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Web www.jtnews.jp

プロフィール
コメント数 604
性別 女性
ホームページ http://www.geocities.jp/suminoe_kagaya/
自己紹介 2004年から映画専門サイトをたちあげました。
ジャンルはSFが主ですが、サスペンスも大好きです。
リバーランズスルーイットや、ショーシャンクの空に
のようなヒューマンものから、未知との遭遇やバックトゥ
ザフューチャーなどのアンブリンもの。
十二人の怒れる男やパルプフィクションなどの脚本もの・・
自分が良いと思った映画が合う映画で、見る人の数だけ
思いも変わると思います。その中で、共感できる人が
多ければ売れるのでしょうね。
たまに<これだけ映画を見てるんだから万人受けは・・>
と、マニアックな映画にも手をつけますが、
できの良い映画や単館ものなど多趣味なジャンルに疲れ、
子供時代に帰ってるみたいです・・
それらは映画館で見た映画本来の娯楽作だった・・

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【製作年 : 1970年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  歓びの毒牙 《ネタバレ》 ダリオ監督の作品・・やはり好きかもしれない・・ この作品は初監督作ということなのですが、 「サスペリア2」とほぼ同じです。 ただしオチは違うのでまた新たな面白さが・・ どちらが好きかといえばホラー色の強い「サスペリア2」の方ですが、 こちらは初期作ということを考えればかなり洗練されています。 音楽もおなじみの妙に明るい子供の賛美歌みたいで、 カメラワークもまるで日本の足立美術館の窓のような奥行き。 わかる人だけわかるたとえで申し訳ない(苦笑) 足立美術館の渡り廊下からガラスのない窓がたくさんありまして、 それは額縁のような役割で外の日本庭園が絵画のように見られるのです。 まさしくこの監督の作品に登場する広角図は絵画です。 無機質でいてその中で踊る犯行現場は美しくもある。 バラバラにされた紙芝居がラストに繋がる見事さ。 映画というよりも絵画を見ながら推理小説を読むような錯覚・・ サスペリア2はこの作品のページを充実させ、 訳注をつけずに挿し絵を入れて面白く読ませたヒット作なのです。 ・・と思えばわかりやすいかも。 ただし人間の根本的に持つ弱さを描いた、 トラウマ殺人の娯楽と怖さではサスペリア2にはおよばない。 それはやはりトラウマ(良い意味で別解釈されれば恋愛症候群とかになる) それにたいする狂気やおびえといったものが、 被害妄想のようなものであるから本作品はあまり説得力がない。 サスペリア2はもう幼少時からの難解なトラウマからによるもので、 ここまでいけばもう息子役が哀れで見事としか言えない。 引き立つ母親の狂気はもう怖さを越え笑うしかなくすごい作品でした。 この両作品の共通点はトラウマ、 犯人は複数、 犯人は黒手袋で声に特徴、 主人公は外国人、 主人公は犯行現場に立ち会った・・ まさしく松本清張や横溝正史の世界(ちと違うか) [DVD(字幕)] 6点(2006-09-21 07:56:07)《改行有》

2.  天国から来たチャンピオン 《ネタバレ》 このての天国からの甦りロマンスを数見ていない人にとっては新鮮。 私はそんなには観てはいないのにかかわらず、 やはりジョー・ブラックをよろしくとオールウェイズの2作品が印象強く、 他のよく似た作品を観てもピンとこないのですよ。 そう考えればこの作品は今のあらゆる蘇りラブロマンスの元となっており、 時代からすればよくできた作品だといえましょう。 重く暑苦しくなくさらりとコミカルに仕上げてあるのも好感。 泣かせようとかは感じませんね。 それもまた好感と言いたいのだけど・・ コメデイとは知らず感動作と期待して身構えていたので肩透かしかな(苦笑) 恋愛ものを避けるくせにこういったSFが入ると興味で感動したいとか思って、 いざ鑑賞するとまた時代についていけなかったりするんですよ。 ジョー・ブラックの場合はクラシックっぽく意識して作ってはいるものの、 やはり俳優も新しい今の人だし全然違います。 それとあまりにもプラトニックなもので、 観ていて恥ずかしくなっちゃって・・ お話がかわいらしすぎるというか。 特に最後の決めシーンは「どこかで?」でフェード・アウトしてほしかった。 「バタフラィ・エフェクト」の最後はよかった。 あれからその後長ければあんなにヒットしなかったと思う。 この作品の最大の決めシーンは大人っぽい演出で別れる二人にしてほしかったり・・ このてのオチは最後に別れるほうが好きですね。 別れながら気になりつつ振りかえる(爆) あ、でもこのパターンばかりをやられるとまたかよ!と思うんだろうな・・ それとアメフト選手というのがちょっと合わなかった。 チャンピオンというからてっきりボクサーなのだ!と勘違いしてました。 元アイデアの評価と舞台劇のような室内のシーン、 あれはよかったです。 女優さんはヒロイン(ドクトル・ジバゴなど)よりも、 妻役の嫌らしい演技をしてたほうがいいかなぁ・・ 天国の執事役はよくみる顔だけどジェームズ・メイソンだろうか。 [DVD(字幕)] 6点(2006-09-21 06:57:25)《改行有》

