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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 604
性別 女性
ホームページ http://www.geocities.jp/suminoe_kagaya/
自己紹介 2004年から映画専門サイトをたちあげました。
ジャンルはSFが主ですが、サスペンスも大好きです。
リバーランズスルーイットや、ショーシャンクの空に
のようなヒューマンものから、未知との遭遇やバックトゥ
ザフューチャーなどのアンブリンもの。
十二人の怒れる男やパルプフィクションなどの脚本もの・・
自分が良いと思った映画が合う映画で、見る人の数だけ
思いも変わると思います。その中で、共感できる人が
多ければ売れるのでしょうね。
たまに<これだけ映画を見てるんだから万人受けは・・>
と、マニアックな映画にも手をつけますが、
できの良い映画や単館ものなど多趣味なジャンルに疲れ、
子供時代に帰ってるみたいです・・
それらは映画館で見た映画本来の娯楽作だった・・

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順123
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1.  タイム・マシン/80万年後の世界へ 《ネタバレ》 H.G.ウェルズ原作の映画は突っ込みどころがあり好きです。 あの最初の方でテスト飛行させたミニチュアのタイムマシンは一体どこへ? なぜ人類は楽園のような場所で培養され金髪なのだろう・・? 最初の方は科学用語やら時空の説明やらで、 なんかおかしくてかっこいいなぁと観てたんですが、 タイムトラベルした先からもうドク&マーティの世界で、 そこからまたとてつもなく未来へ飛び、 ここまで飛ぶの~?とあきれてしまうくらい。 これなら「A.I.」の地球水浸しの超未来を見ても不思議ではない(爆) どんどんSFでは哲学を語ってもいい。 めくるめくタイムトラベルの果てにやっと主人公が見つけたもの、 それは自分探しの旅なんでしょうね。 同じところへ戻ってくるタイムトラベルのお約束だから、 出発した時代に主人公は帰ってこなくても、 違う時代で同じ場所にいるはずです。 ちょっとこのエンディングはなかなかいいですよ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-09-21 07:20:58)《改行有》

2.  ミクロの決死圏 《ネタバレ》 体内を探索する隊員たちにしろ、 突っ込みどころは満載な行動を取るし・・ サスペンス的にもあまりにも裏切り者がわかりやすすぎ。 サッカーフランス代表のGKパルデス?そっくりです。 私としてはこの事故の被害者なる要人が、 なんのために襲われたのかその前触れか後日談を描くリメイク続編が観たい。 体内冒険映画としては映像的にはきれいでした。 もっと不気味な変な描き方をしているかと想像していたのですが、 まるで深海を浮遊する潜水艦といった感じで。 わりと真面目に描いていくのでなんだかNHK教育テレビを観ているよう(苦笑) しかし後半のハラハラすること。 この勢いとスピード感は今のSF映画もお手本にしてほしい。 映像でせかすというのではなく脚本でせかすといった感じ。 ちいさな虫にも命があるというなんともいえない描写は、 ただ娯楽作を作ろうとしたとは思えない深さがあります。 最初のほうは説明的で多少だるいのですが、 後半は面白くてあっという間です。 子供のころ平気で虫とか興味を持っていじったり、 命の不思議さに考え込んだりと・・ 童心を取り戻せるような気がしますね。 今ではテレビなどで一方的に難しいことは答えを出してくれるから、 考えようというプロセスがないんですね。 [DVD(字幕)] 5点(2006-09-21 07:08:18)(良:1票) 《改行有》

3.  007は二度死ぬ 《ネタバレ》 すごいものを観てしまったような・・気がする。 「ゴールド・フィンガー」がよかっただけにこれは、 またロシアネタですか~(うんざり) しかも舞台が日本というのは予想していたとおりに違和感ありの演出。 こんなにスパイものと日本の漁場!が合わないのは誰でも予想できる。 相撲に芸者に忍者・・ あげくの果てにボンドは日本人女性と結婚し漁師になる(大笑) コメデイとしてみてもついてゆくのが大変。 冒頭からロケットをロケットがパクリと誘拐するなんて、 SFとして見てもこれは開いた口がふさがらない。 前にもロシアネタでロケットが出てきました。 Qの発明品もあまり褒められない。 遊園地の乗り物のような空飛ぶ秘密兵器。 丹波哲郎の提供したタバコ爆弾のほうが面白い。 唯一おおっと驚いたのが、 磁石つきのヘリに釣られた敵の車が東京湾に投げ込まれるところ。 あれをぱくっているのはまぎれもなく「ソード・フィッシュ」 あとはもう笑うしかないですね。 日本人がみんな忍者か柔道着か着物なんだから・・ 丹波哲郎はハリウッドでも十分通用すると見た。 しかし女性陣は・・今ならどうなのかなぁ。 外見よりまず会話力だから。 昔から女優さんはハリウッドには縁が薄いですよね。 男優はわりと今でも活躍してるけれど・・ どうも私はこのシリーズのスペクターが出てくる作品が好きじゃあないな。 だってロケットとか規模が大きすぎてその割りに内容はちゃちなんだもの。 [DVD(字幕)] 5点(2006-05-28 15:05:05)《改行有》

