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1.  テルマ&ルイーズ 《ネタバレ》 今さらながら予備知識なしで初見。軽い感じで始まりながら、またときどき笑えるシーンも挟みながら、物語はとんでもなく理不尽な方向に進んでいくんですね。この救いのなさは映画としてどうなんだろうと思う反面、現実として見れば大なり小なりよくある話のような気もします。というわけで、せっかく世事を忘れて異世界へ飛ぶために映画を見ているのに、無理やり現実世界へ引き戻されるような感じがして、なんだかザラついた印象だけが残りました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-23 22:21:57)
《新規》


2.  ミラクル・ニール! 《ネタバレ》 全編にわたって平和な空気が流れています。まあどう転んでも笑って済ませておしまいという感じ。それはそれで楽しめました。 面白かったのは終盤のワンシーン。急に世界平和に目覚め、格差解消、地球温暖化阻止、戦争撲滅に向けて「神の手」を使います。これで世の中が平和になったかといえば、まったく逆。「神の手」をすり抜けるようにかえって問題が噴出し、事態はより悪化するわけです。社会の諸問題は一筋縄で解決できるほど単純ではないよと。たしかにそのとおりなのでしょう。このシーンだけ、少し空気がピリッとしていた気がします。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-03-14 23:40:30)《改行有》

3.  8月の家族たち 《ネタバレ》 ジョン・ウェルズといえば、かつて「ER」や「The WestWing」のような傑作ドラマを生み出した稀代のクリエイターのはず。しかもこの作品は有名な役者がゴロゴロ。これは期待できそうと思ったのですが、第一感はゲンナリするばかり。家族で罵り合い、暴露し合い、傷つけ合ってバラバラになっておしまいという、まったく救いのない物語でした。いったい何を意図してこんな作品を世に出したのか、不思議にさえ思いました。 しかし、単なる思いつきですが、もしかしたらこれは「アメリカン・リア王」なのかなと。3姉妹とか、相互不信とか、悲劇的な結末を迎えるという構図はそのままに、あの世界観を換骨奪胎して現代のアメリカの片田舎に置き換えたのかもしれません。そう思うと、ラストのメリル・ストリープの号泣はリア王の最期そのもののように見えてきます。しかもリア王が泣きすがるのは遺体とはいえ娘のコーディリアですが、メリル・ストリープが泣きすがるのは3姉妹のいずれでもなく、メイドさんです。17世紀初頭のイギリス人より、21世紀初頭のアメリカ人のほうが、孤独感や悲劇性はいっそう増しているのかもしれません。 あくまでも勝手な解釈ですが、こういう観点で見返すとけっこう楽しめました。やはりジョン・ウェルズは稀代のクリエイターということで。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-03-04 23:52:27)《改行有》

4.  ハードエイト 冒頭のまったく不自然な出会いに始まり、いったいどれほど予想外の展開や大事件やオチが待っているんだろうと期待させてくれました。しかし、「どうしてここまで面倒を見るのか」という根本的な謎を燻らせたまま進行し、ピンチもなんとなくすり抜け、終盤になってようやく謎がスルッと解けるわけですが、「あ、そうですか」という感じ。想定内とまでは言いませんが、特に驚きもなし。終わってみれば小ぢんまりとしたお話でした。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-02 23:42:56)

5.  226 日本中の名の知れた役者を総動員したような豪華な顔ぶれ。しかしその大半はチョイ役のため、ほとんど印象に残らず。いったい何のためにここまで集めたのでしょう? バブル真っ盛りでカネが余っていたのかな。 で、お話としては事件の表面をなぞったドキュメンタリーのような感じ。なかなか迫真というか、当時の雰囲気はなんとなく伝わってきましたが、青年将校たちが何を目指していたのかまでは描かれません。 ただ面白かったのは中盤、将校の加藤雅也に向かって兵士(三遊亭小遊三)が「ここで死ぬわけには行かない。昭和維新を中止して帰らせてくれ」、もう1人の兵士(?)が「維新が成し遂げられたとして、自分にどういう関係があるのか」と訴える場面。青年将校たちのおそらく高邁であろう思想や行動原理は、その直属の部下にさえ伝わっていなかったわけで。押し黙ったまま、苦虫を噛み潰したような加藤雅也の表情が印象的です。ドラッカー先生が激怒しそうな悪い組織の典型例でした。 全編にわたって教科書的で無思想性にこだわったような作品ですが、この部分だけ、妙に親近感を覚えました。[CS・衛星(邦画)] 5点(2024-02-29 03:50:11)《改行有》