3.  サイレント・ムービー 《ネタバレ》 メル・ブルックスはミュージカルが好きなんだなぁと再確認。 これはほんっとに苦手な部類のサイレント映画なのですが、 今メル・ブルックスのDVDが期間限定格安なので、 観てないものも含め4本もそろえました(爆) 確かに笑えるところもあるにはあるんですが、 この監督の笑いのツボが私には合わない・・ はっきり言って好きな監督でもない。 ではなぜそろえてしまったのか? 観ていないのとゲストが豪華なのと映画オタクネタの匂いがするから。 コメディ界のタランティーノとでもいいましょうか。 とにかく身内ネタがたくさん出てきます。 ウッディ・アレンよりは地味ですが見やすい。 観ていて次の笑いどころがわかってしまう、 それを何度も繰り返す・・ 今で言えばオースティン・パワーズみたいです。 合わないんですが観てしまう(苦笑) ゲストが豪華。 ポール・ニューマンが病院で車椅子に乗ってレースをするとかも、 カーレースで事故った設定で身内ネタじゃあないですか。 コレはお気に入り。 やっぱりかっこいいなぁニューマンは。 映画自体はハチャメチャなドタバタなんで、 日本人でもわかる吉本ギャグみたいなんですが、 テンポがミュージカルです。 サイレントということで、 もしかしたら英会話の勉強になるかも(ならないか) 一応この監督の作品はパロディが多くて、 どれだけたくさんの映画を観ているかが観客のニヤリ度になります。 まさにオタク向け・・ 私は特に大作をあまり観ていないので??なところがありました。 でも他の3本はなんとかわかるかも・・ 実は今公開中の「プロデューサーズ」はその格安中にはなくて残念。 そちらのリメイク版は観にいきたいです。 マシュー・ブロデリックのファンなので・・ [DVD(字幕)] 4点(2006-04-23 13:44:09)《改行有》

4.  サンゲリア 《ネタバレ》 ゾンビ映画の王道! しかし「ゾンビ」よりもどちらかといえば、 「死霊のはらわた」に近い演出。 ただ娯楽に走ることのみになってしまった「ゾンビ」シリーズに比べ、 これはすごい世界観がありました。 キモイ、グロイ、それはゾンビ映画の常でそれだけの演出なら私はあまり好きではない。 それだけではないんだという世界を久々に観たような気がしました。 あのラストは素晴らしい。 もしかしたら私の好きなエンディングとはこういう絵なのかもしれない・・ ホラー映画によくある主人公は実は生き延びて他は犠牲・・ そういったありきたりな物語ではありません。 そんな都合のいい物語はヒーロー映画だけで十分かも?? ドクター・モローの島を死霊のはらわたのメイクでゾンビのラストにしました~みたいな本作。 とにかく何度も言いますがラストが秀悦! あの色やあの怖さは今の作品にはない。 ものすごく怖いというわけでもなく、 ジョークみたいな怖さ。 世界の終焉を共存したような絵。 そう、ひとつの絵としてもうまいなぁと感心してしまいます。 作品内容のテンポがよろしくないのが大いなる減点。 N.Yのある建物が今観ると平和で逆に哀愁が・・ [DVD(字幕)] 7点(2006-04-23 13:18:47)《改行有》

5.  クレイマー、クレイマー 《ネタバレ》 フレンチ・トーストのシーンがうまい! このシーンの違いから親子関係が深まっているのが実によくわかる見事さ。 スピルバーグはたぶんこの作品を好きなんだと思います。 「宇宙戦争」の親子愛のシーンにこの作品がオマージュされていると思う。 トースト、ボストン、置き去りにされた子供とパパ・・ 仕事が生きがいで子供の好き嫌いさえ知らない・・ この作品は変わった演出も揺さぶられるような音楽もありません。 淡々とした音楽とまるで実際の人の家庭を覗くようなリアルな静けさ、 そして盛り上がりも法廷劇もあるのですが、 それのなんと乾いたドキュメンタリーのような無機質さ。 しかもぬくもりがある・・ 俳優の演技と脚本だけで包み込む映画なのではないでしょうか。 今回なぜか彼のなかにチャップリンを見ました。 足取りのおぼつかなさやコミカルな動きや無愛想な笑顔。 「キッド」を思い出したのは私だけでしょうか・・ 子供が初めて自転車に乗ったシーンではおおはしゃぎだった道が、 母であり妻がそこに佇み駆け寄る子供の道にもなるのです。 その様子を見守る夫であり父のなんと哀愁のある寂しさ・・ お互いの意地だけでしか子供をつなぎとめようとしかできない二人。 一体この子はただの愛玩動物なのか。 それとも権利を奪い合うためだけのおもちゃなのか・・ 話の内容から母親には共感はできかねたけれども、 こうなったのも夫であり結局はふたりの問題ではないのか・・ 子役の演技がいいんですよ。 一見不細工に見える表情もだんだんかわいく見えてきて、 ああこの子役はたいした役者だと感心しました。 ホフマンの演技はほとんど素だそうです。 なぜならば彼の実生活とこの作品はあまりにも似ていて、 自分を演じるようで苦痛であったと。 そしてラストの演出はこの作品にある種の希望感さえ残してくれます。 意味不明と感じる人もいると思うけれど、 これはきちんとした別れと父と子の新しく変わりのないいつもの生活。 崩壊してゆくのならば離れて時々会えるほうがいい・・ アメリカではこういった形態の離婚家族が増えています。 片方の親は別れても会いに行けます。 時代や国が違い日本ではどうなのでしょうか。 家族の義務と一体感は続いてゆけるはずです。 [DVD(字幕)] 9点(2006-04-02 13:31:56)《改行有》