4.  007/ロシアより愛をこめて 《ネタバレ》 やはり「北北西に進路を取れ」みたいだなぁと1作目にも思ったのですが、 こちらのほうがそっくりなシーンがありました。 これも先にこちらを観ていればまた違っていたかも・・ あまりヒッチコック的な演出は好きではないのです。 作品はいいんですが好みの問題かも・・ ここまで大風呂敷を広げた娯楽作ならば、 合成をもう少し控えてほしかったなぁ・・ 車のシーンはあまり気にはならなくなったのですが、 ラストのベニスのシーンがとってつけたような印象を感じました。 あと全体的に雑で都合よく展開されていると思いました。 ドクター・ノオはSFじみていたから笑えたのですが、 これはちょっと・・でもまあよく考えたらインディジョーンズと思えば・・ やはり一番人気ゆえ期待が大きすぎたのかもしれません。 全体的に今のアクションによくありそうみたいな感じで。 実は本当はもっともっとありえないような展開や演出が見たかったり(爆) うん、ドクター・ノオのほうがありえなさではよかったかも・・ 最初の音楽もドクター・ノオのダサ豪華なラテンが変に気に入ってて、 こちらはアイススケートの曲みたいな急に品が出て戸惑いました。 ではよかったところ。 ボンド・ガールは品があってよかったです。 全体的に前作よりかなり洗練されて大作っぽい仕上がりに。 一番よかったのがQ。 ボンドにアタッシュケースを渡しスパイ道具を説明するんですが、 このやりとりと説明された道具の楽しみがあります。 個人的にツボにはまったのがタルカムパウダー。 あれは汗止めなんでしょうか? トランクにあれを入れて違う開け方をしたら催涙パウダー?が爆発する?? ホテルに泊まったら絵画の裏を調べるお約束はこの映画からかな。 しかし調べないときもあるし雑なところもありますね(苦笑) あまり細かく突っ込みながら観ない方がいいかも・・ いつもなぜか敵につけられているし・・ ホテルでもレストランでも(ボンドだ)って名乗るからかなぁ(爆) もしかしたらこういう作品なのかもしれませんね。 [DVD(字幕)] 6点(2006-04-23 13:46:28)《改行有》

5.  007/ゴールドフィンガー 《ネタバレ》 今回の悪役ゲルト・フレーベはツボでした。 私には森元首相にしか見えない(爆) そう思って見るとまた楽しい?ですよ。 そしてそいつの部下の帽子男ハロルド坂田がまたツボでした。 角田?似のレスラーなのですが、 いつも満面の笑みをたたえており不気味です。 武器は帽子飛ばし(ボンドの18番なのに・・) そして怪力なのです。 この森元首相と角田似帽子男だけでも笑えます。 個人的に一作目から気に入ってるQ(ボンドに発明品を説明する人)が、 わりと出番が多くしかもボンドに偉そうに説明しているので面白い。 今回は特に車(アーストン・マーチンDB5)がよかった。 どこの国でも通用するナンバー・プレートって(笑) 私は007が苦手なのはロマンスがこっ恥ずかしいからということもあり、 長いこと避けていたんですが・・ 今回はさすがにもう見慣れてきたのと、 あんまり暑苦しいロマンスがなかったのでよかった(爆) ボンドがなかなか相手にされないというのが、 峰富士子みたいでいいと。 最終的にはやはりワンパターンでしたが・・ ボスの部下(下っ端)の多くが中国人というのも面白い。 例によって今回もボンドは捕まるのですが、 ボスのアジトのからくりは面白いです。 計画を客に説明するのにいちいちあんな大袈裟なことするし、 ボンドの処刑シーンも当時では斬新なのでしょう。 あと、カーチェイスの撮り方がうまいなぁと感心。 「フレンチ・コネクション」を思い出しました。 そして暗闇での倉庫に激突するまでの逃亡。 おばあさんがマシンガンをぶっ放すところあたり、 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のデロリアンが最初に納屋に突っ込むシーンだ・・ ボンドが弱すぎる感もありますが、 だから面白いのかもしれない。 後半なんかきちんとスパイ映画だなぁと結局チームを組んでるし。 個人で活躍という図式に飽きてきたので楽しかったです。 コネリーは途中からヒゲを深剃りし若返っちゃう。 それもまたよかったです。 爆弾解除までのスリルもよかった。 しかし007のファンでもない私にはわからないシーンが・・ あの爆弾を止めたのは誰なんだ?? CIAって常時出演するのは何人だろうか? [DVD(字幕)] 8点(2006-04-23 13:16:17)《改行有》