6.  グレイテスト・ショーマン 《ネタバレ》 とにもかくにも音楽がいい。疲れた心を鼓舞されるような力強さがあります。世間一般にたいていの人はマジョリティのように振る舞っていますが、実は誰しも何らかのマイノリティであるという自覚や自負や負い目を持っているように思います。だからこの作品で展開される〝ショー〟を見て、つい応援したくなるのかなと。 一方、主人公がかならずしも聖人君子ではないところが面白い。純粋にマイノリティに活躍の場を提供しようと思ったわけではなく、それが世間に受ける、カネ儲けができるという冷徹な計算があるわけで。美貌の歌姫でさえ単なるカネズルであり、一線を超えそうになったところで逃げるというのも潔い。まさに天賦の興行師だったということでしょう。 ただし、そういう特異なキャラクターでありながら、人物の描き方としては浅いのが残念。音楽とステージに力を入れすぎたためか、最後は唐突に聖人君子になってしまいました。[インターネット(字幕)] 7点(2024-02-27 23:50:18)《改行有》

7.  デュエリスト/決闘者 高評価の方が多いですが、すいません私はダメでした。とにかく「決闘」というワン・イシューで100分も引っ張るのはかなり無理があるというか、正直言って飽きるというか。それにスポーツやゲームのライバル関係ならともかく、端的に言えば殺し合いですからねぇ。いささか時代が違いすぎて、現代人としてまったく感情移入できず。ナポレオンの全盛期から没落期を背景にして、たぶん「時代にとり残された男」を描こうとしたのでしょうが、うまくリンクしているようには見えません。しかも親の仇とか赤穂浪士のような大義名分もなし。些細なことでインネンをつけて追い回すという、絡まれた側にとっては迷惑千万なお話でした。[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-02-25 22:50:30)

8.  ディファイアンス 《ネタバレ》 恥ずかしながら、こういう史実があったことを知りませんでした。アンネ・フランクもシンドラーも『夜と霧』もいいですが、これももっと歴史に刻まれるべき話じゃないかと。ただこのタイトルで損をしているというか、少なくとも日本人にはあまりピンと来ない気がします。ダニエル・クレイグが出ていなければ、たぶん私は見なかったと思います。 とにかくリーダーとしての苦悩ぶりがいい。ジェームズ・ボンドとは違ってなかなかうまく行きません。どんな集団でも人間関係のゴタゴタはあるわけで、規律と情、重圧と理性と弱気の間で常に揺れ動いている感じ。しかも強烈な外敵にも備える必要があり、頼られるわりに称賛されるわけでもなく、特別な報酬を得られるわけでもなく。世の中間管理職者は、彼の姿を見て「自分のほうがマシ」と勇気づけられるのではないでしょうか。ただし、どれほど敵に囲まれても弾がまったく当たらない点はボンドと共通しています。 それからもう1つ気になったのは、最大1200人もの大集団の食糧をどうやって賄っていたのか。村からの略奪には限界があるし、リスクも大きいはず。森の中で採集狩猟生活でもしていたのでしょうか。ドラマチックなドンパチもいいですが、そのあたりのリアリティをもう少し見たかった気がします。[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-02-24 03:01:50)《改行有》

9.  キングスマン 《ネタバレ》 主役が違うだけで、やってることはミッション・インポッシブルとか007とかとほとんど変わらないんじゃないかと。ちょっと毛色の違うものを期待したのですが、「痛快娯楽アクションもの」のカテゴリーから一歩も出ていない気がします。それに主要登場人物がどんどん減っていって、終盤はわずか数人だけのドラマになってしまいました。わかりやすいといえばわかりやすいですが、なんか寂しい感じも否めません。 ただその終盤、「威風堂々」が流れるシーンだけは好き。どんでもなくグロいわけですが、ふざけ度合いが勝っていて笑えます。「痛快娯楽アクションもの」の面目躍如といったところでしょうか。[インターネット(字幕)] 5点(2024-02-21 02:25:02)《改行有》

10.  最強のふたり 《ネタバレ》 いい話だとは思います。思いますが、ちょっと出来過ぎな感じがしないでもありません。生まれも育ちも対照的な2人が、それほどぴったりハマるものなのか。資産家が喫煙とか性感マッサージとか粗野な方向に引きずられるばかりで、ドリスは終始一貫何ら変わらなかったように思います。 特に違和感を覚えたのは、絵画や音楽や演劇など芸術全般をまるで理解しないドリスに対し、フィリップはすべて微笑で応じている点。これはフィリップにとって「実は自分も理解していない」という意味なのか、それとも「無知な人に教えてもムダ」という意味なのか。前者だとすれば「資産家だろ」とツッコミを入れたくなるし、後者だとすればやっぱり距離を置いているようで寂しい気持ちになります。実際には10年も関係が続いたそうなので、映画では描き切れないほど深い絆で結ばれていたとは思いますが。[インターネット(字幕)] 6点(2024-02-20 02:13:51)《改行有》