6.  惑星ソラリス 《ネタバレ》 165分2部構成・・な、長い。 途中で眠くなって1部2部と分けようかとも考えたんですが、 話自体は面白いので忍耐(苦笑)で観終えました。 リメイク版のほうがさらに眠いらしいので今回はオリジナルを。 ロシア映画なんて初めてでしたから覚悟はしていましたが、 ロシア語ってフランス語のようなボソボソ感で、 最近スペイン映画とか観だしたからギャップで慣れるのに戸惑った。 とりあえずはSF映画の有名な作品は観ておかないとと。 この作品はセリフがまず少ないのです。 音が完全にないシーンもあります。 ミサ曲のような音楽が流れる中、絵画のようなシーンが続きますと、 もう半分観るまでには眠くなったりしちゃいます。 「2001年宇宙の旅」が合わない私だからこれは予想どおり(爆) 観てくれこの世界といったような敷居の高い作品なのですが、 こちらのほうが哲学性は大きかったと思う。 というのもSFといっても宇宙がほとんど出てこない。 飛行士が車で走る近未来の街がなんと東京首都高というのも意味不明・・ 全編に渡ってレトロな未来感というものは感じなくて、 全くレトロそのものなのでした。 宇宙の大きさやオシャレさを描いたキューブリックのほうより、 ソラリスのほうがさらにカルトだと思いました。 どちらが好きかと聞かれたら困る・・ 人間の深層心理を解いているSFであり、 宇宙ものと観るとあれっ?と思う。 どっちもどっち・・ でもまあこっちの方がテーマが内面に向かってるような気がして、 私は哲学SFのほうがいいなぁと。 答えがないからどうにでも取れるところがよい。 取りようによったらこのラストはかな~り暗いです。 諸星大二郎の世界みたいな果てしないどんよりした暗さ。 救済のエンディングだと取れば他人事とわりきって見られるけれど・・ 自己救済、郷愁、償いといったテーマ。 人間はどこに向かってゆくのか? 銀河系の世界のようで実は鏡の世界のようなこの作品は、 ラストをひとりで観終えるとかなり・・重いかも。 音楽が全編ホラーっぽいのも○。 こういう映画を観るとSFの基本である、 植物が鍵となる演出が多いのに納得。 [ビデオ(字幕)] 6点(2006-02-28 09:04:50)《改行有》

7.  新幹線大爆破 《ネタバレ》 西村京太郎と小松左京を足して割ったような贅沢な作品。 のちの洋画ヒット作の「スピード」の元ネタとなったことでも有名。 前に夜中にやってたので気にはなったものの、 やはりCMが映画のテンポを邪魔をして楽しめないので、 借りてきちんと見直すことにしたのです。 面白い! やはり邦画は昔はよかったと思う。 脚本も俳優もですがなによりこの作品は、 編集が素晴らしい。 洋画も含めてお手本にしてほしいくらい編集がうまい。 やたらと斜め構図の演出が目立ちますが、 古い洋画を大胆に邦画に反映したセンスのいいことといったら・・ 邦画奇跡の作品といっても過言ではないのですが、 難を言えば宇津井健の最後のほうの正義感あふれる演出はどうかと。 あの(もし)というスピーチがなければ、 この作品を観る観客の想像に身をゆだねさせ、 娯楽作から社会派娯楽作まで高められたのではないか。 それはおかしいとかすっきりしないとか、 もし・・という解釈は観客の良心を呼び起こす手立てで、 それを映画の中で全部演出してしまうのは丁寧すぎだと思う。 ラストの画が見事でそしてそれまでの退廃的で観客に訴えるものがあっただけに、 そこは宇津井健の想像という使い方もできるので惜しいと思いましたが・・ 今観るとチープな模型かとも見える場面もあるのですが、 そこはエアポートシリーズやカサンドラクロスのような感じで、 脚本がよいことと編集がうまいことの相乗効果で全く気にはならない。 おおまかには犯人側と国鉄側(JR)と刑事側なのです。 そして新幹線の中でのパニック模様。 時間と速度のトリックに科学のトリック、 そして最後には刑事側のトリック・・ 最終的には「砂の器」をはじめとする松本清張的な演出。 邦画でこれほどドキドキしたシュミレーション映画は、 やはり他には小松左京ものくらいでしょう。 [ビデオ(字幕)] 7点(2006-02-15 10:49:59)《改行有》