6.  007/サンダーボール作戦 《ネタバレ》 「ゴールドフィンガー」と前後を間違えて観てしまった・・ テレンス・ヤング作に飽きがきたのか(飽きるのも早いか・・) 展開とか演出がおんなじようなものだし、 何よりも悪役が同じ系列なので本当に飽きてきたようだ(爆) 長さも気にはなったし。 今回の楽しみはやはりQの発明品。 しかしあまりピンとはこない。 海中が舞台というのも一作目とだぶるし。 サメが登場するというのも実は「サンゲリア」と一緒に借りてしまい、 さらに新鮮味は薄れてしまう(苦笑) 見終わったあと内容がはっきり思い出せないくらいだ。 「ネバーセイ・ネバーアゲイン」がこれのリメイクにあたるそうだ。 [DVD(字幕)] 5点(2006-04-23 13:14:11)《改行有》

7.  007/ドクター・ノオ 《ネタバレ》 時代からいってあまり期待はしていなかったのですが、 やはり古いです(苦笑) 「北北西に進路を取れ」といいとこ勝負かも・・ しかしいきなりテーマ音楽がかかりますとちょっとした感動。 ああ聴いたことはあると。 このはじまり方はすごい・・ 「マルホランド・ドライブ」のオープニングと同じじゃないですか! 3人の盲目の杖をついた黒人が影絵から動き出しはじまると・・ このアイデアだけでも感心。 内容は本当にいい時代のSFの入ったアクション。 SFというのも変ですが悪いやつがDrノオという科学者で、 怪しい実験をある島で行っていて、 アメリカのロケット発射を妨害しようと企んでいるなんて、 SFじゃあないですか!? 話が大掛かりでしかも派手でどちらかといえば、 「インディ・ジョーンズ」の世界なんです。 スパイものときいていたので「MIP」みたいなのかなぁと思っていたんですが、 これはテンガロンをかぶっていないインディです。 スピルバーグはインディシリーズをルーカスと制作したときに、 007のような冒険活劇を作ろうと意見が一致したそうですから・・ 全く007と同じではいけないから西部劇のスタイルで職業も考古学者にしようかと。 しかも「JAWS」では007というナンバープレートがサメのおなかから出てきたり・・ シリーズを全部順番に観ていこうと思います。 アクション・ヒーローものは苦手ですがこのシリーズは観てみよう。 そして今回ショーン・コネリーがボンド役で一番人気なのがなぜかがわかった。 まだ1作しか観ていないけれどなんとなく・・ もちろん年を重ねたコネリーのほうが私は好きですが・・ 007の1作目を観て確信しました。 完璧な二枚目ではないけど妙にかわいらしい表情をする。 キザな役なんだけれどもそうは見えない品がある。 まあそれが愛される個性というものなのかもしれません。 私は誰かに似ているというのを指摘するのがクセなんですが、 ケビン・スペイシーとジャン・アレジを合わせたような(爆) 特に角度によっては本当にケビン・スペイシー似。 出てくる女性がみんなきれいなんですよね。 で、敵であろうが味方であろうがキスしちゃう(苦笑) ものすごくアタマが切れるようでなぜかつかまってしまう・・ まさにインディジョーンズじゃあないですか・・ 割り切って観れば結構面白いかも。 [DVD(字幕)] 6点(2006-04-02 13:54:24)(良:1票) 《改行有》

8.  真夜中のカーボーイ 《ネタバレ》 70年代あたりのアメリカン・ニュー・シネマという感じの映画。 確かにカメラワークも演出も今見ても新しい凝った演出。 しかし・・内容は音楽の割りにかなり暗いです。 私はこのあたりの作品があまり合わないのです。 けだるいハード・ボイルドといった感じで排他的な当時の若者の美学・・ これがどうしても入り込めません。 「タクシー・ドライバー」もそうでしたし「卒業」もそうでした。 この作品は「スケアクロウ」と「タクシー・ドライバー」を合わせた感じ。 スケアクロウのほうが感情移入もできたし、 なによりエンディングで泣くくらい感動しましたから、 あの映画には残虐性があっても友はまだ死んだとは言ってない。 どうにでも取れるラストの余韻が慰めになりました。 でもこの作品では同じようなノッポ&チビのコンビのある意味孤独なロード・ムービーなのに、 あまりにも哀しすぎてしかもあまりにも汚らしい・・ そのとことんまで汚い生活を描ききっているのは評価できますが、 どうしても映画の中には入ってゆけませんでした。 冒頭から流れる「風にふかれて」これはボブ・ディランのバージョンとは違い、 誰がカバーしているのかわかりませんが楽天的でよかったです。 主役のジョン・ボイドがどうしてもカウ・ボーイに見えなかった違和感も、 この作品の成功にはなっているものの大いなる違和感がありました。 アンジェリーナ・ジョリーのお父さんというのも知らなかったです。 スケアクロウのジーン・ハックマンのほうが無骨だけどよかったなぁ。 まあ普遍的ないい映画には違いないけれど、 好みにもよるでしょうね。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-01-20 04:55:16)《改行有》