11.  クイック&デッド カウボーイスタイルのシャロン・ストーンが魅力的。こんなに美人だったのかと思うほど。しかし中盤、妙にドレスアップしてジーン・ハックマンと向き合う場面では、どこにでもいそうな女優に見えます。まあガテン系の女性はそれだけでかっこよく映えるということで。 一方、憎まれ役のジーン・ハックマンもいい感じ。とんでもない人非人の役どころながら、案外そうは見えません。人柄がにじみ出るというか、あらためて貴重な役者さんだったと思います。 ストーリーは荒唐無稽で結末も最初から見えています。あまりに非生産的というか、リスクとリターンのバランスが完全に崩れたゲームを展開するわけで、参加者には「アタマ悪すぎるだろ」という感想しかありません。問題はラッセル・クロウとディカプリオをどう処理するか。まあ落ち着くべきころに落ち着いたという感じでしょうか。劇画でも見るような感覚で、そこそこ楽しませてもらいました。[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-02-17 21:09:30)《改行有》

12.  オペレーション・フォーチュン ジェイソン・ステイサムのみならず、チームのメンバー全員の危機対応能力が高すぎて、ピンチらしいピンチがほぼゼロ。高級車で高速道路をどこまでもスイスイと疾走している感じというか。最初はちょっとワクワクしますが、すぐに飽きます。破断した道路の先からバイクで飛び降りろとまでは言いませんが、もう少しジェットコースター的なハラハラドキドキがあってもよかったんじゃないかと。[インターネット(字幕)] 5点(2024-02-14 01:39:25)

13.  レザボア・ドッグス 今さらながら初見。これは面白い。冒頭にいかにもタチの悪そうな面々をクドいぐらいに紹介しつつ、いざ犯行現場はいっさいスルーして、その後の出来事がほぼ倉庫だけで描かれる。映画というより2幕ものの演劇を見ているようでした。観客としては、「この間に何があったのか」と想像力を掻き立てられるとともに、「なぜそうなったのか」も気になって目が離せなくなります。かなりバイオレンスな作品ではありますが、やたら饒舌なセリフにはムダがなく、ある種の格調の高さを感じます。[インターネット(字幕)] 8点(2024-02-12 02:13:59)

14.  ブルース・ブラザース ノリノリの音楽を楽しめれば、それで十分かなと。クルマによる追いかけっこはやたら派手でしたが、どれほどクラッシュしても危機感はゼロ。要するに「トムとジェリー」を見ているような感覚です。 ちょっと面白かったのは、ネオナチの登場シーンに流れる「ワルキューレの騎行」。「地獄の黙示録」とは似ても似つかぬ使われ方に、やっぱり平和はいいなと再認識させてもらいました。[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-02-09 23:47:20)《改行有》

15.  ワイルド・スピード/ファイヤーブースト 良かれ悪しかれ期待を裏切りません。例によって派手なアクションシーンから始まり、例によって「ファミリー」が強調され、ときどき格闘が挿入され、原点回帰のレースシーンまでありました。さらに退場したはずの仲間がシレッと復活したり、かつての強敵がいつの間にか味方になったり。「ファミリー」はどんどん質量ともに増殖していくようです。この調子で行くと、「世界は一家、人類は皆兄弟」という結論に達しそう。 そこで重要なのは敵の描き方。この作品でもなかなか存在感を示していましたが、質量ともに多勢に無勢で気の毒にさえ見えてきます。次回作が最終作とのことですが、ぜひ大スター軍団を相手に有終の美を飾っていただきたいものです。[インターネット(字幕)] 7点(2024-02-06 23:47:15)《改行有》

16.  すばらしき世界 ストーリーがすばらしい。よくある勧善懲悪ものとは明らかに一線を画し、たしかに現実にありそうな話を、ものすごく自然に、少々の毒や皮肉を込めて描いている感じ。しかも主人公はけっして特異な存在ではなく、誰もが大なり小なり似たような要素を持っていて、生きづらさみたいなものを感じているんじゃないですか、と問われているような気がします。 しかしストーリーもさることながら、私がもっともグッと来たのは、前半と中盤に1回ずつあった役所広司が泣くシーン。前半は橋爪功夫婦と食卓を囲みながら、中盤は子どもたちとサッカーに興じた後で。演出なのか演技なのかわかりませんが、大の大人が堪え切れなくなって人目も憚らずに嗚咽するというのは、まさにこんな感じだろうと。仮に前後を切り離してこのシーンだけ見たとしても、私はきっともらい泣きしたと思います。[インターネット(邦画)] 9点(2024-02-02 02:02:51)(良:1票) 《改行有》