8.  フレンチ・コネクション2 《ネタバレ》 前のがよかったせいもあって採点は辛め。 普通の刑事ドラマになっちゃってます。 観終わってまた1の終わりを確認し、 ああ1を観たあとすぐに2を観れよかったかなぁと・・ 1で裁けなかった犯人の本当のアジトへ送り込まれる主人公。 前半は麻薬組織につかまり薬漬けにされるポパイを中心とした、 人間ドラマになっています。 配役もよいのですが、 やはり1のロイ・シャイダーとジーン・ハックマンのコンビのほうが・・ 組織のボスはひきつづき出てきますし今回の方が出番が多い。 異国感のレトロさや不思議さは今回の方が上なのですが、 乱暴さで売っているというポパイも放火までいくとちょっと(苦笑) この作品のラストで決着がつくので、 1の曖昧な終わり方後味の悪さが気に入らない人にはこちらの方が面白いかも。 結局1&2のセットで観る方が総合的には楽しいでしょう。 ただ、カメラワークが平坦になっている気がします。 前の監督はやはり「エクソシスト」の監督です。 暗さ怪しさもさることながら空間の使い方がうまく静と動が感じられた。 けれど今回は監督が変わり人物のアップが多く紙芝居を見ているよう。 薬漬けにされた主人公の苦悩だけでは現せないと・・ [DVD(字幕)] 6点(2006-02-15 10:45:43)《改行有》

9.  カサンドラ・クロス 《ネタバレ》 細菌感染者をとにかく邪魔だから関係のないようにポーランドへ送っちゃえと、 細菌を極秘開発していた某国の身勝手さから大事件に・・ カサンドラクロスという国境に架かる鉄橋は戦後から閉鎖され安全性は絶対不安。 ポーランドの収容所へ細菌感染した列車の乗客全員!を送り込み隔離するという計画は、 あくまでも極秘に行われなければもともとこの細菌研究というものは非常に危険な兵器にもなる。 バート・ランカスターが命令を受けていた相手は最後までわからないようにはなっているものの、 あきらかに大統領クラスのものでフィクションとはいえ合衆国の身勝手さ、 お国の役人の融通のなさがパニック時にどういう二次災害を起こすかという恐怖。 このシリアスである社会風刺ドラマにアクションシーンやコメディをふんだんに入れ、 娯楽半分シリアス半分となかなか観やすく面白い作品ではある。 特によかったのが、老人役のリー・ストラスバーグ。 ほっとさせる手品を見せるなんのことない役なんですが作品にいっそう社会性を持たせている。 ポーランドの収容所に連れてゆかれると聞いたとたん、 死んだ妻の話をし行きたくないと言いますが・・ あの鉄橋を越えた先には何があるのか想像がつきました。 現代のパニックになったときに過去のエピソードもわかるという、 行き着かない場所への恐怖がこの老人によってよくわかります。 脱走しようとする感染者(乗客)は銃殺してもよいと命令を受ける軍隊。 まるでSWのストームトゥールーパーのごとく武装した兵士たち。 細菌は「アンドロメダ」のようにあるきっかけで自己消滅・・ しかし軍隊には融通はきかない・・ 細菌よりも怖いのが国という傲慢な兵器。 壊れるであろうポーランドに架かる橋は近づいてくる・・ 特撮も今のアクションに比べると申し訳ないものですが、 テンポもよいし二転三転するので面白いです。 トンネルに向かうヘリと列車のアクションなんて今ではよくある、 「MIP」みたいなのですがこの映画を見てください。 音楽が大袈裟でなんか好きだなぁ~と調べてみたら、 ジェリー・ゴールドスミスなんですね。 「オーメン」「エイリアン」・・なるほど。 [DVD(字幕)] 7点(2006-01-20 03:50:47)《改行有》

10.  あきれたあきれた大作戦 《ネタバレ》 この監督の作品では「見ざる言わざる目撃者」のほうが面白い。 また借りて見てみよう・・ そうなんですよ。 この作品はそこそこは面白いんですがテンポが悪いから、 ただのドタバタ映画になっちゃってる。 切れがないというのかな。 アラン・アーキンのとぼけた演技が好きで観てみたのですが、 ピーター・フォークと掛け合いコメディをさせてるのに、 なんでこんなに切れがないのだろうか・・ だから個人的に厳しい点をつけました。 編集が悪いのかどうなのか・・ 笑いのタメを伸ばしすぎで、 切って即次の展開に持っていくとかあるのですが・・ ラストはとてもよいと思うし音楽もいいんだけれど、 俳優がいいだけに残念です。 一見アホウのような役柄のアーキンですが、 実は普通にまともすぎるからおかしいだけなんですよね。 とぼけてるのではなく周りのバカとテンポが合わない。 そのバカたちに合わせてしまうと小ざかしく面白くない。 そこであくまでもわが道を行く普通のオッサンが天然で生きてくる。 メル・ブルックス風というより、メル・ブルックスのほうが面白いですよ。 アラン・アーキンはおとぼけ役がお得意なんですが、 「摩天楼を夢みて」あのエド・ハリスとの掛け合いがよかった。 [DVD(字幕)] 4点(2005-12-23 16:20:46)《改行有》