9.  気狂いピエロ 《ネタバレ》 逃亡するという緊迫感もないだらだらとただ旅を楽しむようなふたり、 そのやりとりについてゆきかねてイライラしちゃいました。 男が60代くらいの老紳士で女が少女という設定ならば違和感もなかったのですが・・ とにかく女性があまりにも幼稚です。 無垢とか純粋とかの種類ではありません。 言葉をかわしてゆくのも文学的なものは感じましたが、 共感できないから全然面白くはないのですよ・・ 有名な芸術作ですがとにかく合わない世界なので仕方ありません。 「俺たちに明日はない」のほうが全然良かった。 ゴダールはかなり後世の映画に影響を与えているはずなので、 もうひとつ有名な「勝手にしやがれ」に期待したいです。 フランス映画は苦手で数は観ていませんが、 トリュフォーはなんとかついてゆけるのです。 トリュフォーが観れてゴダールが観れないのもなんですし(種類は違うかもしれないけど) さて、この作品の良かったところをあげてみましょう。 ギャングの女が主人公の男(ピエロと呼ぶ)と逃亡の旅に出るのですが、 彼女の家から車で出てゆくまでが(ほんとに前半だけ) 演出からセリフ回しから全て良いです。 特に車のシーンなどは真っ暗の中に車と正面の男女が浮かび、 対向車のライトのような効果演出です。 最初のパーティ(と思う)のシーンも会話するカップルによって、 色使いを変えてみたりとこじゃれています。 そして一番面白いなと感じたのが、 ベッドで撃たれて倒れている男を背景に、 女はビール瓶を握り冷蔵庫の開けたドアの後ろに隠れます。 主役の男と組んで2人目のこれから部屋に入る男を殺すのです。 この展開が1カットで撮っている(と思う)ことが不思議な新鮮さでした。 舞台劇のような面白さはふたりが逃亡してからなくなりました。 会話していくうちに女性のほうにイライラしてきたのも確か。 前半のテンポと演出が続けばなぁと思いました。 [DVD(字幕)] 4点(2005-11-21 00:03:51)《改行有》

10.  リバティ・バランスを射った男 《ネタバレ》 西部劇苦手な私がはじめて全体的に面白いと思った作品です。 脚本もさることながら先が読めるのにそれでもまた面白い。 この時代の作品として白黒ではどうなのかは疑問ですが、 見てゆく途中で違和感もなく見られたのは画質も向上しているからか。 西部劇というよりも人間ドラマ西部劇風とでもいえましょうか。 見終えたあとにまた冒頭を観てみたいなぁと思える作品です。 この作品の面白さは(誰がリバティ・バランスを殺したのか)ということなのですが、 正直見ていてオチがわかったのにそのオチの切り出しがうまいのです。 だからあとに考えるものがあり単純な西部劇ではないと。 J・ウェイン演じるトムの気持ちがよくわかります。 この役は役得というかいい役ですよ~ でもJ・ウェインだからこそとも思います。 無骨で不器用な硬派・・日本では高倉健さんのような。 トムにしてみれば急に現れたような、J・スチュワート演じるランスの存在とは・・ 両方適役といっていいでしょう。 無骨なトムはハリーを愛しているのに、ハリーは知的なランスに一目ぼれ状態。 リバティ・バランスに襲われてランスは運ばれて来ましたが、 またこの街にバランスが現れるのは間違いはない。 銃社会を非難し法で悪を裁こうとするランス。 しかし脅迫のような成り行きで決闘という形で銃を使うことに・・ 銃を練習しているランスをからかうトムに伏線が見られます。 なぜそんなに腕が立つのに自分で撃とうとしないのか・・ 決闘の日にランスの選択眼はふたつしかありません。 つまり素人同然のランスが銃で決闘するかこの街から去るか・・ トムが助けてくれるんじゃないか? ところが素人のランスは奇跡的にバランスとの決闘に勝つのです。 しかし彼は弁護士の立場であります。 映画の演出もなかなかいい。 冒頭からトムの棺とサボテンの謎、 街に帰ってきたというランスは上院議員・・ そこから回想シーンとなり本編の始まりです。 キスも抱擁もないのに恋愛ドラマとして切ない味わいがあるし、 銃社会に対する批判もそれだけではない描き方。 愛する女性が一番幸せな道を選んだトム。 それは西部では名誉なのかトムにはどうでもいいこと。 単純明快なようでいて複雑な人間ドラマでもあります。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-20 23:05:33)《改行有》