17.  髪結いの亭主 《ネタバレ》 人生経験の浅い私には、ヒロインの心理がまったく理解できず。そもそもなぜ、あんないかにもウダツの上がらなさそうなオッサンのプロポーズをあっさり快諾してしまったのか。しかも案の定、まったく働かないだけではなく、自分の働く姿を日がな一日ジトーッと観察しているわけで。「男なら外で稼いでこいよ」とか思わないんだろうか。「どこに惚れた?」「何がいいの?」と真剣に問い詰めたい。その答えを聞くことはもう永遠に叶いませんが。[CS・衛星(字幕)] 3点(2024-01-30 20:34:51)

18.  64/ロクヨン 後編 《ネタバレ》 前編はそれなりのリアリティを持って進行していたのに、後編は急に安っぽくなっちゃいました。登場人物それぞれが奇跡的な行動を易々とこなし、はい皆さんがんばったでしょ、意外な結末でしょ、感動したでしょ、と押しつけられている感じ。記者代表の瑛太は最後までカラ回りでしたが。 佐藤浩市の最後の立ち回りは、今風に言えば私人逮捕ってことになるんですかね。警察官ではなく事務方なので。[CS・衛星(邦画)] 4点(2024-01-25 23:55:16)《改行有》

19.  64/ロクヨン 前編 見たことのある顔がゴロゴロ出ていて熱意は感じますが、どうにも不明ながいくつか。 そもそも地方(群馬県?)の県警の記者クラブに、あんな大人数の記者が常駐しているものなんでしょうか。全国紙・地方紙・通信社・NHKと民放ぐらいがせいぜいだと思うのですが、多すぎませんかね。町内会誌とか学生新聞とかにも門戸を開いているのかな。それに交通事故の加害者名ぐらい、自分の足で調べようと思えば調べられるんじゃないでしょうか。むしろそれが記者の本来の仕事ではないかと。瑛太以下がやたら意気がっていましたが、親鳥からのエサを待つ雛鳥の集団のよう。それが主な仕事だとしたら、ずいぶんラクな商売ですね。 佐藤浩市が中盤で永瀬正敏の前で泣き崩れる意味もよくわからないし、終盤に記者まがいの仕事をするのも妙。結局、ものすごく内輪の話をしているに過ぎないんじゃないかと。まあ熱意は感じたし、登場人物が多いわりによくまとまっているとは思いますが。[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-01-23 23:38:44)《改行有》

20.  西部戦線異状なし(1930) さすが、公開から90年も経ってなお、見続けられているだけのことはあります。とにかくリアルな感じがいい。実は情報がものすごく削ぎ落とされていて、独仏の戦いであることは辛うじてわかるものの、描かれるのは徹底的に兵士の目線からのみ。時代背景も、それまでの経緯も、どの戦場なのかも、戦況はどうで軍はどういう作戦を立てているのか等々もまったく描かれません。だからすごく不安な気持ちにさせられるのですが、もしかしたら最前線の兵士も似たような心境だったんじゃないかなと。その意味で、一種の疑似体験型の映画だと思います。 で、過酷な戦場の様子もさることながら、秀逸なのは終盤の一時帰郷した際の話。銃後の教師は相変わらず若者を煽り、老人たちは酒場で勝手に作戦会議で盛り上がるわけです。ここまで作品を見てきた観客は、おそらく一様に彼らに腹を立てることでしょう。「無責任なことを言うな」「お前が戦場に行け」「若者の命を何だと思っているのか」と。しかしふと我に返ってみると、これは自分の姿ではないかと思い知らされるわけです。戦争ではないにせよ、世事について現場を知らないくせに、一知半解の知識で偉そうなことを言っているのではないか。それがいかにみっともないかをまざまざと見せて観客に猛省を促すという意味でも、やはりすごい作品だと思います。 公開当時のことは知りませんが、アカデミー賞を取っているぐらいなので、多くの人が見ているのでしょう。そしてきっと「戦争は虚しい」「二度と起こしてはならない」と思ったはずです。ところがこの10年後、米欧はもっと大きな戦争を引き起こしてしまったわけで。おそらく酒場では、老人たちが戦争を肴におおいに盛り上がったことでしょう。 結局、映画とかエンタメとか芸術というものは、戦争の抑止力にはなり得ないということがよくわかりました。[CS・衛星(字幕)] 9点(2024-01-17 23:40:51)(良:1票) 《改行有》

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