11.  SF/ボディ・スナッチャー 《ネタバレ》 最初あんまりゆったりしてるのでボーッと観ていたら、 わけがわからなくなり(笑)もう一度見直しました。 この映画わりと不親切なところがあるので、 1回で観ようとするなら真剣に見逃さないようにしないと・・ SFの宇宙からの侵略モノなんですが、 冒頭の見せ方が「宇宙戦争」じゃあないかと嬉しかった。 こちらもリメイクものなのですが、 元のオリジナルは次回観るとして・・ 登場人物が見慣れた人ばかり出ているのでまたこちらも嬉しい。 しかもひとめ見ればわかるという特徴のある顔、顔・・ SF映画の特徴的な顔ぶればかり集めたなぁ・・ 主役がキーファー・サザーランドの父ドナルド・サザーランドなのですが、 公衆衛生調査官の彼を中心に事件がおきてゆきます。 個人的に気をつけて観てほしいのは、 セラピストの女性ですね。 彼女は髪型や撮りかたによって気がつかないときもあるから・・ ある意味サスペンスなので飽きずに楽しめるし、 「エイリアン」的なホラーSFの要素もありますが、 口から気持ち悪いものが生まれたりはしないので、 ホラーの苦手な方にもお勧めできます。 宇宙植物が寄生し人体のコピーをとりのっとるストーリーは単純明快。 しかしこんな奇形も生まれてしまうのですよ(爆) さてどうしてこんな人面犬が生まれたのか・・ ハリーという男は広場でいつも犬と一緒にいるのです。 ちょこちょこ出てきますので見逃さないように・・ 私はこの人面犬の場面を何回も気に入って見て、 人と犬だったころの場面を探してまた大うけしたりしました。 このあと叫び声をあげるとコピー人間に人間だとわかるからこらえなければならない。 ここのくだりがおかしい! 人間とわかればゾンビのように追ってくるのですよ。 ここ気をつけて見てください。 叫び声の種類がありますから。 のっとりコピー人間は仲間を呼ぶとき叫びます。 人間の感情からの叫び声と違うのです。 ここが最後に繋がるうまい前ブレなのです。 ラストが秀悦で「お見事」と思えますから・・ 本当に特にSF映画って単純なストーリーをどれだけ面白く見せるかですよね。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-23 16:11:52)(良:1票) 《改行有》

12.  屋根の上のバイオリン弾き 《ネタバレ》 これは見ごたえがある作品です。 170分という長時間の映画にミュージカルとくれば普通飽きるのですが、 私はミュージカルが苦手なのにわりとついてゆけました。 史劇なら長くてもいいけどミュージカルなのになんで観れるんだろう? と、観ている途中で正直思ったくらいですから・・ 主役の父役のトポルがなぜ主演男優賞をもらえなかったのか(ノミネート) それが不思議に感じるくらい存在感あるいい演技をしています。 冒頭からこの映画の解説みたいなことをやってくれて、 しかも題名の屋根の上のバイオリン弾きの説明もしてくれちゃう。 語り部でもあり5人の娘の父であるこの映画の主役でもありますが、 まったくシリアスになりがちなテーマをコミカルに演じています。 まさにバイオリン弾きと共にいる道化のような役かもしれない。 扱うテーマは民族の宗教伝統であるし政治的な問題もあるのに、 テンポやセリフがミュージカルでもコメディの匂いがするから重くない。 後半も後半にはやはりユダヤ人は追われ放浪の旅に出るのですが、 その団体も私には暗く映らず、 しかしどこか哲学性を帯びた宿命に逆らわずとも自分たちを順応させ生きようとする、 諦めがほんの少しとそれ以上の見えない希望さえ感じました。 あがいても仕方がない悲観的な楽天さ・・ 「フルメタルジャケット」というキューブリックの戦争映画のラスト。 あの土手を笑いながら歌う兵士たちは氏の作品が苦手であるにもかかわらず、 私にとって一番わかりやすいキューブリック作品となったのです。 それと同じような感覚をこの映画のラストに感じました。 音楽が有名な「サンライズサンセット」ですが、 この映画の全編を担当しているのがジョン・ウィリアムズ。 旅情的で朴訥な音楽とミュージカルの抑揚のある歌。 ミュージカル映画は大袈裟な演出が多くてひいてしまうのですが、 この作品はシリアスでいて楽天的。 コメディなのにもの悲しい。 あくまで家庭を中心にしているのに湿っぽくない。 不思議なつかみ所のない映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2005-12-23 16:00:44)《改行有》

