いていた人々の視線、無言で動揺する母親の冷酷な表情、身の毛もよだつほど恐ろしかった。もう1つは、車の中でコール(ハーレイ)が母に秘密を打ち明け、理解しあう場面。「お墓参りに行ったとき、ママはお婆ちゃんにに聞いたでしょ」「その答は毎日だって」「ママは何て質問したの?」くどくどとした説明は無く、短いセリフの中に死者であるお婆ちゃんと話しをしたことを明確にする。ハーレイの演技も良いが、さらに素晴らしいのは母親役の女優(トニー・コレット)の演技。懐疑、納得、感動へと変化していく表情はみごとである。何回見ても、この場面は涙なくして見ることはできない。確かに衝撃的な結末が話題になった映画だが、綿密に計算された展開や各俳優の演技力があってこその傑作である。だから、何回見ても楽しめる。2回、3回見るうちに、初回には気付かなかった細部までも綿密に計算されていたことが分かり、また一味違った楽しみ方もできる。最後に、もう一度言いたい。この映画は繊細な映画である。デリカシーを感じてこそ、この映画の良さが分かるのだと思う。10点(2004-01-09 17:43:34)(良:4票) 《改行有》

17.  ジョー・ブラックをよろしく こういう映画は、初めて見た。ストーリーは「死神が出てきてこんにちは」って、あまりにもバカバカしいのに、何だろう、この充実感は! よく観察すると、俳優一人一人の燻し銀のような演技で成り立っていることを最初に感じる。唯一、派手な映像テクニックを使っているのは交通事故の場面。これが、物凄いインパクトとなって話に引き込まれる。そして、セリフとセリフの間にある余白に、重要な意味を持たせているのに気付く。テレビだったら放送事故になるかもしれないくらいな、このテンポの遅さがたまらない。「行間を読ませる」というのは、正にこのことか。場面一つ一つに小さな山場があり、それをを丁寧、かつ綿密に作り上げている。だから、終わってみて約3時間が長く感じなかった。「う~ん、いいものを見たな」と思わせる、素晴らしい映画。きっと、監督は一般受けすると思って作ったのではないだろう。本当に表現したい作品を作ったのだと思う。この芸術性に拍手を送りたい。10点(2004-01-04 03:03:51)(良:1票)

18.  グリーン・デスティニー 重厚で美しい画面、素晴らしいワイヤーアクション技術、それなのに、どうしてこんなに安っぽく作れるのか不思議。一つ一つのアクションに力感が無く、薄っぺらに感じる。ストーリーも引き付けるものが無く上の空になってしまったが、二度見る気はしない映画。2点(2003-12-22 00:14:11)

19.  ラスト サムライ このように重厚に作られた映画を見るのは久しぶりだ。それぞれの俳優に存在感がある。音楽のマッチングもみごと。戦闘の場面は、静から動へと変わる映像により、より迫力を増している。オルグレンが勝元やサムライの魅力に惹かれていくなどの展開にも説得力かあり、シンプルなストーリーに物足りなさは無い。いくら歴史的に忠実に作ったとしても、いくら凝ったストーリーにしても、安っぽい映画は見るに耐えない。それに比べ、この映画は製作者チームの魂がこもった傑作だと、私は思う。9点(2003-12-16 19:37:02)(良:1票)

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