11.  西部開拓史(1962) 《ネタバレ》  4人の監督がそれぞれの作品を担当しアメリカの歴史のお勉強ができます。 贔屓目にではないのですが1作目のJ・スチュワートの章、 こんな創世記のような作品を観られて貴重でした。 おかしいし面白いのでわりと好きかも(短編だから描けたのかもね) そして2章目のG・ペックもまあまあ面白い。 両方とも土の匂いがする章なのです。 そして両方ともの俳優が西部劇っぽくない(数観て比べてないからわからないけど) 東部から西部へと旅を続けたたった一人の男から物語は始まります。 同じように旅を続ける家族の娘と恋に落ちるのですが、 恋の落ち方がなんかほのぼのしててかわいいです。 そのふたりから始まる血の物語というか題名どおり西部開拓史なのです。 聖書のように語りが入り音楽の入れ方もそんな感じで、 自由と冒険がテーマのようだが実はアメリカという国は好戦的とよくわかる。 つまりは自由のための戦いが開拓であり冒険なのです。 第1章がこっけいでほのぼのしているのに、 いきなり第2章では街が出来て賭博場まであるのです。 この間が描かれていないのは絶対時間不足です。 どうやってアメリカが発展していったのかが日本人には説明不足。 前半だけでひとつ作品を作ってほしかったり・・ 第3章になると南北戦争が始まり西部劇ではなくなっています。 そして第4章で汽車が登場しよく見たような光景が現れます。 昔の特に西部劇はあまり観ていないので第3章4章の配役はわからない。 でもこれ1作観るとアメリカの昔の歴史がわかるので、 近代史の映画を観るときに便利かもしれませんよ。 映画が当時画期的だった3台の映写機でパノラマ上映されたらしく、 同じような演出では「ベン・ハー」「80日間世界一周」などがあり、 ここらはやはり劇場で観ないと臨場感がないなぁと・・ 「砂塵」で有名だったミルクを注文するシーンもこの作品では、 きっちりとミルクを飲んでパロデイしていますし、 「バックトゥザフューチャー3」のインディアンと遭遇シーンも思い出します。 もちろん汽車のシーンもおんなじです。 急ぎ足で西部開拓を160分にまとめた作品。 音楽はおなじみのグリーンスリープスが聴けたのでよかった。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-04 07:47:20)《改行有》

12.  エルマー・ガントリー/魅せられた男 《ネタバレ》 アカデミー賞作品といえど合わないものは個人の評価をつけたいです。 一応賞作品でシリアスな社会風刺ドラマですので、 気になった方はいかがでしょうか。 人によって色んな見方があると思うので・・ まず私はB・ランカスターが合わなかったです。 「泳ぐひと」はまだよかったけれど、あ、「ドクター・モローの島」もだ・・ ちょっと濃すぎるんですよね。 で、奇妙に明るい役とか多かったり(今回もですがハイです) 伝道師に恋し自らも宗教活動のまるでエンターティナーとなる主人公。 ほんとエンターティナーですよ。 選挙活動かミュージカルか・・とにかく濃い(爆) ここまで宗教に入れ込むと怖いよ~ということを描きたかったのか、 それとも単なる人間はただの人間でしかないということなのか、 主人公の弁舌達者ぶりと悪を説くおどしのような説法、 しかしその対極にある本当の熱心な信者は愛を説き、 その個性が同じ舞台に立てば立派な商業としても成り立つ。 こういう演出は舞台的で面白いのですが、 音も大袈裟だし品が感じられなかったです・・ コミカルな風刺もほしかったわけで、 シリアスなんだけれども暗くも感じなかった。 それがあまり印象に残らないという評価です。 結局主人公の勝手さから始まったことなのです。 [DVD(字幕)] 4点(2005-10-22 12:30:01)《改行有》

13.  飛べ!フェニックス 《ネタバレ》 う~ん、よかったのはリチャード・アッテンボローが見えたくらい・・ お話が閉鎖的なのでこれは逆に面白いかなぁと思って観てたのですが・・ 限られた空間で限定された登場人物がどう演技するかという、 まあ場所は不時着した砂漠ですが舞台劇のような役者の演技が中心。 く・・暗いです。真剣に観てると実に真面目で暗いです(爆) まあこの設定では仕方ないでしょうけれど、 砂漠が無人島に思えました。 ジェームズ・スチュワートをカラー映画で観たかったので借りたのですが、 もうこの時代になると白黒のときのイメージ(いや、若いから)はないです。 「スミス都へ行く」のときの無垢な疑いのない目はなかった(当たり前だ) そして借りた作品も生死をかける男たちの人間ドラマなのでシリアス。 命がけの脱出劇といえば冒険ジャンルなのですが、 砂漠から出てゆけることこそ冒険なのでほとんどが砂漠の上。 壊れた航空機をどうやって飛ばせるのか? それとも航空機をあきらめて砂漠をあてもなく歩くのか? 非常に簡単なストーリーなのですが脚本はよくできていますよ。 さてしかし、映画で見せられるとどうか・・ 世にも不思議なアメージングストーリー的な感じもするので(ヒントはエポックさ) ファンタジーなところも入れてほしかったと思います。 [DVD(字幕)] 4点(2005-10-09 15:17:08)《改行有》