13.  エアポート’80 《ネタバレ》 これ・・映画なんだといぶかしげに観ていました(爆) もしかしてパロディなのかと中半から思いつつ観ていたのですが・・ なんであれだけの事故にあった乗客たちは何事もなかったかのように、 帰りもコンコルドに乗れるんだろうか?? アトラクションだと思っているのか・・ありえない! どこまでありえないかというと、 「ステルス」級の脚本(爆) すごい映画でした。 それでも見終えてしまうのがハリウッド映画の無理やりなところ。 音楽も派手だなぁと引いていたらMIP2や新スパイ大作戦の人でした・・ ああ、だからか007やスパイ系の演出に感じられたんでしょうね。 戦闘シュミレーションは好きなのですが、 これは主役が旅客機のはずではないんでしょうか。 違う映画を観ているような感覚・・ 私はこういうシリーズはネタがなくなってくると、 今度は心理パニックを描けるように人物のほうをしっかり描くと見てたんですが・・ 人物描写はシリーズを重ねていくとまるで同じようになっていきます。 手術予定で時間を迫られる人、黒人、音楽家・・ また同じかぁ・・と観ていたんですがそれよりも、 機内の緊迫感のないこと・・ 前のがアイデアとして水中に沈むのが心理描写もよくできていたのに、 これは単に007やインディジョーンズ系のオチ=雪山でした。 こ・・これは冒険アクションでしょう。 でもアラン・ドロンとシルビア・クリステルを初めて見られたのです。 ドロンはサッカーのアルゼンチン代表だったサネッティに似てたなぁ・・ 大手映画サイトallcinemaさんも・・BONB!マーク(おそらく今までではじめて・・) いや、そこまでひどいとは思わないけど・・(悩) [DVD(字幕)] 4点(2005-12-23 15:36:24)《改行有》

14.  大空港 《ネタバレ》 管制塔とコックピット、乗客と航空会社・・ 人間関係がそれぞれ丁寧に緻密に描かれ好感が持てる。 すべてがジグゾーパズルのように繋がるよくできた秀作。 アクションシーンがあまりなくても、 これだけ緊迫感のあるそしてコミカルな暖かいジョークも忘れない。 パニックになった乗客の反応もそれぞれ面白くもさえある。 特によかったのが助演女優賞を本作で受賞した、 したたかでいい味のおばあちゃん役のヘレン・ヘイズ。 他にも出演女優が美しいのが目をひきますが、 特にスチュワーデス役のジャクリーン・ビセットがいい。 カメラワークも彼女の目線で撮られたシーンは楽しいし、 画面が切り替わるわかりやすい演出もいいです。 サスペンスはわかりにくいほどいい作品と勘違いしていませんか? こんなに丁寧に作られたわかりやすいサスペンスもたまにはいいですよ。 なにしろ人間関係がよく描けていてこのシリーズ中一番人気なのもうなづける。 のちの映画にも影響を与えていると思われます。 おばあちゃんと爆弾犯人が並んで座るシーンは、 テリー・ギリアムの「12モンキーズ」のラストのシーンそっくりだし、 スピルバーグの「ターミナル」の中にもこの作品のいくつかのシーンが・・ サスペンスなのに人情モノ。 そしてコミカルであるけれども暖かい。 バート・ランカスターはこの役は適役であったし、 あいかわらず(このシリーズ全編出ている)ジョージ・ケネディもいい。 寒い寒い真冬のターミナルを舞台にあったかい人間ドラマ、 出会いと別れもありますし、 付近住民問題まで描かれています。 映画を観たなぁ・・という充実した後味を味わえることでしょう。 [DVD(字幕)] 8点(2005-12-23 15:01:09)(良:1票) 《改行有》

15.  砂の器 《ネタバレ》  この作品でやはり誰もが褒める名演技の役者が加藤嘉です。 後半の犯人の幼少時の父とのロードムービーが、 まるでサイレント映画のようにほとんどセリフがありません。 ハンセン病というその時代では差別的な病気により、 村を追われ旅を続ける父子がたどりついた先は・・ 決して明るくも和やかでもない旅なのになぜかほっとする、 そんな父子が引き裂かれる(宿命) 少年が選んだのは名前を変え生き場所を変え過去を捨てることだった。 後半の音楽だけの回顧シーンはピアニストの演奏会のシーンとだぶり、 もうひとつ重ねるように説明するのが主役の刑事 丹波哲郎。 この3つのトライアングルが見事で、 この作品のクライマックスでありモノローグでもあります。 私はこの回想シーンで涙が止まりませんでした。 父がかわいそうでかわいそうで、 そして育ての父でもあり父子を引き離した善意の父もかわいそうで・・ なんでこんなことになったんだろう。 救いようがないじゃないか・・ 犯人には全然感情移入できないしかわいそうとも思えない。 でもなんで・・そう心が揺れていたエンディングにラストの大逆転の真実。 ここで犯人の気持ちがわかったような気がした。 この人はパニックになったんだろうと・・ 宿命に囚われた過去を捨て人を踏みつけても這い上がってきた。 それがまた切っても切れない宿命で繋がってしまう・・ 多分私が犯人だとしてもパニックになって自分を押さえられないと思う。 もちろんそこで自分を抑えるのがしなければならないことで、 それができなかったことが犯人の宿命なのです。 感動し見終わったあと考えてしまう後半に対し、 前半はまるで西村京太郎(も好き)の旅情サスペンスのノリで、 邦画にしては長いのですがその長さを全く感じさせず、 特に地方の方言やトリックによる面白いドラマになっています。 昔観たときには感動はしたけれど暗いかなぁと記憶していたのですが、 今回久々に見てみると前半が意外にテンポよくしかも後半も暗く感じず、 ただ扱う問題がかなり特定される救いようのないテーマなだけで、 それをここまで娯楽も取り入れ映画化できたのはすごいなと思いました。 非常に丁寧で好感の持てる映画です。 [DVD(字幕)] 9点(2005-12-04 15:40:21)《改行有》

