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【製作年 : 1940年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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2. 三十三間堂・通し矢物語 成瀬初の時代劇、チャンバラもあり、なんですが、時代劇ってより「歌行燈」や「鶴八鶴次郎」あたりの芸道もののライン。というのも、この二本同様、音の演出がかっちょいい。■クライマックスの弓勝負で、当たると太鼓がどん、はずれると鐘がカン、タイムアップにはお寺の鐘がゴ~ン、という音、それを離れた場所で聞いている田中絹代、って演出が実に盛り上がります。というかそれしか覚えてなかったりもするんだけど。■この演出もそうだし、田中春男が脇でうろうろしてたり、脚本が小国英男だったりするんで、なんとなくマキノっぽい感じもする成瀬巳喜男作品。普通に面白いよ。10点(2005-02-21 21:16:30)(良:1票) 3. ハナ子さん 「鴛鴦歌合戦」が端正なミュージカルだとしたら、こちらは、まさに無茶苦茶、破天荒なミュージカル。よって、言葉にできません。今晩は浮かれてちょーだいな。10点(2003-12-27 22:20:28)(良:1票) 4. 風の中の牝雞 《ネタバレ》 この映画の物語を、現在、素直に受け入れることは難しいかもしれないし、公開当時ですら小津の失敗作とされた作品です。しかし、社会的ともいえるテーマを個人の問題として提示し、それを骨太く構成する小津の技にはまったく驚きます。子供時代の何気ない思い出話が娼家のシーンに生き、それは笠智衆と佐野周二とのやりとりにつながっていく、その伏線の旨さ、それが生きてくる構成の妙。イメージのみが優先される今の映画にはない、古典的なドラマツルギーの力強さに感動します。それにしても、階段から転げ落ちた田中絹代が起きあがろうとする、俯瞰ショットの不気味さは何なのだろう。ラスト、佐野の背中をはいずり回り、祈りにも似た身振りを演じる、田中絹代の不気味な腕は何なのだろう。その不可解、触感、唐突が、古典的以上の何かを現在に残しているように思う。小津はやはり不気味だ。10点(2003-12-15 10:02:13) 5. 戸田家の兄妹 「マトリックス・レボリューションズ」を観て「なんだい。こんな結末あるもんかい」(←「麦秋」の村瀬禅の声で読んでね)と思った若者諸君は、是非この映画でスカッとしていただきたい。胸がすく、痛快、そんな気分を味わいたいなら、これだ。「東京物語」の前身だが、ずいぶんメロドラマティックで楽しい小津です。佐分利信がハリー・キャラハンなみにかっこいいっす。今日というか昨日は小津の誕生日&命日なので、躊躇なく10点! 10点(2003-12-13 00:33:51) 6. 死刑執行人もまた死す 《ネタバレ》 後半、弾圧されていた側による復讐が、なんのきっかけもなく始まる。ナチスの統治システムを逆にとった民衆による復讐は、まるで何かの機械のようにシステマティックに、厳かに、そして確実に作動する。巻き込まれた者は、運命を受け入れるがごとく、緩やかな死に向かって進んでいくしかない。これは反ナチ映画ではなく、システムに対する恐怖映画だと思う。10点(2003-12-07 00:27:22)(良:4票) 7. 脱出(1944) ホークスで一本だけ!となると、「ハタリ」でも「空軍」でも「リオ・ブラボー」でも「雲晴れて愛輝く」でも「ヒズ・ガール~」でも「教授と美女」でも好きにしてください、なのだが、私の好みは「脱出」です。深夜のジャム・セッションの素晴らしさ、ホーギー・カーマイケルのくわえるマッチ、ウォルター・ブレナンの歩き方、そしてローレン・バコール!役者の芝居をいかに引き出すか、いかに1シーンを充実させるか、その粋がここにある。それができたら、あとは適当に撮って、適当につなげば、いい映画が出来る。これぞホークス。10点(2003-12-04 02:58:54)(良:2票) 8. 疑惑の影(1943) ヒッチコックで1本を挙げなさい、そう言われたら、私は迷わず「疑惑の影」を推す。図書館へ走るテレサ・ライトの運動感、「悪」の哲学を語るジョセフ・コットンの顔、そして、階段、指輪、窓、扉、ヒッチコック得意の舞台装置が完璧に作動する。サスペンス?そんなものどうでもいいじゃん、と思う。完璧な映画ってものがあるなら、これだ。10点(2003-12-03 21:49:50)
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