14.  スパルタカス(1960) 《ネタバレ》 これはもう趣味の問題かなぁ・・ 私は歴史映画が好きで特にローマ帝国時代は気に入っているのですが、 先に「聖衣」「ディミトリアスと騎士」を観ているのでついてゆけると思っていたのですが、 合わない映画のひとつになりました。 剣闘士ものは他に人気の「グラデュエーター」もありますが苦手なので未見。 どうやらこういった体育会的な歴史ものは「ベン・ハー」までです。 キューブリックが監督したことを認めたくないというキューブリックらしくない映画で有名。 それでも違和感ある色使いなどはキューブリック的なのですが、 キューブリックらしい仕事はあまり見えません。 音楽の遊びがないし物語りはいたってストレート。 ラストが思わせぶりな十字刑というのも真面目です。 聖書モノや歴史スペクタルに慣れてくるとキューブリックのような異才な人には、 旧約聖書の「十戒」のような世界を期待したり、シニカルなコメディを見たくなる。 他と違う世界の監督さんですから・・ いや、この作品の出来は賞を取っているようにいいんです。 でも後半の戦い(戦いの前の布陣)とか以外はオーソドックスな大作。 ちょっとドライというか客観的に描かれているのか眠気が襲い・・ 作品中実は3回も寝てしまいました(爆) 全部観終えるのに苦労しました・・やかましい音楽や描写もほしかった。 でも題材が濃いので演出がおとなしめでまだよかったかなぁ・・ それとこの時代の架空の人物はやはり観ていて入り込めないです。 「ディミトリアスと騎士」しかり「キングダム・オブ・ヘブン」しかり・・ わかりやすくするにはシリアスに長くなるのですよね。 [DVD(字幕)] 5点(2005-10-09 15:11:46)《改行有》

15.  悪い奴ほどよく眠る 《ネタバレ》 ラストにドーンとその題が現れるともう、言葉をなくしてしまいます。 なにかが足りませんので題材の説得力が伝わってこないのです。 それは何かと考えました。 悪い奴・・もっと掘り下げて描いてもよかったのでは? 「天国と地獄」の犯人のような時代の必要悪の否定や理由のない反抗の怖い環境の哀れさ。 そういったある意味犯人=悪人の過去や人間性が足らなかったように思います。 これを観ると政治家や建設業がみんな悪く見えてくる(笑) もちろんそれは一部であることは承知ですが、親玉の描写が足りない。 過去に心の傷を負うとかトラウマですね、そういうのを絡めるとステレオタイプになる。 けれどそれにしても主役の西秘書の家庭環境や身の上は細かいのに、 影の主役である義父役をこんな時代劇の悪役のような描写だと憎しみが薄い。 観客も感情移入して悪い奴は悪く思いたいのですが・・ 途中まで逆に西秘書の方が悪い奴か?と首を傾げたくなるくらい粘着質です。 この主役・・またまた黒澤映画には不可欠な三船さんでしたが、 全く今回は気がつかなかったです。 メガネをかけてすごく若く見え私にはG・ペック日本人版か(苦笑)と見え、 三船さんはセリフが少ないほうが存在感があるなぁと妙なところで感心。 しかし脚本は良く出来ており昔見た「砂の器」とか思い出しました。 復讐は美学とも言われていますがそれはマフィアとかの世界で、 こういう現代サスペンスになると美学とは言えません。 復讐とはノウノウと行き続ける悪を本当に眠らせること。 だからこの映画の後味は悪くちょっと考えます(重い本を読み終えたような) それでその手の作品を見たあとはしばらくはその気分にひたるのですが、 現実的に気味が悪いのでいいほうに考えたり映画の世界だと忘れようとします。 「天国と地獄」「悪い奴ほどよく眠る」このふたつは外国の監督でいうと、 白黒のときのシドニー・ルメット(十二人の怒れる男の監督)の社会派の世界です。 黒澤監督は本当に白黒映画がうまいと思う。 [DVD(字幕)] 7点(2005-10-09 14:59:20)《改行有》

16.  ナバロンの要塞 《ネタバレ》  えっ?なぜギリシャ??と観てゆくと、召集されたのは山登りのプロ(苦笑) 最近気になって選んでいるグレゴリー・ベックが主役なのですが、 山登りのプロというより営業マンのようないでたち(そのギャップが狙いかも) キース・マロリーという役名を他の映画の中でも聞いた覚えがあるのです。 いやぁ、今回も難しい役ですがこの人の役は善悪関係なく実直ですね。 ところがさらに食わせ物がたくさんいてて役者の演技を見るのも楽しいです。 あ、こりゃあうまいわと特に感心したのが、ミラー伍長役のデヴィッド・ニーヴン。 後半からの変わりようが本当にうまいです。とても自然です。 変わるきっかけ(ここら心理サスペンスで面白い)の原因が、 アンソニー・クエイルのケガなのですが・・ この人は「アラビアのロレンス」でロレンスの上司役(いい人)なのですぐわかる。 そして同じく同作品に出ていたかなり濃いアウダ・アブダイ役(盗賊)をやっていた、 アンソニー・クインは私はわかるのにちょっと時間がかかったなぁ(苦笑) ロレンスでは付け鼻の特殊メイクでしたのと、藤田まこと似なんですよ~(いやほんと) 役者は揃っているし人間関係もきっちり描かれているし、 戦争映画なのにスパイ映画であり(彼らの任務はスパイそのもの) 娯楽冒険ものとして観ても満足できますよ。 インディジョーンズシリーズが大好きなのですが、 私はスピルバーグのあるアイディアに感心し真似をして8mm撮影で、 自作冒険映画を撮っていたものです。 それはインディが旅する映像に飛行機の地図上の線を重ねる手法。 これがえらく気に入ってて透明の下敷きにマジックで線を引いて、 重ねて編集して遊んでいました。 まさかこの映画でそのネタが出てくるとは! 映像に地図を重ねるアイディアはこちらが先だったんだ(なんか嬉しい) こういう発見があるから昔の映画を観るのですよ。 昔の映画を観てる人はその逆なのでしょうね。 この方法はたぶん他の映画でも使われているかもしれないですね。 いやぁ今度は久々にインディジョーンズが観たくなった。 「将軍たちの夜」という戦争映画がほしくてボックスを買った中に、 この作品の続編でハリソン・フォード主演の「ナバロンの嵐」がありました。 続編とわかりまた観てみようかなと・・ [DVD(字幕)] 8点(2005-09-23 13:03:35)《改行有》