16.  エアポート’77/バミューダからの脱出 《ネタバレ》 航空機の墜落の謎は導入部から真剣に観るとわかりますが、 ダラダラ観ていたらわけがわからないところがあります・・ 人間が入れ替わったり着替えしたりグルだったりと、 スパイ映画みたいなのでややこしいんですよ。 そしてチラッと見るとなんと航空機がバミューダ海峡に沈んでゆくではありませんか! そこからがほとんどの時間なのですがコレは面白いというかマジ怖い・・ 海底まで沈んだ航空機に閉じ込められてどうやって脱出できるのか? 後半なんか緊迫感が伝わり怖かったです。 やはり私は海洋パニックが怖い・・ 怖い嫌なところを映像化されると(自分がそこにいないから)面白い・・ 航空機をどうやって海の上に戻すんでしょうか? ラストで字幕がありましたが、 これはフィクションですが実際にこういうこともできる可能性があるみたいなテロップ。 閉所・・海底・・怖いです。 俳優がすごい顔ぶれですね~! お気に入りのJ・スチュワートはもうお年で航空機の持ち主役です。 他にJ・レモンがこれまた大活躍する役なのです。 レモン氏は私の苦手な演技の方の俳優さんだったのですが、 これはリアル感ある等身大でいい役です。 C・リーはこの中でも現在活躍中のすごい名優ですが、 このころニコラス・ケイジ似だったんだ・・(笑) 「1941」でも海に放り込まれ、 「クリムゾン・リバー2」でも水死してた・・ なぜにリー氏はこんな役ばかりなのか?? 他にも名優ぞろいでとにかく往年のおじさん俳優ばかり(爆) 最初のスパイみたいなのは単なる絵画泥棒ですので、 こいつらはルノアールの絵がほしいんだと理解してください。 私は後半から真剣に観てわからなかったのでもう一度、 最初から見直しました。 やはり人物の編集が不親切でわかりにくいところがありました。 でも面白いことは確かです。 テンポがよくてアクションが多い映画ではありませんが、 ジワジワと来る怖さと奇想天外な結末は楽しめます。 じっくり密室劇のようなパニックものを観たい方に特にお勧め。 しかし暴力的なシリーズですね~・・ [DVD(字幕)] 6点(2005-12-04 15:25:48)《改行有》

17.  エアポート’75 《ネタバレ》 パニックもの続き物の中ではわりと面白そうなので、 このシリーズを観てみたいと思います。 しかし知らなかった・・「大空港」という映画が1になるんですね。 シリーズ全部観てから大空港は観ます。 さて・・面白かったことは確かなんですが、 主演女優さんがちょっとどうにも合わなかったんです。 ほとんど彼女が活躍するのですが合わなかった・・ 子役で「エクソシスト」のリンダ・ブレアが出ています。 役的にはおいしい役でしたが控えめでもうちょっと演技させても・・ しかし穴の開いたコクピットに別の小型飛行機から機長が乗り込むんですが、 一度目に失敗した人はいったい・・?? それと最初に追突して穴を開ける原因となった小型航空機、 あの運転手はなぜ突然心臓発作を起こしたのか・・ まあ突然だから発作なんでしょうが・・ 飛行シーンは緊迫感ありましたが全体的には、 世にも不思議なアメージングストーリーの長編のようで、 見せ所の迫力がイマイチでした。 年代にもよりますが機内で映画を観るときのヘッドフォンや細々としたものが、 あまりにも新鮮すぎてびっくりしました。 [DVD(字幕)] 5点(2005-11-20 23:31:39)《改行有》

18.  タワーリング・インフェルノ 《ネタバレ》  こういう大作を見るとパニックものはやはりハリウッドだなぁ~と感心しますよ。 私は途中でこれがこんなに古い作品だとわからない錯覚をおこし、 まるでスピルバーグの映画だなぁとか思いながら観てたのですが・・ ああそうか、音楽がJ・ウィリアムズなんですね! 次から次に襲うパニック現象と壮大な音楽そして・・ P・ニューマンをR・ドレイファスとだぶらせていた(笑) 「バックドラフト」も怖かったですがやはり規模が違う・・ 火災の怖さもですがこれは天災ではなく人災といっていいでしょう。 工事の手抜きによる火災なのですから・・ 最初は火災発見がなんでこんなに遅いのだろうと不思議でしたが、 火が回りだしてからの速いことといったら・・ こうなれば火は生き物です。 次から次へとと表現しましたが、 一番怖かったのがエレベーターです。 私は普段からあまりエレベーター(特に高層ビル)は苦手です。 エスカレーターに好んで乗ります。 突然止まったとしたらまだエスカレーターのほうが閉鎖感がないし・・ 火災時のエレベーターなど乗りたくないです~! 後半のカゴでビルからビルにロープで移動するのは、 ちょっと・・アトラクション(絶対安全な)なら乗ってもいいかなとか(爆) でもUSJのバックドラフトの火災アトラクションで飛んで逃げたんだからだめか(苦笑) S・マックィーンを実は初めて見たのでいったいどのひとなのか最初わからなかった。 古い映画も観ているのにアクションを避けてるとこうなります・・ なかなか好感を持ちました。 ヒーローなんですが無骨なかっこよさというか渋いですね。 こういう役は子供が素直に憧れるような人で正解です。 こういう真面目に作られた大作は好感が持てます。 最後の冒険というか恐怖は火ではなく水というところが面白い。 私は水が怖い人なのでここが特に怖かったです。 聳え立つビルの頂上から水が吹き上げる・・ これは大画面で観るときれいでしょうねぇ。 火責め、水責め、爆発・・ 地元のシネコンで最近「日本沈没」を観て面白かったので、 タワーリング・インフェルノやポセイドン・アドベンチャーがリクエスト上映されたら、 絶対観にいこうと心に誓ったのでした。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-20 23:18:53)《改行有》