17.  ワイルドバンチ 《ネタバレ》  ・・どうやら本物の(当たり前だ)西部劇のようです。 でも不思議とそんなに古くさく感じなかった。 なぜなんだろうか。 たぶん演出に全く違和感がないからでしょうか。 私だけ違う感覚なのかもしれないけれども・・ この映画の中で一番の見せ所と私は思う冒頭の強盗シーン、 「ソードフィッシュ」に似ていないですか?? 終わって即ソードフィッシュと見比べましたが時代が全然違うのですが、 この冒頭のシーンはかっこいいと思いました。 いや、強盗や殺しでかっこいいというのも変ですが、 殺しのシーンはうまいんだなぁ・・タイミングというか。 スローの入れ方やセリフの間合いとか最近のギャングものは影響受けてると。 登場人物が大変多くて2枚組みの1枚目ではまだついていきかねていました。 強盗シーンから始まりこの一味を逃したことで、 保安官はグループの元仲間だった男をおどし(監獄へ返すと)一味を捕まえろと命令。 強盗グループが主役みたいなのですが、 メキシコに渡りある土地で将軍に武器を調達することを命じられます。 アパッチ将軍率いるその土地にはたびたび襲われますが、 武器がちょろくいつも相手に負けているのです。 武器を輸送列車から奪うシーンは迫力なので劇場で当時観られた方は楽しめたでしょう。 橋が落ちるシーンも見事でしたがさらに古い作品で「アラビアのロレンス」を観たら・・ こういう面白いアクションもロレンスを超えられないなぁ・・ ただ、内容自体は面白いし何回か観られる作品だと思います。 ただ略奪して殺しあう映画でもありませんしメロドラマもないです。 本当は一番の見せ所かもしれないラストの惨殺シーンは合わなかった。 ひつこすぎる~(苦笑)戦争映画かと思いました。 登場人物それぞれに面白いあだ名がついておりこれもややこしい。 鉄道、バイク、う~んたくさん出て来すぎるんですが、覚えれば面白いかも。 たぶん何回か観るとまた評価があがる映画だと思います。 何回か観られるとも思いますよ。 強盗グループが主役のようですが私はなぜか一味を追う元仲間が気になって・・ このグループは捕まえるためにあとから追う役なのに地味でみすぼらしい。 それが逆に気になって面白いんですよ。 時間も長いのでレンタルで観て気に入ったらどうしょうかなとも思っています。 [DVD(字幕)] 6点(2005-09-23 12:29:33)《改行有》

18.  アラバマ物語 《ネタバレ》 ん~こういう映画に辛い点をつけると人でなしのように思われるので、 また迷ってしまう困った映画です(苦笑) とても優等生な映画でありこれを面白くないからと合わない私は「右派」だと言われました(笑) というんでもなくて、苦手なジャンルにピタリ合っていたのです。 法廷もの(十二人の怒れる男は別)、田舎の人情もの(大草原の小さな家とかも) 子供の回想という点でも「ニューシネマパラダイス」は合うが、 「スタンドバイミー」は全く合わなかった(ジャンルは違うんですが・・) それとシリアスなのにファンタジーが入ってるところも苦手だった。 「普通の人々」や「リバーランズスルーイット」は合う作品でしたが・・ 自分が合わないというのを解く鍵はスピルバーグ映画での黒人映画、 「カラーパープル」は合わなかったけど「アミスタッド」は合ったという感じ。 作品は(社会の公民の時間)に先生に進められる良識な映画という感じ。 プーの正体が、ロバート・デュバルだったというのが、観てもわからない。 若すぎて別人です。好きな俳優さんなのですが・・ 借りたきっかけは・・グレゴリー・ペックの演技が観たかったこと。 私の大好きな「アラビアのロレンス」がアカデミー賞を取った同年、 しかし俳優は取っていません。この作品が主演賞を取っていますね。 大作の賞総なめか?の年は俳優には別作品が選出されることが多いですが・・ ペック氏は他にもっともっといい映画やいい演技をしていると思われ、 これが最高とは思えないのですが・・(演技的には渋い押し殺した演技ですね) [DVD(字幕)] 5点(2005-09-01 11:19:45)《改行有》

19.  栄光への脱出 《ネタバレ》 「アラビアのロレンス」になんとなく似ているんですよね。 歴史的に見ても先にロレンスを観ておくとこの作品がわかりやすいです。 さてこの作品はその後のアラブを描いております。 アラビアのロレンスが長い作品なのですが、今作はなんと212分! いやぁ・・やはりややこしい時代背景ゆえこれは見ごたえある。 モーゼになったニューマンは故郷に帰るのですが、 冷静に客観的に見ると、このイギリス統治下のままでよかったのではと思うんですが・・ アラブのひとユダヤのひとが仲良く共存しています。 そこに時代を変えた流れが政治という見えない支配によって、 イギリスの力は失せ代わりに触れてはいませんがアメリカの力が見えます。 アメリカに触れずあえて看護婦をアメリカ人としたところが、 これは絶対ハリウッド現代版十戒を描きたかったんだなぁと・・ 客観的に描いていると思わせ実はアメリカ映画だというのがわかります。 アラブやイギリスのことをあまり悪く描いていない(むしろ善)のに対して、 最期の方でなぜかドイツが出てくるさまはアメリカ人はドイツは悪役と見ていたのでしょう。 この時代にこの映画というのは勇気があるというか、 作品中にニューマンが言う「これは宣伝だ」実際プロバガンダ映画なのでしょう。 ラストはもろ「アラビアのロレンス」です。 ジープはどこに向かっているのか? 彼らは本当の自由を手に入れられたのか? 私たちはすでに現在を知っていて歴史は繰り返される。 確かに一方的な描き方かもしれませんが、 そのおかげで逆に娯楽性もあり長い作品を観ることが出来るのです。 いや、こういう政治民族問題は色々な方向から描いていくのは難しい。 栄光への脱出という日本タイトルは無神経でセンスがありません。 本当は船の名前であり深い別な意味があるのです。 アメリカがいかに自由で正義で弱者に手を差し伸べているという演出は、 看護婦がアメリカ人であることでもう十分でした。 アメリカ女性との恋愛を絡めなくても十分伝わったのではないでしょうか。 こういうロマンスを省いて骨太な実は宗教が根付く土地という争いを、 じっくりわかりやすくシリアスに描いてほしかったのです。 [DVD(字幕)] 6点(2005-09-01 11:09:21)《改行有》

20.  鳥(1963) 《ネタバレ》  恋愛モノとしてみればちょっと理解できないその時代背景があります。 いわゆる上流社会の女性なのですが・・この設定は苦手だなぁ。 でもつがいの鳥を籠に入れて男性(弁護士)に届けに行かなければ話しははじまらない。 陸の孤島のような男性の家の家族には父はいません。 気難しい母と男性と都市の離れた妹、そして近所に昔の彼女・・ 人物は限られており母親役のジェシカおばさんが怖くもいい味です。 私は最初この母が息子を溺愛するあまりに鳥を差し向けているんだと思いましたから。 かなり人間ドラマは優秀でして、特に女性が母親は離別で環境がどことなく似ている。 今ではよくあるパニックものには離婚(離別)がつきものというお手本で、 エンディングあたりにはちょっと感情移入してしまいました。 さてこの古き良き作品に目新しいところを探すのはあら探しになってしまいます。 爆発炎上シーンなどは違和感さえ感じるくらいこの時代にしては今風です。 私がこれは・・と思ったシーンは静と動のシーンです。 ほとんどの方が感心すると思われる(ジャングルジム)のシーンは静です。 そしてエンディングは地雷を踏むような静の恐怖。 動とは、電話ボックス襲撃と屋根裏の襲撃シーン。 でもやはり静の描写のほうがなぜか動かないのに動くであろう恐怖感があります。 「裏窓」でうまいなぁと思いましたが、この作品も予測させるシーンがたくさんあり、 落ち着いて観られる作品を作るんだなぁと感心しました。 さて・・気になるのは「ゾンビ」のエンディングのようなあやふやなオチですが・・ あそこでちょん切られると後のことまで考えて後味が悪い。 これを狙ったんでしょうねたぶん。考えながら納得。 あとカメラワークですがまだあまりたくさん観ていないのですが、 天井を抜いて上から撮る今では当たり前な手法、 同時代の他の映画と比べるとそれがいかにこの監督のものかがわかる。 それと地平線や水平線などとにかく線を真ん中に持ってくる。 どういう効果があるのかまだ疑問ですが面白い構図ではあります。 最後に気になって仕方がないのは登場人物よりも、 あのつがいの鳥ですね。 あれはいったいなんだったのでしょうか?? 暴れもせずかわいいだけなのですが不幸を呼ぶ鳥にしか見えなかった。 [DVD(字幕)] 7点(2005-08-20 12:25:54)(良:1票) 《改行有》

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