19.  戦争のはらわた 《ネタバレ》  画面はところどころ白黒で音楽は童謡ちょうちょ!やけに明るい始まり・・ 本編に入るとカラーになります。 娯楽としても楽しめるのがたいくつしないところです。 普通バイオレンス描写がきつい戦争映画ならば、 シリアス面だけが勝ちしめっぽい暗い作品になるところです。 ところが中半には脳を患ったというヒントは出てくるものの、 主人公であるJ・コバーンがところどころで見る幻想シーンや、 細切れのわけのわからないカット・・ これらは意図して入れられているのですが私は十分理解できませんでした。 例えればキューブリックの作品によくある手法なのですが・・ 最初に死んだロシア少年兵があちこちに出てきたり、 最後にも登場したりするので不気味この上ない。 ということは全て幻想なのかそれとも少年のいる世界へ近づいてるのか、 これは観客にまかせるということなのか、 ただヒントは主人公が野戦病院で脳を患っていたということ。 戦場に戻った主人公は意気揚々としています。 この描写はアラビアのロレンスを思い出しました。 でもかといって戦争バンザイという映画でもないのです。 が・・この監督の描写があまりに好戦的というか水を得た魚のような描写で、 爆発また爆発そして虐殺の連続とまるで兵士は楽しんでいるよう・・ こういった描写は気が狂ったような楽しさのようであり、 政治的に戦争を考えるもうひとりの主役とは大いに違います。 貴族の出であるもう一人の主役や上官はあくまで政治的に考える戦争。 最後のほうでやはりこの監督は西部劇が好きなんだと思わせるところがある。 敗者の美学を描いている作品ともいえますが、 こういった作品はハリウッドでは受けません。 戦争をしてなにが残るとかなんのためにとか難しいメッセージではなく、 あくまでも敗者の美学・・ 戦いは負けたらこんなものという悲惨さを描いているのです。 逆にいえばハリウッド映画は主に戦争は勝っても何も残らないという考え、 何をなくしたとかしめっぽい反戦映画が多いのです。 戦争という国同士が決める政治手法を美化していないか? この映画はあくまでも個人の名誉のために戦う軍人や、 敗色濃厚なドイツ軍の最後のあがきや他の映画にはない視点から描いています。 [DVD(字幕)] 7点(2005-11-04 08:05:42)《改行有》

20.  大統領の陰謀 《ネタバレ》 なかなか面白かったです。 まさに事実は小説よりと申しましょうか・・ しかし期待も多かったのと誰を主体に描いているのかぼやけてしまい、 緊迫した面白さとはまた違う普通のドラマの面白さにとどまりました。 夏ごろからニュースで気にはなっていたのですが、 謎のディープ・スロートというあだ名の真のFBIが名乗りをあげて話題になりましたね。 6月ごろだったかな・・気にはなってたんです。 トム・ハンクスとユニバーサルが彼の映画化権利を買い取ったらしいから、 91歳の元FBI副長官来年には映画化されるでしょう。 こちらはワシントンポストの記者ふたりを中心に展開されています。 が、鬼気迫るシーンというのは(銃撃戦など)あっても良かったと思うのですが、 当時できないならば心理描写で記者の演出をもっと描くべきだと思うのです。 それが事件をただ追うような説明不足の展開で、 デスク役のブッシュ似のJ・ロバーズの方が演技的によかったのです。 この映画のホフマンとレッドフォードはあまりよい演出ではなかったと思う。 特にホフマンはうまい俳優なので役が地味すぎたかも・・ 演出の最大の面白さはやはり今年になって自身を暴露した謎の男。 この描き方がサスペンスチックで面白い。 全体的にはシリアスな社会派映画でありながら軽めに見えてしまった。 もっともっと重大な事件のはずですから、 このての作品演出は抑揚ありすぎでも昔の黒沢監督の政治ドラマが面白い。 そしてS・ルメット監督の白黒映画のほうが・・ ただ実話になりますので派手な演出や娯楽は無理だったのかも。 たぶん2006年には映画化されるであろうこの事件、 決してリメイクではなく謎の男の目で見た裏の真実ということで、 ユニバーサルも賞狙いで作るはずです。 ここらでまだ未見の方、昔見た方も今一度見直してみられてはいかがでしょうか。 なおこの作品は調べてから見たほうが何倍も面白い事実の歴史サスペンスです。 [DVD(字幕)] 6点(2005-11-04 07:50:15)《改行有》

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